JP7085334B2 - 飲料容器および飲料容器セット - Google Patents
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Description
また特許文献2には、容器外表面に、紫外線照射で視認可能な隠しマークがインクジェット印刷により形成されて成る隠しマーク付き容器において、隠しマークが、ベース樹脂、蛍光着色剤、テトラアルキルアンモニウム塩及びテトラアルキルホスホニウム塩から選択される導電剤、及び有機溶剤から成り、蛍光着色剤が2,2’-(2,5-チオフェンジイル)-ビス(5-t-ブチルベンゾオキサゾール)であるインクジェット用インク組成物から成る青色系隠しマークと、インクジェット用インク組成物から形成される赤色系隠しマークの両方を有することを特徴とする隠しマーク付き容器が開示されている。
しかしながら、装飾を可視光塗料のみで行った場合、装飾は固定され変化することはないため、装飾性には限界がある。また明所では、装飾を視認できる一方で、暗所では、装飾を視認しにくく、暗所での装飾の視認性に問題が生じやすい。
本発明は、飲料容器に塗装を行なう場合に、可視光塗料に加え、蛍光塗料を用い、双方を利用した装飾を施すことにより、装飾性に優れ、明所のみならず暗所での視認性に優れた飲料容器等を提供しようとするものである。
また、蛍光塗料を用いてなされる第2の装飾部は、可視光塗料を用いてなされる第1の装飾部とは別個の領域に形成されるようにすることができる。この場合、第1の装飾部と第2の装飾部とで、別々の装飾性を発揮させることができる。
さらに、有色蛍光塗料は、色材の色と蛍光の色とが異なる色相を有し、色材の色と異なる色相の蛍光による誘目性を利用して装飾の一部として機能させるようにすることができる。この場合、第2の装飾部の装飾性がより向上する。
またさらに、第2の装飾部に用いられる蛍光塗料は無色であり、第2の装飾部を可視光塗料を用いた第1の装飾部の画像の上に形成することで第2の装飾部の誘目性を利用して装飾の一部として機能させるようにすることができる。この場合、明所で視認できなかった装飾を、暗所において出現させることができる。
そして、第2の装飾部は、第1の装飾部による図柄に加えた図柄を表すことで装飾の一部として機能させることができる。この場合、第2の装飾部は、明所で視認できなかった装飾性を、第1の装飾部の装飾に加えて発揮させることができる。
また、蛍光塗料を用いて施された第2の装飾部の上には、可視光塗料を用いた第1の装飾部の画像は形成しないようにすることができる。この場合、第1の装飾部が、第2の装飾部を隠蔽しにくくなる。
さらに、基材は金属材であり、第2の装飾部は、金属材の有する金属光沢が得られる領域の上に形成されることができる。この場合、第2の装飾部が金属光沢を活かした図柄を表現することができる。
またさらに、第2の装飾部は、金属光沢に加えた図柄を表すことで装飾の一部として機能させることができる。この場合、第2の装飾部に、金属光沢と蛍光による相乗効果による装飾性を発揮させることができる。
そして、光は、紫外光とすることができる。この場合、より簡単に得られる光源を使用することができる。
また、複数の飲料容器の第1の装飾部および第2の装飾部により、物語性を表すようにすることができる。この場合、第1の装飾部および第2の装飾部により、連続性がある装飾となる。
さらに、複数の飲料容器は、6個の飲料容器からなるようにすることができる。この場合、6個の缶体を1セットとして販売する商取引の実情に合わせることができる。
<飲料容器全体の説明>
図1(a)~(b)は、本実施の形態の飲料容器が使用される第1の実施形態について説明した図である。ここで図1(a)は、本実施の形態の飲料容器が使用される缶体Kの概略を示した図であり、図1(b)は、図1(a)の断面の一部分を拡大した図である。
図1(a)~(b)に示すように缶体Kは、本実施の形態の飲料容器10と、飲料容器10の上部を塞ぐための蓋部材20とから構成される。
容器基体12として金属類を使用した場合、蓋部材20は、外縁部をいわゆる巻き締めすることで飲料容器10に固定されている。蓋部材20には、飲み口としての開口部を形成するためにタブ(図示せず)が備えられていてもよい。
次に印刷層142について詳述する。
図1(b)に示すように、印刷層142は、第1の装飾部142aと、第2の装飾部142bとを備える。また本実施の形態では、第2の装飾部142bは、第1の装飾部142aとは別個の領域に形成される。よってこの場合、第1の装飾部142aと第2の装飾部142bとは、容器基体12上で同じ層として形成される、と言ってもよい。
つまり第1の装飾部142aは、可視光が照射されると、可視光塗料の色に応じた光を反射し、その結果、予め定められた色に発色する。可視光塗料は、種々の色が用意されている。この色としては、例えば、R(赤色)、G(緑色)、B(青色)等を挙げることができる。よって第1の装飾部142aは、カラーの図柄を表現することができる。第1の装飾部142aは、可視光下にて発色することで、主たる装飾部を構成し、印刷層142に印刷される図柄の基本となる要素を表現する。
ここで光は、例えば、紫外光(UV:ultraviolet)である。第2の装飾部142bに対しUVを照射する光源としては、特に限られるものではなく、例えば、ブラックライトや殺菌灯などの紫外線低圧水銀ランプ、UV-LED(Light Emitting Diode)、高圧水銀ランプ、メタルハライドランプ等が使用できる。また光は、紫外光に限られるものではなく、蛍光塗料が、蛍光を発するための励起光となるものであれば、特に限られるものではない。例えば、光は、可視光、X線等であってもよい。照射する光が可視光であった場合、照射した光より長波長の可視光が蛍光として発せられる。例えば、青色の可視光を照射したときに、黄色の蛍光を見ることができる。
またさらに照明環境を調整し、例えば、暗い照明とすることで、第1の装飾部142aの発色は、さらに暗くなり、認識しにくくなる。対して第2の装飾部142bの発色は、相対的にさらに明るくなる。そのため、この場合、例えば、夜の都会の風景を表現することができる。
図3(a)~(b)は、本実施の形態の飲料容器が使用される第2の実施形態について説明した図である。ここで図3(a)は、本実施の形態の飲料容器が使用される缶体Kの概略を示した図であり、図3(b)は、図3(a)の断面の一部分を拡大した図である。
図3に示す缶体Kは、図1に示す缶体Kと同じ構造を有する。即ち、図3に示す缶体Kは、飲料容器10と蓋部材20とから構成される。また飲料容器10は、容器基体12と、塗膜14とからなり、塗膜14は、印刷層142と、トップコート層143とから構成される。
なおこの場合、蛍光塗料を用いて施された第2の装飾部142bの上には、可視光塗料を用いた第1の装飾部142aの画像は形成しないようにする。これにより第2の装飾部142bから発する蛍光が、第1の装飾部142aにより遮断されることが防止できる。
第1の実施形態および第2の実施形態では、容器基体12全体を覆うように第1の装飾部142aまたは第2の装飾部142bが形成されていたが、容器基体12全体を覆う必要は必ずしもない。
図5に示す缶体Kは、図3に示す缶体Kと同様に、印刷層142は、第1の装飾部142aと、第2の装飾部142bとを備える。そして第2の装飾部142bに用いられる蛍光塗料は無色である。ただし第2の装飾部142bを第1の装飾部142a上には、形成せず、容器基体12上に直接形成している。また第1の装飾部142aと第2の装飾部142bとは、少なくとも一部で接触せず、離間する。
つまり図5(a)の場合では、第1の装飾部142aは、海S3の箇所が可視光下で発色し、缶体Kを見る者は、第1の装飾部142aにより描かれた海辺の風景を認識することができる。また第2の装飾部142bは、上述したように蛍光は発せず、無色であるため可視光下において発色しない。そして空S4の箇所は、容器基体12の金属光沢が認識され、これが空S4を表す。
さらに図5(b)のときは、缶体Kに対する照明環境を調整し、例えば、暗い照明とすることで、花火J2が打ち上げられた夜の海辺の風景を表現することができる。
上述した缶体Kおよび飲料容器10は、複数個をセットとし、これにより複数の缶体セットや複数の飲料容器を含む飲料容器セットとすることもできる。
図6(a)~(b)は、第2の装飾部142bが、蛍光を発しない状態と、発した状態とで図柄を比較した図である。即ち、図6(a)は、第1の装飾部142aが、可視光下にて発色するのに対し、第2の装飾部142bは、蛍光を発しない状態を示す。また、図6(b)は、第1の装飾部142aが、可視光下にて発色するとともに、第2の装飾部142bが、蛍光を発した状態を示す。
図7(a)~(b)は、第2の装飾部142bが、蛍光を発しない状態と、発した状態とで図柄を比較した図である。即ち、図7(a)は、第1の装飾部142aが、可視光下にて発色するのに対し、第2の装飾部142bは、蛍光を発しない状態を示す。また、図7(b)は、第1の装飾部142aが、可視光下にて発色するとともに、第2の装飾部142bが、蛍光を発した状態を示す。
図8(a)~(b)は、第2の装飾部142bが、蛍光を発しない状態と、発した状態とで図柄を比較した図である。即ち、図8(a)は、第1の装飾部142aが、可視光下にて発色するのに対し、第2の装飾部142bは、蛍光を発しない状態を示す。また、図8(b)は、第1の装飾部142aが、可視光下にて発色するとともに、第2の装飾部142bが、蛍光を発した状態を示す。
[印刷層形成用インク]
印刷層142を形成させるために、印刷層形成用インクを用いて印刷を行なう。印刷層形成用インクとしては、上述した可視光塗料と、蛍光塗料とが用いられる。
可視光塗料は、例えば、顔料を変更することで、イエロー、マゼンタ、シアン、白、黒の各色のインクとすることができる。
このn共役架橋ポリマーとしては、例えば、下記(1)式で示されるn共役モノマーと、(2)式で示される架橋剤とを含む。
Qは、水素、メチル、ヒドロキシル、カルボキシ、(1~4C)アルコキシカルボニル、アミノ、-C=CH2、-C≡CH、-SH、-ビオチン、-ストレプトアビジン、-CF3、ならびにアクリレート、エポキシおよびスチレンから選択される重合性基から選択される末端基である。
以下、添付図面を参照して、本発明の実施の形態について説明する。
図9は、缶体への印刷を行う印刷装置1を説明する図である。
旋回タレット2は、飲料容器10を保持した状態で回転を行って飲料容器10の搬送を行なう。
さらに、各缶体支持部材3の先端には、円筒状のマンドレル4が設けられている。マンドレル4は、飲料容器10の内部に挿入され、飲料容器10の内側から飲料容器10を支持する。
缶体投入部100には、不図示の缶体供給装置が設けられ、この缶体供給装置によって、マンドレル4への飲料容器10の供給が行われる。
缶体排出部200には、不図示の缶体取り外し装置が設けられ、マンドレル4からの飲料容器10(印刷済みの飲料容器10)の取り外しが行われる。
6つのインクジェットヘッドHは、旋回タレット2の回転方向において、40°おきに配置されている。インクジェットヘッドHの各々は、下面に、複数のインク吐出口(不図示)を備え、このインク吐出口から下方の飲料容器10に向けてインクを吐出し、飲料容器10への印刷を行う。
各インクジェットヘッドHでは、UV硬化型のインクが、飲料容器10の外周面へ吐出される。本実施形態では、UVLED300から飲料容器10へ紫外線を照射することで、飲料容器10の外周面に形成された画像を硬化させる。
なお、UVLED300に換えて、UVランプを設置してもよい。また、熱硬化型のインクを用いる場合には、UVLED300に換えてヒータを設置する。
缶体投入部100では、回転を停止したマンドレル4が待機しており、不図示の缶体供給装置によって、このマンドレル4に対し、飲料容器10が供給される。これにより、マンドレル4による飲料容器10の保持が開始される。
マンドレル4による飲料容器10の保持が開始されると、旋回タレット2の回転が開始され、マンドレル4は、第1インクジェットヘッドH1の下部に到達する。マンドレル4が第1インクジェットヘッドH1の下部に到達すると、旋回タレット2の回転は一旦停止される。
缶体支持部材3内には、ロータリエンコーダ付モータが設けられおり、マンドレル4による飲料容器10の保持が開始されると、このロータリエンコーダ付モータによりマンドレル4の回転が開始される。
飲料容器10が1回転すると、飲料容器10の全周に亘って画像が形成された状態となり、第1インクジェットヘッドH1における印刷は終了する。
より具体的には、飲料容器10の回転位置が、制御部に格納された上記回転位置になると、第2インクジェットヘッドH2からのインクの吐出が開始される。そして、飲料容器10が1回転すると、第2インクジェットヘッドH2における印刷は終了する。
その後、旋回タレット2の回転が再び行われ、飲料容器10が、第5インクジェットヘッドH5の下部に達し、第5インクジェットヘッドH5からのインクの吐出が行われる。インクの吐出開始から飲料容器10が1回転すると、第5インクジェットヘッドH5での印刷は終了する。
さらに、旋回タレット2の回転が再び行われ、飲料容器10が、第6インクジェットヘッドH6の下部に達し、第6インクジェットヘッドH6からのインクの吐出が行われる。インクの吐出開始から飲料容器10が1回転すると、第6インクジェットヘッドH6での印刷は終了する。
なお、停止や減速させる場合は、各インクジェットヘッドHに飲料容器10が到達する度に、マンドレル4の回転数を増加させ、回転数が予め定められた回転数になると、印刷が開始される。
この位置でも、飲料容器10の回転(自転)が行われ、UVLED300からのUV光が飲料容器10の外周面に照射される。これにより、飲料容器10に付着したインクが硬化する。その後、旋回タレット2の回転に伴い、飲料容器10は、缶体排出部200に到達する。
取り外された飲料容器10は、後の工程へ移送される。なお、飲料容器10が取り外れた後の空のマンドレル4は、缶体投入部100に再び達し、缶体投入部100では、このマンドレル4に対して新たな飲料容器10が供給される。
Claims (14)
- 金属材からなり、飲料を内部に封入する基材と、
可視光下にて発色するが紫外光の照射により蛍光を発しない金属印刷用のインクである可視光塗料を用いた印刷を行なうことにより、前記基材に施される第1の装飾部と、
可視光下では蛍光を発しないが紫外光の照射により蛍光を発するとともに色材を有する金属印刷用のインクである有色蛍光塗料を用いた印刷を行なうことにより、可視光下において当該色材の色により発色するとともに紫外光下において蛍光を発することで、前記第1の装飾部に加えて装飾の一部として機能させるために、前記基材に施される第2の装飾部と、
を有する飲料容器。 - 前記第2の装飾部に形成される前記有色蛍光塗料は、当該有色蛍光塗料を用いた当該第2の装飾部の誘目性を利用して装飾の一部として機能させる、ことを特徴とする請求項1記載の飲料容器。
- 前記有色蛍光塗料を用いてなされる前記第2の装飾部は、前記可視光塗料を用いてなされる前記第1の装飾部とは別個の領域に形成される、ことを特徴とする請求項2記載の飲料容器。
- 前記有色蛍光塗料は、色材の色と蛍光の色とが異なる色相を有し、色材の色と異なる色相の蛍光による誘目性を利用して装飾の一部として機能させる、ことを特徴とする請求項2記載の飲料容器。
- 前記第2の装飾部は、前記第1の装飾部による図柄に加えた図柄を表すことで装飾の一部として機能させる、ことを特徴とする請求項1記載の飲料容器。
- 前記有色蛍光塗料を用いて施された前記第2の装飾部の上には、前記可視光塗料を用いた前記第1の装飾部の画像は形成しない、ことを特徴とする請求項1記載の飲料容器。
- 前記第2の装飾部は、前記金属材の有する金属光沢が得られる領域の上に形成される、ことを特徴とする請求項1記載の飲料容器。
- 前記第2の装飾部は、前記金属光沢に加えた図柄を表すことで装飾の一部として機能させる、ことを特徴とする請求項7記載の飲料容器。
- 照明環境の変化にともない、前記第1の装飾部および前記第2の装飾部の発色が変化することを利用し、装飾を表現する請求項1記載の飲料容器。
- 前記照明環境が明るいときは前記装飾として昼の風景を表現し、当該照明環境が暗いときは当該装飾として夜の風景を表現する請求項9記載の飲料容器。
- 複数の飲料容器を含む飲料容器セットであって、
前記飲料容器は、
金属材からなり、飲料を内部に封入する基材と、
可視光下にて発色するが紫外光の照射により蛍光を発しない金属印刷用のインクである可視光塗料を用いた印刷を行なうことにより、前記基材に施される第1の装飾部と、
可視光下では蛍光を発しないが紫外光の照射により蛍光を発するとともに色材を有する金属印刷用のインクである有色蛍光塗料を用いた印刷を行なうことにより、可視光下において当該色材の色により発色するとともに紫外光下において蛍光を発することで、前記第1の装飾部に加えて装飾の一部として機能させるために、前記基材に施される第2の装飾部と、
を有する飲料容器セット。 - 前記複数の飲料容器の前記第1の装飾部および前記第2の装飾部により、一体的な1つの装飾を表す、ことを特徴とする請求項11記載の飲料容器セット。
- 前記複数の飲料容器の前記第1の装飾部および前記第2の装飾部により、物語性を表す、ことを特徴とする請求項11記載の飲料容器セット。
- 前記複数の飲料容器は、6個の当該飲料容器からなる、ことを特徴とする請求項11記載の飲料容器セット。
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