JP2005217233A - 固体電解コンデンサ及びその製造方法 - Google Patents

固体電解コンデンサ及びその製造方法 Download PDF

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Abstract


【課題】 固体電解コンデンサの電解質形成工程において、電解質と陰極層との間の接触抵抗を低減し、ESRの低い固体電解コンデンサ及びその製造方法を提供する。
【解決手段】 素子リード線を埋設し、弁作用金属粉末を焼結してなる陽極体11の表面上に誘電体層12が形成され、係る誘電体層12上に形成された電解質層13上に陰極体14及び銀ペースト層15が形成され、前記素子リード線及び銀ペースト層15のそれぞれに外部端子が接続され、係る外部端子を露出させる態様で樹脂封止を施してなり、前記電解質層内には前記陰極体を構成する粒子が含有された固体電解コンデンサであり、誘電体層12と電解質層13との間に導電性高分子を被覆したコロイド粒子16を分散配置せしめてなる。また導電性高分子を被覆したコロイド粒子16は、誘電体層12の表面上と陰極体14を形成する粒子との間に存在する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、固体電解コンデンサ及びその製造方法に関するものである。
従来より、固体電解コンデンサは、陽極−誘電体−電解質層−陰極の構成となっており、一般的に陽極として弁作用を有する金属(弁作用金属)の表層に誘電体層として酸化被膜(以下、誘電体層とする)を形成し、その上に半導体層として固体電解質層が形成されると共に陰極としてグラファイト等の陰極体を形成した構造となっている。ここで、弁作用金属とは、陽極酸化によって厚みの制御可能な酸化被膜を形成させることのできる金属であり、Nb、Al、Ta、Ti、Hf、Zrなどを指すが、現実的にはAl、Taの2つが主に使用されている。このうち、Alについてはエッチング箔を陽極として使用することが多く、Taは粉末焼結され多孔質体を形成し、それを陽極に用いている。
多孔質焼結体タイプの電解コンデンサは、固体電解コンデンサの中でも特に小型大容量化が可能であるため、携帯電話、情報端末機器などの小型化のニーズにマッチした部品として強い需要がある。
以下に、Ta固体電解コンデンサの従来の構造及び製造方法について図面を用いて説明する。図4は、Ta固体電解コンデンサの従来の構成を示す断面図である。図4に示すように、Taを用いた従来の固体電解コンデンサ1は、素子リード線11aが埋設されたTa混合粉末を焼結してなる陽極体11の表面に誘電体層12が形成され、固体電解質層として炭素粉末等を含有する導電性高分子の電解質層13が前記誘電体層12の表面に形成されている。また、半導体層として形成された前記電解質層13上には、陰極としての機能を有するグラファイトペースト層14と、Agペースト層15とが形成されている。このようにして、前記陽極体11側の素子リード線11a及び前記Agペースト層15のそれぞれにリードフレーム52が接合され、係るリードフレーム52を露出させる態様で、全体が外装樹脂51でモールド外装される。
次に、Ta固体電解コンデンサの従来の製造方法について図5(フローチャート)を用いて説明する。
(1)Ta多孔質体の形成(S1)
[1] Ta粉末調合:
プレス成形性を向上させるためにTa粉末にバインダーを添加して混合する。
[2] プレス・焼結:
前記Ta混合粉末の中に陽極の素子リード線を挿入し、円柱状又は直方体状にプレス成形する。ついで、そのプレス成形品を高真空中(10−4Pa以下)で、1300〜2000℃に加熱することによって焼結し、Ta多孔質体、すなわち陽極体を形成する。
(2) 誘電体層形成(S2)
化成処理(S2a):
前記Ta多孔質体を陽極として対向電極とともに燐酸などの電解液中に浸漬し、化成電圧を印加することによってTa多孔質体表面に誘電体となるTa酸化皮膜を形成する(陽極酸化法)。このとき、化成電圧の条件(V(フォーメーションボルト))により誘電体層(Ta酸化皮膜)の厚さが決まり、コンデンサとしての特性が決定される。なお、前記電解液は、その濃度を0.6容量%とした燐酸水溶液などが用いられる。
(3) 電解質層形成(S3)
前段階で形成されたTa多孔質体の酸化皮膜の上に、半導体層として固体電解質層が形成される(S3a)。固体電解質としては、二酸化マンガンや、ピロール、チオフェン及びその誘導体を重合させた導電性高分子などを用いる。ここで、例えば固体電解質としてピロール重合体を用いた場合には、表面に誘電体層が形成された陽極体をモノマー溶液を用いて化学重合、電解重合させることによって固体電解質層が形成される。また、固体電解質層としてマンガンを用いる場合には、表面に誘電体層が形成された陽極体を硝酸マンガン等に浸漬して加熱処理等を順次行うことにより固体電解質層が形成される。
(4) 再化成工程(S4)
次に、前記固体電解質層の形成工程時、特にマンガンを固体電解質層の成分として選択した場合には、その工程中に行われる熱処理によって前記誘電体層が破壊されている箇所がある。この誘電体層の破壊箇所を再び修復するために、誘電体層及び固体電解質層が順次形成された陽極体を化成液に再び浸漬する。
(5) 陰極体形成(S5)
グラファイトペースト層形成(S5a);Agペースト層形成(S6):
前記固体電解質層の上に陰極体としての機能を有するグラファイト層、さらにAgペースト層を形成する。
(6) リードフレーム接合(S7)、モールド外装(S8)
次に、陽極の素子リード線にリードフレーム陽極部をスポット溶接によって接合し、Agペースト層にリードフレーム陰極部を導電性接着剤によって接合する。最後に全体を樹脂でモールド外装し、図4に示すような構造のTa固体電解コンデンサが完成する。
これと類似の従来技術は、特許文献1などに開示されている。また、上記技術に加えて漏れ電流の低減を図った技術として特許文献2に開示された例がある。
特開平10−241998号公報 特開2003−163138号公報
従来の固体電解コンデンサにおいては、前記電解質層には多数の空隙が存在し、この空隙には、前記電解質層上に形成される陰極層の形成物質である導電性物質が入り込みにくい。このような現象が顕著であると、固体電解コンデンサ自体のESR(等価直列抵抗)を増加させ、高周波でも容量の低下が発生する欠点を生じる。
そこで、本発明は、陰極層の形成物質である導電性物質と電解質層間の接触抵抗を低減させた固体電解コンデンサ及びその製造方法を提供することを目的とする。
本発明は、以上の従来技術における問題に鑑みてなされたものであり、陰極体を構成する物質、電解質層の空隙部に導電性高分子が被覆されたコロイド粒子が介在して、電解質層間の接触抵抗を低減させる良好な固体電解コンデンサ及びその製造方法を提供する。
すなわち、前記課題を解決するために提供する本願第一の発明に係る固体電解コンデンサは、素子リード線を埋設し、弁作用金属粉末を焼結してなる陽極体の表面上に誘電体層が形成され、係る誘電体層上に形成された電解質層上に陰極体が形成され、その陰極体上に銀ペースト層が形成され、前記素子リード線及び前記銀ペースト層のそれぞれに外部端子が接続され、係る外部端子を露出させる態様で樹脂封止を施してなり、前記電解質層内には前記陰極体を構成する粒子が含有された固体電解コンデンサにおいて、前記誘電体層と電解質層との間に導電性高分子を被覆したコロイド粒子を介在せしめてなることを特徴とする。
係る構成とすることにより、電解質層間の接触抵抗を低減させ、固体電解コンデンサ自体のESRを低減させるとともに、高周波での容量の低下を抑える良好な固体電解コンデンサを製造することが出来る。
前記課題を解決するために提供する本願第二の発明に係る固体電解コンデンサは、請求項1に記載の固体電解コンデンサにおいて、前記導電性高分子を被覆したコロイド粒子が前記誘電体層上の凹部をなす領域に配置されたことを特徴とする。
係る構成とすることにより、不均一な厚さで形成された誘電体層上の領域に生じる電解層の不均一を防ぐことができる。前記不均一な厚さ、とは特に(1)Ta中への不純物混入や、(2)化成工程における電流の不均一や、(3)外部からの機械的ストレス等、止むを得ない事情で部分的に薄くなった部分である。このような領域は、予定通りの厚さで形成された領域よりも接触抵抗が高く、この領域の電解質層の不均一を防ぐことによって、ESR値を低下させることができる。
前記課題を解決するために提供する本願第三の発明に係る固体電解コンデンサは、請求項1に記載の固体電解コンデンサにおいて、前記導電性高分子を被覆したコロイド粒子は、前記電解質層及び誘電体層の界面と陽極体表面との距離が前記誘電体層の厚さの平均よりも小となる連続的な領域に配置されたことを特徴とする。
前記課題を解決するために提供する本願第四の発明に係る固体電解コンデンサは、請求項1乃至請求項3の何れか一に記載の固体電解コンデンサにおいて、前記導電性高分子を被覆したコロイド粒子の大きさの平均は、前記陰極体を形成する粒子の大きさの平均よりも小であることを特徴とする。
係る構成とすることにより、導電性高分子を被覆したコロイド粒子を効率よく誘電体層上に付着させることができる。
前記課題を解決するために提供する本願第五の発明に係る固体電解コンデンサの製造方法は、素子リード線を埋設し、弁作用金属粉末を焼結して陽極体を形成する工程と、その陽極体の表面上に誘電体層を形成する工程と、前記誘電体層上に電解質層を形成する工程と、導電性高分子を被覆したコロイド粒子を分散したコロイド溶液に浸漬し、乾燥して前記誘電体層と前記電解質層との間に導電性高分子を被覆したコロイド粒子を介在せしめる工程と、前記電解質層上に陰極体及び銀ペースト層を形成して、前記素子リード線及び前記銀ペースト層のそれぞれに外部端子を接続し、係る外部端子を露出させる態様で樹脂封止を施してなることを特徴とする。
係る方法を採用することにより、モールド実装及びはんだ実装における熱膨張や熱収縮等で、陰極体同士の接触が緩み、接触抵抗が増大することを防ぐことが出来る。従って、固体電解コンデンサ自体のESRを増加させることなく、高周波でも容量の低下が発生しにくくなる効果がある。
前記課題を解決するために提供する本願第六の発明に係る固体電解コンデンサの製造方法は、素子リード線を埋設し、弁作用金属粉末を焼結して陽極体を形成する工程と、その陽極体の表面上に誘電体層を形成する工程と、前記誘電体層上に電解質層を形成する工程と、導電性高分子を被覆したコロイド粒子を分散したコロイド溶液に浸漬し、乾燥して誘電体層表面上の凹部をなす領域上に前記コロイド粒子を存在させる工程と、前記電解質層上に陰極体及び銀ペースト層を形成して、前記素子リード線及び前記銀ペースト層のそれぞれに外部端子を接続し、係る外部端子を露出させる態様で樹脂封止を施してなることを特徴とする。
係る方法を採用することにより、不均一な厚さで形成された誘電体層上に生じる電解質層の不均一を防ぐことができる。
前記課題を解決するために提供する本願第七の発明に係る固体電解コンデンサの製造方法は、素子リード線を埋設し、弁作用金属粉末を焼結して陽極体を形成する工程と、その陽極体の表面上に誘電体層を形成する工程と、前記誘電体層上に電解質層を形成する工程と、導電性高分子を被覆したコロイド粒子を分散したコロイド溶液に減圧下で浸漬し、乾燥して前記電解質層及び誘電体層の界面と陽極体表面との距離が前記誘電体層の厚さの平均よりも小となる誘電体層表面上の領域に前記コロイド粒子を存在させる工程と、前記電解質層上に陰極体及び銀ペースト層を形成して、前記素子リード線及び前記銀ペースト層のそれぞれに外部端子を接続し、係る外部端子を露出させる態様で樹脂封止を施してなることを特徴とする。
係る方法を採用することにより、不均一な厚さで形成された誘電体層上に生じる電解質層の不均一を防ぐことができる。
前記課題を解決するために提供する本願第八の発明に係る固体電解コンデンサの製造方法は、請求項5乃至請求項7の何れかに一に記載の固体電解コンデンサの製造方法において、前記導電性高分子を被覆したコロイド粒子の大きさの平均は、前記陰極体を形成する粒子の大きさの平均よりも小であることを特徴とする。
係る方法を採用することにより、導電性高分子を被覆したコロイド粒子を効率よく誘電体層上に付着させることができる。
前記課題を解決するために提供する本願第九の発明に係る固体電解コンデンサの製造方法は、請求項5乃至請求項8の何れか一に記載の固体電解コンデンサの製造方法において、前記導電性高分子の単量体が、アニリン、ピロール、チオフェン又は、その誘導体であることを特徴とする。
係る構成とすることにより、ESRを低減することができる。
なお、導電性高分子を被覆したコロイド粒子については、既存であり、その技術は、工業調査会発行、2002年、倉本憲幸著「はじめての導電性高分子」第4章に報告されている。
以上説明したように、本発明に係る固体電解コンデンサ及びその製造方法によれば、導電性高分子を被覆したコロイド粒子が誘電体層と電解質層との間、もしくは、電解質中に介在することにより、接触抵抗を低下させ、特に、実装後の熱膨張に伴うESR増大を防ぐことができる。
以下に、本発明に係る固体電解コンデンサ及びその製造方法の一実施の形態について図面を参照して説明する。
図4は、本発明に係る固体電解コンデンサの一実施の形態における構成を示す断面図である。図4に示すように、本発明に係る固体電解コンデンサ1は、コンデンサ素子10と、そのコンデンサ素子10の陽極部及び陰極部のそれぞれが直接的又は間接的にリードフレーム52に接合され、モールド樹脂(外装樹脂)によって封止されてなる。
前記コンデンサ素子10は、Taよりなる素子リード線11aが埋設されたTa混合粉末を焼結してなる陽極体11の表面に誘電体層12が形成され、その誘電体層12の表面に電解質層13及び陰極体14が形成されてなる。この電解質層13は、前記誘電体層12の表面に形成される導電性高分子からなる。
また、前記電解質層13を包むように、前記陰極体14としてグラファイトペースト層が形成され、Agペースト層15が前記陰極体14上に形成されている。ここで、前記陽極部とは、陽極体11形成時に挿入された素子リード線11aを指し、この素子リード線11aの表面には、接合される前記リードフレーム52に導通させるために前記誘電体層12の形成は施されていない。
また、前記陰極部とは、前記Agペースト層15のように、前記リードフレーム52が接合され、コンデンサ素子10の陰極体14と導通した最外殻の部分(又は層)を指すものである。
すなわち、前記リードフレーム52は、陽極部である素子リード線11a及び陰極部であるAgペースト層15のそれぞれに陽極端子及び陰極端子として接合されている。なお、前記陰極端子側のリードフレーム52とAgペースト層15とは導電性接着剤53によって接合されている。
また、前記陽極体11は焼結体であるため、その表面に形成された誘電体層12及び電解質層13は図4に示すように平坦な面で形成されるわけではなく、図4はあくまでもそれらの構成を模式的に示した図である。
ここで、本発明に係る固体電解コンデンサの構造、特に前記コンデンサ素子の構造について、図1を参照して以下に説明する。
図1は、本発明に係る固体電解コンデンサにおけるコンデンサ素子の電解質層付近を示す模式断面図である。図1(a)はその一部分の断面形状を示し、図1(b)は更に拡大して模式的に示す図である。図1のように、本発明に係る固体電解質コンデンサのコンデンサ素子10は、表面及び内部に多数の凹凸部を有する焼結体である陽極体11と、その陽極体11の表面に形成された誘電体層12と、係る誘電体層12の表面上に形成された電解質層13と、これらを包むように形成されたグラファイトペースト層14と、Agペースト層15とからなる。
この電解質層13は、前記誘電体層12の表面及び空隙部に充填されるように形成された導電性高分子13aからなるものである。このとき本発明に係る導電性高分子を被覆したコロイド粒子16は、電解質層13の中にある導電性高分子13a間を繋ぐ様に存在する。
ここで、導電性高分子13aのさらなる導電性向上を目的としてSnO、ZnOの粉末、それらを被覆した無機粒子(TiO、BaSOなど)、カーボンブラック、黒鉛、カーボン繊維などのカーボン系導電性フィラーなどを添加することも可能である。
次に、本発明に係る固体電解コンデンサの一実施の形態における製造方法について図面を参照して以下に説明する。ここで、本発明に係る固体電解コンデンサ及びその製造方法の実施の形態に記載された溶液の濃度表記は特別な記載がない限り容量%を意味するものとする。
図2は、本発明に係る固体電解コンデンサの一実施の形態における製造方法を示すフローチャートである。
図2に示すように、まず、
(1)Ta多孔質体(陽極体)の形成(S101)
[1]Ta粉末調合:
プレス成形性を向上させるためにTa粉末にバインダーを添加して混合する。
[2]プレス・焼結:
前記Ta混合粉末の中に陽極の素子リード線を挿入し、円柱状及び直方体状にプレス成形する。
ついで、そのプレス成形品を高真空中(10-4Pa以下)で、1400〜2000℃に加熱することによって焼結し、Ta多孔質体(陽極体)を形成する。
(2)誘電体層形成(S102)
(化成処理(S102a))
前記Ta多孔質体を陽極として対向電極とともに燐酸などの電解水溶液中に浸漬し、化成電圧を印加することによってTa多孔質体表面に誘電体層となるTa酸化皮膜を形成する(陽極酸化法)。このとき、化成電圧の条件(V(フォーメーションボルト))によりTa酸化皮膜の厚さが決まり、コンデンサとしての特性が決定される。なお、電解液としては、その濃度を0.6%とした燐酸水溶液などが用いられる。また、このようにして表面に誘電体層が形成された陽極体を化成体として、以下に説明を続ける。
(3)電解質層形成(S103)
(導電性高分子層形成(S103a))
本願発明における半導体層として機能する主要な要素である電解質層の形成には、導電性高分子が用いられる。この導電性高分子材料としては、アニリン、ピロール、チオフェン及びその誘導体を重合させた導電性高分子などが用いられる。従って、この電解質層の形成は、前記誘電体層の形成後に、酸化剤に浸漬し、乾燥した後、モノマー溶液に浸漬することによってなされる。
(4)再化成工程(S104)
次に、形成された誘電体層の修復を目的として前記化成処理(S102a)を再び行う。
(5)導電性高分子を被覆したコロイド粒子配置工程(S105)
導電性高分子を被覆したコロイド粒子を誘電体層上に(配置)付着させる方法としては、まず、前記コロイド粒子を溶媒に分散させてコロイド溶液を作製する。このようにして作製されたコロイド溶液に再化成工程まで施した化成体もしくは、導電性高分子層形成後の素子を浸漬する。その後、浸漬された化成体を100℃〜150℃で乾燥、すなわち、溶媒に分散された、導電性高分子を被覆したコロイド粒子を電解質層の空隙部等及び前記凹部の細部に入り込ませ、溶媒を気化させる。なお、再化成工程まで施した化成体を浸漬する場合のフローチャートは図3のようになる。
(6)陰極体形成(S106)
(グラファイト層形成(S106a))
そして、前記電解質層13を包むように、グラファイトからなる陰極体を形成する。
(7)Agペースト層形成(S107)
その後、前記陰極体と陰極端子との接合を良好にするために前記陰極体の上にAgペースト層を形成する。
(8)リードフレーム接合(S108)
次に、陽極の素子リード線にリードフレーム陽極部をスポット溶接によって接合し、Agペースト層にリードフレーム陰極部を導電性接着剤によって接合する。
(9)モールド外装(S109)
最後に全体を樹脂でモールド外装し、図4に示すような構成のTa固体電解コンデンサが完成する。
上記実施の形態(図2)と同様にして製造される本発明に係る固体電解コンデンサの製造工程中の実装後のESR不良率のそれぞれについて、従来の製造方法によって得られた固体電解コンデンサと比較した結果を表1に示す。
ここで、本発明に使用したコロイド粒子(導電性高分子を被覆したコロイド粒子)の平均の大きさ(径)は、陰極体を形成する導電性粒子(グラファイト粒子)の平均の大きさ(径)を5.0×10−6m〜2.0×10−5mとし、電解質層の空隙の平均の大きさ(径)を1.0×10−6m〜1.0×10−4mとしたとき、1.0×10−9m〜1.0×10−7mとしたものである。
Figure 2005217233
表1に示されるように、導電性高分子を被覆したコロイド粒子を誘電体層上の凹部又は、電解質層中に介在させることにより、実装後におけるESR不良率が格段に減少することが分かる。
本発明に係る固体電解コンデンサの一実施の形態における電解質層付近を示す模式断面図。図1(a)はその一部分の断面形状を示し、図1(b)は更に拡大して示す図。 本発明に係る固体電解コンデンサの製造方法の一実施の形態を示すフローチャート。 本発明に係る固体電解コンデンサの製造方法の他の実施の形態を示すフローチャート。 本発明及び従来例に係る固体電解コンデンサの構成を示す断面図。 従来の固体電解コンデンサの製造方法を示すフローチャート。
符号の説明
1 固体電解コンデンサ
10 コンデンサ素子
11 陽極体
11a 素子リード線
12 誘電体層
13 電解質層
13a 導電性高分子
14 陰極体(グラファイトペースト層)
15 Agペースト層(銀ペースト層)
16 導電性高分子を被覆したコロイド粒子
51 外装樹脂
52 リードフレーム
53 導電性接着剤

Claims (9)

  1. 素子リード線を埋設し、弁作用金属粉末を焼結してなる陽極体の表面上に誘電体層が形成され、係る誘電体層上に形成された電解質層上に陰極体が形成され、その陰極体上に銀ペースト層が形成され、前記素子リード線及び前記銀ペースト層のそれぞれに外部端子が接続され、係る外部端子を露出させる態様で樹脂封止を施してなり、前記電解質層内には前記陰極体を構成する粒子が含有された固体電解コンデンサにおいて、前記誘電体層と電解質層との間に導電性高分子を被覆したコロイド粒子を介在せしめてなることを特徴とする固体電解コンデンサ。
  2. 前記導電性高分子を被覆したコロイド粒子が前記誘電体層上の凹部をなす領域に配置されたことを特徴とする請求項1に記載の固体電解コンデンサ。
  3. 前記導電性高分子を被覆したコロイド粒子は、前記誘電体層の表面上と陰極体を形成する粒子との間に存在することを特徴とする請求項1に記載の固体電解コンデンサ。
  4. 前記導電性高分子を被覆したコロイド粒子の大きさの平均は、前記陰極体を形成する粒子の大きさの平均よりも小であることを特徴とする請求項1乃至請求項3の何れか一に記載の固体電解コンデンサ。
  5. 素子リード線を埋設し、弁作用金属粉末を焼結して陽極体を形成する工程と、その陽極体の表面上に誘電体層を形成する工程と、前記誘電体層上に電解質層を形成する工程と、導電性高分子を被覆したコロイド粒子を分散したコロイド溶液に浸漬し、乾燥して前記誘電体層と前記電解質層との間に前記導電性高分子を被覆したコロイド粒子を介在せしめる工程と、前記電解質層上に陰極体及び銀ペースト層を形成して、前記素子リード線及び前記銀ペースト層のそれぞれに外部端子を接続し、係る外部端子を露出させる態様で樹脂封止を施してなることを特徴とする固体電解コンデンサの製造方法。
  6. 素子リード線を埋設し、弁作用金属粉末を焼結して陽極体を形成する工程と、その陽極体の表面上に誘電体層を形成する工程と、前記誘電体層上に電解質層を形成する工程と、導電性高分子を被覆したコロイド粒子を分散したコロイド溶液に浸漬し、乾燥して誘電体層表面上の凹部をなす領域上に前記導電性高分子を被覆したコロイド粒子を存在させる工程と、前記電解質層上に陰極体及び銀ペースト層を形成して、前記素子リード線及び前記銀ペースト層のそれぞれに外部端子を接続し、係る外部端子を露出させる態様で樹脂封止を施してなることを特徴とする固体電解コンデンサの製造方法。
  7. 素子リード線を埋設し、弁作用金属粉末を焼結して陽極体を形成する工程と、その陽極体の表面上に誘電体層を形成する工程と、前記誘電体層上に電解質層を形成する工程と、導電性高分子を被覆したコロイド粒子を分散したコロイド溶液に減圧下で浸漬し、乾燥して前記電解質層及び誘電体層の界面と陽極体表面との距離が前記誘電体層の厚さの平均よりも小となる誘電体層表面上の領域に前記導電性高分子を被覆したコロイド粒子を存在させる工程と、前記電解質層上に陰極体及び銀ペースト層を形成して、前記素子リード線及び前記銀ペースト層のそれぞれに外部端子を接続し、係る外部端子を露出させる態様で樹脂封止を施してなることを特徴とする固体電解コンデンサの製造方法。
  8. 前記導電性高分子を被覆したコロイド粒子の大きさの平均は、前記陰極体を形成する粒子の大きさの平均よりも小であることを特徴とする請求項5乃至請求項7の何れか一に記載の固体電解コンデンサの製造方法。
  9. 前記導電性高分子の単量体が、アニリン、ピロール、チオフェン又は、その誘導体であることを特徴とする請求項5乃至請求項8の何れか一に記載の固体電解コンデンサの製造方法。
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