JP2005219413A6 - 蓄光金属板及び蓄光金属板の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】
金属板の表面に蓄光性塗料を塗装した蓄光金属板を提供する。
【解決手段】
蓄光金属板1は、金属板2と、金属板2の表面にホワイトコーティングされたホワイトコーティング層3と、ホワイトコーティング層3上に塗装された蓄光性塗料層5と、蓄光性塗料層5上に印刷された印刷層6,7と、蓄光性塗料層5と印刷層6,7上に透明コーティングされた透明コーティング層9とを有する。
【選択図】 図1
金属板の表面に蓄光性塗料を塗装した蓄光金属板を提供する。
【解決手段】
蓄光金属板1は、金属板2と、金属板2の表面にホワイトコーティングされたホワイトコーティング層3と、ホワイトコーティング層3上に塗装された蓄光性塗料層5と、蓄光性塗料層5上に印刷された印刷層6,7と、蓄光性塗料層5と印刷層6,7上に透明コーティングされた透明コーティング層9とを有する。
【選択図】 図1
Description
本願発明は、光を蓄え発光する蓄光性塗料層が形成された蓄光金属板及びそれの製造方法に関する。
従来、絵画等の紙材の表面に蓄光性塗料をスクリーン印刷したものが存在した。しかし、金属板表面に蓄光性塗料が設けられたものは存在しなかった。
金属板の表面に蓄光性塗料を設ける手段として、オフセット印刷とシルクスクリーン印刷が考えられる。しかし、オフセット印刷では、蓄光顔料が大きすぎるため、金属板への転移性が悪く、印刷が難しいという問題点があった。また、シルクスクリーン印刷では、印刷は可能であるが、金属板のプレス加工時に、加工部分の印刷が損傷するので、製品化することができないという問題点があった。このことから、金属板の表面に蓄光性塗料を設ける手段として、オフセット印刷とシルクスクリーン印刷を採用することができなかった。
本願発明は、上記問題点に鑑み案出したものであって、金属板の表面に蓄光性塗料を塗装することによって、簡単に金属板の表面に蓄光性塗料の塗膜を形成し、プレス加工しても、加工部分の蓄光性塗膜が損傷して蓄光しなくなるという問題点を解消した蓄光金属板及び蓄光金属板の製造方法を提供することを目的とする。
本願請求項1に係る蓄光金属板は、上記目的を達成するため、金属板と、金属板の表面に下地処理された下地処理層と、下地処理層上に塗装された蓄光性塗料層と、蓄光性塗料層上に印刷された印刷層と、蓄光性塗料層と印刷層上に透明コーティングされた透明コーティング層とを有する。
本願請求項2に係る蓄光金属板は、上記目的を達成するため、金属板と、金属板の表面に下地処理された下地処理層と、下地処理層上に印刷された印刷層と、下地処理層と印刷層上に塗装された蓄光性塗料層とを有する。
本願請求項3に係る蓄光金属板は、上記目的を達成するため、上記下地処理がホワイトコーティングであって、下地処理層がホワイトコーティング層である。
本願請求項4に係る蓄光金属板の製造方法は、上記目的を達成するため、金属板表面を下地処理して下地処理層を形成する第1の工程と、下地処理層上に蓄光性塗料を塗装して蓄光性塗料層を形成する第2の工程と、蓄光性塗料層上に印刷して印刷層を形成する第3の工程と、蓄光性塗料層と印刷層上に透明コーティングして透明コーティング層を形成する第4の工程とからなる。
本願請求項5に係る蓄光金属板の製造方法は、上記目的を達成するため、金属板表面を下地処理して下地処理層を形成する第1の工程と、下地処理層上に印刷して印刷層を形成する第2の工程と、下地処理層と印刷層上に蓄光性塗料を塗装して蓄光性塗料層を形成する第3の工程とからなる。
本願請求項6に係る蓄光金属板の製造方法は、上記目的を達成するため、上記下地処理がホワイトコーティングであって、下地処理層がホワイトコーティング層である。
本願発明に係る蓄光金属板は、簡単に金属板の表面に蓄光性塗料の塗膜を形成することができ、プレス加工しても、加工部分の蓄光性塗膜が損傷して蓄光しなくなるという問題点が解消され、加工性に優れ、標識、缶、ゴミ箱、バッチ、ペンケース等の各種分野に広く利用されることができるという効果がある。
本願発明の実施の形態を図1乃至図7に基づいて説明する。図1は、本願発明に係る蓄光金属板の一つの実施の形態を示す断面図である。図2は、蓄光金属板の塗装工程を示す概略図である。図3は、蓄光金属板の一つの印刷層を示す正面図である。図4は、本願発明に係る蓄光金属板の第1の利用例を示す説明図である。図5は、本願発明に係る蓄光金属板の第2の利用例を示す説明図である。図6は、本願発明に係る蓄光金属板の第3の利用例を示す説明図である。図7は、本願発明に係る蓄光金属板の他の実施の形態を示す断面図である。
蓄光金属板1は、図1に示すように、金属板2と、金属板2の表面に下地処理された下地処理層3と、下地処理層3上に塗装された蓄光性塗料層5と、蓄光性塗料層5上に印刷された印刷層6,7と、蓄光性塗料層5と印刷層6,7上に透明コーティングされた透明コーティング層9とを有する。
蓄光金属板21は、図7に示すように、金属板22と、金属板22の表面に下地処理された下地処理層23と、下地処理層23上に印刷された印刷層26,27と、下地処理層23と印刷層26,27上に塗装された蓄光性塗料層25とを有する。
なお、蓄光金属板1,21は、下地処理がホワイトコーティングであって、下地処理層3,23がホワイトコーティング層であることが望ましい。
蓄光金属板1の製造方法は、図1に示すように、金属板2表面を下地処理して下地処理層3を形成する第1の工程と、下地処理層3上に蓄光性塗料を塗装して蓄光性塗料層5を形成する第2の工程と、蓄光性塗料層5上に印刷して印刷層6,7を形成する第3の工程と、蓄光性塗料層5と印刷層6,7上に透明コーティングして透明コーティング層9を形成する第4の工程とからなる。
蓄光金属板21の製造方法は、図7に示すように、金属板22表面を下地処理して下地処理層23を形成する第1の工程と、下地処理層23上に印刷して印刷層26,27を形成する第2の工程と、下地処理層23と印刷層26,27上に蓄光性塗料を塗装して蓄光性塗料層25を形成する第3の工程とからなる。
蓄光金属板1,21の製造方法は、下地処理がホワイトコーティングであって、下地処理層3,23がホワイトコーティング層であることが望ましい。
さらに蓄光金属板1について詳細に説明する。金属板2は、ブリキ板、TFS板(クロム処理鋼板)、アルミ板等の金属プレス加工可能なものであれば良く、特に材質、厚み等が限定されるものではない。金属板2の表面は、清浄するため、脱脂及び除錆が行われる。次に、金属板2の表面は、塗装下地処理が行われ、下地処理層3が形成される。この塗装下地処理は、防錆と塗膜の密着性向上のため行われる。処理の方法は、噴射法、浸せき法、ハケ塗り法等があるが、本実施の形態では、ロール塗装により行われる。
本実施の形態において、この塗装下地処理は、酸化チタン等の白色顔料を含有するホワイトコーティング剤により行われ、金属板2の表面にホワイトコーティング(下地処理)されたホワイトコーティング層(下地処理層)3が形成される。このホワイトコーティング層3により、蓄光性顔料の輝度が向上する。
ホワイトコーティング層3上には、蓄光性塗料が塗装され、蓄光性塗料層5が形成されている。蓄光性塗料は、蓄光性顔料と無色透明な樹脂ワニスが混合されたものである。蓄光性顔料は、硫化カルシウムを基剤とするCaS:Bi、硫化亜鉛を主とするZnS:Cu等があるが、輝度と残光時間を向上したストロンチウムアルミネート(SrAl2O4)を母体結晶としたものが望ましい。樹脂ワニスは、メラミン−ホルムアルデヒド樹脂、ポリエステル−アミノ樹脂等の無色透明なものを接着剤、展色材等として使用する。
上記蓄光性塗料は、ホワイトコーティング層3全面に焼付塗装する。塗装は、図2に示す様に、いわゆるナチュラル式ローラーコーター法により行われる。ナチュラル式ローラーコーター法は、金属板2を平板状態のまま、塗料ロール10と補助ロール11によって挟持し、塗料ロール10を強制的に回転させて、金属板2のホワイトコーティング層3全面に蓄光性塗料を塗装していくものである。なお、蓄光性塗料は、蓄光性顔料の比重が樹脂ワニスより重たいため、蓄光性顔料が沈殿しやすく、作業中は、蓄光性顔料が沈殿しないように、蓄光性塗料容器12内を攪拌しておくことが望ましい。
上記蓄光性塗料は、塗装された後、焼付乾燥される。焼付乾燥は、蓄光性塗料を加熱することによって溶剤を蒸発させ、同時に重合反応を促進させて、ホワイトコーティング層3全面に蓄光性塗料層5の塗膜が形成される。焼付条件は、塗料の組成によって異なるのは言うまでもない。
蓄光性塗料層5上には、図3に示すように、文字、絵画、模様等がオフセット印刷された印刷層6と、矩形状の枠がオフセット印刷された印刷層7が形成されている。印刷層6,7は、この形態に限定されないのは勿論である。蓄光性塗料層5の印刷層6、7が形成されている部分は発光しない。蓄光性塗料層5と印刷層6,7上には、透明な塗料がロール塗装され、コーティングされて透明コーティング層9が形成される。この塗料は、ポリエステル樹脂であって、塗装された後、焼付乾燥される。
蓄光金属板21について詳細に説明する。金属板22は、金属板2と同様なので説明を省略する。金属板22の表面は、清浄するため、脱脂及び除錆が行われる。次に、金属板22の表面は、塗装下地処理が行われ、下地処理層23が形成される。この塗装下地処理は、防錆と塗膜の密着性向上のためであり、ロール塗装により行われる。なお、この塗装下地処理は、酸化チタン等の白色顔料を含有するホワイトコーティング剤により行われ、金属板22の表面にホワイトコーティング(下地処理)されたホワイトコーティング層(下地処理層)23が形成される。このホワイトコーティング層23により、蓄光性顔料の輝度が向上する。
ホワイトコーティング層23上には、図7に示すように、文字、絵画、模様等がオフセット印刷された印刷層26と、矩形状の枠がオフセット印刷された印刷層27が形成されている。印刷層26,7は、この形態に限定されないのは勿論である。
ホワイトコーティング層23及び印刷層26,27上には、蓄光性塗料が塗装され、蓄光性塗料層25が形成されている。蓄光性塗料は、上記した通りなので、説明を省略する。上記蓄光性塗料は、前記したようにナチュラル式ローラーコーター法により塗装され、焼付乾燥される。この蓄光性塗料により、ホワイトコーティング層23及び印刷層26、
27が夜間に発光する。
27が夜間に発光する。
蓄光性金属板1、21は、プレス加工しても、折曲された部分の蓄光性塗料層5、25が損傷して、蓄光しなくなることがないので、図4,5,6に示すように、ゴミ缶13やペンケース15やバッチ16に使用することができる。ゴミ缶13は、暗いところで蓄光顔料が発光するので、夜間に足が引っ掛かってつまずいたりすることがない。また、ペンケース15も、暗いところで蓄光顔料が発光するので、暗いところで探す時に便利である。さらに、バッチ16も、暗いところで蓄光顔料が発光するので、子ども達が衣服や帽子に付けていると、夜間の目印となり、交通安全面で大きく貢献する。
1 蓄光金属板
2 金属板
3 下地処理層(ホワイトコーティング層)
5 蓄光性塗料層
6 印刷層
7 印刷層
9 透明コーティング層
10 塗料ロール
11 補助ロール
12 蓄光性塗料容器
13 ゴミ缶
15 ペンケース
16 バッチ
21 蓄光金属板
22 金属板
23 下地処理層(ホワイトコーティング層)
25 蓄光性塗料層
26 印刷層
27 印刷層
2 金属板
3 下地処理層(ホワイトコーティング層)
5 蓄光性塗料層
6 印刷層
7 印刷層
9 透明コーティング層
10 塗料ロール
11 補助ロール
12 蓄光性塗料容器
13 ゴミ缶
15 ペンケース
16 バッチ
21 蓄光金属板
22 金属板
23 下地処理層(ホワイトコーティング層)
25 蓄光性塗料層
26 印刷層
27 印刷層
Claims (6)
- 金属板と、
金属板の表面に下地処理された下地処理層と、
下地処理層上に塗装された蓄光性塗料層と、
蓄光性塗料層上に印刷された印刷層と、
蓄光性塗料層と印刷層上に透明コーティングされた透明コーティング層とを有することを特徴とする蓄光金属板。 - 金属板と、
金属板の表面に下地処理された下地処理層と、
下地処理層上に印刷された印刷層と、
下地処理層と印刷層上に塗装された蓄光性塗料層とを有することを特徴とする蓄光金属板。 - 下地処理がホワイトコーティングであって、下地処理層がホワイトコーティング層であることを特徴とする請求項1又は2記載の蓄光金属板。
- 金属板表面を下地処理して下地処理層を形成する第1の工程と、
下地処理層上に蓄光性塗料を塗装して蓄光性塗料層を形成する第2の工程と、
蓄光性塗料層上に印刷して印刷層を形成する第3の工程と、
蓄光性塗料層と印刷層上に透明コーティングして透明コーティング層を形成する第4の工程とからなることを特徴とする蓄光金属板の製造方法。 - 金属板表面を下地処理して下地処理層を形成する第1の工程と、
下地処理層上に印刷して印刷層を形成する第2の工程と、
下地処理層と印刷層上に蓄光性塗料を塗装して蓄光性塗料層を形成する第3の工程とからなることを特徴とする蓄光金属板の製造方法。 - 下地処理がホワイトコーティングであって、下地処理層がホワイトコーティング層であることを特徴とする請求項4又は5記載の蓄光金属板の製造方法。
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