JP2005219113A - プレス成形方法およびプレス成形装置 - Google Patents

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信幸 山口
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Abstract

【課題】 引張り強度等の材料特性値がばらつく場合にも得られるプレス成形品の寸法精度を安定させることができるプレス成形方法およびプレス成形装置を提供する。
【解決手段】 被成形材を成形金型でプレス成形するプレス方法であり、プレス成形機である一次成形手段1の成形速度を調整することで得られるプレス成形品W1のスプリングバック量を測定手段2により測定し、スプリングバック量が許容範囲におさまるように一次成形手段1での成形速度をコントロールユニット3により調整するようにした。
【選択図】 図1

Description

本発明は、プレス成形方法およびプレス成形装置に関し、特に、スプリングバックを考慮したプレス成形方法およびプレス成形装置に関するものである。
従来から鋼板やアルミ板のプレス成形品に生ずるスプリングバックに対して、プレス成形後にオーバーベンド等のプレス部品を正規寸法とするために矯正金型による矯正工程を追加したプレス成形方法(特許文献1参照)や、スプリングバック量を見込んだ形状のプレス金型としてプレス部品を正規寸法に矯正する矯正工程を削減したプレス成形方法(特許文献2参照)が提案されている。
特開平6−277760号公報 特開平5−138258号公報
ところで、プレス成形品に生ずるスプリングバック量は、被成形材である鋼板等の材料特性値、例えば、引張り強度、降伏応力、伸び値、加工硬化指数n値、ランクフォード値r値等により、その発生量も変化する。
しかも、連続してプレス成形品を量産する場合には鋼板等のコイル材が使用されるが、このようなコイル材は、その生産ロット単位で引張り強度等の材料特性値がばらつき、コイル材の生産ロット単位で前記スプリングバック量にばらつきが生じる。
しかしながら、上記従来例では、プレス成形品に生ずるスプリングバック量を予め所定量に見込んでプレス金型や矯正金型を形成するものであるため、得られたプレス成形品の寸法精度が安定しない不具合があった。
そこで本発明は、上記問題点に鑑みてなされたもので、引張り強度等の材料特性値がばらつく場合にも得られるプレス成形品の寸法精度を安定させることができるプレス成形方法およびプレス成形装置を提供することを目的とする。
本発明は、被成形材を成形金型でプレス成形するプレス方法であり、プレス成形機の成形速度を調整することで得られるプレス成形品のスプリングバック量を調整するようにした。
したがって、本発明では、プレス成形機の成形速度を調整することで得られるプレス成形品のスプリングバック量を調整するようにしたため、スプリングバック量が許容範囲からはずれた量に応じて成形速度を変化させて、成形品に発生するスプリングバック量を規定値に抑えることができる。また、材料特性値が多少変動しても、成形速度を変化させることでスプリングバック量を予め設定した規定値に収めることができる。
以下、本発明のプレス成形方法およびプレス成形装置を一実施形態に基づいて説明する。図1〜図6は、本発明を適用したプレス成形方法およびプレス成形装置の第1実施形態を示し、図1はプレス成形装置のシステム構成図、図2は一次成形手段のプレス工程を示す工程図、図3は二次成形手段のプレス工程を示す工程図、図4〜図7は図1のプレス成形装置の制御手段における各種パラメータを示す特性図である。
図1において、本実施形態のプレス成形方法は、被成形材をプレス成形してプレス成形品とする一次成形手段1と、一次成形手段1により得られたプレス成形品の寸法精度を測定する測定手段2と、測定手段2により得られたプレス成形品のスプリングバック量に基づいて一次成形手段の成形速度を制御する制御手段3と、一次成形手段1により生産されたプレス成形品のスプリングバックを矯正する二次成形手段4とを備える。
前記一次成形手段1は、図2に示すように、図示しない成形速度が可変のプレス機にセットされ、図示例のドロー型の場合には、ポンチ6とダイ7とブランクホルダ8とから構成されてハット形のプレス成形品をプレス成形する金型5を備える。この金型5は、ダイ7が上方に位置し、ポンチ6とブランクホルダ8が下方に位置するクッションドロー型である。そして、図2(A)に示す被成形材Wである鋼板等の板材を、図2(B)に示すように、ダイ7とブランクホルダ8との間に投入してポンチ6によりドロー成形し、図2(C)に示すように、型開きした際に金型5間にスプリングバックした部分を含むプレス成形品W1を得ることができる。
この場合におけるプレス成形品W1のスプリングバック量は、図4に示すように、被成形材Wである鋼板の材料特性、例えば、鋼板の引張り強度に応じて変化する。即ち、図4は、引張り強度270MPa〜980MPaの材料からなる各種の鋼板を90°の角度に曲げ成形した際の引張り強度[MPa]の変化(横軸)に対するスプリングバック量(角度)の変化(縦軸)特性を示すものである。図4によれば、鋼板の引張り強度が比較的低い場合にはスプリングバック量も比較的少ないのに対して、鋼板の引張り強度が増加するに連れてスプリングバック量も次第に増加することを示している。
また、鋼板の引張り強度は、図5に示すように、同一の鋼板であっても、鋼板の歪速度(dε/dt、=プレス成形速度)を高速とするに連れて高い引張り強度となる反面、鋼板の歪速度を低速とするに連れて比較的低い引張り強度により変形することが知られている。図6は鋼板の歪速度(横軸)に対する引張り強度(縦軸)の関係を示すものであり、同一の鋼板では、歪み速度と引張り強度とはほぼ一次関数に対応して互いに変化する。そして、引張り強度が異なる鋼板では異なる値をとるが、歪速度と引張り強度の変化特性は類似する。
以上のことから、引張り強度の異なる各鋼板は、(代表的に3種類の鋼板(980MPa、780MPa、590MPa)をパラメータとして示しているが)鋼板の歪速度(dε/dt)に対して、図7に示すような変化特性のスプリングバック量を生ずることとなる。また、これら引張り強度の異なる各鋼板は、その生産ロット単位で引張り強度等の材料特性値が強度管理幅内でばらついており、例えば、引張り強度の公称値が590MPaの鋼板においては強度管理幅530MPa〜640MPaの範囲内で、生産ロット毎に図示したパラメータの上下方向の所定幅内の引張り強度で存在している。
したがって、一次成形手段1でプレス成形したプレス成形品W1は、供給される鋼板の引張り強度(公称値およびその強度管理幅内での強度のばらつきが存在するが)に応じてスプリングバック量が受動的に変化するとともに、その歪速度(成形速度)を変化させることによりスプリングバック量を積極的に変化させることができる。
前記測定手段2は、一次成形手段1により得られたプレス成形品W1の寸法精度を測定するものである。即ち、その測定値に含まれるスプリングバック量が予め設定した許容範囲内であれば二次成形手段4にプレス成形品W1を供給し、スプリングバック量が前記許容範囲外(許容範囲を超える場合および許容範囲に満たない場合の両者を含む)である場合には、許容範囲からのはずれ量を求めて制御手段であるプレス機のコントロールユニット3へフィードバックする。そして、図示しない払出し装置により許容範囲外のプレス成形品W1をライン外に払出す。測定手段2の具体的構成については、図8〜図10に基づいて後述する。
前記二次成形手段4は、一次成形手段1によりプレス成形品W1に生じたスプリングバックをリストライク型10により矯正する。二次成形手段4のリストライク10型は、図3に示すように、一次成形手段1により成形されたハット形プレス部品W1のスプリングバック部SPのベースとなる部分(図示例では、成形品W1の中央の平坦部分)を保持する下型ダイ11と上型ベース12にクッション支持したフォルダ13とからなる保持部14と、オーバーベンド時にスプリングバック部分が押付けられる形状部15(この場合には、ダイ11側に形成されている)および形状部15に成形品W1のスプリングバック部分SPを押付ける矯正部16(この場合には、ダイ11側に設けたカムドライバ17に当接して横方向に移動する一対のカム18からなる)を備えている。これら保持部14、形状部15および矯正部16の構成および形状は、成形品W1の形状およびスプリングバック部分SPの形状に応じて様々に変更されて異なる構成となり、図示例のリストライク型10は一例に過ぎない。
そして、図3(A)に示すように、型開きしたリストライク型10に一次成形手段1により成形された成形品W1を投入し、図3(B)に示すように、型締めすることにより、成形品W1を保持部14で保持し、矯正部16によりスプリングバック部分SPを形状部15に押付けることでスプリングバック部分SPをスプリングバック方向とは逆方向にオーバーベンドして矯正する。リストライク型10を型開きすると、図3(C)に示すように、成形品W1のスプリングバック部分SPであった部分が正規形状に変形され、完成パネルW2として、図示しない搬送装置により次工程へ搬送される。
この二次成形手段4による矯正加工は、投入される一次成型品W1のスプリングバック量が許容範囲内の寸法精度である場合には、正規形状の完成品W2を得ることができるが、一次成型品W1のスプリングバック量が許容範囲外(許容範囲を超える場合および許容範囲に満たない場合の両者を含む)である場合には、正規形状からはずれた完成品W2となる。例えば、スプリングバック量が許容範囲を超える場合には、スプリングバック量を矯正しきれずにスプリングバック量を残したり、スプリングバック量が許容範囲に満たない場合には、スプリングバックを過矯正したりする結果となる。
したがって、測定手段2により一次成形品W1のスプリングバック量が予め設定した許容範囲内であることが確認され、スプリングバック量が前記許容範囲外(許容範囲を超える場合および許容範囲に満たない場合の両者を含む)である場合には、許容範囲からのはずれ量を求めて制御手段であるプレス機のコントロールユニット3へフィードバックするとともに、払出し装置により許容範囲外のプレス成形品W1をライン外に払出し、二次成形手段4へは投入されないようにしている。
前記制御手段としてのプレス機のコントロールユニット3は、被成形材Wの材料特性毎に歪速度とスプリングバック量との関係を記憶したデータベース部20と、測定手段2よりフィードバック入力される許容範囲外のスプリングバック量とデータベース部20に記憶されている当該被成形材である鋼板における歪速度とスプリングバック量との関係とからスプリングバック量が許容範囲内に入る新たな成形速度を設定する成形速度設定手段21と、前記成形速度設定手段21により設定された成形速度に基づいて一次成形手段1のプレス成形機へ成形速度を指令する出力手段22とを備える。
前記データベース部20は、被成形材Wの材料特性毎、例えば、引張り強度毎の鋼板の歪速度(ε’=dε/dt)とスプリングバック量(角度)との関係、即ち、図7に示す関係を数式・グラフまたは表形式により記憶しており、成形速度設定手段21よりの要求に応じて、当該被成形材Wである鋼板における歪速度とスプリングバック量との関係を出力する。このデータベース20は、被成形材W毎の歪速度と引張り強度との関係を示すデータ20A、例えば、図6に示す特性データと、被成形材毎の材料特性値とスプリングバック量との関係を示すデータ20B、例えば、図4に示す特性データとに基づいて形成されている。ここで、被成形材毎の材料特性値とは、特に引張り強度、降伏強度、伸び値、加工硬化指数(n値)、ランクフォード値(r値、深絞り性を判断する代用特性として用いられ、薄板の引張試験機における一様伸びの範囲内での幅方向の歪の対数値と厚さ方向の歪の対数値の比)等である。
前記成形速度設定手段21は、測定手段2よりフィードバック入力される許容範囲外のスプリングバック量とデータベース部20に記憶されている当該被成形材Wである鋼板における歪速度とスプリングバック量との関係とからスプリングバック量が許容範囲内に入る新たな成形速度を設定する。また、設定した成形速度により一次成形手段1を作動させて成形品W1に生ずるスプリングバック量を測定手段2から入力されることで、設定した成形速度が妥当であるかどうかを判定するようにしている。
図8は、一次成形手段1および二次成形手段2が隣接して配置されたトランスファープレス若しくはタンデムプレスラインの金型5、10が型開きされた状態の部分的な斜視図である。一次成形手段1および二次成形手段4の金型配列に沿ってその両側には同期して昇降および往復動する搬送装置としてのフィードバー25が配置され、フィードバー25からは成形品W1を保持するフィンガー26が固定されており、フィードバー25の昇降および往復動によりフィンガー26は、成形品W1を工程順に次工程に搬送する構成している。
成形品W1を一次成形手段1から二次成形手段4に搬送するフィンガー26に正対させて測定手段2のセンサ27がフィードバー25に固定されている。センサ27の位置は、フィンガー26で構成するパネル搬送部位の略真上部位に位置するように配置するのが望ましいが、金型5、10と接触しない位置に配置する。センサ27としては、図9に示すように、レーザ光を成形品W1に照射し、成形品W1からの反射光を読み取ることにより、成形品W1の断面形状を測定するものとする。この場合に、成型品W1が直角な縦壁を備えるハット断面である場合には、一度の測定で成形品W1の全断面を測定できないため、図10に示すように、センサ27をフィードバー25への取付け部位を中心にある程度は回転可能な構造としてもよい。この場合には、例えば、図示の実線位置と破線位置との2回以上の測定により成形品W1の断面形状を読み取るようにする。
センサ27により読み取った断面データは、画像処理装置28に出力され、成形品W1の設計データ(例えば、製品CADデータ)と比較し、その差異(スプリングバック量や壁反り等による寸法精度不良)を求め、予め設定したスプリングバック量の許容範囲内か否かが判断される。前記判断の結果、スプリングバック量が許容範囲外である場合には、プレス機のコントロールユニット4にスプリングバック量が出力される。
なお、プレスラインがタンデムラインの場合等には、搬送装置としてロボットが使用されることもあるが、その場合にも同様の方法でプレス工程間の搬送中に断面形状を測定する。また、成形品W1の形状測定には、非接触三次元測定器を使用するものについて説明したが、接触式の三次元測定器(プローブを成形品表面に接触させて形状を測定する方法)を使用しても同様のプレス工程間測定は可能である。但し、測定に時間がかかるため、レーザ光等による非接触式の三次元測定器が有利である。
また、搬送時に成型品W1が所定位置からずれて測定できない場合には、フィンガー26に滑り止めのゴム等を付けて成形品W1がずれないようにしてもよい。
さらに、成形品W1の断面形状が複雑な場合には、全ての断面を測定するために複数のセンサを用いるか若しくは複数回の測定を行う方法も考えられるが、複雑形状パネルの場合でも、寸法精度がばらつく部位に限定して測定を行うことにより同様の効果が得られる。
以上の構成のプレス装置によるプレス方法について、図11に示す手順に基づき、以下に説明する。
先ず、ステップS1において、入力手段23により被成形材Wの材料特性値(引張り強度、降伏強度、伸び値、加工硬化指数(n値)、ランクフォード値(r値))、完成品W1のスプリングバック許容範囲(角度)、二次成形手段4のオーバベント角度(角度)、二次成形手段4に投入する一次成形品W1のスプリングバック許容範囲(角度)が入力される。
次いで、ステップS2において、成形速度設定手段21により、データベース20の材料特性毎の歪速度とスプリングバック量との関係を示すデータを参照して、被成形材Wの材料特性値に対して一次成形品W1のスプリングバック量が許容範囲内とできる歪速度を検索する。例えば、引張り強度公称値780MPa(引張り強度の許容範囲730MPa〜830MPa)、板厚1.2mmの鋼板を最終開き角度90.5°±0.5°となるよう一次成形および二次成形する場合に、二次成形手段4でのオーバーベンド量を角度3°と設定すると、投入する一次成形品W1のスプリングバック量の許容範囲を角度94°±0.5°とする必要があり、このスプリングバック量は、図7において、一次成形手段1による角度90°曲げの歪(成形)速度は、例えば、20[1/sec]であると検索する。
次いで、ステップS3では、成形速度設定手段21により一次成形手段Wの成形速度が設定されるとともに、プレス成形機への成形速度を指示する(図12の設定値参照)。
ステップS4では、一次成形手段1により設定された成形速度により被成形材Wを成形加工し、ステップS5で一次成形品W1のスプリングバック量が許容範囲内か否かを測定手段2により判定する。この判定で、フィードバック量が許容範囲内であれば、設定した成形速度が妥当であると判断してステップS7に進み、ステップS3で設定した成形速度により一次成形手段1を作動させ、二次成形手段4によりオーバーベンドしてスプリングバックが許容範囲に矯正された成形品W2を生産する。また、フィードバック量が許容範囲外であれば、コントロールユニット4にスプリングバック量許容量を超えていることが出力され、設定した成形速度は妥当でないとしてステップS6へ進む。
この場合に、使用した鋼板の引張り強度が許容管理幅730MPa〜830MPa内にあるが、例えば、実行例1に示すように、引張り強度実測値が設定引張り強度(780MPa)の上限側の820MPaの場合には、スプリングバック量が角度94.8°となり、コントロールユニット4にスプリングバック量許容量を超えていることが出力される。
ステップS6では、測定手段2よりフィードバック入力される許容範囲外のスプリングバック量とデータベース部20に記憶されている当該被成形材Wである鋼板における歪速度とスプリングバック量との関係とからスプリングバック量が許容範囲内に入る新たな成形速度を設定する。例えば、図12の再設定例1に示すように、一次成形手段1の成形速度を3[1/sec]と遅くする。
この成形速度は、前記したステップS3で設定され、プレス成形機への成形速度を指示され、ステップS4により再び再設定した条件で一次成形手段1が作動され、ステップS5において、スプリングバック量が許容範囲内か否かが判定される。例えば、図12に示す再設定例1のように、一次成形手段1による一次成形品W1のスプリングバック量が角度94.3°と許容範囲内に収まるように設定される。
図12の実行例2および再設定例2は、実行例1および再設定例1と同一条件で使用した鋼板の引張り強度が許容管理幅730MPa〜830MPa内にある下限側の735MPaの鋼板に対する成形速度の再設定例を示したものである。この場合には、一次成形品W1のスプリングバック量が許容範囲より小さくなったため、再設定例1とは相違して、成形速度を増加させることでスプリングバック量を増加させて許容範囲内に入るように再設定している。
図13に示す実行例は、1.2mmの板厚で公称の引張り強度590MPa材の連続生産を行った場合を示す。
部品の最終形状は縦壁の開き角度91.0°±0.5°であり、2次成形手段のオーバーベンド量は角度2°、材料の引張り強度の許容管理幅は530MPa〜640MPaであり、歪み速度が10[1/sec]により一次成形を行うとその成形品W1の縦壁の開き角度93°±0.7°となり、二次成形手段4による矯正後の寸法精度(縦壁開き角度)は角度91°±0.7°となり、図面上で規定されている寸法精度角度91.0°±0.5°と、材料の引張り強度で規定される寸法精度に角度±0.2°の不一致を生じた(実行例3参照)。このため、引張り強度上限値材(スプリングバック量が許容範囲より多い素材コイル材)に対して成形速度を7[1/sec]遅くし、引張り強度下限値材(スプリングバック量が許容範囲より少ない素材コイル材)に対しては成形速度を7[1/sec]早く設定し、一次成形手段1のプレス機によりプレス成形を試行させた。その結果、引張り強度許容範囲の材料に対し適正な寸法精度を得ることができた。
以上のように、引張り強度上限値材(スプリングバック量が許容範囲より多い素材コイル材)に対して成形速度を遅くし、引張り強度下限値材(スプリングバック量が許容範囲より少ない素材コイル材)に対しては成形速度を早く設定することは、図14に示すように、部品の寸法精度から要求されるスプリングバック量の許容範囲と、材料の引張り強度の許容範囲(強度管理幅)から規定されるスプリングバック量が1対1で対応していないことによる、材料の引張り強度が許容範囲(強度管理幅)にあるにもかかわらずスプリングバック量のばらつきが大きくなる(許容範囲からはずれる)場合に特に有効である。
本実施形態においては、以下に記載する効果を奏することができる。
(ア)被成形材Wを成形金型1でプレス成形するプレス方法であり、プレス成形機の成形速度を調整することで得られるプレス成形品W1のスプリングバック量を調整するようにしたため、スプリングバック量が許容範囲からはずれた量に応じて成形速度を変化させて、成形品W1に発生するスプリングバック量を規定値に抑えることができる。また、材料特性値が多少変動しても、成形速度を変化させることでスプリングバック量を規定値に納めることができる。
(イ)成形速度は、予め被成形材毎に設定した素材の歪速度とスプリングバック量との関係を記憶させたデータベース20に基づいて設定するため、正規の寸法精度の許容範囲からはずれたスプリングバック量に基づいて被成形材毎の材料特性値に対する適正成形速度を算出することができる。
(ウ)予め被成形材毎に設定した素材の歪速度とスプリングバック量との関係を記憶させたデータベース20には、各被成形材の引張り強度、降伏強度、伸び値、加工硬化指数、ランクフォード値の少なくとも一つの材料特性値とスプリングバック量との関係を示すデータを含むため、現在成形している被成形材の許容範囲内での材料特性の位置付けを把握することができる。
(エ)予め被成形材毎に設定した素材の歪速度とスプリングバック量との関係を記憶させたデータベース20には、各被成形材の引張り強度、降伏強度、伸び値、加工硬化指数、ランクフォード値の少なくとも一つの材料特性値とスプリングバック量との関係を示すデータ20Bに加えて、歪み速度と前記材料特性値の少なくとも一つとの関係を示すデータ20Aを含むため、成形品W1のスプリングバック量が許容範囲内となる成形速度を精度よく算出することができる。
(オ)成形速度は、プレス成形後の成形品W1のスプリングバック量に応じて設定値を調整するため、現被成形材での成形により得られるスプリングバック量を許容範囲に抑えるに最適な成形速度を得ることができる。
(カ)成形速度は、前記データベース20の予め被成形材毎に設定した素材の歪速度とスプリングバック量との関係と、その成形速度により成形した成形品W1のスプリングバック量とを比較し、成形品W1の寸法精度が許容範囲内となる成形速度を設定する成形速度設定手段21により調整されるため、被成形材Wによる成形品W1のスプリングバック量を許容範囲とするに最適な成形速度を少ない試行により得ることができ、新たに設定した成形速度が妥当であるかどうかも成形品W1のスプリングバック量により判定することができる。
(キ)プレス成形後の成形品W1のスプリングバック量は、成形品W1を次工程へ搬送する搬送手段25、26に備えた計測手段2により測定されるため、成形品W1の搬送を行いながら形状を測定でき、成形後の形状データを直ちにプレス成形の成形条件ヘフィードバックでき、常に最適加工条件での生産が可能となる。また、測定のために生産ラインを停止する必要がなく、生産性が低下しない。
(ク)計測手段2は、非接触式三次元測定器である場合、測定のための時間を最小限に抑えることができる。
なお、上記実施形態において、成形速度を設定する場合に、鋼板の引張り強度に応じて成形速度を増減させるものについて説明したが、図示はしないが、他の材料特性値、例えば、降伏強度、伸び値、加工硬化指数(n値)、ランクフォード値(r値)による影響を加味したり、他の材料特性値のいずれか一つ若しくはそれらの組合せにより、成形速度を増減させるものであってもよい。
また、一次成形手段1と二次成形手段4とを組合せて、許容範囲のスプリングバック量を持つ成形品W2を得るものについて説明したが、図示しないが、一次成形手段1のみで許容範囲のスプリングバック量を持つ成形品W1を得るものであってもよい。
本発明の一実施形態を示すプレス装置のシステム構成図。 同じく一次成形手段のプレス工程を(A)〜(C)に分けて示す工程図。 同じく二次成形手段のプレス工程を(A)〜(C)に分けて示す工程図。 引張り強度とスプリングバック量の相関関係を示す特性図。 低速および高速引張り試験での鋼板の引張り強度の変動を示す特性図。 歪み速度と引張り強度の関係を示す特性図。 歪み速度とスプリングバック量の関係を示す特性図。 一次成形手段および二次成形手段が隣接して配置されたトランスファープレス若しくはタンデムプレスラインの金型が型開きされた状態の部分的な斜視図。 図8のセンサの測定要領を示す概要図。 センサの動作要領を示す概要図。 本発明の一実施形態のプレス装置によるプレス方法を示すフローチャート。 本発明による成形速度の設定方法の実行例の一例を例示する図。 本発明による成形速度の設定方法の実行例の他の一例を例示する図。 部品の寸法精度から要求されるスプリングバック量の許容範囲と、材料の引張り強度の許容範囲(強度管理幅)から規定されるスプリングバック量が1対1で対応していないことを示す特性図。
符号の説明
1 一次成形手段
2 測定手段
3 制御手段としてのコントロールユニット
4 二次成形手段
5、10 金型
20 被成形材Wの材料特性毎に歪速度とスプリングバック量との関係を記憶したデータベース
21 成形速度設定手段
22 出力手段
25 フィードバー(搬送手段)
26 フィンガー(搬送手段)
27 センサ(計測手段)

Claims (10)

  1. 被成形材を成形金型でプレス成形するプレス方法であり、
    プレス成形機の成形速度を調整することで得られるプレス成形品のスプリングバック量を調整することを特徴とするプレス成形方法。
  2. 前記成形速度は、予め被成形材毎に設定した素材の歪速度とスプリングバック量との関係を記憶させたデータベースに基づいて設定することを特徴とする請求項1に記載のプレス成形方法。
  3. 前記予め被成形材毎に設定した素材の歪速度とスプリングバック量との関係を記憶させたデータベースは、各被成形材の引張り強度、降伏強度、伸び値、加工硬化指数、ランクフォード値の少なくとも一つの材料特性値とスプリングバック量との関係を示すデータを含むものであることを特徴とする請求項2に記載のプレス成形方法。
  4. 前記予め被成形材毎に設定した素材の歪速度とスプリングバック量との関係を記憶させたデータベースは、各被成形材の引張り強度、降伏強度、伸び値、加工硬化指数、ランクフォード値の少なくとも一つの材料特性値とスプリングバック量との関係を示すデータに加えて、歪み速度と前記材料特性値の少なくとも一つとの関係を示すデータを含むものであることを特徴とする請求項3に記載のプレス成形方法。
  5. 前記成形速度は、プレス成形後の成形品のスプリングバック量に応じて設定値が調整されることを特徴とする請求項1から請求項4に記載のプレス成形方法。
  6. 前記成形速度は、前記データベースの予め被成形材毎に設定した素材の歪速度とスプリングバック量との関係と、その成形速度により成形した成形品のスプリングバック量とを比較し、成形品の寸法精度が許容範囲内となる成形速度を設定する成形速度設定手段により調整されることを特徴とする請求項2から請求項5のいずれか一つに記載のプレス方法。
  7. 前記データベースの各被成形材の引張り強度、降伏強度、伸び値、加工硬化指数、ランクフォード値は、入力手段により入力された現成形加工中の被成形材の引張り強度、降伏強度、伸び値、加工硬化指数、ランクフォード値と比較可能であることを特徴とする請求項3から請求項5のいずれか一つに記載のプレス成形方法。
  8. 前記プレス成形後の成形品のスプリングバック量は、成形品を次工程へ搬送する搬送手段に備えた計測手段により測定されることを特徴とする請求項5に記載のプレス成形方法。
  9. 前記計測手段は、非接触式三次元測定器であることを特徴とする請求項8に記載のプレス成形方法。
  10. 被成形材を成形金型でプレス成形する成形手段と、
    前記成形手段により成形された成形品のスプリングバック量を測定する測定手段と、
    予め被成形材毎に設定した素材の歪速度とスプリングバック量との関係を記憶させたデータベースと、
    前記測定手段によりのスプリングバック量と前記データベースに記憶させた被成形材の歪速度とスプリングバック量との関係とに基づいて成形手段の成形速度を設定する成形速度設定手段と、を備えることを特徴とするプレス成形装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN103042115A (zh) * 2012-12-27 2013-04-17 苏州先科精密机械有限公司 一种可减少成型工序的模组

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