JP2005213092A - フェライト材料 - Google Patents

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【課題】 添加する副成分には鉛やクロムなどの環境面に不適切な重金属類を使用しなく、熱衝撃に対する耐性を向上でき、機械的な強度も高いフェライト材料を提供すること
【解決手段】 主成分はFe23が40〜50モル%,ZnOが10〜35モル%,CuOが3〜10モル%,NiOが残り全量のモル%とし、副成分はZrO2が0.03〜0.17wt%,SiO2が1.0〜3.0wt%の組成とし、所定に成形して焼成する。副成分にはCo23を0.1〜0.5wt%の組成に追加して添加することもよい。主成分がFe23,ZnO,CuO,NiOであるNi−Zn系のフェライト材料は、副成分にZrO2,SiO2を適量に添加することでは、図示した試料12,14,15,16,18のように、コア破損率を30[%]以下に得ることができる。
【選択図】 図1

Description

本発明は、Ni−Zn系のフェライト材料に関するもので、より具体的には、はんだ槽に浸け込むディッピング工程などの温度上昇に起因した熱衝撃に対する耐性の改良に関する。
よく知られるように、Ni−Zn系のフェライト材料は、抵抗率が高いため、高い周波数帯域で損失を少なくでき、高周波用のコア材料に用いられることが多い。コイル部品やトランス部品としては、コア形状を例えばドラム形状とし、そのコアに巻線を所定のターン数巻き付けすることになる。
そうした電子部品への適用では、端子部の接続や基板へ実装するため、はんだ付けを行うが、例えば、はんだ槽に浸け込むディッピング工程では、溶融はんだは400℃以上の高温度であるためコアに大きな熱応力がかかり、その熱衝撃のためひび割れが生じ、破損してしまう問題がある。
熱衝撃の緩和には、コアを予め加熱しておく方法が有効ではあるが、これには予備加熱の工程が増して煩雑であり生産効率が低下する。そこで、例えば特許文献1〜4などに見られるように、フェライト材料そのものについて、熱衝撃に対する耐性を改善するようにした提案がある。つまり特許文献1〜4では、Ni−Zn系のフェライト材料に添加させる副成分を所定に設定し、明示した配合組成において熱衝撃の耐性が向上すると述べている。
特開平5−155627号公報 特開平9−270314号公報 特開平11−35369号公報 特開平10−97915号公報
しかしながら、そうした従来のフェライト材料では以下に示すような問題がある。言うまでもなく、工業製品の製造では地球環境の面にも充分な配慮が必要である。そうした面で見ると、特許文献1,2のものでは副成分に酸化鉛(PbO)を添加しており、特許文献3,4のものでは副成分に酸化クロム(Cr23)を添加している。これらの鉛やクロムなどの重金属類は環境面から使用しないことが望ましい。
この発明は上記した課題を解決するもので、その目的は、添加する副成分には鉛やクロムなどの環境面に不適切な重金属類を使用しなく、熱衝撃に対する耐性を向上でき、機械的な強度も高いフェライト材料を提供することにある。
上記した目的を達成するために、本発明に係るフェライト材料は、主成分はFe23が40〜50モル%,ZnOが10〜35モル%,CuOが3〜10モル%,NiOが残り全量のモル%とし、添加する副成分はZrO2が0.03〜0.17wt%,SiO2が1.0〜3.0wt%の組成にした。
また、前記組成において、Co23を0.1〜0.5wt%の組成に追加して添加するようにすると好ましい。
係る構成にすることにより、本発明では、主成分がFe23,ZnO,CuO,NiOであるNi−Zn系のフェライト材料は、副成分にZrO2,SiO2を適量に添加することで、熱衝撃に対する耐性を改善することができ、機械的な強度も向上できる。上記した本発明に係る組成は実験から見いだした結果であり、副成分には例えばタングステン,タンタル,チタン,スズなども試してみたが何れも不十分であり上記した組成比が優れることを確認した。
副成分としたZrO2は融点が高く、フェライト材料の粒子の焼結を阻害する添加物であり、結晶粒界に留まることが知られている。したがって、ZrO2は、結晶粒が小さいことに加えてその粒界相により熱応力を緩和させる。また、SiO2も粒界析出物であり、焼結抑制剤としてはたらく。このため副成分にZrO2,SiO2を添加することでは、熱応力の緩和作用がより大きく生じ、熱衝撃に対する耐性を改善することができ、そして機械的強度も向上する。
そして、SiO2の添加量を1.0wt%未満や、3.0wt%より多くすると、コア破損率が高く、実用に供し得ない。よって、添加量を1.0wt%以上、3.0wt%以下の範囲内にした。
また、同様の理由から、ZrO2の添加量も0.03以上、0.17wt%以下の範囲内とした。つまり、係る範囲を超えるとコア破損率が高くなるためである。そして、より好ましい範囲としては、ZrO2の添加量の下限値は0.05wt%以上にすることである。また、ZrO2の添加量の上限値は0.15wt以下とすることである。
さらに、Co23の添加量を0.1wt%未満や、0.5wt%を超えるようにすると、Q値が低下する(80を下回る)。よって、添加量を0.1wt%以上、0.5wt%以下の範囲内にした。
本発明に係るフェライト材料では、Ni−Zn系の主成分に対して、ZrO2,SiO2を適量に添加するので、熱衝撃に対する耐性を向上でき、機械的な強度も高くできる。したがって、はんだ槽に浸け込むディッピング工程などでは熱衝撃によるコアの破損を防止でき、コイル部品等の製造において予備加熱は不要であり、巻線後に直ちにはんだ槽に送り込んではんだ上げ作業を行うことができる。
この場合、添加する副成分には鉛やクロムなどの環境面に不適切な重金属類を使用しなく、環境面に優れた適用が行える有利性がある。また、Co23を追加して添加することではQ値を高くでき、したがって高周波用のコア材料に好ましく適用することができる。
以下、本発明の好適な実施の形態について説明する。
(製造プロセス)
本発明に係る低損失フェライトは、酸化鉄(Fe23),酸化亜鉛(ZnO),酸化銅(CuO),酸化ニッケル(NiO)を主成分とするNi−Zn系フェライト材料に、副成分として酸化ジルコニウム(ZrO2),酸化ケイ素(SiO2)を添加する組成になっている。さらに、周波数特性(Q値)の改善のために酸化コバルト(Co23)を適量に追加して添加する組成にしている。
具体的には、主成分はFe23が40〜50モル%,ZnOが10〜35モル%,CuOが3〜10モル%,NiOが残り全量のモル%とし、副成分のそれぞれは後述する組成に含有させる。
ここでは、Fe23は45.0モル%,ZnOは23.0モル%,CuOは10.0モル%,NiOは22.0モル%とし、これら各原料成分は所定に秤量して乾式混合する。例えば、秤量した各原料成分はボールミルで粉砕しつつ混ぜて混合紛体を製造し、これを次に850℃の温度で仮焼きする。そして、この仮焼きした粉体に、後述する表1に示す組成に各副成分を添加し、ボールミルを用いて純水中で湿式粉砕を所定時間行ってスラリを形成する。
次に、湿式粉砕したスラリは乾燥させて造粒し、造粒した粉体に成形のための圧力を加えて所定の形状(リング形状及びIバー)に成形し、この後、ガス炉等で焼成を行う。
焼成は1040℃のトップ温度を所定の時間保持する。これにより焼成体を製造する。そして、得られた焼成体に研削加工を施して、所定形状に加工したフェライト材料を得る。
(試料の製作1)
上記した製造プロセスにより複数の試料を製造した。つまり、本発明の効果を実証するため、製造条件を替えて各種の試料を製造し、それら各試料についてIバーによりコア破損率,曲げ強度を、リング形状によりQ値などを測定した。
各試料は表1に示すように、副成分の組成を変更して製作してあり、ZrOは0〜0.2wt%,SiO2は0〜4.0wt%の範囲として、配合比が相違する設定で試料1〜試料19までの19種類とし、リング形状は外径25mm,内径15mm,高さ5mmのものとし、Iバーは幅5mm,高さ3mm,奥行き45mmのものとした。
コア破損率は、室温状態の試料(Iバー)を400℃のはんだ槽に3秒間浸したときの破損率である。この測定設定は、製造ラインにおける実際の環境に比べて非常に厳しい条件設定になっており、ここでコア破損率が〜30[%]程度であれば実際の環境ではコア破損はほとんど起こさないと考えてよい。
Figure 2005213092
*実施例1〜5
試料12は実施例1であり、試料14,15,16は実施例2,3,4であり、試料18は実施例5であって、他の試料1〜13,17,19はそれぞれ比較例になっている。
これら実施例1〜4は、主成分はFe23=45.0モル%,ZnO=23.0モル%,CuO=10.0モル%,NiO=22.0モル%の組成とし、副成分は
実施例1が
SiO2=1.0wt%,ZrO=0.10wt%の組成であり、
実施例2が
SiO2=2.0wt%,ZrO=0.05wt%の組成であり、
実施例3が
SiO2=2.0wt%,ZrO=0.10wt%の組成であり、
実施例4が
SiO2=2.0wt%,ZrO=0.15wt%の組成であり、
実施例5が
SiO2=3.0wt%,ZrO=0.10wt%の組成になっている。
(試料の製作2)
また、Co23を追加,添加する組成でも試料を製作しており、各試料は表2に示すように、副成分のZrOは0.05wt%,SiO2は2.0wt%とし、Co23は0〜1.0wt%の範囲として、配合比が相違する設定で試料20〜試料28までの9種類とし、他の条件は変更なく製作した。
Figure 2005213092
*実施例6〜10
試料22〜26は実施例6〜10であり、他の試料20,21,27,28はそれぞれ比較例になっている。
これら実施例6〜10は、主成分はFe23=45.0モル%,ZnO=23.0モル%,CuO=10.0モル%,NiO=22.0モル%の組成とし、副成分はSiO2=2.0wt%,ZrO=0.05wt%の組成であって、追加する副成分は
実施例6が
Co23=0.1wt%の組成であり、
実施例7が
Co23=0.2wt%の組成であり、
実施例8が
Co23=0.3wt%の組成であり、
実施例9が
Co23=0.4wt%の組成であり、
実施例10が
Co23=0.5wt%の組成になっている。
そして、図1は表1に示す各試料についてのコア破損率のグラフ図である。同図から分かるように、試料12,14,15,16,18(実施例1,2,3,4,5)は、コア破損率が20,10,10,25,20[%]程度になっていて極めて低く得られることを確認した。すなわち、これらの試料では、ZrO2は0.05〜0.15wt%の範囲であり、SiO2は1.0〜3.0wt%の範囲になっており当該条件においてコア破損率の大幅な減少が見られることを確認した。また、曲げ強度は約143〜211[N/mm2]であり、機械的な強度が十分に高いことを確認した。
ところで、コア破損率は測定条件を上記したように実際の環境に比べて格段に厳しく設定してあるため、〜30[%]程度を目安にしているものの、製造ラインではコア破損率が60[%]程度であっても不良なく使用でき、そうした場合でも、はんだ槽に浸け込むディッピング工程において不良率が概ねゼロになることを確認してある。この点を考え合わせると、ZrO2は0.03〜0.17wt%でもよい。
このように、ZrO,SiO2の添加量を適正に設定することで熱衝撃に対する耐性を向上でき、機械的な強度も高くできる。この場合、添加する副成分には鉛やクロムなどの環境面に不適切な重金属類を使用しなく、環境面に優れた適用が行える有利性がある。
また、Co23を追加して添加することではQ値を高くできることを確認した。すなわち、表2に示すように、25MHzにおいてQ値は約80〜120程度に得ることができ、このときコア破損率は10[%]であり十分に低値であることを確認した。したがって、高周波用のコア材料に好ましく適用することができる。
本発明に係るフェライト材料のコア破損率を示すグラフ図である。
符号の説明
12 試料(実施例1)
14 試料(実施例2)
15 試料(実施例3)
16 試料(実施例4)
18 試料(実施例5)

Claims (2)

  1. 主成分はFe23が40〜50モル%,ZnOが10〜35モル%,CuOが3〜10モル%,NiOが残り全量のモル%とし、
    添加する副成分は、ZrO2が0.03〜0.17wt%,SiO2が1.0〜3.0wt%の組成であることを特徴とするフェライト材料。
  2. 前記組成において、Co23を0.1〜0.5wt%の組成に追加して添加することを特徴とする請求項1に記載のフェライト材料。
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