JP2005214286A - ディスクブレーキ - Google Patents

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純一 池田
Yukio Otani
行雄 大谷
Hirotaka Oikawa
浩隆 及川
Takayuki Ono
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Abstract

【課題】駐車ブレーキ機構を液圧駆動方式に変更することにより金属ケーブルの取り回しを不要とし、車両への搭載性を改善する。
【解決手段】ディスクロータ1の両側に配置される一対のパッド2,3と、有底のシリンダ13内にカップ形状のピストン17を摺動可能に嵌合させ、液圧室18内への液圧供給によりピストン17を推進して、一対のパッド2,3をディスクロータ1に押圧させるキャリパ4とを備えたディスクブレーキにおいて、ピストン17内に固定部材21を配置すると共に、この固定部材21とピストン17に嵌合した可動部材22との間に断面異形のコロ27を有するくさび機構23を配設する。コロ27のくさび作用でピストン17の戻りを規制して駐車ブレーキを作動させ、このコロ27を、ラッチング型ソレノイド34のプランジャ35に連結された可動リテーナ22の前進により変位させて、駐車ブレーキを解除する。
【選択図】図1

Description

本発明は、回転体の制動に用いられ液圧により作動するディスクブレーキであって、特に液圧によらずに回転体の制動状態を維持する機能を有するディスクブレーキに関する。
従来、車両の制動装置として用いられ、駐車ブレーキ機能を有するディスクブレーキ(以下、これを駐車ブレーキ付きディスクブレーキという)としては、例えば、特許文献1、2等に記載されるものがあった。このものは、ディスクロータを挟んでその両側に配置される一対のパッドと、有底シリンダ内にカップ形状のピストンを、その底部が前記パッドに対向するように摺動可能に嵌合させてなり、前記シリンダの底部と前記ピストンとの間に形成される液圧室内への液圧供給により前記ピストンを前記パッド側へ推進して、前記一対のパッドを前記ディスクロータに押圧させるキャリパと、ハンドレバーの操作によりカムを回転させることにより、該カムの回転を軸方向運動に変換して前記ピストンに伝える駐車ブレーキ機構とを備えていた。
実用新案登録第2571069号公報 特開平7−54886号公報
しかしながら、上記した従来の駐車ブレーキ付きディスクブレーキによれば、その駐車ブレーキ機構が、ハンドレバーの動きを、屈曲性の乏しい金属ケーブル(鋼製ワイヤ)を介してカムに伝える構造となっているため、タイヤハウス内での金属ケーブルの取り回しが面倒で、車両への搭載性が悪い、という問題があった。
本発明は、上記した従来の問題点に鑑みてなされたもので、その課題とするところは、駐車ブレーキ機構を液圧駆動方式に変更することにより金属ケーブルの取り回しを不要とし、もって車両への搭載性の向上に寄与するディスクブレーキを提供することにある。
上記課題を解決するため、本発明は、回転体に設けられたディスクロータを挟んでその両面側に配置される一対のパッドと、有底のシリンダ内にピストンを前記パッドに対向するように摺動可能に嵌合させてなり、前記シリンダと前記ピストンとの間に形成される液圧室内への液圧供給により前記ピストンを前記パッド側へ推進して、前記一対のパッドを前記ディスクロータに押圧させるキャリパと、前記液圧室への液圧供給により推進したピストンの位置を固定するロック機構と、該ロック機構によるピストンの固定を解除するロック解除機構とを備えていることを特徴とする。このように構成したディスクブレーキにおいては、回転体の制動状態を維持する際に、キャリパ内の液圧室へ液圧を供給して、ピストンを推進させると、ロック機構が作動してピストンの位置が固定され、液圧を解放しても回転体の制動状態が維持される。また、この状態からロック解除機構を作動させると、ピストンの移動が自由となり、回転体の制動が解除される。
本発明において、上記ロック機構は、ピストンの内部に配置された固定部材と、該固定部材と前記ピストンとの間に配設され、前記ピストンの位置を固定するくさび機構とからなる構成とすることができる。くさび機構を用いることで、スペースの狭いピストン内部にコンパクトにロック機構を収めることができる。この場合、前記くさび機構は、ピストンに推進方向への力が加わったときに該ピストンの移動を許容し、前記ピストンに戻り方向の力が加わったときに該ピストンの移動を阻止する構成とするのが望ましい。このようなくさび機構としては、固定部材に形成された固定平面と前記ピストンに形成された可動平面との間に介装されたコロと、該コロを前記両平面に対する楔合方向へ付勢する付勢手段とを備えたものがある。
本発明は、上記くさび機構のコロが、固定平面と可動平面との間にリテーナを用いて複数配置されており、ロック解除機構は、前記リテーナを介して前記コロを、前記両平面に対する非楔合位置へ変位させる構成とすることができる。このように複数のコロを用いることで、くさび機構のくさび効果をより効果的に発揮させることができ、しかも、コロを非楔合位置へ円滑に変位させることができる。この場合、前記ロック解除機構は、リテーナをコロと干渉しない位置に位置決めするラッチング型ソレノイドと、前記リテーナをコロと干渉する位置へ移動させる付勢手段とを備えている構成とするのが望ましい。
本発明は、キャリパ内の液圧室に、液圧ポンプからブレーキ液圧を供給したのち、ロック機構を作動させてピストンを固定する構成とすることができる。このように構成した場合は、例えば、アンチロックブレーキシステム(ABS)、トラクションコントロールシステム、ビークルダイナミクスコントロールシステム等に装備される液圧ポンプを有効利用して駐車ブレーキを作動させることができる。
本発明に係るディスクブレーキによれば、ピストンを推進する液圧を利用して駐車ブレーキを作動させることができるので、屈曲性の乏しい金属ケーブルを取り回す必要がなくなり、車両への搭載性が向上する。また、この液圧として液圧ポンプの発生液圧を用いる場合は、ABS、トラクションコントロールシステム、ビークルダイナミクスコントロールシステム等のブレーキシステムの機能向上に大きく寄与するものとなる。
また、ロック機構としてくさび機構を用いた場合は、キャリパ内の狭いスペースに組込むことができるので、キャリパが大型化、高重量化することはない。また、ロック解除機構としてラッチング型ソレノイドを用いる場合は、常時通電する必要がないので、省エネルギーを達成でき、その上、発熱の影響もないので、ソレノイドの機能が安定的に維持される。
以下、本発明を実施するための最良の形態を添付図面に基づいて説明する。
図1は、本発明に係るディスクブレーキの全体的構造を示したものである。同図において、1はディスクロータ、2,3はディスクロータ1の両側に配置された一対のパッド、4はキャリパであり、前記一対のパッド2,3およびキャリパ4は、車両の非回転部(ナックル等)に固定されたキャリア5(一部のみを示す)にディスクロータ1の軸方向へ移動可能に支持されている。キャリパ4は、車両内側のパッド(インナパッド)2に対向する基端側にシリンダ部11を、車両外側のパッド(アウタパッド)3に対向する先端側に爪部12をそれぞれ有するキャリパ本体10を備えている。このキャリパ本体10のシリンダ部11にはシリンダ13が形成されており、このシリンダ13の一端はキャリパ本体10の後端にボルト14を用いて固定した端板15によって閉じられている。なお、パッド2,3のそれぞれは、裏板2a,3aとこの裏板2a,3aに接合されたライニング材2b,3bとからなっている。
キャリパ4は、上記キャリパ本体10のシリンダ13内にピストンシール16を介して摺動可能に配設されたピストン17を備えている。ピストン17は、カップ形状をなし、その底部がインナパッド2に対向するようにシリンダ13内に収められている。このピストン17とシリンダ13の底部を確定する端板15との間は液圧室18として画成されており、この液圧室18には、図示を略す液圧源(ここでは、マスタシリンダ)から液圧(ブレーキ液圧)が供給されるようになっている。なお、ピストン17は、その底部に設けた凹部17aにインナパッド2の裏板2aの背面に設けた凸部2a´を係合させることで、回り止めされている。また、ピストン17の底部とキャリパ本体10との間には、シリンダ13内への異物の進入を防ぐダストブーツ19が設けられている。
本実施形態において、上記端板15を挟んだ内・外部分、すなわちキャリパ本体10内の液圧室18およびキャリパ本体10の外側には、駐車ブレーキ機構20が配設されている。この駐車ブレーキ機構20は、前記端板15に一端が固定され、先端部を前記ピストン17内まで延ばした固定部材21と、ピストン17の内面に嵌合固定された可動部材22と、両部材21と22の間に配設され、ピストン17の戻り方向の動きを規制するくさび機構(ロック機構)23と、このくさび機構23によるピストン17の固定を解除するロック解除機構24とから概略構成されている。
上記くさび機構23は、図2および図3にも示されるように、上記固定部材21の先端側の平板部21aの両側に形成された一対の固定平面25,25と、上記可動部材22の内面に前記一対の可動平面25と平行をなすように形成された一対の可動平面26,26と、これら固定平面25と可動平面26との間に介装された複数(ここでは、片側2個で合計4個)のコロ27、27(スプラグ)とを備えている。固定部材21および可動部材22は、ここでは特殊鋼から製作されており、その固定平面25および可動平面26には表面を硬くするために浸炭焼入処理が施され、かつこれら平面は研磨仕上げされている。
各コロ27は、図4に示されるように、上・下にアール曲面27aを有する断面異形の棒状部材からなっている。このコロ27のアール曲面27aは、図5に示されるように、中心O1,O2をオフセットさせた半径rの円筒面内に設定されており、図5に見て時計方向へコロ27が自転するとき、その上・下アール曲面27aが可動平面26、固定平面25に当接する。このとき、コロ27は、起立方向に対して所定の傾斜角度αで位置決めされるようになっており、この状態から、ピストン17にその推進方向と反対方向(ピストン戻り方向)の力Fbが加わると、固定平面25と可動平面26との間でコロ27が突張って、両平面25,26とコロ27との間に強い接触力Fpが生じ、いわゆるコロ27のくさび作用でピストン17の戻りが規制される。一方、この状態からピストン17に推進方向の力を加えると、コロ27が図5に見て反時計方向へ転動し、前記くさび作用が解消されてピストン17の推進方向への移動は自由となる。すなわち、このくさび機構23は、ピストン17の戻り方向への移動のみを規制する直動ワンウエイクラッチとして機能している。
本実施形態において、上記各コロ27は、ピン28により前記固定部材21に固定された固定リテーナ29と可動部材22の内側に移動可能に配置された可動リテーナ30とに保持されている。両リテーナ29、30内には、各コロ27を、ピストン戻り方向へ付勢するばね(付勢手段)31が配設されており、各コロ27は、これらばね31により、常時は固定平面25と可動平面26との間で起立する方向へ付勢されている。この場合、コロ27の姿勢は、固定リテーナ29と可動リテーナ30との相対的な位置関係で決まり、固定リテーナ29に対して可動リテーナ30が前進(左方向へ変位)している場合には、該可動リテーナ30によりコロ27の上・下アール曲面27aが固定平面25および可動平面26から離れるか、わずかに接触する状態となる。すなわち、コロ27のくさび作用は生ぜず、したがって、ピストン17はその推進方向および戻り方向へ自由に動き得る状態(ロック解除状態)となる。一方、固定リテーナ29に対して可動リテーナ30が後退(右方向へ変位)している場合には、コロ27の時計方向への自転が許容され、この場合は、上記したようにコロ27の上・下アール曲面27aが固定平面25および可動平面26に接触し、コロ27のくさび作用でピストン17の戻り方向への動きがロックされる。なお、各コロ27の両側には、その起立方向と平行をなす垂直面27bが形成されており、これら垂直面27bは前記ばね31を受ける受面として供されている。
一方、上記ロック解除機構24は、前記キャリパ本体10の端板15の外面にボルト32を用いて固定されたハウジング33内に配設されたソレノイド34を備えている。ソレノイド34は、コイル35への正・逆通電により伸縮動作するプランジャ36を有しており、そのプランジャ36の先端部は、前記固定部材21の基端側のカップ部21b内に挿入されている。このプランジャ36の先端部には、前記カップ部21bに穿設された長穴37を挿通して延ばされたピン38を介して前記可動リテーナ30が連結されており、可動リテーナ30は、ソレノイド34のプランジャ36の伸縮動に応じてピストン17内を進退動するようになっている。
上記ロック解除機構24はまた、上記固定部材21のカップ部21bの内部に配設され、前記ピン38を介してプランジャ36を伸長方向へ付勢する戻しばね(付勢手段)38を備えている。プランジャ36は、この戻しばね39により常時は伸長端に位置決めされ、これに応じて可動リテーナ30は、常時は前進端に位置決めされる。この可動リテーナ30の前進端において、上記くさび機構23を構成するコロ27の時計方向への自転が規制され、この結果、コロ27のくさび作用は解消されて、ピストン17の移動は自由となる。一方、この状態からソレノイド34のコイル35に通電すると、そのプランジャ36が前記戻しばね39の付勢力に抗して短縮側へ移動し、これにより可動リテーナ30が後退端へ位置決めされる。この可動リテーナ30の後退端において、前記くさび機構23を構成するコロ27がばね31により時計方向へ自転し、これによりコロ27のくさび作用でピストン17の戻り方向への動きがロックされる。
本実施形態において、上記ソレノイド34は永久磁石Mの吸引力でプランジャ36の位置を保持するラッチング型として構成されており、これによりプランジャ36が短縮端に達した後、コイル35に対する通電を停止しても、プランジャ36は永久磁石の吸引力で短縮端に保持される。一方、この状態からコイル35に逆向きの電流を供給すると、プランジャ36に前記永久磁石Mの吸引力を打消す方向の力が働き、プランジャ36は前記戻しばね39の付勢力で伸長側へ移動する。この場合、プランジャ36が伸長端に達した後、コイル35への通電を停止しても、プランジャ36には戻しばね39の付勢力と永久磁石Mの吸引力が加わっているので、プランジャ36は、そのまま伸長端に保持される。なお、コイル35へ電流を供給する電源回路としては、ここでは双方向通電可能な、例えばH型スイッチ回路が必要になるが、その回路の切替えは、運転者によるスイッチ操作でなされるようになっている。
以下、上記のように構成したディスクブレーキの作用について説明する。
[通常ブレーキ時]
通常ブレーキとして使用される場合は、ロック解除機構24を構成する戻しばね39の付勢力で可動リテーナ30が前進端に位置決めされ、くさび機構23を構成するコロ27のくさび作用は解消されて、ピストン17は自由に動き得る状態となっている。この状態において、ブレーキペダルの踏込みに応じてマスタシリンダからキャリパ4内の液圧室18にブレーキ液圧が供給されると、ピストン17が推進してインナパッド2をディスクロータ1に押圧する。一方、この時の反力でキャリパ本体10が車両内側へ移動し、その爪部12がアウタパッド3をディスクロータ1の他面に押圧し、これによりディスクロータ1が一対のパッド2,3により挟まれ、液圧に応じた制動力が発生する。
[駐車ブレーキ時]
駐車ブレーキを作動させる場合は、運転者のスイッチ操作によりラッチング型ソレノイド34のコイル35にパルス的に電流が供給される。すると、ソレノイド34のプランジャ36が戻しばね39の付勢力に抗して短縮し、プランジャ36は永久磁石Mの吸引力によりそのまま短縮端に保持される。一方、このプランジャ36の短縮に応じて、可動リテーナ30が後退する。すると、くさび機構23を構成するコロ27がばね31により時計方向へ自転し、その上・下アール曲面27aが可動平面26と固定平面25とに当接する。この状態のもと、ブレーキペダルを踏込んで、マスタシリンダからキャリパ4内の液圧室18にブレーキ液圧を供給すると、ピストン17に大きな推力が発生し、この推力によってくさび機構23を構成するコロ27が、図1,2に見て反時計方向へわずか自転する。これによりピストン17の推進が可能になり、通常ブレーキ時と同様にこのピストン17の推進によりディスクロータ1が一対のパッド2と3との間に挟まれ、制動力が発生する。そして、この状態からブレーキペダルを緩めて液圧室18のブレーキ液圧を解放すると、パッド2からピストン17に反力(図5中の力Fbと同じ力)がかかっていることから、ピストン17がわずか戻り方向へ移動し、コロ27が時計方向へわずか自転して固定平面25と可動平面26との間で突張り、いわゆるコロ27のくさび作用でピストン17の戻りが規制される。すなわち、くさび機構23によりピストン17の戻り方向への動きがロックされた状態となり、駐車ブレーキが確立する。しかしてこの間、ラッチング型ソレノイド34のコイル39にはパルス的に通電がなされるだけであるので、省エネルギーの面で有利となり、しかも発熱の影響もないので、ソレノイド34の機能が安定して維持される。
ここで、コロ27による十分なるくさび効果を得るには、図5中、αで表わされるコロ27のくさび角度αの正接(tanα)を、コロ27と可動平面26との接触面の摩擦係数よりも小さくする必要がある。しかるに、前記tanα、固定平面25と可動平面26との距離(面間距離)dおよび前記コロ27のアール曲面27aの曲率半径rの間には、図6に示されるように密接な相関があり、曲率半径rが大きい程、tanαに対する面間距離dの影響が大きくなっている。本実施形態において、前記摩擦係数の変動範囲は0.05〜0.25の範囲となっており、その最低の摩擦係数0.5よりtanαを小さくするには、この図6から、前記曲率半径rを0.5mm以下にするのが望ましいことがわかる。本実施形態においては、固定部材21と可動部材22との間に2つの平行面間を設定して、この平行面間内に各2つのコロ27を配しているので、各コロ27のアール曲面27aの曲率半径rを十分に小さくすることができ、結果として、十分なるくさび効果が得られるようになる。また、各コロ27のアール曲面27aの曲率半径rを小さくした場合は、面間距離hに対するtanαの感度が小さくなるので、面間距離hを高精度に設定する必要がなくなり、その分、くさび機構23の製作は容易となる。
[駐車ブレーキ解除時]
駐車ブレーキの解除時には、運転者のスイッチ操作で電源回路が切替わり、ソレノイド34のコイル36に、上記駐車ブレーキ時と逆向きの電流が供給される。すると、プランジャ36に永久磁石Mの吸引力を打消す方向の力が働き、プランジャ36は前記戻しばね39の付勢力で伸長側へ移動しようとする。この状態でブレーキペダルを踏込んで、マスタシリンダから液圧室18にブレーキ液圧を供給すると、ピストン17に推力が発生し、その推力によってくさび機構23を構成するコロ27が、図1,2に見て反時計方向へわずか自転し、コロ27のくさび作用が解消される。このとき、可動リテーナ30には戻しばね39の付勢力がかかっているので、前記くさび作用の解消と同時に可動リテーナ30が前進し、そのまま前進端に保持される。したがって、その後、液圧室18のブレーキ液圧を解放すると、ピストン17がインナパッド2からの反力で戻り方向へ移動し、これにより駐車ブレーキが解除される。この場合、可動リテーナ30の前進に応じてソレノイド34のプランジャ36が伸長するが、プランジャ36は戻しばね39の付勢力と永久磁石Mの吸引力とにより伸長端を維持するので、この段階でコイル35への通電を停止しても、駐車ブレーキ解除の状態が維持される。したがって、上記駐車ブレーキ時と同様に省エネルギーが達成され、かつ発熱が抑制される。
ここで、駐車ブレーキ作動中、上記くさび機構23のコロ27には、ばね31の付勢力Fs(図5)と、ピストン17との間の摩擦力μと前記くさび角度αとで定まる摺動抵抗(Fs×μ×tanα)が加わっている。したがって、駐車ブレーキを解除するには、この摺動抵抗に打ち勝つピストン推力が必要になるが、ピストン17には液圧室18内のブレーキ液圧により大きな推力が発生するので、前記摺動抵抗があっても駐車ブレーキの解除の障害になることはない。
このように本ディスクブレーキにおける駐車ブレーキ機構20によれば、ピストン17を推進する液圧を利用して駐車ブレーキを作動および解除することができるので、従来のように屈曲性の乏しい金属ケーブルを取り回す必要がなくなり、車両への搭載性が改善される。また、キャリパに内蔵した電動モータによりピストンを推進して駐車ブレーキを作動させる考え方もあるが、この場合は、特別の電動モータが必要であるため、ディスクブレーキ自体が大型化、高重量化し、車両への搭載性の改善には効果がない。
なお、上記くさび機構23を構成する断面異形のコロ27は、図7に示すように、断面楕円形のコロ27´に代えることができる。この場合は、くさび角度αが前記断面異形のコロ27を用いた場合よりも大きくなるので、摺動抵抗が大きくなり、駐車ブレーキ時にピストン17を確実に保持することができる。
また、上記実施形態においては、くさび機構23を構成する固定平面25と可動平面26とを平行に設定したが、これら平面25と26は、図8に示すように、相互に傾斜するように設定してもよく、この場合は、コロとして断面円形のコロ27″を用いることができる。ただし、固定平面25と可動平面26の傾斜角度は、コロ27″のくさび角度αの2倍(2α)に設定するのが望ましい。
また、上記実施形態においては、くさび機構23を構成する可動平面26をピストン17に嵌合した固定部材22に設けるようにしたが、この可動平面26は、ピストン17の内面に直接設けてもよいものである。
さらに、上記ラッチング型ソレノイド34は、2個のコイルを逆巻きにして、一方をプランジャ36の短縮用、他方をプランジャ36の伸長用として使い分けてもよいものである。この場合は、電源回路への信号線は2本から3本に増えるが、駆動トランジスタは4個から2個に削減できる。
ところで、近年ABS、トラクションコントロールシステム、ビークルダイナミクスコントロールシステム等のブレーキシステムの開発が推し進められており、このようなブレーキシステムに本ディスクブレーキを適用した場合には、該ブレーキシステムの機能が大幅に向上するようになる。図9は、本駐車ブレーキ付きディスクブレーキ40を適用したブレーキシステムを示したものである。同図において、41はブレーキペダル、42はブレーキペダル41と連動するブースタ、43はブースタ42と連動するマスタシリンダ、44は作動液を蓄えるリザーバ、45は液圧ポンプ、46はABS/ビークルダイナミクスコントロールシステムモジュレータ、47は電子制御装置・ECU、48は駐車ブレーキスイッチ・PKB−SWである。このブレーキシステムにおいて、本ディスクブレーキ40は、4輪のホイール49に対して設置されているが、リヤ側の2輪に対してのみ設置してもよいことはもちろんである。
上記したブレーキシステムにおいて、ECU4は、運転者の操作と車速、車輪速などを監視しており、通常走行時には、ブレーキペダル41の踏込みによりブースタ42およびマスタシリンダ43が作動し、ブレーキペダル41の踏力に応じたブレーキ液圧が本ディスクブレーキ40内の液圧室18(図1、2)に供給され、所定の制動力が発生する。また、ECU47がスリップなどの異常を検知したときには、ECU47からの指令で液圧ポンプ45が作動すると共にABS/ビークルダイナミクスコントロールシステムモジュレータ46が切替えられ、本ディスクブレーキ40内の液圧室18には、液圧ポンプ45で発生したブレーキ液圧が供給され、その液圧制御により前記異常が解消される。
駐車ブレーキは、運転者が駐車ブレーキスイッチ・PKB−SW48をオンにすることで達成される。この場合は、ECU47からの指令で液圧ポンプ45が作動し、ABS/ビークルダイナミクスコントロールシステムモジュレータ46により本ディスクブレーキ40内の液圧室18にブレーキ液圧が供給され、これによりピストン17が制動位置まで推進する。また、これと同時に、ECU47からの指令で、本ディスクブレーキ40内のロック解除機構24を構成するソレノイド34のコイル36へパルス的に電流が供給され、可動リテーナ30が後退端に変位する。液圧ポンプ45から液圧室18へのブレーキ液圧の供給は、所定液圧になった後、解放されるようになっており、この液圧解放によりピストン17がわずか戻り方向へ移動し、これによってくさび機構23を構成するコロ27が自転して、ピストン17の戻り方向の移動が規制され、この結果、駐車ブレーキが確立する。
駐車ブレーキの解除は、運転者が駐車ブレーキスイッチ・PKB−SW48をオフさせることで達成される。この場合は、ECU47からの指令で、本ディスクブレーキ40内の液圧室18に液圧ポンプ45からブレーキ液圧が供給されると共に、ソレノイド34のコイル36への通電により可動リテーナ30が前進側へ付勢される。これによりピストン17に推力が発生して、前記くさび機構23を構成するコロ27のくさび作用が解消され、これと同時に可動リテーナ30が前進端に移動する。液圧ポンプ45から液圧室18へのブレーキ液圧の供給は、所定時間経過後、解放されるようになっており、この液圧解放によりピストン17が戻り方向へ移動し、この結果、駐車ブレーキが解除される。
なお、上記駐車ブレーキ時においては、ECU47よりブレーキ液圧の供給と可動リテーナ30の後退端への変位を同時に指令しているが、これに限らず、可動リテーナ30の後退端への変位を液圧室18が所定液圧になった後に指令するようにしてもよい。また、上述の本ディスクブレーキは、ペダル操作をセンサで検出し、操作に見合った液圧を液圧ポンプにより各ディスクブレーキに供給する電気式液圧ブレーキシステムに適用してもよい。
本発明に係るディスクブレーキの全体構造を示す断面図である。 本ディスクブレーキの要部構造を示す断面図である。 本ディスクブレーキ内のくさび機構の構造を示す断面図である。 本くさび機構で用いるコロの形状を示す斜視図である。 本くさび機構の作動状態を示す模式図である。 本くさび機構におけるくさび角度と、面間距離とアール曲面との相関を示すグラフである。 本くさび機構の他の実施形態を示す模式図である。 本くさび機構の、さらに他の実施形態を示す模式図である。 本発明に係るディスクブレーキを適用したブレーキシステムを示す系統図である。
符号の説明
1 ディスクロータ
2,3 パッド
4 キャリパ
10 キャリパ本体
13 シリンダ
17 ピストン
18 液圧室
20 駐車ブレーキ機構
21 固定部材
22 可動部材
23 くさび機構(ロック機構)
24 ロック解除機構
25 固定平面
26 可動平面
27 断面異形のコロ
30 可動リテーナ
35 プランジャ
36 コイル
39 戻しばね
M 永久磁石

Claims (7)

  1. 回転体に設けられたディスクロータを挟んでその両面側に配置される一対のパッドと、有底のシリンダ内にピストンを前記パッドに対向するように摺動可能に嵌合させてなり、前記シリンダの底部と前記ピストンとの間に形成される液圧室内への液圧供給により前記ピストンを前記パッド側へ推進して、前記一対のパッドを前記ディスクロータに押圧させるキャリパと、前記液圧室への液圧供給により推進したピストンの位置を固定するロック機構と、該ロック機構によるピストンの固定を解除するロック解除機構とを備えていることを特徴とするディスクブレーキ。
  2. ロック機構が、ピストンの内部に配置された固定部材と、該固定部材と前記ピストンとの間に配設され、前記ピストンの位置を固定するくさび機構とからなることを特徴とする請求項1に記載のディスクブレーキ。
  3. くさび機構は、ピストンに推進方向への力が加わったときに該ピストンの移動を許容し、前記ピストンに戻り方向の力が加わったときに該ピストンの移動を阻止することを特徴とする請求項2に記載のディスクブレーキ。
  4. くさび機構は、固定部材に形成された固定平面と前記ピストンに形成された可動平面との間に介装されたコロと、該コロを前記両平面に対する楔合方向へ付勢する付勢手段とを備えていることを特徴とする請求項2または3に記載のディスクブレーキ。
  5. くさび機構のコロが、固定平面と可動平面との間にリテーナを用いて複数配置されており、ロック解除機構は、前記リテーナを介して前記コロを、前記両平面に対する非楔合位置へ変位させることを特徴とする請求項4に記載のディスクブレーキ。
  6. ロック解除機構は、リテーナをコロと干渉しない位置に位置決めするラッチング型ソレノイドと、前記リテーナをコロと干渉する位置へ移動させる付勢手段とを備えていることを特徴とする請求項5に記載のディスクブレーキ。
  7. キャリパ内の液圧室に、液圧ポンプからブレーキ液圧を供給したのち、ロック機構を作動させてピストンを固定することを特徴とする請求項1乃至6の何れか1項に記載のディスクブレーキ。
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