JP2005207824A - 検査システム - Google Patents

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Abstract

【課題】
検査装置における被検物の搬送や移動にかかる時間を短縮しつつ、小型化が実現された光学部材の検査システムを提供すること。
【解決手段】
検査システムは、供給トレイにある複数の被検物を順次検査部にて検査し、該検査部における検査結果に対応した収納トレイに該被検物を振り分ける検査システムであって、検査部は、被検物を該検査位置で保持する保持手段と、被検物を撮像する撮像手段とが、検査位置にある被検物を挟んで略同一直線上に並んで配設されており、保持手段は、被検物を供給トレイから検査位置まで搬送し、かつ検査位置にある被検物を収納トレイに搬送する構成にした。
【選択図】 図1

Description

本発明は、光学部材、特にレンズの欠陥検査や形状検査に用いられる検査システムに関する。
従来、光学部材検査システムは、前工程を経た被検物である光学部材が配設されるトレイ(以下、供給トレイという)、該光学部材の欠陥や形状を検査する検査部、検査部における検査結果(良、不良)に応じて被検物を収納するトレイ(以下、便宜上、良品収納トレイと不良品収納トレイという)からなる。このようなシステムにおいて、被検物は、搬送ロボット等により検査部と供給トレイや各収納トレイ間を搬送される。このような従来の光学部材検査システムは、例えば、以下の特許文献1に開示される。
特開2003−2430号公報
ここで、上記特許文献1に例示される従来の光学部材検査システムでは、ロボットの可動範囲と検査部における撮像システムとが機械的に干渉しあうことの無いように構成されている。具体的には、ロボットは、該撮像システムから十分に離れた位置(搬送位置)まで搬送する。供給トレイから搬送された被検物は、検査部に設けられた移動手段を介して検査部における所定の検査位置、つまり撮像システムにより撮像可能な位置まで移動、載置される。上記移動手段としては、例えば特許文献1に開示される回動自在なアームや、搬送位置と検査位置間を被検物が移動するように構成された可動ステージなどが挙げられる。
このように従来のシステムは、ロボットの可動範囲と撮像システムの撮像範囲(および各部材の配置スペース)とを確保するために大規模な構成にせざるを得なかった。また検査装置における被検物の供給、排出に複数の搬送、移動手段を介するため、一つ一つの被検物に対する検査工程に長時間要してしまうという問題点が指摘されていた。
以上の諸事情に鑑み、本発明は、検査装置における被検物の搬送や移動にかかる時間を短縮しつつ、小型化が実現された光学部材の検査システムを提供することを目的とする。
上記目的を達成するために本願発明に係る検査システムは、供給トレイにある複数の被検物を順次検査部にて検査し、該検査部における検査結果に対応した収納トレイに該被検物を振り分ける検査システムであって、検査部は、被検物を所定の検査位置で保持する保持手段と、被検物を撮像する撮像手段とを有し、保持手段における被検物との当接面と撮像手段とは、検査位置にある被検物を挟んで配設されており、保持手段は、被検物を供給トレイから検査位置まで搬送し、かつ検査位置にある被検物を収納トレイに搬送することを特徴とする。
請求項1に記載の検査システムは、検査時に被検物を保持する保持手段に、供給トレイと検査位置間、および検査位置と収納トレイ間において被検物を搬送する機能を付している。また、撮像手段は、保持手段の搬送の妨げにはならない被検物を介した反対側に設けている。これにより、従来よりも被検物の搬送や移動に要求されるスペースを低減して、システム全体を小型化することができる。同時に、上記特許文献1に例示されるような従来の検査システムには必須であった、搬送手段から検査部への受け渡し的役割を持つ移動手段を本発明では省略したことにより、被検物の搬送に関する時間を短縮することができる。
具体的には、撮像手段は、検査位置にある被検物を含む所定範囲を撮像する撮像素子と、撮像素子と被検物が略共役な関係になる位置に配設される対物光学系と、被検物と対物光学系との間に配設され、少なくとも所定範囲を照明する光を照射する発光部と、を有する(請求項2)。そして、被検物が検査位置にある状態において、当接面の中心を対物光学系の光軸上に配置し、かつ被検物の中心軸と対物光学系の光軸を略一致させることにより被検物に対する高精度での検査が可能になる(請求項3)。
なお、該撮像手段は、対物光学系の光軸が供給トレイおよび収納トレイと直交するように配設されることが望ましい(請求項4)。請求項4に記載の構成によれば、保持手段は、各トレイと略平行な面内で駆動することにより、検査位置、各トレイ間の被検物の搬送を実行することができる。つまり、搬送時に複雑な駆動制御を行う必要がないため、搬送工程に関するより一層の時間の短縮が図られる。
また、保持手段は、被検物を吸引する吸引手段を有し、該吸引手段がヘッドにおける当接面から対物光学系の光軸に沿う方向に被検物を吸引することにより被検物を保持することが望ましい(請求項5)。他にも保持手段としては、被検物の一部を把持する構成も採りうる。しかし、該構成では、挟持した部位は撮像されない、つまり検査対象にならないという点や把持した部位が傷つくおそれがある点がある。また、一般に収納トレイや格納部において、被検物はトレイに周期的に設けられた開口に収容されている。従って、請求項5に記載の発明のように、吸引手段が被検物を対物光学系の光軸に沿う方向に吸引することにより、被検物は上方から保持されることになる。つまり、保持手段が被検物を取得するためのスペースをトレイに設ける必要が無い。従って、一つのトレイに格納可能な被検物の数を増やすことができるため作業効率を向上させることができる。
請求項6に記載の発明によれば、保持手段は、該保持手段に着脱自在に構成され、保持された被検物との当接面の直径が各々異なる複数のヘッドを有し、発光部からの光が対物光学系の光軸と略平行に照射されるか否かに対応して、所定の口径を有するヘッドが保持手段に装着されるように構成することが望ましい。
もし発光部が、対物光学系の光軸に対して斜めに光を照射する構成である場合、いわゆる暗視野照明を用いた場合、被検物の全長よりも短い直径のヘッドを採用する(請求項7)。これにより、ヘッドにおける被検物との当接面が撮像画像に映り込む現象を有効に回避し、被検物と背景との境界を明確化することができる。
ここで、もし被検物がレンズである場合、該レンズの口径をr2、有効径をr3とすると、当接面の直径r1が以下の関係を満たすようなヘッドを使用することが望ましい(請求項8)。
r3<r1<r2
上記関係を満たすような直径の当接面を持つヘッドを使用することにより、ヘッドにおける被検物との当接面が撮像画像に映り込む現象を防止し、かつ被検物のレンズ領域を傷つけることも防止することができる。
また、もし発光部が、対物光学系の光軸に対して略平行に光を照射する場合、いわゆる明視野照明を用いた場合、被検物の全長よりも長い直径のヘッドを採用する(請求項9)。これにより、当接面と被検物との反射率の違いにより、両者の境界を容易に観察することができる。このとき、好ましくは、ヘッドにおける被検面との当接面は該被検物よりも高い反射率を有するように構成し、撮像画像における被検物と背景と境界をより明確にする。例えば、該当接面に鏡面加工を施すことが望ましい。
本発明に係る検査システムは、被検物の欠陥検査も可能であるが、特に被検物と背景との境界を明確化できるため、被検物の外観形状に関する検査に好適である。例えば、被検物がレンズである場合、ゲートを切断後の外形が許容範囲内にあるかどうかを検査するのに適している。
上記保持手段として、直線に平行な二つの軸を有し、該二つの軸と直交する面内で各軸に対して回動自在なアーム型ロボットや、直線に直交する面内において、互いに直交する二つの方向に移動自在なアーム型ロボットを使用することが可能である。
なお、高精度での形状検出を可能にするとともに、検査不能もしくは要再検査と判断される可能性を低減し作業効率の向上を図るためには、保持手段が被検物を供給トレイから検査位置まで搬送するルート上に、検査位置において被検物の中心軸が、対物光学系の光軸と略一致するように、被検物の位置ずれを補正する位置ずれ補正手段をさらに有することが望ましい(請求項16)。
このように本発明の検査システムは、検査位置に被検物を保持する保持手段が搬送手段も兼ねる構成としたことにより、小型化することができ、かつ被検物の搬送にかかる時間、ひいては検査工程全体に要する時間を短縮することができる。
以下、図を参照しつつ、本発明の実施形態の検査システムについて詳説する。図1と図2は、それぞれ、実施形態の検査システム100の、被検物検査時における配置構成を示す俯瞰図と側面図である。
図1、図2に示すように、検査システム100は、検査部10、供給トレイ51、良品トレイ52、不良品トレイ53を有する。本実施形態の検査システム100は、供給トレイ51によって供給される被検物(本実施形態ではレンズL)の外形を、暗視野照明を備えた検査部10によって検査するためのシステムである。そして、検査部10での検査結果に対応して、良品は、良品トレイ52に収納され、不良品は不良品トレイ53に収納される。
検査部10は、保持・搬送部10A、撮像部10Bからなる。保持・搬送部10Aは、基台1、支軸2、アーム部3を有する。支軸2は鉛直上方に延出した状態で基台1に取り付けられている。アーム部3は、第一水平アーム31、第二水平アーム32、第一継手33、第二継手34、垂直アーム35を有する。
第一水平アーム31は、第一継手33によって回動自在な状態で一端を支軸2に取り付けられている。第二水平アーム32は、第一水平アーム31のもう一端と、第二継手34を介して回動自在に取り付けられている。ここで、二つの継手33、34は、共に鉛直方向に沿った回転軸を備える。つまり、アーム部3は、第一継手33によって第一水平アーム31と第二水平アーム32を同時に水平方向に回動するように構成される。第一継手33を利用した回動を図1中矢印線αで示す。同時に、アーム部3は、第二継手34によって第二水平アームのみを水平方向に回動するするように構成される。第二継手34を利用した回動を図1中矢印線βで示す。
第二水平アーム32における先端32aには鉛直下方に延出する垂直アーム35が設けられている。垂直アーム35は、レンズLを保持する機構を備える。図3は、垂直アーム35近傍を拡大するとともに内部を示す図である。図3に示すように、垂直アーム35は、先端32a側から順に、中継ロッド7、ヘッド8を有する。中継ロッド7は、先端32a内部に設けられた駆動機構(不図示)に固定されている。そして中継ロッド7(および該ロッド7に取り付けられたヘッド8)は、該駆動機構によって、鉛直方向上下(図3中白抜き矢印方向)に駆動する。
ヘッド8は、着脱自在な状態で中継ロッド7に取り付けられる。本実施形態の検査システム100は、レンズLが当接する面(当接面8a)の直径r1が異なる複数のヘッド8を有している。ここで上記の通り、本実施形態の検査システム100は、暗視野照明を用いている。そのため、レンズLの口径をr2、有効径をr3とすると、以下の関係を持つヘッド8が中継ロッド7に取り付けられる。
r3<r1<r2
このような関係を持つヘッド8を使用することにより、製品として実際に使用されるレンズ領域を汚したり傷つけたりすることなく、レンズLを保持することができ、かつ暗視野照明を用いてレンズLを撮像した時に、撮像画像にヘッド8の当接面8aが無用に映り込むことを有効に回避することができる。
中継ロッド7は、内部に第一通気孔71を有する。第一通気孔71は、吸引ホース40を介して図示しない吸引ポンプに接続されている。ヘッド8は、内部に第二通気孔81を有する。ヘッド8を中継ロッド7に取り付けた状態で吸引ポンプを駆動させると、空気がヘッド8先端から吸引され、第二通気孔81、第一通気孔71、吸引ホース40を介して吸引ポンプに取り込まれる。従って、図3に示すようにヘッド8の当接面8aをレンズLに当接した状態で吸引を行うことにより、レンズLはヘッド8に吸着する。これにより、レンズLは保持・搬送部10Aに確実に保持される。なお、本実施形態の第二通気孔81は、被検物であるレンズLの形状(特にレンズ領域の形状)に対応してヘッド8先端に行くにつれて径が大きくなるように構成されている。
撮像部10Bは、照明部4、対物光学系5、CCDカメラ6を有する。照明部4は、略環状を有し、対物光学系5の光軸AXに該環状の中心が略一致するように設けられている。照明部4は、照明光を鉛直下方から上方に向けてかつ該光軸に対して斜めに照射する、いわゆる暗視野照明である。照明部4としては、例えば射出端が環状に配設された光ファイバの集合や、環状に配設されたLED等の発光素子の集合などが挙げられる。なお、照明部4から照射される光の強度を均一にするため、照明部4の近傍に拡散板を設けても良い。照明部4から照射された該照明光は、対物光学系の物体側焦点位置を照明する。CCDカメラ6は、照明部4の中央部の開口を介して物体側焦点位置を撮像する。CCDカメラ6の撮像面は、対物光学系5の像側焦点位置に配置される。ここで、検査時において、被検物であるレンズLは、該物体側焦点位置で保持される。つまり、対物光学系5によってCCDカメラ6の撮像面と被検物は互いに共役な関係にある。なお、本文では便宜上、物体側焦点位置を検査位置という。
このように、撮像部10Bを構成する各部材4〜6は、対物光学系5の光軸AXに沿って配設されている。保持・搬送部10AがレンズLを検査位置で保持している状態にある時(被検物検査時)、保持・搬送部10Aの当接面8aと、レンズLと、撮像部10Bとは、対物光学系5の光軸AX上(つまり鉛直方向)に並んで位置している。つまり、被検物検査時、当接面8aの中心は光軸AX上に位置し、かつレンズLの中心軸と対物光学系の光軸AXは略一致する。そして、被検物検査時、保持・搬送部10Aの当接面8aと撮像部10Bは、保持・搬送部10Aにより保持されたレンズLを挟んで対峙した状態にある。
各トレイ51〜53は、周期的に配設された開口Hを有する。開口Hは、レンズLが収納できる程度に十分な径と深さを持つ。供給トレイ51の各開口Hには、前工程、より具体的にはゲートからレンズLを分離する工程を経たレンズLが収納されている。
以上のような構成の検査システム100において、被検物であるレンズLは以下のようにして形状を検査される。
保持・搬送部10Aは、アーム部3を回動させることにより、供給トレイ51における検査対象となるレンズLの収納位置の略直上に垂直アーム35を位置させる。なお、垂直アーム35は、先端32a内部に設けられた駆動機構(不図示)によって、基準高さにヘッド8が位置するように予め高さ調整されている。ここで、基準高さとは、ヘッド8に吸着したレンズLが検査位置と略同一平面上にあるような所定の高さのことをいう。回動によりレンズLの略直上に位置すると、垂直アーム35は、該駆動機構によって、ヘッド8が基準高さからヘッド当接面8aがレンズLに当接する高さに位置するまで伸長される。そしてヘッド当接面8aがレンズLに当接すると、図示しない吸引ポンプが駆動し、レンズLをヘッド8に吸着させる。
次いで、ヘッド8にレンズLが吸着した状態、つまり吸引状態のまま、保持・搬送部10Aは、ヘッド8が基準高さに位置するまで垂直アーム35を駆動させる。そして、保持・搬送部10Aは、再び回動し、垂直アーム35によって保持されたレンズLを検査位置まで搬送する。
照明部4から照射された照明光は、検査位置に保持されるレンズLの底面に対して斜めに入射する。該照明光のうち、レンズの縁、例えば面取り工程により生成されたエッジ等で散乱反射した光のみが対物光学系5を介してCCDカメラ6に入射する。CCDカメラ6は、撮像した画像を図示しない画像処理装置に送信する。画像処理装置が撮像画像に基づいて行うレンズLの形状検査および良否判定については、周知の技術であるためここでの説明は省略する。なお、ここで、レンズLが不良品である例としては、ゲートやランナをカットした際の断面に現れる凸部または凹部が所定の許容範囲を超えている場合などが挙げられる。
保持・搬送部10Aは、画像処理装置による検査結果、つまり検査対象であるレンズLの良品、不良品の判定結果に対応したトレイ52、53に保持中のレンズLを搬送する。
例えば、レンズLが良品であった場合、保持・搬送部10Aは、良品トレイ52の未だ空いている開口Hの直上まで回動する。そして、保持状態にあるレンズLの底面が該開口Hの底面に略当接する程度の高さにヘッドが到達するまで垂直アーム35を駆動する。そして、吸引を停止し、レンズLの保持状態を解除する。これにより、レンズLは安全、確実に良品トレイ52に収納される。レンズLが不良品であった場合は同一の処理が不良品トレイ53において実行される。検査が終了したレンズLをいずれかのトレイ52、53に収納した後、保持・搬送部10Aは、ヘッド8の高さが基準高さになるまで垂直アーム35を駆動した後、供給トレイ51まで回動する。そして、検査システム100は、上記の一連の検査処理を繰り返す。
このように、本実施形態によれば、各トレイと検査位置間における被検物の搬送機能、および検査位置での被検物の保持機能を兼ね備えた保持・搬送部10Aを備えるとともに、撮像部10Bを保持・搬送部10Aの駆動の妨げとならないような場所に配設したことにより、システム全体の小型化が図れると共に、被検物の搬送にかかる時間を短縮する効果が得られる。
なお、保持・搬送部10Aが供給トレイ51にあるレンズLを吸引した際、必ずしも、レンズLは検査に適した位置・姿勢で保持されるとは限らない。具体的には、吸引の際、傾くあるいは位置ずれする等の現象が起き、検査位置まで搬送されたレンズLが、該レンズの中心軸と対物光学系5の光軸AXとが一致しないような状態にある可能性もある。このような状態を放置すると、検査不能もしくは要再検査と判断される被検物の数が多くなる等、作業効率の低下の要因となりかねない。レンズLが常に検査に適した位置・姿勢で保持されるためには、例えば、保持・搬送部10Aをより高精度で駆動制御することも可能である。但し、該手段によれば、保持・搬送部10AがレンズLを保持する際に、微細な位置調整を行う等の時間がかかる場合がある。
そこで、本実施形態では、保持・搬送部10AがレンズLを供給トレイ51から検査位置まで搬送するルート上に、図4に示すような位置ずれ補正機構90を配設する。図4(A)は、保持・搬送部10Aの垂直アーム35と位置ずれ補正機構90を示す側面図、図4(B)は、位置ずれ補正機構を示す俯瞰図である。位置ずれ補正機構90は、供給トレイ51から搬送されてきたレンズLと保持・搬送部10Aの相対的位置関係を一律に調整する。具体的には、位置ずれ補正機構90は、検査位置に搬送されるレンズLが、常に検査に好適な状態で保持・搬送部10Aに保持されているように調整する。位置ずれ補正機構90は、テーブル91、一対の挟持部92を有する。一対の挟持部92は、テーブル91の載置面に沿って(つまり水平方向に)スライド自在に構成されている。より詳しくは、一対の挟持部92は、テーブル91の中心を基準として、互いに同量だけ離反しあるいは接近する方向にスライドする。なお、テーブル91の中心を通る鉛直線を中心線CLとし、図4中一点鎖線で示す。
供給トレイ51からレンズLを吸引した保持・搬送部10Aは、当接面8aが位置ずれ補正機構90の鉛直上方に位置する、より正確には、当接面8aの中心が中心線CL上に位置するまで回動制御される。した保持・搬送部10Aは、吸引を解除し、レンズLをテーブル91に載置する。レンズLがテーブル91に載置される時、一対の挟持部92は、レンズLの載置の妨げとならない位置までスライドした状態にある。
レンズLがテーブル91に載置されると、双方の挟持部92がレンズLに当接するまで接近する。双方の挟持部92がレンズLに当接した状態は、レンズLの中心軸と中心線CLが略一致する状態である。該状態にあるレンズLを保持・搬送部10Aは、再び吸引する。保持・搬送部10AがレンズLを吸引すると、一対の挟持部92は、レンズLとの当接を解除し、互いに離反する方向にスライドする。これにより、レンズLは、位置ずれや傾きを解消される。具体的には、レンズLは、その中心軸が当接面8aの中心を通る状態(つまり検査位置にあっては、該中心軸と対物光学系5の光軸AXとが略一致する状態)で搬送される。従って、検査時において、高精度での形状検出が可能になるとともに、上述したような検査不能もしくは要再検査と判断される可能性を略なくすことができる。なお、レンズLを傷つけることの無いようにするため、一対の挟持部92におけるレンズ当接部位は、弾性部材等で構成される。
以上が本発明の実施形態である。なお本発明は、検査システム100以外の構成であっても、上記と同様の効果を奏することが可能である。以下、検査システム100の変形例をいくつか説明する。
上記実施形態では、暗視野照明を用いた構成を説明している。本発明は、照明部4として明視野照明を用いても上記と同様の効果を得ることができる。但し、明視野照明を使用した場合、図5に示すように、直径r1がレンズLの口径r2よりも大きなヘッド8を中継ロッド7に取り付ける必要がある。同時に、ヘッド8の当接面8aは、レンズLの反射率よりも高い反射率を有するように構成する必要がある。例えば、当接面8aに鏡面加工を施せばよい。
また、上記実施形態では、保持・搬送部10Aは、二つの継手33、34によって水平に回動自在に構成されている。本発明にかかる検査システムに搭載される保持・搬送部は、該構成に限定されるものではない。例えば、互いに直交する二方向にスライド自在に構成された二軸アーム型ロボットを保持・搬送部として使用することもできる。
さらに、上記実施形態では、被検物はレンズと説明したが、レンズ以外の光学部材であっても形状検査をすることが可能である。レンズ以外の光学部材を被検物とする場合、使用されるヘッド8の口径r1を決定する要素は、該光学部材の全長となる。
さらに、上記実施形態の検査システム100は、形状検査用であると説明したが、被検物にあるゴミや傷を検出するいわゆる欠陥検査にも適用することができる。この場合、被検物の周縁部の形状が精確に検出されなくてもよい。そのため、垂直アームに設けられる被検物保持のための機構は、必ずしもエアによる吸引を用いなくても良い。例えば、被検物を一箇所または複数箇所において挟持することにより保持する機構であっても良い。
また、上記実施形態では、検査結果に応じて被検物が収納されるトレイは、良品用と不良品用の二種類あると説明したが、本発明にかかる検査システムは、該二つのトレイに限定されるものではない。
本発明の実施形態の検査システムの、被検物検査時における配置構成を示す俯瞰図である。 本発明の実施形態の検査システムの、被検物検査時における配置構成を示す側面図である。 実施形態の垂直アーム近傍を拡大するとともに内部を示す図である。 実施形態の位置ずれ補正機構を示す図である。 変形例の垂直アームのヘッド近傍を拡大して示す図である。
符号の説明
3 アーム部
8 ヘッド
10 検査部
10A 保持・搬送部
10B 撮像部
51〜53 トレイ
100 検査システム

Claims (17)

  1. 供給トレイにある複数の被検物を順次検査部にて検査し、該検査部における検査結果に対応した収納トレイに該被検物を振り分ける検査システムであって、
    前記検査部は、前記被検物を所定の検査位置で保持する保持手段と、前記被検物を撮像する撮像手段とを有し、
    前記保持手段における前記被検物との当接面と、前記撮像手段とは、検査位置にある前記被検物を挟んで対峙しており、
    前記保持手段は、前記被検物を前記供給トレイから前記検査位置まで搬送し、かつ前記検査位置にある前記被検物を前記収納トレイに搬送することを特徴とする検査システム。
  2. 請求項1に記載の検査システムにおいて、
    前記撮像手段は、
    前記検査位置にある前記被検物を含む所定範囲を撮像する撮像部と、
    前記撮像部と前記被検物が略共役な関係になる位置に配設される対物光学系と、
    前記被検物と前記対物光学系との間に配設され、少なくとも前記所定範囲を照明する光を照射する発光部と、を有することを特徴とする検査システム。
  3. 前記被検物が前記検査位置にある状態において、前記当接面の中心は前記対物光学系の光軸上にあり、かつ前記被検物の中心軸と前記対物光学系の光軸は略一致することを特徴とする請求項2に記載の検査システム。
  4. 請求項2または請求項3に記載の検査システムにおいて、
    前記対物光学系の光軸は、前記供給トレイおよび前記収納トレイと略直交することを特徴とする検査システム。
  5. 請求項2から請求項4のいずれかに記載の検査システムにおいて、
    前記保持手段は、前記被検物を吸引する吸引手段を有しており、該吸引手段が前記当接面から前記対物光学系の光軸に沿う方向に前記被検物を吸引することにより前記被検物を保持することを特徴とする検査システム。
  6. 2から請求項5のいずれかに記載の検査システムにおいて、
    前記保持手段は、該保持手段に着脱自在に構成され、前記当接面の直径が各々異なる複数のヘッドを有し、
    前記発光部から前記光が前記対物光学系の光軸と略平行に照射されるか否かに対応して、所定の直径を有するヘッドが前記保持手段に装着されることを特徴とする検査システム。
  7. 請求項6に記載の検査システムにおいて、
    前記発光部は、前記対物光学系の光軸に対して斜めに前記光を照射し、
    前記所定の直径は、前記被検物の全長よりも短いことを特徴とする検査システム。
  8. 請求項7に記載の検査システムにおいて、
    前記被検物は、レンズであり、
    前記所定の直径r1、前記レンズの口径r2、前記レンズの有効径r3が、以下の関係、
    r3<r1<r2
    を満たすことを特徴とする検査システム。
  9. 請求項6に記載の検査システムにおいて、
    前記発光部は、前記対物光学系の光軸と略平行に前記光を照射し、
    前記所定の直径は、前記被検物の全長よりも長いことを特徴とする検査システム。
  10. 請求項9に記載の検査システムにおいて、
    前記当接面は、前記被検物よりも高い反射率を有することを特徴とする検査システム。
  11. 請求項10に記載の検査システムにおいて、
    前記当接面は、鏡面加工がなされていることを特徴とする検査システム。
  12. 請求項9から請求項11のいずれかに記載の検査システムにおいて、
    前記被検物は、レンズであり、
    前記所定の直径は、前記レンズの口径よりも長いことを特徴とする検査システム。
  13. 請求項1から請求項12のいずれかに記載の検査システムにおいて、
    前記被検物の形状を検査することを特徴とする検査システム。
  14. 請求項1から請求項13のいずれかに記載の検査システムにおいて、
    前記保持手段は、前記直線に平行な二つの軸を有し、該二つの軸と直交する面内で各軸に対して回動自在なアーム型ロボットであることを特徴とする検査システム。
  15. 請求項1から請求項14のいずれかに記載の検査システムにおいて、
    前記保持手段は、前記直線に直交する面内において、互いに直交する二つの方向に移動自在なアーム型ロボットであることを特徴とする検査システム。
  16. 請求項3から請求項15のいずれかに記載の検査システムにおいて、
    前記保持手段が前記被検物を前記供給トレイから前記検査位置まで搬送するルート上に、前記検査位置において前記被検物の中心軸が前記対物光学系の光軸と略一致するように、前記被検物の位置ずれを補正する位置ずれ補正手段をさらに有することを特徴とする検査システム。
  17. 請求項16に記載の検査システムにおいて、
    前記位置ずれ補正手段は、前記被検物が一時的に載置されるテーブルと、前記テーブルの中心を通る中心線を基準として、前記テーブルの載置面に沿って互いに同量だけ離反しあるいは接近する方向にスライドする被検物挟持手段と、を有し、
    前記保持手段は、前記当接面の中心が前記中心線上に位置するまで駆動すると、前記テーブルに前記被検物を載置し、前記被検物挟持手段によって挟持された前記被検物を再び保持、搬送することを特徴とする検査システム。
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