JP2005216661A - 燃料電池用触媒ペーストとその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 燃料電池用触媒ペーストにおいて、簡単な工程で時間を掛けずに従来以上に触媒担持カーボンブラックを高分散させた高安定性のものを得ること。
【解決手段】 燃料電池用触媒ペーストは、白金50%担持カーボンブラック25重量部、5%イオン交換樹脂溶液250重量部、純水37.5重量部、エタノール37.5重量部を混合し、この混合溶液を10分間ディスパーにて攪拌を行った後、第1工程としてビーズミル分散10分、第2工程として超音波処理3分、第3工程として再度ビーズミル分散10分の分散工程を行って製造した。分散性は、粒度分布を測定して、得られた粒子径(メジアン径)によって示した。分散処理直後の粒子径が0.3μmと細かく高分散していることを示しており、20℃で2週間保管後の粒子径も0.3μmと変化しておらず高分散を保っており、分散安定性にも極めて優れていることを示した。
【選択図】 なし

Description

本発明は、固体高分子型燃料電池等の燃料電池の触媒層に塗布されて燃料電池の電極を形成するカーボンブラックを高分散させた触媒ペーストとその製造方法に関するものである。
従来の固体高分子型燃料電池は高分子電解質を用いた燃料電池であって、水素を含有する燃料ガスと空気等酸素を含有する酸化剤ガスとを電気化学的に反応させることで、電力と熱とを同時に発生させるものである。その構造は、水素イオンを選択的に輸送する高分子電解質膜の両面に白金系の金属触媒を担持したカーボンブラックを触媒体とし、これに水素イオン伝導性高分子電解質を混合したもので触媒層を形成する。ここで、白金に代表される反応活性の高い金属触媒を数ナノメートルの非常に微細な粒子として、数10〜数1,000平方メートルの比表面積を持つ炭素微粉末としてのカーボンブラック上に担持し、触媒層中に高分散させることが行われてきた。
カーボンブラックを高分散させる方法としては、特許文献1に記載されているように、触媒ペーストを一旦固体にして乾式粉砕した後、再ペースト化する方法や、特許文献2に記載されているように、カーボンブラックを親水化処理させる方法が知られている。
特開2002−184414号 特開2002−063909号
しかしながら、特許文献1に記載されている触媒ペーストを乾式粉砕する方法は発火の恐れがあり危険であるだけでなく、触媒ペーストを一旦固体にする工程、乾式粉砕する工程、再ペースト化する工程と、工程が複雑になり製造に時間が掛かる。また、特許文献2に記載されているカーボンブラックを親水化処理させる方法は、分散工程以外に親水化処理工程が必要になってやはり製造に時間が掛かるという問題点があった。
そこで、本発明は、簡単な工程で時間を掛けずに従来以上に触媒担持カーボンブラックを高分散させた高安定性の燃料電池用触媒ペーストとその製造方法の提供を課題とするものである。
請求項1の発明にかかる燃料電池用触媒ペーストは、触媒担持カーボンブラックとイオン交換樹脂と溶媒とを混合して、外部剪断機で外部剪断し、内部剪断機で内部剪断(液−液剪断)を行い、再度前記外部剪断機または別種の外部剪断機で外部剪断してなるものである。
請求項2の発明にかかる燃料電池用触媒ペーストの製造方法は、触媒担持カーボンブラックとイオン交換樹脂と溶媒とを混合して外部剪断を行う第1の工程と、内部剪断(液−液剪断)を行う第2の工程と、再度外部剪断を行う第3の工程とを具備するものである。
請求項3の発明にかかる燃料電池用触媒ペーストの製造方法は、触媒担持カーボンブラックとイオン交換樹脂と溶媒とを混合して、外部剪断機で外部剪断を行う第1の工程と、内部剪断機で内部剪断(液−液剪断)を行う第2の工程と、再度前記外部剪断機または別種の外部剪断機で外部剪断を行う第3の工程とを具備するものである。
請求項4の発明にかかる燃料電池用触媒ペーストまたは燃料電池用触媒ペーストの製造方法は、請求項1または請求項3の構成において、前記外部剪断機はビーズミル、ボールミル、高速薄膜旋回型攪拌機または3本ロールであり、前記内部剪断機は超音波ホモジナイザー、回転式分散乳化機、高速攪拌剪断機、断続ジェット流式攪拌機またはジェットミルであるものである。
請求項5の発明にかかる燃料電池用触媒ペーストまたは燃料電池用触媒ペーストの製造方法は、請求項1または請求項4若しくは請求項2乃至請求項4のいずれか1つの構成において、前記触媒担持カーボンブラックとして貴金属担持カーボンブラックを、前記溶媒として純水のみまたは純水とエタノール、プロパノールを始めとする低級アルコールとの混合液を用いたものである。
請求項6の発明にかかる燃料電池用触媒ペーストの製造方法は、請求項2乃至請求項5のいずれか1つの構成において、前記第1の工程が終了した段階で、ペーストの粘度が粘度計の測定条件ずり速度50s-1において約50mPa・s〜約250mPa・sの範囲内であるものである。
請求項1の発明にかかる燃料電池用触媒ペーストは、触媒担持カーボンブラックとイオン交換樹脂と溶媒とを混合して、外部剪断機で外部剪断し、内部剪断機で内部剪断を行い、再度前記外部剪断機または別種の外部剪断機で外部剪断してなり、こうして製造された触媒ペーストは触媒を担持するカーボンブラックに親水化処理等を施さなくても優れた分散安定性を持ち、また触媒担持カーボンブラックが高分散されたものとなる。
この理由は、単に外部剪断機で外部剪断しただけでは触媒担持カーボンブラックの分散されない粒子の塊がかなり残るが、内部剪断(液−液剪断)を行うことによりこれらの塊も分割され、触媒担持カーボンブラックの粒子に分散される。しかし、この段階で処理を終了して放置すると分割された粒子はイオン交換樹脂に包まれていないので再び凝集してしまう。そこで、再度前記外部剪断機または別種の外部剪断機で外部剪断することによって、分割された粒子の間にもイオン交換樹脂が入り込み分割された粒子を包むので、放置しても再び凝集することなく優れた分散安定性を示すことになると考えられる。
このようにして、外部剪断機と内部剪断機を用いた簡単な工程で時間を掛けずに従来以上に触媒担持カーボンブラックを高分散させた高安定性の燃料電池用触媒ペーストを製造できるので、大量生産が可能であり、また触媒粒子の安定性が良いため薄膜の触媒層形成が可能であり、触媒使用量を低減できる燃料電池用触媒ペーストとなる。
請求項2の発明にかかる燃料電池用触媒ペーストの製造方法は、触媒担持カーボンブラックとイオン交換樹脂と溶媒とを混合して外部剪断を行う第1の工程と、内部剪断を行う第2の工程と、再度外部剪断を行う第3の工程とを具備する。かかる製造方法で製造された燃料電池用触媒ペーストは、触媒を担持するカーボンブラックに親水化処理等を施さなくても優れた分散安定性を持ち、また触媒担持カーボンブラックが高分散される。
この理由は、第1の工程の外部剪断だけでは触媒担持カーボンブラックの分散されない粒子の塊がかなり残るが、第2の工程の内部剪断を行うことによりこれらの塊も分割され、触媒担持カーボンブラックの粒子に分散される。そして、第3の工程の再度外部剪断によって、分割された粒子の間にもイオン交換樹脂が入り込み分割された粒子を包むので、放置しても再び凝集することなく優れた分散安定性を示すことになると考えられる。
このようにして、一般的な外部剪断と内部剪断と再外部剪断を含む簡単な工程で時間を掛けずに従来以上に触媒担持カーボンブラックを高分散させた高安定性の燃料電池用触媒ペーストを製造できるので、大量生産が可能であり、また触媒粒子の安定性が良いため薄膜の触媒層形成が可能であり、触媒使用量を低減できる燃料電池用触媒ペーストの製造方法となる。
請求項3の発明にかかる燃料電池用触媒ペーストの製造方法においては、触媒担持カーボンブラックとイオン交換樹脂と溶媒とを混合して、外部剪断機で外部剪断を行う第1の工程と、内部剪断機で内部剪断を行う第2の工程と、再度前記外部剪断機または別種の外部剪断機で外部剪断を行う第3の工程とを具備する。かかる製造方法で製造された燃料電池用触媒ペーストは、触媒を担持するカーボンブラックに親水化処理等を施さなくても優れた分散安定性を持ち、また触媒担持カーボンブラックが高分散される。
この理由は、第1の工程の外部剪断機による外部剪断だけでは触媒担持カーボンブラックの分散されない粒子の塊がかなり残るが、第2の工程の内部剪断機による内部剪断を行うことによりこれらの塊も分割され、触媒担持カーボンブラックの粒子に分散される。そして、第3の工程の外部剪断機による再度分散によって、分割された粒子の間にもイオン交換樹脂が入り込み分割された粒子を包むので、放置しても再び凝集することなく優れた分散安定性を示すことになると考えられる。
このようにして、一般的な外部剪断機による外部剪断と内部剪断機による内部剪断と外部剪断機による再外部剪断を含む簡単な工程で時間を掛けずに従来以上に触媒担持カーボンブラックを高分散させた高安定性の燃料電池用触媒ペーストを製造できるので、大量生産が可能であり、また触媒粒子の安定性が良いため薄膜の触媒層形成が可能であり、触媒使用量を低減できる燃料電池用触媒ペーストの製造方法となる。
請求項4の発明にかかる燃料電池用触媒ペーストまたは燃料電池用触媒ペーストの製造方法においては、外部剪断機としてビーズミル、ボールミル、高速薄膜旋回型攪拌機または3本ロールを用いて、内部剪断機として超音波ホモジナイザー、回転式分散乳化機、高速攪拌剪断機、断続ジェット流式攪拌機またはジェットミルを用いている。
このようにして、外部剪断機として一般的なビーズミル等と内部剪断機として一般的な超音波ホモジナイザー等を用いた簡単な工程で時間を掛けずに従来以上に触媒担持カーボンブラックを高分散させた高安定性の燃料電池用触媒ペーストを製造できるので、大量生産が可能であり、また触媒粒子の安定性が良いため薄膜の触媒層形成が可能であり、触媒使用量を低減できる燃料電池用触媒ペーストまたはその製造方法となる。
請求項5の発明にかかる燃料電池用触媒ペーストまたは燃料電池用触媒ペーストの製造方法においては、触媒担持カーボンブラックとして貴金属担持カーボンブラックを、溶媒として純水のみまたは純水とエタノール、プロパノールを始めとする低級アルコールとの混合液を用いている。白金を始めとする貴金属は反応活性の高い金属触媒であり、その数ナノメートルの非常に微細な粒子を比表面積の広いカーボンブラックに担持させることによって、燃料電池用触媒ペーストとして非常に優れた特性を発揮する。また、純水、純水とエタノール、プロパノールを始めとする低級アルコールとの混合液は、このように微小な貴金属担持カーボンブラックを高分散させるのに適した分散媒である。
これにイオン交換樹脂を加えて混合し、ビーズミル等による外部剪断、超音波ホモジナイザー等による内部剪断、そして再度外部剪断を行うことによって貴金属担持カーボンブラックが高分散され、再び凝集することなく優れた分散安定性を示す。
このようにして、簡単な工程で時間を掛けずに従来以上に貴金属担持カーボンブラックを高分散させた高安定性の燃料電池用触媒ペーストを製造できるので、大量生産が可能であり、また触媒粒子の安定性が良いため薄膜の触媒層形成が可能であり、触媒使用量を低減でき、触媒特性にも優れた燃料電池用触媒ペーストまたはその製造方法となる。
請求項6の発明にかかる燃料電池用触媒ペーストの製造方法においては、第1の工程が終了した段階で、ペーストの粘度が粘度計の測定条件ずり速度50s-1において約50mPa・s〜約250mPa・sの範囲内である。第1の工程即ち外部剪断が終了した時点でペーストの粘度がかかる範囲内に入っていれば、第2の工程即ち内部剪断を行うことによって触媒担持カーボンブラックが充分に高分散して、第3の工程即ち再度外部剪断を行うことによって、再び凝集することなく優れた分散安定性を示す燃料電池用触媒ペーストとなる。
このようにして、簡単な工程で時間を掛けずに従来以上に触媒担持カーボンブラックを高分散させた高安定性の燃料電池用触媒ペーストを製造できるので、大量生産が可能であり、また触媒粒子の安定性が良いため薄膜の触媒層形成が可能であり、触媒使用量を低減できる燃料電池用触媒ペーストの製造方法となる。
以下、本発明の実施の形態について説明する。
まず、本実施の形態にかかる燃料電池用触媒ペーストの組成について説明する。白金50%担持カーボンブラック25重量部、5%イオン交換樹脂溶液250重量部、純水37.5重量部、エタノール37.5重量部を混合する。この燃料電池用触媒ペースト用の混合溶液の組成を、表1にまとめて示す。
Figure 2005216661
この混合溶液を10分間ディスパーにて攪拌を行った後、実施例1として第1の工程の外部剪断としてのビーズミル分散10分、第2の工程の内部剪断(液−液剪断)としての超音波処理3分、そして第3の工程の再度外部剪断としての再度ビーズミル分散10分の分散工程を行った。分散装置は、外部剪断機としてビーズミル DISPERMAT SL−12C、φ1mmジルコニアビーズ80%充填、ローター周速8m/s循環運転、内部剪断(液−液剪断)には内部剪断機として超音波ホモジナイザーSMT UH−300を使用した。
なお、比較のために、比較例1としてビーズミル分散20分のみを行ったもの、比較例2として超音波処理3分の後ビーズミル分散15分を行ったもの、比較例3としてビーズミル分散20分の後超音波処理3分を行ったものについても、分散性を測定した。分散性は、粒度分布を測定して、得られた粒子径(メジアン径)によって示した(分散処理直後と20℃で2週間保管後について測定した。)。粒度分布の測定には、堀場製作所 LA−910を使用した。比較例1,2,3と実施例1それぞれの分散工程の内容と分散性の測定結果を表2にまとめて示す。
Figure 2005216661
表2に示されるように、第1工程としてビーズミル分散10分、第2工程として超音波処理3分、そして第3工程として再度ビーズミル分散10分の分散工程を行った実施例1においては、分散処理直後の粒子径が0.3μmと細かく高分散していることを示している。そして、20℃で2週間保管後の粒子径も0.3μmと変化しておらず高分散を保っており、分散安定性にも極めて優れていることを示した。
これに対して、ビーズミル分散20分のみの比較例1においては、分散直後の粒子径が0.7μmとやや粗く、2週間後の粒子径は1.5μmとさらに粗くなっており、分散性にも分散安定性にも劣っていることが分かる。また、超音波処理3分の後ビーズミル分散15分の比較例2においても、分散直後の粒子径が0.7μm、2週間後の粒子径は1.0μmと、やはり分散性にも分散安定性にも劣っている。さらに、第1工程としてビーズミル分散20分、第2工程として超音波処理3分の分散処理をした比較例3においては、分散直後の粒子径が0.5μmとやや細かくなっているが、2週間後の粒子径は3.5μmと、比較例1,2よりも粗くなっている。
以上の結果、超音波処理による分散効果は確かにあるが、その後第3工程として再度ビーズミル分散処理を行わないと、凝集が起こって分散安定性に欠けるペーストとなることが明らかになった。
このようにして、本実施の形態の実施例1においては、一般的なビーズミルと超音波ホモジナイザーを用いた簡単な工程で時間を掛けずに従来以上にカーボンブラックを高分散させた高安定性の燃料電池用触媒ペーストを製造できるので、大量生産が可能であり、また触媒粒子の安定性が良いため薄膜の触媒層形成が可能であり、触媒使用量を低減できるため低コスト化に繋げることができる。
次に、実施例2として、内部剪断機として回転式分散乳化機を用いた例について説明する。燃料電池用触媒ペースト用の混合溶液の組成は、実施例1と同じく表1に示されるものである。この混合溶液を10分間ディスパーにて攪拌を行った後、実施例2としてビーズミル分散10分、回転式分散乳化処理1分、そして再度ビーズミル分散5分の分散工程を行った。分散装置は、ビーズミル DISPERMAT SL−12C、φ1mmジルコニアビーズ80%充填、ローター周速8m/s循環運転、回転式分散乳化処理には回転式分散乳化機 エムテック CLM−1.5S ローターR4 スクリーンS1.5−24−02を使用した。
比較例4として回転式分散乳化処理1分の後、ビーズミル分散15分を行ったもの、比較例5としてビーズミル分散20分の後、回転式分散乳化処理1分を行ったものについても分散性を測定した。
分散性は、粒度分布を測定して、得られた粒子径(メジアン径)によって示した(分散処理直後と20℃で2週間保管後について測定した。)。粒度分布の測定には、堀場製作所 LA−910を使用した。比較例4,5と比較して実施例2の分散工程の内容と分散性の測定結果を表3にまとめて示す。
Figure 2005216661
表3に示されるように、第1工程としてビーズミル分散10分、第2工程として回転式分散乳化処理1分、そして第3工程として再度ビーズミル分散5分の分散工程を行った実施例2においては、分散処理直後の粒子径が0.2μmと細かく高分散していることを示している。そして、20℃で2週間保管後の粒子径も0.2μmと変化しておらず高分散を保っており、分散安定性にも極めて優れていることを示した。
これに対して、回転式分散乳化処理1分の後ビーズミル分散15分の比較例4においては、分散直後の粒子径が0.7μm、2週間後の粒子径は1.0μmと、分散性にも分散安定性にも劣っている。また、第1工程としてビーズミル分散20分、第2工程として回転式分散乳化処理1分の分散処理をした比較例5においては、分散直後の粒子径は0.2μmと細かくなっているが、2週間後の粒子径は14μmと、非常に粗くなっている。
以上の結果、回転式分散乳化処理による分散効果は確かにあるが、その後第3工程として再度ビーズミル分散処理を行わないと、凝集が起こって分散安定性に欠けるペーストとなることが明らかになった。
このようにして、本実施の形態の実施例2においては、一般的なビーズミルと回転式分散乳化機を用いた簡単な工程で時間を掛けずに従来以上にカーボンブラックを高分散させた高安定性の燃料電池用触媒ペーストを製造できるので、大量生産が可能であり、また触媒粒子の安定性が良いため薄膜の触媒層形成が可能であり、触媒使用量を低減できるため低コスト化に繋げることができる。
本実施の形態においては、金属触媒として白金微粒子を用いているが、他の金属触媒を用いても良い。また、本実施の形態においては、溶媒として純水とエタノールを用いているが、必ずしもこの組み合わせに限られるものではなく、純水のみ、純水とイソプロパノールを始めとする低級アルコール、或いはその他の水溶性の有機溶媒との混合液等、他の溶媒を用いることもできる。
さらに、本実施の形態においては、ビーズミルのメディアとしてジルコニアビーズを用いているが、ビーズの材質については特に限定されるものではない。
また、本実施の形態においては、外部剪断機としてビーズミルを用いているが、これに限られるものではなく、よりメディアの径の大きいボールミル等を用いても良く、第1の工程に限っては3本ロールを用いることもできる。さらに、内部剪断機として超音波ホモジナイザーまたは回転式分散乳化機を用いているが、ジェットミル等を用いても良い。
燃料電池用触媒ペーストのその他の部分の組成、成分、配合量、材質、大きさ等についても、また燃料電池用触媒ペーストの製造方法のその他の工程についても、本実施の形態に限定されるものではない。

Claims (6)

  1. 触媒担持カーボンブラックとイオン交換樹脂と溶媒とを混合して、外部剪断機で外部剪断し、内部剪断機で内部剪断(液−液剪断)を行い、再度前記外部剪断機または別種の外部剪断機で外部剪断してなることを特徴とする燃料電池用触媒ペースト。
  2. 触媒担持カーボンブラックとイオン交換樹脂と溶媒とを混合して外部剪断を行う第1の工程と、
    内部剪断(液−液剪断)を行う第2の工程と、
    再度外部剪断を行う第3の工程と
    を具備することを特徴とする燃料電池用触媒ペーストの製造方法。
  3. 触媒担持カーボンブラックとイオン交換樹脂と溶媒とを混合して、外部剪断機で外部剪断を行う第1の工程と、
    内部剪断機で内部剪断(液−液剪断)を行う第2の工程と、
    再度前記外部剪断機または別種の外部剪断機で外部剪断を行う第3の工程と
    を具備することを特徴とする燃料電池用触媒ペーストの製造方法。
  4. 前記外部剪断機はビーズミル、ボールミル、高速薄膜旋回型攪拌機または3本ロールであり、前記内部剪断機は超音波ホモジナイザー、回転式分散乳化機、高速攪拌剪断機、断続ジェット流式攪拌機またはジェットミルであることを特徴とする請求項1に記載の燃料電池用触媒ペーストまたは請求項3に記載の燃料電池用触媒ペーストの製造方法。
  5. 前記触媒担持カーボンブラックとして貴金属担持カーボンブラックを、前記溶媒として純水のみまたは純水とエタノール、プロパノールを始めとする低級アルコールとの混合液を用いたことを特徴とする請求項1または請求項4に記載の燃料電池用触媒ペースト若しくは請求項2乃至請求項4のいずれか1つに記載の燃料電池用触媒ペーストの製造方法。
  6. 前記第1の工程が終了した段階で、ペーストの粘度が粘度計の測定条件ずり速度50s-1において約50mPa・s〜約250mPa・sの範囲内であることを特徴とする請求項2乃至請求項5のいずれか1つに記載の燃料電池用触媒ペーストの製造方法。
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