JP2005212015A - 切削工具 - Google Patents

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Shintaro Kimura
晋太郎 木村
Kenji Ito
賢治 伊東
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Abstract

【課題】 簡単な構成によって、切刃に固有の半径に依存することなく、ワークに所望半径の凹曲面を加工可能とする切削工具を提供する。
【解決手段】 すくい面及び円弧状の切刃を有する先端部を具備し、所定の回転軸21Aで回転しながらワークWに斜めに押し当てられることで、ワークWに凹曲面を形成するボールエンドミル10(切削工具)であって、すくい面が、円弧状の切刃の中心で、回転軸21Aを中心とする任意円の径方向と直交するように、先端部を移動させる調整機構を備え、切刃が回転することによって形成される略半球状の回転軌跡の大きさを調整可能とした。
【選択図】 図1

Description

本発明は、すくい面及び円弧状の切刃を有する切削工具に関する。
液晶プロジェクタのレンズや、光信号を並列処理するファイバ光学系のレンズ等として使用されるレンズアレイ(Lens Array)には、複数の凸状レンズが配列されている。このようなレンズアレイは、レンズアレイ用の金型を使用して製造される。
このようなレンズアレイ用の金型及びベースなど、ワーク(被切削物)に凹曲面を形成する方法としては、一般に次の方法が知られている。
第1の方法は、所望半径の切刃を有するチップ(バイトチップ、スローアウェイチップとも言われる)を使用し、このチップを回転させながらワークに押し当て、ワークに切刃の形状を転写させることによって、ワークに凹曲面を形成する方法である。
第2の方法は、旋削または研削によって、単レンズの金型用入れ子を複数作製し、この複数の金型用入れ子を金型に配置して、レンズアレイ用金型を作製する方法である。
第3の方法は、レンズアレイの凹曲面の半径よりも、小さい半径を有するチップまたは研削砥石(以下、チップ等という)を使用し、このチップを所定の回転軸で回転させると共に、この回転軸を走査することによってワークに前記凹曲面を形成する方法である。
第4の方法は、所望のレンズ形状に対応した切刃を有する工具を使用し、この工具でワークを走査することで、ワークに複数の凹曲面を加工するシェーパ加工である。
このようなワークに凹曲面を形成する技術に関連して、先丸バイトの切刃の曲率中心を通る軸線周りに、この先丸バイトを回転し、先丸バイトの切刃の曲率中心と金型の成形面との相対位置をずらして、凹球面を複数加工する金型加工方法が提案されている(特許文献1参照)。
特開平11−19815号公報(段落0018〜0034、図1)
しかしながら、第1の方法において、例えば、精密な加工をするためチップに単結晶ダイヤモンドからなるものを使用する場合には、チップの切刃の半径を、ワークに形成される凹曲面の半径に対応させるように加工することは困難である。
そこで、ワークに所望の半径の凹曲面を形成するには、多種類の切刃を用意、つまり、多種類のチップを用意し、この多種類のチップから、ワークに形成する凹曲面の半径に対応したチップを選択して使用する方法があるが、この方法は現実的でない。
また、第2の方法では、金型用入れ子の加工に時間がかかる上、この金型用入れ子を金型に高精度で配置することは極めて困難であり、高精度の間隔でワークに凹曲面を形成できないという問題があった。
さらに、第3の方法では、回転するチップを走査させなければならず、時間がかかるため、加工効率が悪いという問題があった。
さらにまた、第4の方法では、第3の方法と同様に、走査に時間がかかり、加工効率が悪いという問題があった。また、工具の位置及び傾きの制御を、高速且つ高精度で行わねばならないという問題があった。
そこで、本発明は、簡単な構成によって、切刃に固有の半径に依存することなく、ワークに所望半径の凹曲面を加工可能とする切削工具を提供することを課題とする。
前記課題を解決するための手段として、第1の発明は、すくい面及び円弧状の切刃を有する先端部を具備し、所定の回転軸で回転しながらワークに斜めに押し当てられることで、当該ワークに凹曲面を形成する切削工具であって、前記すくい面が、前記円弧状の切刃の中心で、前記回転軸を中心とする任意円の径方向と直交するように、前記先端部を移動させる調整機構を備え、前記切刃が回転することによって形成される略半球状の回転軌跡の大きさを調整可能としたことを特徴とする切削工具である。
このような切削工具によれば、調整機構により、すくい面が、円弧状の切刃の中心で、回転軸を中心とする任意円の径方向と直交するように、先端部を移動させた状態で、切削工具を回転させることで、切刃が回転して形成される略半球状の回転軌跡の大きさを調整することができる。すなわち、切刃に固有の半径に依存することなく、ワークに所望半径の凹曲面を加工することができる。
なお、ここでいう所望半径は、ワークに形成される凹部の直径ではなく、ワークに形成される凹曲面を一部とする球の半径を意味する。すなわち、調整機構によって、前記球の大きさは変化し、ワークに形成される凹曲面の曲率が変化することになる。
第2の発明は、前記調整機構は、前記先端部をすくい面に対して垂直な方向に、所定量移動させるように構成されたことを特徴とする第1の発明に記載の切削工具である。
このような切削工具によれば、前記先端部をすくい面に対して垂直な方向に、所定量移動させることによって、切刃が回転して形成される回転軌跡の大きさを調整することができる。
第3の発明は、第1の発明または第2の発明に係る切削工具と、前記切削工具が取り付けられると共に、当該切削工具を回転させる回転手段と、前記ワークが取り付けられるワーク取付部と、前記ワークと前記切削工具との相対位置を調整する相対位置調整手段と、を備えたことを特徴とする切削装置である。
このような切削装置によれば、回転手段により切削工具を回転させながら、相対位置調整手段によって、ワーク取付部に取り付けられたワークと、切削工具との相対位置を調整することで、ワークに所望半径の凹曲面を形成することができる。
第4の発明は、すくい面及び円弧状の切刃を有する先端部を具備する切削工具と、前記切削工具が取り付けられると共に、当該切削工具を所定の回転軸で回転させる回転手段と、ワークが取り付けられるワーク取付部と、前記ワークと前記切削工具との相対位置を調整する相対位置調整手段と、を備え、回転する切削工具を前記ワークに斜めに押し当てることによって、当該ワークに凹曲面を形成する切削装置であって、前記回転手段は、前記すくい面が、前記円弧状の切刃の中心で、前記回転軸を中心とする任意円の径方向と直交するように、前記切削工具の取付位置を調整する取付位置調整機構を有し、前記切刃が回転して形成される略半球状の回転軌跡の大きさを調整可能としたことを特徴とする切削装置である。
このような切削装置によれば、取付位置調整機構により、すくい面が、円弧状の切刃の中心で、回転軸を中心とする任意円の径方向と直交するように、切削工具を回転手段に取り付けることで、切刃が回転して形成される略半球状の回転軌跡の大きさを調整し、切刃に固有の半径に依存することなく、ワークに所望半径の凹曲面を加工することができる。
第5の発明は、すくい面及び円弧状の切刃を有する先端部を具備する切削工具を、所定の回転軸で回転させながらワークに斜めに押し当てることによって、当該ワークに凹曲面を形成する切削方法であって、前記すくい面が、前記円弧状の切刃の中心で、前記回転軸を中心とする任意円の径方向と直交するように、前記先端部を移動させる第1工程と、前記先端部を移動した切削工具を、前記回転軸で回転させながら前記ワークを切削する第2工程と、を有することを特徴とする切削方法である。
このような切削方法によれば、すくい面が、円弧状の切刃の中心で、回転軸を中心とする任意円の径方向と直交するように、先端部を移動させた状態で(第1工程)、切削工具を前記回転軸周りに回転させることによって(第2工程)、切刃が回転して形成される略半球状の回転軌跡の大きさを調整し、切刃に固有の半径に依存することなく、ワークに所望半径の凹曲面を加工することができる。
本発明によれば、簡単な構成によって、切刃に固有の半径に依存することなく、ワークに所望半径の凹曲面を加工可能とする切削工具を提供することができる。
以下、図1から図5を参照して、本発明の一実施形態に係るボールエンドミル(バイト、エンドミル、マイクロエンドミルとも言われる)及び切削装置について説明する。なお、ボールエンドミルが特許請求の範囲の切削工具に相当する。
参照する図面において、図1は、本実施形態に係る切削装置の全体斜視図である。図2は、図1に示すボールエンドミルの側面図である。図3は、図1に示すボールエンドミルとワークとの位置関係を拡大して示す斜視図である。図4(a)は、図1に示すボールエンドミルの先端にロウ付けされたチップを拡大して示す平面図であり、図4(b)は同側面図であり、図4(c)は先端側からの先端視図である。図5は、チップの切刃の回転軌跡を模式的に示す斜視図である。
<切削装置の構成>
図1に示すように、本実施形態に係る切削装置Sは、主として、ボールエンドミル10を有するツール部Saと、円柱状のワークWが着脱自在に取り付けられるヘッドSb(ワーク取付部)を備えて構成されている。
[ツール部]
ツール部Saは、ボールエンドミル10と、このボールエンドミル10を回転させる回転ユニット20(回転手段)と、回転テーブル31を備えて構成されている。
(ボールエンドミル)
図2に示すように、ボールエンドミル10は、略棒状の切削工具であって、ワークW側の前エンドミル本体11と、後エンドミル本体12と、スペーサ13と、2組の六角穴付きボルト14a及びナット14bと、前エンドミル本体11の先端にロウ付けされたチップ15とを備えて構成されている。
前エンドミル本体11は、チップ15が取り付けられる部分であり、ワークW側(つまり最先端側)に向かって縮径しており、その先端側にチップ15が取り付けられるチップポケット11aを有している。また、前エンドミル本体11及び後エンドミル本体12は、一般に超硬合金から形成される。
チップ15は、例えば単結晶ダイヤモンドから形成され、前記前エンドミル本体11のチップポケット11aにロウ付けされている。チップ15にはすくい面15aが形成されており、最先端から片側に約1/4円弧状の切刃15b(図4(a)参照)を有している。
ここで、本実施形態において、特許請求の範囲における先端部は、前エンドミル本体11とチップ15を備えて構成されている。
ただし、本発明は、このように先端にチップ15を備えたボールエンドミル10に限らず、例えばチップ15を備えず、前エンドミル本体11に直接、切刃が形成されたボールエンドミル(切削工具)であってもよい。
後エンドミル本体12は、回転ユニット20に取り付けられる部分であり、回転ユニット20の駆動によって、後記回転軸21A周りに回転する。
そして、チップ15がロウ付けされた前エンドミル本体11と後エンドミル本体12とで、板状のスペーサ13を挟持し、六角穴付きボルト14a及びナット14bを螺合させることによって前記挟持状態が保持され、ボールエンドミル10は構成されている。
したがって、ボールエンドミル10によれば、スペーサ13の厚さDを適宜変更することによって、すくい面15a及び切刃15bを有するチップ15が取り付けられた前エンドミル本体11を、すくい面15aに対して垂直な方向(図4に示すY軸方向であり、プラス方向及びマイナス方向を含む)にΔd移動可能となっている(図3、図4(b)参照)。つまり、本実施形態では、スペーサ13を厚くすれば、すくい面15a及び切刃15bが図4に示すY軸のプラス側に移動し、逆にスペーサ13を薄くすれば、すくい面15a及び切刃15bが前記Y軸のマイナス側に移動するようになっている。
すなわち、すくい面15a及び切刃15bを、回転ユニット20の回転軸21Aに対し径方向であって、すくい面15aに垂直な方向に移動可能となっている。言い換えれば、スペーサ13の厚さを適宜変更することによって、すくい面15aが、円弧状の切刃15bの中心(図4(b)、図4(c)、図5に示す点Oであり、図4(b)及び図4(c)の状態では点Oの座標は(0,Δd,0)である。ただし、点Oの座標は、ボールエンドミル10の回転により変化する)で、回転軸21Aを中心とする任意円(図4に示す座標系の原点を中心とするXY平面上の任意の円)の径方向と直交する位置に、チップ15及び前エンドミル本体11を移動させることができる。
つまり、本実施形態では、特許請求の範囲における「調整機構」は、チップ15が取り付けられた前エンドミル本体11と、後エンドミル本体12と、厚さDを適宜変更可能なスペーサ13を備えて構成されている。
なお、図4(b)に示す符号「15’」は従来のチップの位置を示し、従来のチップ15’は切刃15bの曲率中心が回転軸21A上に配置されている。
(回転ユニット)
図1に戻って説明を続ける。
回転ユニット20は、回転部21と、ユニット本体22と、ユニット台23とを備えて構成されている。ユニット本体22は、ボールエンドミル10の先端が回転テーブル31の回転軸31A上となるように、ユニット台23を介して回転テーブル31に設置されている。これにより、回転テーブル31を回転しても、ボールエンドミル10の先端位置は移動せず、ワークWとの位置合わせが容易となっている。
回転部21は、ユニット本体22に回転自在に設けられていると共に、回転ユニット20に内蔵された駆動装置により、回転軸21A周りに所定速度で回転可能となっている。また、回転部21はコレットチャックを(図示しない)を有している。このコレットチャックには、モールステーパ、ナショナルテーパ等、ボールエンドミル10を回転部21に連結させるテーパシャンク(図示しない)に対応したテーパ穴が形成されている。したがって、ボールエンドミル10は、テーパシャンク(図示しない)介して、回転部21に装着されることで保持され、前記駆動装置により、ボールエンドミル10を回転軸21A周りに回転可能となっている。
(回転テーブル)
回転テーブル31は、旋盤のベッド(図示しない)に回転自在に設置されており、回転テーブル制御装置(図示しない)により、その回転角を極めて精密に制御可能となっている。したがって、回転テーブル31を所定角度にて回転させることで、ボールエンドミル10をワークWの端面Wa(以下、ワーク端面という)に対して、適宜傾斜可能となっている。
[ヘッド]
ワークWの取付部であるヘッドSbは、旋盤のベッド(図示しない)に、ガイドレール(図示しない)を介して、3次元方向に移動自在に設置されると共に、例えば、サーボ機構等を有するヘッド制御装置(図示しない)によって、極めて精密に位置制御可能となっている。また、ヘッドSbは、例えば減圧することでワークWを吸い付け、所定位置で保持する真空チャックを備えており、ワークWを所定位置で保持可能となっている。
したがって、本実施形態では、回転テーブル31と、回転テーブル31を制御する回転テーブル制御装置(図示しない)と、ヘッドSbと、これをガイドするガイドレール(図示しない)と、ヘッド制御装置(図示しない)とによって、ワークWとボールエンドミル10との相対位置を調整する相対位置調整手段が構成されている。
<切削装置の動作及び切削方法>
続いて、切削装置Sの動作と共に、本実施形態に係る切削方法について説明する。
本実施形態に係る切削方法は、ボールエンドミル10のチップ15が取り付けられた前エンドミル本体11を、すくい面15aに対して垂直方向に所定量移動させる第1工程と、回転するボールエンドミル10にワークWを押し当てて切削する第2工程を有している。
[第1工程]
まず、前エンドミル本体11と後エンドミル本体12とで、厚さDのスペーサ13を狭持し、六角穴付きボルト11a及びナット11bを螺合して、ボールエンドミル10を構成する。そうすると、前エンドミル本体11に取り付けられたチップ15のすくい面15aは、後エンドミル本体12に対して、すくい面15aと垂直な方向であって、図4に示すY軸プラス側にΔd移動したことになる。
次いで、ボールエンドミル10を回転ユニット20に取り付ける。そうすると、前エンドミル本体11に取り付けられたチップ15のすくい面15a及び切刃15bは、後エンドミル本体12が取り付けられた回転部21の回転軸21AからΔd外側(図4においてY軸方向プラス側)に配置されることになる。言い換えれば、移動前と比較して、すくい面15aが、円弧状の切刃15bの中心(図4(b)、図4(c)及び図5に示す点O)で、回転軸21Aを中心とする任意円(図4に示す座標系の原点を中心とするXY平面上の任意の円)の径方向と直交する位置に、前エンドミル本体11及びチップ15は移動したことになる。
[第2工程]
続いて、回転ユニット20を駆動して、ボールエンドミル10を回転軸21A周りに回転させる。
回転ユニット20を駆動すると、チップ15は、切刃15bの曲率中心からずれた回転軸21A周りに回転する。そうすると、図5に示すように、チップ15の切刃15bが回転することによって形成される、略半球状の切刃15bの回転軌跡Pは、前エンドミル本体11及びチップ15をΔd移動させる前の回転軌跡Qより大きくなる。
このようにボールエンドミル10を回転させながら、回転テーブル制御装置(図示しない)により回転テーブル31を所定角度回転し、ヘッド制御装置(図示しない)によりヘッドSbの位置を制御して、ワークWを回転するボールエンドミル10に、斜めに押し当てる。
そうすると、回転する切刃15bによって、ワークWのワーク端面Waは切削され、ワークWに凹曲面が加工される。すなわち、回転する切刃15bによって形成される回転軌跡PにワークWを押し当てた分だけワークWは切削される。つまり、ワークWを押し当てる程度によって、ワークWに形成される凹曲面の直径及び深さは異なる。なお、図5に示す符号Paは、ワークWを押し当てることによって、回転軌跡Pが切り欠かれた円領域を模式的に示し、円領域Paの直径が、ワークWに形成される凹曲面の開口部の直径となる。また、ワークWを押し当てる程度によって、この円領域Paの大きさは変化する。
ここで、前記したように、移動後の切刃15bによる回転軌跡Pは、移動前の回転軌跡Qに対して大きくなっているので、ワークWに形成される凹曲面を一部とする球の半径は大きくなっている。つまり、ワークWに形成される凹曲面の曲率半径も大きくなる。具体的には例えば、切刃15bの半径を1mmとし、スペーサ13の厚さDを0.1mm厚く(Δd=0.1mm)とした場合、回転軌跡Pの半径は0.005mm大きくなる。
このようにして、本実施形態に係る切削装置Sによれば、チップ15の切刃15bに固有の半径に依存することなく、ワークWに所望半径を有する凹曲面を加工することができる。
また、スペーサ13の厚さDを変更し、前エンドミル本体11及びチップ15を移動させる程度を変えることによって、すくい角度を変化させることができる。つまり、ワークWの材質等に応じて、すくい角度を設定することが可能となり、良好な加工面を得ることができる。
以上、本発明の好適な実施形態について一例を説明したが、本発明は前記実施形態に限定されず、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、その他に例えば以下のような変更が可能である。
前記した実施形態では、図4(b)に示すように、Y軸のプラス方向にチップ15を移動したが、Y軸マイナス方向にチップ15を移動した場合であっても、移動後の回転軌跡P(図5参照)は大きくなり、このように移動した場合であっても本発明の技術的範囲に属することは言うまでもない。
また、前記した実施形態では、チップ15が取り付けられた前エンドミル本体11と後エンドミル本体12とでスペーサ13を挟持し、スペーサ13の厚みDを変更して、切刃15b及びすくい面15aを有するチップ15を、すくい面15aに対し垂直な方向に移動させるとしたが、本発明では切刃15b及びすくい面15aを移動可能であればどのようであってもよい。
例えば、図6に示すボールエンドミル40を使用してもよい。ボールエンドミル40は、回転軸21Aに対して傾斜する傾斜面41eを有する前エンドミル本体41と、同じく回転軸21Aに対して傾斜する傾斜面42eを有する後エンドミル本体42と、前エンドミル本体41のチップポケット41aにロウ付けされたチップ15とを備えて構成されている。このボールエンドミル40によれば、傾斜面41eと傾斜面42eを摺り合わせながら、先端部41と基端部42を相対的に移動させることによって、チップ15をすくい面15aに垂直な方向(回転軸21Aに対して径方向)に移動することができる。
また、図7に示すボールエンドミル50を使用してもよい。ボールエンドミル50は、前エンドミル本体51と、中エンドミル本体52と、後エンドミル本体53と、六角穴付きボルト54と、前エンドミル本体51のチップポケット51aにロウ付けされたチップ15とを備えて構成されている。
後エンドミル本体53は、回転軸21A上にて回転部21(図1参照)に取り付けられる部分であって、その先端側に円柱状の凸部53fとボルト穴53hを有している。凸部53fは、後エンドミル本体53が回転部21に取り付けられた状態において、回転軸21Aからずれた位置に配置されている。
中エンドミル本体52は、回転軸21A上にて取り付けられた後エンドミル本体53と、前エンドミル本体51とを偏心可能に連結する部材である。中エンドミル本体52は、その中心軸上であって基端側(回転部21側を基端側とする)に、凸部53fと回転自在に嵌合する凹部52eと、先端側であって前記中心軸とずれた位置に、円柱状の凸部52fと、六角穴付きボルト54が挿通されるボルト挿通孔52hとを有している。
前エンドミル本体51は、前記実施形態で説明したチップ15(図3、図4等参照)がロウ付けされるチップポケット51aの他に、その中心軸上であって基端側に、凸部52fと回転自在に嵌合する凹部51eと、六角穴付きボルト54が挿通されるボルト挿通孔51hとを有している。
そして、六角穴付きボルト54を、ボルト挿通孔51h、ボルト挿通孔52hに通し、ボルト穴53hに螺合することによって、前エンドミル本体51と、中エンドミル本体52と、後エンドミル本体53とが一体化し、ボールエンドミル50を構成可能となっている。ここで、ボルト挿通孔51h及びボルト挿通孔52hは、それぞれ周方向に所定の遊びを有しており、六角穴付きボルト54を挿通したままで、前エンドミル本体51は凸部52f周りに、中エンドミル本体52は凸部53f周りに所定角度で回転可能となっている。このようにボールエンドミル50は、回転軸21Aと平行な2つの回転軸(凹部51eと凸部52fとの連結部分で回転する軸と、凹部52eと凸部53fとの連結部分で回転する軸)を有している。
なお、ボールエンドミル50は、初期状態(前エンドミル本体51及び中エンドミル本体52を回転させる前)において、チップ15のすくい面15a及び前記円弧状の切刃15bの中心が回転軸21A上となるように設定されている。また、ボールエンドミル50においては、特許請求の範囲の移動機構は、前エンドミル本体51と中エンドミル本体52と後エンドミル本体53とによって構成されており、先端部は前エンドミル本体51とチップ15とで構成されている。
したがって、このようなボールエンドミル50によれば、例えば、まず前エンドミル本体51及び中エンドミル本体52を凸部53f周りに所定角度にて回転させた後、すくい面15aが回転軸21Aと反対側(回転軸21Aを中心とする円の径方向外側)を向くように、前エンドミル本体51を凸部52f周りに所定角度にて回転させる。このような操作を行うことによって、すくい面15aが、前記円弧状の切刃15b(図4参照)の中心で、回転軸21Aを中心とする任意円の径方向と直交する位置に、チップ15及び前エンドミル本体51は移動したことになる。よって、前記実施形態と同様に、このような状態でボールエンドミル50を回転軸21A周りに回転させることで、チップ15の切刃15bの回転軌跡は大きくなる。すなわち、ボールエンドミル50が有する移動機構によれば、前記した実施形態と異なり、チップ15をすくい面15aと垂直な方向に移動させなくても、切刃15bの回転軌跡を大きくすることができる。
なお、前エンドミル本体51及び中エンドミル本体52を凸部53f周りに回転させた後、すくい面15aが回転軸21A側(回転軸21Aを中心とする円の径方向内側)を向くように、前エンドミル本体51を凸部52f周りに回転させてもよい。
また、前記した実施形態では、前エンドミル本体11と、前エンドミル本体11にロウ付けされたチップ15とで、特許請求の範囲に記載する先端部を構成したが、この他に例えば、特許請求の範囲に記載する先端部を前記チップ15自体とし、チップ15のみを移動させる構成としてもよい。
さらに、前記した実施形態では、ボールエンドミル10側ですくい面15a及び切刃15bを有するチップ15がロウ付けされた前エンドミル本体11を移動させるとしたが、前記移動機構を備えないボールエンドミルであっても、回転軸21Aからずれた所望の位置でボールエンドミルを取り付けるチャック(取付位置調整機構)を有する回転ユニット(回転手段)を使用すれば、回転ユニット側で、すくい面及び切刃を有する先端部を移動可能となり、前記実施形態と同様に、この切刃の回転軌跡を大きくすることができる。
前記した実施形態では、ヘッドSbは3次元方向に移動自在であるとしたが、ワークWとボールエンドミル10の相対位置が調整可能であればどのようであってもよい。
本実施形態に係る切削装置の全体斜視図である。 図1に示すボールエンドミルの側面図である。 図1に示すボールエンドミルとワークとの位置関係を拡大して示す斜視図である。 (a)は図1に示すボールエンドミルのチップを拡大して示す平面図であり、(b)は同側面図であり、(c)は先端側からの先端視図である チップの切刃の回転軌跡を模式的に示す斜視図である。 ボールエンドミルの変形例を示す側面図である。 ボールエンドミルの変形例を示す側面図である。
符号の説明
S 切削装置
10 ボールエンドミル
11 前エンドミル本体
11a チップポケット
13 スペーサ
15 チップ
15a すくい面
15b 切刃
20 回転ユニット
21 回転部
21A 回転軸
31 回転テーブル
W ワーク
Wa ワーク端面
P 移動後の切刃15bの回転軌跡
Q 移動前の切刃15bの回転軌跡

Claims (1)

  1. すくい面及び円弧状の切刃を有する先端部を具備し、所定の回転軸で回転しながらワークに斜めに押し当てられることで、当該ワークに凹曲面を形成する切削工具であって、
    前記すくい面が、前記円弧状の切刃の中心で、前記回転軸を中心とする任意円の径方向と直交するように、前記先端部を移動させる調整機構を備え、
    前記切刃が回転することによって形成される略半球状の回転軌跡の大きさを調整可能としたことを特徴とする切削工具。

JP2004020555A 2004-01-28 2004-01-28 切削工具 Pending JP2005212015A (ja)

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