JP2005208110A - 電子写真感光体、プロセスカートリッジおよび電子写真装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】耐クラック性に優れた電子写真感光体を提供するとともに、画質安定性を有する電子写真感光体、プロセスカートリッジおよび電子写真装置を提供する。
【解決手段】支持体上に感光層を有する電子写真感光体において、前記感光層に、分子量が300以上700以下の電荷輸送材料Aと分子量1500以上4000以下の特定の構造を有する電荷輸送材料Bとを有し、電荷輸送材料Bが、式(1−A)〜(1−E)の特定構造である電子写真感光体。
【選択図】 なし
【解決手段】支持体上に感光層を有する電子写真感光体において、前記感光層に、分子量が300以上700以下の電荷輸送材料Aと分子量1500以上4000以下の特定の構造を有する電荷輸送材料Bとを有し、電荷輸送材料Bが、式(1−A)〜(1−E)の特定構造である電子写真感光体。
【選択図】 なし
Description
本発明は電子写真感光体、プロセスカートリッジおよび電子写真装置に関し、詳しくは、特定の分子量を有する電荷輸送材料Aと特定の分子量及び特定の構造を有する電荷輸送材料Bを有する電子写真感光体、その電子写真感光体を有するプロセスカートリッジおよび電子写真装置に関する。
電子写真装置に用いられる像保持部材として、電子写真感光体があり、高生産性、材料設計の容易性および将来性の観点から、有機光導電性物質による有機系電子写真感光体の開発が盛んに行われている。電子写真としての性能を示す、感度、残留電位、繰り返し安定性に関しては無機系電子写真感光体より優れた電子写真感光体が生産されるに至ったが、有機電子写真感光体における耐摩耗性、あるいはクラックが以前より問題となっている。
特にクラックについては感光体製造時に膜内に生じる応力が強いとクラックが発生しやすく、特定の環境条件下や油脂の付着あるいはクリーニングブレードやCローラーなどの当接部でクラックが発生し、画質に現れてしまうことがある。このようなクラックを抑える方法として表面層を形成する結着樹脂による改善提案がなされてきている(特許文献1)。この特許文献中では、特定の結着樹脂を用いて感光層を形成し、クラックを発生しにくくすることができるというものである。また製造法による改善提案もなされている(特許文献2)。これによると感光体成膜後の加熱乾燥後の冷却勾配を制御するとクラックが防止できるというものである。また特定の電荷輸送物質によっても改善されるとしている(特許文献3、4、5)。
更に表面層に電荷輸送物質以外に特定のカルボン酸エステルやスルホン酸エステルあるいはシアノビニル化合物を含有することで、クラックの発生が抑えられるとしている(特許文献6、7)。
またトリフェニルメタン化合物と高分子量電荷輸送材料である電荷輸送機能を有するポリカーボネート樹脂とを含有することで耐クラック性が向上するとある(特許文献8)。
このように従来から耐クラック性の改善提案がなされてきているが、感光体周辺部材の硬度向上、感光体表面上への添加剤の積極的な使用により、耐クラック性が従来以上に重要視されており、外的因子に影響されない感光体が望まれている。
特開2002−258497号公報
特開平07−244387号公報
特開2000−056489号公報
特開2000−314971号公報
特開2000−314972号公報
特開2000−066421号公報
特開2002−131949号公報
特開2001−235884号公報
本発明における電子写真感光体の目的は、耐クラック性に優れた電子写真感光体を提供するとともに、画質安定性を有する電子写真感光体、プロセスカートリッジおよび電子写真装置を提供することにある。
本発明者らは、前記課題を解決するため、鋭意研究を重ねた結果、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、支持体上に感光層を有する電子写真感光体において、該感光層が、結着樹脂、分子量が300以上700以下である電荷輸送材料A(以下、CTM−Aと記載する)、及び、分子量1500以上4000以下であり、かつ、下記式(1―A)〜(1−E)で示される構造を有する電荷輸送材料B(以下CTM−Bと記載する)とを含有することを特徴とする電子写真感光体を用いることによって、耐クラック性が向上することを見出した。
(式中、Ar1101〜Ar1512は、それぞれ独立して置換または無置換の一価の芳香族炭化水素環基、または、置換または無置換の一価の芳香族複素環基を示し、Z11〜Z59は置換または無置換の二価の芳香族炭化水素環基、または、置換または無置換の二価の芳香族複素環基を示す。)。
(式中、Ar1101〜Ar1512は、それぞれ独立して置換または無置換の一価の芳香族炭化水素環基、または、置換または無置換の一価の芳香族複素環基を示し、Z11〜Z59は置換または無置換の二価の芳香族炭化水素環基、または、置換または無置換の二価の芳香族複素環基を示す。)。
なお、更に詳細に説明すれば、本発明は下記の構成によって前記課題を解決できた。
(1)支持体上に感光層を有する電子写真感光体において、該感光層中に結着樹脂、分子量が300以上700以下である電荷輸送材料A、及び、
分子量1500以上4000以下であり、かつ、下記式(1−A)〜(1−E)
(式中、Ar1101〜Ar1512は、それぞれ独立して置換または無置換の一価の芳香族炭化水素環基、または、置換または無置換の一価の芳香族複素環基を示し、Z11〜Z59は置換または無置換の二価の芳香族炭化水素環基、または、置換または無置換の二価の芳香族複素環基を示す。)
で示される構造を有する電荷輸送材料B
とを含有することを特徴とする電子写真感光体。
分子量1500以上4000以下であり、かつ、下記式(1−A)〜(1−E)
(式中、Ar1101〜Ar1512は、それぞれ独立して置換または無置換の一価の芳香族炭化水素環基、または、置換または無置換の一価の芳香族複素環基を示し、Z11〜Z59は置換または無置換の二価の芳香族炭化水素環基、または、置換または無置換の二価の芳香族複素環基を示す。)
で示される構造を有する電荷輸送材料B
とを含有することを特徴とする電子写真感光体。
(2)前記電荷輸送材料BのZ11〜Z59が、置換または無置換のビフェニレン基、置換または無置換のジベンゾフラニレン基、または、置換または無置換のジベンゾチオフェニレン基であることを特徴とする前記(1)に記載の電子写真感光体。
(3)前記電荷輸送材料BのZ11〜Z59のうち、少なくとも1つが置換または無置換のジベンゾフラニレン基、または、置換または無置換のジベンゾチオフェニレン基であって、その他のZ11〜Z59が置換または無置換のビフェニレン基であることを特徴とする(1)または(2)に記載の電子写真感光体。
(4)前記電荷輸送材料Bが、逐次合成法によって合成されることを特徴とする前記(1)〜(3)のいずれかに記載の電子写真感光体。
(5)前記(1)〜(4)のいずれかに記載の電子写真感光体が、電荷発生層、電荷輸送層をこの順に積層してなることを特徴とする電子写真感光体。
(6)前記(1)〜(5)のいずれかに記載の電子写真感光体と帯電手段、現像手段およびクリーニング手段からなる群より選ばれた少なくとも1つの手段とを一体に支持し、電子写真装置本体に着脱自在であることを特徴とするプロセスカートリッジ。
(7)前記(1)〜(6)のいずれかに記載の電子写真感光体、帯電手段、露光手段、現像手段および転写手段を有することを特徴とする電子写真装置。
支持体上に感光層を有する電子写真感光体において、分子量が300以上700以下の電荷輸送材料と、分子量1500以上4000以下の特定構造の電荷輸送材料とを感光層に含有することにより、優れた耐クラック性を示し、かつ特殊な環境下においても安定した画像を提供できることが可能となった。
以下、CTM−Aについて説明する。
本発明におけるCTM−Aとは分子量が300以上700以下である電荷輸送材料であり、感光層内にCTM−AとCTM−Bとを含有する際、優れた耐クラック性を示す。
本発明におけるCTM−Aは、正孔輸送材料としては、トリアリールアミン化合物や、ピレン、アントラセンなどの多環芳香族化合物、カルバゾール系、インドール系、オキサゾール系、チアゾール系、オキサジアゾール系、ピラゾール系、ピラゾリン系、チアジアゾール系、トリアゾール系化合物などの複素環化合物、ヒドラゾン系化合物、トリアリールメタン系化合物、スチルベン系化合物が挙げられる。より好ましくはトリアリールアミン化合物、カルバゾール系化合物、ヒドラゾン系化合物が挙げられる。一方、電子輸送物質としては、2,4,7−トリニトロフルオレノン、2,4,5,7−テトラニトロフルオレノンなどの電子受容性物質が挙げられる。
以下により好ましいCTM−Aの一般構造を示すが、これらに限定されない。また必要に応じ複数種用いても良い。
(2)
式(2)で示されるAr21〜Ar24は、それぞれ置換基を有しても良いアルキル基、シクロアルキル基、置換基を有しても良い芳香環基、芳香族複素環基からなる群より選ばれる基を示す。R21、R22はそれぞれ水素原子、置換基を有しても良いアルキル基、シクロアルキル基、シロキサン基、置換基を有しても良いアリール基、あるいはR21とR22の一部が直接結合し、環を形成しても良い。なおnは0または1を示す。
(3)
式(3)で示されるAr31〜Ar34は、それぞれ置換基を有しても良いアルキル基、シクロアルキル基、置換基を有しても良い芳香環基、芳香族複素環基からなる群より選ばれる基を示す。R31、R32はそれぞれ水素原子、ハロゲン原子、置換基を有しても良いアルキル基、アルコキシ基、シクロアルキル基、シロキサン基、置換基を有しても良いアリール基からなる群より選ばれる基を示す。Xは単結合、置換基を有しても良いアルキレン基、アルケニレン基、置換基を有しても良い芳香環基、芳香族複素環基からなる群より選ばれる2価の基を示す。
(4)
式(4)で示されるAr41、Ar42は、それぞれ置換基を有しても良いアルキル基、シクロアルキル基、置換基を有しても良い芳香環基、芳香族複素環基からなる群より選ばれる基を示す。Yは単結合、置換基を有しても良いアルキレン基、アルケニレン基より選ばれる2価の基を示す。
(5)
式(5)で示されるAr51、Ar52は、それぞれ置換基を有しても良いアルキル基、シクロアルキル基、置換基を有しても良い芳香環基、芳香族複素環基からなる群より選ばれる基を示す。R51は水素原子、ハロゲン原子、置換基を有しても良いアルキル基、アルコキシ基、シクロアルキル基、シロキサン基、置換基を有しても良いアリール基からなる群より選ばれる基を示す。Zは単結合、置換基を有しても良いアルキレン基、アルケニレン基、置換基を有しても良い芳香環基、芳香族複素環基からなる群より選ばれる2価の基を示す。
(6)
(6)
式(6)で示されるAr61〜Ar64は、それぞれ置換基を有しても良いアルキル基、シクロアルキル基、置換基を有しても良い芳香環基、芳香族複素環基からなる群より選ばれる基を示す。
(7)
式(7)で示されるAr71〜Ar73は、それぞれ置換基を有しても良いアルキル基、シクロアルキル基、置換基を有しても良い芳香環基、芳香族複素環基からなる群より選ばれる基を示す。
(8)
式(8)で示されるAr81〜Ar84は、それぞれ置換基を有しても良いアルキル基、シクロアルキル基、置換基を有しても良い芳香環基、芳香族複素環基からなる群より選ばれる基を示す。R81は水素原子、ハロゲン原子、置換基を有しても良いアルキル基、アルコキシ基、シクロアルキル基、シロキサン基、置換基を有しても良いアリール基からなる群より選ばれる基を示す。
(9)
式(9)で示されるAr91〜Ar94はそれぞれ、置換基を有しても良いアルキル基、シクロアルキル基、置換基を有しても良い芳香環基、芳香族複素環基からなる群より選ばれる基を示す。R91は、水素原子、ハロゲン原子、置換基を有しても良いアルキル基、アルコキシ基、シクロアルキル基、シロキサン基、置換基を有しても良いアリール基からなる群より選ばれる基を示す。
(10)
式(10)で示されるAr101〜Ar103は、それぞれ置換基を有しても良いアルキル基、シクロアルキル基、置換基を有しても良い芳香環基、芳香族複素環基からなる群より選ばれる基を示す。
(11)
式(11)で示されるAr111、Ar112は、それぞれ置換基を有しても良いアルキル基、シクロアルキル基、置換基を有しても良い芳香環基、芳香族複素環基からなる群より選ばれる基を示す。R111は水素原子、ハロゲン原子、置換基を有しても良いアルキル基、アルコキシ基、シクロアルキル基、シロキサン基、置換基を有しても良いアリール基からなる群より選ばれる基を示す。
(12)
式(12)で示されるAr121〜Ar124は、それぞれ置換基を有しても良いアルキル基、シクロアルキル基、置換基を有しても良い芳香環基、芳香族複素環基からなる群より選ばれる基を示す。
(13)
式(13)で示されるAr131〜R134は、それぞれ置換基を有しても良いアルキル基、シクロアルキル基、置換基を有しても良い芳香環基、芳香族複素環基からなる群より選ばれる基を示す。R131は水素原子、ハロゲン原子、置換基を有しても良いアルキル基、アルコキシ基、シクロアルキル基、シロキサン基、置換基を有しても良いアリール基からなる群より選ばれる基を示す。
(14)
式(14)で示されるAr141〜Ar144は、それぞれ置換基を有しても良いアルキル基、シクロアルキル基、置換基を有しても良い芳香環基、芳香族複素環基からなる群より選ばれる基を示す。Wは酸素原子、硫黄原子、置換基を有する窒素原子からなる群より選ばれる基を示す。mは0または1を示す。
(15)
式(15)で示されるAr151〜Ar154は、それぞれ置換基を有しても良いアルキル基、シクロアルキル基、置換基を有しても良い芳香環基、芳香族複素環基からなる群より選ばれる基を示す。
(16)
式(16)で示されるAr161〜Ar164は、それぞれ置換基を有しても良いアルキル基、シクロアルキル基、置換基を有しても良い芳香環基、芳香族複素環基からなる群より選ばれる基を示す。R161は水素原子、ハロゲン原子、置換基を有しても良いアルキル基、アルコキシ基、シクロアルキル基、シロキサン基、置換基を有しても良いアリール基からなる群より選ばれる基を示す。
(17)
式(17)で示されるAr171〜Ar173は、それぞれ置換基を有しても良いアルキル基、シクロアルキル基、置換基を有しても良い芳香環基、芳香族複素環基からなる群より選ばれる基を示す。
(18)
式(18)で示されるAr181〜Ar184は、それぞれ置換基を有しても良いアルキル基、シクロアルキル基、置換基を有しても良い芳香環基、芳香族複素環基からなる群より選ばれる基を示す。R181〜R186は、それぞれ、水素原子、メチル基、エチル基からなる群より選ばれる基を示す。
(19)
式(19)で示されるAr191〜Ar193は、それぞれ置換基を有しても良いアルキル基、シクロアルキル基、置換基を有しても良い芳香環基、芳香族複素環基からなる群より選ばれる基を示す。
上記(2)〜(19)で示されるCTM−Aの中で、より好ましくは式(2)、(3)、(4)、(5)、(13)であり、以下に説明するCTM−Bとを含有することにより、耐クラック性がより一層向上する。なおCTM−A単独での使用は耐クラック性が充分ではない。
なお上記式(2)〜(19)で示されるAr(一般的表記)群で示される基については必要に応じてArの一部と他のArの一部とが直接結合して、環を形成しても良い。例えば、式(15において)Ar151の一部とAr152の一部とが直接結合して、環を形成しても良い。同様にAr153とAr154も直接結合して、環を形成しても良い。
また上記(2)〜(19)で示されるAr(一般的表記)群で示される基における置換基の数は必要に応じて同一Ar基上に1置換でも多置換でも良い。
また上記式(2)〜(19)で示されるAr(一般的表記)群で示される置換基を有しても良い芳香環基としてはフェニル基、ナフチル基、アントラセニル基、ピレニル基などが挙げられ、また置換基を有しても良い芳香族複素環基としては、ピリジル基、インドール基、キノリニル基、ベンゾフラニル基、ジベンゾフラニル基、ベンゾチオフェニル基、ジベンゾチオフェニル基などが挙げられる。なかでも、フェニル基、ナフチル基、ピリジル基、ベンゾフラニル基、ベンゾチオフェニル基が好ましい。これらが有する置換基としては、水素、炭素数1〜8のアルキル基、炭素数1〜12の芳香環基、炭素数1〜8のアルコキシ基、ハロゲン、フッ化アルキル基、シアノ基、ニトロ基などが挙げられ、なかでも、水素、メチル基、エチル基、メトキシ基、フッ素、塩素、臭素、トリフルオロメチル基が好ましい。
以下により具体的なCTM−Aの構造例について説明するが、これらに限定されない。また必要に応じ複数種用いても良い。
表.1〜表.8において、より好ましくは、No.1〜19、No.22、No.42、No.43であり、更に、No.1、No.2、No.3、No.5、No.7、No.8、No.16、No.18、No.42がより好ましい。
以下、CTM−Bについて説明する。
本発明におけるCTM−Bとは、分子量1500以上4000以下であり、かつ、下記式(1−A)〜(1−E)で示される構造を有する電荷輸送材料である。
(式中、Ar1101〜Ar1512は、それぞれ独立して置換または無置換の一価の芳香族炭化水素環基、または、置換または無置換の一価の芳香族複素環基を示し、Z11〜Z59は置換または無置換の二価の芳香族炭化水素環基、または、置換または無置換の二価の芳香族複素環基を示す。)。
(式中、Ar1101〜Ar1512は、それぞれ独立して置換または無置換の一価の芳香族炭化水素環基、または、置換または無置換の一価の芳香族複素環基を示し、Z11〜Z59は置換または無置換の二価の芳香族炭化水素環基、または、置換または無置換の二価の芳香族複素環基を示す。)。
CTM−Bの分子量は、1500以上4000以下が好ましく、さらに1500以上2500以下であることが耐クラック性、画質安定性にとって好ましい。
また感光層中におけるCTM−Bの含有量は質量比でCTM−A/CTM−B=100/1〜1/100の範囲が好ましく、より好ましくは、100/100〜1/100の範囲が耐クラック性により優れる。なおCTM−BはCTM−Aとを含有することにより、CTM−B単独での使用以上に、優れた耐クラック性を示す。
CTM−Bは、下記式(1−A)〜(1−E)で示される構造を有する。
(式中、Ar1101〜Ar1512は、それぞれ独立して置換または無置換の一価の芳香族炭化水素環基、または、置換または無置換の一価の芳香族複素環基を示し、Z11〜Z59は置換または無置換の二価の芳香族炭化水素環基、または、置換または無置換の二価の芳香族複素環基を示す。)。
(式中、Ar1101〜Ar1512は、それぞれ独立して置換または無置換の一価の芳香族炭化水素環基、または、置換または無置換の一価の芳香族複素環基を示し、Z11〜Z59は置換または無置換の二価の芳香族炭化水素環基、または、置換または無置換の二価の芳香族複素環基を示す。)。
Ar1101〜Ar1512は上記式(2)〜(18)で示されるAr(一般的表記)群で示される置換基を有しても良い芳香環基、芳香族複素環基と同義である。
Z11〜Z59を構成する置換または無置換の二価の芳香環基としてはフェニレン基、ビフェニレン基、ターフェニレン基、フルオレニレン基、ナフチレン基、アントラセニレン基、ピレニレン基、または、前述した二価の芳香環基が、単結合、置換あるいは無置換の炭素数1〜4のアルキレン基、アルキリデン基、置換あるいは無置換のケイ素数1〜4のシリレン基、酸素原子、硫黄原子により連結することで形成される二価の芳香環基などが挙げられ、置換または無置換の二価の芳香族複素環基としては、ピリジニレン基、インドーリレン基、キノリニレン基、ベンゾフラニレン基、ジベンゾフラニレン基、ベンゾチオフェニレン基、ジベンゾチオフェンニレン基、または、前述した二価の芳香環基、あるいは二価の芳香族複素環基が、単結合、置換あるいは無置換の炭素数1〜4のアルキレン基、アルキリデン基、置換あるいは無置換のケイ素数1〜4のシリレン基、酸素原子、硫黄原子により連結することで形成される二価の芳香族複素環基などが挙げられる。これら構造の中で、ビフェニレン基、フルオレニレン基、ピリジニレン基、ジベンゾフラニレン基、ベンゾチオフェニレン基が好ましい。なかでも、ジベンゾフラニレン基、ベンゾチオフェニレン基が好ましい。これらが有する置換基としては、水素、炭素数1〜8のアルキル基、炭素数1〜8のアルコキシ基、ハロゲン、フッ化アルキル基、シアノ基、ニトロ基などが挙げられ、なかでも、水素、メチル基、エチル基、プロピル基、メトキシ基、エトキシ基、フッ素、塩素、臭素、トリフルオロメチル基が好ましい。
また、上記式(1−A)〜(1−E)のいずれかにより示される構造を有する電荷輸送材料Bを複数用いることも可能であるが、上記式(1−A)で示される構造を有し、かつ、分子量が1500〜4000である電荷輸送物質の占める割合が、感光層に含有される電荷輸送物質の全質量に対して90質量%〜100質量%であることが好ましく、より好ましくは95質量%〜100質量%であって、更に好ましくは100質量%である。
または、上記式(1−B)で示される構造を有し、かつ、分子量が1500〜4000である電荷輸送物質の占める割合が、感光層に含有される電荷輸送物質の全質量に対して90質量%〜100質量%であることが好ましく、より好ましくは95質量%〜100質量%であって、更に好ましくは100質量%である。
または、上記式(1−C)で示される構造を有し、かつ、分子量が1500〜4000である電荷輸送物質の占める割合が、感光層に含有される電荷輸送物質の全質量に対して90質量%〜100質量%であることが好ましく、より好ましくは95質量%〜100質量%であって、更に好ましくは100質量%である。
または、上記式(1−D)で示される構造を有し、かつ、分子量が1500〜4000である電荷輸送物質の占める割合が、感光層に含有される電荷輸送物質の全質量に対して90質量%〜100質量%であることが好ましく、より好ましくは95質量%〜100質量%であって、更に好ましくは100質量%である。
または、上記式(1−E)で示される構造を有し、かつ、分子量が1500〜4000である電荷輸送物質の占める割合が、感光層に含有される電荷輸送物質の全質量に対して90質量%〜100質量%であることが好ましく、より好ましくは95質量%〜100質量%であって、更に好ましくは100質量%である。
次に、本発明のCTM−Bの具体的な構造例を挙げるが、必ずしも提示した構造に限定されない。また必要に応じ複数種用いても良い。
(2−1)
(2−2)
(2−3)
(2−4)
(2−5)
(2−6)
(2−7)
(2−8)
(2−9)
(2−10)
(2−11)
(2−12)
(2−13)
(2−14)
(2−15)
(2−16)
(2−17)
(2−18)
(2−19)
(2−20)
(2−21)
(2−22)
(2−23)
(2−24)
(2−25)
(2−26)
(2−27)
(2−28)
(2−29)
(2−30)
(2−31)
(2−32)
(2−33)
(2−34)
(2−35)
(2−36)
(2−37)
(2−38)
(2−39)
(2−40)
(2−41)
(2−42)
(2−43)
(2−44)
(2−45)
(2−46)
(2−47)
(2−48)
(2−49)
(2−50)
(2−51)
(2−52)
(2−53)
(2−54)
(2−55)
(2−56)
(2−57)
(2−58)
(2−59)
(2−60)
(2−61)
(2−62)
以下にCTM−Bの合成法について説明する。
CTM−Bは、CTM−Aの製造で使用する合成法を繰り返し行う逐次合成法により製造することが好ましい。すなわち、逐次合成法とは原材料と反応対象物との化学反応により主生成物として単一の化合物を生成する反応を多段階で行う合成法であり、単体の材料が選択的に製造できる。
逐次合成法に用いられる合成反応は、従来からのCTM−Aの製造で使用している合成法が用いられる。すなわち、ウルマン反応や金属触媒による合成方法が利用される。また、多段階の合成を順次連続して製造してもよく、また、合成の一工程終了後、次段階の合成までの工程の間に精製工程をいれてもよい。また、最終工程終了後、従来から一般に用いられている精製方法を使用することができる。すなわち、活性白土、活性炭、シリカ、アルミナといった吸着剤による処理や、シリカあるいはアルミナなどによるカラムクロマトグラフィー、ポリスチレン微粒子などを利用したゲルパーミッションカラムクロマトグラフィーなどの精製、再結晶や晶析などの結晶化による精製手法を使用してもよい。
次に、本発明で使用するCTM−Bの製造例を示す。
製造例(2−3)の製造
<ビス(2,4−ジメチルフェニル)アミンの製造>
冷却管、およびメカニカルスターラーを付した1Lの3口反応容器に、2,4−ジメチルフェニルアミン133g(1.1mol)、1−ブロモ−2,4−ジメチルベンゼン185g(1.0mol)、酢酸パラジウム11.2g(0.05mol)、2−tert−ブチルフォスフィノイル−2−メチルプロパン32.4g(0.2mol)、リン酸三カリウム212g(1.0mol)、ジメチルホルムアミド500mLを入れ、窒素ガス雰囲気下、オイルバスで加熱、12時間還流させた。反応終了後、室温まで放冷し、トルエン/水により抽出、塩酸水で洗浄し、その後、有機層を減圧蒸留し、目的のビス(2,4−ジメチルフェニル)アミンを得た。収量189g、収率84%。元素分析(YANACO、CHNコーダー MT−5):C,85.24、H,8.53、N,6.63(計算値:C,85.28、H,8.50、N,6.22)。
<ビス(2,4−ジメチルフェニル)アミンの製造>
冷却管、およびメカニカルスターラーを付した1Lの3口反応容器に、2,4−ジメチルフェニルアミン133g(1.1mol)、1−ブロモ−2,4−ジメチルベンゼン185g(1.0mol)、酢酸パラジウム11.2g(0.05mol)、2−tert−ブチルフォスフィノイル−2−メチルプロパン32.4g(0.2mol)、リン酸三カリウム212g(1.0mol)、ジメチルホルムアミド500mLを入れ、窒素ガス雰囲気下、オイルバスで加熱、12時間還流させた。反応終了後、室温まで放冷し、トルエン/水により抽出、塩酸水で洗浄し、その後、有機層を減圧蒸留し、目的のビス(2,4−ジメチルフェニル)アミンを得た。収量189g、収率84%。元素分析(YANACO、CHNコーダー MT−5):C,85.24、H,8.53、N,6.63(計算値:C,85.28、H,8.50、N,6.22)。
<(8−ブロモジベンゾフラン−2−イル)−ビス(2,4−ジメチルフェニル)アミンの製造>
冷却管、およびメカニカルスターラーを付した2Lの3口反応容器に、(2,4−ジメチルフェニル)アミン112.5g(0.5mol)、2,8−ジブロモジベンゾフラン163g(0.5mol)、酢酸パラジウム5.6g(0.025mol)、ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン27.7g(0.05mol)、tert−ブトキシナトリウム63.7g(0.7mol)、キシレン800mLを入れ、窒素ガス雰囲気下、オイルバスで加熱、5時間還流させた。反応終了後、室温まで放冷し、トルエン/水により抽出、塩酸水で洗浄し、その後、有機層を減圧蒸留し、シリカゲルカラム(展開溶媒ヘキサン/トルエン=2:1)にて精製を行い、目的の(8−ブロモジベンゾフラン−2−イル)−ビス(2,4−ジメチルフェニル)アミンを得た。収量159.8g、収率68%。元素分析:C,71.44、H,5.12、N,2.94(計算値:C,71.49、H,5.14、N,2.98)。
冷却管、およびメカニカルスターラーを付した2Lの3口反応容器に、(2,4−ジメチルフェニル)アミン112.5g(0.5mol)、2,8−ジブロモジベンゾフラン163g(0.5mol)、酢酸パラジウム5.6g(0.025mol)、ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン27.7g(0.05mol)、tert−ブトキシナトリウム63.7g(0.7mol)、キシレン800mLを入れ、窒素ガス雰囲気下、オイルバスで加熱、5時間還流させた。反応終了後、室温まで放冷し、トルエン/水により抽出、塩酸水で洗浄し、その後、有機層を減圧蒸留し、シリカゲルカラム(展開溶媒ヘキサン/トルエン=2:1)にて精製を行い、目的の(8−ブロモジベンゾフラン−2−イル)−ビス(2,4−ジメチルフェニル)アミンを得た。収量159.8g、収率68%。元素分析:C,71.44、H,5.12、N,2.94(計算値:C,71.49、H,5.14、N,2.98)。
<N,N,N’−トリス(2,4−ジメチルフェニル)ジベンゾフラン−2,8−ジアミンの製造>
冷却管、およびメカニカルスターラーを付した1Lの3口反応容器に、(8−ブロモジベンゾフラン−2−イル)−ビス(2,4−ジメチルフェニル)アミン94.1g(0.2mol)、2,4−ジメチルフェニルアミン36.3g(0.3mol)、酢酸パラジウム2.24g(0.01mol)、ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン11.1g(0.02mol)、tert−ブトキシナトリウム26.9g(0.28mol)、キシレン500mLを入れ、窒素ガス雰囲気下、オイルバスで加熱、3時間還流させた。反応終了後、室温まで放冷し、トルエン/水により抽出、塩酸水で洗浄し、その後、有機層を減圧蒸留し、シリカゲルカラム(展開溶媒ヘキサン/トルエン=1:1)にて精製を行い、目的のN,N,N’−トリス(2,4−ジメチルフェニル)ジベンゾフラン−2,8−ジアミンを得た。収量85.8g、収率84%。元素分析:C,84.62、H,6.70、N,5.50(計算値:C,84.67、H,6.71、N,5.49)。
冷却管、およびメカニカルスターラーを付した1Lの3口反応容器に、(8−ブロモジベンゾフラン−2−イル)−ビス(2,4−ジメチルフェニル)アミン94.1g(0.2mol)、2,4−ジメチルフェニルアミン36.3g(0.3mol)、酢酸パラジウム2.24g(0.01mol)、ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン11.1g(0.02mol)、tert−ブトキシナトリウム26.9g(0.28mol)、キシレン500mLを入れ、窒素ガス雰囲気下、オイルバスで加熱、3時間還流させた。反応終了後、室温まで放冷し、トルエン/水により抽出、塩酸水で洗浄し、その後、有機層を減圧蒸留し、シリカゲルカラム(展開溶媒ヘキサン/トルエン=1:1)にて精製を行い、目的のN,N,N’−トリス(2,4−ジメチルフェニル)ジベンゾフラン−2,8−ジアミンを得た。収量85.8g、収率84%。元素分析:C,84.62、H,6.70、N,5.50(計算値:C,84.67、H,6.71、N,5.49)。
<N−(8−ブロモジベンゾフラン−2−イル)−N,N’,N’−トリス(2,4−ジメチルフェニル)ジベンゾフラン−2,8−ジアミンの製造>
冷却管、およびメカニカルスターラーを付した1Lの3口反応容器に、N,N,N’−トリス(2,4−ジメチルフェニル)ジベンゾフラン−2,8−ジアミン51.1g(0.1mol)、2,8−ジブロモジベンゾフラン32.6g(0.1mol)、酢酸パラジウム1.13g(0.005mol)、ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン5.54g(0.01mol)、tert−ブトキシナトリウム13.4g(0.14mol)、キシレン300mLを入れ、窒素ガス雰囲気下、オイルバスで加熱、5時間還流させた。反応終了後、室温まで放冷し、トルエン/水により抽出、塩酸水で洗浄し、その後、有機層を減圧蒸留し、シリカゲルカラム(展開溶媒ヘキサン/トルエン=2:1)にて精製を行い、目的のN−(8−ブロモジベンゾフラン−2−イル)−N,N’,N’−トリス(2,4−ジメチルフェニル)ジベンゾフラン−2,8−ジアミンを得た。収量52.9g、収率70%。元素分析:C,76.26、H,5.18、N,3.73(計算値:C,76.28、H,5.20、N,3.71)。
冷却管、およびメカニカルスターラーを付した1Lの3口反応容器に、N,N,N’−トリス(2,4−ジメチルフェニル)ジベンゾフラン−2,8−ジアミン51.1g(0.1mol)、2,8−ジブロモジベンゾフラン32.6g(0.1mol)、酢酸パラジウム1.13g(0.005mol)、ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン5.54g(0.01mol)、tert−ブトキシナトリウム13.4g(0.14mol)、キシレン300mLを入れ、窒素ガス雰囲気下、オイルバスで加熱、5時間還流させた。反応終了後、室温まで放冷し、トルエン/水により抽出、塩酸水で洗浄し、その後、有機層を減圧蒸留し、シリカゲルカラム(展開溶媒ヘキサン/トルエン=2:1)にて精製を行い、目的のN−(8−ブロモジベンゾフラン−2−イル)−N,N’,N’−トリス(2,4−ジメチルフェニル)ジベンゾフラン−2,8−ジアミンを得た。収量52.9g、収率70%。元素分析:C,76.26、H,5.18、N,3.73(計算値:C,76.28、H,5.20、N,3.71)。
<N,N’−ビス(2,4−ジメチルフェニル)ジベンゾフラン−2,8−ジアミンの製造>
冷却管、およびメカニカルスターラーを付した500mLの3口反応容器に、2,8−ジブロモジベンゾフラン65.2g(0.2mol)、2,4−ジメチルフェニルアミン72.6g(0.6mol)、酢酸パラジウム2.24g(0.01mol)、トリ(o−トリル)ホスフィン12.2g(0.04mol)、tert−ブトキシナトリウム51.8g(0.54mol)、キシレン300mLを入れ、窒素ガス雰囲気下、オイルバスで加熱、5時間還流させた。反応終了後、減圧蒸留により過剰量の2,4−ジメチルフェニルアミン、および溶媒を留去、室温まで放冷し、トルエン/水により抽出、塩酸水で洗浄し、その後、有機層を減圧により溶媒留去、再結晶により目的のN,N’−ビス(2,4−ジメチルフェニル)ジベンゾフラン−2,8−ジアミンを得た。収量71.5g、収率88%。元素分析:C,82.68、H,6.44、N,6.92(計算値:C,82.73、H,6.45、N,6.89)。
冷却管、およびメカニカルスターラーを付した500mLの3口反応容器に、2,8−ジブロモジベンゾフラン65.2g(0.2mol)、2,4−ジメチルフェニルアミン72.6g(0.6mol)、酢酸パラジウム2.24g(0.01mol)、トリ(o−トリル)ホスフィン12.2g(0.04mol)、tert−ブトキシナトリウム51.8g(0.54mol)、キシレン300mLを入れ、窒素ガス雰囲気下、オイルバスで加熱、5時間還流させた。反応終了後、減圧蒸留により過剰量の2,4−ジメチルフェニルアミン、および溶媒を留去、室温まで放冷し、トルエン/水により抽出、塩酸水で洗浄し、その後、有機層を減圧により溶媒留去、再結晶により目的のN,N’−ビス(2,4−ジメチルフェニル)ジベンゾフラン−2,8−ジアミンを得た。収量71.5g、収率88%。元素分析:C,82.68、H,6.44、N,6.92(計算値:C,82.73、H,6.45、N,6.89)。
<(2−3の製造)>
冷却管、およびメカニカルスターラーを付した500mLの3口反応容器に、N−(8−ブロモジベンゾフラン−2−イル)−N,N’,N’−トリス(2,4−ジメチルフェニル)ジベンゾフラン−2,8−ジアミン37.8g(0.05mol)、N,N’−ビス(2,4−ジメチルフェニル)ジベンゾフラン−2,8−ジアミン10.2g(0.025mol)、酢酸パラジウム0.57g(0.0025mol)、ビフェニル−2−イル−ジ−tert−ブチルフォスフィン3.0g(0.01mol)、tert−ブトキシナトリウム6.7g(0.07mol)、キシレン200mLを入れ、窒素ガス雰囲気下、オイルバスで加熱、4時間還流させた。反応終了後、室温まで放冷し、トルエン/水により抽出、塩酸水で洗浄し、その後、有機層を減圧により溶媒留去し、シリカゲルカラム(展開溶媒ヘキサン/トルエン=1:1)にて精製を行い、目的の(2−1)を得た。収量39.1g、収率89%。元素分析:C,84.80、H,5.81、N,4.83(計算値:C,84.85、H,5.85、N,4.79)。
冷却管、およびメカニカルスターラーを付した500mLの3口反応容器に、N−(8−ブロモジベンゾフラン−2−イル)−N,N’,N’−トリス(2,4−ジメチルフェニル)ジベンゾフラン−2,8−ジアミン37.8g(0.05mol)、N,N’−ビス(2,4−ジメチルフェニル)ジベンゾフラン−2,8−ジアミン10.2g(0.025mol)、酢酸パラジウム0.57g(0.0025mol)、ビフェニル−2−イル−ジ−tert−ブチルフォスフィン3.0g(0.01mol)、tert−ブトキシナトリウム6.7g(0.07mol)、キシレン200mLを入れ、窒素ガス雰囲気下、オイルバスで加熱、4時間還流させた。反応終了後、室温まで放冷し、トルエン/水により抽出、塩酸水で洗浄し、その後、有機層を減圧により溶媒留去し、シリカゲルカラム(展開溶媒ヘキサン/トルエン=1:1)にて精製を行い、目的の(2−1)を得た。収量39.1g、収率89%。元素分析:C,84.80、H,5.81、N,4.83(計算値:C,84.85、H,5.85、N,4.79)。
以下、本発明で使用する結着樹脂について説明する。
本発明よりなる層、及びそれを形成するための塗布液において、結着樹脂の比率は総電荷輸送材料の質量(CTM−Aの質量とCTM−Bの質量を足した質量)/結着樹脂=1/10〜12/10(質量比)の範囲が好ましく、耐クラック性の観点から、総電荷輸送材料の比率は低いことが好ましく、1/10〜10/10がより好ましい。さらには、1/10〜8/10が好ましい。
バインダー樹脂としては、通常、感光層(電荷輸送層)に使用できる樹脂ならば、ポリカーボネート樹脂、ポリアリレート樹脂、ポリエステル樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリメタクリレート樹脂、ポリアクリレート樹脂など、いずれの樹脂においても使用可能であるが、樹脂の透過性、製膜性の観点から、感光層(電荷輸送層)が電子写真感光体の表面層である場合には、耐摩耗性の観点からも、ポリカーボネートあるいはポリアリレート樹脂が好ましい。
ポリカーボネート樹脂の粘度平均分子量(Mv)は、20000〜80000であることが好ましい。
ポリカーボネート樹脂を構成する2価の有機残基部分は、置換あるいは無置換の2価のビフェニル残基、置換あるいは無置換の2価のビスフェニル残基、置換あるいは無置換の2価のビフェニルエーテル残基、置換あるいは無置換の2価のビフェニルチオエーテル残基など、2価の有機残基であればどのよう構造であっても可能であるが、置換あるいは無置換の2価のビフェニル残基、置換あるいは無置換の2価のビスフェニル残基、置換あるいは無置換の2価のビフェニルエーテル残基であることが好ましい。
以下に、ポリカーボネート樹脂の具体例を示す。
また、生産性の向上などのために、ポリカーボネート樹脂中の2価の有機残基部分に異種の2価の有機残基を使用する共重合樹脂を使用することも可能である。混合の効果を効率よく発現させるためには、混合比率は、質量比で5/95〜95/5であることが好ましく、20/80〜80/20であることがより好ましい。
ポリアリレート樹脂の重量平均分子量(Mw)は、50000〜200000であることが好ましく、強度、生産性などの面から、80000〜150000であることがより好ましい。
ポリアリレート樹脂に用いられるフタル酸部位の構造に関しては、イソフタル酸、テレフタル酸が使用される。樹脂中におけるテレフタル酸、イソフタル酸の比率はイソフタル酸/テレフタル酸=0/100〜100/0まで任意に可能であるが、ポリアリレート樹脂の溶媒に対する溶解性の観点から、イソフタル酸/テレフタル酸=20/80〜80/20であることが好ましい。さらには、あるいは樹脂の強度の観点より、イソフタル酸/テレフタル酸=30/70〜70/30が好ましい。
ポリアリレート樹脂を構成する2価の有機残基部分は、置換あるいは無置換の2価のビフェニル残基、置換あるいは無置換の2価のビスフェニル残基、置換あるいは無置換の2価のビフェニルエーテル残基、置換あるいは無置換の2価のビフェニルチオエーテル残基など、2価の有機残基であればどのよう構造であっても可能であるが、置換あるいは無置換の2価のビフェニル残基、置換あるいは無置換の2価のビスフェニル残基、置換あるいは無置換の2価のビフェニルエーテル残基であることが好ましい。
以下に、ポリアリレート樹脂の具体例を示す。
また、溶解性の向上などのために、ポリアリレート樹脂中の2価の有機残基部分に異種の2価の有機残基を使用する共重合樹脂を使用することも可能である。混合の効果を効率よく発現させるためには、混合比率は、質量比で5/95〜95/5であることが好ましく、20/80〜80/20であることがより好ましい。
さらに、生産性の向上などのために、ポリカーボネート樹脂、あるいはポリアリレート樹脂に、他構造のポリアリレート樹脂やポリカーボネート樹脂をブレンドすることも可能である。混合の効果を効率よく発現させるためには、混合比率は、5/95〜95/5であることが好ましく、20/80〜80/20であることがより好ましい。
CTM−AとCTM−Bとを感光層中に同時に含有することにより、耐クラック性が著しく向上する点に関して明確にはなっていないが以下のように考えられる。一般に感光層を成膜する際に、加熱乾燥を利用する方法が採られているが、その際に、膜内に応力が発生し、成膜後、あるいは経時で、クラックが発生する場合があり、その原因としては、感光層を構成する樹脂や電荷輸送材料等の熱膨張率の差が大きいことによるクラックの発生あるいは上記材料間での相溶性低下による応力集中等が挙げられる。本発明よりなる感光層が耐クラック性に優れる理由としては、感光層中にCTM−AとCTM−Bとを含有することで材料間での熱膨張率の極端な差を抑えている可能性、あるいは上記材料間での相溶性が良好で、優れた耐クラック性を示すと考えられる。
以下、本発明に用いる電子写真感光体の構成について説明する。
本発明の電子写真感光体は、感光層が電荷発生物質と電荷輸送物質とを同一の層に含有する単層型であっても、電荷発生物質を含有する電荷発生層と電荷輸送物質を含有する電荷輸送層とに分離した積層型でもよいが、電子写真特性的には積層型が好ましい。またさらに、支持体側から電荷発生層、電荷輸送層の順に積層した積層型(以下、順層型と記載する)がより好ましい。
また、表面層として、感光層を保護するための層、すなわち、保護層を設けてもよい。
本発明の電子写真感光体に用いる支持体としては、導電性を有するものであればいずれのものでもよく、例えば、アルミニウム、銅、クロム、ニッケル、亜鉛、ステンレスなどの金属をドラムまたはシート状に成型したもの、アルミニウムや銅などの金属箔をプラスチックフィルムにラミネートしたもの、アルミニウム、酸化インジウム、酸化スズなどをプラスチックフィルムに蒸着したものなどが挙げられる。
レーザービームプリンター(LBP)など(画像)露光光がレーザー光の場合は、散乱による干渉縞防止、または基盤の傷を被覆することを目的とした導電層を設けてもよい。
導電層はカーボンブラック、金属粒子などの導電性微粒子を結着樹脂に分散させて形成することができる。
導電層の膜厚は5〜40μmが好ましく、特には10〜30μmがより好ましい。
支持体または導電層と感光層との間には、接着機能を有する中間層を設けてもよい。
中間層の材料としては、ポリアミド、ポリビニルアルコール、ポリエチレンオキシド、エチルセルロース、カゼイン、ポリウレタン、ポリエーテルウレタンなどが挙げられる。これらは適当な溶剤に溶解して塗布される。
中間層の膜厚は、0.05〜5μmが好ましく、0.1〜1μmがより好ましい。
支持体、導電層または中間層の上には、感光層が設けられる。感光層が順層型の場合は、電荷発生層が形成される。以下、順層型感光層について説明する。
本発明の電子写真感光体に用いる電荷発生物質としては、フタロシアニン顔料や、トリスアゾ、ジスアゾ、モノアゾなどのアゾ顔料などが挙げられる。
これらの中でも、感度という観点から、フタロシアニン顔料が好ましく、特にオキシチタニルフタロシアニンあるいはクロロガリウムフタロシアニン、ヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料系が優れた電荷発生効率を示し、かつ本発明で得られる層(電荷輸送層)とのエネルギー的なギャップが小さく、高感度化、繰り返し使用における画質安定性が優れる。
さらに、ヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料の中でも、CuKαのX線回折におけるブラッグ角2θ±0.2°の7.5°、9.9°、16.3°、18.6°、25.1°および28.3°に強いピークを有する結晶形のヒドロキシガリウムフタロシアニンがより好ましい。
電荷発生層は、電荷発生物質を0.3〜4倍量の結着樹脂および溶剤とともにホモジナイザー、超音波分散、ボールミル、振動ボールミル、サンドミル、アトライター、ロールミルおよび液衝突型高速分散機などの方法でよく分散し、分散液を塗布、乾燥させて形成される。
電荷発生層の膜厚は5μm以下が好ましく、0.1〜2μmがより好ましい。
電荷発生層上には電荷輸送層が設けられる。
本発明で得られる電荷輸送層の場合、少なくとも結着樹脂とCTM−A及びCTM−Bとを溶剤に溶解させた塗料を、塗工、乾燥して形成する。
前記電荷輸送層の膜厚は5〜40μmが好ましく、特には15〜30μmがより好ましい。また画像領域における膜厚の振れは±3μm以下、さらには±1μm以下が画像安定性という観点で好ましい。
電荷輸送層が第1電荷輸送層、第2電荷輸送層からなる複層の場合、電子写真感光体の表面層となる電荷輸送層の膜厚は1〜20μmが好ましい。
また複層の各層において、本発明で得られる電荷輸送層は、少なくとも一層形成されていれば良い。すなわち、本発明で得られる電荷輸送層は最表面層でもそれ以外の層を形成しても良い。
また、電荷輸送層中に酸化防止剤、熱安定剤、紫外線吸収剤、可塑剤を必要に応じて添加することもできる。
電荷輸送層が電子写真感光体の表面層である場合、必要に応じて、潤滑剤や微粒子を使用してもよい。
潤滑剤あるいは微粒子としては、シリコンオイル、ワックス、ポリテトラフルオロエチレン微粒子、シリカ微粒子、アルミナ微粒子などが挙げられる。
次に、感光層を保護する層(保護層)が電子写真感光体の表面層である場合、使用する結着樹脂あるいは電荷輸送機能を有する結着樹脂としては、高分子量の熱可塑性樹脂や熱硬化性樹脂、光硬化性樹脂が好ましく、さらには、高分子量ポリカーボネート樹脂、ポリアリレート樹脂、フェノール樹脂、アクリル樹脂、エポキシ樹脂がより好ましい。
また、残留電位の低減あるいは膜強度の向上を目的として、導電性粒子や潤滑剤を含有させてもよい。また保護層でかつ電荷輸送層の複層という位置付けで上記保護層中に電荷輸送材料を含有させても良い。
保護層の成膜方法は、熱、光あるいは電子線での硬化が可能であり、必要に応じて重合開始剤や酸化防止剤を含有してもよい。
電子写真感光体の各層の形成工程において使用する溶剤としては、クロロベンゼン、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン、トルエン、キシレン、Cが3以上のアルコール、酢酸エチル、酢酸ブチルなどが挙げられ、単独で用いても複数の溶剤を用いてもよい。
次に、本発明で使用する分析装置について説明する。
本発明に用いられる粘度平均分子量(Mv)及び重量平均分子量(Mw)は、常法に従って測定した。特に重量平均分子量(Mw)は、GPC(ゲル・パーミュエーション・クロマトグラフィー)により測定されるポリスチレン換算値とした。
試料をTHF中に入れ、数時間放置した後、十分に振とうしてTHFとよく混ぜ(試料の合一体がなくなるまで)、さらに12時間以上静置する。その後、サンプル処理フィルター(ポアサイズ0.45〜0.5μm、例えば、マイショリディスクH−25−5(東ソー社製)、エキクロディスク25CR(ゲルマンサイエンス社製)など)を通過させたものをGPCの試料とする。試料濃度は樹脂成分が0.5〜5mg/mlとなるように調製する。
作製した試料は、以下の方法で測定される。
40℃のヒートチャンバー中でカラムを安定化させ、この温度におけるカラムに、溶媒としてTHFを毎分1mlの流速で流し、THF試料溶液を約10μl注入して測定する。試料の分子量測定にあたっては、試料の有する分子量分布を、数種の単分散ポリスチレン標準試料により作成された検量線の対数値とカウント数との関係から算出する。検量線作成用の標準ポリスチレン試料としては、例えば、東ソー社製あるいは、昭和電工社製の分子量が102〜107程度のものを用い、少なくとも10点程度の標準ポリスチレン試料を用いるのが適当である。
検出器にはRI(屈折率)検出器を用いる。カラムとしては、市販のポリスチレンゲルカラムを複数本組み合わせるのがよく、例えば、昭和電工製のshodex GPC KF−801、802、803、804、805、806、807、800Pの組み合わせや、東ソー社製TSKgel G1000H(HXL)、G2000H(HXL)、G3000H(HXL)、G4000H(HXL)、G5000H(HXL)、G6000H(HXL)、G7000H(HXL)、TSKguard columnの組み合わせを挙げることができる。
粉末X線回折の測定にはCuKα線を用い、次の条件で行った。
使用測定機:マック・サイエンス社製、全自動X線回折装置MXP18
X線管球:Cu
管電圧:50KV
管電流:300mA
スキャン方法:2θ/θスキャン
スキャン速度:2deg./min
サンプリング間隔:0.020deg.
スタート角度(2θ):5deg.
ストップ角度(2θ):40deg.
ダイバージェンススリット:0.5deg.
スキャッタリングスリット:0.5deg.
レシービングスリット:0.3deg.
湾曲モノクロメーター使用
X線管球:Cu
管電圧:50KV
管電流:300mA
スキャン方法:2θ/θスキャン
スキャン速度:2deg./min
サンプリング間隔:0.020deg.
スタート角度(2θ):5deg.
ストップ角度(2θ):40deg.
ダイバージェンススリット:0.5deg.
スキャッタリングスリット:0.5deg.
レシービングスリット:0.3deg.
湾曲モノクロメーター使用
図1に本発明の電子写真感光体を有するプロセスカートリッジを有する電子写真装置の概略構成を示す。
図1に接触帯電方式の電子写真装置の一例を示した。本例は転写式複写機もしくはプリンターである。
1は電子写真感光体でドラム型のものである。この電子写真感光体1は矢印Aの時計方向に所定の周速度(プロセススピード)をもって回転駆動される。
2は帯電手段としての接触帯電部材である帯電ローラである。この帯電ローラ2は該帯電ローラに圧設した感光体1の回転に従動して回転し、バイアス電源2AからDC電圧が印加される。この帯電ローラ2により感光体1の周面が所定の極性・電位にかつ一様に接触帯電方式で帯電処理される。
その感光体1の帯電処理面に不図示の露光手段(原稿像の結像露光手段、レーザービームスキャナなど)により目的画像情報の露光3が照射されて感光体1の面に目的画像情報に対応した静電潜像が形成されていく。
その形成静電潜像は現像器4の荷電粒子(トナー)5で正規現像または反転現像により可転写粒子像(トナー像)5aとして顕画化される。
次いでそのトナー像は感光体1と該感光体に圧設している転写手段としての転写ローラ7とのニップ部(転写部)に給紙カセット9から給紙ローラ10およびレジストローラ11により所定のタイミングで一枚ずつ給送された用紙6に被転写粒子5bが付着する。転写ローラ7にはバイアス電源7Aからトナー5の保有電荷とは逆極性のバイアス電圧が印加されている。
トナー像転写を受けた用紙6は感光体1の面から分離されて不図示の定着手段へ搬送されてトナー像の定着処理を受ける。
トナー像転写後の感光体1面はクリーナー(クリーニング装置)8により転写残りトナーなどの付着汚染物の除去を受けて洗浄面化されて繰返して作像に供される。
尚、複数の感光体、帯電ローラおよび現像装置を有する、接触帯電方式のフルカラー電子写真装置の例を図2に示す。このフルカラー電子写真装置は各色のトナー(ブラック、シアン、マゼンタ、イエロー)を収容した図1と同様のプロセスカートリッジを縦置きに並列に配列し、それぞれの転写手段によって順次転写を行い、最後に定着を行うタンデム型と呼ばれるカラー電子写真装置である。20K、20C、20M、20Yは各色プロセスカートリッジ、21K、21C、21M、21Yは電子写真感光体、22K、22C、22M、22Yは帯電ローラ、23は転写ローラ、24は紙搬送ベルト、25はレーザー光源、26はトナー、27は定着器、28は給紙ローラである。
本発明の電子写真感光体は電子写真複写機に利用するのみならず、レーザービームプリンター、CRTプリンター、LEDプリンター、液晶プリンターおよびレーザー製版など電子写真応用分野にも広く用いることができる。
以下、実施例にしたがって本発明をより詳細に説明する。なお、実施例中「部」は質量部を示す。
〔実施例1〕
直径30mm、長さ260.5mmのアルミニウムシリンダーを支持体とし、それに、以下の材料より構成される塗料を、支持体上に浸漬コーティング法で塗布し、140℃で30分熱硬化して、膜厚15μmの導電層を形成した。
直径30mm、長さ260.5mmのアルミニウムシリンダーを支持体とし、それに、以下の材料より構成される塗料を、支持体上に浸漬コーティング法で塗布し、140℃で30分熱硬化して、膜厚15μmの導電層を形成した。
導電性顔料:SnO2コート処理硫酸バリウム 10部
抵抗調節用顔料:酸化チタン 2部
結着樹脂:フェノール樹脂 6部
レベリング材:シリコーンオイル 0.001部
溶剤:メタノール/メトキシプロパノール=0.2/0.8 20部
抵抗調節用顔料:酸化チタン 2部
結着樹脂:フェノール樹脂 6部
レベリング材:シリコーンオイル 0.001部
溶剤:メタノール/メトキシプロパノール=0.2/0.8 20部
次に、この上にN−メトキシメチル化ナイロン3部および共重合ナイロン(アミランCM8000、東レ社製)3部を、メタノール65部およびn−ブタノール30部の混合溶媒に溶解した溶液を、浸漬コーティング法で塗布し90℃で10分乾燥し、膜厚0.5μmの中間層を形成した。
次に、CuKαのX線回折におけるブラッグ角2θ±0.2°の7.5°、9.9°、16.3°、18.6°、25.1°および28.3°に強いピークを有する結晶形のヒドロキシガリウムフタロシアニン10質量部と、前記例示化合物(6)0.1質量部およびポリビニルブチラール樹脂(商品名:エスレックBX−1、積水化学工業社製)5質量部をシクロヘキサノン250質量部に添加し、直径1mmのガラスビーズを用いたサンドミルで23℃±3℃の環境下において2時間分散し、これに250質量部の酢酸エチルを加えて希釈し、これを中間層上に塗布した後、100℃で10分間乾燥して膜厚が0.26μmの電荷発生層を形成した。
つづいて、次のように電荷輸送層を形成した。
前記式(3−5)で示されるポリカーボネート樹脂(ユーピロンZ−400:三菱エンジニアリングプラスチックス(株)製)40部をモノクロロベンゼン150部、ジメトキシメタン60部に混合、溶解させた後、CTM−Aとして、(A2−1)20部と、CTM−Bとして、前記式(2−1)1部とを加え溶解させ、電荷輸送層用塗料とし、上記電荷発生層上に浸漬塗布後、120℃で60分乾燥し、室温に取り出した後自然冷却し、膜厚25μmの電荷輸送層を設け、電子写真感光体とした。この電子写真感光体を下記に示すクラック評価法1及びクラック評価法2に従って評価を行った。
以下に、評価について説明する。
(クラック評価法1)
初期評価として、オイルを含有した膜を作製し、その膜を本発明の電子写真感光体に密着させ、温度23℃、湿度50%RHの常温常湿環境(N/N)下で、密着後10秒〜24時間まで経時変化を追った。オイル含有膜は以下の材料より構成される塗料を、膜厚約100μmのシート上のアルミ二ウム支持体上に浸漬コーティング法で塗布し、100℃で5分乾燥し、膜厚0.2μmのオイル含有膜を形成した。
初期評価として、オイルを含有した膜を作製し、その膜を本発明の電子写真感光体に密着させ、温度23℃、湿度50%RHの常温常湿環境(N/N)下で、密着後10秒〜24時間まで経時変化を追った。オイル含有膜は以下の材料より構成される塗料を、膜厚約100μmのシート上のアルミ二ウム支持体上に浸漬コーティング法で塗布し、100℃で5分乾燥し、膜厚0.2μmのオイル含有膜を形成した。
KF99(信越化学工業(株)) 1部
N−メトキシメチル化ナイロン 10部
メタノール 50部
上記オイル含有膜は縦20mm、横20mmに切り出し、電子写真感光体に密着させた。上記評価によるクラックの評価基準は以下のとおりである。
クラックのランク:
0:4cm2中にクラックが0個
1:4cm2中に幅1mm以内のクラックが2個以内
2: ↑ クラックが3〜10個
3:上記0〜2のいずれかに加え4cm2中に幅1〜5mm以内のクラックが2個以内
4: ↑ クラックが3〜7個
5: ↑ クラックが8〜11個
6: ↑ クラックが12〜20個
7: ↑ クラックが21〜30個
8:上記0〜7のいずれかに加え4cm2中に幅5〜10mm程度のクラックが2個以内
9: ↑ クラックが3〜7個
10: ↑ クラックが8〜11個
11: ↑ クラックが12〜20個
12: ↑ クラックが21〜30個
13: ↑ クラックが31個以上
N−メトキシメチル化ナイロン 10部
メタノール 50部
上記オイル含有膜は縦20mm、横20mmに切り出し、電子写真感光体に密着させた。上記評価によるクラックの評価基準は以下のとおりである。
クラックのランク:
0:4cm2中にクラックが0個
1:4cm2中に幅1mm以内のクラックが2個以内
2: ↑ クラックが3〜10個
3:上記0〜2のいずれかに加え4cm2中に幅1〜5mm以内のクラックが2個以内
4: ↑ クラックが3〜7個
5: ↑ クラックが8〜11個
6: ↑ クラックが12〜20個
7: ↑ クラックが21〜30個
8:上記0〜7のいずれかに加え4cm2中に幅5〜10mm程度のクラックが2個以内
9: ↑ クラックが3〜7個
10: ↑ クラックが8〜11個
11: ↑ クラックが12〜20個
12: ↑ クラックが21〜30個
13: ↑ クラックが31個以上
(クラック評価法2)
クラック評価法1で評価を終えた電子写真感光体を以下に示す評価機に装着し、画像を出力し、画像上に見られるクラックの有無を評価(以下、画像評価と記載する)した。画像評価は以下の様に行った。電子写真感光体1の1周目回転でベタ黒画像を印字し、その後電子写真感光体の2回転目以降にベタ黒のテストチャートを出しクラックの有無を評価した。
クラック評価法1で評価を終えた電子写真感光体を以下に示す評価機に装着し、画像を出力し、画像上に見られるクラックの有無を評価(以下、画像評価と記載する)した。画像評価は以下の様に行った。電子写真感光体1の1周目回転でベタ黒画像を印字し、その後電子写真感光体の2回転目以降にベタ黒のテストチャートを出しクラックの有無を評価した。
評価ランク:
A:クラック痕は全く見えない。
B:クラック痕は殆ど見えない。
C:クラック痕は殆ど見えないが、一部うっすら見える。
D:クラック痕が全体的にうっすら見える
E:クラック痕が全体的にはっきり見える
A:クラック痕は全く見えない。
B:クラック痕は殆ど見えない。
C:クラック痕は殆ど見えないが、一部うっすら見える。
D:クラック痕が全体的にうっすら見える
E:クラック痕が全体的にはっきり見える
評価機
本発明の電子写真感光体を用いて、図2に示されるような構成を有するヒューレットパッカード社製LBP「カラーレーザージェット4600」(プロセススピード94.2mm/sec)を用いて、以下のプロセス条件に設定を変更して評価を行った。
本発明の電子写真感光体を用いて、図2に示されるような構成を有するヒューレットパッカード社製LBP「カラーレーザージェット4600」(プロセススピード94.2mm/sec)を用いて、以下のプロセス条件に設定を変更して評価を行った。
電子写真感光体暗部電位Vd −500V
電子写真感光体明部電位Vl −130V
現像バイアス −310V(直流電圧のみ)
電子写真感光体明部電位Vl −130V
現像バイアス −310V(直流電圧のみ)
〔実施例2〜59〕
実施例1の電荷輸送層において、含有するCTM−A及びCTM−Bの材料種、および質量比を表.9に示されるようにそれぞれかえた以外は実施例1と同様に感光体を作製し、評価した。実施例2〜59の結果を表.9に示す。
実施例1の電荷輸送層において、含有するCTM−A及びCTM−Bの材料種、および質量比を表.9に示されるようにそれぞれかえた以外は実施例1と同様に感光体を作製し、評価した。実施例2〜59の結果を表.9に示す。
〔比較例1〕
実施例27の電荷輸送層において、CTM−Aをかえた。すなわち、下記比較化合物(20)で示される分子量287である電荷輸送材料にかえた以外は実施例27と同様に感光体を作製し、評価した。結果を表.9に示す。
実施例27の電荷輸送層において、CTM−Aをかえた。すなわち、下記比較化合物(20)で示される分子量287である電荷輸送材料にかえた以外は実施例27と同様に感光体を作製し、評価した。結果を表.9に示す。
比較化合物(20)
〔比較例2〕
実施例27の電荷輸送層において、CTM−Aをかえた。すなわち、下記比較化合物(21)で示される分子量857である電荷輸送材料にかえた以外は実施例27と同様に感光体を作製し、評価した。結果を表.9に示す。
実施例27の電荷輸送層において、CTM−Aをかえた。すなわち、下記比較化合物(21)で示される分子量857である電荷輸送材料にかえた以外は実施例27と同様に感光体を作製し、評価した。結果を表.9に示す。
比較化合物(21)
〔比較例3〕
実施例27の電荷輸送層において、CTM−Bをかえた。すなわち、下記比較化合物(22)で示される分子内に窒素原子を4個有する電荷輸送材料にかえた以外は実施例27と同様に感光体を作製し、評価した。結果を表.9に示す。
実施例27の電荷輸送層において、CTM−Bをかえた。すなわち、下記比較化合物(22)で示される分子内に窒素原子を4個有する電荷輸送材料にかえた以外は実施例27と同様に感光体を作製し、評価した。結果を表.9に示す。
比較化合物(22)
〔比較例4〕
実施例27の電荷輸送層において、CTM−Bをかえた。すなわち、下記比較化合物(23)で示される分子内に窒素原子を12個有する電荷輸送材料にかえた以外は実施例27と同様に感光体を作製し、評価した。結果を表.9に示す。
実施例27の電荷輸送層において、CTM−Bをかえた。すなわち、下記比較化合物(23)で示される分子内に窒素原子を12個有する電荷輸送材料にかえた以外は実施例27と同様に感光体を作製し、評価した。結果を表.9に示す。
比較化合物(23)
〔比較例5〕
実施例28の電荷輸送層において、電荷輸送材料をCTM−Aのみとした。すなわち、CTM−AであるA13−1のみを用いた以外は実施例28と同様に感光体を作製し、評価した。結果を表.9に示す。
実施例28の電荷輸送層において、電荷輸送材料をCTM−Aのみとした。すなわち、CTM−AであるA13−1のみを用いた以外は実施例28と同様に感光体を作製し、評価した。結果を表.9に示す。
〔比較例6〕
実施例28の電荷輸送層において、CTM−Aを除き、CTM−Bを構造例(2−29)にかえた以外は実施例28と同様に感光体を作製し、評価した。結果を表.9に示す。
実施例28の電荷輸送層において、CTM−Aを除き、CTM−Bを構造例(2−29)にかえた以外は実施例28と同様に感光体を作製し、評価した。結果を表.9に示す。
〔比較例7〕
実施例28の電荷輸送層において、CTM−Bをかえた。すなわち、下記比較化合物(24)で示される電荷輸送機能を有するポリカーボネート(Mv=3600)にかえた以外は実施例28と同様に感光体を作製し、評価した。結果を表.9に示す。
実施例28の電荷輸送層において、CTM−Bをかえた。すなわち、下記比較化合物(24)で示される電荷輸送機能を有するポリカーボネート(Mv=3600)にかえた以外は実施例28と同様に感光体を作製し、評価した。結果を表.9に示す。
比較化合物(24)
表.9より、CTM−A/CTM−Bの比率を変えても、優れた耐クラック性を示す。特に実施例4、5で示されるようにCTM−Aが少ない場合でも、優れた耐クラック性を示す。また、各種CTM−A、あるいは各種CTM−B、さらにはCTM−A/CTM−Bの各種組み合わせを用いても、充分な耐クラック性を示す。比較例は早期にクラックが発生し、24時間後に多数のクラックが発生していた。
〔実施例60〕
実施例40電荷輸送層において、結着樹脂をかえた。すなわち、構造例(4−2)で示される樹脂(重量平均分子量Mw=120000、テレフタル酸/イソフタル酸=1/1)にかえた以外は実施例40同様に感光体を作製し、同様の評価を行なった。結果を表.10に示す。
実施例40電荷輸送層において、結着樹脂をかえた。すなわち、構造例(4−2)で示される樹脂(重量平均分子量Mw=120000、テレフタル酸/イソフタル酸=1/1)にかえた以外は実施例40同様に感光体を作製し、同様の評価を行なった。結果を表.10に示す。
〔実施例61〕
実施例49の電荷輸送層において、結着樹脂をかえた。すなわち、構造例(4−2)で示される樹脂(重量平均分子量Mw=120000、テレフタル酸/イソフタル酸=1/1)にかえた以外は実施例49と同様に感光体を作製し、同様の評価を行なった。結果を表.10に示す。
実施例49の電荷輸送層において、結着樹脂をかえた。すなわち、構造例(4−2)で示される樹脂(重量平均分子量Mw=120000、テレフタル酸/イソフタル酸=1/1)にかえた以外は実施例49と同様に感光体を作製し、同様の評価を行なった。結果を表.10に示す。
〔実施例62〕
実施例40の電荷輸送層において、結着樹脂をかえた。すなわち、構造例(4−2)で示される樹脂(重量平均分子量Mw=130000、テレフタル酸/イソフタル酸=7/3)にかえた以外は実施例40と同様に感光体を作製し、同様の評価を行なった。結果を表.10に示す。
実施例40の電荷輸送層において、結着樹脂をかえた。すなわち、構造例(4−2)で示される樹脂(重量平均分子量Mw=130000、テレフタル酸/イソフタル酸=7/3)にかえた以外は実施例40と同様に感光体を作製し、同様の評価を行なった。結果を表.10に示す。
〔実施例63〕
実施例49の電荷輸送層において、結着樹脂をかえた。すなわち、構造例(4−2)で示される樹脂(重量平均分子量Mw=130000、テレフタル酸/イソフタル酸=7/3)にかえた以外は実施例49と同様に感光体を作製し、同様の評価を行なった。結果を表.10に示す。
実施例49の電荷輸送層において、結着樹脂をかえた。すなわち、構造例(4−2)で示される樹脂(重量平均分子量Mw=130000、テレフタル酸/イソフタル酸=7/3)にかえた以外は実施例49と同様に感光体を作製し、同様の評価を行なった。結果を表.10に示す。
〔実施例64〕
実施例40の電荷輸送層において、結着樹脂をかえた。すなわち、構造例(4−10)で示される樹脂(重量平均分子量Mw=130000、テレフタル酸/イソフタル酸=7/3)にかえた以外は実施例40と同様に感光体を作製し、同様の評価を行なった。結果を表.10に示す。
実施例40の電荷輸送層において、結着樹脂をかえた。すなわち、構造例(4−10)で示される樹脂(重量平均分子量Mw=130000、テレフタル酸/イソフタル酸=7/3)にかえた以外は実施例40と同様に感光体を作製し、同様の評価を行なった。結果を表.10に示す。
〔実施例65〕
実施例49の電荷輸送層において、結着樹脂をかえた。すなわち、構造例(4−10)で示される樹脂(重量平均分子量Mw=130000、テレフタル酸/イソフタル酸=7/3)にかえた以外は実施例49と同様に感光体を作製し、同様の評価を行なった。結果を表.10に示す。
実施例49の電荷輸送層において、結着樹脂をかえた。すなわち、構造例(4−10)で示される樹脂(重量平均分子量Mw=130000、テレフタル酸/イソフタル酸=7/3)にかえた以外は実施例49と同様に感光体を作製し、同様の評価を行なった。結果を表.10に示す。
〔実施例66〕
実施例40の電荷輸送層において、結着樹脂をかえた。すなわち、構造例(4−2)および(4−9)で示される構造の共重合樹脂((4−2)/(4−9)=1/1)(重量平均分子量Mw=125000、テレフタル酸/イソフタル酸=1/1)にかえた以外は実施例40と同様に感光体を作製し、同様の評価を行なった。結果を表.10に示す。
実施例40の電荷輸送層において、結着樹脂をかえた。すなわち、構造例(4−2)および(4−9)で示される構造の共重合樹脂((4−2)/(4−9)=1/1)(重量平均分子量Mw=125000、テレフタル酸/イソフタル酸=1/1)にかえた以外は実施例40と同様に感光体を作製し、同様の評価を行なった。結果を表.10に示す。
〔実施例67〕
実施例49の電荷輸送層において、結着樹脂をかえた。すなわち、構造例(4−2)および(4−9)で示される構造の共重合樹脂(重量平均分子量Mw=125000、テレフタル酸/イソフタル酸=1/1)にかえた以外は実施例49と同様に感光体を作製し、同様の評価を行なった。結果を表.10に示す。
実施例49の電荷輸送層において、結着樹脂をかえた。すなわち、構造例(4−2)および(4−9)で示される構造の共重合樹脂(重量平均分子量Mw=125000、テレフタル酸/イソフタル酸=1/1)にかえた以外は実施例49と同様に感光体を作製し、同様の評価を行なった。結果を表.10に示す。
〔比較例8〕
実施例60の電荷輸送層において、CTM−Bをかえた。すなわち、(比較化合物22)にかえた以外は実施例60と同様に感光体を作製し、同様の評価を行なった。結果を表.10に示す。
実施例60の電荷輸送層において、CTM−Bをかえた。すなわち、(比較化合物22)にかえた以外は実施例60と同様に感光体を作製し、同様の評価を行なった。結果を表.10に示す。
〔比較例9〕
実施例60の電荷輸送層において、CTM−Bをかえた。すなわち、(比較化合物23)にかえた以外は実施例60と同様に感光体を作製し、同様の評価を行なった。結果を表.10に示す。
実施例60の電荷輸送層において、CTM−Bをかえた。すなわち、(比較化合物23)にかえた以外は実施例60と同様に感光体を作製し、同様の評価を行なった。結果を表.10に示す。
表.10より、本発明の構成による実施例は結着樹脂をかえても、耐クラック性は良好である。
〔実施例68〕
実施例60の電荷輸送層において、CTM−Aを2種類用いた。すなわち、A2−1を5.5部及びA2−3を5.5部用いて、合計を11部とした以外は実施例60と同様に感光体を作製し、同様の評価を行なった。結果を表.11に示す。
実施例60の電荷輸送層において、CTM−Aを2種類用いた。すなわち、A2−1を5.5部及びA2−3を5.5部用いて、合計を11部とした以外は実施例60と同様に感光体を作製し、同様の評価を行なった。結果を表.11に示す。
〔実施例69、70〕
実施例68の電荷輸送層において、表.11記載の2種類のCTM−Aにかえた以外は実施例68と同様に感光体を作製し、同様の評価を行なった。結果を表.11に示す。
実施例68の電荷輸送層において、表.11記載の2種類のCTM−Aにかえた以外は実施例68と同様に感光体を作製し、同様の評価を行なった。結果を表.11に示す。
〔比較例10〕
実施例68の電荷輸送層において、CTM−Bを比較化合物(22)にかえた以外は実施例68と同様に感光体を作製し、同様の評価を行なった。結果を表.11に示す。
実施例68の電荷輸送層において、CTM−Bを比較化合物(22)にかえた以外は実施例68と同様に感光体を作製し、同様の評価を行なった。結果を表.11に示す。
表.11より、本発明の構成による実施例はCTM−Aを2種類使用しても、優れた耐クラック性を示す。
〔実施例71〕
実施例60の電荷輸送層において、CTM−A/CTM−Bの比率はそのままで、結着樹脂に対する総電荷輸送材料の量をかえた。すなわち、A2−3を17部、構造例(2−17)を17部とし、溶解させ、電荷輸送層用塗料とし、上記電荷発生層上に浸漬塗布後、120℃で60分乾燥し、膜厚25μmの電荷輸送層を設け、電子写真感光体とした。この電子写真感光体をクラック評価法1及びクラック評価法2を用いて評価を行った。結果を表.12に示す。
実施例60の電荷輸送層において、CTM−A/CTM−Bの比率はそのままで、結着樹脂に対する総電荷輸送材料の量をかえた。すなわち、A2−3を17部、構造例(2−17)を17部とし、溶解させ、電荷輸送層用塗料とし、上記電荷発生層上に浸漬塗布後、120℃で60分乾燥し、膜厚25μmの電荷輸送層を設け、電子写真感光体とした。この電子写真感光体をクラック評価法1及びクラック評価法2を用いて評価を行った。結果を表.12に示す。
〔実施例72〜76〕
実施例71の電荷輸送層において、CTM−Bをかえた。すなわち、表.12に記載のCTM−Bにそれぞれかえた以外は実施例71と同様に感光体を作製し、同様の評価を行なった。結果を表.12に示す。
実施例71の電荷輸送層において、CTM−Bをかえた。すなわち、表.12に記載のCTM−Bにそれぞれかえた以外は実施例71と同様に感光体を作製し、同様の評価を行なった。結果を表.12に示す。
〔比較例11〕
実施例71の電荷輸送層において、CTM−Bを比較化合物(22)にかえた以外は実施例71と同様に感光体を作製し、同様の評価を行なった。結果を表.12に示す。
実施例71の電荷輸送層において、CTM−Bを比較化合物(22)にかえた以外は実施例71と同様に感光体を作製し、同様の評価を行なった。結果を表.12に示す。
表.12より、本発明の構成による実施例は、電荷輸送層中の総電荷輸送材料の比率を上げても、充分な耐クラック性を有する。
〔実施例77〕
実施例60の電子写真感光体について、感光体周辺部材との組み合わせにおける耐クラック性を評価した。評価方法は以下に示すクラック評価法3に従い、評価機は実施例1で用いたヒューレットパッカード社製LBP「カラーレーザージェット4600」を使用した。結果を表.13に示す。
実施例60の電子写真感光体について、感光体周辺部材との組み合わせにおける耐クラック性を評価した。評価方法は以下に示すクラック評価法3に従い、評価機は実施例1で用いたヒューレットパッカード社製LBP「カラーレーザージェット4600」を使用した。結果を表.13に示す。
以下、評価について説明する。
(クラック評価法3)
以下に示す初期評価、放置後評価、過酷評価を行い、耐クラック性を評価した。
以下に示す初期評価、放置後評価、過酷評価を行い、耐クラック性を評価した。
・初期評価
電子写真感光体を製造後(塗工、乾燥、自然冷却までの工程)、1時間以内にカラーレーザージェット4600で用いられている新品カートリッジに前記感光体を装着し、温度23℃、湿度50%RHの常温常湿環境(N/N)下で24時間静置した後、上記評価機に装着し、N/N下で画像評価を行った。なお画像評価はクラック評価法2と同様に評価を行った。
電子写真感光体を製造後(塗工、乾燥、自然冷却までの工程)、1時間以内にカラーレーザージェット4600で用いられている新品カートリッジに前記感光体を装着し、温度23℃、湿度50%RHの常温常湿環境(N/N)下で24時間静置した後、上記評価機に装着し、N/N下で画像評価を行った。なお画像評価はクラック評価法2と同様に評価を行った。
・放置後評価
電子写真感光体を製造後、1時間以内にカラーレーザージェット4600で用いられている新品カートリッジに装着し、N/N下で1ヶ月静置した後、初期評価と同様に画像評価を行った。
電子写真感光体を製造後、1時間以内にカラーレーザージェット4600で用いられている新品カートリッジに装着し、N/N下で1ヶ月静置した後、初期評価と同様に画像評価を行った。
・過酷評価
短期間で電子写真感光体の耐クラック性を評価するため過酷環境下で画質評価を行った。すなわち電子写真感光体を製造後、1時間以内にカラーレーザージェット4600で用いられている新品カートリッジに装着し、温度45℃、湿度90%RHの高温高湿環境(H/H)下で一週間静置した後、N/N下で一日静置し、初期評価と同様に画像評価を行った。
短期間で電子写真感光体の耐クラック性を評価するため過酷環境下で画質評価を行った。すなわち電子写真感光体を製造後、1時間以内にカラーレーザージェット4600で用いられている新品カートリッジに装着し、温度45℃、湿度90%RHの高温高湿環境(H/H)下で一週間静置した後、N/N下で一日静置し、初期評価と同様に画像評価を行った。
〔実施例78〕
実施例71の電子写真感光体について、クラック評価法3に従って評価した。結果を表.13に示す。
実施例71の電子写真感光体について、クラック評価法3に従って評価した。結果を表.13に示す。
〔実施例79〜81〕
実施例71の電子写真感光体について、それぞれ表.13記載のCTM−A及びCTM−Bにかえた以外は実施例71と同様に感光体を作製し、クラック評価法3に従って評価した。結果を表.13に示す。
実施例71の電子写真感光体について、それぞれ表.13記載のCTM−A及びCTM−Bにかえた以外は実施例71と同様に感光体を作製し、クラック評価法3に従って評価した。結果を表.13に示す。
〔比較例12〕
比較例8の電子写真感光体について、クラック評価法3に従って評価した。結果を表.13に示す。
比較例8の電子写真感光体について、クラック評価法3に従って評価した。結果を表.13に示す。
〔比較例13〕
比較例11の電子写真感光体について、クラック評価法3に従って評価した。結果を表.13に示す。
比較例11の電子写真感光体について、クラック評価法3に従って評価した。結果を表.13に示す。
〔比較例14〕
比較例11の電子写真感光体について、CTM−Bを除いた以外は比較例11と同様に感光体を作製し、クラック評価法3に従って評価した。結果を表.13に示す。
比較例11の電子写真感光体について、CTM−Bを除いた以外は比較例11と同様に感光体を作製し、クラック評価法3に従って評価した。結果を表.13に示す。
〔比較例15〕
比較例11の電子写真感光体について、CTM−Aを除いた以外は比較例11と同様に感光体を作製し、クラック評価法3に従って評価した。結果を表.13に示す。
比較例11の電子写真感光体について、CTM−Aを除いた以外は比較例11と同様に感光体を作製し、クラック評価法3に従って評価した。結果を表.13に示す。
表.13より、実施例は過酷評価条件下においても、耐クラック性が良好であり、安定した画像を得ることができた。
1 電子写真感光体
2 帯電ローラ
2A バイアス電源
3 露光
4 現像器
5 荷電粒子(トナー)
5a 可転写粒子像(トナー像)
5b 被転写粒子
6 用紙
7 転写ローラ
7A バイアス電源
8 クリーナー(クリーニング装置)
9 給紙カセット
10 給紙ローラ
11 レジストローラ
20K、20C、20M、20Y 各色プロセスカートリッジ
21K、21C、21M、21Y 電子写真感光体
22K、22C、22M、22Y 帯電ローラ
23 転写ローラ
24 紙搬送ベルト
25 レーザー光源
26 トナー
27 定着器
28 給紙ローラ
2 帯電ローラ
2A バイアス電源
3 露光
4 現像器
5 荷電粒子(トナー)
5a 可転写粒子像(トナー像)
5b 被転写粒子
6 用紙
7 転写ローラ
7A バイアス電源
8 クリーナー(クリーニング装置)
9 給紙カセット
10 給紙ローラ
11 レジストローラ
20K、20C、20M、20Y 各色プロセスカートリッジ
21K、21C、21M、21Y 電子写真感光体
22K、22C、22M、22Y 帯電ローラ
23 転写ローラ
24 紙搬送ベルト
25 レーザー光源
26 トナー
27 定着器
28 給紙ローラ
Claims (7)
- 支持体上に感光層を有する電子写真感光体において、該感光層中に結着樹脂、分子量が300以上700以下である電荷輸送材料A、及び、
分子量1500以上4000以下であり、かつ、下記式(1−A)〜(1−E)
(式中、Ar1101〜Ar1512は、それぞれ独立して置換または無置換の一価の芳香族炭化水素環基、または、置換または無置換の一価の芳香族複素環基を示し、Z11〜Z59は置換または無置換の二価の芳香族炭化水素環基、または、置換または無置換の二価の芳香族複素環基を示す。)
で示される構造を有する電荷輸送材料B
とを含有することを特徴とする電子写真感光体。 - 前記電荷輸送材料BのZ11〜Z59が、置換または無置換のビフェニレン基、置換または無置換のジベンゾフラニレン基、または、置換または無置換のジベンゾチオフェニレン基であることを特徴とする請求項1に記載の電子写真感光体。
- 前記電荷輸送材料BのZ11〜Z59のうち、少なくとも1つが置換または無置換のジベンゾフラニレン基、または、置換または無置換のジベンゾチオフェニレン基であって、その他のZ11〜Z59が置換または無置換のビフェニレン基であることを特徴とする請求項1または2に記載の電子写真感光体。
- 前記電荷輸送材料Bが、逐次合成法によって合成されることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の電子写真感光体。
- 請求項1〜4のいずれかに記載の電子写真感光体が、電荷発生層、電荷輸送層をこの順に積層してなることを特徴とする電子写真感光体。
- 請求項1〜5のいずれかに記載の電子写真感光体と帯電手段、現像手段およびクリーニング手段からなる群より選ばれた少なくとも1つの手段とを一体に支持し、電子写真装置本体に着脱自在であることを特徴とするプロセスカートリッジ。
- 請求項1〜6のいずれかに記載の電子写真感光体、帯電手段、露光手段、現像手段および転写手段を有することを特徴とする電子写真装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2004011684A JP2005208110A (ja) | 2004-01-20 | 2004-01-20 | 電子写真感光体、プロセスカートリッジおよび電子写真装置 |
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---|---|
JP2005208110A true JP2005208110A (ja) | 2005-08-04 |
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ID=34898305
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JP2004011684A Withdrawn JP2005208110A (ja) | 2004-01-20 | 2004-01-20 | 電子写真感光体、プロセスカートリッジおよび電子写真装置 |
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Country | Link |
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Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2006046441A1 (ja) * | 2004-10-29 | 2006-05-04 | Idemitsu Kosan Co., Ltd. | 芳香族アミン化合物及びそれを用いた有機エレクトロルミネッセンス素子 |
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WO2013108022A1 (en) * | 2012-01-16 | 2013-07-25 | Cambridge Display Technology Limited | Polymer comprising an unsymmetric diarylaminofluoren unit |
US8623522B2 (en) | 2006-04-26 | 2014-01-07 | Idemitsu Kosan Co., Ltd. | Aromatic amine derivative and electroluminescence device using the same |
-
2004
- 2004-01-20 JP JP2004011684A patent/JP2005208110A/ja not_active Withdrawn
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US10446761B2 (en) | 2006-04-26 | 2019-10-15 | Idemitsu Kosan Co., Ltd. | Aromatic amine derivative and electroluminescence device using the same |
US10153435B2 (en) | 2006-04-26 | 2018-12-11 | Idemitsu Kosan Co., Ltd. | Aromatic amine derivative and electroluminescence device using the same |
WO2007125714A1 (ja) * | 2006-04-26 | 2007-11-08 | Idemitsu Kosan Co., Ltd. | 芳香族アミン誘導体及びそれらを用いた有機エレクトロルミネッセンス素子 |
GB2513034A (en) * | 2012-01-16 | 2014-10-15 | Cambridge Display Tech Ltd | Polymer comprising an unsymmetric diarylaminofluoren unit |
US10580992B2 (en) | 2012-01-16 | 2020-03-03 | Sumitomo Chemical Company Limited | Polymer comprising an unsymmetric diarylaminofluoren unit |
GB2513034B (en) * | 2012-01-16 | 2020-03-11 | Cambridge Display Tech Ltd | Polymer |
US9859499B2 (en) | 2012-01-16 | 2018-01-02 | Sumitomo Chemical Company Limited | Polymer comprising an unsymmetric diarylaminofluorene unit |
WO2013108022A1 (en) * | 2012-01-16 | 2013-07-25 | Cambridge Display Technology Limited | Polymer comprising an unsymmetric diarylaminofluoren unit |
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