JP2005212791A - タイヤ情報処理装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】車両に装着された装着タイヤと装着されることなく車載された非装着タイヤとを含む複数のタイヤからタイヤ情報が送信される場合において、タイヤ情報が非装着タイヤから送信されたものであるか否かを検出し、非装着タイヤから送信されたものである場合には、車両制御装置に出力しないようにする。
【解決手段】受信されたタイヤ情報が装着タイヤから送信されたものである場合には、そのタイヤ情報に含まれる空気圧情報が車両制御装置に出力されるが、非装着タイヤから送信されたものであると検出された場合には、出力されることがない。そのため、非装着タイヤの空気圧に基づいて車両制御が行われないようにすることができる。
【選択図】図8

Description

本発明は、タイヤから送信された情報を処理するタイヤ情報処理装置に関するものである。
特許文献1には、車両に装着された装着タイヤと装着されることなく車載された非装着タイヤとを含む複数の空気圧を取得するタイヤ空気圧取得装置が記載されている。このタイヤ空気圧取得装置においては、非装着タイヤからの情報が装着タイヤからの情報から隔離されることはなかった。そのため、非装着タイヤからの情報に含まれる空気圧が設定圧より低い場合も、装着タイヤからの情報に含まれる空気圧が設定圧より低い場合も、同じように警報装置が作動させられるようにされていた。
特開平11−78446号公報
本発明の課題は、非装着タイヤからの情報を装着タイヤからの情報から隔離可能なタイヤ情報処理装置を得ることである。
課題を解決するための手段および効果
請求項1に係るタイヤ情報処理装置は、(i)車両に装着された装着タイヤと装着されることなく車載された非装着タイヤとを含む複数のタイヤの各々に設けられ、(a)タイヤの状態を検出するタイヤ状態検出装置と、(b)そのタイヤ状態検出装置によって検出されたタイヤ状態を表すタイヤ状態情報を含む一連のタイヤ情報を送信する送信装置と、(ii)車体に設けられ、(c)前記複数の送信装置各々から送信されるタイヤ情報を受信する受信装置と、(d)その受信装置によって受信されたタイヤ情報のうち、前記装着タイヤから送信されたタイヤ情報に含まれる空気圧情報を外部装置に出力し、前記非装着タイヤからのタイヤ情報に含まれる空気圧情報を出力しない空気圧対応出力制御装置とを含むものとされる。
受信装置によって受信されたタイヤ情報のうち、装着タイヤから送信されたタイヤ情報に含まれる空気圧情報は外部装置に出力されるが、非装着タイヤから送信されたタイヤ情報に含まれる空気圧情報は出力されない。外部装置としては、請求項2に記載のように、車両制御装置とすることができる。
請求項3に係るタイヤ情報処理装置は、(i)車両に装着された装着タイヤと装着されることなく車載された非装着タイヤとを含む複数のタイヤの各々に設けられ、(a)タイヤの状態を検出するタイヤ状態検出装置と、(b)そのタイヤ状態検出装置によって検出されたタイヤ状態を表すタイヤ状態情報を含む一連のタイヤ情報を送信する送信装置と、(ii)車体に設けられ、(c)前記複数の送信装置各々から送信されるタイヤ情報を受信する受信装置と、(d)その受信装置によって受信されたタイヤ情報に基づいて、その受信されたタイヤ情報が前記非装着タイヤから送信されたものであるか否かを検出する非装着タイヤ情報検出部と、(b)その非装着タイヤ情報検出部によって前記非装着タイヤ情報を検出可能な場合と検出不能な場合とで、異なる態様で、前記受信装置によって受信されたタイヤ情報を処理するタイヤ情報処理部とを含むとされる。
非装着タイヤ情報検出部によって非装着タイヤ情報を検出可能な場合と検出不能な場合とで、タイヤ情報が異なる態様で処理される。検出可能な場合は、前述のように、実際の非装着タイヤの識別情報が記憶されている場合が該当し、検出不能な場合は、実際の非装着タイヤの識別情報が記憶されていない場合が該当する。実際の非装着タイヤの識別情報が記憶されていない場合には、前回の識別情報が記憶されて、今回の識別情報が記憶されていない場合も含まれる。
例えば、(x)請求項4に記載のように、検出不能な場合に、装着タイヤからの情報も非装着タイヤからの情報も同様に処理され、検出可能な場合に、装着タイヤの情報が処理されて非装着タイヤからの情報が処理されないようにする態様、(y)検出不能な場合に、すべてのタイヤ情報が処理されないで、検出可能な場合に、装着タイヤから送信された情報が処理されるようにする態様、(z)検出不能な場合に、すべてのタイヤから送信されたタイヤ状態情報のうち少なくとも1つが表す内容が異常である場合に、そのことを報知し、検出可能な場合に、装着タイヤのタイヤ状態情報が表す内容が異常である場合に報知して非装着タイヤのタイヤ状態情報が表す内容が異常であっても報知しないようにする態様等が該当する。
請求項5に係るタイヤ情報処理装置は、(i)車両に装着された装着タイヤと装着されることなく車載された非装着タイヤとを含む複数のタイヤの各々に設けられ、(a)タイヤの状態を検出するタイヤ状態検出装置と、(b)そのタイヤ状態検出装置によって検出されたタイヤ状態を表すタイヤ状態情報を含む一連のタイヤ情報を送信する送信装置と、(ii)車体に設けられ、(c)前記複数の送信装置各々から送信されるタイヤ情報を受信する受信装置と、(d)その受信装置によって受信されたタイヤ情報に含まれるタイヤ状態情報が異常であるか否かを検出する異常検出部と、(e)その異常検出部による検出結果を、装着タイヤに関するものと非装着タイヤに関するものとで、互いに異なる態様で、音と音声との少なくとも一方により運転者に報知する報知装置とを含むものとされる。
本項に記載のタイヤ情報処理装置においては、装着タイヤの状態が異常である場合と非装着タイヤの状態が異常である場合とで異なる態様で、音と音声との少なくとも一方により報知される。
また、報知装置は、タイヤの状態を運転者に知らせる装置であるが、ここでは、タイヤの状態が異常である場合にそのことを知らせる警報装置も含まれるものとする。警報装置は、タイヤの状態が異常である場合に限って、そのことを運転者に知らせるものであるため、報知装置に含まれると考えることができる。
タイヤ情報処理装置において、受信装置において受信されたタイヤ情報が非装着タイヤから送信されたものであるか否かは、請求項6に記載のように、タイヤ情報に含まれるタイヤ状態情報のうちのタイヤの回転加速度を表す情報に基づいて検出されるようにすることができる。
なお、請求項1〜6の各々に記載のタイヤ情報処理装置には、他の請求項に記載の技術的特徴を採用することができる。
補足説明
以下、本発明に関連する事項について説明する。
(1)タイヤ情報処理装置は、(i)車両に装着された装着タイヤと装着されることなく車載された非装着タイヤとを含む複数のタイヤの各々に設けられ、(a)タイヤの空気圧を含むタイヤの状態を検出するタイヤ状態検出装置と、(b)そのタイヤ状態検出装置によって検出されたタイヤ状態を表すタイヤ状態情報を含む一連のタイヤ情報を送信する送信装置と、(ii)車体に設けられ、(c)前記送信装置各々から送信されるタイヤ情報を受信する受信装置と、(d)その受信装置によって受信されたタイヤ情報を処理するタイヤ情報処理部と、(e)前記装着タイヤから送信されたタイヤ情報を処理し、前記非装着タイヤから送信されたタイヤ情報の処理を制限する非装着タイヤ情報処理制限部とを含むものとすることができる。
例えば、非装着タイヤからのタイヤ情報が全く処理されない場合、予め定められた一連の情報のうちの一部の情報のみが処理される場合、最終的に出力されないが、装着タイヤからの情報の処理に利用される場合等が該当する。
本項に記載のタイヤ情報処理装置には、請求項1〜5に記載の技術的特徴、以下の各項に記載の技術的特徴を採用することができる。以下の各項のタイヤ情報処理装置についても同様である。
(2)タイヤ情報処理装置は、前記受信されたタイヤ情報が前記非装着タイヤからのものであると検出された場合に、そのタイヤ情報を無視する非装着タイヤ情報無視部を含むものとすることができる。
本項に記載のタイヤ情報処理装置においては、非装着タイヤからの情報と装着タイヤからの情報との両方が受信されても、非装着タイヤからの情報が無視される。非装着タイヤの情報は、走行中においては必要性が低いため、無視しても差し支えない。また、〔発明の実施の形態〕で説明するように、無視した方が望ましい場合もある。
非装着タイヤの情報を無視することは、その情報が処理されないことであり、例えば、以下のことが該当する。(i)非装着タイヤから送信されたタイヤ情報については、タイヤ状態情報に基づいてタイヤの状態が異常であるか正常であるかの判定が行われないようにする(例えば、空気圧が設定圧より低いかどうか、温度が設定温度より高いかどうか等の判定が行われないようにする)こと、(j)タイヤ状態情報に基づいて異常かどうかの判定が行われた結果、異常であるとされた場合であっても、異常であるとされない(例えば、異常フラグがセットされない)ようにすること、さらには、(k)異常フラグがすでにセットされている場合(例えば、イグニッションスイッチがOFFの間等にセットされる場合がある)において、異常フラグが非装着タイヤからの情報に起因してセットされたものであることが(イグニッションスイッチがONにされた後に)検出された場合に、その異常フラグがリセットされるようにすること、(l)非装着タイヤから送信されたタイヤ情報が受信できなくても、そのままにされるようにすること等が該当する。受信できなかったタイヤ情報が非装着タイヤから送信されたはずのものであることが検出された場合には、そのタイヤ情報を受信する必要はなく、受信できない状態のままにしておいても差し支えないのである。さらには、(m)タイヤ情報に基づく車両制御(タイヤ情報を考慮した車両制御も含まれる)が外部装置によって行われる場合において、当該タイヤ状態取得装置から外部装置に非装着タイヤからのタイヤ情報が出力されないようにすること、(n)タイヤ状態が異常である場合に外部装置によってフェールセーフ制御が行われる場合において、異常であるタイヤ状態が非装着タイヤから送信されたものであることが検出された場合に、外部装置にタイヤ状態情報が出力されないようにすることも該当する。
非装着タイヤについては、タイヤ状態が正常であるか異常であるかを判断する必要性も、タイヤ情報を運転者に知らせる必要性も低い。また、非装着タイヤの状態が異常であってもフェールセーフ制御が行われる必要も、非装着タイヤのタイヤ状態に基づいて車両制御が行われる必要もない。
(3)タイヤ情報処理装置は、前記受信されたタイヤ情報が前記非装着タイヤからのものであると検出された場合に、そのタイヤ情報に含まれる空気圧情報を無視する非装着タイヤ空気圧無視部を含むものとすることができる。
(4)タイヤ情報処理装置は、前記装着タイヤからのタイヤ状態情報を処理し、前記非装着タイヤからのタイヤ状態情報を処理しないタイヤ状態対応制御部を含むものとすることができる。
受信装置において、非装着タイヤからの情報と装着タイヤからの情報との両方が受信された場合において、非装着タイヤからの情報と装着タイヤからの情報とが区別され、装着タイヤからのタイヤ状態情報が処理されて、非装着タイヤからのタイヤ状態情報が処理されない場合、受信装置において、非装着タイヤからの情報が受信されない場合がある。非装着タイヤからの情報が受信されない場合には、その情報に含まれるタイヤ状態情報が処理されることはない。
また、タイヤ状態情報に複数の情報が含まれる場合には、それらすべてが処理されないようにしたり、一部が処理されないようにしたりすることができる。
(5)タイヤ情報処理装置は、前記装着タイヤからのタイヤ情報と前記非装着タイヤからのタイヤ情報とを、互いに異なる態様で処理するタイヤ情報処理部を含むものとすることができる。
例えば、本項に記載のタイヤ情報処理部は、装着タイヤ情報対応処理部と非装着タイヤ情報対応処理部とを含むものとすることができ、それぞれのタイヤ情報の送信元に応じた処理が行われるようにすることができる。
(6)タイヤ情報処理装置は、(i)車両に装着された装着タイヤと装着されることなく車載された非装着タイヤとを含む複数のタイヤの各々に設けられ、(a)タイヤの空気圧を含むタイヤの状態を検出するタイヤ状態検出装置と、(b)そのタイヤ状態検出装置によって検出されたタイヤ状態を表すタイヤ状態情報を含む一連のタイヤ情報を送信する送信装置と、
(ii)車体に設けられ、(c)前記送信装置各々から送信されるタイヤ情報を受信する受信装置と、(d)その受信装置によって受信されたタイヤ情報に含まれる空気圧情報が表す空気圧が設定圧より低いか否かを検出する空気圧異常検出部と、その空気圧異常検出部の検出結果を、装着タイヤに関するものと非装着タイヤに関するものとで、互いに異なる態様で、運転者に報知する報知装置とを含むものとすることができる。
非装着タイヤの空気圧が低いことがわかれば、運転者は非装着タイヤを交換する必要性が高いことがわかる。
報知装置としては、運転者の視覚に訴えるものであっても、聴覚に訴えるものであってもよい。例えば、ディプレーに空気圧の大きさを表示したり、空気圧が異常であることを表示したりするものとしたり、ランプ等の点滅によって正常であるか異常であるかを知らせるものとしたりすることができる。また、音声によって空気圧の大きさを知らせるものであって、異常である場合に音を発するものであってもよい。
例えば、報知装置の報知部が1つであって、複数の態様で報知可能なものである場合には、装着タイヤの空気圧が低い場合と非装着タイヤの空気圧が低い場合とで、その報知部による報知の態様が異なる。例えば、音の高さが異なるようにしたり、表示の態様が異なるようにしたり、ランプの点滅パターンが異なるようにしたりすることができる。
(7)前記報知装置は、少なくとも2つの報知部を備え、これら少なくとも2つの報知部が、それぞれ、前記非装着タイヤの空気圧が設定圧より低いか否かと前記装着タイヤの空気圧が設定圧より低いか否かとで異なる態様で作動するものとすることができる。
報知装置が複数の報知部(報知作動部)を含む場合には、複数の報知部の状態に基づいて装着タイヤの空気圧が異常である場合と非装着タイヤの空気圧が異常である場合とを区別して運転者に報知することができる。
複数の報知部の各々は、第1状態と第2状態とに切り換え可能なものであっても、第1状態、第2状態および第3状態の間で切り換え可能なものであってもよい。複数(n個)の報知部が、複数の状態(mの状態)に切り換え可能なものであれば、複数のタイヤの空気圧の状態(n×mの状態)を区別して表示することができる。
例えば、装着タイヤの空気圧が低い場合に、一方の報知部が第1状態とされて他方の報知部が第2状態とされ、非装着タイヤの空気圧が低い場合に、一方の報知部が第2状態とされて他方の報知部が第1状態とされ、装着タイヤと非装着タイヤとの両方の空気圧が低い場合に、両方の報知部が第1状態とされるようにすることができる。
なお、報知部は3つ以上あってもよい。また、複数の報知部は互いに同じ状態に切り換え可能なものであっても異なる状態に切り換え可能なものであってもよい。例えば、消灯状態と点灯状態とに切り換え可能な報知部と、消灯状態と点滅状態とに切り換え可能な報知部とを含むものとしたり、音を発する報知部(聴覚に訴えるもの)と光を発する報知部(視覚に訴えるもの)とを含むものとしたりすることができる。
上述の第1状態と第2状態とのいずれか一方が非作動状態とすることもできる。運転者に空気圧等を報知する必要がある場合に非作動状態から作動状態に切り換えられるようにすることが多い。
また、タイヤ情報処理装置は、以下に記載するタイヤ状態取得装置を含むものとすることができる。
(1)車両に装着された装着タイヤと装着されることなく車載された非装着タイヤとを含む複数のタイヤの各々に設けられ、(a)タイヤの状態を検出するタイヤ状態検出装置と、(b)そのタイヤ状態検出装置によって検出されたタイヤ状態を表すタイヤ状態情報を含む一連のタイヤ情報を送信する送信装置と、
車体に設けられ、(c)前記送信装置各々から送信されるタイヤ情報を受信する受信装置と、
前記装着タイヤから送信される情報から前記非装着タイヤから送信される情報を隔離する非装着タイヤ情報隔離装置と
を含むタイヤ状態取得装置。
例えば、受信装置に、非装着タイヤからの情報と装着タイヤからの情報との両方が受信される場合において、これら受信された情報について、非装着タイヤからの情報と装着タイヤからの情報とを区別したり、受信装置に、装着タイヤから送信された情報は受信されるが、非装着タイヤから送信された情報が受信されないようにしたりすることによって隔離される。
非装着タイヤは、空気圧が高いタイヤである場合(例えば、スペアタイヤとして車載され、未だ、装着されていない未装着タイヤである場合)と、空気圧が低いタイヤである場合(例えば、スペアタイヤと交換された装着されていたタイヤであって空気圧が低下したものである場合)とがある。スペアタイヤは、標準のタイヤよりタイヤ幅や外径が小さくされて(テンパタイヤ:商標)、格納スペースが小さくて済むようにされていることが多い。非装着タイヤは、車体の内側に保持される場合や車体の外側に保持される場合等がある。例えば、車両のラッゲージスペースに保持される場合(室内収納タイプ)、RV(Recreational Vehicle)車両において、車体の後側に保持される場合(背負いタイプ)や下側に保持される場合(下吊りタイプ、床下格納タイプ)等がある。
また、タイヤは、ホイール付きタイヤであっても、ホイールなしタイヤであってもよい。非装着タイヤとして車載されているタイヤはホイール付きのものが多い。上記タイヤ状態検出装置や送信装置はタイヤに設けられる場合やホイールに設けられる場合がある。
(2)前記非装着タイヤ情報隔離装置が、車体に設けられ、前記受信装置において受信されたタイヤ情報が前記非装着タイヤから送信されたものであるかどうかを自動で検出する非装着タイヤ情報検出部を含む(1)項に記載のタイヤ状態取得装置。
本項に記載のタイヤ状態取得装置においては、タイヤ側から送信されるタイヤ情報が非装着タイヤから送信されたものであるかどうかが自動で検出される。特開平11−78446号公報に記載のように、運転者が手動スイッチを操作しなくても検出することができるのであり、換言すれば、走行中であっても検出することができる。
なお、タイヤ情報が非装着タイヤから送信されたものであるか否かを検出することと、タイヤ情報が装着タイヤから送信されたものであるか否かを検出することとは同じことである。タイヤ情報が装着タイヤから送信された情報であることが識別できれば、非装着タイヤから送信されたものでない情報であるとすることができ、装着タイヤから送信された情報であるとされたタイヤ情報でない情報が非装着タイヤから送信された情報であるとすることができるのである。タイヤ情報が非装着タイヤから送信されたものであるか否かを検出することは、タイヤ情報を装着タイヤから送信されたものと非装着タイヤから送信されたものとを区別することとも同じである。
また、タイヤ情報が非装着タイヤから送信されたものであるか否かを検出することと、タイヤ情報を送信した送信装置が非装着タイヤに設けられたものであるか否かとを検出することとは同じことである。タイヤ情報はタイヤに設けられた送信装置から送信されるものであるからである。
(3)前記非装着タイヤ情報隔離装置が、車体に設けられ、前記受信装置によって受信されたタイヤ情報に基づいて、その受信されたタイヤ情報が前記非装着タイヤから送信されたものであるか否かを検出する非装着タイヤ情報検出部を含む(1)項または(2)項に記載のタイヤ状態取得装置。
一連のタイヤ情報には、タイヤ状態情報、通信に必要な情報、タイヤ毎に個別に付された識別情報等が含まれることが多い。これらが予め定められた規則に従って並べられて一連のタイヤ情報とされて送信される。
本項に記載のタイヤ状態取得装置においては、タイヤ側から送信されるタイヤ情報に基づいて、その情報が非装着タイヤからの情報であるかどうかが検出される。タイヤ情報は、各タイヤの情報であり、装着タイヤと非装着タイヤとで異なる部分があるのが普通である。
タイヤの状態を表す量には、タイヤの空気圧、タイヤの温度、タイヤに加えられる力(上下方向の力、横方向の力、前後方向の力)、タイヤの形態を表す量、タイヤの運動の状態を表す量等がある。タイヤに加えられる力を検出する作用力検出装置やタイヤの運動の状態を表す運動状態量を検出する運動状態量検出装置が、タイヤを保持するホイールに設けられる場合があり、この場合には、作用力検出装置によって検出された作用力を表す情報や運動状態量検出装置によって検出された運動状態量を表す情報が、単独で、あるいは空気圧情報や温度情報と共に、タイヤ状態情報として送信されるようにすることができる。タイヤの形態を表す量には、タイヤの径方向の寸法(例えば、ホイール外周面からタイヤ内周面までの距離RH)、タイヤの幅に関連する寸法(例えば、タイヤのサイドウォール間距離RV、あるいはホイールの特定の点からサイドウォールまでの距離)、タイヤの容積等が該当する。ホイールの特定の点からタイヤのサイドウォールまでの距離に基づけば、タイヤの幅方向の寸法を取得することができる。上記距離RH,RVは、非接触型センサによって、光路の変化を利用したり、磁界の変化を利用したりすることによって検出することができる。また、径方向の寸法と幅方向の寸法とに基づけば、タイヤの偏平率を取得することもできる。
タイヤの状態は、タイヤが装着されている場合と装着されていない場合とで異なる。
非装着タイヤは力が殆ど作用しない状態で車載されるのが普通であるが、装着タイヤには少なくとも上下方向の力が加えられる。装着タイヤにおける方が非装着タイヤより上下力が大きくなるため、タイヤに加えられる上下力を比較すれば、非装着タイヤからの情報であるかどうかがわかる。
また、車両の走行中には、装着タイヤは回転させられるが、非装着タイヤは静止状態にある。装着タイヤと非装着タイヤとでは運動状態量が異なり、運動状態量に基づけば、非装着タイヤからの情報であるかどうかがわかる。
さらに、装着タイヤの各部分が周期的に弾性変形を繰り返すのに対し、非装着タイヤにおいては弾性変形の繰返しはない。したがって、タイヤからの情報が、タイヤの弾性変形の繰返しに対応する情報を含んでいるか否かに基づいて非装着タイヤからの情報であるかどうかがわかる。
一方、車両の走行中においては、装着タイヤは弾性変形の繰返しや路面との摩擦等に起因して発熱するため、図7に示すように、走行時間の経過に伴ってタイヤの温度が高くなる。なお、駆動、制動、転舵、上下振動等によって、弾性変形や路面との摩擦が大きくなる。
それに対して、非装着タイヤの温度は、それが車載されている位置(例えば、ラッゲージスペースや車体の外側)の温度に応じた高さになる。ラッゲージスペースの温度は、走行時間の経過に伴って低下する場合や上昇する場合があるが、温度の変化は比較的小さい。車体の外側に載せられている場合でも、弾性変形したり、路面と接したりすることはなく、外部環境に応じた温度になる。
したがって、タイヤの温度と温度の変化状態との少なくとも一方に基づけば、車両の走行中において、非装着タイヤであるかどうかを検出することができる。なお、車両においては、走行・停止が繰り返し行われるが、その繰り返し頻度や停止と走行との比率は車両の走行条件や運転操作等によって異なるため、温度の上昇勾配は常に一定であるわけではない。しかし、図7に示すように、走行時間の経過に伴って温度が上昇する傾向があり、温度の上昇勾配が装着タイヤの方が非装着タイヤより大きくなることは事実である。また、タイヤの温度は無制限に高くなるわけではなく、走行形態,走行環境等によって決まる温度に達すると、それ以降はほぼ一定に保たれる。この定常状態における温度も装着タイヤの方が高くなる。いずれにしても、非装着タイヤの方が、温度が低く、温度の変化傾向が緩やかになる。
また、非装着タイヤが車体の内側に載せられている場合には、非装着タイヤの温度は車室内の温度になるのに対して、装着タイヤは、外的環境(走行風、雨、雪、路面温度等)の影響を受ける。この場合には、非装着タイヤが車体の外側に載せられている場合より、装着タイヤと非装着タイヤとにおける温度の変化状態の差が顕著に表れる。
タイヤの温度が上昇すれば、タイヤ内の空気の温度も上昇して膨張するため、空気圧が増加する。装着タイヤにおける方が、タイヤの空気圧が高くなったり、空気圧の変化傾向が強くなる。したがって、空気圧自体と空気圧の変化速度や一定時間内における変化量との少なくとも一方に基づけば、非装着タイヤであるかどうかを検出することもできる。
また、車両の加速・減速中には、装着タイヤに前後力が加えられる。したがって、車両の加速・減速中における前後力に基づけば、非装着タイヤであるかどうかを検出することができる。このように、装着タイヤには、上下方向の力や前後方向の力が加えられるため、距離RH,RVの比率(例えば、偏平率RH/RV)が変わる。そのため、走行中の上述の比率に基づけば、非装着タイヤであるかどうかを検出することができる。
以上の事情から、装着タイヤと非装着タイヤとで、走行に伴って(例えば、走行時間や走行距離の増加に伴って、または、走行時間は走行距離が設定値以上になると)温度差が大きくなることがわかるため、このことを利用して、非装着タイヤを検出することもできる。
さらに、タイヤ情報に含まれる識別情報に基づいて非装着タイヤであるかどうかを検出することもできる。識別情報は、タイヤと車体とが対応するものであるかどうかを判定するために使用されるのが普通であるが、装着タイヤが前後左右のいずれの位置にあるものであるかを区別したり、非装着タイヤであるかどうかを区別したりするのに利用することも可能である。例えば、スペアタイヤを車載する際に、識別情報とスペアタイヤであることとを対応付けて記憶させておけば、それ以降、識別情報に基づいて、その情報が非装着タイヤから送信されたものであるかどうかを検出することができる。さらに具体的には、例えば、スペアタイヤを車体から一定距離以上遠ざければ、スペアタイヤからのタイヤ情報が受信装置に受信されなくなり、近づければ受信されるようになるため、そのような変化が生じるタイヤ情報に含まれる識別情報がスペアタイヤの識別情報であると特定することができる。
また、タイヤ状態情報(空気圧、温度、作用力および運動状態量等の少なくとも1つ)に基づいて非装着タイヤからのタイヤ情報であることを特定できた場合に、そのタイヤ情報に含まれる識別情報を記憶しておけば、それ以降、識別情報に基づいて非装着タイヤであるかどうかを検出することができる。
さらに、タイヤ情報各々について個別に非装着タイヤの情報であることの条件を満たすかどうかが検出されるようにすることもできるが、複数のタイヤ情報を比較して総合的(相対的)に非装着タイヤからの情報が特定されるようにすることもできる。例えば、タイヤ各々の状態を表す状態量や状態変化量に基づいて検出されるようにしても、これら状態量や状態変化量の差に基づいて検出されるようにしてもよい。装着タイヤと非装着タイヤとでは、これらの差が大きいことが多い。
なお、タイヤの状態(タイヤの温度に限らず、空気圧、形態、作用力等)は、タイヤがおかれた環境の影響も受ける。例えば、環境によってタイヤの変形状態が変わることがあり、それによって、タイヤの状態の変化量等が変わることがある。タイヤの環境は、車両の走行状態に基づいて決まることもある。前述のように、加速・減速が頻繁に繰り返される状態においては、そうでない状態におけるより、温度が高くなるのである。このように、タイヤがおかれた環境は、車両の走行状態、気圧(気圧は標高や天候の影響を受ける)、天候(雨、風、湿度)、路面状態(路面の摩擦係数、路面温度等)等の少なくとも1つによって決まる。したがって、環境の影響を考慮して非装着タイヤからの情報を検出することが望ましい。
(4)前記タイヤ状態情報が、タイヤの温度を表す温度情報、タイヤの空気圧を表す空気圧情報、タイヤの形態を表す形態情報、タイヤに加えられる力を表す作用力情報およびタイヤの運動を表す運動情報の少なくとも1つを含み、前記非装着タイヤ情報検出部が、前記タイヤ状態情報に基づいて、その受信された情報が前記非装着タイヤから送信された情報であるか否かを検出するタイヤ状態情報依拠非装着タイヤ情報検出部を含む(2)項または(3)項に記載のタイヤ状態取得装置。
本項に記載のタイヤ状態取得装置においては、タイヤの状態情報に基づいて非装着タイヤからの情報であるかどうかが検出される。タイヤ状態情報はそのタイヤの状態を表す情報であり、タイヤの状態は装着タイヤと非装着タイヤとでは異なる。そのため、タイヤ状態情報に基づけば、非装着タイヤであるかどうかを検出することができる。
(5)前記タイヤ状態情報依拠非装着タイヤ情報検出部が、前記タイヤ状態情報に含まれる温度情報が表すタイヤの温度の変化状態に基づいて、その受信された情報が前記非装着タイヤから送信された情報であるか否かを検出するタイヤ温度変化依拠検出部を含む(4)項に記載のタイヤ状態取得装置。
図7に示すように、タイヤ温度の変化状態に基づけば、非装着タイヤであるかどうかを検出することができる。温度が定常状態に達する以前のイグニッションスイッチがONにされてからの比較的早い時期に非装着タイヤであることを取得することができるという利点がある。
例えば、温度上昇勾配が設定値より小さい場合に、その情報が非装着タイヤからの情報であるとすることができる。また、複数のタイヤの温度上昇勾配を比較し、温度上昇勾配が最も小さい情報を非装着タイヤからの情報であるとすることもできる。
温度の変化状態は、温度の微分値、n回微分値(n≧2)としたり、比較的長い時間の平均的な変化量、変化パターンとしたりすることができる。停止、走行が繰り返し行われるのが普通であるため、平均的な変化量に基づく方が非装着タイヤであるかどうかを検出するのに望ましい。
(6)前記タイヤ状態情報依拠非装着タイヤ情報検出部が、前記タイヤ状態情報に含まれる温度情報が表すタイヤの温度と外気温度との差に基づいて、その受信された情報が前記非装着タイヤから送信された情報であるか否かを検出する温度差依拠検出部を含む(4)項または(5)項に記載のタイヤ状態取得装置。
図10に示すように、装着タイヤと外気温度との差と非装着タイヤと外気温度との差は非装着タイヤの方が小さくなるのが普通である。また、非装着タイヤは車体の外側に取り付けられている場合には、ラッゲージルームに載せられている場合より、外気温度との差が小さくなる。
(7)前記タイヤ状態情報依拠非装着タイヤ情報検出部が、前記タイヤ状態情報に含まれる運動情報が表す運動状態に基づいて、その受信された情報が前記非装着タイヤから送信された情報であるか否かを検出する運動状態依拠検出部を含む(4)項ないし(6)項のいずれか1つに記載のタイヤ状態取得装置。
タイヤの運動状態には、タイヤの振動状態、回転状態、加速,減速状態等が含まれる。また、振動状態には、タイヤが装着された状態における車両上下方向の振動状態、車両前後方向または幅方向の振動状態等が該当する。運動状態量検出装置は、タイヤの予め定められた一つの運動を検出するものであっても、複数の運動を複合的に検出するものであってもよい。なお、運動はタイヤに加わる力に起因して生じることがあるが、その場合には、運動の状態を、作用力検出装置によって検出することもできる。
運動状態依拠検出部は、これらの運動の状態を表す運動状態量の少なくとも1つに基づいて非装着タイヤ情報を検出する。
(8)前記タイヤ状態情報依拠非装着タイヤ情報検出部が、車両の走行状態における前記タイヤ状態情報に基づいて、その受信された情報が前記非装着タイヤから送信された情報であるか否かを検出する走行状態非装着タイヤ情報検出部を含む(4)項ないし(7)項のいずれか1つに記載のタイヤ状態取得装置。
本項に記載のタイヤ状態取得装置においては、車両の駐車状態(タイヤの温度が環境温度とほぼ等しくなるほど長い時間の停止状態)においてではなく走行状態において非装着タイヤからの情報が検出される。車両が駐車状態にある場合より走行状態にある場合の方が、装着タイヤのタイヤ状態情報が表す内容と非装着タイヤのタイヤ状態情報が表す内容との差が顕著に現れ易い。走行状態には、車両の走行速度が連続的に設定速度以上に保たれている状態に限らず、走行と短時間の停止とが繰り返し行われるが、タイヤ温度等のタイヤ状態の観点からは停止状態を無視し得る状態も含まれる。駐車状態と相対する状態である。
なお、車両の停止状態においても非装着タイヤから送信された情報であるか否かを検出することができる。例えば、タイヤ情報が識別情報を含めば、その識別情報に基づいて検出することができ、〔発明の実施の形態〕において説明するように、タイヤ交換が行われた後に運転者によってスイッチ操作が行われる場合には、そのスイッチ操作に基づいて検出することができる。
(9)前記タイヤ状態情報依拠非装着タイヤ情報検出部が、車両の駐車状態からの走行開始時点あるいはタイヤ交換後の走行開始時点と、走行状態との両方における前記タイヤ状態情報に基づいて、その受信された情報が前記非装着タイヤから送信された情報であるか否かを検出する検出部を含む(4)項ないし(8)項のいずれか1つに記載のタイヤ状態取得装置。
例えば、図12に示すように、車両が駐車の後に走行を開始する場合と、比較的長い時間走行した後に、装着タイヤと非装着タイヤとが交換され、その後に走行を開始する場合とでは、タイヤの温度や温度の変化状態が異なる。前者の場合には、走行開始時に、装着タイヤも非装着タイヤも温度がほぼ同じであり、その後、装着タイヤの温度は比較的大きな勾配で上昇し、非装着タイヤの温度は殆ど変化しないか小さな勾配で変化する(多くの場合、上昇する)。それに対し、後者の場合には、走行開始時に温度差が大きく、交換された後の非装着タイヤ(交換前は装着タイヤだったもの)の温度は低下し、新たに装着された装着タイヤ(交換前は非装着タイヤだったもの)の温度は上昇し、その他の装着タイヤ(交換前においても装着タイヤであったもの)の温度はほぼ一定である。上記2つの場合のいずれかの事実に基づいて、非装着タイヤから送信されたタイヤ情報を検出することができる。
(10)前記タイヤ状態情報が、タイヤの温度を表す温度情報を含み、前記タイヤ状態情報依拠非装着タイヤ情報検出部が、車両の走行開始時点における複数のタイヤからの温度情報が表す複数の温度の差と、走行状態におけ複数のタイヤからの温度情報が表す複数の温度とそれら温度の変化状態との少なくとも一方とに基づいて、前記非装着タイヤから送信された情報であるか否かを検出する走行開始時温度差依拠検出部を含む(4)項ないし(9)項のいずれか1つに記載のタイヤ状態取得装置。
(11)前記タイヤ状態情報が、タイヤの温度を表す温度情報を含み、前記タイヤ状態情報依拠非装着タイヤ情報検出部が、車両の走行開始時点における前記温度情報が表す温度と外気温度との差と、走行状態における温度情報が表す温度とその温度の変化状態との少なくとも一方とに基づいて、前記非装着タイヤから送信された情報であるか否かを検出する走行開始時温度差依拠検出部を含む(4)項ないし(10)項のいずれか1つに記載のタイヤ状態取得装置。
走行状態におけるタイヤの温度変化の状態は外気温度の影響を受ける。外気温度の装着タイヤに対する影響と非装着タイヤに対する影響とは異なるため、外気温度との差を予め検出しておいて、非装着タイヤから送信されたタイヤ情報を検出するのに考慮することが望ましい。
外気温度がタイヤの温度に対して非常に低い状態から車両の走行が開始された場合には、装着タイヤの温度は、一旦低下するが、その後、走行に伴って上昇する。非装着タイヤの温度は、外気温度との関係で決まる温度まで低下し、その後、ほぼ一定に保たれる。この場合には、走行開始後、装着タイヤの温度が上昇し始めると考えられる時間以降における、温度情報が表す温度変化または温度に基づいて非装着タイヤから送信されたタイヤ情報が検出されるようにすることが望ましい。
(12)前記非装着タイヤ情報検出装置が、非装着タイヤからのタイヤ情報であるとされた情報の数が設定数以下である場合に、非装着タイヤからの情報であると確定する個数対応非装着タイヤ確認部を含む(1)項ないし(11)項のいずれか1つに記載のタイヤ状態取得装置。
車載された非装着タイヤの個数は予め決まっているのが普通である。そのため、非装着タイヤからの情報であると検出された数が設定数である場合には、非装着タイヤからの情報であるとすることができる。
それに対して設定数より多い場合は、誤検出である可能性が高い。設定数より少ない場合は、非装着タイヤが利用されて(例えば、タイヤ交換が行われ、交換された装着タイヤが廃棄されて)、補充されていない可能性があるため、非装着タイヤであるとすることができる。
例えば、タイヤ個々のタイヤ状態情報が表す内容が、それぞれ、予め定められた条件を満たすか否かに基づいて非装着タイヤから送信されたタイヤ情報が検出される場合には、非装着タイヤからの情報であると検出された情報が実際の非装着タイヤの個数より多くなる可能性があり、本項のタイヤ状態取得装置が有効である。それに対して、複数のタイヤ状態情報が表す内容を比較して非装着タイヤからの情報が選択される場合には、検出された非装着タイヤからの情報が非装着タイヤの個数より多くなることは殆どない。
(13)前記タイヤ情報が、個々のタイヤを識別可能な識別情報を含み、前記非装着タイヤ情報検出部が、前記非装着タイヤ情報に含まれる前記識別情報が表す内容を取得する非装着タイヤ識別情報取得部を含み、その非装着タイヤ識別情報取得部の実行が予め定められた条件が満たされる毎に開始される(2)項ないし(12)項のいずれか1つに記載のタイヤ状態取得装置。
本項に記載のタイヤ状態取得装置においては、予め定められた条件が満たされる毎に非装着タイヤの識別情報が表す内容が取得される。予め定められた条件が満たされると、非装着タイヤの識別情報の表す内容が取得され、次に条件が満たされると、識別情報が表す内容が取得される。前回取得された非装着タイヤの識別情報が表す内容と今回取得された識別情報が表す内容とは同じである場合と異なる場合とがある。例えば、装着タイヤと非装着タイヤとが交換された場合や、非装着タイヤが新しい非装着タイヤと交換された場合等に、非装着タイヤの識別情報が異なることになる。
非装着タイヤの識別情報は、例えば、前述の(2)項ないし(12)項のいずれかに記載のタイヤ状態取得装置によって、非装着タイヤから送信されたタイヤ情報が検出されて、その非装着タイヤから送信されたタイヤ情報に含まれる識別情報が表す内容が取得されるようにすることができる。
(14)当該タイヤ状態情報取得装置が、今回、予め定められた条件が満たされてから、前記非装着タイヤから送信されたタイヤ情報に含まれる識別情報を表す内容を取得するまでの間に、前回取得された非装着タイヤ情報を表す識別情報の内容に基づいて、前記非装着タイヤから送信されたタイヤ情報を隔離し、今回非装着タイヤ情報を表す識別情報の内容を取得した後に、今回の識別情報が表す内容に基づいて、前記非装着タイヤから送信されたタイヤ情報を隔離する非装着タイヤ情報隔離部を含む(13)項に記載のタイヤ状態取得装置。
今回、予め定められた条件が満たされてから非装着タイヤの識別情報が表す内容が取得されるまでの間は、前回取得された識別情報が表す内容に基づいて非装着タイヤからの情報が隔離される。この場合、前回識別情報の内容が取得された後に、タイヤ交換等が行われていない場合には、前回取得された識別情報の内容と現在(今回、予め定められた条件が満たされてから非装着タイヤの識別情報の内容が取得されるまでの間)の非装着タイヤの識別情報が表す内容とは同じであり、非装着タイヤからの情報を正確に隔離することができる。
(15)当該タイヤ状態情報取得装置が、今回、予め定められた条件が満たされてから、前記非装着タイヤから送信されたタイヤ情報に含まれる識別情報を表す内容を取得するまでの間に、前記非装着タイヤから送信されたタイヤ情報を隔離しないで、今回非装着タイヤ情報を表す識別情報の内容を取得した後に、今回の識別情報が表す内容に基づいて、前記非装着タイヤから送信されたタイヤ情報を隔離する識別情報取得後非装着タイヤ情報隔離部を含む(13)項に記載のタイヤ状態取得装置。
本項に記載のタイヤ状態取得装置においては、今回、識別情報が表す内容が取得されるまでの間に、前回の識別情報の内容が利用されることがない。例えば、非装着タイヤの情報が隔離されないで、すべてのタイヤの状態が同様に(区別されることなく)取得されるようにしたり、すべてのタイヤ状態が取得されないようにしたりすることができる。
(16)当該タイヤ状態取得装置が、しきい値に基づいて複数のタイヤ情報を仕分けするタイヤ情報仕分け部を含む(1)項ないし(15)項のいずれか1つに記載のタイヤ状態取得装置。
しきい値に基づけば、複数のタイヤ情報を複数のグループに分けることができる。例えば、非装着タイヤから送信されたタイヤ情報と装着タイヤから送信されたタイヤ情報とを仕分けすることができるのであり、非装着タイヤの情報を隔離することができる。また、前輪のタイヤからの情報と後輪のタイヤからの情報とに仕分けしたり、タイヤを交換する必要性が高いタイヤからの情報と交換の必要性が低いタイヤからの情報とに仕分けしたりすること等もできる。
(17)前記タイヤ情報仕分け部が、前記しきい値を、車両の走行状態が設定状態になった場合の前記タイヤ状態情報が表すタイヤ状態量に基づいて決定するしきい値決定部を含む(16)項に記載のタイヤ状態取得装置。
本項に記載のタイヤ状態取得装置においては、しきい値が、車両の走行状態が設定状態になった場合のタイヤ状態量に基づいて決定される。しきい値は、予め決められた一定値とすることもできるが、実際の車両の走行状態におけるタイヤ状態量に基づいて決定されるようにすることが望ましい。タイヤ状態量やタイヤ状態量の変化状態が、車両の走行環境等の影響を受ける場合があり、その場合は特にタイヤ状態量に基づいて決定されることが望ましい。例えば、極寒地方、熱帯地方等の特殊な環境下で使用される場合には、その環境下における実際の走行状態におけるタイヤ状態量に基づいて決定されることが望ましいのである。
各タイヤの識別情報を予め記憶させておき、車両の走行状態における各タイヤのタイヤ状態量を検出すれば、それら識別情報とタイヤ状態量との対応関係に基づいて、タイヤの仕分けの目的に応じたしきい値を決定することができる。また、識別情報を記憶させなくても、装着タイヤと非装着タイヤとに仕分ける場合において、4つのタイヤのタイヤ状態量が互いに近接し、1つのタイヤのタイヤ状態量が離れている場合には、これらタイヤ状態量の間にしきい値を決定することができる。
タイヤ情報の仕分けが車両の走行状態において行われる場合には、しきい値も、その仕分けが行われる場合と同様な状態で決定されることが望ましい。仕分けは、各タイヤ間においてタイヤ状態量に差が生じる状態で行われる。例えば、走行状態が設定状態になった場合(具体的には、走行距離が設定走行距離以上になった場合、走行時間が設定時間以上になった場合)等、タイヤに加わる負荷の累積が設定累積量になった場合に行われるのである。しきい値は、その仕分けに適した状態で決定されるべきであり、その「適した状態」によって設定状態が決まる。
しきい値の決定は、個々の車両について一回行われるのみでも、複数回行われるようにしてもよい。車両が走行する地方の変化、季節の変化等、走行環境が大きく変わる毎に行われることが望ましい。昼間と夜間とで外気温度が著しく異なる地方においては、1日2回以上行われることが望ましい。これらの場合には、しきい値が修正、変更されることになる。また、定期的に、または予め定められた条件が満たされる毎(例えば、外気温度が設定値以上変化する毎等)に行われるようにすることもできる。
(18)前記タイヤ情報仕分け部が前記非装着タイヤ情報検出部に含まれるものであり、前記しきい値に基づいて、前記非装着タイヤから送信された情報と前記装着タイヤから送信された情報とを仕分けるしきい値依拠非装着タイヤ情報検出部を含む(16)項に記載のタイヤ状態取得装置。
(19)前記タイヤ情報が、個々のタイヤを識別可能な識別情報を含み、当該タイヤ状態取得装置が、前記受信装置によって受信されたタイヤ情報のうち、前記非装着タイヤから送信されたタイヤ情報を区別して、その非装着タイヤから送信されたタイヤ情報に含まれる識別情報を記憶する非装着タイヤ識別情報記憶部を含む(1)項ないし(18)項のいずれか1つに記載のタイヤ状態取得装置。
本項に記載のタイヤ状態取得装置においては、非装着タイヤから送信されたタイヤ情報が区別され、その非装着タイヤから送信されたタイヤ情報に含まれる識別情報が記憶される。その後、その識別情報に基づけば、装着タイヤから送信された情報か非装着タイヤから送信された情報かがわかる。
非装着タイヤから送信されたタイヤ情報は、前述のように種々の方法で区別することができる。
また、空気圧が最も低いタイヤが非装着タイヤであるとすることができる場合には、そのことを利用して、非装着タイヤから送信されたタイヤ情報を区別することができる。
例えば、装着タイヤの1つがパンク等により空気圧が低くなって、非装着タイヤと交換する場合に、装着タイヤの空気圧を設定圧以下まで下げてから車載するように予め決めておく。設定圧は、例えば、この空気圧では、予め定められた設定時間以上の走行は不可能である大きさとする。交換後、設定時間以上走行した場合に、その設定圧より低い空気圧のタイヤを非装着タイヤとすることができる。また、装着タイヤの1つがパンク等により空気圧が低くなって、非装着タイヤと交換した場合に、リセットスイッチ(初期化スイッチ)が操作されるように予め決めておく。リセットスイッチが操作された場合においては、空気圧が最も低いタイヤが非装着タイヤであるとすることができる。
(20)前記非装着タイヤ情報隔離装置が、前記非装着タイヤから送信された情報が、前記受信装置によって受信されないようにする非装着タイヤ情報受信阻止装置を含む(1)項ないし(19)項のいずれか1つに記載のタイヤ状態取得装置。
非装着タイヤから送信されたタイヤ情報が受信装置に受信されないようにすれば、非装着タイヤからの情報と装着タイヤからの情報とを隔離することができる。例えば、非装着タイヤと受信装置との間の通信が妨げられるようにすれば、受信装置において非装着タイヤから送信された情報が受信されることはない。なお、非装着タイヤからの信号の受信装置への送信を阻止することは不可欠ではない。非装着タイヤからの信号が受信装置まで届かないようにすればよいのであり、非装着タイヤからの信号の放射が制限されればよい。例えば、信号が減衰されれば、受信装置まで届かないようにすることができる。
(21)前記非装着タイヤ情報受信阻止装置が、前記非装着タイヤから送信された情報が前記受信装置に届かないようにする通信阻止装置を含む(20)項に記載のタイヤ状態情報取得装置。
非装着タイヤから送信された電磁波が吸収されたり、電磁波の放射が阻止されたり、電磁波が反射されたり、電磁波が減衰させられたりすれば、受信装置まで電磁波が届かないことになる。
(22)前記非装着タイヤ情報受信阻止装置が、前記非装着タイヤから前記受信装置への送信信号を遮る電磁波シールド部材を含む(20)項または(21)項に記載のタイヤ状態情報取得装置。
非装着タイヤと受信装置との間に電磁波シールド部材を配設すれば、受信装置に非装着タイヤから送信された電磁波が届かないようにすることができる。電磁波シールド部材は、非装着タイヤと受信装置との間の通信を阻止し得る状態で設ければよく、例えば、非装着タイヤ全体を覆う(包囲する)状態で設けても、非装着タイヤの一部を覆う状態で設けてもよい。しかし、電磁波シールド部材を受信装置の近傍に配設すると、装着タイヤからの情報が受信されなくなるおそれがあるため、非装着タイヤ近傍に配設することが望ましい。
電磁波シールド部材は、導電性を有する材料を含み、電磁波を遮断し得る部材であり、例えば、導電性材料で製造されたものとしたり、樹脂や布等の基材に導電性材料が含まれたもので製造されたものとしたりすることができる。電磁波シールド部材は剛性を有する容器状に成形されたものでも、可撓性を有するシート状に製造されたものでもよい。
具体的には、導電性材料を樹脂等に包含させて成形したり、導電性材料によって形成された繊維を有機材料の繊維と一緒に織り込んだり、導電性材料と有機材料とを含む繊維を織ったり、樹脂や布等の基材を導電性材料でコーティングしたりすることによって製造することができる。導電性材料としては金属や炭素等がある。
本発明の一実施形態であるタイヤ情報処理装置を図面に基づいて詳細に説明する。本タイヤ情報処理装置は、タイヤ状態取得装置としての空気圧取得装置を含む。
図1、2に示すように、車両の前後左右の各位置にタイヤ10が装着されるとともに、後方のラッゲージスペースに非装着タイヤとしてのスペアタイヤ12が搭載される。タイヤ10(以下、非装着タイヤと区別するために装着タイヤと称する)およびスペアタイヤ12は、それぞれ、ホイール付きのものである。装着タイヤ10,スペアタイヤ12には、それぞれ、車輪側装置20が設けられ、車体22には車体側装置24が設けられる。
車輪側装置20は、タイヤ10,12の空気圧を検出する空気圧センサ30と、タイヤ10,12の温度を検出する温度センサ32と、これら空気圧センサ30によって検出された空気圧を表す空気圧情報および温度センサ32によって検出されたタイヤの温度を表す温度情報を含む一連のタイヤ情報を送信する送信アンテナ34と、一連のタイヤ情報を作成するタイヤ情報作成装置36とを含む。タイヤ情報作成装置36は、CPU,ROM,RAM,入出力部等を含むものであり、入出力部には、空気圧センサ30,温度センサ32が接続されるとともに、送信アンテナ34が接続される。本実施形態においては、空気圧センサ30はホイールのタイヤのバルブに対応する部分に設けられる。
タイヤ情報50は、図3に示すように、同期情報52,識別情報54,空気圧情報56,タイヤ温度情報58,チェック情報60等を含む。同期情報52は、タイヤ情報50の先頭に位置する情報であり、受信装置との間で同期をとるために送信される情報である。識別情報54は、装着タイヤ10,スペアタイヤ12個々にそれぞれ付されたものであり、タイヤ個々を識別可能な情報である。識別情報54は、これらタイヤ10,12が当該車両に含まれるものであり、他の車両に含まれるものではないことを識別するために設けられたものである。しかし、識別情報54によれば、タイヤ情報がスペアタイヤ12から送信された情報であるかどうかを検出することもできる。チェック情報60は、パリティチェック等に使用される情報である。これらの他に車輪側装置24の状態を表す情報(例えば、電池の残容量を表す情報)等もタイヤ情報50に含まれる場合もある。タイヤ情報50のうち、空気圧情報56,タイヤ温度情報58等がタイヤ状態情報とされる。
車輪側装置20において、空気圧センサ30,温度センサ32によって、タイヤ10,12の空気圧、温度が検出され、その検出された空気圧、温度に基づいてタイヤ情報50がタイヤ情報作成装置36において作成され、送信アンテナ34から送信される。本実施形態においては、送信アンテナ34およびタイヤ情報作成装置36等によって送信装置38が構成されると考えることができる。
車体側装置24は、車輪側装置20から送信されたタイヤ情報を受信する受信アンテナ70と、報知装置72と、受信制御装置74とを含む。受信制御装置74は、コンピュータを主体とするものであり、入出力部には、受信アンテナ70,イグニッションスイッチ76等が接続されるとともに報知装置72が接続される。受信制御装置74は、受信したタイヤ情報を処理するものであり、タイヤ状態に基づいて、タイヤ情報がスペアタイヤ12から送信されたものであるか否かが検出されたり、タイヤ状態が異常であるか否かが検出されたりする。タイヤ状態が異常である場合には報知装置72が作動させられる。
なお、本実施形態においては、車輪側装置20各々から、タイヤ情報が互いに異なる間隔で送信される。そのため、受信アンテナ70において、原則として、2つ以上のタイヤ情報が重なって受信されることはない。また、たとえ、重なって受信されることがあっても、次回も重なって受信されることはないのである。
受信制御装置74の第1記憶部77Aには、図4のフローチャートで表されるタイヤ情報処理プログラム、図6のフローチャートで表される報知装置制御プログラム等の種々のプログラムが格納される。また、不揮発性の第2記憶部77Bには、検出されたスペアタイヤ12の識別情報が記憶され、第3記憶部77Cには、後述するようにタイヤ状態が異常であるとされたタイヤの識別情報が記憶される。本実施形態においては、受信アンテナ70および受信制御装置74等によって受信装置78が構成されると考えたり、受信アンテナ70および受信制御装置74の受信に関する処理を行う部分等によって構成されると考えたりすることができる。
また、受信制御装置74には車両制御装置80が接続される。車両制御装置80は、CPU、ROM、RAM、入出力部等を含むコンピュータを含むものであり、車両制御アクチュエータ82を制御することによって車両の走行状態を制御する。車両制御装置80と受信制御装置74との間では通信が行われ、空気圧情報等が受信制御装置74から車両制御装置80に供給される。また、車両制御装置80には、車両の状態を検出する車両状態検出装置83が接続されている。
車体側装置24において、受信アンテナ70においてタイヤ情報が受信されると、その受信された情報が受信制御装置74において処理され、必要に応じて報知装置72が作動させられる。
報知装置72は、本実施形態においては、タイヤの状態が異常であるとされた場合に警報を発することによって、そのことを、運転者の聴覚に訴えるものであるが、ランプを点滅させたり、ディスプレーに表示させるもの等視覚に訴えるものであってもよい。この意味において、本実施形態における報知装置72は警報装置と称することができる。なお、報知装置72は、タイヤ状態が正常である場合に、正常であることを運転者に知らせたり、正常である場合におけるタイヤ状態を知らせたり、タイヤ状態の内容(空気圧の大きさやタイヤ温度)を知らせたりする装置とすることもできる。
各タイヤ10,12から送信されたタイヤ情報50に含まれる空気圧情報56が表す空気圧が設定圧より小さい場合、タイヤ情報50に含まれる温度情報58が表す温度が設定温度より高い場合には、タイヤの状態が異常であるとされて、報知装置72が作動させられる。しかし、そのタイヤ情報50がスペアタイヤ12から送信された情報であることが検出された場合には、報知装置72が作動させられることはない。スペアタイヤ12の状態が異常であっても、運転者に早急に知らせる必要性は低いのである。
受信装置78においては、受信されたタイヤ情報50がスペアタイヤ12から送信された情報であるか否かが、タイヤ情報50に基づいて検出される。図7に示すように、イグニッションスイッチ76がOFF状態からON状態に切り換えられて、車両が走行状態になると、装着タイヤ10の温度は、弾性変形の繰り返し、路面との摩擦等によって比較的大きな勾配で上昇する。しかし、無制限に上昇するわけではなく、走行環境等によって決まる高さに達すると、ほぼ定常状態になる。それに対して、スペアタイヤ12の温度はラッゲージスペースの温度変化に伴って変化するが、その変化勾配は緩やかである。また、ラッゲージスペースの温度は上昇するとは限らない。ラッゲージスペースの温度が低下すれば、低下するのである。その後、定常状態に達した場合には、スペアタイヤ12の温度もほぼ一定に保たれるが、この定常状態においてもスペアタイヤ12の温度(定常温度)は装着タイヤ10の温度ほど高くなることはない。このように、本実施形態においては、定常状態に達する以前のタイヤの温度の変化状態に基づいて、受信されたタイヤ情報50がスペアタイヤ12から送信された情報であるかどうかが検出される。
図4のフローチャートで表されるタイヤ情報処理プログラムは予め定められた設定時間毎に実行される。なお、イグニッションスイッチ76がON状態にある場合とOFF状態にある場合とで異なる時間間隔で実行されるようにすることもできる。
ステップ1(以下、S1と略称する。他のステップについても同様とする。)において、イグニッションスイッチ76がON状態であるかOFF状態であるかが検出される。本実施形態においては、イグニッションスイッチ76がON状態にあってもOFF状態にあっても、車輪側装置20と車体側装置24との間の無線の通信が行われ、タイヤ情報50が送信されるのであるが、イグニッションスイッチ76のOFF状態においては、タイヤ状態が異常であっても報知装置72が作動させられることはない。
イグニッションスイッチ76のOFF状態においては、S2において、受信装置78において受信された情報の処理が行われ、S3、4においてタイヤ状態が正常であるか異常であるかが判定される。本実施形態においては、空気圧とタイヤ温度との少なくとも一方が異常な大きさである場合に、タイヤ状態が異常であるとされる。空気圧が設定圧Psより低いか、温度が設定温度Tsより高いかが判定されるのであり、空気圧が設定圧以上であり、かつ、温度が設定温度以下である場合には、タイヤ状態が正常であるとされて、S5において警報フラグがリセットされる。また、S6,7において、イグニッションスイッチ76のON状態において使用されるスペアタイヤ識別済みフラグ、スペアタイヤ識別不能フラグがリセットされる。それに対して、空気圧が設定圧Psより小さい場合または温度が設定温度Tsより高い場合には、タイヤ状態が異常であるとされる。S8において、そのタイヤ情報に含まれる識別情報54が第3記憶部77Cに記憶されて、S9において、警報フラグがセットされる。
以下、イグニッションスイッチ76のOFF状態においてS1〜9が繰り返し実行される。
イグニッションスイッチ76のON状態においては、S10において、受信装置78において受信された情報の処理が行われ、S11においてスペアタイヤ識別済みフラグがセット状態にあるか否かが判定される。イグニッションスイッチ76がOFF状態からON状態に切り換えられてから最初にS11が実行された場合には、スペアタイヤ識別済みフラグがリセット状態にあるため、判定はNOとなって、S12においてスペアタイヤの識別が行われ、S13において、スペアタイヤ識別不能フラグがセット状態にあるかどうかが判定される。
S12における識別については後述するが、S12の実行において、スペアタイヤ12からの情報が検出され、スペアタイヤ12の送信装置38から送信されるタイヤ情報50に含まれる識別情報54(以下、スペアタイヤ12の識別情報54と略称する)が第2記憶部77Bに記憶され、スペアタイヤ12からの情報を区別することが可能となる。S13における判定がNOとなって、S14以降が実行される。
S14において、警報フラグがセット状態にあるかどうかが判定される。警報フラグがセットされていない場合には、S15、16において、タイヤ状態が正常であるかどうかが判定される。異常である場合には、S17において、そのタイヤ情報50に含まれる識別情報54と、スペアタイヤ12の識別情報54とが一致するかどうかが判定される。一致する場合には、タイヤ状態が異常であると判定されたタイヤ情報50がスペアタイヤ12から送信されたものであるとされ、警報フラグがセットされることがないが、スペアタイヤ12の識別情報54と一致しない場合には、S18において、警報フラグがセットされる。
S14が実行される場合に警報フラグがすでにセットされていた場合には、判定がYESとなって、S19において、第2記憶部77Bに記憶された識別情報54とスペアタイヤ12の識別情報54とが一致するかどうかが判定される。一致する場合には、S20において、警報フラグがリセットされる。すでにセットされていた警報フラグがスペアタイヤ12から送信されたタイヤ情報50に基づいてセットされたものであったことがわかったために、警報フラグがリセットされるのである。
S12における実行でスペアタイヤ識別不能フラグがセットされた場合、例えば、スペアタイヤ12の情報を未だ検出できず、スペアタイヤ12の識別情報が取得できない場合には、S13における判定がYESとなって、S21において、警報フラグがセット状態にあるかどうかが判定される。セット状態にない場合には、S22,23において、タイヤ状態が正常であるか異常であるかが判定される。異常であるとされた場合には、S24において、警報フラグがセットされ、S25において、識別情報54が第3記憶部77Cに記憶される。異常であるタイヤがスペアタイヤである可能性があるからである。
S12におけるスペアタイヤ12の識別は、図5のフローチャートで表されるスペアタイヤ識別ルーチンの実行に従って行われる。S51において、スペアタイヤ識別条件が満たされるか否かが判定される。本実施形態においては、スペアタイヤ12の識別がタイヤの温度変化に基づいて検出されるため、温度変化に基づいてスペアタイヤ12であるか装着タイヤ10であるかを識別可能な走行状態になった場合にスペアタイヤ識別条件が満たされるとされる。例えば、走行開始からの経過時間が第1設定時間以上、第2設定時間以内の場合とすることができる。
識別条件が満たされた場合には、S52において、設定数Cs0(本実施形態においては、5)以上のタイヤからのタイヤ情報50を受信できたか否かが判定される。本実施形態における車両においては、スペアタイヤ12が1つ車載されているため、前後左右の装着タイヤ10と合わせて合計5つのタイヤが車載されることになる。設定数Cs0は、タイヤ情報を送信するタイヤの数であり、本実施形態においては車載されたすべてのタイヤの数(装着タイヤ10の数と非装着タイヤ12の数とを加えた値)である。すべてのタイヤからタイヤ情報が送信されれば、受信されるタイヤ情報50は5つになるはずである。
5つ以上のタイヤ情報50が受信された場合には、S53において、タイヤ情報50各々に含まれるタイヤ温度情報58が表すタイヤの温度の設定時間当たりの温度変化量ΔThが設定変化量ΔTsより大きいかどうかがそれぞれ判定される。図7に示すように、温度変化量ΔThが設定変化量ΔTs以下の場合には、そのタイヤ情報50はスペアタイヤ12から送信された情報であるとすることができるのである。
温度変化量ΔThが設定変化量ΔTs以下の場合には、そのタイヤ情報50は、S54において、スペアタイヤ12から送信されたものであると仮に判定され、S55において、その仮判定されたタイヤ情報50が設定数Cs1(スペアタイヤ12の数であり、本実施形態においては1)より多いか否かが判定される。設定数Csより多い場合には、スペアタイヤ12であるとする仮判定が誤りであったとされる。前述のように、車両の搭載されているスペアタイヤ12の数は決まっているため、それより多いはずはないのである。なお、この車載されたスペアタイヤ12の数Cs1や車載されたすべてのタイヤの数Cs0等は運転者によって入力されるようにすることもできる。スペアタイヤ12を余分に車載する場合があるからである。
それに対して、スペアタイヤ12であると仮判定されたタイヤ情報50が設定数Cs1以下である場合には、そのタイヤ情報50はスペアタイヤ12から送信されたものであるとすることができる。設定数Cs1である場合には、スペアタイヤ12からの情報であると確定することができるが、設定数Cs1より少ない場合には、スペアタイヤ12が使用されて、その後、搭載されていない場合が考えられる。
その後、S56において、スペアタイヤ識別済みフラグがセットされて、後述するスペアタイヤ識別不能フラグがリセットされる。S57において、スペアタイヤ12から送信されたタイヤ情報50に含まれる識別情報54が第2記憶部77Bに記憶される。また、S58において、後述するトライ回数カウンタがリセットされる。これらS56,57の実行をスペアタイヤ12の送信装置38の確定処理と称することができる。
非装着タイヤか装着タイヤかの識別条件および識別のための温度変化のしきい値については実験値、理論値等が適宜採用可能である。また、後述するように、実際の車両の走行状態において決定されるようにすることも可能である。例えば、実験によれば、外気温11℃で、走行開始時からの経過時間が10分以上30分以内において、10分間の温度変化が3℃以上の場合に装着タイヤとし、3℃より小さい場合に非装着タイヤであるとすることができる。また、温度変化のしきい値を5℃とすることもできる。識別条件、温度変化のしきい値については、今後のさらなる、実験、検討が必要である。なお、例えば、車速センサを設け、車速センサによって検出される車両の走行速度が設定速度以上の状態を走行状態とすることができる。
それに対して、S51において、識別条件が満たされない場合、S52において、受信できたタイヤ情報50が設定数より少ない場合、S53において、すべてのタイヤ情報50について、温度情報56が表す温度の変化量ΔThが設定変化量ΔTsより大きい場合には、スペアタイヤ12を識別することができない。この場合には、スペアタイヤ12が搭載されているにもかかわらず、識別することができない場合や、スペアタイヤ12が搭載されていない場合が考えられる。本実施形態においては、スペアタイヤ12が識別できない場合等には、予め定められた設定回数(N0回)実行される。
今回の実行時にはスペアタイヤ12の識別条件が満たされなくても、次回の実行時には満たされる場合がある。また、通信においては、ノイズ、車輪側装置20と車体側装置24との相対位置関係等に起因して、車輪側装置20からの情報が受信できない場合があるが、複数回実行するうちに、受信できることもある。
S59において、トライ回数カウンタがカウントアップされて、S60において、トライ回数Nが設定回数N0に達したか否かが判定される。設定回数未満である場合には、S51の実行に戻される。
スペアタイヤ12が識別できない場合には、S51,52,53,(54,55),59,60が繰り返し実行され、設定回数に達するとS61,62において、スペアタイヤ識別不能フラグがセットされて、トライ回数Nがクリアされる。
スペアタイヤ識別不能フラグがセット状態にあるということは、今回のS12の実行において、スペアタイヤ12が識別できなかったことを表す。S13における判定がYESとなり、S21以降が実行される。前述のように、警報フラグがセットされている場合には、スペアタイヤ12であるかどうかの検出が行われることなく、報知装置72が作動させられる。タイヤ状態が異常である場合には、装着タイヤ10であっても非装着タイヤ12であっても、同様に、警報フラグがセットされるのである。
S12が複数回実行されることによって、スペアタイヤ12の識別が可能となる場合があるが、識別不能なままの場合もある。
識別可能になった場合には、S56において、スペアタイヤ識別不能フラグがリセットされて、識別済みフラグがセットされるため、S13における判定がNOとなって、S14以降が実行される。警報フラグがセットされている場合には、スペアタイヤ12に関するものであるか否かが判定され、スペアタイヤ12に関するものである場合には警報フラグがリセットされる。警報フラグはイグニッションスイッチ76のOFF状態においてセットされる場合や、S21以降の実行によってセットされる場合がある。また、スペアタイヤ12の識別が行われた以降に、タイヤ状態が異常であると判定された場合には、その都度、タイヤ情報50がスペアタイヤ12から送信されたものであるか否かが判定される。タイヤ状態が異常であっても、それがスペアタイヤ12に関するものであれば、報知装置72が作動させられることはない。
報知装置72は、図6のフローチャートで表される報知装置制御プログラムの実行に従って制御される。S91において、イグニッションスイッチ76がON状態にあるかどうかが判定され、ON状態にあると判定された場合には、S92において、警報フラグがセットされているか否かが判定される。ON状態にあって、かつ、警報フラグがセット状態にある場合には、S93において、報知装置72が作動させられるが、イグニッションスイッチ76がOFF状態にある場合、警報フラグがリセット状態にある場合には、S94において、報知装置72が作動させられないことになる。S94が実行される場合に、報知装置72が作動状態にある場合には、その作動が停止させられる。また、イグニッションスイッチ76のOFF状態においては、警報フラグがセットされていても、報知装置72が作動させられることはない。
このように、本実施形態においては、タイヤ情報50に含まれるタイヤ状態情報が表すタイヤ状態が異常であると判定されても、タイヤ情報50がスペアタイヤ12から送信されたものであるとされた場合には報知装置72が作動させられることがない。そのため、報知装置72が無駄に作動させられることがなくなり、車室内が静かになる。
また、スペアタイヤ12の識別がタイヤ温度の変化状態に基づいて検出されるため、イグニッションスイッチ76がOFF状態からON状態に切り換えられてからの比較的早い時期に検出することができる。
その結果、例えば、イグニッションスイッチ76のOFF状態において、スペアタイヤ12の空気圧が低いことに起因して警報フラグがセットされ、イグニッションスイッチ76がON状態に切り換えられてから報知装置72が作動させられても、スペアタイヤ12の識別が早期に行われ、それによって、報知装置72の作動が停止させられるため、報知装置72の作動時間が短くなるという利点がある。さらに、このようにすることによって、運転者は非装着タイヤ12の空気圧が低いことがわかる。
また、タイヤの温度の変化状態に基づいてスペアタイヤ12の仮判定が行われ、かつ、仮判定された数が設定数(車載されたスペアタイヤの数)以下である場合にスペアタイヤ12であると確定されるようにされているため、スペアタイヤ12であることを正確に識別することができる。
本実施形態においては、受信制御装置74の図5のフローチャートで表されるスペアタイヤ識別ルーチン(図4のフローチャートで表されるタイヤ情報処理プログラムのS12)を記憶する部分、実行する部分等によって非装着タイヤ情報隔離装置が構成される。非装着タイヤ情報隔離装置は、非装着タイヤ情報検出部、タイヤ状態情報依拠非装着タイヤ情報検出部、タイヤ情報処理部、装着タイヤ情報処理部、タイヤ温度変化依拠検出部、非装着タイヤ識別情報取得部でもある。また、そのうちの、S3,15,22を記憶する部分、実行する部分等によって空気圧異常検出部が構成される。さらに、報知装置72および受信制御装置74の図6のフローチャートで表される報知装置制御プログラムを記憶する部分、実行する部分等により報知装置が構成される。
また、本実施形態においては、スペアタイヤ識別済みフラグがセットされた状態が非装着タイヤを検出可能な状態であり、スペアタイヤ識別不能フラグがセットされた状態が非装着タイヤを検出不能な状態であると考えることができる。この場合には、スペアタイヤ識別条件が「予め定められた条件」に対応すると考えることができる。また、スペアタイヤ識別済みフラグがセットされていない状態が検出不能な状態であると考えることもでき、この場合には、イグニッションスイッチ76がON状態に切り換えられた場合に、「予め定められた条件」が満たされたとすることができる。
スペアタイヤ識別済みフラグがセットされた状態においては、S14〜20が実行され、スペアタイヤ識別不能フラグがセットされた状態(スペアタイヤ識別済みフラグがセットされていない状態)においては、S21〜25が実行される。この場合においては、スペアタイヤ12の空気圧が低くても装着タイヤ10の空気圧が低くても、警報フラグがセットされて、報知装置72が作動させられる。装着タイヤ10のタイヤ情報もスペアタイヤ12のタイヤ状態も同様に処理されるのである。
なお、スペアタイヤ識別不能フラグは、スペアタイヤ識別条件が満たされない場合に、トライされることなく、セットされるようにすることもできる。また、スペアタイヤ識別条件が満たされない場合と、設定回数トライして識別できなかった場合とで異なるフラグがセットされるようにすることもできる。
また、スペアタイヤ識別条件は、走行時間が設定時間以上であり、かつ、停止時間が設定時間以下であること、走行距離が設定距離を超えたこと等とすることができる。走行時間は、例えば、前述のように、走行速度が設定速度以上の時間とすることができる。
さらに、上記実施形態においては、温度情報58が表す温度の変化状態に基づいてスペアタイヤ12が識別されるようにされていたが、それに限らない。例えば、定常状態に達した後(例えば、走行開始からの経過時間が1時間以上)の温度(定常温度)に基づいて検出されるようにすることもできる。通常は、定常温度は装着タイヤ10よりスペアタイヤ12の方が低くなる。また、複数のタイヤの温度を比較してスペアタイヤ12を識別することもできる。例えば、最も温度が低いタイヤ、最も温度変化が小さいタイヤをスペアタイヤとすることができるのである。
さらに、識別情報54に基づいて検出することもできる。例えば、スペアタイヤ12を車載する際に、それの識別情報が記憶されるようにすればよい。この場合には、スペアタイヤ12であることと識別情報とが対応付けて記憶されるようにすることもできる。
また、空気圧自体に基づいて検出することもできる。例えば、すべてのタイヤにおいての空気圧が正常な高さの場合において、すべてのタイヤ10,12の空気圧のうち最も小さい空気圧に対応するタイヤをスペアタイヤ12とすることができる。装着タイヤ10には車両重量が加えられること、温度が高くなること等に起因して、空気圧がスペアタイヤ12より高くなるのである。さらに、空気圧の変化状態に基づいてスペアタイヤ12を検出することもできる。スペアタイヤ12の空気圧は殆ど変化しないのに対して装着タイヤ10の空気圧は温度の変化や加わる力の変化に伴って変化するため、装着タイヤ10の方が空気圧の変化量が大きくなったり、空気圧の変化頻度が高くなったりする。例えば、空気圧の変化量の絶対値が設定値以上の場合、空気圧の変化頻度が設定頻度以上(設定時間当たりに、設定値以上変化した回数が設定回数以上)の場合には装着タイヤであるとすることができる。いずれにしても、S53における判定内容を適宜変更すればよい。
また、車輪側装置20、車体側装置24は上記実施形態におけるそれに限らない。図8に示す構成のものとすることができる。車輪側装置100において、タイヤ情報作成装置36には、空気圧センサ30,タイヤ温度センサ32に加えて作用力センサ102,振動センサ104,形態センサ106が接続され、車体側装置110において、受信制御装置74には、イグニッションスイッチ76に加えて、外気温センサ112、走行速度センサ114、リセットスイッチ116(初期化スイッチと称することもできる)等が接続される。このようにすれば、タイヤ情報50として、空気圧、温度に限らず、車輪に加えられる横力、前後力、上下力を表す情報が含まれるようにしたり、振動を表す情報が含まれるようにしたり、形態を表す情報が含まれるようにしたりすることができる。なお、作用力センサ102,振動センサ104,形態センサ106のすべてが含まれるようにすることが不可欠ではなく、少なくとも1つが含まれればよいのであり、これらの検出値が表す情報の少なくとも1つがタイヤ情報に含まれればよい。
作用力センサ102は、タイヤに加わる横方向の力、前後方向の力、上下方向の力のうちの少なくとも1つを検出するものであり、例えば、歪みゲージを含むものとすることができる。歪みゲージは、ホイールや車軸等に設けることができる。
例えば、装着タイヤ10には、上下力が発生するのに対してスペアタイヤ12においては上下力は殆ど発生しないため、上下力の大きさに基づけばスペアタイヤ12であるか装着タイヤ10であるかを区別することができる。また、加速、減速中には前後力が発生し、旋回中には横力が発生するが、スペアタイヤ12にはこれらの力が加えられることは殆どない。したがって、これらに基づいて区別することもできる。この場合には、車両の走行状態と、タイヤ情報50とを組み合わせれば、装着タイヤ10であるかスペアタイヤ12であるかの検出精度を向上させることができる。
例えば、図5のスペアタイヤ識別ルーチンのS53において、温度変化量が設定変化量より小さいかどうかが判定される代わりに、上下方向の作用力が設定値より小さいかどうかが判定され、小さいものをスペアタイヤとすることができる。また、スペアタイヤ識別条件に車両が加速、減速中であること、または、旋回中であることを加え、S53において、前後力、横力が設定値より小さいか否かが判定されるようにすることもできる。なお、上下力、前後力、横力に基づいて相対的に、スペアタイヤ12であることを取得することができる。例えば、これらの力が最も小さいタイヤがスペアタイヤ12なのである。
振動センサ104は、振動子に加わる振動を検出するものであり、振動子の変位に応じた電圧を出力する。本実施形態においては、振動子が、主としてタイヤの半径方向の振動を検出可能な状態で設けられる。装着タイヤ10においては、タイヤの回転に伴って遠心力(回転加速度)が加えられるため、半径方向の振動が生じる。また、タイヤの回転や車両の走行に起因しても振動が生じる。
それに対して、非装着タイヤ12においては、車両の走行に起因して振動が生じるが、遠心力の影響はない。そのため、図9に示すように、装着タイヤ10に設けられた振動センサ104の出力電圧の方が、少なくとも遠心力の影響分だけ大きくなる。
このことを利用すれば、例えば、振動センサ104の出力電圧の絶対値が最も小さいもの
MIN|Vi|
i=1〜5(V5はスペアタイヤ12の振動センサ104の出力値を表す)
がスペアタイヤ12とすることができる。
また、5つのタイヤ10,12の出力電圧の平均値
<Vi>=ΣVi/5
からの差が最も大きくなる場合の出力電圧Viが、
MAX|<Vi>−Vi|
スペアタイヤ12の振動を表す情報であるとすることができる。
この場合には、スペアタイヤ12の情報が相対的に決定されるため、必ず、スペアタイヤ12の情報が1つ決まる。図10のフローチャートで表されるスペアタイヤ識別ルーチンにおいて、S83において、出力電圧の平均値から個々の出力電圧を引いた値の絶対値が最も小さい値が求められて、その振動を表す情報を含むタイヤ情報がスペアタイヤ12から送信されたものであるとされる。S57において、そのスペアタイヤ12のタイヤ情報に含まれる識別情報が第2記憶部77Bに記憶される。
なお、振動子は、特定の方向の振動のみを検出し、他の方向の振動は検出しないものとすることができ、例えば、半径方向の振動のみを検出し得るものとすることが望ましい。また、そうでなくても、半径方向の振動を検出し易いものとすることが望ましい。振動センサは、加速度センサと称することもできる。
受信制御装置74の図10のフローチャートで表されるスペアタイヤ識別ルーチンを記憶する部分、実行する部分等により、運動状態依拠検出部が構成される。
形態センサ106は、タイヤの径方向の距離、幅方向の距離を計測するものであり、例えば、非接触式の変位センサを含むものとすることができる。タイヤの径方向の距離RHの幅方向の距離RVに対する比率である偏平率(RH/RV)は、装着タイヤ10の方が小さくなる。したがって、偏平率を利用すれば、スペアタイヤ12を検出することができる。
例えば、偏平率が設定値以上のもの、または、最も偏平率が大きいものをスペアタイヤ12とすることができる。
なお、タイヤ情報50に含まれるタイヤ状態情報のうちの2つ以上に基づいてスペアタイヤ12の識別が行われるようにすることができる。このようにすれば、スペアタイヤ12の識別の精度を向上させることができる。
また、タイヤの温度と外気温度との差に基づいて非装着タイヤ12を検出することもできる。図11に示すように、装着タイヤ10と非装着タイヤ12とでは、非装着タイヤ12における方が、タイヤの温度と外気温度との差が小さいことがわかる。本実施形態においては、走行時間が設定時間以上になった場合に、タイヤの温度Tiと外気温度Toutとの差の絶対値が求められ、最も小さくなる場合のタイヤ温度Ti
MIN|Tout−Ti|
がスペアタイヤ12の温度であるとされる。
ここで、上記図10のフローチャートのS83において、振動センサ104の出力電圧の平均値からの隔たりの最大値が求められる代わりに、タイヤ温度と外気温度との差の最小値が求められるようにする。受信制御装置74の、タイヤ温度と外気温度との差に基づいてスペアタイヤ12を検出する部分等によって温度差依拠検出部が構成されると考えることができる。
さらに、走行開始時の状態を考慮して非装着タイヤ情報の検出が行われるようにすることができる。換言すれば、走行開始時の状態(各タイヤの温度差)と走行状態のスペアタイヤ識別条件が満たされた場合における温度や温度変化との両方に基づいて検出されると考えたり、走行開始時の状態に基づいて、スペアタイヤの識別の方法が選択され、その選択された識別方法によってスペアタイヤ12の識別が行われると考えたりすることができる。
図12に示すように、通常の場合、すなわち、すべてのタイヤの温度がほぼ同じであって、タイヤの温度がほぼ外気温度と同じ状態から走行が開始される場合(Coldスタート)には、図7にも示すように、装着タイヤ10の方がスペアタイヤ12より、温度も温度上昇勾配も大きくなる。それに対して、例えば、走行中に装着タイヤ10がパンクして、スペアタイヤ12と交換した後に、走行が開始される場合、すなわち、スペアタイヤ12と装着タイヤ10との温度差が大きく、スペアタイヤの温度が外気温度より高い状態から走行が開始された場合(Hotスタート)には、図12に示すように、スペアタイヤ12(今まで装着タイヤであったもの)の温度は低下する。それに対して、スペアタイヤ12だった装着タイヤ10の温度(図12のHs)が大きな勾配で増加し、交換されていない装着タイヤの温度(図12のHo)の変化は小さくなる。交換されていない装着タイヤ10の温度はすでに高くなって、定常状態にあるため、それ以上高くなることはない。
したがって、イグニッションスイッチ76がOFF状態からON状態に切り換えられた場合の各タイヤ10,12の温度差が小さい場合には、上記実施形態におけるように、設定時間(判定時間と称することもできる)T0経過後の、温度上昇勾配が大きく温度が高いタイヤが装着タイヤ10であるが、イグニッションスイッチ76がON状態に切り換わった場合または走行が開始される場合の温度差が大きい場合には、設定時間T2の経過後に、温度が低下するタイヤがスペアタイヤ12であるとすることができる。また、図に示すように、設定時間T1経過後の温度が最も低いタイヤが非装着タイヤであるとすることもできる。
なお、タイヤの温度が50°以上のタイヤは装着タイヤ10であるとするガード値を設けることもできる。誤って装着タイヤ10をスペアタイヤ12であると検出することを回避することができる。
本実施形態においては、図13のフローチャートで表されるスペアタイヤ識別ルーチンが実行される。S121において、すでにスペアタイヤ識別方法が決定済みであるかどうかが判定される。最初に実行される場合には決定されていなため、S122において、各タイヤの最大温度差が、設定温度差以上であるかどうかが判定される。設定温度差より小さい場合には、温度差が小さいとされて(Coldスタートとされて)、それに応じた方法でスペアタイヤの識別が行われる。
S123において、温度差小対応方法フラグがセットされて、上述の図5のS51以降が実行される。前述のように、本実施形態においては、スペアタイヤ識別条件が、走行時間が設定時間T0を経過したこととなる。以下、上記第1実施形態における場合と同様にスペアタイヤが識別される。
温度差が大きい場合には、S124において、温度差大対応方法フラグがセットされて、S125以降において、スペアタイヤの識別が行われる。この場合には、スペアタイヤ識別条件が走行時間が設定時間T2を経過したこととなる。そして、S127において、温度変化量が負の設定温度変化量以下であるタイヤが(低下傾向にあるタイヤが)スペアタイヤ12であるとされる(S127における判定がNO)。
すでに、スペアタイヤ識別方法が決まっている場合には、S121における判定がYESとなって、S129において、セット状態にあるのが温度差小対応方法フラグであるか温度差大対応方法フラグであるかが判定され、それに応じた方法でスペアタイヤ12が検出される。
このように、走行開始時の温度差に基づいて異なる方法でスペアタイヤが検出されるようにすれば、スペアタイヤの識別精度を向上させることができる。
なお、温度と温度変化との両方に基づけば、スペアタイヤ12の識別精度を向上させることができる。
また、上記実施形態においては、スペアタイヤ識別済みフラグがセットされていない状態においては、装着タイヤ10とスペアタイヤ12とを区別することなく同様に処理され、いずれのタイヤ状態が異常であっても、警報フラグがセットされるようにされていたがそのようにすることは不可欠ではない。
例えば、今回スペアタイヤ12の識別が行われる以前においては、すべてのタイヤ情報50の受信処理が行われないようにしたり、タイヤ状態の異常検出が行われないようにしたりすることができる。この場合には、スペアタイヤ12の空気圧が低くても装着タイヤ10の空気圧が低くても報知装置72が作動させられないことになる。本実施形態によれば、前回、スペアタイヤ12の識別情報が記憶された後に、スペアタイヤ12と装着タイヤ10とが交換されて、そのスペアタイヤだった装着タイヤ10の空気圧が低下した場合であっても、警報を発することができるという利点がある。
それに対して、前回記憶された識別情報に基づいてスペアタイヤ12が識別されるようにしたりすることもできる。
さらに、上記実施形態においては、イグニッションスイッチ76がOFF状態からON状態にされた場合に、スペアタイヤ12の識別が行われるようにされていたが、車両が停止して走行が開始された場合に識別が行われるようにすることもできる。このようにすれば、スペアタイヤ12の交換がイグニッションスイッチ76のON状態のままで行われても、正確に識別することが可能となる。いずれにしても、スペアタイヤ12の識別の時期が運転者または作業者によって指示されるようにすることもできる。タイヤ交換が行われた後に識別が行われるようにすればよいのである。
例えば、リセットスイッチ116が操作された場合にスペアタイヤ12の識別が行われるようにすることができる。リセットスイッチ116は、装着タイヤ10がパンクした場合において、そのパンクしたタイヤ10とスペアタイヤ12とを交換した後に、操作されるものである。この場合には、空気圧が低いタイヤを非装着タイヤ(以前は装着タイヤであったが、空気圧が低くなって外して車載されたタイヤ)12とすることができ、そのタイヤから送信されたタイヤ情報に含まれるの識別情報が記憶されるようにする。
図15のフローチャートは、タイヤ情報処理プログラムの一部を表す。S150において、リセットスイッチ116がOFF状態からON状態に切り換わったか否かが判定される。通常は、OFF状態にあるため、判定がNOとなり、S151において、受信処理が行われ、S152において、すべてのタイヤ情報について、空気圧情報が表す空気圧が設定圧より低いか否かが判定され、設定圧より低い場合には、S153において、そのタイヤ情報に含まれる識別情報が第3記憶部77Cに記憶される。
それに対して、図14に示すように、時点Tにおいてタイヤ交換が行われて、リセットスイッチ116が操作された場合には、S150における判定がYESとなって、S154において、記憶された識別情報が非装着タイヤの識別情報であるとされ、その第3記憶部77Cに記憶された識別情報が第2記憶部77Bに記憶されることになる。
リセットスイッチ116が操作されるのは、イグニッションスイッチ76がON状態にある場合とOFF状態にある場合とがあるため、本実施形態においては、イグニッションスイッチ76がON状態にあって、OFF状態にあっても、同様に行われる。。
このように、リセットスイッチ116が操作される毎にスペアタイヤの識別が行われる。本実施形態においては、今回リセットスイッチ116がOFF状態からON状態に切り換えられてから、スペアタイヤ12の識別情報が記憶されるまでは、前回の識別情報が利用されることになる。
また、予めパンクした装着タイヤ10をスペアタイヤ12と交換する場合には、その外したタイヤの空気圧を設定圧以下まで下げておくように決めておく。設定圧(後述する第2設定圧)は、この空気圧では車両が設定時間以上走行することが不可能であると考え得る大きさである。その結果、タイヤ交換後に、設定時間以上走行した場合には、その空気圧が第2設定圧以下のタイヤをスペアタイヤ12とすることができる(図17参照)。
図16のフローチャートは、タイヤ情報処理プログラムの一部を表す。S170において、受信処理が行われ、S171において、すべてのタイヤ各々について空気圧が設定圧P0以下であるか否かが判定される。少なくとも1輪の空気圧が第1設定圧P0以下である場合には、S171における判定がYESとなって、S172において、その空気圧が低いタイヤの識別情報が第3記憶部77Cに記憶され、S173において警報フラグがセットされる。
そして、S174において、車両が停止状態にあるかどうかが判定される。停止中にある場合には発進するのが待たれる。また、停止中でない場合には、S175の判定がNOとなって、S177以降が実行される。タイヤ交換が行われることなく、走行状態が継続している場合には、タイヤの空気圧が第2設定圧Pdより大きいため、S177の判定がNOとなって、警報フラグがセット状態に保たれる。
それに対して、停止中である場合には、タイヤの交換がおこなわれた可能性がある。発進するのが待たれるのであるが、発進した場合に、S175における判定がYESとなって、S176においてタイマがスタートされる。その後、走行中である場合には、S174の判定がNO,S175の判定がYESとなって、S177において、空気圧が第1設定圧P0よりさらに低い第2設定圧Pd以下であるかどうかが判定される。
空気圧が第2設定圧Pdより高い場合には、タイヤ交換されていない可能性があるため、警報フラグはセットされたままである。そして、第2設定圧Pd以下である場合には、S178において、発進からの経過時間が設定時間に達したかどうかが判定される。空気圧が第2設定圧(例えば、大気圧近傍の大きさとすることができる)以下であり、設定時間に達した場合には、そのタイヤはスペアタイヤ12であるとすることができるため、S179、180において、警報フラグがリセットされて、第3記憶部77Cに記憶されている識別情報がスペアタイヤのものであると確定され、第2記憶部77Bに記憶される。また、タイマがリセットされる。
なお、タイヤ交換が行われる場合に、外したタイヤの空気圧を第2設定圧Pd以下まで下げ、かつ、リセットスイッチ116が操作されることとする規則とすることができる。その場合には、リセットスイッチ116が操作された場合にS175以降が実行されることになる。
また、リセットスイッチ116は、空気圧が低いスペアタイヤを新しいスペアタイヤに交換した場合に操作されるようにすることもできる。この場合には、従来のスペアタイヤの識別情報に代えて新たなスペアタイヤの識別情報が記憶されるようにすることができる。
さらに、イグニッションスイッチ76のOFF状態においてタイヤ状態の異常判定が行われるようにすることは不可欠ではない。
また、上記実施形態においては、今回のスペアタイヤの検出が行われる以前において、装着タイヤ10であるかスペアタイヤ12であるかを問わず、空気圧が低いタイヤがある場合に警報が発せられ、今回のスペアタイヤの検出が終了した後に、その空気圧が低く、警報が発せられていたタイヤがスペアタイヤであることが検出された場合には、直ちに警報が停止させられるようにされていたが、警報が設定時間継続して発せられた後に、停止させられるようにすることができる。この場合には、運転者に、スペアタイヤ12の空気圧が低いことを確実に知らせることができる。
図18のフローチャートは、タイヤ情報処理プログラムの一部を表す。S200において、スペアタイヤ識別済みフラグがセット状態にあるかどうかが判定される。未だセットされていない場合には、S203〜207において、すべてのタイヤのタイヤ情報が同様に処理される。空気圧が設定圧より低いタイヤがある場合には、警報フラグがセットされる。また、そのタイヤの識別情報が第3記憶部77Cに記憶されて、タイマがスタートされる。スペアタイヤ識別済みフラグがリセット状態にある間、警報フラグがセット状態に維持される。
スペアタイヤ識別済みフラグがセットされると、S208において、警報フラグがセット状態にあるかどうかが判定される。セット状態にある場合には、S209において、S205において記憶された第3記憶部77Cに記憶された識別情報が第2記憶部77Bに記憶されたスペアタイヤ12の識別情報であるか否かが判定される。スペアタイヤ12の識別情報である場合には、S209における判定がYESとなって、S210において設定時間が経過したかどうかが判定される。警報フラグがセットされてから設定時間が経過した場合には、S211,212において、警報フラグがリセットされて、タイヤがリセットされる。それに対して、スペアタイヤ12の識別情報でない場合には、警報フラグはリセットされることなく、継続して警報が発せられる。また、スペアタイヤ12の識別情報と一致しても、設定時間が経過する以前においては警報が発せられる。
このように、本実施形態においては、図19に示すように、警報が設定時間の間発せられるため、運転者は、スペアタイヤ12の空気圧が低いことを確実に認識することができる。また、警報が継続すれば、装着タイヤ10の空気圧が低いことがわかる。なお、イグニッションスイッチ76のOFF状態においてはS213において警報フラグはリセットされる。本実施形態においては、イグニッションスイッチ76のOFF状態において、タイヤ状態が異常であるかどうかの検出は行われないのである。
また、報知装置72が、図20のフローチャートで表される報知装置作動プログラムの実行に従って作動させられるようにすることができる。本実施形態においては、空気圧が設定圧より低いと判定された場合において(S222における判定がYES)、その空気圧を表す空気圧情報が非装着タイヤ(スペアタイヤ)12からのものであるかどうかが判定される。装着タイヤ10から送信されたタイヤ情報50に含まれるものである場合にはS224において、報知装置72が装着タイヤに応じた態様で作動させられ、空気圧情報が非装着タイヤ12から送信されたタイヤ情報50に含まれるものである場合には、S225において、報知装置72が非装着タイヤに応じた態様で作動させられる。報知装置72は、装着タイヤ10の空気圧が低い場合と非装着タイヤ12の空気圧が低い場合とで異なる態様で、作動させられることになる。
例えば、報知装置72が音を発するものである場合には、非装着タイヤ12の空気圧が低い場合は装着タイヤ10の空気圧が低い場合より音が小さくされたり、互いに異なるメロディの音楽が出力されるようにしたりすることができる。また、ディスプレーに表示するものである場合には、装着タイヤ10または非装着タイヤ12のいずれの空気圧が低いかがわかるように表示されるようにすることができる。表示箇所が変更されたり、非装着タイヤ12か装着タイヤ10かが表示されたりすることができる。
非装着タイヤ12の空気圧が低いことがわかれば、運転者は、非装着タイヤを交換する必要性が高いことがわかる。
このように、本実施形態においては、報知装置制御プログラムにおいて空気圧が設定圧より低いか否か、タイヤ情報が装着タイヤ10からの情報であるか否かが検出されることになる。
また、図4のフローチャートで表されるタイヤ情報処理プログラムの実行において、非装着タイヤ12からのタイヤ情報であるかどうかが検出されないようにするとともに、非装着タイヤ12からのタイヤ情報であると検出されても警報フラグがリセットされないようにして(S19,20,17のステップをなくす)、図20のフローチャートのS222において警報フラグがセットされているかどうかが判定されるようにすることもできる。
さらに、図4のフローチャートで表されるタイヤ情報処理プログラムの実行において、空気圧が低いタイヤが装着タイヤ10からのものである場合と非装着タイヤ12からのものである場合とで、異なる種類のフラグがセットされるようにすることもできる。例えば、S18,20において、本来の警報フラグがリセットされて、非装着タイヤ用警報フラグがセットされるようにすることができる。この場合には、警報フラグの種類に応じて報知装置72が作動させられるようにすることができる。
また、報知装置72を、複数の報知部(報知作動部)を含むものとすることができる。
例えば、図21に示すように、報知装置が、2つのランプ150,152を含むものとする。2つのランプ150,152の点滅状態に基づいて装着タイヤ10のタイヤ状態が異常な場合(例えば、空気圧が設定圧より低い場合)とスペアタイヤ12の空気圧が設定圧より低い場合とを区別して運転者に報知することができる。例えば、(b)に示すように、装着タイヤ10の空気圧が設定圧より低い場合にランプ150がON状態(点灯または点滅)とされ、ランプ152がOFF状態(消灯)とされて、非装着タイヤ12の空気圧が設定圧より低い場合にランプ150がOFF状態とされ、ランプ152がON状態とされて、両方が低い場合にランプ150,162の両方がON状態にされるようにすることができる。また、(c)に示すように、装着タイヤ10の空気圧が設定圧より低い場合にランプ150がON状態とされ、ランプ152がOFF状態とされて、非装着タイヤ12の空気圧が設定圧より低い場合に、ランプ150,152の両方がON状態にされるようにしたりすることができる。装着タイヤ10と非装着タイヤ12との両方のタイヤの空気圧が設定圧より低くなることは稀だからである。
なお、本実施形態においては、空気圧が設定圧より低い場合にタイヤ状態が異常であるとされるが、それに限らない。上記各実施形態におけるように、タイヤ温度が設定温度より高い場合と空気圧が設定圧より低い場合との少なくとも一方の場合に異常であるとされたり、両方が満たされた場合に異常であるとされたり、その他の条件が満たされた場合に異常であるとされたりすることができる。
また、図22(a)に示すように、報知装置が、ディスプレー158を含むものとすることができる。ディスプレー158には、5つの表示部160〜168が設けられる。表示部160〜166はタイヤの前後左右の装着位置に対応して設けられる。さらに、図22(b)に示すように、報知装置は、ディスプレー169を含むものとすることができ、ディスプレー169には、タイヤの位置に対応した5つの表示部170〜178が設けられる。スペアタイヤ12の表示位置はどこでもよく、(a)に示すように、車両の後部に対応する位置であっても、(b)に示すように車両の中央部に対応する位置であってもよい。
装着タイヤ10の空気圧が低い場合において、そのタイヤの位置が検出可能な場合には、その位置に対応する表示部の表示が切り換えられるようにすることができる。例えば、各タイヤの識別情報がそのタイヤが設けられている位置に対応して設けられる場合には、空気圧の低いタイヤの位置を検出することができる。空気圧が低いタイヤの位置を検出できない場合において、装着タイヤ10の空気圧が低い場合には表示部160〜166または表示部170〜176のすべての表示が切り換えられ、スペアタイヤ12の空気圧が低い場合には、表示部168または178の表示が切り換えられるようにすることができる。
さらに、表示部160〜168、170〜178には、空気圧の大きさ自体(数字)が表示されるようにすることもできる。
また、図23(a)に示すように、報知装置がディスプレー(表示部)180を含むものとすることができる。表示部180には、空気圧が設定圧より低いタイヤの数が表示されるようにしたり、設定圧より低い空気圧の値が表示されるようにしたりすることができる。さらに、図23の(b)に示すように、5つのランプ182〜186を含むものとすることができる。ランプはタイヤの数に対応して設けられ、空気圧が設定圧以下の個数だけON状態にされるようにすることができる。
表示部180は、空気圧が設定圧より低いタイヤがあっても、それがスペアタイヤ12である場合には、表示されないようにすることができる。また、ランプ182〜186も、スペアタイヤ12の空気圧が低い場合には、予め決められたランプ182がON状態とされ、装着タイヤ10の空気圧が低い場合には、ランプ183〜186のいずれかがON状態とされるようにすることができる。
さらに、図24に示すように、報知装置が1つのランプ190を含む場合であっても、そのランプ190の作動パターンの相異によって、複数の異なる状態を報知することもできる。例えば、点灯状態が保持される場合にはスペアタイヤ12の空気圧が低く、点滅が繰り返された場合には装着タイヤの空気圧が低いことを表すようにすることができる。また、点滅が繰り返された場合には空気圧が低いタイヤが1輪であり、点灯が連続している場合には2輪であることことを表すようにすることができる。さらに、点灯時間と消灯時間との長短によって、複数種類の状態を運転者に報知することができる。
また、上記実施形態においては、受信アンテナ70が1つしか設けられていなかったが、タイヤ10,12に対応して、それぞれ設けられるようにすることもできる。この場合には、複数の受信アンテナのうち、スペアタイヤに対応して設けられたアンテナであることを特定すれば、それ以降、その受信アンテナにおいて受信された情報がスペアタイヤからのものであることがわかる。
さらに、装着タイヤであるか非装着タイヤであるかを区別するためのしきい値(例えば、温度変化、温度、作用力、形態等を表す値)が車両の走行状態において決められるようにすることができる。
しきい値は、例えば、前述のように、その車両の製造時に設計上決められた理論値等とすることができるが、実際の車両の走行状態において決められるようにすることが望ましい。図25に示すように、予め装着タイヤ10の識別情報とスペアタイヤ12の識別情報とを記憶しておいて、実際の走行状態における各タイヤの状態を表す状態量に応じて、装着タイヤ10と非装着タイヤ12とを仕切るためのしきい値が決定されるようにするのである。車両の走行状態におけるタイヤの状態は、走行環境等によって異なるため、実際に車両が走行している状態においてしきい値を決定することが望ましい。また、車両の走行距離が設定距離に達した場合等、装着タイヤ10の状態と非装着タイヤ12の状態との間に顕著な差が生じる状態で、換言すれば、実際に非装着タイヤの識別が行われる状態(例えば、上記実施形態におけるスペアタイヤ識別条件が満たされた状態)において決定されるようにすることが望ましい。
図26のフローチャートで表されるしきい値決定プログラムは、製造された車両の走行が開始される場合に実行される。S250において走行中であるかそうかが判定される。走行中である場合には、S251において、各タイヤの温度、温度変化量が検出される。そして、S252において、走行距離が設定距離に達したか否かが判定される。設定距離に達する以前においては、温度、温度変化量が検出されるのであるが、設定距離に達した場合には、S253において、それまでに検出された情報に基づいて、しきい値が求められる。
このように決められたしきい値に基づいてスペアタイヤが検出される。例えば、S253におけるしきい値ΔTsが決定され、その決定されたしきい値ΔTsに基づいてスペアタイヤの識別が行われる。しきい値がこのように決定されれば、装着タイヤと非装着タイヤとの識別精度を向上させることができる。
受信制御装置74のうちのしきい値決定プログラムを記憶する部分、実行する部分等によりしきい値決定部が構成され、その決定された値に基づいてスペアタイヤを識別する部分(例えば、S253のしきい値ΔTsをしきい値決定部によって決定された値とした場合の図5のフローチャートで表されるスペアタイヤ識別ルーチンを記憶する部分、実行する部分等)によりしきい値依拠非装着タイヤ情報検出部が構成される。
また、しきい値は、イグニッションスイッチ76がOFF状態からON状態に切り換わる毎に決定されるようにしたり、予め定められた設定時間毎(例えば、1ヶ月、2ヶ月等)決定されるようにしたり、予め定められた設定走行回数毎に決定されるようにしたり、総走行距離が予め定められた複数の互いに異なる設定距離に達する毎に決定されるようにしたりすることができる。これらの場合には、すでに決められているしきい値が修正されることになる。
本実施形態においては、走行開始からの走行距離が設定距離に達した場合にしきい値が決定されるようにされていたが、走行開始からの経過時間が設定時間に達した場合に決定されるようにすることもできる。いずれにしても、タイヤの累積荷重等のタイヤの負荷が設定負荷以上になった場合等、装着タイヤ10と非装着タイヤ12とを仕分けするのに適した状態になった場合に決定されるようにする。
また、識別情報を予め記憶しておくことは不可欠ではない。各タイヤの温度や温度変化等の状態量を検出し、4つのタイヤと1つのタイヤとに分けるのに適した値をしきい値とすることができる。
さらに、温度や温度変化のしきい値に限らず、作用力、振動、形態のしきい値も同様に決定することができる。
次に、車両制御装置80における制御について説明する。車両制御装置80が受信制御装置74に空気圧情報要求信号を出力すると、受信制御装置74は、装着タイヤ10の空気圧を表す空気圧情報を出力する。車両制御装置80は、それに基づいて車両制御アクチュエータを制御する。受信制御装置74は、スペアタイヤ12の空気圧情報を出力することはないため、車両制御装置80は、スペアタイヤ12の空気圧に基づいて車両の走行状態を制御することはない。
タイヤ状態としての空気圧に基づく車両制御には、例えば、タイヤ状態に基づくサスペンション装置の制御、操舵装置の制御、制動装置の制御、駆動装置の制御、駆動伝達装置の制御等が該当する。それらの制御において、空気圧が主入力として使用される場合と、補助入力として使用される場合とがある。前者は、制御目標値が直接空気圧に基づいて決定される場合等であり、後者は、制御目標値は車両の走行状態等の主入力に基づいて決定され、その制御目標値が補助入力としての空気圧に基づいて変更されたり、制御開始しきい値が変更されたり、制御規則が変更されたりする等の場合である。
空気圧が主入力として使用される制御には、例えば、空気圧が設定圧より低い場合に、サスペンション装置において、ショックアブソーバの減衰特性を強くするサスペンション制御、左右輪の空気圧差に起因するヨーモーメントを後輪舵角の制御により抑制する後輪舵角制御等が該当する。
また、空気圧が補助入力として使用される制御には、例えば、旋回中にアンダステア傾向やオーバステア傾向が強い場合に、各輪の制動力の制御により、アンダステア傾向やオーバステア傾向を抑制するビークルスタビリティ制御において、空気圧が低い場合は高い場合より、制御に起因してタイヤに作用する力を小さめに抑えるために、制御が開始され易くする(開始条件を変更する)制御等が該当する。
なお、空気圧が低いタイヤが車体の前後左右のいずれの位置にあるかが特定されればよいが、特定されない場合には、すべてのタイヤの空気圧が低いと仮定した制御が行われるようにすることができる。また、例えば、車両制御装置80において、車両の状態と空気圧が低いタイヤが1つ以上あることとに基づいて空気圧が低いタイヤの位置が推定されるようにして、その推定されたタイヤの位置に応じて車両制御が行われるようにすることもできる。以下、タイヤ状態としての空気圧に基づく車両制御について簡単に説明する。
車両制御装置80、車両制御アクチュエータ82は、例えば、各車輪の制動力を制御する制動力制御装置、各車輪の制動力を個別に制御可能な制動力制御アクチュエータとすることができる。制動力制御アクチュエータは、タイヤと一体的に回転する回転体に摩擦係合部材を押し付ける場合の押付力を制御可能な押付力制御アクチュエータとすることができる。押付力制御アクチュエータは、摩擦係合部材を液圧で押し付ける液圧制動装置における液圧を制御可能な液圧制御弁を含むものであっても、摩擦係合部材を電動モータの押圧力で押し付ける電動制動装置における電動モータを流れる電流を制御可能な駆動回路を含むものであってもよい。
制動中に、各車輪のスリップ率がブレーキ操作部材の操作状態に基づいて決まる目標スリップ率に近づくように押付力が制御される場合において、目標スリップ率が、空気圧が低い場合は高い場合より低めに設定される。それによって、空気圧差に起因する車両のヨーモーメントを抑制することができる。
この場合において、空気圧が低いタイヤの位置が装着タイヤ10のうちのいずれの位置にあるものかが特定されない場合には、すべてのタイヤについて目標スリップ率が低めに設定されるようにすることができる。なお、本実施形態においては、車両状態検出装置83が、ブレーキ操作部材の操作状態を検出する操作状態検出装置を含むものとすることができる。
また、旋回中に、車両の実際の旋回状態が限界状態を越えた場合にドリフトアウト傾向やスピン傾向を抑制するビークルスタビリティ制御において、制御開始のしきい値が、空気圧が低いタイヤが少なくとも1つある場合にはそうでない場合より小さい値に設定される。それによって、空気圧が低い場合は高い場合より早めに制御が開始されることになり、タイヤに加わる荷重を小さくすることができる。本実施形態においては、車両状態検出装置83が、車両の旋回状態を検出するヨーレイトセンサ、横Gセンサ、ステアリングホイールの操舵角センサ、舵角センサ等の少なくとも1つを含むものとすることができる。これらに基づけば、旋回方向も検出することができる。
車両制御装置80、車両制御アクチュエータ82は、また、後輪の舵角を制御する後輪舵角制御装置、後輪舵角制御アクチュエータとすることができる。後輪は、電動モータの作動により転舵させられるものであっても、液圧により転舵させられるものであってもよい。後輪舵角が、空気圧差に起因するヨーモーメントが抑制されるように制御される。例えば、駆動中において駆動輪に空気圧差が生じた場合には、空気圧が低い方の車輪が旋回外側となるヨーモーメントが生じ、非駆動輪に空気圧差が生じた場合には、空気圧が低い方の車輪が旋回内側となるヨーモーメントが生じる。したがって、これらヨーモーメントを抑制する方向に後輪が転舵されるのであり、その舵角が、ヨーモーメントが大きい場合は小さい場合より、すなわち、左右空気圧差が大きい場合は小さい場合より大きくされる。
この場合において、例えば、駆動中に少なくとも1輪のタイヤの空気圧が低いことが検出された場合において、ステアリングホイールがほぼ中立位置にあるにもかかわらず車両が旋回している場合には、タイヤの空気圧が低いことに起因してヨーモーメントが生じたことがわかる。本実施形態においては、車両状態検出装置83が、ヨーレイトセンサ、横Gセンサ、操舵角センサ等の少なくとも1つを含むものとすることができる。また、車両の状態としての駆動装置の状態を表す情報が車両の駆動装置から供給される。
また、後輪を、ステアリングホイールの操舵量と車速とに基づいて決まる舵角だけ転舵させる制御において、後輪の空気圧が低い場合は高い場合より、後輪の転舵速度が小さくされるようにすることもできる。空気圧が低いタイヤに急激に大きな荷重に加わることは望ましくないからである。
なお、空気圧が低い車輪が後輪であるかどうかが特定されない場合には、空気圧が低い車輪がある場合には、転舵速度が小さめにされるようにすることができる。
車両制御装置80,車両制御アクチュエータ82は、さらに、操舵部材に加えられる操舵力を助勢する操舵力助勢装置(パワーステアリング装置)における助勢力を制御する助勢力制御装置、その助勢力を制御可能な助勢力制御アクチュエータとすることができる。パワーステアリング装置は、電動モータによって助勢力を加えるものであっても、液圧によって助勢力を加えるものであってもよい。非駆動輪が操舵輪である場合には、空気圧が低い方の車輪が旋回内側となる方向にヨーモーメントが生じるため、空気圧が高い方の車輪と運転者の意図する旋回方向とが一致する場合には、助勢力を大きくし、逆の場合には助勢力を小さくする。それによって、車両の旋回状態を運転者の意図する状態とすることができる。運転者の意図する旋回方向は、ステアリングホイールの操舵方向に基づいて取得することができる。
車両制御装置80,車両制御アクチュエータ82は、また、サスペンション制御装置、サスペンション制御アクチュエータ(例えば、減衰特性調節装置)とすることができる。空気圧が低いタイヤに対応するショックアブソーバの減衰特性を強い特性(ロール剛性が大きくなる特性)にすることができる。それによって、空気圧が低いことに起因する乗り心地の悪化を抑制し、ロール剛性を適切な大きさにすることができる。
この場合において、空気圧が低い車輪の位置は、前述のように、車両の状態に基づいて推定することができる。なお、空気圧の低下に起因して車高が低くなっている場合には、車高調節装置により、車体を高くすることもできる。
車両制御装置80,車両制御アクチュエータ82は、さらに、駆動制御装置や駆動伝達制御装置、駆動装置における駆動制御アクチュエータや駆動伝達装置における駆動伝達制御アクチュエータとすることができる。駆動輪の空気圧が低い場合には、その空気圧が低い駆動輪に伝達される駆動トルクの急激な増加が抑制されるようにする。
なお、空気圧が低い車輪が駆動輪であるかことが特定されない場合にも、駆動トルクの急激な増加が抑制されるようにすることができる。
いずれにしても、車両制御装置80にスペアタイヤ12の空気圧情報が出力されることがないため、スペアタイヤ12の空気圧情報に基づいて車両制御が行われることはない。
また、スペアタイヤ12を、電磁波シールド部材によって覆われた状態で車載することもできる。この場合には、受信装置78にスペアタイヤから送信されたタイヤ情報が受信されることがないのであり、受信制御装置74においてスペアタイヤ12からのタイヤ情報が処理されることがない。
図27に示すように、スペアタイヤ12がラッゲージスペースに載せられる場合には、ラッゲージスペース内に設けられた凹部(電磁波シールド材料で成形された)200内にスペアタイヤ12を収納して、電磁波シールド材料で成形された蓋202で覆う。蓋202は、例えば、樹脂等の基材に導電体材料を包含させて成形したり、導電体材料で成形したりすることによって製造することができる。その結果、スペアタイヤ12から送信される電磁波が外部に放射されることを阻止することができる。本実施形態においては、これら凹部200,蓋202等によって非装着タイヤ情報隔離装置としての非装着タイヤ情報受信阻止装置が構成される。
なお、本実施形態においては、受信装置78によって装着タイヤの数(本実施形態においては、前後左右にそれぞれ位置するタイヤの数で4)のタイヤ情報が受信できれば、すべての情報を受信できたとすることができる。また、非装着タイヤと装着タイヤとを区別するためのプログラムを実行する必要がなくなるという利点がある。
図30のフローチャートで表されるタイヤ情報処理プログラムにおいて、S302において、受信できた情報数が設定数4であるかどうかが判定される。受信できた情報数が設定数4である場合には、S303,304において、各々の情報について、空気圧が設定圧より低いかどうか、温度が設定温度より高いかどうかが判定される。空気圧あるいは温度が異常である場合には、S305において警報フラグがセットされ、空気圧や温度が正常である場合には、S306において警報フラグがリセットされる。また、S307において、トライ回数が0にリセットされる。
受信できた情報数が設定数より少ない場合には、S302における判定がNOとなって、S308,309において、トライ回数が1増加され、トライ回数が設定回数以上になったかどうかが判定される。設定回数より少ない場合には、再トライされるが、設定回数に達した場合には、トライ回数が0にリセットされる。警報フラグは変更されることなく、前回の検出結果のままである。
なお、S302,308.309のステップは不可欠ではない。受信制御装置74において取得されるタイヤ情報は、必ず装着タイヤ10のタイヤ情報だからであり、空気圧に応じて警報フラグがセットされたり、リセットされたりすればよい。
また、図28、29に示すように、スペアタイヤ12が車体の後部または下部に車載される場合には、スペアタイヤ12が電磁波シールド部材210,212によって覆われるようにすることができる。
スペアタイヤ12は、取付装置によって車体に固定されるのであるが、電磁波シールド部材210,212を介して固定されても、直接固定されてもよい。電磁波シールド部材210,212は容器状のものであってもシート状のものであってもよい。シート状のものである場合には、布等の基材に導電性材料のコーティングを施したり、導電性材料を含む繊維を織ったりして製造することができる。また、シート状のものである場合には、スペアタイヤ12が直接固定される場合において、その固定された状態で被せることができる。
なお、電磁波シールド材は、電磁波の放射をほぼ完全に遮断し得るものとすることができるが、それに限らない。例えば、放射される電磁波を減衰させるものであってもよい。いずれにしても車輪側装置20から放射される電磁波が受信アンテナ70に届かないようにすればよいのである。
さらに、空気圧センサ30は、ホイールのタイヤのバルブに対応する部分に設けられることが多いが、それに限らない。例えば、タイヤ自体に埋め込まれるようにしたり、タイヤの内部(中空部)に設けられたりすることができる。タイヤのビード部、サイドウォール部、トレッド部等に設けられるようにすることができるのである。
また、タイヤ情報処理プログラム、スペアタイヤ識別ルーチンは一例であり、本発明は、タイヤ情報に基づいて装着タイヤ10からの情報と非装着タイヤ12からの情報とを区別可能なプログラムに適用することができる。また、報知装置72を設けることは不可欠ではない。さらに、空気圧に基づいて車両制御が行われるようにすることも不可欠ではない。また、本発明は、普通乗用車に限らず、トラック、トレーラ等の大型車に適用することもできる。
その他、本発明は、前述に記載の態様の他、当業者の知識に基づいて種々の変更、改良を施した態様で実施することができる。
本発明の一実施形態であるタイヤ情報処理装置が搭載された車両全体を概念的に表す図である。 上記タイヤ情報処理装置を表すブロック図である。 タイヤ情報を概念的を表す図である。 上記タイヤ情報処理装置に含まれる車体側装置の受信制御装置の記憶部に格納されたタイヤ情報処理プログラムを表すフローチャートである。 上記タイヤ情報処理プログラムの一部を表すフローチャートである。 上記記憶部に格納された報知装置制御プログラムを表すフローチャートである。 タイヤの温度変化を表す図である。 本発明の別の一実施形態であるタイヤ情報処理装置を表すブロック図である。 タイヤの振動状態を示す図である。 本発明の別の一実施形態であるタイヤ情報処理装置に含まれる車体側装置の受信制御装置の記憶部に格納されたタイヤ情報処理プログラムの一部を表すフローチャートである。 車両の走行状態におけるタイヤの温度の変化状態と外気温度の変化状態とを表す図である。 本発明のさらに別の一実施形態であるタイヤ情報処理装置が搭載された車両の車輪に含まれるタイヤの温度変化を表す図である。 上記タイヤ情報処理装置に含まれる車体側装置の受信制御装置の記憶部に格納されたタイヤ情報処理プログラムの一部を表すフローチャートである。 本発明の別の一実施形態であるタイヤ情報処理装置が搭載された車両の車輪に含まれるタイヤの空気圧の変化を表す図である。 上記タイヤ情報処理装置に含まれる車体側装置の受信制御装置の記憶部に格納されたタイヤ情報処理プログラムの一部を表すフローチャートである。 本発明のさらに別の一実施形態であるタイヤ情報処理装置に含まれる車体側装置の受信制御装置の記憶部に格納されたタイヤ情報処理プログラムの一部を表すフローチャートである。 上記タイヤ情報処理装置が搭載された車両において、タイヤが交換される前後の状態を示す図である。 本発明の別の一実施形態であるタイヤ情報処理装置に含まれる車体側装置の受信制御装置の記憶部に格納されたタイヤ情報処理プログラムの一部を表すフローチャートである。 上記タイヤ情報処理装置によって制御された報知装置の作動状態を示す図である。 本発明のさらに別の一実施形態であるタイヤ情報処理装置の受信制御装置の記憶部に格納された報知装置制御プログラムを示すフローチャートである。 本発明の別の一実施形態であるタイヤ情報処理装置に含まれる報知装置を概念的に示す図である。 本発明のさらに別の一実施形態であるタイヤ情報処理装置に含まれる報知装置を概念的に示す図である。 本発明の別の一実施形態であるタイヤ情報処理装置に含まれる報知装置を概念的に示す図である。(a)報知装置がディスプレーを含む場合(b)報知装置が複数のランプを含む場合 本発明のさらに別の一実施形態であるタイヤ情報処理装置に含まれる報知装置の作動状態を概念的に示す図である。 本発明の別の一実施形態であるタイヤ情報処理装置が搭載された車両におけるタイヤの温度と走行距離との関係を示す図である。 上記タイヤ情報処理装置に含まれる車体側装置の受信制御装置の記憶部に格納されたしきい値決定プログラムを表すフローチャートである。 本発明の別の一実施形態であるタイヤ情報処理装置が搭載された車両において、スペアタイヤが車内に収納された状態を概念的に示す模式図である。 上記タイヤ情報処理装置が搭載された別の車両において、スペアタイヤが車体の後側に格納された状態を概念的に示す図である。 上記タイヤ情報処理装置が搭載されたさらに別の車両において、スペアタイヤが車体の床下に格納された状態を概念的に示す図である。 上記タイヤ情報処理装置の受信制御装置の記憶部に格納されたタイヤ状態情報取得プログラムを示すフローチャートである。
符号の説明
30空気圧センサ 32温度センサ
34送信アンテナ 36タイヤ情報作成装置
50タイヤ情報 54識別情報
56空気圧情報 58タイヤ温度情報
70受信アンテナ 72報知装置
74受信制御装置 102作用力センサ
104振動センサ 106形態センサ
112外気温センサ 116リセットスイッチ
202蓋
210,212電磁波シールド部材

Claims (6)

  1. 車両に装着された装着タイヤと装着されることなく車載された非装着タイヤとを含む複数のタイヤの各々に設けられ、(a)タイヤの状態を検出するタイヤ状態検出装置と、(b)そのタイヤ状態検出装置によって検出されたタイヤ状態を表すタイヤ状態情報を含む一連のタイヤ情報を送信する送信装置と、
    車体に設けられ、(c)前記複数の送信装置各々から送信されるタイヤ情報を受信する受信装置と、(d)その受信装置によって受信されたタイヤ情報のうち、前記装着タイヤから送信されたタイヤ情報に含まれる空気圧情報を外部装置に出力し、前記非装着タイヤからのタイヤ情報に含まれる空気圧情報を出力しない空気圧対応出力制御装置と
    を含むことを特徴とするタイヤ情報処理装置。
  2. 前記外部装置が、車両制御アクチュエータを前記装着タイヤの空気圧に基づいて制御する車両制御装置を含む請求項1に記載のタイヤ情報処理装置。
  3. 車両に装着された装着タイヤと装着されることなく車載された非装着タイヤとを含む複数のタイヤの各々に設けられ、(a)タイヤの状態を検出するタイヤ状態検出装置と、(b)そのタイヤ状態検出装置によって検出されたタイヤ状態を表すタイヤ状態情報を含む一連のタイヤ情報を送信する送信装置と、
    車体に設けられ、(c)前記複数の送信装置各々から送信されるタイヤ情報を受信する受信装置と、(d)その受信装置によって受信されたタイヤ情報に基づいて、その受信されたタイヤ情報が前記非装着タイヤから送信されたものであるか否かを検出する非装着タイヤ情報検出部と、(b)その非装着タイヤ情報検出部によって前記非装着タイヤ情報を検出可能な場合と検出不能な場合とで、異なる態様で、前記受信装置によって受信されたタイヤ情報を処理するタイヤ情報処理部と
    を含むことを特徴とするタイヤ情報処理装置。
  4. 前記タイヤ情報処理部が、前記非装着タイヤ情報検出部によって非装着タイヤ情報を検出不能な場合に、非装着タイヤから送信されたタイヤ情報と装着タイヤから送信されたタイヤ情報とを区別することなく同様に処理し、検出可能な場合に、前記装着タイヤから送信されたタイヤ情報と前記非装着タイヤから送信されたタイヤ情報とを区別して処理する請求項3に記載のタイヤ情報処理装置。
  5. 車両に装着された装着タイヤと装着されることなく車載された非装着タイヤとを含む複数のタイヤの各々に設けられ、(a)タイヤの状態を検出するタイヤ状態検出装置と、(b)そのタイヤ状態検出装置によって検出されたタイヤ状態を表すタイヤ状態情報を含む一連のタイヤ情報を送信する送信装置と、
    車体に設けられ、(c)前記複数の送信装置各々から送信されるタイヤ情報を受信する受信装置と、(d)その受信装置によって受信されたタイヤ情報に含まれるタイヤ状態情報が異常であるか否かを検出する異常検出部と、(e)その異常検出部による検出結果を、装着タイヤに関するものと非装着タイヤに関するものとで、互いに異なる態様で、音と音声との少なくとも一方により運転者に報知する報知装置と
    を含むことを特徴とするタイヤ情報処理装置。
  6. 前記タイヤ状態情報が、タイヤの回転加速度を表す情報を含み、当該タイヤ情報処理装置が、車体に設けられ、前記受信装置によって受信されたタイヤ情報に含まれるタイヤ状態情報に基づいて、その受信されたタイヤ情報が、非装着タイヤから送信されたものであるか否かを検出する非装着タイヤ情報検出部を含む請求項1ないし5のいずれか1つに記載のタイヤ情報処理装置。
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