JPH11334328A - タイヤ空気圧警報システム - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明は、送信機の送信条件をタイヤ空気圧
減少の度合いに応じて設定し、応答性を向上させること
を目的とするものである。 【解決手段】 本発明は、タイヤ空気圧情報を一定時間
毎に送信させる送信機をタイヤに装着するとともに、前
記タイヤ空気圧情報を受信し、情報を識別し、表示させ
る受信機を車体側に設けたタイヤ空気圧警報システムに
おいて、前記送信信号を一定時間毎に送信させるととも
に、単位時間ｔにおけるタイヤの急激な圧力変化が所定
の圧力(Ｐ１)以上になった時にも送信信号を送信させる
ようにしたものである。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、無線を利用したタ
イヤ空気圧警報システムに関するものである。

【０００２】

【従来の技術】従来から、自動車用タイヤ空気圧の適否
を車室内で確認するのに、無線方式のタイヤ空気圧警報
システムが用いられている。そして、タイヤ空気圧の適
否を検知し、その情報を無線で車体側に伝えるために送
信機が各タイヤに装着されている。また、送信機から
は、タイヤ空気圧が正常時でも、異状時でも一定期間毎
に信号を送信したり、また異常時の応答性をあげるため
に、一定時間毎の圧力変化の大きさによって送信の可否
を判断する送信条件としていた。

【０００３】また、他の送信条件として、タイヤ内の温
度は、車の走行に伴ったタイヤ接地面の摩擦によって上
昇するため、タイヤ内の空気圧が低ければ接地面との摩
擦が大きく、その温度の上昇は大きくなる。空気が抜け
てしまった時には、圧力の変化が現れにくいため、温度
によっても送信の可否を判定して、情報送信の条件とし
ていた。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】しかし、このような従
来の技術においては、駆動源は電池であって、送信頻度
によって、装置の寿命は決まってしまう。装置の性質
上、電池を交換して使うことも一案ではあるが、タイヤ
をホイールからはずして、さらに電池を取り替えたりす
るのは、コストを必要としたり、タイヤ内の厳しい環境
に耐えうるようにした構造上の信頼性確保も難しくな
る。単純には使用電池の容量を大きくすることが最も一
般的な解決策ではあるが、容量によってその大きさは比
例し、また重量もかさみ、タイヤのバランスの点からも
容量には限度がある。限られた容量の電池を長期的に使
うためには、先の説明のようにタイヤ空気圧の情報を、
常にリアルタイムで送信するのではなく、一定時間条件
のもとで送信したり、かつ応答性をあげるため圧力の急
激な変化時送信できるように工夫されている。

【０００５】しかし、タイヤの空気圧は、そのリークの
程度はさまざまで、自然リーク、パンクといった単純な
ものでなく、ことにその中間的なリークでも検知し、送
信して、情報を伝達できるようにしておくことが重要
で、装置の警報という性格上対策が望まれていた。

【０００６】

【課題を解決するための手段】本発明のタイヤ空気圧警
報システムは、送信機の送信条件をタイヤ空気圧減少の
度合いに応じて設定し、応答性を向上させるものであ
る。つまり、タイヤ空気圧情報を一定時間毎に送信させ
るとともに、急激な圧力変化時(単位時間ｔ１の圧力変
化がＰ１以上の時)にも送信し、又前記の送信条件に加
えて、それよりゆっくりとしたリークには、単位時間が
ｔ１＊ｎでの圧力変化がＰ２以上というような時にも送
信させたり、あるいはタイヤ内の空気温度がＴ°Ｃ以上
に達したときにも送信させるようなっている。

【０００７】つまり、本願のタイヤ空気圧警報システム
に係る第１の発明は、電池を電源として、タイヤ空気圧
情報を一定時間毎に送信させる送信機をタイヤに装着す
るとともに、前記タイヤ空気圧情報を受信し、情報を識
別し、表示させる受信機を車体側に設けたタイヤ空気圧
警報システムにおいて、前記送信信号を一定時間毎に送
信させるとともに、単位時間ｔ１におけるタイヤの急激
な圧力変化が所定の圧力(Ｐ１)以上になった時にも送信
信号を送信させるようにしたことを特徴とするものであ
る。

【０００８】また、第２の発明は、前記タイヤ空気圧警
報システムの送信機における送信条件に加えて、単位時
間ｔ１＊ｎにおける圧力変化がＰ２以上の時にも送信さ
せるようにしたことを特徴とする請求項１記載のタイヤ
空気圧警報システムである。

【０００９】さらに、第３の発明は、タイヤ内の空気温
度がＴ°Ｃ以上に達したときにも送信させるようにした
ことを特徴とする請求項１または請求項２に記載のタイ
ヤ空気圧警報システムである。

【００１０】

【発明の実施の形態】以下、本発明の実施例を図面に基
づいて詳細に説明する。図１は、本発明のタイヤ空気圧
警報システムの構成図であり、図２は、本発明の送信機
の動作タイミングの説明図であり、図３は、タイヤ空気
圧変化に対する送信条件を説明する図である。図１にお
いて、タイヤ内の空気圧を検出する検圧素子１と、温度
を検出する温度センサ２と、これらの情報を送信する電
波発信機３と、前記電波発信機３の送信アンテナ４と、
これらを駆動する電池１１を具備する送信ケースの中に
固定された送信機は各タイヤホイールに装着される。受
信機７は、受信アンテナ６で受けた送信機からの無線送
信号を受信し、制御装置１０によって表示器８や、警報
機９で空気圧の低下を警報できるようになっている。

【００１１】

【発明の作用】図２で送信機は一定期間（測定動作間隔
ｔ１）毎に動作し、圧力検出、温度検出を行いデータ処
理を行う計測期間ｔ２と、データ処理の結果に基づいて
送信可否の条件判定を行ない、情報を無線によって送信
する送信期間ｔ３を起動するように動作し、必要時以外
はスリープ状態で、ほとんど電流を消費することはな
い。

【００１２】図３は、本発明のタイヤ空気圧に対する送
信条件を説明するためのものであり、一定期間ｔ１毎の
タイヤ空気圧の変化を、送信条件を説明するために模式
的に示したものである。定期的な送信条件となる送信間
隔ｔ４は、電池容量を基に消費電流、動作時間から計算
することができ１０００ｍＡの電池を使った時には、１
５秒の測定動作間隔ｔ１で、定期的な送信間隔ｔ４は、
１０分に１回の間隔で送信すれば、１０年以上の電池寿
命が得られる。図３でaの状態の様に空気圧の変化がほ
とんどない時には充分な応答性であるが、１０分単位で
しか空気圧を検知することはできず、急激な圧力低下に
対しては応答できず、警報装置として使うには不十分で
ある。

【００１３】そこで急激な圧力変化に対しては、乗用車
でのタイヤ空気圧は約２００ｋＰａで、実験によれば
（図３のｃの空気圧低下状態）、バルブをゆるめた時、
１分３０秒程度で完全に空気は抜けるから、ｔ１＝１５
秒間隔で動作しているとすると、６回の測定期間で圧力
が０となることより、たとえば２０ｋＰａ／１５秒以上
の圧力変化を送信条件とすることで急激な圧力変化に対
して送信応答することが可能である。

【００１４】一方、中間的な空気の抜けに対しては、例
えば５分程度の応答（図３ｂの空気圧低下状態）が必要
な時では、 ２００ｋＰａ／２０ （２０＝５分／１５
秒）で１０ｋＰａ／１５秒の圧力変化の送信条件となる
が、自動車走行時は、路面状態によってタイヤの空気圧
は絶えず変化しており、これを検知し頻繁に送信条件が
成立し、送信状態を引き起こし電池寿命を著しく低下さ
せる。

【００１５】この弊害をなくすため、今一例として２０
ｋＰａ／３０秒とした時には、圧力変化の大きさは同じ
であるが、大きな値を判定値として使えるため、路面状
態を感知しての送信が多発して、電池寿命を急激に短く
するような不具合も回避できる。２０ｋＰａ／３０秒と
いう判定方法は、測定動作間隔ｔ１（１５秒）毎の圧力
変化を２回分加算して、加算値で判定すればよく、これ
はマイクロコンピュータを使えば簡単に実現できる。一
般的に書けば、測定動作間隔ｔ１＊ｎでの圧力変化をＰ
２以上とした送信条件とすれば、中間的な圧力変化に対
してもタイヤ情報を送信することができ、１０分間とい
う定期送信間隔を待たなくとも送信によってタイヤの空
気圧情報を知ることができる。

【００１６】また、温度に対する送信条件は、温度Ｔが
１２０度以上になった時を送信条件とし、１１０°Ｃ以
下になった時、送信条件は解除されるようになっていて
定期的送信時間にならなくとも情報を送信し、検知する
ことが可能になる。

【００１７】先の圧力に対する送信条件は圧力条件によ
るものであり、たとえばすでに圧力がなくなった状態に
なったタイヤでは時間的な圧力変化はないため、圧力変
化の送信条件は成立しないが、１０分毎の定期的な情報
送信で圧力、温度の検出ができる。定期的送信が１０分
毎くらいであれば警報機用としては充名な実用性を持っ
ているが、電池寿命をさらに伸ばしたい時には、定期送
信の間隔を長くしなければならないから、応答性は遅く
なってしまう。この弊害を防ぐために温度条件を加える
ことでタイヤに関するあらゆる異常状態をも検出できる
ようになる。この機能は図１の構成図で温度センサ２の
みの付加で実現でき、逆にいえば温度センサ２をなくせ
ばコスト的メリットが生かせ、最小限のタイヤ空気圧警
報装置ができると言えるため本発明の構成要素としての
重要性は、それほど高いというものでもない。

【０００１８】

【発明の効果】以上述べてきたように、本発明は、一定
時間毎に計測し、その送信条件を圧力変化の大きさの度
合や、連続するｎ回の計測圧力の加算値とすることで、
ゆっくりとした圧力変化に対しても定期時間を待たなく
とも、情報を送信することができ、電池の容量アップ
等、物理的なハードウェアーを必要とせず、ソフトウェ
アーのみで実現できるため、大きさ、重量、など設置場
所からくる制約も受けず、その実用性は非常に大きい。

【図面の簡単な説明】

【図１】 本発明のタイヤ空気圧警報システムの構成
図。

【図２】 本発明の送信機の動作タイミング。

【図３】 本発明のタイヤ空気圧に対する送信条件。

【符号の説明】

１ 検圧素子 ２ 温度センサ ３ 電波発信機 ４ 送信機 ５ 送信アンテナ ６ 受信アンテナ ７ 受信機 ８ 表示器 ９ 警報機 １０ 制御装置 １１ 電池

─────────────────────────────────────────────────────

【手続補正書】

【提出日】平成１０年６月２日

【手続補正１】

【補正対象書類名】明細書

【補正対象項目名】００１０

【補正方法】変更

【補正内容】

【００１０】

【発明の実施の形態】以下、本発明の実施例を図面に基
づいて詳細に説明する。図１は、本発明のタイヤ空気圧
警報システムの構成図であり、図２は、本発明の送信機
の動作タイミングの説明図であり、図３は、タイヤ空気
圧変化に対する送信条件を説明する図である。図１にお
いて、タイヤ内の空気圧を検出する検圧素子１と、温度
を検出する温度センサ２と、これらの情報を送信する電
波発信機３と、前記電波発信機３の送信アンテナ５と、
これらを駆動する電池１１を具備する送信ケースの中に
固定された送信機は各タイヤホイールに装着される。受
信機７は、受信アンテナ６で受けた送信機からの無線送
信号を受信し、制御装置１０によって表示器８や、警報
機９で空気圧の低下を警報できるようになっている。

【手続補正２】

【補正対象書類名】明細書

【補正対象項目名】００１４

【補正方法】変更

【補正内容】

【００１４】一方、中間的な空気の抜けに対しては、例
えば５分程度の応答（図３ｂの空気圧低下状態）が必要
な時では、 ２００ｋＰａ／２０（２０＝５分／１５
秒）で１０ｋＰａ／１５秒の圧力変化の送信条件となる
が、自動車走行時は、路面状態によってタイヤの空気圧
や、タイヤ内温度変化による空気圧は絶えず変化してお
り、これを検知し頻繁に送信条件が成立し、送信状態を
引き起こし電池寿命を著しく低下させる。

【手続補正３】

【補正対象書類名】明細書

【補正対象項目名】００１５

【補正方法】変更

【補正内容】

【００１５】この弊害をなくすため、今一例として２０
ｋＰａ／３０秒とした時には、圧力変化の割合は同じで
あるが、大きな値を判定値として使えるため、路面状態
を感知しての送信が多発して、電池寿命を急激に短くす
るような不具合も回避できる。２０ｋＰａ／３０秒とい
う判定方法は、測定動作間隔ｔ１（１５秒）毎の圧力変
化を２回分加算して、加算値で判定すればよく、これは
マイクロコンピュータを使えば簡単に実現できる。一般
的に書けば、測定動作間隔ｔ１＊ｎでの圧力変化をＰ２
以上とした送信条件とすれば、中間的な圧力変化に対し
てもタイヤ情報を送信することができ、１０分間という
定期送信間隔を待たなくとも送信によってタイヤの空気
圧情報を知ることができる。

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】電池を電源として、タイヤ空気圧情報を一
   定時間毎に送信させる送信機をタイヤに装着するととも
   に、前記タイヤ空気圧情報を受信し、情報を識別し、表
   示させる受信機を車体側に設けたタイヤ空気圧警報シス
   テムにおいて、 前記送信信号を一定時間毎に送信させるとともに、単位
   時間ｔ１におけるタイヤの急激な圧力変化が所定の圧力
   (Ｐ１)以上になった時にも送信信号を送信させるように
   したことを特徴とするタイヤ空気圧警報システム。
2. 【請求項２】前記タイヤ空気圧警報システムの送信機に
   おける送信条件に加えて、単位時間ｔ１＊ｎにおける圧
   力変化がＰ２以上の時にも送信させるようにしたことを
   特徴とする請求項１記載のタイヤ空気圧警報システム。
3. 【請求項３】タイヤ内の空気温度がＴ°Ｃ以上に達した
   ときにも送信させるようにしたことを特徴とする請求項
   １または請求項２に記載のタイヤ空気圧警報システム。