JP2005209748A - 抵抗体及びその製造方法、電子部品 - Google Patents

抵抗体及びその製造方法、電子部品 Download PDF

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Abstract

【課題】 鉛を含まない組成系の抵抗体ペーストを使用した抵抗体において、基板による特性のばらつきを抑制する。
【解決手段】 ガラス組成物、導電性材料及び添加物を含有する抵抗体ペーストが基板上に焼き付けられてなる抵抗体である。、断面を観察したときに、基板粒子からの距離が200nm以内の領域において、導電性材料により構成される領域の割合が20%未満であり、残部がガラス組成物及び添加物により構成される領域である。また、基板粒子と導電性材料との間の距離の平均が100nm以上である。
【選択図】 図2

Description

本発明は、基板による特性のばらつきを抑えた抵抗体及びその製造方法に関するものであり、さらには、かかる抵抗体を備えた電子部品に関する。
例えば抵抗体ペーストは、一般に、抵抗値の調節及び結合性を与えるためのガラス組成物と、導電性材料と、有機ビヒクルとを主たる成分として構成されており、これを基板上に印刷した後、焼成することによって、厚さ5〜20μm程度の厚膜抵抗体が形成される。そして、この種の抵抗体ペースト(厚膜抵抗体)においては、通常、導電性材料として酸化ルテニウム(RuO2)や鉛ルテニウム酸化物等が用いられ、ガラスとして酸化鉛(PbO)系ガラス等が用いられている。
近年、環境問題が盛んに議論されてきており、例えば半田材料等においては、鉛を除外することが求められている。厚膜抵抗体も例外ではなく、したがって、環境に配慮した場合、PbO系ガラスは勿論のこと、導電性材料であるPb2Ru26の使用も避けなければならない。このような状況から、鉛を含有した厚膜抵抗体ペーストを用いることは望ましくなく、鉛フリーの厚膜抵抗体ペーストについての研究がなされている(例えば、特許文献1〜特許文献5等を参照)。
特開平8−253342号公報 特開平10−224004号公報 特開2001−196201号公報 特開平11−251105号公報 特許第3019136号公報
ところで、抵抗体の課題の一つとして、同じ組成の基板を用いた場合においても、例えば製造会社、仕様等が異なると、得られる抵抗体の特性がばらつくという問題がある。当然のことながら、基板の種類を変えた場合にも、同等の特性を得ることは困難である。このように基板によって特性が変わってしまうと、抵抗体の設計や抵抗体ペーストの設計が極めて煩雑なものとなる。
本発明は、このような従来の実情に鑑みて提案されたものであり、特に、鉛を含まない組成系の抵抗体ペーストを使用した抵抗体において、基板による特性のばらつきを抑制することを目的とする。
前述の目的を達成するために、本発明の抵抗体は、ガラス組成物、導電性材料及び添加物を含有する抵抗体ペーストが基板上に焼き付けられてなる抵抗体であって、断面を観察したときに、基板粒子からの距離が200nm以内の領域において、導電性材料により構成される領域の割合が20%未満であり、残部がガラス組成物及び添加物により構成される領域であることを特徴とする。
抵抗体ペーストの設計により、含まれる導電性材料の抵抗体中での分布が変わり、導電性材料が基板粒子から離れて存在しているときに、基板による特性のばらつきが抑制される。断面を観察したときに、基板粒子からの距離が200nm以内の領域において、導電性材料により構成される領域の割合が20%未満であり、残部がガラス組成物及び添加物により構成される領域であるとの規定は、このような状態を規定したものであり、前記要件を満たすことにより、基板の影響が排除され、基板によらず同等な特性が得られる。
前述の状態とするためには、製造上、工夫を要する。これを規定したのが、本発明の製造方法である。すなわち、本発明の抵抗体の製造方法は、B23及びSiO2を含有するガラス組成物と導電性材料、添加物とを有機ビヒクルと混合し、得られた抵抗体ペーストを基板上に塗布し、焼成することによって抵抗体を形成する抵抗体の製造方法であって、最終ガラス組成に対してB23を5モル%〜20モル%増やし、これに対応してSiO2を減らしたガラスAと、逆にSiO2を5モル%〜20モル%増やし、これに対応してB23を減らしたガラスBを用意し、いずれか一方のガラスと導電性材料を混合した後、得られた混合物と他方のガラス及び有機ビヒクルを混練し、抵抗体ペーストを調製することを特徴とする。
本発明によれば、基板による特性のばらつきを抑えることが可能であり、特性変動の少ない抵抗体を提供することが可能である。したがって、抵抗体の設計や抵抗体ペーストの設計を容易なものとすることができる。
以下、本発明に係る抵抗体及びその製造方法について説明する。
本発明の抵抗体は、基本的には、ガラス組成物、Ruを含む導電性材料、及び添加物とを含むものである。各構成材料は、焼成後の抵抗体の状態では、互いに固溶する等して一体化し、ガラス様の形態を呈する。
このとき、抵抗体に含まれる導電性材料の抵抗体中での分布が重要であり、導電性材料が基板粒子から離れて存在しているときに、基板による特性のばらつきが抑制される。導電性材料が基板粒子から離れて存在しているか否かの指標としては、本発明では、断面を観察したときに、基板粒子からの距離が200nm以内の領域において、導電性材料により構成される領域の割合がどの程度であるかを用いる。すなわち、抵抗体の断面を観察したときに、基板粒子からの距離が200nm以内の領域において、導電性材料により構成される領域の割合を20%未満、残部がガラス組成物及び添加物により構成される領域となるようにする。
前記導電性材料により構成される領域の割合は、例えば透過型電子顕微鏡での観察により求めることができる。また、基板による影響を排除するためには、前記導電性材料により構成される領域の割合の他、基板粒子と導電性材料との間の距離の平均値も適正にすることが好ましい。具体的には、導電性材料が基板粒子から離れて存在という観点から、基板粒子と導電性材料との間の距離の平均が100nm以上であることが好ましい。
前述の抵抗体は、通常、ガラス組成物、導電性材料、及び添加物を有機ビヒクルと混合した抵抗体ペーストを用いて形成される。ここで、用いる抵抗体ペーストについて説明すると、抵抗体ペーストは、前記の通りガラス組成物、導電性材料、添加物、有機ビヒクルとから構成される。
導電性材料は、絶縁体であるガラス中に分散されることで、構造物である抵抗体に導電性を付与する役割を持つ。導電性材料は、Ruを含む導電性材料が用いられ、例えば、RuO2、またはRu複合酸化物を用いる。Ru複合酸化物としては、CaRuO3、SrRuO3、BaRuO3、Bi2Ru27から選ばれる少なくとも1種が好ましい。
抵抗体ペースト中の導電性材料の含有量は、ガラス組成物、導電性材料、及び添加物の合計重量を100重量%とした場合に、9.4重量%〜53.3重量%とするのが好ましい。導電性材料の含有量が前記範囲を下回る場合、抵抗値が高くなりすぎてしまい、抵抗体ペーストとしての使用に適さなくなるおそれがある。逆に、導電性材料の含有量が前記範囲を越えると、ガラス組成物による導電性材料の結着が不十分になり、信頼性が低下するおそれがある。
ガラス組成物は、その組成は特に限定されないが、本発明では環境保全上、鉛を実質的に含まない鉛フリーのガラス組成物を用いることが好ましい。なお、本発明において、「鉛を実質的に含まない」とは、不純物レベルとは言えない量を越える鉛を含まないことを意味し、不純物レベルの量(例えば、ガラス組成物中の含有量が0.05重量%以下程度)であれば含有されていてもよい趣旨である。鉛は、不可避不純物として極微量程度に含有されることがある。
ガラス組成物は、抵抗体とされたとき、抵抗体中で導電性材料及び添加物を基板と結着させる役割を持つ。ガラス組成物は、原料として、修飾酸化物成分、網目形成酸化物成分等を混合して用いることができる。主たる修飾酸化物成分としては、アルカリ土類酸化物、具体的にはCaO、SrO、BaOから選ばれる少なくとも1種を挙げることができる。また、網目形成酸化物成分としては、B23及びSiO2を挙げることができる。また、前記主たる修飾酸化物成分の他、その他の修飾酸化物成分として、任意の金属酸化物を用いることができる。具体的な金属酸化物は、例えばZrO2、Al23、ZnO、CuO、NiO、CoO、MnO、Cr23、V25、MgO、Li2O、Na2O、K2O、TiO2、SnO2、Y23、Fe23等から選ばれる少なくとも一種であり、中でもZrO2、Al23、MnOから選ばれる少なくとも一種であることが好ましい。
ガラス組成物における各成分の含有量にはそれぞれ最適範囲が存在し、例えば主たる修飾酸化物成分の含有量が少なすぎると、導電性材料との反応性が低下し、TCR、STOL特性を劣化させるおそれがある。逆に、主たる修飾酸化物成分の含有量が多すぎる場合、抵抗体を形成した時に、過剰な金属酸化物の析出が起こり、特性、信頼性を劣化させるおそれがある。網目形成酸化物成分の含有量が少ない場合、ガラス組成物の軟化点が高くなるため、所定の焼成温度にて抵抗体を形成した場合、抵抗体の焼結が不十分となり、信頼性を著しく低下させるおそれがある。逆に、網目形成酸化物成分の含有量が多すぎる場合、ガラス組成物の耐水性が低下するため、抵抗体としたときの信頼性を著しく低下させるおそれがある。また、その他の修飾酸化物成分の含有量が少なすぎる場合、ガラス組成物の耐水性が低下するため、抵抗体としたときの信頼性を著しく低下させるおそれがある。逆に、その他の修飾酸化物成分の含有量が多すぎる場合、抵抗体を形成した時に、過剰な金属酸化物の析出が起こり、特性、信頼性を劣化させるおそれがある。
抵抗体ペースト中のガラス組成物の含有量は、導電性材料、ガラス組成物、添加物の合計の重量を100重量%とした時に、47.7重量%〜90.6重量%とするのが好ましい。含有量が少ない場合、導電性材料、添加物の結着が不十分となり、信頼性が著しく低下するおそれがある。逆に、ガラス組成物の含有量が前記範囲を越えると、抵抗値が高くなり過ぎてしまい、抵抗体ペーストとしての使用に適さなくなるおそれがある。
抵抗体ペーストには、前述のガラス組成物、導電性材料の他、特性の調整等を目的として、添加物が含まれていてもよい。抵抗体ペーストにおける添加物の含有量は、ガラス組成物、導電性材料、及び添加物の合計重量を100重量%とした場合に、0〜27.2重量%とするのが好ましく、1.0重量%〜27.2重量%とするのがより好ましい。添加物の含有量が少ない場合、十分な特性の調整が困難となる。逆に、添加物の含有量が多すぎる場合、導電性材料、添加物の結着が不十分となり、信頼性が著しく低下するおそれがある。
添加物としては、任意の金属酸化物を用いることができる。具体的には、MgO、TiO2、SnO2、ZnO、CoO、CuO、NiO、MnO、Mn34、Fe23、Cr23、Y23、V25等が挙げられる。中でも、TCR調整剤として効果の高い酸化物であるCuO、NiO、MgOが好ましい。それぞれの添加物の含有量が多すぎる場合、STOL特性が劣化するおそれがある。
有機ビヒクルは、ガラス組成物、導電性材料と添加物とを混練しペースト化させる役割を有し、この種の抵抗体ペーストに用いられるものがいずれも使用可能である。有機ビヒクルは、バインダを有機溶剤中に溶解することによって調製されるものである。バインダとしては、特に限定されず、例えば、エチルセルロース、ポリビニルブチラール等、各種バインダから適宜選択すればよい。有機溶剤も限定されず、テルピネオール、ブチルカルビトール、アセトン、トルエン等、各種有機溶剤から適宜選択すればよい。さらに、抵抗体ペーストの物性を調節するために、分散剤等の各種添加剤を加えてもよい。
前記有機ビヒクルの配合比率であるが、ガラス組成物、導電性材料、及び添加物を合計した合計重量(W1)と、有機ビヒクルの重量(W2)の比率(W2/W1)が、0.25〜4(W2:W1=1:0.25〜1:4)であることが好ましい。より好ましくは、前記比率(W2/W1)が0.5〜2である。前記比率を外れると、抵抗体を例えば基板上に形成するのに適した粘度の抵抗体ペーストを得ることができなくなるおそれがある。
抵抗体ペーストは、前述の各成分、すなわちガラス組成物、導電性材料、添加物を有機ビヒクルと混合することにより調製するが、このとき、最終的に得られる抵抗体において導電性材料が所定の分布となるように、工程に改良を加える。
すなわち、従来は、各成分(ガラス組成物、導電性材料、添加物)を一括して有機ビヒクルに投入し混合するが、ここでは、先ず、最終ガラス組成に対してB23を5モル%〜20モル%以上増やし、これに対応してSiO2を減らした組成のガラスAと、逆にSiO2を5モル%〜20モル%増やし、これに対応してB23を減らした組成のガラスBを用意する。そして、いずれか一方のガラスと導電性材料を混合した後、得られた混合物と他方のガラス及び有機ビヒクルを混練し、抵抗体ペーストを調製する。例えば、ガラスBと導電性材料を混合した後、得られた混合物とガラスA及び有機ビヒクルを混練し、抵抗体ペーストを調製する。逆に、ガラスAと導電性材料を混合した後、得られた混合物とガラスB及び有機ビヒクルを混練してもよい。
また、添加物は、前者、すなわちいずれか一方のガラスと導電性材料を混合する際に添加してもよいし、後者、すなわち得られた混合物と他方のガラス及び有機ビヒクルを混練する際に添加してもよい。あるいは、添加物を分割し、いずれか一方のガラスと導電性材料を混合する際と、得られた混合物と他方のガラス及び有機ビヒクルを混練する際の両方の工程において添加するようにしてもよい。
前記一方のガラスと導電性材料との混合は、例えばボールミルにて行う。得られた混合物と他方ガラス及び有機ビヒクルの混練は、例えば3本ロールミルにて行う。これにより、前述の導電性材料の分布状態を実現することができる。
抵抗体を形成するには、前述の成分を含む抵抗体ペーストを例えば基板上にスクリーン印刷等の手法で印刷(塗布)し、空気中で温度800℃〜900℃、例えば850℃で焼成すればよい。基板としては、Al23基板やBaTiO3基板の誘電体基板や、低温焼成セラミック基板、AlN基板等を用いることができる。基板形態としては、単層基板、複合基板、多層基板のいずれであってもよい。多層基板の場合、抵抗体は、表面に形成してもよいし、内部に形成してもよい。
厚膜抵抗体の形成に際しては、通常、基板に電極となる導電パターンを形成するが、この導電パターンは、例えば、AgやPt、Pd等を含むAg系の良導電材料を含む導電ペーストを印刷することにより形成することができる。また、形成した抵抗体の表面に、ガラス膜等の保護膜を形成してもよい。
本発明の厚膜抵抗体は、各種電子部品に適用可能である。適用可能な電子部品としては特に限定されないが、例えば単層または多層の回路基板、チップ抵抗器等の抵抗器、アイソレータ素子、C−R複合素子、モジュール素子の他、積層チップコンデンサ等のコンデンサやインダクタ等が挙げられ、コンデンサやインダクタ等の電極部分にも適用することができる。
以下、本発明を適用した具体的な実施例について、実験結果に基づいて説明する。なお、本発明が以下の実施例に限定されるものでないことは言うまでもない。
比較例用ペースト
ペースト組成は下記の通りである。なお、ペースト組成は、導電性材料、ガラス組成物、添加物の合計重量を100としたときの各成分の重量比率である。
・導電性材料:CaRuO3(19.8重量%)
・ガラス組成物:CaO−B23−SiO2−ZrO2(55.0重量%)
・添加物:NiO(16.7重量%)、MgO(5.0重量%)、CuO(3.5重量%)
なお、ガラス組成物の組成は、CaO34モル%、B2336モル%、SiO225モル%、ZrO25モル%である。これら成分を有機ビヒクルとともに3本ロールにて混練し、ペースト化した。
実施例用ペースト
ペースト組成及びガラス組成物の組成は、先の比較例用ペーストと同じである。ただし、工程を次のように変更した。先ず、前記ガラス組成に対してB23を10モル%増やし、SiO2を10モル%減らしたガラスAと、前記ガラス組成に対してSiO2を10モル%増やし、B23を10モル%減らしたガラスBを作製した。そして、ガラスBと導電性材料、添加物をボールミルにて混合した。次いで、得られた混合粉とガラスAを混合し、有機ビヒクルと3本ロールにて混練を行い、ペースト化した。
抵抗体の作製
5種類の市販の96%アルミナ基板、及び2種類の誘電体基板上に、Ag−Pt導体ペーストを所定形状にスクリーン印刷して乾燥させた。Ag−Pt導体ペーストにおけるAgの割合は95重量%、Ptの割合は5重量%とした。このアルミナ基板をベルト炉に入れ、投入から排出まで1時間のパターンで焼き付けを行った。この時の焼き付け温度は850℃、その温度での保持時間は10分間とした。
このようにして導体が形成されたアルミナ基板上に、先に作製した抵抗体ペースト(比較例用ペースト及び実施例用ペースト)をスクリーン印刷法にて所定の形状(1mm×1mmの方形状)のパターンで塗布し、乾燥した。その後、導体焼き付けと同じ条件で抵抗体ペーストを焼き付け、厚膜抵抗体を得た。比較例用ペーストを用いて作製された厚膜抵抗体を比較例、実施例用ペーストを用いて作製された厚膜抵抗体を実施例とする。
基板−抵抗体界面の観察
基板上に形成した抵抗体の断面を透過型電子顕微鏡(TEM)にて観察した。抵抗体試料1つに対して、無作為に選んだ5箇所について、FIBにより抵抗体断面のサンプリングを行った。そして、透過型電子顕微鏡(TEM)での観察により、基板粒子表面から距離200nm以内の領域における導電性材料粒子領域の面積割合の平均を計測した。また、基板粒子間のガラス浸透部を除き、基板粒子表面から最も近い導電性材料粒子までの距離を計測した。この時、観察断面に見られる基板粒子−導電性材料粒子の最も近接する部分を含む10箇所について前記距離を測定し、その平均を算出した。
その結果、比較例の抵抗体では、導電性材料粒子領域の面積割合が83.2%、基板粒子と導電性材料粒子の平均距離が61.6nmであった。比較例の抵抗体の断面TEM写真を図1に示す。
これに対して、実施例の抵抗体では、導電性材料粒子領域の面積割合が9.8%、基板粒子と導電性材料粒子の平均距離が250.3nmであった。実施例の抵抗体の断面TEM写真を図2に示す。
抵抗体の特性評価
(1)抵抗値
Agilent Technologies 社製の製品番号 34401Aにより測定。試料数24個の平均値を求めた。
(2)C.V.値(抵抗値のバラツキ)
C.V.値=抵抗値の標準偏差/抵抗値の平均値である。これにより、基板間のばらつきを評価した。
比較例及び実施例の抵抗体の特性評価結果を表1に示す。実施例では、比較例と比べて基板による抵抗値の変動やC.V.値が小さな値に抑えられている。
Figure 2005209748
比較例の抵抗体の断面TEM写真である。 実施例の抵抗体の断面TEM写真である。

Claims (14)

  1. ガラス組成物、導電性材料及び添加物を含有する抵抗体ペーストが基板上に焼き付けられてなる抵抗体であって、
    断面を観察したときに、基板粒子からの距離が200nm以内の領域において、導電性材料により構成される領域の割合が20%未満であり、残部がガラス組成物及び添加物により構成される領域であることを特徴とする抵抗体。
  2. 基板粒子と導電性材料との間の距離の平均が100nm以上であることを特徴とする請求項1記載の抵抗体。
  3. Al23基板上に形成されていることを特徴とする請求項1又は2記載の抵抗体。
  4. 前記導電性材料が、RuO2、Ru複合酸化物の少なくとも1種であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項記載の抵抗体。
  5. 前記導電性材料が、RuO2、CaRuO3、SrRuO3、BaRuO3、Bi2Ru27から選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする請求項4記載の抵抗体。
  6. 前記ガラス組成物は、B23及びSiO2を含有することを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項記載の抵抗体。
  7. 23及びSiO2を含有するガラス組成物と導電性材料とを有機ビヒクルと混合し、得られた抵抗体ペーストを基板上に塗布し、焼成することによって抵抗体を形成する抵抗体の製造方法であって、
    最終ガラス組成に対してB23を5モル%〜20モル%増やし、これに対応してSiO2を減らしたガラスAと、逆にSiO2を5モル%〜20モル%増やし、これに対応してB23を減らしたガラスBを用意し、
    いずれか一方のガラスと導電性材料を混合した後、得られた混合物と他方のガラス及び有機ビヒクルを混練し、抵抗体ペーストを調製することを特徴とする抵抗体の製造方法。
  8. 前記いずれか一方のガラスと導電性材料との混合をボールミルにて行うことを特徴とする請求項7記載の抵抗体の製造方法。
  9. 前記得られた混合物と他方のガラス及び有機ビヒクルを混練を3本ロールミルにて行うことを特徴とする請求項7記載の抵抗体の製造方法。
  10. 前記いずれか一方のガラスと導電性材料を混合する際に、添加物を混合することを特徴とする請求項7又は8記載の抵抗体の製造方法。
  11. 前記得られた混合物と他方のガラス及び有機ビヒクルを混練する際に、添加物を混合することを特徴とする請求項7又は9記載の抵抗体の製造方法。
  12. 前記いずれか一方のガラスと導電性材料を混合する際、及び前記得られた混合物と他方のガラス及び有機ビヒクルを混練する際の両者において、添加物を混合することを特徴とする請求項7乃至9のいずれか1項記載の抵抗体の製造方法。
  13. 前記焼成は、空気中、800℃〜900℃で行うことを特徴とする請求項7乃至12のいずれか1項記載の抵抗体の製造方法。
  14. 請求項1乃至6のいずれか1項記載の抵抗体を備えた電子部品。
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