JP2005219169A - 砥石及びその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】砥粒と、磁性流体および/または磁性材料粉体と、結合剤とを含む砥石用材料を円盤形状に成形した後、前記円盤形状の砥石用材料11aに対して磁場を一方向に印加して、砥石用材料中の砥粒を配列させる磁場印加処理と、前記砥石用材料の砥粒が配列された領域を硬化させる硬化処理とを該円盤の円周方向に順次行う。
【選択図】図3
Description
この磁気ヘッドの高精度化においては、磁気記録媒体との摺動面に関してとくに高い精度が要求されている。
このような加工機を用い、砥石を回転させてその砥面(研削作業面)である周縁部を、被加工材料(ワーク)である磁気コアブロックに摺接させることにより、磁気コアブロックに対する切断加工や溝切り加工を高精度で行い、磁気ヘッドを製造している(例えば、特許文献1参照。)。
例えば、図19に示すように加工後のワークを上から見た場合に観察される、ワークの摺接面のエッジ部に発生する欠けが問題となっている。
また、砥石用材料を十分に混錬して、砥粒分布の不均一を極力抑えることや切れ味を変えるために砥粒を部分的に集中させることが行われているが、加工品位の改善としては不充分であった。
とくに、前記磁場の強度の周期的な変化を、一定の磁場強度で印加することと磁場強度を0とすることとを交互に行うこととするとよい。
さらに、前記磁場の強度変化の周期として、一定の磁場強度を印加する時間と磁場強度0の時間との比を1:1とすることが好ましい。
とくに、円盤の外周から中心への方向に砥粒が配列された砥石を研削加工に使用することにより、高能率、高品位の加工を実現できる。
また、円盤の厚み方向に砥粒が配列された砥石を研削加工に使用することにより、ワーク側面の欠けの少ない加工を実現できる。
さらに、円盤の円周上で砥粒が配列された領域とそうでない領域とが交互に設けられた砥石を研削加工に使用することにより、切れ味が向上し、加工中に磨耗した砥粒が欠落していく自生作用が向上し、切粉の排出性のよい、高品位の加工を実現できる。
また、結合剤を熱硬化性樹脂にすることで、砥石の作製時間を短縮することが可能となり、砥石の寿命も改善される。
また、結合剤を熱可塑性樹脂にした砥石を研削加工に使用することにより、加工品位を向上させることができる。
砥石の製造に当っては、砥粒と、磁性流体および/または磁性材料粉体と、結合剤とを含む砥石用材料を用いる。
また、砥粒の形状は、球形よりも楕円形あるいは卵型の方が好ましい。
より表面性を求める場合は5〜20%(vol%)、加工能率を求める場合は25〜50%(vol%)が望ましい。
ここで、強磁性超微粒子は、粒径10nm程度の極めて微細なマグネタイトまたはMn−Zn系複合フェライトであることが好ましい。
また、熱可塑性樹脂とすると、ワークの欠けを小さくすることができる。ミリスチン酸ミリスチルは、砥粒および強磁性微粒子の分散性が良好であり、磁場内における砥粒及び強磁性微粒子の配列特性を阻害しないなどの特性を備えるので好ましい。
(s11)図1のようにドーナツ円盤状の台金12の外周側に砥石用材料11aを配置して、上金型15a、下金型15bでプレスする。
これにより、砥石用材料11aと台金12とが一体となったドーナツ型の円盤形状に仮成形される(図2)。このとき、砥石用材料11a中の砥粒は配列していない状態である。
磁石16aは、円盤形状の砥石用材料11aの外周側(図3(a))で、かつ砥石用材料11aの厚みの中心(図3(b))に配置する。また、砥石用材料11aには接していなくてもよいが、砥石用材料11aまでの距離は2mm以内が望ましい。
加熱ユニット17は、磁石16aに隣接するように配置され、円盤形状の砥石用材料11aの磁石16aにより磁場を印加された領域について所定幅で加熱し、砥石用材料を硬化させることができる。
図4は、図3の構成において、磁石16aにより円盤形状の砥石用材料11aに磁場の印加を開始したときの状態を示している。円盤形状の砥石用材料11aに対して、磁石16aにより円盤の外周から中心への方向に磁場が印加されている。このとき、砥石用材料中の磁性微粒子はその磁場の影響を受けてその磁場印加方向(円盤の外周から中心への方向)に配列し、同時に砥粒がその磁性微粒子の配列に沿って配列される。すなわち、磁場が印加された領域は砥粒配列領域11bとなる。
ここで、磁場の強さは強いほど砥粒を細かく配列させることができ、磁場の印加条件は0.1T以上が好ましい。また、0.5〜1Tがより好ましい。
なお、ステップs11で成形された砥石用材料11aは、上記の如く磁場の影響を受けて自身の中で砥粒が配列する程度の流動性を有している必要がある。
このようにして、砥粒が、円盤の外周から中心への方向に均一に配列されている砥石を得ることができる。
すなわち、図7(a)のように金型15c、15dにより砥石用材料11dと台金12とが一体となったドーナツ型の円盤形状に仮成形し、そのままの状態で図7(b)のように磁場印加処理用の磁石16bと、冷却により砥石用材料を硬化させる冷却ユニット19とを配置し、金型15c、15dごと回転させて磁場印加処理と硬化処理とを連続して行えばよい。なお、この場合金型15c、15dは非磁性材料である必要がある。
ここでは、第1の実施の形態と異なる部分である磁場印加処理について説明する。
ここでは、磁石26a、26bが、円盤形状の砥石用材料の円盤平面を挟む形で、かつ異なる極性が向き合うように配置されている。
したがって、磁石26a、26bにより、砥石用材料には円盤厚み方向に磁場が印加されるようになり、砥石用材料中の磁性微粒子はその磁場の影響を受けてその磁場印加方向(円盤厚み方向)に配列し、同時に砥粒がその磁性微粒子の配列に沿って配列される。すなわち、磁場が印加された領域は砥粒配列領域21bとなる。
ついで、磁石26a,26bで磁場を印加したまま,円盤形状の成形品を回転させると、その円盤の円周方向に連続して砥石用材料中の砥粒が一方向(円盤厚み方向)に配列されるようになる。このとき、磁場の印加条件は第1の実施形態と同様である。
磁場印加処理と硬化処理を行う位置を固定し、円盤形状の砥石用材料21aを該円盤の中心で回転させて磁場印加処理と硬化処理を行う位置を通過させることにより、連続して硬化までの処理を行うことができる。
このようにして、砥粒が、円盤の厚み方向に均一に配列されている砥石を得ることができる。
第3の実施の形態は磁場印加処理に特徴があり、磁石36a、36bの配置は、図9と同様であるが、磁場の印加方法が第2の実施の形態と異なる。
すなわち、印加する磁場の強度を円盤の円周方向で周期的に変化させており、円盤の回転とともに、一定の磁場強度で印加することと磁場強度を0とすることとを交互に行う処理を行っている。具体的には、磁石36a,36bを電磁石とし、その電源のオンオフにより制御すればよい。
これにより、円盤の円周上で砥粒が配列された領域31bとそうでない領域31aとが交互に設けられる。
ここで、図12は砥粒が配列された領域31bとそうでない領域31aとの円盤平面上の面積比が1:1の場合、図13は砥粒が配列された領域31bとそうでない領域31aとの円盤平面上の面積比が1:3の場合を示している。
(実施例1)
第1の実施の形態に示した砥石の製造方法により砥石を製造した。その条件は次の通りである。
(1)砥石用材料
・砥粒:ダイヤモンド微粒子(SD20/30)配合量30%
・磁性材料粉体:MnZn・Fe2O3(Mn−Zn系複合フェライト)
粒径10nm、配合量30%
・結合剤:熱可塑性樹脂としてミリスチンサンミリスチル、配合量40%
(2)磁場印加処理:0.1T
また、比較例として磁場を印加せずに砥石を作製した。
砥粒が磁場印加方向に平行に配列されている状況が観察された。
比較例では砥粒の分布は不均一であるのに対して、実施例1では砥粒が均一に配列している状況が観察された。
第3の実施の形態に示した砥石の製造方法により、砥粒未配列領域と砥粒配列領域との円盤平面上の面積比を変化させて砥石を製造した。
砥石の製造条件は実施例1と同様とし、磁場印加処理において磁場印加オンオフのみ調整した。
・ワーク:MnZn・Fe2O3(Mn−Zn系複合フェライト)板材(板厚2mm)
・加工条件:
切り込み :0.25mm
主軸回転数 :8000rpm
砥石直径 :100mm
テーブルスピード:50mm/min
本発明品である砥粒が配列した砥石はいずれも、砥粒が配列されていないサンプルよりも欠け数量が少なく、その改善効果が認められた。
また、砥粒が配列した砥石の中で、配向比率(砥粒未配列領域と砥粒配列領域との円盤平面上の面積)として1:1のサンプルが最も欠けに関する改善効果が大きかった。
結合剤として、熱硬化樹脂とした場合と熱可塑性樹脂とした場合とで砥石の製作時間、その砥石を使用した加工における欠け数、その加工における砥石の磨耗量を調査した。
なお、熱硬化性樹脂としてエポキシ系接着剤を、熱可塑性樹脂としてミリスチンサンミリスチルを使用し、それ以外の条件は実施例1と同様とした。また、加工テストは実施例2の加工条件と同様とした。
結合剤として熱硬化性樹脂を使用すると、製作効率が熱可塑性樹脂の場合よりも約3分の1の時間で製作できる。また、磨耗量も少なく、熱可塑性樹脂の場合よりも2.5倍寿命が延びることが認められる。
結合剤として熱可塑性樹脂を使用すると、熱硬化性樹脂の場合よりも欠け数の低減が認められた。
Claims (13)
- 砥粒と、磁性流体および/または磁性材料粉体と、結合剤とを含む砥石用材料を円盤形状に成形した後、
前記円盤形状の砥石用材料に対して磁場を一方向に印加して、砥石用材料中の砥粒を配列させる磁場印加処理と、
前記砥石用材料の砥粒が配列された領域を硬化させる硬化処理とを該円盤の円周方向に順次行うことを特徴とする砥石の製造方法。 - 前記磁場の印加方向を、前記円盤の外周から中心への方向とすることを特徴とする請求項1に記載の砥石の製造方法。
- 前記磁場の印加方向を、前記円盤の厚み方向とすることを特徴とする請求項1に記載の砥石の製造方法。
- 前記磁場印加処理の磁場の強度を前記円盤の円周方向で周期的に変化させることを特徴とする請求項1に記載の砥石の製造方法。
- 前記磁場の強度の周期的な変化が、一定の磁場強度で印加することと磁場強度を0とすることとを交互に行うことであることを特徴とする請求項4に記載の砥石の製造方法。
- 前記磁場の強度変化の周期として、一定の磁場強度を印加する時間と磁場強度0の時間との比を1:1とすることを特徴とする請求項5に記載の砥石の製造方法。
- 前記結合剤が、熱硬化性樹脂からなることを特徴とする請求項1に記載の砥石の製造方法。
- 砥粒と磁性流体および/または磁性材料粉体と結合剤とを含む砥石用材料から製造される円盤形状の砥石であって、
前記砥石用材料を円盤形状に成形した後に、前記円盤形状の砥石用材料に対して磁場を一方向に印加して、砥石用材料中の砥粒を配列させる磁場印加処理と、前記砥石用材料の砥粒が配列された領域を硬化させる硬化処理とを該円盤の円周方向に順次行って製造することにより、前記砥粒が均一に分散して配列されていることを特徴とする砥石。 - 前記砥粒が、円盤の外周から中心への方向に配列されていることを特徴とする請求項8に記載の砥石。
- 前記砥粒が、円盤の厚み方向に配列されていることを特徴とする請求項8に記載の砥石。
- 前記円盤の円周上で砥粒が配列された領域とそうでない領域とが交互に設けられたことを特徴とする請求項8に記載の砥石。
- 前記砥粒が配列された領域とそうでない領域との円盤平面上の面積比が1:1であることを特徴とする請求項11に記載の砥石。
- 前記結合剤が、熱硬化性樹脂からなることを特徴とする請求項8に記載の砥石。
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