JP2005212669A - タイヤ異常検出装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】 空気温度,空気圧を用いてタイヤ異常を確実に検出する。
【解決手段】 リムに温度センサ,圧力センサを取り付け、タイヤ内の空気温度,空気圧を検出する。イグニッションスイッチON後、車両が設定停止時間以上、停止している低温定常状態と、走行開始後、空気温度の変化勾配がほぼ一定の高温定常状態とにおいてそれぞれ、タイヤの正常な状態における定常状態での空気温度と空気圧との関係を取得する。車両走行中、検出空気温度,検出空気圧,温度・圧力関係に基づいて空気圧が上限線,下限線から外れているか判定し、外れていれば更に、空気温度増分に対する空気圧増分の比を設定比と比較し、異常内容を求める。タイヤの主発熱部から温度センサまでの温度伝達の遅れ等により、実際の空気温度が急に上昇しても検出値が低いが、空気圧の上昇により温度上昇を推定し、バースト発生を予測する。タイヤの空気漏れ,膨らみ発生も推定し得る。
【選択図】 図9
【解決手段】 リムに温度センサ,圧力センサを取り付け、タイヤ内の空気温度,空気圧を検出する。イグニッションスイッチON後、車両が設定停止時間以上、停止している低温定常状態と、走行開始後、空気温度の変化勾配がほぼ一定の高温定常状態とにおいてそれぞれ、タイヤの正常な状態における定常状態での空気温度と空気圧との関係を取得する。車両走行中、検出空気温度,検出空気圧,温度・圧力関係に基づいて空気圧が上限線,下限線から外れているか判定し、外れていれば更に、空気温度増分に対する空気圧増分の比を設定比と比較し、異常内容を求める。タイヤの主発熱部から温度センサまでの温度伝達の遅れ等により、実際の空気温度が急に上昇しても検出値が低いが、空気圧の上昇により温度上昇を推定し、バースト発生を予測する。タイヤの空気漏れ,膨らみ発生も推定し得る。
【選択図】 図9
Description
本発明はタイヤ異常検出装置に関するものであり、特に、タイヤの空気圧および空気温度を用いた異常検出に関するものである。
タイヤ異常検出装置は、例えば、特許文献1ないし3に記載されているように既に知られている。例えば、特許文献1に記載のタイヤ異常検出装置においては、圧力センサおよび温度センサがタイヤ内に設けられ、それぞれタイヤ内の空気圧およびタイヤ内の空気温度を検出し、各検出値をそれぞれ判定値と比較してタイヤ異常を検出するようにされている。検出された空気圧は予め設定された異常判定圧力と比較される。異常判定圧力は、タイヤから空気が抜けたことを検出し得る大きさに設定されており、検出された空気圧が異常判定圧力より低いのであれば、タイヤから空気が抜けていると判定される。また、検出された空気温度は予め設定された異常判定温度と比較される。この異常判定温度は、タイヤがパンクする際に生じるタイヤ内の急激な温度上昇を検出する大きさに設定されており、検出された空気温度が異常判定温度より大きいのであれば、タイヤがパンクする恐れがあると判定される。いずれの場合にも異常が検出されれば、異常内容が運転者に報知される。
特開2000−355203号公報
特開2001−74588号公報
特開2003−246211号公報
しかしながら、特許文献1に記載のタイヤ異常検出装置においては、タイヤの検出された空気圧と空気温度とがそれぞれ別々に判定値と比較されるため、タイヤの異常を検出することができない場合がある。例えば、タイヤ内の温度センサにより温度が検出される温度検出部と、タイヤの最も温度が高くなる箇所である主発熱部とが離れていて、主発熱部から温度検出部への熱伝達の遅れにより空気温度の検出に遅れが生ずれば、主発熱部の温度が実際にはバーストが発生する恐れがあるほど上昇していることを検出することができないことがあるのである。
本発明は、以上の事情を背景として為されたものであり、空気圧と空気温度との両方を用いてタイヤの異常を確実に検出することができるタイヤ異常検出装置を提供することを課題とする。
本発明は、以上の事情を背景として為されたものであり、空気圧と空気温度との両方を用いてタイヤの異常を確実に検出することができるタイヤ異常検出装置を提供することを課題とする。
上記の課題を解決するために、本発明に係るタイヤ異常検出装置は、 (a)タイヤの実際の空気温度を検出する温度センサと、 (b)前記タイヤの実際の空気圧を検出する圧力センサと、 (c)前記タイヤの正常な状態における空気温度と空気圧との関係を記憶する温度・圧力関係記憶部と、 (d)前記温度センサと前記圧力センサとにより検出された空気温度と空気圧との組合わせの、前記温度・圧力関係からの外れに基づいて、前記タイヤの異常を判定する異常判定部とを含むことを特徴とする。
タイヤに異常が生ずれば、温度センサと圧力センサとにより検出される空気温度と空気圧との関係が、タイヤの正常な状態における空気温度と空気圧との関係とは大きく異なる関係となることからタイヤに異常が生じたことがわかる。
温度センサと圧力センサとにより検出される空気温度と空気圧との関係が、タイヤの温度が上昇あるいは低下しつつある過渡状態においても一義的に定まる場合(例えば、温度センサによる空気温度の検出に遅れがない場合)には、温度・圧力関係記憶部に記憶される空気温度と空気圧との関係は、過渡状態におけるものであっても差し支えない。
それに対し、タイヤの主発熱部と、温度センサがタイヤ内の空気の温度を検出する検出部とが離れている等により、温度検出に遅れがある場合には、空気温度と空気圧との関係を記憶する温度・圧力関係記憶部が、定常状態における温度・圧力関係を記憶するものとされることが望ましい。温度検出に遅れがある場合に、温度センサにより検出された空気温度が低いのに対し、同時期に圧力センサにより検出された空気圧が異常に高いのであれば、検出された空気温度と空気圧との組合わせは、タイヤの正常かつ定常な状態における温度・圧力関係から大きく外れることとなり、タイヤ異常が検出される。空気温度あるいは空気圧が、その一方のみでは正常と判定される大きさであっても、組み合わせることにより異常を検出することができる場合があるのである。
また、検出された空気温度と空気圧との組合わせの、温度・圧力関係からの外れ具合に基づいて、タイヤの異常検出に加えて、異常内容を推定することもできる。
温度センサと圧力センサとにより検出される空気温度と空気圧との関係が、タイヤの温度が上昇あるいは低下しつつある過渡状態においても一義的に定まる場合(例えば、温度センサによる空気温度の検出に遅れがない場合)には、温度・圧力関係記憶部に記憶される空気温度と空気圧との関係は、過渡状態におけるものであっても差し支えない。
それに対し、タイヤの主発熱部と、温度センサがタイヤ内の空気の温度を検出する検出部とが離れている等により、温度検出に遅れがある場合には、空気温度と空気圧との関係を記憶する温度・圧力関係記憶部が、定常状態における温度・圧力関係を記憶するものとされることが望ましい。温度検出に遅れがある場合に、温度センサにより検出された空気温度が低いのに対し、同時期に圧力センサにより検出された空気圧が異常に高いのであれば、検出された空気温度と空気圧との組合わせは、タイヤの正常かつ定常な状態における温度・圧力関係から大きく外れることとなり、タイヤ異常が検出される。空気温度あるいは空気圧が、その一方のみでは正常と判定される大きさであっても、組み合わせることにより異常を検出することができる場合があるのである。
また、検出された空気温度と空気圧との組合わせの、温度・圧力関係からの外れ具合に基づいて、タイヤの異常検出に加えて、異常内容を推定することもできる。
以下に、本願において特許請求が可能と認識されている発明(以下、「請求可能発明」という場合がある。請求可能発明は、少なくとも、請求の範囲に記載された発明である「本発明」ないし「本願発明」を含むが、本願発明の下位概念発明や、本願発明の上位概念あるいは別概念の発明を含むこともある。)の態様をいくつか例示し、それらについて説明する。各態様は請求項と同様に、項に区分し、各項に番号を付し、必要に応じて他の項の番号を引用する形式で記載する。これは、あくまでも請求可能発明の理解を容易にするためであり、請求可能発明を構成する構成要素の組み合わせを、以下の各項に記載されたものに限定する趣旨ではない。つまり、請求可能発明は、各項に付随する記載,実施例の記載等を参酌して解釈されるべきであり、その解釈に従う限りにおいて、各項の態様にさらに他の構成要素を付加した態様も、また、各項の態様から構成要素を削除した態様も、請求可能発明の一態様となり得るのである。
なお、以下の各項において、 (1)項が請求項1に相当し、 (2)項が請求項2に、 (3)項が請求項3に、 (4) 項と (5)項とを合わせたものが請求項4に、(11)項が請求項5に、(13)項が請求項6にそれぞれ相当する。
(1) タイヤの実際の空気温度を検出する温度センサと、
前記タイヤの空気圧を検出する圧力センサと、
前記タイヤの正常な状態における空気温度と空気圧との関係を記憶する温度・圧力関係記憶部と、
前記温度センサと前記圧力センサとにより検出された空気温度と空気圧との組合わせの、前記温度・圧力関係からの外れに基づいて、前記タイヤの異常を判定する異常判定部と
を含むタイヤ異常検出装置。
(2)前記温度・圧力関係記憶部が記憶するのが、前記タイヤの正常な状態における定常状態の空気温度と空気圧との関係である (1)項に記載のタイヤ異常検出装置。
(3)前記タイヤの前記一つ以上の定常状態における前記温度センサと前記圧力センサとの検出値に基づいて、前記温度・圧力関係を取得する温度・圧力関係取得部を含む (2)項に記載のタイヤ異常検出装置。
タイヤの正常な状態における定常状態が一つ得られれば、その状態において検出された空気温度と空気圧とから温度・圧力関係を取得することができる場合がある。
(4)前記温度・圧力関係取得部が、前記タイヤの空気温度を異にする複数の定常状態における前記温度センサと前記圧力センサとの検出値に基づいて、前記温度・圧力関係を取得する複数点依拠温度・圧力関係取得部を含む (3)項に記載のタイヤ異常検出装置。
本項のタイヤ異常検出装置によれば、定常状態が複数得られ、それら複数の定常状態の各々において検出された空気温度および空気圧に基づいて、温度・圧力関係を取得することができる。
(5)前記複数の定常状態が、
前記タイヤを備えた車両の停止状態が続き、前記空気温度が定常状態まで低下した低温定常状態と、
前記車両の走行状態が続き、前記空気温度が定常状態まで上昇した高温定常状態と
を含む (4)項に記載のタイヤ異常検出装置。
定常状態においては、空気温度が大きくなるほど空気圧も大きくなる。そのため、低温定常状態と高温定常状態とにおいては、それぞれ検出される空気温度が大きく異なるとともに、空気圧も大きく異なり、差が小さい2つの定常状態における空気温度および空気圧に基づく場合より、検出誤差の影響が少なく、温度・圧力関係を正確に取得することができる。また、低温定常状態は、通常の車両において特に生じ易い定常状態であり、高温定常状態も比較的生じ易い定常状態である。
低温定常状態や高温定常状態における空気温度は、外気温度や路面温度と共に変化する。そのため、低温定常状態および高温定常状態は、それら外気温度等の変化に応じて取得されるようにすることが望ましい。
(6)前記タイヤが前記定常状態にあることを検出する定常状態検出部を含む (2)項ないし (5)項のいずれかに記載のタイヤ異常検出装置。
定常状態検出部を設ければ、タイヤが定常状態に達したことを検出することができ、その時点におけるタイヤ内の温度や圧力を定常状態の値として取得することができる。
定常状態検出部は、タイヤ内の空気温度に基づいて定常状態を検出する空気温度依拠定常状態検出部としたり、タイヤの空気圧に基づいて定常状態を検出する空気圧依拠定常状態検出部とすることができる。定常状態においては、タイヤの空気温度が大きくなるほど空気圧も大きくなるからである。
タイヤの空気圧に基づいて定常状態を検出する場合、例えば、空気温度に基づく場合と同様に定常状態を検出することができる。複数の定常状態を検出したり、圧力センサにより検出された空気圧の時間に対する変化勾配,車両停止時間,車両走行時間に基づいて定常状態を検出したりするのである。定常状態を複数検出する場合、例えば、空気圧が定常状態まで低下した低圧定常状態や、定常状態まで上昇した高圧定常状態が検出される。空気圧依拠定常状態検出部は、例えば、変化勾配依拠定常状態検出部としての圧力勾配依拠定常状態検出部を含むものとされたり、停止時間依拠定常状態検出部としての停止時間依拠低圧定常状態検出部を含むものとされたり、走行時間依拠定常状態検出部としての走行時間依拠高圧定常状態検出部を含むものとされたりする。
(7)前記定常状態検出部が、前記温度センサにより検出された空気温度の時間に対する変化勾配の絶対値が設定勾配以下である場合に、タイヤが定常状態にあることを検出する温度勾配依拠定常状態検出部を含む (6)項に記載のタイヤ異常検出装置。
温度勾配依拠定常状態検出部は、例えば、空気温度の低下勾配が負の設定勾配以上となった場合に低温定常状態になったと判定するものとしたり、空気温度の上昇勾配が正の設定勾配以下となった場合に高温定常状態になったと判定するものとしたりすることができる。
車両が走行すれば、タイヤの弾性変形や路面との摩擦等によりタイヤの温度が上昇し、タイヤ内の空気温度が上昇するが、タイヤの温度上昇に伴って放熱量も増大し、空気温度の上昇がやがて止まる。したがって、空気温度の上昇勾配が正の設定値以下になった場合に、タイヤが高温定常状態になったとすることができる。また、車両が停止すれば、タイヤの温度が低下し、空気温度も低下するが、やがて下げ止まり、変化が小さくなる。したがって、空気温度の時間に対する低下勾配が負の設定値以上になった場合に、タイヤが低温定常状態になったとすることができる。変化勾配の絶対値を設定値と比較すれば、低温定常状態に達したことも、高温定常状態に達したことも検出することができる。ただし、本項の定常状態検出部は、低温定常状態と高温定常状態とを共に検出するものであることは不可欠ではなく、少なくとも一方を検出するものであればよい。
(8)前記定常状態検出部が、前記タイヤを備えた車両が設定停止時間以上停止し続けたことに基づいて、前記タイヤの低温定常状態を検出する停止時間依拠低温定常状態検出部を含む (6)項または (7)項に記載のタイヤ異常検出装置。
車両停止時にはタイヤは回転せず、車両が走行状態から停止したのであれば、タイヤ温度は低下し、停止状態の継続につれてタイヤ内の空気温度は低下し続ける。車両が設定停止時間以上停止し続ければ、タイヤの空気温度は低温でほぼ一定となり、低温定常状態にあるとすることができる。
(9)前記定常状態検出部が、前記タイヤを備えた車両が設定走行時間以上走行し続けたことに基づいて、前記タイヤの高温定常状態を検出する走行時間依拠高温定常状態検出部を含む (6)項ないし (8)項のいずれかに記載のタイヤ異常検出装置。
車両走行時にはタイヤが弾性変形し、また路面と摩擦して、タイヤ温度、ひいては内部の空気温度が上昇するが、やがて上昇しなくなり、あるいは変化が小さくなる。設定走行時間は、このように空気温度が上げ止まってタイヤが高温定常状態になったことを保証し得る長さに設定される。設定走行時間は、例えば、車両の平均走行速度に応じて多段階あるいは連続的に設定してもよく、走行速度とは関係なく、一定の長さに設定してもよい。
(10)前記定常状態検出部が、人により操作される操作部の操作に応じて定常状態を検出する操作対応定常状態検出部を含む (6)項ないし (9)項のいずれかに記載のタイヤ異常検出装置。
人は、車両の停止継続時間や走行継続時間に基づいて、タイヤが低温定常状態あるいは高温定常状態に達したことを推定することができる。したがって、その時期、例えば、設定時間以上の車両停止中や、設定時間以上のイグニッションスイッチOFF状態からON状態への切換え直後や、車両の走行開始後、設定時間以上が経過した頃に、操作部を操作して定常状態が検出されるようにする。また、人は操作部を任意の時点に操作することができ、例えば、走行環境の変化やタイヤ交換時等、定常状態が変わった可能性が高く、かつその変動後の定常状態にあることが推定される場合に、操作部を操作して新しい定常状態を取得させることができる。
(11)前記温度・圧力関係取得部が、人により操作される操作部の操作に応じて前記温度・圧力関係取得のための前記温度センサおよび前記圧力センサの検出値読込みを行う操作対応検出値読込部を含む (1)項に記載のタイヤ異常検出装置。
前記 (2)項ないし (9)項に記載の特徴は、本項のタイヤ異常検出装置においても採用可能である。
本項のタイヤ異常検出装置によれば、例えば、人は操作部を任意の時期に捜査して、検出値の読込みを行わせ、検出値を用いた処理が行われるようにすることができる。
(12)人により操作される操作部の操作に応じて当該タイヤ異常検出装置を初期化する初期化部を含む (1)項ないし (11)項のいずれかに記載のタイヤ異常検出装置。
操作部は前記(11)項における操作部と兼用とすることも可能であり、兼用とされた場合には、操作部の操作に応じて、初期化と検出値の読込みとの両方が行われることとなる。
(13)前記異常判定部が、前記温度センサと前記圧力センサとにより検出された空気温度と空気圧との組合わせが、前記温度・圧力関係を表す温度・圧力関係線の少なくとも片側に設定される異常判定線より出外れた場合に、前記タイヤの異常を判定するものである (1)項ないし (12)項のいずれかに記載のタイヤ異常検出装置。
温度・圧力関係線は、直線でもよく、曲線でもよく、それらの組合わせでもよい。
異常判定線を、温度・圧力関係線の両側に設定する場合、温度・圧力関係線に対して同じだけ離れて設定してもよく、異なる距離、離れて設定してもよい。
検出された空気温度と空気圧との組合わせが温度・圧力関係線近傍の組合わせであれば、タイヤは正常であり、温度・圧力関係線から大きく外れればタイヤは異常である。したがって、温度・圧力関係線の少なくとも片側に異常判定線を設定し、検出された空気温度と空気圧との組合わせが異常判定線から出外れるか否かにより、タイヤが異常であるか否かを判定することができる。
(14)前記異常判定部が、前記圧力センサにより検出された空気圧が上昇し、同時期における空気圧増分の空気温度増分に対する比の絶対値が正の第一設定比以上であって、かつ、空気温度を横軸に空気圧を縦軸に取った座標面上において、前記圧力センサにより検出された空気圧と前記温度センサにより検出された空気温度との座標が、前記温度・圧力関係線の上方に設定された前記異常判定線としての上限線を超えた場合に、バーストの発生を予測するバースト予測部を含む(13)項に記載のタイヤ異常検出装置。
本項以下の「増分」には、正の増分のみならず、負の増分も含まれる。バースト発生時には、タイヤのサイドウォール部の、トレッド部(特にショルダ部)との境界部分が発熱し、空気温度が急激に上昇するのであるが、この急上昇は温度センサによって検出されるとは限らない。温度センサを主発熱部あるいはその近くに配設することは困難であり、主発熱部から離れた位置に設けられることが多いため、主発熱部の温度急上昇の検出に遅れが生じ易い。例えば、温度センサがリム側に設けられている場合、主発熱部から離れた部分の空気温度を検出することとなるため、主発熱部の温度と検出温度とにずれが生じる。このずれは、バーストが発生するほどの温度急上昇時に特に大きくなる。また、タイヤ内の空気の温度にむらがあれば、温度センサの検出温度にもむらが生じ、さらに、温度センサが空気自体の温度ではなく、温度センサを保持する部材の温度を検出するものであれば、タイヤ内の空気の実際温度と温度センサによる検出温度とにずれが生じる。それに対し、タイヤの空気圧は検出に遅れが生じたり、むらが生じたりすることは殆どなく、主発熱部の温度が上昇してその近傍の空気温度が上昇すれば、検出空気圧も速やかに上昇する。
したがって、空気温度のみでは検出温度が低くてバースト発生を予測することができない場合でも、空気温度と空気圧とを組合わせれば、空気圧の上昇に対し、空気温度の上昇が少ない、あるいは場合によっては低下することから、バースト発生を予測することができ、検出された空気圧と空気温度との座標が上限線を超えることによりタイヤ異常が検出されるとともに、その異常の内容が取得される。
理論上は、バースト予測部が、温度センサと圧力センサとにより検出された空気温度と空気圧とが共に上昇し、同時期における空気温度増分に対する空気圧増分の比が第一設定比以上である場合に、バーストの発生を予測するものとされることが望ましい。しかし、実際上は、空気温度の変化が小さいために、例えば、検出誤差により、空気温度が実際より小さい値に検出されて増分が負になることがあり、また、温度センサの検出遅れにより、検出値が低下し、増分が負になることもある。そのため、絶対値を用いることにより、空気温度の増分がたとえ正確な値ではなくても、空気温度増分と空気圧増分との組合わせに基づいてバーストの発生が予測されるようにすることが望ましい場合が多く、本項の態様においてはそのようにされているのである。
(15)前記異常判定部が、前記圧力センサにより検出された空気圧が低下し、同時期における空気圧増分の空気温度増分に対する比の絶対値が正の第二設定比以上であって、かつ、空気温度を横軸に空気圧を縦軸に取った座標面上において、前記圧力センサにより検出された空気圧と前記温度センサにより検出された空気温度との座標が、前記温度・圧力関係線の下方に設定された前記異常判定線としての第一下限線を下まわった場合に、空気漏れの発生を推定する空気漏れ推定部を含む(13)項または(14)項に記載のタイヤ異常検出装置。
空気圧増分の空気温度増分に対する比は、(14)項において説明したように、空気温度の検出誤差等を考慮して絶対値により第二設定比と比較される。
空気漏れの発生時には、空気温度の変化が小さいのに対して空気圧が急激に低下する。そのため、空気温度増分に対する空気圧増分の比の絶対値を正の第二設定比以上であるか否かを判定することにより、空気漏れの発生を推定することができる。検出された空気圧と空気温度との座標が第一下限線を下まわることにより、タイヤ異常を検出し得るとともに、その異常の内容を推定することができるのである。
(16)前記異常判定部が、前記温度センサにより検出された空気温度が上昇し、同時期における空気温度増分に対する空気圧増分の比が第三設定比以下であって、かつ、空気温度を横軸に空気圧を縦軸に取った座標面上において、前記温度センサにより検出された空気温度と前記圧力センサにより検出された空気圧との座標が、前記温度・圧力関係線の下方に設定された前記異常判定線としての第二下限線を下まわった場合に、タイヤの膨らみの発生を推定する膨らみ推定部を含む(13)ないし(15)項のいずれかに記載のタイヤ異常検出装置。
第二下限線は、前記第一下限線と同じ線でもよく、異なる線でもよい。異なる線とする場合、第二下限線を第一下限線より上側に設定することが望ましい。タイヤの膨らみの場合、空気漏れの場合よりも空気圧の低下が小さいことが多いからである。
タイヤの膨らみは、例えば、カーカスが切れてタイヤのサイドオウォール部が膨らむことにより生じ、その場合、空気圧が低下する。そのため、空気温度の急増に対して空気圧が低下し、上昇しても僅かであることから、空気温度増分に対する空気圧増分の比を第三設定比と比較することにより、タイヤの膨らみの発生を推定することができる。空気圧増分は、負であることが多いが、正であることもあり、第三設定比は、小さい正の値か、あるいは絶対値が小さい負の値とされる。
本項のタイヤ異常検出装置によれば、検出された空気温度と空気圧との座標が第二下限線を下まわることによりタイヤ異常が検出されるとともに、異常内容が推定される。
前記タイヤの空気圧を検出する圧力センサと、
前記タイヤの正常な状態における空気温度と空気圧との関係を記憶する温度・圧力関係記憶部と、
前記温度センサと前記圧力センサとにより検出された空気温度と空気圧との組合わせの、前記温度・圧力関係からの外れに基づいて、前記タイヤの異常を判定する異常判定部と
を含むタイヤ異常検出装置。
(2)前記温度・圧力関係記憶部が記憶するのが、前記タイヤの正常な状態における定常状態の空気温度と空気圧との関係である (1)項に記載のタイヤ異常検出装置。
(3)前記タイヤの前記一つ以上の定常状態における前記温度センサと前記圧力センサとの検出値に基づいて、前記温度・圧力関係を取得する温度・圧力関係取得部を含む (2)項に記載のタイヤ異常検出装置。
タイヤの正常な状態における定常状態が一つ得られれば、その状態において検出された空気温度と空気圧とから温度・圧力関係を取得することができる場合がある。
(4)前記温度・圧力関係取得部が、前記タイヤの空気温度を異にする複数の定常状態における前記温度センサと前記圧力センサとの検出値に基づいて、前記温度・圧力関係を取得する複数点依拠温度・圧力関係取得部を含む (3)項に記載のタイヤ異常検出装置。
本項のタイヤ異常検出装置によれば、定常状態が複数得られ、それら複数の定常状態の各々において検出された空気温度および空気圧に基づいて、温度・圧力関係を取得することができる。
(5)前記複数の定常状態が、
前記タイヤを備えた車両の停止状態が続き、前記空気温度が定常状態まで低下した低温定常状態と、
前記車両の走行状態が続き、前記空気温度が定常状態まで上昇した高温定常状態と
を含む (4)項に記載のタイヤ異常検出装置。
定常状態においては、空気温度が大きくなるほど空気圧も大きくなる。そのため、低温定常状態と高温定常状態とにおいては、それぞれ検出される空気温度が大きく異なるとともに、空気圧も大きく異なり、差が小さい2つの定常状態における空気温度および空気圧に基づく場合より、検出誤差の影響が少なく、温度・圧力関係を正確に取得することができる。また、低温定常状態は、通常の車両において特に生じ易い定常状態であり、高温定常状態も比較的生じ易い定常状態である。
低温定常状態や高温定常状態における空気温度は、外気温度や路面温度と共に変化する。そのため、低温定常状態および高温定常状態は、それら外気温度等の変化に応じて取得されるようにすることが望ましい。
(6)前記タイヤが前記定常状態にあることを検出する定常状態検出部を含む (2)項ないし (5)項のいずれかに記載のタイヤ異常検出装置。
定常状態検出部を設ければ、タイヤが定常状態に達したことを検出することができ、その時点におけるタイヤ内の温度や圧力を定常状態の値として取得することができる。
定常状態検出部は、タイヤ内の空気温度に基づいて定常状態を検出する空気温度依拠定常状態検出部としたり、タイヤの空気圧に基づいて定常状態を検出する空気圧依拠定常状態検出部とすることができる。定常状態においては、タイヤの空気温度が大きくなるほど空気圧も大きくなるからである。
タイヤの空気圧に基づいて定常状態を検出する場合、例えば、空気温度に基づく場合と同様に定常状態を検出することができる。複数の定常状態を検出したり、圧力センサにより検出された空気圧の時間に対する変化勾配,車両停止時間,車両走行時間に基づいて定常状態を検出したりするのである。定常状態を複数検出する場合、例えば、空気圧が定常状態まで低下した低圧定常状態や、定常状態まで上昇した高圧定常状態が検出される。空気圧依拠定常状態検出部は、例えば、変化勾配依拠定常状態検出部としての圧力勾配依拠定常状態検出部を含むものとされたり、停止時間依拠定常状態検出部としての停止時間依拠低圧定常状態検出部を含むものとされたり、走行時間依拠定常状態検出部としての走行時間依拠高圧定常状態検出部を含むものとされたりする。
(7)前記定常状態検出部が、前記温度センサにより検出された空気温度の時間に対する変化勾配の絶対値が設定勾配以下である場合に、タイヤが定常状態にあることを検出する温度勾配依拠定常状態検出部を含む (6)項に記載のタイヤ異常検出装置。
温度勾配依拠定常状態検出部は、例えば、空気温度の低下勾配が負の設定勾配以上となった場合に低温定常状態になったと判定するものとしたり、空気温度の上昇勾配が正の設定勾配以下となった場合に高温定常状態になったと判定するものとしたりすることができる。
車両が走行すれば、タイヤの弾性変形や路面との摩擦等によりタイヤの温度が上昇し、タイヤ内の空気温度が上昇するが、タイヤの温度上昇に伴って放熱量も増大し、空気温度の上昇がやがて止まる。したがって、空気温度の上昇勾配が正の設定値以下になった場合に、タイヤが高温定常状態になったとすることができる。また、車両が停止すれば、タイヤの温度が低下し、空気温度も低下するが、やがて下げ止まり、変化が小さくなる。したがって、空気温度の時間に対する低下勾配が負の設定値以上になった場合に、タイヤが低温定常状態になったとすることができる。変化勾配の絶対値を設定値と比較すれば、低温定常状態に達したことも、高温定常状態に達したことも検出することができる。ただし、本項の定常状態検出部は、低温定常状態と高温定常状態とを共に検出するものであることは不可欠ではなく、少なくとも一方を検出するものであればよい。
(8)前記定常状態検出部が、前記タイヤを備えた車両が設定停止時間以上停止し続けたことに基づいて、前記タイヤの低温定常状態を検出する停止時間依拠低温定常状態検出部を含む (6)項または (7)項に記載のタイヤ異常検出装置。
車両停止時にはタイヤは回転せず、車両が走行状態から停止したのであれば、タイヤ温度は低下し、停止状態の継続につれてタイヤ内の空気温度は低下し続ける。車両が設定停止時間以上停止し続ければ、タイヤの空気温度は低温でほぼ一定となり、低温定常状態にあるとすることができる。
(9)前記定常状態検出部が、前記タイヤを備えた車両が設定走行時間以上走行し続けたことに基づいて、前記タイヤの高温定常状態を検出する走行時間依拠高温定常状態検出部を含む (6)項ないし (8)項のいずれかに記載のタイヤ異常検出装置。
車両走行時にはタイヤが弾性変形し、また路面と摩擦して、タイヤ温度、ひいては内部の空気温度が上昇するが、やがて上昇しなくなり、あるいは変化が小さくなる。設定走行時間は、このように空気温度が上げ止まってタイヤが高温定常状態になったことを保証し得る長さに設定される。設定走行時間は、例えば、車両の平均走行速度に応じて多段階あるいは連続的に設定してもよく、走行速度とは関係なく、一定の長さに設定してもよい。
(10)前記定常状態検出部が、人により操作される操作部の操作に応じて定常状態を検出する操作対応定常状態検出部を含む (6)項ないし (9)項のいずれかに記載のタイヤ異常検出装置。
人は、車両の停止継続時間や走行継続時間に基づいて、タイヤが低温定常状態あるいは高温定常状態に達したことを推定することができる。したがって、その時期、例えば、設定時間以上の車両停止中や、設定時間以上のイグニッションスイッチOFF状態からON状態への切換え直後や、車両の走行開始後、設定時間以上が経過した頃に、操作部を操作して定常状態が検出されるようにする。また、人は操作部を任意の時点に操作することができ、例えば、走行環境の変化やタイヤ交換時等、定常状態が変わった可能性が高く、かつその変動後の定常状態にあることが推定される場合に、操作部を操作して新しい定常状態を取得させることができる。
(11)前記温度・圧力関係取得部が、人により操作される操作部の操作に応じて前記温度・圧力関係取得のための前記温度センサおよび前記圧力センサの検出値読込みを行う操作対応検出値読込部を含む (1)項に記載のタイヤ異常検出装置。
前記 (2)項ないし (9)項に記載の特徴は、本項のタイヤ異常検出装置においても採用可能である。
本項のタイヤ異常検出装置によれば、例えば、人は操作部を任意の時期に捜査して、検出値の読込みを行わせ、検出値を用いた処理が行われるようにすることができる。
(12)人により操作される操作部の操作に応じて当該タイヤ異常検出装置を初期化する初期化部を含む (1)項ないし (11)項のいずれかに記載のタイヤ異常検出装置。
操作部は前記(11)項における操作部と兼用とすることも可能であり、兼用とされた場合には、操作部の操作に応じて、初期化と検出値の読込みとの両方が行われることとなる。
(13)前記異常判定部が、前記温度センサと前記圧力センサとにより検出された空気温度と空気圧との組合わせが、前記温度・圧力関係を表す温度・圧力関係線の少なくとも片側に設定される異常判定線より出外れた場合に、前記タイヤの異常を判定するものである (1)項ないし (12)項のいずれかに記載のタイヤ異常検出装置。
温度・圧力関係線は、直線でもよく、曲線でもよく、それらの組合わせでもよい。
異常判定線を、温度・圧力関係線の両側に設定する場合、温度・圧力関係線に対して同じだけ離れて設定してもよく、異なる距離、離れて設定してもよい。
検出された空気温度と空気圧との組合わせが温度・圧力関係線近傍の組合わせであれば、タイヤは正常であり、温度・圧力関係線から大きく外れればタイヤは異常である。したがって、温度・圧力関係線の少なくとも片側に異常判定線を設定し、検出された空気温度と空気圧との組合わせが異常判定線から出外れるか否かにより、タイヤが異常であるか否かを判定することができる。
(14)前記異常判定部が、前記圧力センサにより検出された空気圧が上昇し、同時期における空気圧増分の空気温度増分に対する比の絶対値が正の第一設定比以上であって、かつ、空気温度を横軸に空気圧を縦軸に取った座標面上において、前記圧力センサにより検出された空気圧と前記温度センサにより検出された空気温度との座標が、前記温度・圧力関係線の上方に設定された前記異常判定線としての上限線を超えた場合に、バーストの発生を予測するバースト予測部を含む(13)項に記載のタイヤ異常検出装置。
本項以下の「増分」には、正の増分のみならず、負の増分も含まれる。バースト発生時には、タイヤのサイドウォール部の、トレッド部(特にショルダ部)との境界部分が発熱し、空気温度が急激に上昇するのであるが、この急上昇は温度センサによって検出されるとは限らない。温度センサを主発熱部あるいはその近くに配設することは困難であり、主発熱部から離れた位置に設けられることが多いため、主発熱部の温度急上昇の検出に遅れが生じ易い。例えば、温度センサがリム側に設けられている場合、主発熱部から離れた部分の空気温度を検出することとなるため、主発熱部の温度と検出温度とにずれが生じる。このずれは、バーストが発生するほどの温度急上昇時に特に大きくなる。また、タイヤ内の空気の温度にむらがあれば、温度センサの検出温度にもむらが生じ、さらに、温度センサが空気自体の温度ではなく、温度センサを保持する部材の温度を検出するものであれば、タイヤ内の空気の実際温度と温度センサによる検出温度とにずれが生じる。それに対し、タイヤの空気圧は検出に遅れが生じたり、むらが生じたりすることは殆どなく、主発熱部の温度が上昇してその近傍の空気温度が上昇すれば、検出空気圧も速やかに上昇する。
したがって、空気温度のみでは検出温度が低くてバースト発生を予測することができない場合でも、空気温度と空気圧とを組合わせれば、空気圧の上昇に対し、空気温度の上昇が少ない、あるいは場合によっては低下することから、バースト発生を予測することができ、検出された空気圧と空気温度との座標が上限線を超えることによりタイヤ異常が検出されるとともに、その異常の内容が取得される。
理論上は、バースト予測部が、温度センサと圧力センサとにより検出された空気温度と空気圧とが共に上昇し、同時期における空気温度増分に対する空気圧増分の比が第一設定比以上である場合に、バーストの発生を予測するものとされることが望ましい。しかし、実際上は、空気温度の変化が小さいために、例えば、検出誤差により、空気温度が実際より小さい値に検出されて増分が負になることがあり、また、温度センサの検出遅れにより、検出値が低下し、増分が負になることもある。そのため、絶対値を用いることにより、空気温度の増分がたとえ正確な値ではなくても、空気温度増分と空気圧増分との組合わせに基づいてバーストの発生が予測されるようにすることが望ましい場合が多く、本項の態様においてはそのようにされているのである。
(15)前記異常判定部が、前記圧力センサにより検出された空気圧が低下し、同時期における空気圧増分の空気温度増分に対する比の絶対値が正の第二設定比以上であって、かつ、空気温度を横軸に空気圧を縦軸に取った座標面上において、前記圧力センサにより検出された空気圧と前記温度センサにより検出された空気温度との座標が、前記温度・圧力関係線の下方に設定された前記異常判定線としての第一下限線を下まわった場合に、空気漏れの発生を推定する空気漏れ推定部を含む(13)項または(14)項に記載のタイヤ異常検出装置。
空気圧増分の空気温度増分に対する比は、(14)項において説明したように、空気温度の検出誤差等を考慮して絶対値により第二設定比と比較される。
空気漏れの発生時には、空気温度の変化が小さいのに対して空気圧が急激に低下する。そのため、空気温度増分に対する空気圧増分の比の絶対値を正の第二設定比以上であるか否かを判定することにより、空気漏れの発生を推定することができる。検出された空気圧と空気温度との座標が第一下限線を下まわることにより、タイヤ異常を検出し得るとともに、その異常の内容を推定することができるのである。
(16)前記異常判定部が、前記温度センサにより検出された空気温度が上昇し、同時期における空気温度増分に対する空気圧増分の比が第三設定比以下であって、かつ、空気温度を横軸に空気圧を縦軸に取った座標面上において、前記温度センサにより検出された空気温度と前記圧力センサにより検出された空気圧との座標が、前記温度・圧力関係線の下方に設定された前記異常判定線としての第二下限線を下まわった場合に、タイヤの膨らみの発生を推定する膨らみ推定部を含む(13)ないし(15)項のいずれかに記載のタイヤ異常検出装置。
第二下限線は、前記第一下限線と同じ線でもよく、異なる線でもよい。異なる線とする場合、第二下限線を第一下限線より上側に設定することが望ましい。タイヤの膨らみの場合、空気漏れの場合よりも空気圧の低下が小さいことが多いからである。
タイヤの膨らみは、例えば、カーカスが切れてタイヤのサイドオウォール部が膨らむことにより生じ、その場合、空気圧が低下する。そのため、空気温度の急増に対して空気圧が低下し、上昇しても僅かであることから、空気温度増分に対する空気圧増分の比を第三設定比と比較することにより、タイヤの膨らみの発生を推定することができる。空気圧増分は、負であることが多いが、正であることもあり、第三設定比は、小さい正の値か、あるいは絶対値が小さい負の値とされる。
本項のタイヤ異常検出装置によれば、検出された空気温度と空気圧との座標が第二下限線を下まわることによりタイヤ異常が検出されるとともに、異常内容が推定される。
以下、請求可能発明の実施例を、図面に基づいて詳細に説明する。
本実施例のタイヤ異常検出装置は、図1に示すように、前後左右の各車輪10,12,14,16にそれぞれ設けられた車輪側装置20,22,24,26および車体に設けられた車体側装置28を含む。
本実施例のタイヤ異常検出装置は、図1に示すように、前後左右の各車輪10,12,14,16にそれぞれ設けられた車輪側装置20,22,24,26および車体に設けられた車体側装置28を含む。
図2に示すように、4つの車輪側装置20〜26はそれぞれ、本実施例においては、各車輪のタイヤ30(図3参照)の空気温度を検出する温度センサ40,タイヤ30の空気圧を検出する圧力センサ42,情報を送信・受信可能な送受信装置44,コンピュータ46を主体とする車輪側処理装置48等を含む。送受信装置44は、送受信アンテナ,受信回路,送信回路等を含む。車輪側処理装置48は、温度センサ40により検出された空気温度,圧力センサ42により検出された空気圧値を含む車輪情報を作成する車輪情報作成部および車輪情報の送信状態を制御する送信制御部等を含む。温度センサ40により検出される空気温度は、摂氏絶対温度である。
タイヤ30は、本実施例においては、車輪10について図3にその一部を代表的に示すように、チューブレスタイヤであり、リム56に保持されている。タイヤ30は、外層部58および気密保持層60を含む。外層部58は、リム56に組み込まれるビード部62,地面に接触するトレッド部64,ビード部62とトレッド部64との間の部分であるサイドウォール部66およびサイドウォール部66とトレッド部64との間の部分であるショルダ部68を含む。これらトレッド部64等はゴムにより作られ、それらの内側には繊維材から成るカーカス70が設けられ、タイヤ30の形状を維持するようにされている。また、カーカス70とトレッド部64との間の部分に複数のベルト72が設けられ、トレッド部64の剛性を維持するようにされている。これらトレッド部64およびカーカス70等は一体的に設けられて外層部58を構成している。また、気密保持層60は、例えばゴムにより作られ、外層部58の内側面の全面にわたって固定され、空気が外部に漏れることを防止している。
前記車輪側装置20は、本実施例では、図3に示すように、リム56に取り付けられ、タイヤ30の内部に配設されている。車輪側装置20の取付けについては、ここでは詳細な説明は省略するが、例えば、未だ公開されていないが、本出願人による特願2003−144324号の明細書に記載の装置と同様にしてリム56に取り付けられる。車両が走行すれば、タイヤ30の弾性変形や路面との摩擦によりタイヤ30の温度が上昇し、タイヤ30内の空気温度が上昇する。タイヤ30は、サイドウォール部66の、トレッド部(特にショルダ部68)との境界部分が主として発熱し、最も温度が高くなる。リム56はこの主たる発熱部から離れており、温度センサ40は、タイヤ30内の実際の空気温度であって、タイヤ30の主発熱部から、車輪の回転軸線と直交する方向において離れた部分の温度を検出する。また、圧力センサ42は、タイヤ30の実際の空気圧を検出する。なお、図3では、タイヤ30の内部構造を明確に図示するためにハッチングを省略する。
前記車体側装置28は、図1および図2に示すように、車体の各車輪10〜16に近接する部分に設けられた送受信装置80,82,84,86,コンピュータ88を主体とする車体側処理装置90,報知装置92および車輪速センサ94等を含む。車輪速センサ94は、車輪10〜16の各々に設けられ、各車輪10〜16の回転速度を検出する。送受信装置80〜86はそれぞれ、送受信アンテナ,受信回路および送信回路等を含む。また、車体側処理装置90にはイグニッションスイッチ96が接続されている。
報知装置92は、例えば、車室内のインストルメントパネルに設けられたディスプレイ100,ランプ102およびブザー104を含み、車体側処理装置90からの指令に基づいて作動させられる。ディスプレイ100は、車体側処理装置90からの指令(情報)に応じた画像を作成して画面に表示させる。画像は、文字,記号,数字,図形等、種々の形象を含む。ランプ102は、例えば、タイヤ異常ランプおよびタイヤ正常ランプを含む。報知装置は、これらディスプレイ100等の表示装置,光報知装置,音報知装置に限らず、例えば、音声により報知を行う音声発生装置を含んでもよい。視覚,聴覚等の感覚により乗員にタイヤ異常等を報知し、認識させ得る手段であれば、報知装置を構成することができる。報知装置はタイヤ異常の警報を出す警報装置でもある。
車輪側装置20〜26の各々においては、温度センサ40により検出されたタイヤ30の空気温度および圧力センサ42により検出されたタイヤ30の空気圧を含む車輪情報を作成し、予め定められた設定時間毎に車体側装置28へ送信する。それに対して、車体側装置28においては、受信した車輪情報等に基づいてタイヤ30の異常判定を行う。この異常判定は、車体側処理装置90のコンピュータ88のROMに記憶されたタイヤ異常判定ルーチン等に基づいて行われる。コンピュータ88においては、これらルーチンが予め定められた設定時間毎に実行される。タイヤ異常判定は4つの車輪10〜16の各タイヤ30の各々について実行されるが、ここでは、説明を単純にするために、そのうちの1つのタイヤ30についての異常判定を説明する。
タイヤ30の異常判定を説明する。
図4に示すタイヤ異常判定ルーチンは、イグニッションスイッチ96のON状態からOFF状態への切換えにより実行され、ステップ1(以後、S1と略記する。他のステップについても同じ。)においては車両が停止中であるか否かの判定が行われる。この判定は、車輪速センサ94の検出値に基づいて行われ、検出された車輪の回転速度が車両が停止していると見なし得る設定速度以下であれば、車両が停止中であるとされる。車両停止中であれば、S1の判定結果はYESになってS2が実行され、第一取得フラグがONにセットされているかが判定される。第一取得フラグはONにセットされることにより、タイヤ30の低温定常状態が検出されたことを記憶する。タイヤ30の低温定常状態は、タイヤ30を備えた車両の停止が続き、タイヤ30内の空気温度が定常状態まで低下した状態である。第一取得フラグはコンピュータ88のRAMに設けられ、イグニッションスイッチ96がON状態からOFF状態に切り換えられる際にOFFにリセットされており、S2が1回目に実行されるとき、その判定結果はNOになってS3が実行される。
図4に示すタイヤ異常判定ルーチンは、イグニッションスイッチ96のON状態からOFF状態への切換えにより実行され、ステップ1(以後、S1と略記する。他のステップについても同じ。)においては車両が停止中であるか否かの判定が行われる。この判定は、車輪速センサ94の検出値に基づいて行われ、検出された車輪の回転速度が車両が停止していると見なし得る設定速度以下であれば、車両が停止中であるとされる。車両停止中であれば、S1の判定結果はYESになってS2が実行され、第一取得フラグがONにセットされているかが判定される。第一取得フラグはONにセットされることにより、タイヤ30の低温定常状態が検出されたことを記憶する。タイヤ30の低温定常状態は、タイヤ30を備えた車両の停止が続き、タイヤ30内の空気温度が定常状態まで低下した状態である。第一取得フラグはコンピュータ88のRAMに設けられ、イグニッションスイッチ96がON状態からOFF状態に切り換えられる際にOFFにリセットされており、S2が1回目に実行されるとき、その判定結果はNOになってS3が実行される。
S3においては、イグニッションスイッチ96がON状態からOFF状態に切り換えられた後、ON状態に切り換えられるまでの時間、すなわち停止時間が設定停止時間以上であって、タイヤ30を備えた車両が設定停止時間以上、停止し続けたか否かが判定され、タイヤ30が低温定常状態にあるか否かが判定される。車両が設定停止時間以上、停止し続けた状態では、タイヤ30の空気温度が低下するとともに、ほぼ一定となり、タイヤ30が低温定常状態にあると言うことができる。停車時にイグニッションスイッチがON状態からOFF状態に切り換えられるとき、その切換え実行時の日時がコンピュータ88のイグニッションスイッチOFF切換日時メモリに記憶され、電源のバックアップ機能により保存される。S3の判定は、その日時と、イグニッションスイッチがOFF状態からON状態に切り換えられた際の日時とに基づいて行われる。設定停止時間は、停車によりタイヤ30の温度が低下し、低温定常状態での温度まで下がるのに十分な長さに設定され、例えば、3時間に設定される。イグニッションスイッチ96がOFF状態からON状態に切り換えられたとき、その切換え実行時の日時がコンピュータ88のイグニッションスイッチON切換日時メモリに記憶され、S3の実行時に用いられる。イグニッションスイッチOFF切換日時メモリおよびイグニッションスイッチON切換日時メモリへの切換日時の記憶は、例えば、タイヤ異常判定ルーチンとは別に設けられたルーチンの実行により行われる。イグニッションスイッチON切換日時メモリは、例えば、イグニッションスイッチOFF時にクリアされる。切換日時の記憶時にデータが上書きされてもよい。S3が1回目に行われる際にイグニッションスイッチON切換日時メモリに切換日時が記憶され、S3の判定に用いられるようにしてもよい。設定停止時間は、予め設定された固定の長さでもよく、人の操作により設定されてもよく、あるいは、例えば、季節や走行時間(例えば、イグニッションスイッチ96がON状態に切り換えられている時間)等、予め設定された条件に応じて自動的に設定されてもよい。
車両が設定停止時間以上、続けて停車しているのであれば、S3の判定結果がYESになってS4が実行され、低温定常状態におけるタイヤ30の空気温度および空気圧が記憶される。温度センサ40および圧力センサ42により検出され、送られてくるタイヤ30内の空気温度および空気圧であって、S4の実行時における最新の空気温度および空気圧が読み込まれ、コンピュータ88のRAMに設けられた低温定常状態空気温度・圧力メモリ(図7参照)に記憶されるのである。
そして、S5において第一取得フラグがONにされた後、S6が実行され、S4において記憶された空気温度および空気圧が正規の温度・圧力関係に基づいて設定された許容範囲内の温度および圧力であるか否かが判定される。正規温度・圧力関係は、タイヤ30が正規の状態、例えば、体積が設定量ある状態において得られる空気温度と空気圧との関係であり、本実施例においては、図8に示すように、空気温度を横軸に、空気圧を縦軸に取った座標面上において直線の温度・圧力関係線で表される。温度・圧力関係線は、式P=(nR/V)・T+pにより表される。Pは圧力、Tは摂氏絶対温度、nRは一般気体定数、Vはタイヤ30の体積、pは、温度・圧力関係線と縦軸との交点の座標の空気圧である。正規の温度・圧力関係線は、新品のタイヤ30について実験あるいは計算により求められ、その線を表す式がコンピュータ88のROMに記憶されており、不変である。正規温度・圧力関係に基づく許容範囲は、正規温度・圧力関係線の上側と下側とにそれぞれ、正規温度・圧力関係線と平行に設定された正規許容下限線と正規許容上限線とにより設定される。
S6においては、上記座標面上において、S4において記憶された空気温度と空気圧とであって、タイヤ30の低温定常状態における空気温度と空気圧との座標が、正規許容下限線と正規許容上限線との間にあるか否かが判定され、その間にあるのであれば、空気温度および空気圧は正規温度・圧力関係の許容範囲内にあり、S6の判定結果はYESになってS8が実行される。タイヤ30の低温定常状態における空気温度と空気圧との座標が正規許容下限線を下まわった場合、あるいは正規許容上限線を上まわった場合には、正規温度・圧力関係の許容範囲から外れており、S6の判定結果はNOになってS7が実行され、空気温度および空気圧が正規温度・圧力関係の許容範囲から外れていることが報知される。報知は、例えば、ディスプレイ100への文字等による表示により為される。
タイヤ30の低温定常状態における空気温度および空気圧が正規温度・圧力関係の許容範囲内にあっても、許容範囲から外れていてもS8が実行され、S4において記憶された空気温度および空気圧が前回の温度・圧力関係について設定された許容範囲内の温度および圧力であるか否かが判定される。前回の温度・圧力関係は、前回、イグニッションスイッチ96がOFF状態からON状態に切り換えられた状態で設定されたタイヤ30の空気温度と空気圧との関係であり、コンピュータ88のRAMの前回温度・圧力関係メモリに記憶されている。前回温度・圧力関係は、本実施例においては、正規温度・圧力関係と同様に、図8に示すように、空気温度を横軸に、空気圧を縦軸に取った座標面上において直線の温度・圧力関係線で表され、許容範囲は、前回温度・圧力関係線の上側と下側とにそれぞれ、前回温度・圧力関係線と平行に設定された前回許容上限線と前回許容下限線とにより規定される。温度・圧力関係を表す温度・圧力関係線の取得については後に説明する。
S8においては、上記座標面上において、タイヤ30の低温定常状態における空気温度と空気圧と座標が、前回許容下限線と前回許容上限線との間にあるか否かが判定され、その間にあるのであれば、許容範囲内にあり、S8の判定結果はYESになってS10が実行され、前回温度・圧力関係が前回温度・圧力関係メモリから読み出されるとともに、コンピュータ88のRAMに設けられた現温度・圧力関係メモリに記憶されて現温度・圧力関係とされ、現温度・圧力関係が設定される。この際、前回温度・圧力関係は、本実施例では、前記温度・圧力関係メモリに残される。現温度・圧力関係メモリに記憶された温度・圧力関係は、イグニッションスイッチ96がON状態からOFF状態に切り換えられる際に前回温度・圧力関係メモリに記憶され、現温度・圧力関係メモリはクリアされる。前回温度・圧力関係メモリに記憶された前回温度・圧力関係は、電源がOFFにされてもバックアップされて保存される。イグニッションスイッチOFF時には、前回温度・圧力関係メモリ,イグニッションスイッチOFF切換日時メモリ等、データの保存が必要なメモリ以外のメモリの内容はクリアされる。
現温度・圧力関係メモリの記憶内容は、イグニッションスイッチ96がON状態からOFF状態に切り換えられる際に前記温度・圧力関係メモリに記憶され、現温度・圧力関係メモリにおいては消去される。タイヤ30の低温定常状態における空気温度と空気圧との座標が、前回許容下限線を下まわった場合、あるいは前回許容上限線を上まわった場合には、前回温度・圧力関係の許容範囲から外れており、S8の判定結果はNOになってS9が実行され、その旨が報知される。S9の報知はS7の報知とは報知内容が異なり、S7の報知とは区別して為され、報知後、ルーチンの実行が終了する。この場合には、前回温度・圧力関係が現温度・圧力関係メモリに記憶されず、現温度・圧力関係メモリにはデータが何も記憶されないままとされる。空気温度と空気圧との座標が前回温度・圧力関係について許容される範囲内であれば、タイヤ30の状態は前回のイグニッションスイッチON時における状態と変わっておらず、あるいは変わっていても変化は少なく、タイヤ30は正常な状態にあるとし得、S10では、タイヤ30の正常な状態における定常状態の温度・圧力関係が記憶される。空気温度と空気圧との座標が許容範囲を外れていれば、正常な状態にあるとはし得ず、現・温度圧力関係が記憶されない。後述する高温定常状態が検出された場合における現温度・圧力関係の設定についても同様である。S9の報知は、例えば、ディスプレイ100への文字等の表示により為される。
低温定常状態が得られれば、第一取得フラグがセットされるため、次にS2の判定が行われるとき、その判定結果はYESになってルーチンの実行は終了する。また、低温定常状態が得られなかった場合には、S2,S3の各判定結果がいずれもNOになってルーチンの実行が終了する。
車両が走行を開始すれば、S1の判定結果がNOになってS11が実行され、温度センサ40および圧力センサ42により検出される空気温度および空気圧が読み込まれるとともに、これら同時期に検出されたく空気温度および空気圧がコンピュータ88のRAMに設けられた空気温度・空気圧メモリに記憶される。空気温度・空気圧メモリには、空気温度および空気圧が複数ずつ記憶される。空気温度および空気圧の各記憶数がそれぞれ、予め設定された数に達すれば、最も古いデータが消去されるとともに、S11において取得された最新のデータが記憶される。
次いでS12が実行され、タイヤ30が高温定常状態にあるか否かが判定される。車両が走行を開始すればタイヤ30が回転し、タイヤ30の温度が上昇し、タイヤ30内の空気温度が上昇するが、タイヤ30の温度上昇に伴って放熱量も増大し、空気温度の上昇がやがて止まる。したがって、空気温度の変化勾配が設定値(正の値である)以下になった場合に、タイヤ30が高温定常状態になったとすることができる。高温定常状態でのタイヤ30の温度は、例えば、走行速度等、走行状態や、外気温度や路面温度等、走行環境に応じた高さとなる。
S12では、圧力センサ42により検出されたタイヤ30の空気温度の時間に対する変化勾配が求められるとともに、その変化勾配が設定勾配以下であるか否かの判定が行われる。変化勾配は、例えば、空気温度・空気圧メモリに記憶された複数の空気温度に基づいて最小二乗回帰直線を求めることにより取得される。設定勾配は小さい正の値に設定されており、上記回帰直線の勾配が設定勾配以下であれば、車両の走行状態が続き、空気温度の上昇勾配が設定勾配以下になって空気温度が定常状態まで上昇し、タイヤ30が高温定常状態にあると判定される。S12および前記S3は、イグニッションスイッチ96がON状態に切り換えられ、車両が走行を開始する毎に実行され、高温定常状態および前記低温定常状態は、外気温度や路面温度等の変化に応じて取得されることとなる。
S12の判定結果は、空気温度が変化していて、変化勾配が設定値より大きい状態ではNOになり、S22が実行されて現温度・圧力関係が設定されているか否かが判定される。この判定は、現温度・圧力関係メモリに温度・圧力関係が記憶されているか否かにより行われる。温度・圧力関係は、前述のように、低温定常状態が取得されるとともに、取得時の空気温度および空気圧が前回温度・圧力関係について設定された許容範囲内にある場合(S10)、後述するように、高温定常状態が取得されるとともに、取得時の空気温度および空気圧が前回温度・圧力関係について設定された許容範囲内にある場合(S18)、低温定常状態および高温定常状態が共に取得され、各取得時における空気温度および空気圧に基づいて温度・圧力関係が取得され、更新された場合(S21)に現温度・圧力関係メモリに記憶される。
したがって、低温定常状態および高温定常状態が共に取得されない場合、低温定常状態が取得されたが、取得時における空気温度および空気圧が前回温度・圧力関係について設定された許容範囲から外れていて、高温定常状態が得られるのを待っている場合、低温定常状態が取得されず、高温定常状態のみが取得されたが、取得時における空気温度および空気圧が前回温度・圧力関係について設定された許容範囲から外れている場合、低温定常状態が取得されず、高温定常状態が得られるのを待っている場合には、現温度・圧力関係メモリに現温度・圧力関係が記憶されておらず、S22の判定結果がNOになり、S24が実行され、空気温度のみに基づくタイヤ30の異常判定が行われる。
異常判定温度は、例えば、タイヤ30にバーストが発生することが予測される高さであって、予め実験等に基づいて設定されている。そして、S11において取得された最新の空気温度が異常判定温度と比較され、空気温度が異常判定温度より高いのであれば、S24の判定結果がYESになってS25が実行され、バースト発生の恐れがあることが報知される。例えば、ブザー104が鳴動させられてタイヤ異常が報知される。空気温度が異常判定温度以下であれば、異常はなく、S24の判定結果がNOになってルーチンの実行は終了する。
車両走行中に高温定常状態が得られれば、S12の判定結果がYESになってS13が実行され、第二取得フラグがONにされているか否かが判定される。第二取得フラグはONにセットされることにより、高温定常状態が検出されたことを機構する。第二取得フラグは、例えば、イグニッションスイッチ96がON状態からOFF状態に切り換えられるときにOFFにされる。したがって、イグニッションスイッチON後、S12の判定結果が初めてYESになってS13が実行されるとき、第二取得フラグはOFFにリセットされていて、S13の判定結果はNOになってS14が実行され、高温定常状態が検出された際のタイヤ30の空気温度および空気圧が正規温度・圧力関係について設定された許容範囲内にあるか否かが判定される。この判定は、前記S6と同様に実行され、許容範囲から外れていれば、S15が実行され、その旨が報知される。この報知は、例えば、ディスプレイ100への文字による表示により為される。
空気温度および空気圧が正規温度・圧力関係について設定された許容範囲内にあれば、S14の判定結果はYESになってS16が実行され、前回温度・圧力関係について設定された許容範囲内にあるか否かが判定される。この判定は、前記S8と同様に実行され、許容範囲内にあれば、S16の判定結果がYESになってS18が実行され、前回温度・圧力関係が前回温度・圧力関係メモリから読み出されるとともに、現温度・圧力関係メモリに記憶され、現温度圧力関係が設定される。高温定常状態における空気温度および空気圧が、前回温度・圧力関係について設定された許容範囲内にあれば、低温定常状態が得られているか否か、低温定常状態における空気温度,空気圧が許容範囲内にあるか否かに関係なく、タイヤ異常判定に使用する温度・圧力関係として、前回温度・圧力関係が現温度・圧力関係メモリに記憶されるのである。また、S10の実行により既に現温度・圧力関係メモリに温度・圧力関係が記憶されていても、S18が実行される。現温度・圧力関係メモリに温度・圧力関係が記憶されているか否かを判定し、記憶されていれば、S18が実行されないようにしてもよい。それに対し、空気温度および空気圧が許容範囲から外れていれば、S16の判定結果がNOになってS17が実行され、その旨が報知される。
高温定常状態における空気温度および空気圧が前回温度・圧力関係の許容範囲内にあってもなくても、S19が実行されて第二取得フラグがONにされ、高温定常状態が取得されたことが記憶される。次いでS20が実行され、第一取得フラグがONにセットされているか否かが判定される。低温定常状態が取得されたか否かが判定されるのであり、低温定常状態が取得されて第一取得フラグがONにセットされていれば、S20の判定結果がYESになってS21が実行され、温度・圧力関係が更新されて現温度・圧力関係メモリに記憶される。低温定常状態と高温定常状態とにおいてそれぞれ取得された空気温度および空気圧に基づいて、温度・圧力関係を表す直線の温度・圧力関係線が求められ、現温度・圧力メモリに前回温度・圧力関係に替わって記憶され、設定されるのである。
本実施例においては、図9に示すように、空気温度を横軸に、空気圧を縦軸に取った座標面上において、低温,高温の2つの定常状態においてそれぞれ取得された空気温度と空気圧との2つの座標を通る直線を表す式が求められ、温度・圧力関係線とされ、現温度・圧力関係メモリに記憶される。低温定常状態検出時に取得された空気温度および空気圧は、低温定常状態空気温度・圧力メモリに記憶されており、S11の実行により、空気温度・空気圧メモリに記憶された空気温度および空気圧のうち、最新のものが高温定常状態検出時に取得された空気温度および空気圧である。これら2組の空気温度および空気圧により得られる2つの座標はそれぞれ、タイヤ30の正常な状態における定常状態での座標であり、温度・圧力関係線は、前述の正規の温度・圧力関係線と同様に、式P=(nR/V)・T+pにより表される。
温度・圧力関係は、低温定常状態および高温定常状態の両方が検出された場合に、各状態における空気温度および空気圧が、前回温度・圧力関係について設定される許容範囲から外れているか否かに関係なく、更新される。タイヤ30が、正規の温度・圧力関係に基づいて設定された許容範囲内にない状態で、車両が走行させられることは望ましいことではないが、やむを得ず走行させられる場合もあり、タイヤ30の現時点での温度・圧力関係が取得され、以後、その更新された最新の温度・圧力関係を用いてタイヤ異常判定が行われるのである。第一取得フラグがOFFにされており、高温定常状態は取得されたが、低温定常状態が取得されなかった場合には、S20の判定結果がNOになってルーチンの実行が終了し、S21は実行されない。
このように高温定常状態が取得されたならば、第二取得フラグがONにされるため、次にS13が実行されるとき、その判定結果がYESになってS22が実行される。また、一旦、高温定常状態が取得されたが、その後、高温定常状態ではなくなれば、S12の判定結果がNOになってS22が実行される。前述のように、現温度・圧力関係メモリに温度・圧力関係が記憶されていれば、S22の判定結果がYESになってS23が実行され、温度・圧力関係からの外れに基づくタイヤ異常判定が行われる。高温定常状態が検出されたが、その後、検出されなくなれば、S12の判定結果がNOになってS22が実行され、現温度・圧力関係が取得されていればS23が実行され、取得されていなければS24が実行される。
なお、低温定常状態が検出されない場合、高温定常状態が検出されるまでの間、温度のみによる異常判定が行われるのであるが、やむを得ない。また、低温定常状態が検出されず、高温定常状態が検出されたが、その際の空気温度と空気圧との座標が許容範囲から外れている場合、温度・圧力関係からの外れに基づくタイヤ異常判定は行われないが、許容範囲からの外れが報知されるため、運転者は報知に基づいて、例えば、タイヤ30に空気を注入する等の適宜の処置を行うことができ、バーストの発生等を未然に防止することができる。
また、低温定常状態が検出されたが、その際の空気温度および空気圧が正規温度・圧力関係に基づく許容範囲から外れ、それとは別にあるいはそれと共に前回温度・圧力関係に基づく許容範囲から外れている場合、高温定常状態が検出されるまで、現温度・圧力関係が設定されないが、許容範囲からの外れが報知されるため、運転者はバーストの発生等を未然に防止するために必要な対策を講じることができる。
S23の温度・圧力関係からの外れに基づくタイヤ異常判定を図5に示すフローチャートに基づいて説明する。
このルーチンにおいては、まず、S31において、現在の空気温度および空気圧と、現温度・圧力関係とに基づいて、現在の空気温度に対する空気圧の上限圧および下限圧が求められる。タイヤ30の現在の空気温度および空気圧は、本実施例では、前記S11において取得され、記憶された最新の空気温度および空気圧である。S11と同様に、温度センサ40および圧力センサ42により検出される空気温度および空気圧を読み込み、最新の空気温度および空気圧として空気温度・空気圧メモリに記憶し、使用してもよい。現在の空気温度に対して、現温度・圧力関係メモリに記憶されている現温度・圧力関係線上の空気圧が求められ、その空気圧に予め設定された正の設定値を加えた値が上限圧とされ、予め設定された正の設定値を引くことにより得られる値が下限圧とされる。これら設定値は、例えば、温度センサ40および圧力センサ42によりそれぞれ検出された空気温度と空気圧とにより得られる座標の、空気温度の検出遅れ等により生ずると推定される現温度・圧力関係線からのはずれより大きい値に設定され、異常を検出し得る値とされている。現温度・圧力関係線上の空気圧に加える正の設定値と、引く正の設定値とは、同じであってもよく、異なっていてもよい。
このルーチンにおいては、まず、S31において、現在の空気温度および空気圧と、現温度・圧力関係とに基づいて、現在の空気温度に対する空気圧の上限圧および下限圧が求められる。タイヤ30の現在の空気温度および空気圧は、本実施例では、前記S11において取得され、記憶された最新の空気温度および空気圧である。S11と同様に、温度センサ40および圧力センサ42により検出される空気温度および空気圧を読み込み、最新の空気温度および空気圧として空気温度・空気圧メモリに記憶し、使用してもよい。現在の空気温度に対して、現温度・圧力関係メモリに記憶されている現温度・圧力関係線上の空気圧が求められ、その空気圧に予め設定された正の設定値を加えた値が上限圧とされ、予め設定された正の設定値を引くことにより得られる値が下限圧とされる。これら設定値は、例えば、温度センサ40および圧力センサ42によりそれぞれ検出された空気温度と空気圧とにより得られる座標の、空気温度の検出遅れ等により生ずると推定される現温度・圧力関係線からのはずれより大きい値に設定され、異常を検出し得る値とされている。現温度・圧力関係線上の空気圧に加える正の設定値と、引く正の設定値とは、同じであってもよく、異なっていてもよい。
次いでS32が実行され、現在の空気圧がS31において求められた上限圧より大きいか否かが判定され、大きいのであれば、S32の判定結果がYESになってS35が実行され、タイヤ30の異常が報知される。図8に示すように、上限圧,下限圧を設定する設定値は、前回温度・圧力関係の許容範囲を設定する設定値より大きく、S31において設定された上限圧は、図8に示すように、現温度・圧力関係線の上側に、現温度・圧力関係線と平行に設定された異常判定線としての上限線上の空気圧である。なお、図8においては、前回温度・圧力関係が読み出されて現温度・圧力関係メモリに記憶され、現温度・圧力関係として用いられる例が図示されている。S32では、温度センサ40と圧力センサ42とにより検出された空気温度と空気圧との組合わせが、その異常判定線を出外れ、上限線を上まわっているか否かが判定され、上まわった場合にタイヤ30の異常と判定され、報知される。報知は、例えば、タイヤ異常ランプを点灯させるとともに、ブザー104を鳴動させることにより行われる。そして、S36が実行され、タイヤ異常内容判定が行われる。
現在の空気圧が上限圧以下であれば、S32の判定結果がNOになってS33が実行され、現在の空気圧が下限圧より小さいか否かが判定される。S31において設定された下限圧は、図8に示すように、現温度・圧力関係線の下側に、現温度・圧力関係線と平行に設定された異常判定線としての下限線上の空気圧であり、S33では、温度センサ40と圧力センサ42とにより検出された空気温度と空気圧との組合わせが、その異常判定線を出外れ、下限線を下まわっているか否かが判定される。現在の空気圧が異常に低く、下限圧より小さいのであれば、S33の判定結果がYESになってS35が実行され、タイヤ異常が報知された後、S36が実行され、タイヤ異常内容判定が行われる。現在の空気圧が下限圧以上であれば、空気圧に異常はなく、S33の判定結果がNOになってS34が実行され、タイヤ30が正常であることが報知される。この報知は、例えば、タイヤ正常ランプを点灯させることにより行われる。タイヤ30の正常,異常の報知は、1つのタイヤランプを、異常時と正常時とで異なる色で点灯させたり、一方の場合に点灯させ、他方の場合に点滅させたり、ディスプレイ100への文字による表示により行ってもよい。
タイヤ異常時には、空気温度および空気圧は、タイヤ30の正常な状態における定常状態で取得された温度・圧力関係から大きく外れる変化を示す。そのため、その温度・圧力関係および空気温度の検出値から空気圧の上限圧,下限圧を設定し、空気圧の検出値が上限圧より大きいか、あるいは下限圧より小さいかを判定すれば、空気温度と空気圧との関係が、定常状態における温度・圧力関係から外れているか否か、すなわちタイヤが異常であるか否かを判定することができる。
車両走行開始後、高温定常状態が得られない状態でも、現温度・圧力関係が設定されていれば、温度・圧力関係に基づくタイヤ異常判定が行われる。そのため、例えば、空気温度に対して空気圧が異常に低く、空気温度について設定される下限圧より低いのであれば、タイヤ異常発生が取得され得、空気圧の低下に基づくバースト発生の予測を含むタイヤの異常を報知することができる。
S36のタイヤ異常内容判定を図6に示すタイヤ異常内容判定ルーチンに基づいて説明する。
まず、S41においては、前記S32と同様に、タイヤ30の現在の空気圧が上限圧より大きいか否かが判定される。タイヤ30の空気圧が異常に大きいことと、異常に小さいこととのいずれによってタイヤ異常内容判定が行われるのかの判定が行われるのである。空気圧が上限圧より大きいのであれば、S41の判定結果がYESになってS42が実行され、空気圧が上昇し、かつ、空気温度も上昇しているか否かが判定される。この判定は、例えば、空気温度・空気圧メモリに記憶された複数の空気温度と複数の空気圧とにそれぞれ基づいて、空気温度と空気圧とのそれぞれについて時間に対する変化勾配を求め、設定値と比較することにより行われる。例えば、複数ずつの空気温度と空気圧とに基づいて、空気温度を空気圧とのそれぞれについて時間に対する変化を表わす最小二乗回帰直線を求め、各直線の勾配をそれぞれについて設定された正の設定値と比較することにより、S42の判定が行われる。空気温度については、本実施例では、前記S12において求められた変化勾配が用いられる。但し、空気温度の上昇を判定する設定値は、S12において高温定常状態を検出するための設定値より大きく、空気温度の上昇を検出し得る正の値とされる。
まず、S41においては、前記S32と同様に、タイヤ30の現在の空気圧が上限圧より大きいか否かが判定される。タイヤ30の空気圧が異常に大きいことと、異常に小さいこととのいずれによってタイヤ異常内容判定が行われるのかの判定が行われるのである。空気圧が上限圧より大きいのであれば、S41の判定結果がYESになってS42が実行され、空気圧が上昇し、かつ、空気温度も上昇しているか否かが判定される。この判定は、例えば、空気温度・空気圧メモリに記憶された複数の空気温度と複数の空気圧とにそれぞれ基づいて、空気温度と空気圧とのそれぞれについて時間に対する変化勾配を求め、設定値と比較することにより行われる。例えば、複数ずつの空気温度と空気圧とに基づいて、空気温度を空気圧とのそれぞれについて時間に対する変化を表わす最小二乗回帰直線を求め、各直線の勾配をそれぞれについて設定された正の設定値と比較することにより、S42の判定が行われる。空気温度については、本実施例では、前記S12において求められた変化勾配が用いられる。但し、空気温度の上昇を判定する設定値は、S12において高温定常状態を検出するための設定値より大きく、空気温度の上昇を検出し得る正の値とされる。
空気圧および空気温度共に変化勾配が設定値より大きく、空気圧および空気温度が共に上昇しているのであれば、S42の判定結果がYESになってS43が実行され、空気圧増分の空気温度増分に対する比が第一設定比以上であるか否かが判定される。第一設定比は正の値である。空気圧増分の空気温度増分に対する比は、本実施例では、S42の判定に用いた空気圧の変化勾配であって上昇勾配を、空気温度の変化勾配であって、ここでは上昇勾配によって割ることにより求められる。これら変化勾配は、それぞれ同時期に検出された複数ずつの空気温度と空気圧とに基づいて得られ、同時期における空気温度増分に対する空気圧増分の比が求められる。S46,S48においても同様である。
空気圧増分の空気温度増分に対する比が第一設定比以上であれば、S43の判定結果がYESになってS44が実行され、バースト発生が予測されることが報知される。バーストはタイヤ30の主発熱部の温度が高くなって生ずることが多いのであるが、例えば、主発熱部から温度センサ40への熱の伝達遅れ,タイヤ30内の空気温度のむら,温度センサ40がその近傍のタイヤ30内の空気とは異なるものの温度を検出する状態にあるかも知れないこと等により、温度センサ40により検出される空気温度が主発熱部近傍の空気温度と一致せず、それより低いことがある。それに対し、タイヤ30の空気圧は検出に遅れが生じたり、むらが生じたりすることは殆どなく、主発熱部の温度が上昇してその近傍の空気温度が上昇すれば、検出空気圧も速やかに上昇する。
その結果、図9に一点鎖線で示すように、空気圧の検出値が急増するのに対し、空気温度の検出値の上昇が少ない状態となる。そのため、空気温度のみではバースト発生を正確に予測することができない。しかし、少なくとも主発熱部近傍の空気温度が上昇すれば、空気圧も上昇し、空気圧の上昇はタイヤ30全体においてほぼ均一に生じ、圧力センサ42はこの平均空気圧を検出するため、検出された空気温度の増分と検出された空気圧の増分とを比較すれば、空気温度増分が小さく、空気圧増分が大きくて、それらの比が第一設定比以上であることからバースト発生を予測することができる。バースト発生の予測報知は、例えば、ディスプレイ100への文字による表示により行われる。
空気圧と空気温度との両方が上昇しているのでなければ、S42の判定結果はNOになってS45が実行され、異常内容が不明であることが報知される。この報知は、例えば、ディスプレイ100への文字による表示により為される。また、空気温度増分に対する空気圧増分の比が第一設定比より小さい場合にも、S43の判定結果がNOになってS45が実行され、異常内容が不明であることが報知される。
空気圧が上限圧以下の場合、S41の判定結果はNOになる。この場合、現在の空気圧は下限圧より小さく、S46において空気温度増分に対する空気圧増分の比の絶対値が第二設定比以上であるか否かが判定される。この比は、空気圧の変化勾配を空気温度の変化勾配で割ることにより求められる。空気温度の変化勾配は、例えば、前記S12において求められた変化勾配が用いられ、空気圧の変化勾配は、例えば、S42におけると同様に、最小二乗回帰直線を求めることにより求められる。また、第二設定比は正の値である。S46が実行されるとき、空気圧は大きく低下しているが、空気温度は上昇していることもあれば、減少していることもあり、比の絶対値が第二設定比以上であるか否かが判定される。比の絶対値が第二設定比以上であれば、S46の判定結果がYESになってS47が実行され、タイヤ30における空気漏れの発生が推定され、報知される。この場合、図9に点線で示すように、空気圧も低下しており、しかも、温度変化に対して空気圧の低下が異常に大きく、空気漏れが発生していると推定され、報知される。報知は、例えば、ディスプレイ100への文字による表示により為される。
空気圧増分の空気温度増分に対する比の絶対値が第二設定比より小さいのであれば、S46の判定結果がNOになってS48が実行され、空気圧増分の空気温度増分に対する比が第三設定比以下であるか否かが判定される。この比は、空気圧の変化勾配を空気温度の変化勾配で割ることにより求められる。図9のグラフに二点鎖線で示すように、空気温度が上昇しているにもかかわらず、空気温度と空気圧との座標が下限線を下まわるほど空気圧が小さい事態が生じるのは、例えば、カーカスが損傷してサイドウォール部が膨れあがることが原因であると推定される。カーカスの損傷は、例えば、疲労破壊により生じ、疲労破壊を招来する空気温度の急上昇に対して空気圧が低下し、上昇しても僅かである。そのため、第三設定比は、本実施例では小さい正の値とされ、空気温度増分に対する空気圧増分の比を第三設定比と比較することにより、タイヤ30の膨らみの発生が推定される。
空気温度増分に対する空気圧増分の比が第三設定比以下であれば、S48の判定結果がYESになってS49が実行され、タイヤ30の膨らみ発生の推定が報知される。この報知は、例えば、ディスプレイ100への文字による表示により為される。また、増分比が第三設定比より大きい場合には異常内容が不明であり、S48の判定結果がNOになってS50が実行され、異常内容が不明であることが報知される。
以上の説明から明らかなように、本実施例においては、現温度・圧力関係メモリが温度・圧力関係記憶部を構成し、車体側処理装置90のS1を実行する部分が車輪速センサ94と共に車両停止状態検出部を構成し、S21を実行する部分が温度・圧力関係取得部としての低温・高温定常状態依拠温度・圧力関係取得部を構成し、S3を実行する部分が車両停止時間取得部および停止時間依拠定常状態検出部としての停止時間依拠低温定常状態検出部を構成し、S12を実行する部分が変化勾配依拠定常状態検出部としての温度勾配依拠定常状態検出部ないし温度勾配依拠高温定常状態検出部を構成し、S32,S33を実行する部分が異常判定部を構成し、S41ないしS43を実行する部分がバースト予測部を構成し、S41およびS46を実行する部分が空気漏れ推定部を構成し、S41およびS48を実行する部分が膨らみ推定部を構成している。また、車体側処理装置90のS25,S35,S44,S47,S49を実行する部分が報知制御部としてのタイヤ異常報知制御部を構成している。
上記実施例においては、タイヤが定常状態にあることは、空気温度の変化勾配に基づいて検出されるようにされていたが、人、例えば、運転者により操作される操作部の操作に応じて検出されるようにしてもよい。また、タイヤの空気温度と空気圧との関係は、タイヤの2つの定常状態における各空気温度および空気圧の各検出値に基づいて取得されるようにされていたが、1つの定常状態における空気温度と空気圧との検出値に基づいて取得されてもよい。それらの実施例を図10および図11に基づいて説明する。
本実施例のタイヤ異常検出装置においては、図10に概略的に示すように、車体側処理装置90に定常状態検出スイッチ120が接続され、操作部を構成している。図11に示すフローチャートはコンピュータ88のROMに記憶されており、そのS61において定常状態検出スイッチ120がONであるか否か、すなわち人、例えば、運転者によって定常状態検出スイッチ120が押されたか否かが判定される。人は、タイヤが定常状態にあると推定される状態において、例えば、車両が走行を開始しているが、タイヤ温度は未だ十分低い状態にあると推定されるときに定常状態検出スイッチ120を押して定常状態の検出を指示する。
定常状態検出スイッチ120が押されれば、S61の判定結果はYESになってS2が実行され、定常状態における温度・圧力関係が取得される。温度センサ40および圧力センサ42によりそれぞれ検出されて送られてくる空気温度および空気圧が読み込まれ、それら検出値に基づいて、空気温度と空気圧との関係を表す直線の温度・圧式が求められる。ここでは、タイヤの空気温度と空気圧との関係は、P=nRT/Vにより表され、検出された空気温度および空気圧からnR/Vが求められる。
次いでS63が実行され、温度センサ40および圧力センサ42により検出されるタイヤ30の空気温度および空気圧が読み込まれた後、S64において、S63において読み込まれた空気圧である検出空気圧と、S2において取得した温度・圧力関係線を表す式およびS63において読み込まれた空気温度から得られる定常状態での空気圧との差の絶対値が、設定値より大きいか否かが判定される。温度・圧力関係線の両側に設定される異常判定線より出外れるか否かが判定され、検出された空気温度と空気圧との組合わせの、定常状態における温度・圧力関係に対する外れが大きいか否かが判定されて、タイヤ30が異常であるか否かが判定されるのである。
上記差の絶対値が設定値以下であれば、空気圧は定常状態での値から大きく外れておらず、タイヤ30は正常であり、S64の判定結果はNOになってS63が実行される。差の絶対値が設定値以下であれば、S64の判定結果がYESになってS65が実行され、タイヤ異常が報知される。この場合、空気圧が異常に大きいかあるいは小さく、例えば、カーカスが切れてタイヤ30のサイドウォール部が膨れ上がり、空気圧が異常に低下する等のタイヤ異常が生じており、S65において、例えば、ディスプレイ100への文字による表示により、運転者にタイヤ30が異常であることがわかる。
本実施例においては、定常状態検出スイッチ120が操作部を構成し、車体側処理装置90のS61を実行する部分が操作対応定常状態検出部を構成し、S62を実行する部分が操作対応検出値読込部を構成し、S64を実行する部分が異常判定部を構成している。
本実施例においては、定常状態検出スイッチ120が操作部を構成し、車体側処理装置90のS61を実行する部分が操作対応定常状態検出部を構成し、S62を実行する部分が操作対応検出値読込部を構成し、S64を実行する部分が異常判定部を構成している。
なお、定常状態検出スイッチが押され、一旦、温度・圧力関係が取得された後も定常状態検出スイッチが押されれば、温度・圧力関係が取得されるようにしてもよい。例えば、S61において定常状態検出スイッチが押されていないと判定された場合に、既に温度・圧力関係が取得されているか否か(温度・圧力メモリに温度・圧力関係が記憶されているか否か)を判定し、取得されていなければルーチンの実行を終了し、取得されていれば、S63を実行するようにする。また、S64の判定結果がNOになった場合、ルーチンの実行を終了し、S61の定常状態検出スイッチがONにされたか否かの判定が常時、行われ、定常状態検出スイッチがONにされたときにS62が実行されるようにする。
タイヤ異常検出装置は、人により操作される操作部の操作に応じて初期化されるようにしてもよい。その実施例を図12ないし図14に基づいて説明する。
本実施例のタイヤ異常検出装置は、図12に概略的に示すように、前後左右の各車輪にそれぞれ設けられた車輪側装置130〜136および車体側装置28を備えている。車輪側装置130〜136はそれぞれ、温度センサ140および圧力センサ142等を備えている。また、車体側処理装置90に初期化スイッチ150が接続されている。図13および図14に示すフローチャートはコンピュータ88のROMに記憶されている。これらルーチンは、イグニッションスイッチがOFF状態からON状態に切り換えられることにより実行される。
図13に示す温度・圧力関係取得ルーチンにおいては、まず、S71において初期化スイッチ150がONであるか否か、すなわち人、例えば、運転者によって初期化スイッチ150が押されたか否かが判定される。人は、例えば、タイヤの空気温度と空気圧との関係を取得することが必要と見なし、あるいは望む場合、例えば、外気温度の変化等の走行環境の変化,前回の温度・圧力関係の取得から、例えば、長い時間が経過し、あるいは走行距離が長くなった場合、あるいはタイヤ交換時等に初期化スイッチ150を押す。人は、本実施例では、初期化スイッチ150を原則としてタイヤ温度が比較的低い状態で押す。例えば、そのように車両のマニュアルが作成されている。初期化スイッチ150が押されないのであれば、S71の判定結果はNOになり、ルーチンの実行は終了する。外気温度,前回の初期化スイッチ150の操作からの経過時間等に基づいて、タイヤ30の空気温度と空気圧との関係を取得すべき状態にあるか否かを検出し、判定する温度・圧力関係取得時期検出部ないし判定部を設け、温度・圧力関係の取得時期であれば、初期化スイッチ150を押すべきことが報知装置により人に報知されるようにしてもよい。
初期化スイッチ150が押されれば、S71の判定結果がYESになってS72が実行され、タイヤ30の空気温度と空気圧との関係が取得される。この関係は、例えば、温度センサ140および圧力センサ142によりそれぞれ検出される空気温度および空気圧を複数ずつ取得し、それらに基づいて取得される。空気温度および空気圧力は、例えば、予め設定された時間間隔で設定数ずつ読み込まれ、空気温度・空気圧メモリに記憶される。
そして、例えば、取得された複数ずつの空気温度および空気圧に基づいて、空気温度と空気圧との関係を規定する最小自乗回帰直線が取得され、その直線の式が求められる。ここでは、タイヤの空気温度と空気圧との関係は、P=nRT/Vにより表され、コンピュータ88のRAMに設けられた温度・圧力関係メモリに記憶される。初期化スイッチ150が押されることにより温度・圧力関係の取得が指示され、タイヤ30の正常な状態における温度・圧力関係が新たに取得されて初期化される。初期化スイッチ150は、タイヤ温度が比較的低い状態で押されるため、走行によるタイヤ30の温度上昇過程において空気温度および空気圧が取得され、過渡状態において取得されることとなるが、本実施例では、温度センサ140による空気温度の検出の遅れは無視し得る程度の大きさであり、温度センサ140と圧力センサ142とにより検出される空気温度と空気圧との関係が温度上昇過程においても一義的に定まり、それらの検出値に基づいてタイヤ30の正常な状態における温度・圧力関係が取得される。なお、S72では、初期化スイッチ150がONにされることにより、温度・圧力関係の取得に先立って、例えば、温度・圧力関係メモリおよび空気温度・空気圧メモリのクリア等の処理が行われる。
図14に示すタイヤ異常判定ルーチンにおいては、S81ないしS83が前記タイヤ異常判定ルーチンのS63ないしS65と同様に実行され、タイヤ30が異常であるか否かが判定される。S82の判定は、S72において取得された温度・圧力関係およびS81において読み込まれた空気温度により得られる空気圧を、S81において読み込まれた空気圧である検出空気圧と比較することにより行われる。初期化スイッチ150が押され、温度・圧力関係が新たに取得されるまでの間、前回の初期化スイッチ150の操作により取得された温度・圧力関係を用いてS82の判定が行われる。初期化スイッチ150が押され、タイヤ異常検出装置が初期化されて温度・圧力関係が初期化されれば、それを用いてS82の判定が行われる。
初期化スイッチ150は、原則として、タイヤ温度が低い状態で押され、タイヤ異常判定装置の初期化が行われるが、初期化スイッチ150は、イグニッションスイッチがOFF状態からON状態に切り換えられた状態で必ず押されるとは限らず、S82の判定は、今回、タイヤ異常判定ルーチン等が実行される際のイグニッションスイッチのON状態への切換え時に取得された空気温度・圧力関係に基づいて行われるとは限らない。しかし、人は任意の時期に初期化スイッチ150を押して空気の温度・圧力関係が取得されるようにすることができる。そのため、イグニッションスイッチがON状態に切り換えられた後、OFF状態に切り換えられるまでの間、タイヤ温度が低い状態でなくても温度・圧力関係を取得することができ、また、人は任意の時期に任意の回数、温度・圧力関係を取得させることができ、例えば、走行時期,走行場所,走行地域等、走行環境や走行条件等が変化し、温度・圧力関係が大きく変化し、あるいは変化することが予想される場合に初期化スイッチ150を押して、温度・圧力関係を取得させることにより、タイヤ異常判定が、実際の温度・圧力関係に基づいて行われるようにすることができる。
本実施例においては、初期化スイッチ150が操作部を構成し、車体側処理装置のS72を実行する部分が初期化部,操作対応検出値読込部および温度・圧力関係取得部を構成し、S82を実行する部分が異常判定部を構成している。初期化スイッチ150は、温度センサ140および圧力センサ142の検出値の読込みを行うための操作部と、タイヤ異常検出装置を初期するための操作部とを兼ねている。
本実施例においては、初期化スイッチ150が操作部を構成し、車体側処理装置のS72を実行する部分が初期化部,操作対応検出値読込部および温度・圧力関係取得部を構成し、S82を実行する部分が異常判定部を構成している。初期化スイッチ150は、温度センサ140および圧力センサ142の検出値の読込みを行うための操作部と、タイヤ異常検出装置を初期するための操作部とを兼ねている。
なお、タイヤの高温定常状態は、空気温度の上昇勾配に基づいて検出するのに限らず、例えば、走行時間依拠定常状態検出部としての走行時間依拠高温定常状態検出部を設け、タイヤを備えた車両が設定走行時間以上走行し続けたことに基づいて高温定常状態が検出されるようにしてもよい。この場合、全く停車することなく走行し続けている状態が設定時間以上続いた場合に高温定常状態が検出されるようにしてもよく、走行開始後、走行中に停車しても、イグニッションスイッチがON状態に切り換えられている限り、走行し続けていると見なして高温定常状態を検出するようにしてもよく、停車時間が設定時間以内であれば走行し続けていると見なして高温定常状態を検出するようにしてもよい。例えば、図4に示すタイヤ異常判定ルーチンのS12を、イグニッションスイッチがOFF状態からON状態に切り換えられた後、初めてS12が実行される際の日時を走行開始日時メモリに記憶させ、S12が実行される毎に走行開始からの時間を設定時間と比較してタイヤが高温定常状態にあるか否かを判定するステップとする。いずれの態様によって車両の設定走行時間以上の走行を検出する場合にも、車両の平均走行速度が設定速度以上である状態で検出することが望ましい。
また、複数の定常状態における温度センサと圧力センサとの検出値に基づいて温度・圧力関係を取得する場合にも、操作対応定常状態検出部を設け、人により操作される操作部の操作に応じて複数の定常状態が検出されるようにしてもよい。この場合、例えば、人は、イグニッションスイッチがONにされた後、タイヤが定常状態にあると推定される複数の状態であって、例えば、車両停止状態(例えば、設定時間以上の停止時)および走行状態(例えば、車両が高温定常状態にあると推定される走行状態)においてそれぞれ、定常状態検出スイッチ等の操作部を操作し、複数の定常状態の各々において得られる空気温度および空気圧に基づいて温度・圧力関係を取得する。
さらに、バーストの発生を予測する場合、空気圧増分の空気温度増分に対する比の絶対値が第一設定値以上であるか否かを判定するようにしてもよい。例えば、タイヤ異常内容判定ルーチンのS42を、空気圧が上昇しているか否かを判定するステップとし、S43を、空気圧増分の空気温度増分に対する比の絶対値が第一設定値以上であるか否かを判定するステップとする。
また、空気圧および空気温度を読み込んで記憶したりする場合、一度に連続して複数個のデータを読み込み、例えば、それら複数のデータの平均値を求めて検出空気圧,検出空気温度として記憶したり、利用するようにしてもよい。
さらに、タイヤの空気温度,空気圧の変化勾配は、最小二乗回帰直線を求めることにより取得するのに限らず、例えば、空気温度・空気圧メモリに記憶された複数の空気温度のうち、最新の空気温度から最も古い空気温度を引くことにより得られる温度差を、最古の空気温度の取得から最新の空気温度の取得までの時間(タイヤ異常判定ルーチンの実行サイクルタイムおよび空気温度・空気圧メモリに記憶される空気温度の検出値の数により得られる)で除することにより、空気温度の変化勾配を求めてもよい。また、タイヤの空気温度の増分は、最新の空気温度から最も古い空気温度を引くことにより取得してもよい。この増分を空気温度の変化勾配として扱ってもよい。タイヤの空気圧の変化勾配および増分についても同様である。
また、定常状態、例えば、低温定常状態および高温定常状態はそれぞれ、イグニッションスイッチがOFFからONに切り換えられている間に設定条件が成立する毎に、例えば、イグニッションスイッチがONに切り換えられてから設定時間が経過する毎に、あるいは設定走行距離走行する毎に記憶され、更新されるようにしてもよい。
さらに、車輪側装置においてタイヤ異常判定(異常内容判定も含む)が行われ、その判定結果に基づいて車体側装置において報知等が行われるようにしてもよい。
また、本発明は、チューブを備えたタイヤの異常検出装置にも適用することができる。
以上、本請求可能発明の実施例を詳細に説明したが、これらは例示に過ぎず、本請求可能発明は、前記〔発明の態様〕の項に記載された態様を始めとして、当業者の知識に基づいて種々の変更を施した形態で実施することができる。
30:タイヤ 40:温度センサ 42:圧力センサ 64:トレッド部 70:カーカス 90:車体側処理装置 92:報知装置 120:定常状態検出スイッチ 140:温度センサ 142:圧力センサ 150:初期化スイッチ
Claims (6)
- タイヤの実際の空気温度を検出する温度センサと、
前記タイヤの実際の空気圧を検出する圧力センサと、
前記タイヤの正常な状態における空気温度と空気圧との関係を記憶する温度・圧力関係記憶部と、
前記温度センサと前記圧力センサとにより検出された空気温度と空気圧との組合わせの、前記温度・圧力関係からの外れに基づいて、前記タイヤの異常を判定する異常判定部と
を含むことを特徴とするタイヤ異常検出装置。 - 前記温度・圧力関係記憶部が記憶するのが、前記タイヤの正常な状態における定常状態の空気温度と空気圧との関係である請求項1に記載のタイヤ異常検出装置。
- 前記タイヤの前記一つ以上の定常状態における前記温度センサと前記圧力センサとの検出値に基づいて、前記温度・圧力関係を取得する温度・圧力関係取得部を含むことを特徴とする請求項2に記載のタイヤ異常検出装置。
- 前記タイヤの前記一つ以上の定常状態が、タイヤの空気温度を異にする複数の定常状態であり、それら複数の定常状態が、
前記タイヤを備えた車両の停止状態が続き、前記空気温度が定常状態まで低下した低温定常状態と、
前記車両の走行状態が続き、前記空気温度が定常状態まで上昇した高温定常状態と
を含み、前記温度・圧力関係取得部が、前記低温定常状態と前記高温定常状態とにおける前記温度センサと前記圧力センサとの検出値に基づいて前記温度・圧力関係を取得する低温・高温定常状態依拠温度・圧力関係取得部を含むことを特徴とする請求項3に記載のタイヤ異常検出装置。 - 前記温度・圧力関係取得部が、人により操作される操作部の操作に応じて前記温度・圧力関係取得のための前記温度センサおよび前記圧力センサの検出値読込みを行う操作対応検出値読込部を含むことを特徴とする請求項1ないし4のいずれかに記載のタイヤ異常検出装置。
- 前記異常判定部が、前記温度センサと前記圧力センサとにより検出された空気温度と空気圧との組合わせが、前記温度・圧力関係を表す温度・圧力関係線の少なくとも片側に設定される異常判定線より出外れた場合に、前記タイヤの異常を判定するものであることを特徴とする請求項1ないし5のいずれかに記載のタイヤ異常検出装置。
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