JP2005218166A - 昇圧型スイッチングレギュレータ - Google Patents

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Abstract

【課題】 負荷電流が小さいあるいは入力電圧が高い場合であっても、出力電圧のリプルを小さくする。
【解決手段】 スイッチング素子11のターンオンによりインダクタ3にエネルギーを蓄積し、スイッチング素子11に流れる電流が増大してカレントリミット値に達することによりスイッチング素子11をターンオフさせて前記エネルギーを放出整流し出力側に供給する昇圧型スイッチングレギュレータである。スイッチング素子11のスイッチング周期を監視するスイッチング周期監視回路Bと、スイッチング周期監視回路Bで監視されたスイッチング周期が長くなったときカレントリミット値を低くさせ短くなったとき高くさせるカレントリミット値制御回路Aとを設ける。
【選択図】 図1

Description

本発明はPFM(Pulse Frequency Modulation)方式を用いた昇圧型スイッチングレギュレータにかかり、特に軽負荷時の電源電圧リプルを抑える技術に関するものである。
一般的なスイッチングレギュレータは、その電力効率が軽負荷時に低下する。これは負荷状態に関係なく駆動回路や発振回路等で固定量の電力が空費されるからである。そこで、このような電力効率低下を回避する1つの手法として、スイッチングサイクルのオフ期間をワンショット発生回路によって制御するスイッチングレギュレータが提案されている(例えば、非特許文献1、特許文献1参照)。
図6はこの種の従来のスイッチングレギュレータの構成を示す回路図である。1はVinの電源端子と接地との間に接続された入力コンデンサ、2はVoutの出力端子と接地との間に接続された出力コンデンサ、3はインダクタ、4は整流ダイオード、5,6は出力電圧Voutを分圧して帰還電圧Vfbを得るための分圧抵抗、7はその帰還電圧Vfbと基準電圧源8の基準電圧Vref1を比較するためのコンパレータ、9はアンドゲート、10は駆動回路、11は駆動回路10によりオン/オフのスイッチングが駆動されるFETからなるスイッチング素子、12はスイッチング素子11に流れる電流を検出する抵抗、13は抵抗12で電流/電圧変換された電圧と基準電圧源14の基準電圧Vref2を比較するコンパレータ、15はコンパレータ13の出力が「H」になることにより一定時間(例えば、500ns)のパルス幅の「L」パルスを出力するワンショット発生回路である。
このスイッチングレギュレータでは、出力電圧Voutが充分高く、抵抗5,6による帰還電圧Vfbが基準電圧Vref1より高いときは、そのコンパレータ7の出力が「L」となる。よって、アンドゲート9の出力が「L」となり、駆動回路10の出力も「L」になり、スイッチング素子11は駆動されない。
出力電圧Voutが低下してきて、帰還電圧Vfbが基準電圧Vref1より低くなると、コンパレータ7の出力が「H」となる。このとき、ワンショット発生回路15の出力が「H」であると、アンドゲート9の出力が「H」、駆動回路10の出力も「H」となり、スイッチング素子11がターンオンする。このため、電圧Vinの電源→インダクタ3→スイッチング素子11→抵抗12を経由して接地に電流Iswが流れ、インダクタ3にエネルギーが蓄積される。
そして、スイッチング素子11に流れる電流Iswが増大し、抵抗12で電流/電圧変換された電圧が基準電圧Vref2よりも高くなると、コンパレータ13の出力が「H」に反転して、ワンショット発生回路18の出力が「L」に反転し、アンドゲート9の出力が「L」、駆動回路10の出力も「L」となり、スイッチング素子11はターンオフする。
このターンオフにより、インダクタ2に流れる電流Iswが遮断するが、インダクタ2はそこに流れる電流を維持するために片端の電圧が上昇し、整流ダイオード3を介してその電圧による電流が負荷側に供給され出力電圧Voutとなる。
所定の時間が経過すると、ワンショット発生回路15の出力が「H」に復帰するので、このときコンパレータ7の出力が「H」であれば、スイッチング素子11が再度ターンオンする。帰還電圧VfbがVref1より高くなるまで、以上の動作が繰り返される。
図7は別の従来のスイッチングレギュレータの構成を示す回路図である。図6に示したスイッチングレギュレータとは、一定時間のオフ時間を決めるワンショット発生回路15の代わりに、RSラッチ回路16とインバータ17を使用したものである。ここでは、クロック信号CKにより一定時間毎に強制的にオフ時間が設けられる。
図8は以上の図6,図7に示したスイッチングレギュレータの動作の原理説明図、図9はスイッチング電流の波形図である。図8において、出力電圧Voutは、一般的に次のように表すことができる。
Figure 2005218166
ここで、Tonはスイッチング素子11のオン時間、Toffはオフ時間、Ioutは負荷電流、ILpeakはインダクタ3に流れる電流のピーク値、Lはインダクタ3のリアクタンスである。
式(5)から、出力電圧Voutは、負荷電流Ioutが減少すると高くなり、ピーク電流値ILpeakが大きくなると高くなり、入力電圧Vinが高くなると高くなることがわかる。
「SOT−23パッケージ マイクロパワー昇圧DC/DCコンバータ LT1615の日本語版PDF」、リニアテクノロジー社、4頁、インターネット[平成16年1月22日検索]<URL:http://www.linear-tech.co.jp/datasheet/html/j1615xf.html> 特開平06−303766号公報
図10は重負荷の場合のスイッチングレギュレータの動作波形図である。負荷電流Ioutが大きい場合、あるいは入力電圧Vinが低い場合は、出力電圧Voutが低くなる。このような重負荷の場合は、出力コンデンサ2の電荷の放電速度が速くなるので、帰還電圧Vfb<Vref1になるまでの時間が短くなり、スイッチング素子11のスイッチング間隔は短くなる。
一方、図11は軽負荷の場合の動作波形図である。負荷電流Ioutが小さい場合、あるいは入力電圧Vinが高い場合は、出力電圧Voutが高くなる。このような軽負荷の場合は、出力コンデンサ2の電荷の放電速度が遅くなるので、帰還電圧Vfb<Vref1になるまでの時間が長くなり、スイッチング素子11のスイッチング間隔が長くなる。
このように、負荷電流Ioutが小さい場合、あるいは入力電圧Vinが高い場合は、出力電圧Voutのリプルが大きくなり、またリプル周波数が低くなる。このため、出力電圧Voutの安定化のためには出力コンデンサ2の容量を大きくする必要がある。
本発明の目的は、負荷電流が小さい場合、あるいは入力電圧が高い場合であっても、出力電圧のリプル成分を小さくし、且つリプル周波数が低くならないようにし、出力コンデンサの容量値を特別大きくする必要がないようにした昇圧型スイッチングレギュレータを提供することである。
請求項1にかかる発明の昇圧型スイッチングレギュレータは、スイッチング素子のターンオンによりインダクタにエネルギーを蓄積し、前記スイッチング素子に流れる電流が増大して予め設定したカレントリミット値に達することにより前記スイッチング素子をターンオフさせて前記エネルギーを放出整流し出力側に供給する昇圧型スイッチングレギュレータにおいて、前記スイッチング素子のスイッチング周期に反比例して前記カレントリミット値を変化させることを特徴とする。
請求項2にかかる発明は、請求項1に記載の昇圧型スイッチングレギュレータにおいて、前記スイッチング素子のスイッチング周期を監視するスイッチング周期監視回路と、該スイッチング周期監視回路で監視されたスイッチング周期が長くなったとき前記カレントリミット値を低くさせ、短くなったとき高くさせるカレントリミット値制御回路と、を具備することを特徴とする。
請求項3にかかる発明は、請求項2に記載の昇圧型スイッチングレギュレータにおいて、前記スイッチング周期監視回路は、基準クロックによりアップカウントし前記スイッチング素子のスイッチングパルスよりダウンカウントするアップダウンカウンタからなり、前記カレントリミット値制御回路は、前記アップダウンカウンタのカウント値を前記カレントリミット値に相当する基準電圧に変換するD/Aコンバータと、前記スイッチング素子に直列接続した抵抗にかかる電圧が前記基準電圧を超えるか否か検出するコンパレータとからなる、ことを特徴とする。
請求項4にかかる発明は、請求項2に記載の昇圧型スイッチングレギュレータにおいて、前記スイッチング周期監視回路は、前記スイッチング素子のスイッチング周波数を前記カレントリミット値に相当する基準電圧に変換する周波数/電圧変換回路からなり、前記カレントリミット値制御回路は、前記スイッチング素子に直列接続した抵抗にかかる電圧が前記基準電圧を超えるか否かを検出するコンパレータとからなる、ことを特徴とする。
本発明によれば、スイッチング素子のスイッチング周期が長くなった場合、カレントリミット値が低下するので、スイッチング素子がターンオフするときの電流が小さくなり、負荷側に供給するエネルギーが減少し、重負荷の場合と同程度の頻度のスイッチングを行うことができ、出力電圧のリプル成分を下げることができ、リプル周波数が低くならないようにすることができ、出力コンデンサの容量値を特別大きくする必要はない。
図1は本発明のスイッチングレギュレータの原理構成を示す回路図である。1はVinの電源端子と接地との間に接続された入力コンデンサ、2はVoutの出力端子と接地との間に接続された出力コンデンサ、3はインダクタ、4は整流ダイオード、5,6は出力電圧Voutを分圧して帰還電圧Vfbを得るための分圧抵抗、7はその帰還電圧Vfbと基準電圧源8の基準電圧Vref1を比較するためのコンパレータ、9はアンドゲート、10は駆動回路、11は駆動回路10によりオン/オフ駆動されるFETからなるスイッチング素子、Aはスイッチング素子11に流れる電流のカレントリミット値(基準電圧Vref2相当)を制御するカレントリミット値制御回路、Bはアンドゲート9の出力に現れるスイッチングパルスのスイッチング周波数を検出してカレントリミット値制御回路Aを制御するスイッチング周波数監視回路、15はコンパレータ13の出力が「H」になることにより一定時間(例えば、500ns)のパルス幅の「L」パルスを出力するワンショット発生回路である。
図1のスイッチングレギュレータでは、アンドゲート9の出力パルスの周波数が高ければスイッチング周波数監視回路Bによってカレントリミット値制御回路Aのカレントリミット値(Vref2)を高く、低ければ低くする。この結果、負荷電流が小さい場合、あるいは入力電圧が高い場合では、アンドゲート9の出力パルスの周波数が低くなりスイッチング周波数監視回路Bによってカレントリミット値制御回路Aのカレントリミット値(Vref2)が低くなるので、スイッチング素子11に流れる電流の最大値(ターンオフするときの電流値)が低下し、負荷側への供給エネルギーが減少し、帰還電圧Vfbが基準電圧Vref1以下になるまでの時間が重負荷の場合と同程度となり、スイッチング頻度が重負荷の場合と同程度となり、出力電圧Voutに含まれるリプル成分が低下し、リプル周波数が低くならないようにできる。
図2は本発明の実施例1の昇圧型スイッチングレギュレータの構成を示す回路図である。図1におけるものと同様のものには同様の符号を付けた。本実施例1では、カレントリミット値制御回路Aを、スイッチング電流を電圧に変換する抵抗12、その電圧と基準電圧Vref2を比較するコンパレータ13、基準電圧Vref2を発生するD/Aコンバータ18、基準電圧源19から構成する。また、スイッチング周波数監視回路Bを、基準クロック信号CKをダウンカウント端子DNに入力しANDゲート9の出力をアップカウント端子UPに入力するアップダウンカウンタ20で構成する。
負荷電流が小さくなりあるいは入力電圧Vinが高くなると、基準クロックCKの周期よりもアンドゲート9の出力パルスの周期が長くなり、アップダウンカウンタ20のカウント値N2は小さくなり、D/Aコンバータ18から出力する基準電圧Vref2(N3)はそのレベルが低下する。このため、カレントリミット値が低下することになり、前回よりもスイッチング周期が短くなる方向に制御され、特定のカレントリミット値に落ち着く(図3)。このように、軽負荷の場合、カレントリミット値が低下するので、出力電圧Voutのリプルが低下する。
負荷電流が大きくなりあるいは入力電圧Vinが低くなるとると、クロックCKの周期よりもアンドゲート9の出力パルスの周期が短くなり、アップダウンカウンタ20のカウント値N2が大きくなり、D/Aコンバータ18から出力する基準電圧Vref2(N3)はそのレベルが高くなる。このため、カレントリミット値が高くなり、前回よりもスイッチング周期が長くなる方向に制御され、特定のカレントリミット値に落ち着く(図4)。
図5は実施例2のスイッチングレギュレータの構成を示す回路図である。この実施例2では、アンドゲート9の出力パルスの周波数を周波数/電圧変換回路21により電圧信号に変換して、これを基準電圧Vref2(N3)として、コンパレータ13に入力している。この実施例2においても、負荷電流が小さくなりあるいは入力電圧Vinが高くなるとアンドゲート9の出力パルスの周波数が低下し、基準電圧Vref2が低下してカレントリミット値が低下するので、出力電圧Voutのリプル成分が低下する。
本発明の昇圧型スイッチングレギュレータの原理構成の回路図である。 実施例1の昇圧型スイッチングレギュレータの回路図である。 負荷電流が小さくなりあるいは入力電圧Vinが高くなったときの実施例1の昇圧型スイッチングレギュレータの動作の波形図である。 負荷電流が大きくなりあるいは入力電圧Vinが低くなったときの実施例1の昇圧型スイッチングレギュレータの動作の波形図である。 実施例2の昇圧型スイッチングレギュレータの回路図である。 従来の昇圧型スイッチングレギュレータの回路図である。 従来の別の昇圧型スイッチングレギュレータの回路図である。 昇圧型スイッチングレギュレータの動作原理説明のための回路図である。 スイッチング素子駆動の波形図である。 負荷電流が小さくなりあるいは入力電圧が高くなったときの従来の昇圧型スイッチングレギュレータの動作の波形図である。 負荷電流が大きくなりあるいは入力電圧が低くなったときの従来の昇圧型スイッチングレギュレータの動作の波形図である。

Claims (4)

  1. スイッチング素子のターンオンによりインダクタにエネルギーを蓄積し、前記スイッチング素子に流れる電流が増大して予め設定したカレントリミット値に達することにより前記スイッチング素子をターンオフさせて前記エネルギーを放出整流し出力側に供給する昇圧型スイッチングレギュレータにおいて、
    前記スイッチング素子のスイッチング周期に反比例して前記カレントリミット値を変化させることを特徴とする昇圧型スイッチングレギュレータ。
  2. 請求項1に記載の昇圧型スイッチングレギュレータにおいて、
    前記スイッチング素子のスイッチング周期を監視するスイッチング周期監視回路と、該スイッチング周期監視回路で監視されたスイッチング周期が長くなったとき前記カレントリミット値を低くさせ、短くなったとき高くさせるカレントリミット値制御回路と、を具備することを特徴とする昇圧型スイッチングレギュレータ。
  3. 請求項2に記載の昇圧型スイッチングレギュレータにおいて、
    前記スイッチング周期監視回路は、基準クロックによりアップカウントし前記スイッチング素子のスイッチングパルスよりダウンカウントするアップダウンカウンタからなり、
    前記カレントリミット値制御回路は、前記アップダウンカウンタのカウント値を前記カレントリミット値に相当する基準電圧に変換するD/Aコンバータと、前記スイッチング素子に直列接続した抵抗にかかる電圧が前記基準電圧を超えるか否か検出するコンパレータとからなる、
    ことを特徴とする昇圧型スイッチングレギュレータ。
  4. 請求項2に記載の昇圧型スイッチングレギュレータにおいて、
    前記スイッチング周期監視回路は、前記スイッチング素子のスイッチング周波数を前記カレントリミット値に相当する基準電圧に変換する周波数/電圧変換回路からなり、
    前記カレントリミット値制御回路は、前記スイッチング素子に直列接続した抵抗にかかる電圧が前記基準電圧を超えるか否かを検出するコンパレータとからなる、
    ことを特徴とする昇圧型スイッチングレギュレータ。
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