以下に、この発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
実施の形態1
図1はこの発明の実施の形態1に係る画像出力装置を適用した画像出力システムとしてのプリンタを示すブロック図である。
この実施の形態に係るプリンタ100は、図1に示すように、制御装置としてのコントローラ200と、画像出力装置(IOT:Image Output Terminal)としてのプリンタエンジン300とから構成されており、コントローラ200とプリンタエンジン300とは、通信線400を介して互いに通信可能に接続されている。上記プリンタエンジン300は、コントローラ200によって制御され、図示しないスキャナーやパーソナルコンピュータ、あるいは電話回線等から送られてくる画像データ等に基づいて、プリント動作を実行するようになっている。ここで、コントローラ200は、プリンタ100のコントローラとして独自に製造されたものであっても良いし、プリンタのドライバをインストールしたパーソナルコンピュータ等をそのままコントローラとして使用しても良い。
上記コントローラ200は、制御部201を備えており、当該制御部201は、コントローラ200全体の制御を司るとともに、プリンタエンジン300の制御を行うように構成されている。また、上記コントローラ200は、上記の制御を行うために、JCL(Job Control Language)を解釈して、片面印刷か両面印刷にするか等の情報を取得するようになっている。プリンタエンジン300は、片面印刷以外に両面印刷も可能となっており、コントローラ200の指示によって片面印刷と両面印刷を切り替えるように構成されている。また、上記プリンタエンジン300は、図示しないユーザーインターフェースからの指示によって、片面印刷か両面印刷かを切替えて実行可能に構成されたものであっても良い。
また、上記コントローラ200は、図示しない文書解釈部を備えており、この文書解釈部は、プリンタ100に接続された図示しないパーソナルコンピュータ等の外部装置から、PDLで作成された文書を受け付けてこれを解釈する。上記文書解釈部で解釈された文書は、図示しない画像ビットマップデータ生成部に送られ、当該画像ビットマップデータ生成部で画像ビットマップデータの生成が行われる。なお、文書のぺージ数や片面印刷か両面印刷かの指示など文書に付属する情報は、例えば、文書解釈部で生成されるようになっている。
さらに、上記プリンタエンジン300は、通知部301を備えており、この通知部301は、通信線400を介してコントローラ200にプリンタエンジン300の状態を通知するようになっている。上記通知部301には、片面印刷完了判定部302と、反対面印刷開始判定部303とが接続されている。上記片面印刷完了判定部302は、後述するように、図2に示す如く、定着装置25の下流に設けられたプリント完了判定センサ302aからの信号に基づいて、片面印刷が完了したことを判定するように構成されている。また、上記反対面印刷開始判定部303は、図2に示すように、表裏反転部から用紙を給紙する位置に設けられた反転給紙判定センサ303aからの信号に基づいて、両面印刷時に裏面を印刷するために用紙を反転して搬送を開始したことを判定するように構成されている。
図3はこの発明の実施の形態1に係る画像出力装置としてのプリンタエンジンを示すものである。
このプリンタエンジン300は、パーソナルコンピュータ等のホストコンピュータなどから送られくる画像データに基づいて両面プリントするプリンタとして、原稿の画像をスキャナーで読み取り、当該スキャナーで読み取られた原稿の画像を両面複写する複写機として、原稿の画像をスキャナーで読み取って送信したり、電話回線を介して送られてくる画像データを両面プリントしたりするファミシミリとしての機能を有する複合機となっている。
上記プリンタエンジン300は、両面印刷を行う場合には、1枚の用紙について表面、裏面の順番で印刷を行うように構成されている。また、上記プリンタエンジン300は、給紙用のトレイ18、19、20を3つ備えているとともに、排出トレイTを1つ備えており、給紙トレイ18、19、20のID(識別符号としての識別番号)と排出トレイTのID(識別符号としての識別番号)としては、すべてのトレイで異なった番号が割り当てられている。
また、この実施の形態に係るプリンタエンジン300の両面印刷機構は、用紙搬送経路上に設けられた仮想的な両面トレイとして機能する用紙反転機構によって実現されており、片面に画像が形成された用紙を一旦格納する両面トレイは設けられていない。ただし、プリンタエンジン300としては、両面トレイを用いたものであっても勿論よい。
上記プリンタエンジン300を制御するコントローラ200には、図3に示すように、図示しないパーソナルコンピュータ等のホストコンピュータから送られてくるカラーや白黒の画像情報や、図示しない原稿読取装置によって読み取られた原稿のカラーや白黒の画像情報など、種々の情報が入力される。そして、上記プリンタエンジン300では、入力されたカラーや白黒の画像情報に対して、画像処理装置2により、必要に応じて、シェーデイング補正、位置ズレ補正、明度/色空間変換、ガンマ補正、枠消し、色/移動編集等の所定の画像処理が施される。
そして、上記の如く画像処理装置2で所定の画像処理が施された画像データは、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(BK)(各8bit)の4色の階調データとしてROS3(Raster Output Scanner)に送られ、このROS3では、階調データに応じてレーザー光による画像露光が行われる。
上記プリンタエンジン本体1の内部には、色の異なる複数のトナー像を出力可能な画像出力手段Aが配設されている。この画像出力手段Aは、主として、静電潜像が形成される像担持体としての感光体ドラム7と、前記感光体ドラム7の表面を所定の電位に一様に帯電する帯電装置としてのスコロトロン8と、前記感光体ドラム7の表面に画像露光を施す画像露光手段としてのROS3と、前記感光体ドラム7上に形成された静電潜像を現像して色の異なる複数のトナー像を形成可能な現像手段としてのロータリー方式の現像装置9とから構成されている。
上記ROS3は、図3に示すように、図示しない半導体レーザーを階調データに応じて変調し、この半導体レーザーからレーザー光LBを階調データに応じて出射する。この半導体レーザーから出射されたレーザー光LBは、回転多面鏡4によって偏向走査され、f−θレンズ5及び反射ミラー6を介して像担持体としての感光体ドラム7上に走査露光される。
上記ROS3によってレーザー光LBが走査露光される感光体ドラム7は、図示しない駆動手段によって矢印方向に沿って所定の速度で回転駆動されるようになっている。この感光体ドラム7の表面は、予め一次帯電用の帯電装置としてのスコロトロン8によって、所定の極性(例えば、マイナス極性)及び電位に帯電された後、階調データに応じてレーザー光LBが走査露光されることによって静電潜像が形成される。上記感光体ドラム7上に形成された静電潜像は、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック (K)の4色の現像器9Y、9M、9C、9Kを備えたロータリー方式の現像装置9によって、例えば、感光体ドラム7の帯電極性と同極性のマイナス極性に帯電したトナーによって反転現像され、所定の色のトナー像となる。上記ロータリー方式の現像装置9の各現像器9Y、9M、9C、9Kでは、例えば、平均粒径が5.5μmの球形トナーが用いられる。尚、上記感光体ドラム7上に形成されたトナー像は、必要に応じて転写前帯電器10によってマイナス極性の帯電を受け、電荷量が調整されるようになっている。
上記感光体ドラム7上に形成された各色のトナー像は、当該感光体ドラム7の下部に配置された中間転写体としての中間転写ベルト11上に、第1の転写手段としての一次転写ロール12によって多重に転写される。この中間転写ベルト11は、駆動ロール13、従動ロール14a、テンションロール14b及び二次転写手段の一部を構成する対向ロールとしてのバックアップロール15によって、感光体ドラム7の周速と同一の移動速度で矢印方向に沿って回動可能に支持されている。
上記中間転写ベルト11上には、形成する画像の色に応じて、感光体ドラム7上に形成されるイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)の4色のすべて又はその一部のトナー像が、一次転写ロール12によって順次重ね合わせた状態で転写される。この中間転写ベルト11上に転写されたトナー像は、所定のタイミングで二次転写位置へと搬送される記録媒体としての用紙16上に、中間転写ベルト11を支持するバックアップロール15と、当該バックアップロール15に圧接する第2の転写手段の一部を構成する二次転写ロール17の圧接力及び静電吸引力によって転写される。上記用紙16は、図3に示すように、プリンタエンジン本体1内の下部に配置された給紙トレイ18、19、20から、所定のサイズのものがフィードロール21によって給紙される。給紙された用紙16は、複数の搬送ロール22及びレジストロール23によって、所定のタイミングで中間転写ベルト11の二次転写位置まで搬送される。そして、上記用紙16には、上述したように、2次転写手段としてのバックアップロール15と二次転写ロール17とによって、中間転写ベルト11上から所定の色のトナー像が一括して転写されるようになっている。
また、上記中間転写ベルト11上から所定の色のトナー像が転写された用紙16は、中間転写ベルト11から分離された後、搬送ベルト24によって定着装置25へと搬送され、この定着装置25によって熱及び圧力でトナー像が用紙16上に定着され、片面印刷の場合には、そのまま機外に設けられた排出トレイT上に排出されてカラー画像の形成工程が終了する。上記定着装置25の下流部には、片面印刷完了判定部302のプリント完了判定センサ302aが配設されている。
一方、両面印刷の場合には、第1面(片面)にカラー画像が形成された用紙16を、そのまま機外に排出せずに、反転ゲート26によって下向きに搬送方向が変更され、3つのロールが圧接されたトリロール27及び反転ロール28によって、反転通路29へと一旦搬送される。これら反転ロール28及び反転通路29によって仮想的な両面トレイとしての反転機構部Rが構成されている。そして、上記用紙16は、今度は逆転する反転ロール28によって両面用ペーパーパス30へと搬送され、この両面用ペーパーパス30に設けられた搬送ロール31によってレジストロール23まで一旦搬送されて停止する。用紙16は、中間転写ベルト11上のトナー像と同期して、再度レジストロール23によって搬送が開始され、当該用紙16の第2面(裏面)に対してトナー像の転写・定着工程が行われた後、機外に排出されるようになっている。上記両面用ペーパーパス30の上流部には、反対面印刷開始判定部303の反転給紙判定センサ303aが配設されている。
なお、図3中、32は転写工程が終了した後の感光体ドラム7の表面から残留トナーや紙粉等を除去するためのクリーニング装置、33は中間転写ベルト11の清掃を行うための中間転写ベルト用クリーナー、34は手差しトレイ、35はイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)の各色のトナーを収容したトナーカートリッジをそれぞれ示している。
図2はプリンタエンジン本体1内の用紙が通過する部分を模式的に示したものである。
図2において、実線は、プリンタエンジン本体1内の用紙16が通過するペーパーパスと呼ばれる部分を示したものである。実線部分の符号41は、印刷動作を行う場合に必ず用紙が通過する部分を示している。また、実線部分の符号42は、両面印刷を行う場合に必ず用紙が通過する部分を示している。
上記プリンタエンジン300において、片面印刷を行うには、給紙トレイ18、19、20の何れかから、所定のサイズの用紙16を給紙する。その際、上記給紙トレイ18、19、20の何れかから給紙された用紙16は、給紙確認センサ43によって検出される。上記給紙トレイ18、19、20の何れかから給紙された用紙16は、ぺーパーパス41を通過して、当該用紙16の片面に画像が印刷され、そのまま排出トレイT上に排出される。その際、上記排出トレイT上に排出される用紙16は、用紙排出判定センサ44によって検出される。
一方、上記プリンタエンジン300において、両面印刷を行うには、片面に画像が印刷された用紙16が、そのまま排出トレイT上に排出されずに、片面に画像が印刷された用紙16は、用紙の搬送方向が反転ゲート26によって下向きに切替えられ、反転ロール28及び反転通路29によって仮想的な両面トレイとしての反転機構部Rに一旦搬送される。そして、上記反転機構部Rに一旦搬送された用紙16は、当該反転機構部Rから逆転駆動される反転ロール28によって再度搬送されるとともに、搬送方向が両面用ペーパーパス42に切替えられ、用紙の表裏が反転された状態で、再度画像出力部Aへと搬送される。そして、上記用紙16の反対面に画像出力部Aによって画像が印刷され、今度はそのまま排出トレイT上に排出される。
したがって、上記プリンタエンジン300は、片面ペーパーパス41を利用して印刷を行う片面印刷モード(機能)と、片面ペーパーパス41と両面ペーパーパス42の両方を利用して印刷を行う両面印刷モード(機能)とを有している。
そして、上記の如く構成されるプリンタエンジン300は、図1に示すように、通信線400を介してコントローラ200に接続されており、コントローラ200からプリンタエンジン300にコマンドを送信することによって、片面印刷か両面印刷かなどの指定を行い、プリンタエンジン300の動作を制御するように構成されている。
ところで、この実施の形態では、用紙の両面に画像を出力することが可能な画像出力装置において、両面画像出力時に、用紙の片面に画像出力が終了したことを判定する片面終了判定手段と、前記片面終了判定手段が用紙の片面に画像出力が終了したことを判定した場合に、当該判定結果を外部に通知する通知手段とを備えるように構成されている。
また、この実施の形態では、前記片面終了判定手段は、用紙の両面トレイへの排出動作を検出して、用紙の片面に画像出力が終了したことを判定するように構成されている。
なお、上記片面終了判定手段は、用紙の搬送の所定時点から正常に一定時間経過したことを検出して、用紙の片面に画像出力が終了したことを判定するように構成しても勿論良い。
さらに、この実施の形態では、用紙の両面に画像を出力することが可能な画像出力装置において、両面画像出力時に、用紙の反対面への画像出力が開始したことを判定する反対面開始判定手段と、前記反対面開始判定手段が用紙の反対面への画像出力が開始したことを判定した場合に、当該判定結果を外部に通知する通知手段とを備えるように構成されている。
又、この実施の形態では、前記両面トレイは、片面に画像が出力された用紙の表裏を反転する反転機構部からなる仮想的な両面トレイであるように構成されており、当該仮想的な両面トレイには、他の給紙トレイと識別するための特定の識別符号としての識別番号が付与されている。この仮想的な両面トレイを他の給紙トレイと識別するための特定の識別番号としては、例えば、「0」が用いられる。ただし、識別符号は、番号に限定されるものではなく、他の16進数等に対応した文字等の符号であっても良い。
更に、この実施の形態では、前記仮想的な両面トレイには、当該仮想的な両面トレイへの用紙の排出動作を検出する場合と、当該仮想的な両面トレイからの給紙動作を検出する場合で、同一の識別番号が付与されるように構成されている。
また、前記仮想的な両面トレイに付与される識別番号は、通知手段によって、事前に外部の装置に通知されるように構成しても良い。
なお、上記仮想的な両面トレイには、他の給紙トレイと識別するための特定の識別番号として、実際の給紙トレイに使用されていない番号を自動的に検出して、当該番号を付与する番号付与手段を備えるように構成しても良い。
すなわち、上記プリンタエンジン300は、前述したように、図1に示すごとく、通知部301を備えており、この通知部301は、通信線400を介してコントローラ200にプリンタエンジン300の状態を通知するようになっている。上記通知部301には、片面印刷完了判定部302と、反対面印刷開始判定部303とが接続されている。
上記片面印刷完了判定部302は、両面印刷時に、片面の印刷が完了したことを検知するためのものである。この片面の印刷が完了したことの検知は、画像が確実に用紙16に作成された時点で行われる。たとえばインクジェット方式などでは、画像が用紙に転写された時点であるが、電子写真方式では、中間転写ベルト11からトナー像が用紙16に転写された時点では、画像が定着されていないため、用紙16が定着装置25を通過した時点となる。
そのため、この実施の形態では、上記片面印刷完了判定部302は、図3に示すように、定着装置25の下流に設けられたプリント完了判定センサ302aからの信号に基づいて、片面印刷が完了したことを判定するように構成されている。このプリント完了判定センサ302aは、反射型の光学センサ等によって構成されており、定着装置25を通過した用紙16を検出することによって、用紙16の片面に印刷が完了したことを検知するものである。
また、上記反対面印刷開始判定部303は、両面印刷時に、裏面(反対面)を印刷するために用紙16を反転して搬送を開始したことを検知するものである。通常、必要であれば、片面印刷が指定された場合および両面印刷でも、表面を印刷する場合には、用紙16が通過しない位置にセンサが配置される。この反対面印刷開始判定部303では、用紙16の反転動作が完了したことをトリガーとして、裏面印刷のための給紙開始とするなどのため、片面印刷完了判定部302とは異なり、現在の印刷面などの判定は行われない。更に説明すると、後述するように、片面印刷完了判定部302は、用紙16の表面、裏面を区別しているのに対し、反対面印刷開始判定部303は、用紙16の表面、裏面を区別していないことを意味する。また、図5に示すように、用紙16の裏面時に、片面印刷完了判定部302のセンサ303aからの通知は行われないが、その代わりに、用紙排出判定センサ44で用紙16排出の検知が行われ、排出通知コマンドは、用紙16の裏面でも通知されるようになっている。
この反対面印刷開始判定部303は、図3に示すように、反転通路29から用紙16を給紙する位置に設けられた反転給紙判定センサ303aからの信号に基づいて、両面印刷時に裏面を印刷するために用紙16を反転して搬送を開始したことを判定するように構成されている。この反転給紙判定センサ303aは、反射型の光学センサ等によって構成されており、反転通路29から反転ロール28によって給紙される用紙16を検出することによって、用紙16を反転して搬送が開始されたことを検知するものである。
さらに、通知部301は、片面印刷完了判定部302及び反対面印刷開始判定部303の少なくとも一方、この実施の形態では、片面印刷完了判定部302及び反対面印刷開始判定部303の双方からの通知を受け、コントローラ100に通知するものである。また、図1には図示されていないが、通知部301は、給紙トレイ18、19,20からの給紙開始や排出トレイTへの用紙16の排出についても、各センサ43、44の入力を受けた給紙トレイ判定部や排出トレイ判定部などからも通知を受け取り、コントローラ100に通知するように構成されている。
上記通知部301がコントローラ100に通知するために作成するフォーマットとしては、図4に示すものが用いられる。
図4(a)のフォーマットは、給紙トレイ18、19,20から給紙された場合に、通知部301で行われる通知コマンドに関するフォーマットを示したものである。
最初に給紙通知のコマンドであることを示すID(識別番号)があり、次にプリント要求を認識管理するための供給された用紙の管理IDが続いている。これにより管理用IDに相当する用紙16が、給紙トレイIDに相当する給紙トレイから供給されたことがわかる。最後に、どこからその用紙16が供給されたかを示す給紙トレイIDが続いている。例えば、管理IDが「123」に当たる用紙16が給紙トレイから供給された場合は、図4(b)に示すようなコマンドが通知される。ここで、給紙トレイ通知コマンドのコマンドIDは、「0x34」となっている。
その際、上記コントローラ200は、プリンタエンジン300と通信を行い、給紙トレイで使用されていないID(識別番号)を自動的に検出し、当該給紙トレイで使用されていないID(識別番号)である「0」を、仮想的な両面トレイである反転機構部Rに割り当てている。この仮想的な両面トレイである反転機構部Rに割り当てられるID(識別番号)は、プリンタエンジン300であらかじめ決められたものであっても勿論良い。
図5のフォーマットは、印刷を終えて用紙が排出されたときに通知されるコマンドのフォーマットである。
給紙トレイ通知コマンドと同様に、最初に排出通知のコマンドであることを示すID (識別番号)があり、プリント要求を認識管理するためのID、排出トレイのIDが続いている。図5(b)は、管理IDが「123」に当たる用紙が排出トレイに排出されたときに通知されるコマンドを示すものである。
また、通知部301が片面印刷完了判定部302から通知を受けた場合には、実際には両面トレイが存在していないが、両面トレイヘの排出として処理を行い、コントローラ200には両面トレイの排出として通知が行われる。具体的には、仮想的な両面トレイを用意し、このトレイのIDに「0」を割り当てておく。コントローラ200には、あらかじめ両面トレイがあたかも存在するかのように給紙および排出トレイID=0に両面トレイが存在しているものとして通知が行われる。図5(c)は、管理IDが「123」に該当する両面印刷が指定されている用紙の表面の印刷が完了した場合に通知されるコマンドを示している。トレイIDは、実際には存在しない両面トレイのIDである「0」となっている。
同様に、通知部301は、反対面印刷開始判定部303から通知を受けた場合には、両面トレイからの給紙としてコントローラ200に通知する。図4(c)は、両面印刷が指定された管理IDが「123」である用紙16の裏面印刷が開始された場合に通知されるコマンドを示している。トレイIDは、ここでは片面印刷完了を通知するコマンドで利用した両面トレイのIDと同じ「0」に設定されている。なお、両面トレイのIDは、必ずしも両者で同一にする必要はない。つまり、両面トレイからの給紙として示すときに利用する両面トレイのIDは、「2」あるいは「3」などであっても良い。
なお、両面トレイヘの用紙の排出や両面トレイからの給紙の通知を受けたコントローラ200は、これらの情報を課金をうまく扱うため、特に不正防止機構のために利用したり、用紙の搬送位置をユーザーに知らせるため、プリンタエンジン300の動作状況を操作パネルに表示したりするために用いられる。
以上の構成において、この実施の形態に係る画像出力装置では、次のようにして、用紙の両面に画像出力が可能な画像出力装置において、片面の画像出力が完了したときにおける用紙の搬送状態を含めて、用紙の搬送状態を適正に把握することが可能となっている。
すなわち、上記プリンタエンジン300では、図2及び図3に示すように、プリント動作、特に両面プリント動作が開始されると、給紙トレイ18、19、20の何れかから所定の用紙16が給紙され、当該用紙16の片面に画像出力部Aの中間転写ベルト11からトナー像が転写される。その際、図4(b)に示すように、給紙トレイ通知コマンドがコントローラ200に通知される。上記用紙16の片面に転写されたトナー像は、定着装置25によって熱及び圧力によって用紙16上に定着され、用紙16の片面へのプリント動作が完了する。
すると、上記プリンタエンジン300では、図2及び図3に示すように、定着装置25を通過した用紙16が、当該定着装置25の下流側に配設されたプリント完了判定センサ302aによって検出され、このプリント完了判定センサ302aからは、片面印刷完了判定部302に検出信号が出力される。片面印刷完了判定部302は、プリント完了判定センサ302aから検出信号を受け取ると、用紙16の片面にプリント動作が完了したことを判定し、図1に示すように、通知部301を介して、コントローラ200に用紙16の片面にプリント動作が完了したことを通知する。その際、図4(c)に示すように、給紙トレイ通知コマンドがコントローラ200に通知される。
片面印刷完了判定部302は、図6に示すように、プリンタエンジン300のプリント完了判定センサ302aから片面印刷が完了した通知を受け取ると、両面印刷モードか否かを判定し(ステップ101)、両面印刷モードでない場合には、そのまま動作を終了する。
一方、片面印刷完了判定部302は、両面印刷モードであると判定すると、印刷が完了したのが、表面の印刷か否かを判定し(ステップ102)、表面の印刷でない場合には、そのまま動作を終了し、表面の印刷である場合には、通知部301にその旨を通知する。
その後、コントローラ200は、反転機構部Rから用紙16を再度給紙して、用紙16の反対面に画像が印刷される。その際、反対面印刷開始判定部303は、反転給紙判定センサ303aからの信号に基づいて、反転機構部Rから用紙16を再度給紙されたことを検出して、図5(c)に示すように、通知部301を介して、コントローラ200に用紙16の裏面へのプリント動作が開始されたことを通知する。
このように、上記実施の形態では、用紙16への片面の印刷の完了を片面印刷完了判定部302によって判定するとともに、用紙16の反対面への印刷の開始を反対面印刷開始判定部303によって判定し、通知部301を介して、コントローラ200に通知するように構成されているので、コントローラ200は、用紙16への片面の印刷が完了したか否か、及び用紙16の反対面への印刷が開始したか否かを正確に把握することができ、用紙の両面に画像出力が可能な画像出力装置において、片面の画像出力が完了したときにおける用紙の搬送状態を含めて、用紙の搬送状態を適正に把握することが可能となっている。
その結果、上記コントローラ200は、これらの情報を課金をうまく扱うため、特に不正防止機構のために利用したり、用紙の搬送位置をユーザーに知らせるため、プリンタエンジン300の動作状況を操作パネルに表示したりするために用いることが可能となる。