JP2005213319A - 熱硬化性樹脂組成物水分散体 - Google Patents

熱硬化性樹脂組成物水分散体 Download PDF

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Abstract

【課題】 加工時にホルムアルデヒドを副生せずに、強度と剛性に優れた硬化物、加工物が得られる熱硬化性樹脂組成物水分散体を提供すること。
【解決手段】 オキシラン基含有エチレン性不飽和単量体(a1)と前記(a1)以外のエチレン性不飽和単量体(a2)からなる単量体類(A)を共重合して得られる共重合体(I)と、水酸基含有エチレン性不飽和単量体(b1)と前記(b1)以外のエチレン性不飽和単量体(b2)からなる単量体類(B)を共重合して得られる共重合体(II)とを有することを特徴とする熱硬化性樹脂組成物水分散体。
【選択図】 なし

Description

本発明は、得られる硬化物、加工物の強度と剛性に優れ、且つ加工時にホルムアルデヒドを発生しない熱硬化性樹脂組成物水分散体に関する。
エチレン性不飽和基を有する単量体類を共重合させたアクリル樹脂エマルジョン、合成ゴムラテックス等は水系で安全であることや安価で性能がよいことから、結合用途や塗布用途などに幅広く用いられている。樹脂の付着による物理的な作用の強度発現で各種用途の要求性能が充足されることも多いが、一部の用途ではこの物理的付着による強度だけでは不十分の場合があり、この時は、共重合体に反応性を付与できるような単量体を組み合わせたり、架橋剤や硬化剤と呼ばれる化学成分を別添したりして、加工時の加熱で化学反応を起こさせ硬化物、加工物の強度をさらに向上させる方法がとられている(例えば、特許文献1参照。)。
しかしながら、前記特許文献1に提案されているN−メチロールアクリルアミド等のメチロールアミド基を有する単量体を併用する方法は、安価であり、高強度となるものの、反応時にホルムアルデヒドが副生してくる問題がある。これは、硬化剤として安価なメラミン樹脂を用いた場合も同様である。
アクリル樹脂エマルジョンや合成ゴムラテックスは、その価格と性能のバランスに優れる点から内装材等に広く使用されている。しかし、ホルムアルデヒドは2003年7月1日に施行された改正建築基準法で規制物質に指定され、人体への悪影響が確認されており、建造物の内装材等でのアクリル樹脂エマルジョンや合成ゴムラテックスの使用が制限された。また、アクリル樹脂エマルジョンや合成ゴムラテックスは服飾構成部材(芯材等)にも使用されており、耐洗濯性や耐ドライクリーニング性等の性能を満たすため強度付与が不可欠になっているが、前記のようなホルムアルデヒドを副生するタイプは今後使用できなくなる可能性が高い。
特開2001−011766号公報(第2−3頁)
本発明が解決しようとする課題は、加工時にホルムアルデヒドを副生せずに、強度と剛性に優れた硬化物、加工物が得られる熱硬化性樹脂組成物水分散体を提供することにある。
本発明者は、上記課題を鋭意検討した結果、下記の熱硬化性樹脂組成物水分散体が、ホルムアルデヒドを副生することなく硬化反応が進行し、強度・剛性に優れる硬化物・加工物を与えうることを見いだし、本発明を完成するに至った。
すなわち本発明は、オキシラン基含有エチレン性不飽和単量体(a1)と前記(a1)以外のエチレン性不飽和単量体(a2)からなる単量体類(A)を共重合して得られる共重合体(I)と、水酸基含有エチレン性不飽和単量体(b1)と前記(b1)以外のエチレン性不飽和単量体(b2)からなる単量体類(B)を共重合して得られる共重合体(II)とを有することを特徴とする熱硬化性樹脂組成物水分散体を提供するものである。
本発明の熱硬化性樹脂組成物水分散体はホルムアルデヒドを副生することなく加熱硬化することが可能で、得られる硬化物・加工物は、強度・剛性に優れるものである。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明の熱硬化性樹脂組成物水分散体は、オキシラン基含有エチレン性不飽和単量体(a1)と前記(a1)以外のエチレン性不飽和単量体(a2)からなる単量体類(A)を共重合して得られる共重合体(I)と、水酸基含有エチレン性不飽和単量体(b1)と前記(b1)以外のエチレン性不飽和単量体(b2)からなる単量体類(B)を共重合して得られる共重合体(II)とを有している水分散体であり、共重合体(I)中のオキシラン基と共重合体(II)中の水酸基が、加工時の加熱により反応することによって、物理的付着のみの強度よりも一層優れた強度等を発現することができるものである。
まず、共重合体(I)について説明する。
前記オキシラン基含有エチレン性不飽和単量体(a1)としては、その構造が特に制限されるものではないが、共重合体を得る際の反応性に優れる点から(メタ)アクリル酸グリシジルであることが好ましく、グリシジルメタクリレートを用いることが特に好ましい。
前記(a1)以外のエチレン性不飽和単量体(a2)としては、特に制限されるものではなく、種々の単量体を用いることができる。例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、i−ブチル(メタ)アクリレート、t−ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ヘキシル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、オクチル(メタ)アクリレート、ノニル(メタ)アクリレート、ドデシル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニル(メタ)アクリレート、フェニル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリル酸エステル類;2,2,2−トリフルオロエチル(メタ)アクリレート、2,2,3,3−ペンタフルオロプロピル(メタ)アクリレート、パーフルオロシクロヘキシル(メタ)アクリレート、2,2,3,3,−テトラフルオロプロピル(メタ)アクリレート、β−(パーフルオロオクチル)エチル(メタ)アクリレート等のフッ素含有エチレン性不飽和単量体;酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、ビニルブチラート、バーサチック酸ビニル等のビニルエステル類;メチルビニルエーテル、エチルビニルエーテル、プロピルビニルエーテル、ブチルビニルエーテル、アミルビニルエーテル、ヘキシルビニルエーテル等のビニルエーテル類;(メタ)アクリロニトリル等のニトリル基含有エチレン性不飽和単量体;スチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン、ビニルアニソール、α−ハロスチレン、ビニルナフタリン、ジビニルスチレン等の芳香環を有するビニル化合物;イソプレン、クロロプレン、ブタジエン、エチレン、テトラフルオロエチレン、フッ化ビニリデン、N−ビニルピロリドン等が挙げられ、これらの1種または2種以上の混合物を使用することができる。
また、得られる水分散体の分散安定性を向上させるために、カルボキシル基含有エチレン性不飽和単量体を用いることができ、それらは分子内にカルボキシル基とエチレン性不飽和基を有するものであれば特に限定されず、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、β−カルボキシエチル(メタ)アクリレート、2−(メタ)アクリロイルプロピオン酸、クロトン酸、イタコン酸、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸ハーフエステル、マレイン酸ハーフエステル、無水マレイン酸、無水イタコン酸、β−(メタ)アクリロイルオキシエチルハイドロゲンサクシネート、β−(メタ)ヒドロキシエチルハイドロゲンフタレートおよびこれらの塩等が挙げられ、これらの1種または2種以上の混合物を使用することができる。
さらに、他の機能を付加させ得る単量体として、例えば、アミノエチル(メタ)アクリレート、N−モノアルキルアミノアルキル(メタ)アクリレート、N,N−ジアルキルアミノアルキル(メタ)アクリレート等のアミノ基含有重合性単量体;ビニルトリクロロシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリス(β−メトキシエトキシ)シラン、γ−(メタ)アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、γ−(メタ)アクリロキシプロピルトリエトキシシラン、γ−(メタ)アクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、γ−(メタ)アクリロキシプロピルメチルジエトキシシラン、γ−(メタ)アクリロキシプロピルトリイソプロポキシシラン、N−β−(N−ビニルベンジルアミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン及びその塩酸塩等のシリル基含有重合性単量体;2−アジリジニルエチル(メタ)アクリレート等のアジリジニル基含有重合性単量体;(メタ)アクリロイルイソシアナート、(メタ)アクリロイルイソシアナートエチルのフェノール或いはメチルエチルケトオキシム付加物等のイソシアナート基及び/またはブロック化イソシアナート基含有重合性単量体;2−イソプロペニル−2−オキサゾリン、2−ビニル−2−オキサゾリン等のオキサゾリン基含有重合性単量体;(メタ)アクリルアミド、N−モノアルキル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジアルキル(メタ)アクリルアミド等のアミド基含有重合性単量体;ジシクロペンテニル(メタ)アクリレート等のシクロペンテニル基含有重合性単量体;アリル(メタ)アクリレート等のアリル基含有重合性単量体;アクロレイン、ジアセトン(メタ)アクリルアミド等のカルボニル基含有重合性単量体;アセトアセトキシエチル(メタ)アクリレート等のアセトアセチル基含有重合性単量体等が挙げられ、これらを1種又は2種以上組み合わせて使用することができるが、本発明においてはホルムアルデヒド発生源になりうる、N−メチロール(メタ)アクリルアミド、N−イソプロポキシメチル(メタ)アクリルアミド、N−ブトキシメチル(メタ)アクリルアミド、N−イソブトキシメチル(メタ)アクリルアミド等のメチロールアミド基またはそのアルコキシ化物含有重合性単量体は使用しない。また、官能基の反応性によっては、重合中に起きてしまう化学反応もあるため、モノマーの組み合わせについては、官能基の反応性を十分考慮した上で、組み合わせることが望ましい。
前記単量体類(A)中のオキシラン基含有エチレン性不飽和単量体(a1)の重量割合としては、特に制限されるものではないが、得られる水分散体の加熱加工時の反応性に優れる点から0.5〜5重量%であることが好ましい。
前記単量体類(A)を用いて共重合体(I)を得るその製造方法としては、特に限定されるものではなく、重合開始剤を用いて単量体類を共重合させる種々の方法を用いることが可能であり、共重合体を得た後、後記する乳化剤を用いて水分散体にすることも出来るが、操作が簡便であり、分散性が良好である点から乳化重合をすることが好ましく、例えば、(1)水性媒体、単量体類、重合開始剤、必要に応じて乳化剤及び分散安定剤等の原料を一括して仕込み重合する方法、(2)水性媒体、単量体成分、乳化剤を予め混合したものを滴下するいわゆるプレエマルジョン法、(3)モノマー滴下法等が挙げられる。何れの方法も出来上がった共重合体に特徴があることから、得られる熱硬化性樹脂組成物水分散体の用途や所望の性能に応じて前記の方法を適宜選択して用いればよい。
前記重合開始剤としては、例えば、アゾビスイソブチロニトリル、ベンゾイルパーオキサイド、ジ−t−ブチルパーオキサイド、t−ブチルクミルパーオキサイド、ジクミルパーオキサイド、t−ブチルパーオキシオクトエート、t−ブチルハイドロパーオキサイド、クメンハイドロパーオキサイド等の有機過酸化物、過硫酸アンモニウム、過硫酸カリウム、過硫酸ナトリウム等の過硫酸塩など、通常のラジカル重合開始剤が挙げられる。これらの重合開始剤の使用量は、単量体類(A)の総量100重量部に対して、0.01〜20重量部の範囲が好ましい。
また、カルボキシル基の中和に使用される塩基性化合物としては、各種のものがいずれも使用できるが、揮発性のアミンが好ましく、例えば、トリメチルアミン、トリエチルアミン、ブチルアミン等のアルキルアミン類;ジメチルアミノエタノール、ジエタノールアミン、アミノメチプロパノール等のアルコールアミン類;モルホリン等が挙げられる。また、エチレンジアミン、ジエチレントリアミン等の多価アミンも使用できる。前記塩基性化合物の使用量は、水性媒体のpHが5〜8となる量が好ましい。
単量体類(A)を水性媒体中で乳化重合する際には、乳化剤やその他の分散安定剤を使用して重合することができ、また、共重合体を得た後、乳化剤やその他の分散安定剤を用いて水分散体とすることも出来る。前記乳化剤としては、陰イオン性乳化剤、非イオン性乳化剤、陽イオン性乳化剤の種々のものが使用できる。前記陰イオン性乳化剤としては、例えば、高級アルコールの硫酸エステル及びその塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩、ポリオキシエチレンアルキルフェニルスルホン酸塩、ポリオキシエチレンアルキルジフェニルエーテルスルホン酸塩、アルキルジフェニルエーテルジスルホン酸塩、コハク酸ジアルキルエステルスルホン酸塩等が挙げられ、非イオン性乳化剤としては、例えば、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンジフェニルエーテル、ポリオキシエチレン−ポリオキシプロピレンブロック共重合体等が挙げられ、これらの1種または2種以上の混合物を使用することができる。
更に、一般的に「反応性乳化剤」と称される重合性不飽和基を分子内に有する乳化剤を使用することもできる。本発明で使用できる反応性乳化剤としては、例えば、スルホン酸基及びその塩を有する「ラテムルS−180」(花王株式会社製)、「エレミノールJS−2、RS−30」(三洋化成工業株式会社製)等;硫酸基及びその塩を有する「アクアロンHS−10、HS−20、KH−05、KH−10」(第一工業製薬株式会社製)、「アデカリアソープSE−10、SE−20、SR−10N、SR−20N」(旭電化工業株式会社製)等;リン酸基を有する「ニューフロンティアA−229E」(第一工業製薬株式会社製)等;非イオン性親水基を有する「アクアロンRN−10、RN−20、RN−30、RN−50、ER−10、ER−20、ER−30、ER−40」(第一工業製薬株式会社製)等が挙げられ、これらの1種または2種以上の混合物が使用できる。しかしながら前述の乳化剤のうち、ポリオキシエチレン構造を有するものは、構造的にホルムアルデヒドを副生する可能性があるため使用は好ましくない。
また、乳化剤以外のその他の分散安定剤としては、例えば、ポリビニルアルコール、繊維素エーテル、澱粉、マレイン化ポリブタジエン、マレイン化アルキッド樹脂、ポリアクリル酸(塩)、ポリアクリルアミド、水性アクリル樹脂、水性ポリエステル樹脂、水性ポリアミド樹脂、水性ポリウレタン樹脂等の合成或いは天然の水溶性高分子物質が挙げられ、これらの1種または2種以上の混合物を使用することができる。
単量体類(A)を乳化重合する際の水性媒体としては、特に限定されるものではないが、水のみを用いてもよいし、或いは、水と水溶性溶剤の混合溶液を使用してもよい。ここで用いることができる水溶性溶剤としては、例えば、メチルアルコール、エチルアルコール、イソプロピルアルコール、エチルカルビトール、エチルセロソルブ、ブチルセロソルブ等のアルコール類、N−メチルピロリドン等の極性溶剤が挙げられ、これらの1種または2種以上の混合物が使用できる。
水と上記水溶性溶剤の混合物を使用する場合の上記水溶性溶剤の使用量としては、重合時の安定性の点から任意に選択することができるが、得られる熱硬化性樹脂組成物水分散体の引火の危険性、及び安全衛生の面から水溶性溶剤の使用量は極力少なくすることが好ましい。これらの理由から、水単独で使用することが特に好ましい。
また、得られる共重合体(I)の分子量を調整する必要がある場合は、単量体類(A)を重合する際に分子量調整剤として連鎖移動能を有する化合物、例えば、ラウリルメルカプタン、オクチルメルカプタン、ドデシルメルカプタン、2−メルカプトエタノール、チオグリコール酸オクチル、3−メルカプトプロピオン酸、チオグリセリン等のメルカプタン類、またはα−メチルスチレン・ダイマー等を添加してもよい。
次に共重合体(II)について説明する。
前記水酸基含有エチレン性不飽和単量体(b1)としては、特にその構造が制限されるものではないが、共重合を行う際の反応性に優れる点から、水酸基含有(メタ)アクリル酸エステルを用いることが好ましく、例えば、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、グリセロールモノ(メタ)アクリレート等が挙げられ、工業的入手がしやすく反応性にも優れる点から、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレートを用いることが好ましい。
前記(b1)以外のエチレン性不飽和単量体(b2)としては、特に制限されるものではなく、種々の単量体を用いることができ、前述したその他のエチレン性不飽和単量体(a2)のいずれも使用することが可能であり、単量体(a2)と単量体(b2)は同一でも異なっていても良い。
前記単量体類(B)中の水酸基含有エチレン性不飽和単量体(b1)の重量割合としては、特に制限されるものではないが、得られる水分散体の加熱加工時の反応性に優れる点から1〜50重量%であることが好ましく、特に20〜40重量%であることが好ましい。
前記単量体類(B)を用いて共重合体(II)を得るその製造方法としては、特に限定されるものではなく、前述の共重合体(I)を得る方法をいずれも挙げることができる。また、その際に用いる重合開始剤、乳化剤、その他の分散安定剤、塩基性化合物、水性媒体等についても、前述の共重合体(I)について記載したものをいずれも使用することができ、それらは、共重合体(I)に用いたものと同一でも異なっていても良い。
本発明の熱硬化性樹脂組成物水分散体は、上記で得られた共重合体(I)と共重合体(II)を混合することによって得ることができる。それぞれを乳化重合した場合は、既にそれぞれが水分散体になっているので、それらを混合することによって、本発明の熱硬化性樹脂組成物水分散体を得ることが出来る。水性媒体を用いずに共重合体を得た場合は、水性媒体中に分散とする前の樹脂同士を予め混合した後に水分散体とする方法であっても、それぞれを水分散体にした後に混合する方法であってもよいが、保存安定性が良好である点からは、それぞれを水分散体とした後に、混合する後者のほうが好ましい。その混合比としては特に限定されるものではないが、得られる硬化物、加工物の強度と鋼性に優れることから、共重合体(I)のオキシラン基当量(i)と共重合体(II)の水酸基当量(ii)との比(i)/(ii)が1〜200であることが好ましく、前記比が5〜50であることが特に好ましい。
本発明の熱硬化性樹脂組成物水分散体の用途としては、特に制限されるものではなく、例えば、ガラス不織布等のバインダー樹脂等として使用できる。加工方法としても特に限定されないが、例えば、通常、樹脂付着量が基布重量の30〜80重量%になるように含浸加工し、乾燥後、通常100〜200℃、好ましくは120〜180℃で1〜30分加熱することによって硬化させる。得られたガラスペーパー等は、ホルムアルデヒドの揮発がないことから建材の裏打ちや化粧材の芯材として好適に用いることができる。
以下、本発明を実施例と比較例により、一層、具体的に説明するが、本発明の範囲はこれら実施例に限定されるものではない。以下において、特に断らない限り、「%」は重量%、「部」は重量部をそれぞれ示すものとする。
合成例1
オキシラン基含有共重合体(I)の合成
撹拌機、還流冷却管、窒素導入管、温度計、滴下漏斗を備えた反応容器に脱イオン水75部を入れ、窒素を吹き込みながら80℃まで昇温した。撹拌下、過硫酸カリウム0.02部を添加し、続いてブチルアクリレート40部、メチルメタクリレート56部、メタクリル酸2部、グリシジルメタクリレート2部からなる単量体混合物に、ラテムルE−118B(花王株式会社製:有効成分25%)8部と脱イオン水15部を加えて乳化させたモノマープレエマルジョン(前記単量体混合物と乳化剤と水でモノマーを乳化状態にしたものを云う)の一部(3部)を添加し、反応容器内温度を80℃に保ちながら30分間で重合させた。引き続き、反応容器内温度を80℃に保ちながら、残りのモノマープレエマルジョン(120部)と、過硫酸カリウムの水溶液(有効成分0.5%)30部を、各々別の滴下漏斗を使用して、反応容器内温度を80℃に保ちながら180分間かけて滴下して重合せしめた。滴下終了後、同温度にて120分間撹拌した。その後、内容物を冷却し、pHが7.5になるようにアンモニア水(有効成分10%)で調整した。さらに、固形分濃度が45.0%になるように脱イオン水で調整した後、100メッシュ金網で濾過し、共重合体(I)の水分散体を得た。この分散体の固形分濃度は45.0%、pHは7.5であり、粘度は180mPa・s(BM型粘度計を使用してローター3番、60rpmで測定)であった。
合成例2
水酸基含有共重合体(II)の合成
撹拌機、還流冷却管、窒素導入管、温度計、滴下漏斗を備えた反応容器に脱イオン水75部を入れ、窒素を吹き込みながら80℃まで昇温した。撹拌下、過硫酸カリウム0.02部を添加し、続いてブチルアクリレート32部、メチルメタクリレート46部、メタクリル酸2部、ヒドロキシエチルメタクリレート20部からなる単量体混合物に、ラテムルE−118B(花王株式会社製:有効成分25%)8部と脱イオン水15部を加えて乳化させたモノマープレエマルジョン(前記単量体混合物と乳化剤と水でモノマーを乳化状態にしたものを云う)の一部(3部)を添加し、反応容器内温度を80℃に保ちながら30分間で重合させた。引き続き、反応容器内温度を80℃に保ちながら、残りのモノマープレエマルジョン(120部)と、過硫酸カリウムの水溶液(有効成分0.5%)30部を、各々別の滴下漏斗を使用して、反応容器内温度を80℃に保ちながら180分間かけて滴下して重合せしめた。滴下終了後、同温度にて120分間撹拌した。その後、内容物を冷却し、pHが7.5になるようにアンモニア水(有効成分10%)で調整した。さらに、固形分濃度が45.0%になるように脱イオン水で調整した後、100メッシュ金網で濾過し、共重合体(II)の水分散体を得た。この水分散体の固形分濃度は45.0%、pHは7.5であり、粘度は280mPa・s(BM型粘度計を使用してローター3番、60rpmで測定)であった。
合成例3
比較共重合体(P)の合成
撹拌機、還流冷却管、窒素導入管、温度計、滴下漏斗を備えた反応容器に脱イオン水75部を入れ、窒素を吹き込みながら80℃まで昇温した。撹拌下、過硫酸カリウム0.02部を添加し、続いてブチルアクリレート36部、メチルメタクリレート60部、メタクリル酸2部、N−メチロールアクリルアミド2部からなる単量体混合物に、ラテムルE−118B(花王株式会社製:有効成分25%)8部と脱イオン水15部を加えて乳化させたモノマープレエマルジョン(前記単量体混合物と乳化剤と水でモノマーを乳化状態にしたものを云う)の一部(3部)を添加し、反応容器内温度を80℃に保ちながら30分間で重合させた。引き続き、反応容器内温度を80℃に保ちながら、残りのモノマープレエマルジョン(120部)と、過硫酸カリウムの水溶液(有効成分0.5%)30部を、各々別の滴下漏斗を使用して、反応容器内温度を80℃に保ちながら180分間かけて滴下して重合せしめた。滴下終了後、同温度にて120分間撹拌した。その後、内容物を冷却し、pHが7.5になるようにアンモニア水(有効成分10%)で調整した。さらに、固形分濃度が45.0%になるように脱イオン水で調整した後、100メッシュ金網で濾過し、共重合体(P)の水分散体を得た。この水分散体の固形分濃度は45.0%、pHは7.3であり、粘度は200mPa・s(BM型粘度計を使用してローター3番、60rpmで測定)であった。
合成例4
比較共重合体(Q)の合成
撹拌機、還流冷却管、窒素導入管、温度計、滴下漏斗を備えた反応容器に脱イオン水75部を入れ、窒素を吹き込みながら80℃まで昇温した。撹拌下、過硫酸カリウム0.02部を添加し、続いてエチルアクリレート48部、メチルメタクリレート49部、メタクリル酸1部、N−メチロールアクリルアミド2部からなる単量体混合物に、ラテムルE−118B(花王株式会社製:有効成分25%)8部と脱イオン水15部を加えて乳化させたモノマープレエマルジョン(前記単量体混合物と乳化剤と水でモノマーを乳化状態にしたものを云う)の一部(3部)を添加し、反応容器内温度を80℃に保ちながら30分間で重合させた。引き続き、反応容器内温度を80℃に保ちながら、残りのモノマープレエマルジョン(120部)と、過硫酸カリウムの水溶液(有効成分0.5%)30部を、各々別の滴下漏斗を使用して、反応容器内温度を80℃に保ちながら180分間かけて滴下して重合せしめた。滴下終了後、同温度にて120分間撹拌した。その後、内容物を冷却し、pHが7.5になるようにアンモニア水(有効成分10%)で調整した。さらに、固形分濃度が45.0%になるように脱イオン水で調整した後、100メッシュ金網で濾過し、共重合体(Q)の水分散体を得た。この水分散体の固形分濃度は45.0%、pHは7.3であり、粘度は150mPa・s(BM型粘度計を使用してローター3番、60rpmで測定)であった。
合成5
比較共重合体(R)の合成
撹拌機、還流冷却管、窒素導入管、温度計、滴下漏斗を備えた反応容器に脱イオン水75部を入れ、窒素を吹き込みながら80℃まで昇温した。撹拌下、過硫酸カリウム0.02部を添加し、続いてエチルアクリレート48部、メチルメタクリレート49部、メタクリル酸1部、N−メチロールアクリルアミド2部からなる単量体混合物に、ラテムルE−118B(花王株式会社製:有効成分25%)8部と脱イオン水15部を加えて乳化させたモノマープレエマルジョン(前記単量体混合物と乳化剤と水でモノマーを乳化状態にしたものを云う)の一部(3部)を添加し、反応容器内温度を80℃に保ちながら30分間で重合させた。引き続き、反応容器内温度を80℃に保ちながら、残りのモノマープレエマルジョン(120部)と、過硫酸カリウムの水溶液(有効成分0.5%)30部を、各々別の滴下漏斗を使用して、反応容器内温度を80℃に保ちながら180分間かけて滴下して重合せしめた。滴下終了後、同温度にて120分間撹拌した。その後、内容物を冷却し、pHが7.5になるようにアンモニア水(有効成分10%)で調整した。さらに、固形分濃度が45.0%になるように脱イオン水で調整した後、100メッシュ金網で濾過し、共重合体(R)の水分散体を得た。この共重合体の固形分濃度は45.0%、pHは7.3であり、粘度は150mPa・s(BM型粘度計を使用してローター3番、60rpmで測定)であった。
合成例1及び2で得られた共重合体の水分散体を用いて、表1に従って混合して本発明の熱硬化性樹脂組成物水分散体を得、実施例1及び2とした。また、合成例3〜5で得られた比較用の共重合体水分散体はそれぞれ単独で使用し、比較例1〜3とした。
Figure 2005213319
剛性の比較:たわみ試験で評価を行った。たわみ試験は、次に述べる方法で実施した。
高さ2.5cm、長さ30cmの角材を2本用意し、4cmの間隔を置いて水平が保持された実験台あるいはテーブルの上に並行に置く。前述の実施例、比較例で得られた水分散体を、ポリエステルスパンボンド基布に樹脂付着率45%〜50%となるよう含浸加工を行う。含浸後十分に水分を乾燥させ、150℃×5分の硬化反応を行い、含浸基布を得た。含浸基布の中央付近から0.025平方メートルとなるようにテストピースを切り出した。このテストピースを先ほど用意した高さ25mmの2本の角材の上に置く(この時、テストピースの長辺と角材とが並行になり、短辺は角材と垂直に位置するようにテストピースを置く)。その長辺の中央部に、長さ20cm、重量2.454gの荷重を静かに置き、重みでテストピースがたわむ状態とした上で、側面より実験台/テーブル面からの距離を測る。本試験では、テストピースが全く撓まなければ角材の高さと同じ2.5cmであり、このときの保持率を100%とする。例えば、撓んだ結果、実験台/テーブル面からの距離が2.0cmとなった場合は、保持率80%となる。この保持率が100%に近ければ近いほど高剛性であると判定した。各タイプn=3での平均値をとり結果を表2にまとめた。
Figure 2005213319
*:接地とは、テストピースが荷重に耐えきれず、中央部が実験台/テーブルに着いてしまった状態を指す。
強度比較:引張強度試験は、上記実施例や比較例で得られた分散体を用いて、ガラス繊維基材に含浸させ所定の乾燥・硬化時間を経て得られたテストピースを一定のサイズに切って行った。
テストピースは、ガラス繊維濾紙GA−100(アドバンテック東洋株式会社製:15cm×30cm)に樹脂付着率15〜18%となるように含浸し、150℃×5分で硬化させた後、1.5cm×15cmのテストピースに切り出して引張強度試験を行った。結果はテストピース5ヶの平均値をとり、表3にまとめた。
Figure 2005213319
ホルムアルデヒド揮散量試験:JIS L1041に記載の2−ペンタンジオンA法にて測定した。テストピースには、前述で説明したアドバンテック東洋株式会社製ガラス繊維濾紙GA−100に含浸したものを使用し、JIS L1041に記された手順に従い試験をし、結果を表4にまとめた。
Figure 2005213319

Claims (6)

  1. オキシラン基含有エチレン性不飽和単量体(a1)と前記(a1)以外のエチレン性不飽和単量体(a2)からなる単量体類(A)を共重合して得られる共重合体(I)と、水酸基含有エチレン性不飽和単量体(b1)と前記(b1)以外のエチレン性不飽和単量体(b2)からなる単量体類(B)を共重合して得られる共重合体(II)とを有することを特徴とする熱硬化性樹脂組成物水分散体。
  2. 共重合体(I)のオキシラン基当量(i)と共重合体(II)の水酸基当量(ii)との比(i)/(ii)が1〜200である請求項1記載の熱硬化性樹脂組成物水分散体。
  3. 前記単量体類(A)中のオキシラン基含有エチレン性不飽和単量体(a1)の重量割合が0.5〜5重量%である請求項2記載の熱硬化性樹脂組成物水分散体。
  4. 前記単量体類(B)中の水酸基含有エチレン性不飽和単量体(b1)の重量割合が1〜50重量%である請求項2記載の熱硬化性樹脂組成物水分散体。
  5. オキシラン基含有エチレン性不飽和単量体(a1)が(メタ)アクリル酸グリシジルであり、水酸基含有エチレン性不飽和単量体(b1)が水酸基含有(メタ)アクリル酸エステルである請求項1〜4の何れか1項記載の熱硬化性樹脂組成物水分散体。
  6. オキシラン基含有エチレン性不飽和単量体(a1)がグリシジルメタクリレートであり、水酸基含有エチレン性不飽和単量体(b1)が2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレートである請求項5記載の熱硬化性樹脂組成物水分散体。
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