JP2005207379A - 内燃機関の制御装置および制御方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】燃料供給停止手段による内燃機関への燃料供給停止後に当該内燃機関への燃料供給を再開する際に、大気中に排気される排気ガス中のNOx量を抑制することができる内燃機関の制御装置および内燃機関の制御方法を提供すること。
【解決手段】排気ガス中の有害物質を除去する排気ガス浄化手段と、燃料を供給する燃料供給手段と、混合気の空燃比を検出する空燃比検出手段と、内燃機関の運転状態に基づいて、燃料供給手段による内燃機関への燃料供給停止を行う燃料供給停止手段と、燃料供給手段による内燃機関への燃料供給を制御する燃料供給制御手段とを備えた内燃機関の制御装置において、燃料供給制御手段は、燃料供給停止手段による内燃機関への燃料供給停止後に内燃機関への燃料供給を再開する際であって、リッチ化制御の要求がある場合は、内燃機関への燃料供給を再開後、所定期間は、予定空燃比制御を行い、所定期間経過後は、目標空燃比制御を行う。
【選択図】 図2
【解決手段】排気ガス中の有害物質を除去する排気ガス浄化手段と、燃料を供給する燃料供給手段と、混合気の空燃比を検出する空燃比検出手段と、内燃機関の運転状態に基づいて、燃料供給手段による内燃機関への燃料供給停止を行う燃料供給停止手段と、燃料供給手段による内燃機関への燃料供給を制御する燃料供給制御手段とを備えた内燃機関の制御装置において、燃料供給制御手段は、燃料供給停止手段による内燃機関への燃料供給停止後に内燃機関への燃料供給を再開する際であって、リッチ化制御の要求がある場合は、内燃機関への燃料供給を再開後、所定期間は、予定空燃比制御を行い、所定期間経過後は、目標空燃比制御を行う。
【選択図】 図2
Description
本発明は、内燃機関の制御装置および制御方法に関し、さらに詳しくは内燃機関の運転状態に基づき、内燃機関への燃料供給停止後に、内燃機関への燃料供給を再開する内燃機関の制御装置および制御方法に関するものである。
乗用車、トラックなどの車両に搭載される内燃機関であるガソリンエンジン、ディーゼルエンジンなどエンジンは、エンジンの燃焼室で燃焼される燃料と空気の混合気の空燃比が空燃比検出手段である空燃比センサにより検出される。そして、通常、この空燃比センサにより検出される空燃比が理論空燃比となるように、エンジンへの燃料供給が燃料供給制御手段であるECUにより、燃料供給制御、すなわちフィードバック制御される。具体的には、エンジンの吸気系統あるいは燃焼室に燃焼を噴射する燃料供給手段である燃料噴射弁の燃料供給量(燃料噴射量)の制御を行う。また、エンジンは、このエンジンの運転状態、例えば減速時あるいはアクセルOFF時などにおいて、一時的に燃料噴射弁からエンジンに供給される燃料を停止する、つまり燃料供給停止を行う。
燃料噴射弁からエンジンに供給される燃料を停止すると、エンジンの吸気系統から吸入された空気は、燃焼室を介してそのまま排気系統に排気されることとなる。排気系統に排気された空気は、このエンジンの排気系統に排気される排気ガス中の有害物質を除去する排気ガス浄化手段である三元触媒に流入し、空気中の酸素(O2)がこの三元触媒に吸蔵され始める。そして、燃料供給停止からエンジンへの燃料供給を再開するまで、三元触媒には流入した空気中の酸素を吸蔵され続ける。そして、燃料噴射弁からエンジンに燃料の供給を再開する際には、上述のように、この空燃比センサにより検出された空燃比が理論空燃比となるようにこのエンジンに供給される燃料の燃料供給制御を行う。ここで、三元触媒は、過剰な酸素が吸蔵されていることでその浄化能力が低下している。つまり、燃料噴射弁からエンジンに燃料の供給を再開することで、このエンジンの排気系統から三元触媒に排気ガスが流入するが、過剰な酸素により三元触媒に流入する排気ガス中の有害物質、特にNOx(窒素酸化物)の浄化能力が低下しているため、この三元触媒は、排気ガス中の有害物質を十分に浄化できない虞がある。これにより、三元触媒から排気系統の下流側に流出された排気ガス中にNOxが多く含まれることとなり、大気中に多くのNOxが排気される虞があった。
そこで、従来において、燃料噴射弁によるエンジンへの燃料供給停止からエンジンへの燃料供給を再開する際に、一時的に空燃比センサにより検出される空燃比が理論空燃比よりもリッチ側である目標空燃比となるように燃料噴射弁からエンジンに供給される燃料の燃料供給制御を行う技術が提案されている(特許文献1参照)。この従来の内燃機関の制御装置は、三元触媒に過剰に吸蔵されている酸素が迅速に離脱し、この三元触媒の浄化能力が低下している期間の短縮を図ることができ、大気中に排気される排気ガス中のNOx量を抑制することができるものである。
ところで、上記従来の内燃機関の制御装置では、燃料供給停止からエンジンへの燃料供給を再開する際に、一時的に空燃比センサにより検出される空燃比が理論空燃比よりもリッチ側である目標空燃比となるようにエンジンに供給される燃料の燃料供給制御を行う前に、ディレイ期間が設けられている。通常、空燃比センサは、エンジンの排気系統の排気ガス浄化手段である三元触媒の上流側に設けられている。この空燃比センサでは、排気系統に排気された排気ガスに基づいて混合気の空燃比を検出するまでの反応速度の遅れが発生する。また、空燃比センサでは、燃料供給停止からエンジンへの燃料供給を再開する際に、このエンジンに燃料が供給され、燃焼室内で混合気が燃焼され、排気系統に排気ガスが排気され、空燃比センサにこの排気ガスが到達するまでの時間による遅れが発生する。つまり、ディレイ期間は、空燃比センサにより検出される空燃比と、実際にエンジンの燃焼室で燃焼される燃料と空気の混合気の空燃比とが一致するまでに要する期間である。
このディレイ期間内では、通常の燃料供給制御、つまり理論空燃比制御を行う。具体的には、空燃比センサにより検出される空燃比が理論空燃比となるように燃料噴射弁からエンジンに供給される燃料の燃料供給制御を行う。しかしながら、このディレイ時間が開始される前までには、上述のように、燃料供給停止からエンジンへの燃料供給を再開するまでに、三元触媒に流入した吸入空気によりこの三元触媒に過剰の酸素が吸蔵されていることとなる。このため、ディレイ時間内において、理論空燃比制御を行っても、すなわち理論空燃比となるように燃料噴射弁からエンジンに燃料を供給しても、三元触媒に吸蔵された過剰の酸素は迅速に離脱しない。従って、ディレイ期間内では、エンジンの排気系統に排気された排気ガスは、浄化能力が低下した状態の三元触媒に流入するため、三元触媒から排気系統の下流側に流出された排気ガス中にNOxが多く含まれることとなる。つまり、一時的に空燃比センサにより検出される空燃比が理論空燃比よりもリッチ側である目標空燃比となるようにエンジンに供給される燃料の燃料供給制御を行っても、大気中に多くのNOxが排気される虞がある。
この発明は、上記に鑑みてなされたものであって、燃料供給停止手段による内燃機関への燃料供給停止後に当該内燃機関への燃料供給を再開する際に、大気中に排気される排気ガス中のNOx量を抑制することができる内燃機関の制御装置および内燃機関の制御方法を提供することを目的とするものである。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、この発明では、内燃機関の排気系統に排気される排気ガス中の有害物質を除去する排気ガス浄化手段と、内燃機関に燃料を供給する燃料供給手段と、内燃機関に供給される混合気の空燃比を検出する空燃比検出手段と、内燃機関の運転状態に基づいて、燃料供給手段による当該内燃機関への燃料供給停止を行う燃料供給停止手段と、燃料供給手段による内燃機関への燃料供給を制御する燃料供給制御手段とを備えた内燃機関の制御装置において、燃料供給制御手段は、燃料供給停止手段による内燃機関への燃料供給停止後に内燃機関への燃料供給を再開する際であって、内燃機関に供給される混合気の空燃比が理論空燃比よりもリッチ側となるように内燃機関への燃料供給を制御する場合は、内燃機関への燃料供給を再開後、所定期間は、内燃機関に供給される混合気の空燃比が理論空燃比よりもリッチ側となる予め定められた予定空燃比となるように当該内燃機関に燃料を供給し、所定期間経過後は、空燃比検出手段により検出される空燃比が理論空燃比よりもリッチ側である目標空燃比となるように内燃機関に燃料を供給することを特徴とする。
また、この発明では、内燃機関の運転状態に基づき、当該内燃機関への燃料供給停止した後に内燃機関への燃料供給を再開する内燃機関の制御方法において、内燃機関への燃料供給を再開する際であって、内燃機関に供給される混合気の空燃比が理論空燃比よりもリッチ側となるように内燃機関への燃料供給を制御する場合は、内燃機関への燃料供給を再開後、所定期間は、内燃機関に供給される混合気の空燃比が理論空燃比よりもリッチ側となる予め定められた予定空燃比となるように内燃機関に燃料を供給し、所定期間経過後は、空燃比検出手段により検出される内燃機関に供給される混合気の空燃比が理論空燃比よりもリッチ側である目標空燃比となるように内燃機関に燃料を供給することを特徴とする。
これらの発明によれば、燃料供給制御手段は、内燃機関への燃料供給を再開後、所定期間、すなわち空燃比センサにより検出される空燃比と、実際にエンジンの燃焼室で燃焼される燃料と空気の混合気の空燃比とが一致するまでに要する期間(ディレイ期間)内において、空燃比センサにより検出される空燃比が理論空燃比となるように燃料供給手段から内燃機関に供給される燃料の燃料供給制御を行わず、内燃機関に供給される混合気の空燃比が理論空燃比よりもリッチ側となる予め定められた予定空燃比となるように内燃機関に供給される燃料の燃料供給制御を行う。従って、内燃機関への燃料供給停止から所定期間が始まる前までに、三元触媒に過剰に吸蔵された酸素を迅速に離脱させることができる。これにより、燃料供給停止手段による内燃機関への燃料供給停止後に当該内燃機関への燃料供給を再開する際に、大気中に排気される排気ガス中のNOx量を抑制することができる。
ここで、所定期間は、燃料供給停止手段による内燃機関への燃料供給停止後から内燃機関のサイクル数を検出するサイクル数検出手段により検出されるサイクル数が所定サイクル数に達するまでの期間であることが好ましい。
または、燃料供給停止手段による内燃機関への燃料供給停止後から空燃比検出手段により検出される空燃比が所定空燃比となるまでの期間を所定期間とすることが好ましい。
または、サイクル数検出手段により検出されたサイクル数あるいは空燃比検出手段により検出される空燃比のいずれか一方が所定サイクル数以上あるいは所定空燃比以下となるまでの期間を所定期間とすることが好ましい。
また、燃料供給制御手段は、内燃機関の吸気系統から内燃機関に吸入される吸入空気量を検出する吸入空気量検出手段により検出される吸入空気量に基づいて、燃料供給停止手段による内燃機関への燃料供給停止後から内燃機関への燃料供給を再開するまでに排気ガス浄化装置に吸蔵される酸素吸蔵量を算出し、酸素吸蔵量が所定酸素吸蔵量以上の場合に、内燃機関に供給される混合気の空燃比が理論空燃比よりもリッチ側となるように内燃機関への燃料供給を制御することが好ましい。
または、燃料供給制御手段は、燃料供給停止手段による内燃機関への燃料供給停止後から内燃機関への燃料供給を再開するまでの経過時間が所定経過時間以上の場合に、内燃機関に供給される混合気の空燃比が理論空燃比よりもリッチ側となるように内燃機関の燃料供給を制御することが好ましい。
この発明にかかる内燃機関の制御装置および制御方法は、燃料供給制御手段が、内燃機関への燃料供給を再開後、所定期間、内燃機関に供給される混合気の空燃比が理論空燃比よりもリッチ側となる予め定められた予定空燃比となるように内燃機関に供給される燃料の燃料供給制御を行うので、内燃機関への燃料供給停止から所定期間が始まる前までに、三元触媒に過剰に吸蔵された酸素を迅速に離脱させることができる。これにより、燃料供給停止手段による内燃機関への燃料供給停止後に当該内燃機関への燃料供給を再開する際に、大気中に排気される排気ガス中のNOx量を抑制することができるという効果を奏する。
以下、この発明につき図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、下記の実施例によりこの発明が限定されるものではない。また、下記実施例における構成要素には、当業者が容易に想定できるもの或いは実質的に同一のものが含まれる。ここで、以下の実施例では、内燃機関として乗用車、トラックなどの車両に搭載されるガソリンエンジンについて説明するが、本発明はこれに限定されるものではなく、ディーゼルエンジンなどにも適用可能である。
図1は、この発明にかかる内燃機関の構成例を示す図である。図1に示すように、内燃機関であるエンジン1は、燃料供給手段である燃料供給装置2と、エンジン1の排気系統3にそれぞれ設けられた排気ガス浄化手段である三元触媒31、空燃比検出手段である空燃比センサ32と、後述する燃料供給停止手段および燃料供給手段を備える内燃機関の制御装置であるECU(Engine Control Unit)4とにより構成されている。なお、5はエンジン1の各気筒であり、6はエンジン1の吸気系統であり、7は、クランクシャフトであり、8はアクセルペダルである。
燃料供給手段である燃料供給装置2は、図示しない燃料タンク内の燃料であるガソリンを内燃機関であるエンジン1に供給するものである。この液体燃料供給装置2は、図示しない液体燃料タンクと、図示しないオイルポンプと、高圧ポンプ21と、燃料噴射弁22とにより構成されている。図示しない液体燃料タンク内に貯留されている燃料は、エンジンの1のクランクシャフト7が回転することにより、オイルポンプドライブチェーンを介して駆動するオイルポンプにより加圧され、高圧ポンプ21に圧送される。高圧ポンプ21には、少なくとも図示しない電磁弁、加圧室、プランジャが備えられている。高圧ポンプ21に圧送された加圧された燃料は、ECU4からの電磁弁開閉信号により、その弁開度が制御される電磁弁から加圧室に供給される。加圧室に供給された燃料は、クランクシャフト7の回転力によって上下動するプランジャによりさらに加圧され、燃料噴射弁22に圧送される。燃料噴射弁22は、高圧ポンプ21から圧送された燃料を後述するエンジン1の吸気系統6の吸気通路61内に噴射するものであり、ECU4からの燃料噴射信号により、噴射タイミングおよび燃料噴射量が制御される。なお、燃料供給装置2の燃料噴射弁22を後述するエンジン1の各気筒5に形成される燃焼室Aに配置し、燃料を直接、燃焼室Aに噴射する構成としても良い。
排気系統3は、三元触媒31と、排気通路32と、図示しない消音装置とにより構成されている。後述するエンジン1の各気筒5の排気ポート57から排出された排気ガスは、排気通路32を介して、三元触媒31に流入する。三元触媒31は、エンジン1が各気筒5の燃焼室Aに供給される燃料とこのエンジン1の吸気系統6から各気筒5の燃焼室Aに吸気された空気との空燃比が理論空燃比となるように運転することで、その他の触媒を用いずに排気ガス中に含まれる有害物質(CO2,HC,NOx)を浄化することができるものである。この三元触媒31により浄化された排気ガスは、図示しない消音装置を介して、大気に排気される。なお、33は、各気筒5の排気ポート67から排出された排気ガスの酸素濃度に応じて燃料室A内の混合気の空燃比を検出し、ECU4に出力する空燃比検出手段である空燃比センサである。また、34は、三元触媒31から流出した排気ガスの酸素濃度を検出し、ECU4に出力する酸素濃度検出手段である酸素濃度検出センサである。
内燃機関の制御装置であるECU4は、燃料供給手段である燃料供給装置2の燃料噴射弁22から内燃機関であるエンジン1への燃料供給を制御、つまり燃料噴射弁22から噴射される燃料の噴射タイミングと燃料噴射量を制御する燃料供給制御手段である。また、このECU4は、エンジンの運転状態に基づいて、例えば減速時あるいはアクセルOFF時などにおいて、燃料供給手段である燃料供給装置2の燃料噴射弁22から内燃機関であるエンジン1への燃料供給停止、すなわち燃料の噴射を停止する燃料供給停止手段でもある。
ECU4は、エンジン1の各所に取り付けられたセンサ、例えばクランクシャフト7に取り付けられた内燃機関1の各気筒5のサイクル数を検出するサイクル数検出手段である角度センサ71、アクセルペダル80に取り付けられたアクセルペダルの開度を検出するアクセル開度センサ81、空燃比センサ33、酸素濃度検出センサ34、燃焼室内圧力センサ59、後述するエンジン1の吸気系統6のエアフロメータ63などから、サイクル数、アクセル開度、空燃比、排気ガスの酸素濃度、燃焼室内圧力、吸入空気量などが入力信号として入力される。また、この入力信号および記憶部43に記憶されている各種マップに基づいて、燃料供給装置2の燃料噴射弁22による燃料供給制御、高圧ポンプ21の図示しない電磁弁および後述するエンジン1の吸気系統6のスロットル弁64の開閉制御、点火プラグ58の点火制御などを行う出力信号を出力する。
具体的には、上記入力信号や出力信号の入出力を行うインターフェース部41と、燃料噴射弁22の噴射タイミングや燃料噴射量を算出する処理部42と、上記マップなどを記憶する記憶部43とにより構成されている。処理部42は、メモリおよびCPU(Central Processing Unit)により構成され、内燃機関であるエンジン1の制御方法などに基づくプログラムをメモリにロードして実行することにより、エンジン1の制御方法などを実現させるものであっても良い。また、記憶部43は、フラッシュメモリ等の不揮発性のメモリ、ROM(Read Only Memory)のような読み出しのみが可能な揮発性のメモリあるいはRAM(Random Access Memory)のような読み書きが可能な揮発性のメモリ、あるいはこれらの組み合わせにより構成することができる。
エンジン1の各気筒5は、シリンダブロック51と、ピストン52と、シリンダブロック51に固定されたシリンダヘッド53と、吸気弁54と、排気弁55と、吸気ポート56と、排気ポート57と、点火プラグ58とにより構成されている。ここで、ピストン52とシリンダヘッド53との間に燃焼室Aが形成される。また、ピストン52は、図示しないコンロッドを介して、クランクシャフト7に回転自在に連結されている。点火プラグ58は、ECU4からの点火信号により、点火するものである。エンジン1の吸気系統6の吸気通路61内に噴射された燃料と、後述するエアクリーナ62を介して吸気通路61内に吸気された空気は、各気筒5の吸気弁54が開くことで、燃焼室A内に流入する。なお、59は、燃焼室A内の圧力を検出し、ECU4に燃焼室A内の圧力を出力する燃焼室内圧力手段である燃焼室内圧力センサである。
エンジン1の吸気系統6は、各気筒5の燃焼室Aに、このエンジン1の外部からの空気を吸気させるためのものである。この吸気系統6は、吸気通路61と、エアクリーナ62と、エアフロメータ63と、スロットル弁64とにより構成されている。エアクリーナ62は、エンジン1の外部の大気である空気に含まれる不純物を除去するものである。エアフロメータ63は、吸入空気量検出段であり、各気筒5の吸気ポート56から燃焼室Aに吸気される吸入空気量を検出し、ECU4に出力するものである。スロットル弁64は、図示しないサーボモータや磁力によりその弁開度を変化させるものであり、ECU4からのスロットル弁開閉信号により、燃焼室A内に吸気される吸入空気量を制御するものである。各気筒5の吸気バルブ56が開弁することで、エアクリーナ62を介して不純物が除去された空気は、燃焼室A内の発生した負圧により、スロットル弁64により吸入空気量が調整され、各気筒5の吸気ポート56から燃焼室Aに吸気される。
次に、内燃機関であるエンジン1の制御方法について説明する。図2は、この発明にかかるエンジンの制御フローを示す図である。図3−1は、燃料供給停止フラグのON/OFF状態を示す図である。図3−2は、フィードバック制御開始フラグのON/OFF状態を示す図である。図3―3は、空燃比センサ値を示す図である。図3―4は、実空燃比を示す図である。
まず、図2に示すように、ECU4の処理部42は、燃料供給手段である燃料噴射装置2の燃料噴射弁22から内燃機関であるエンジン1への燃料供給停止状態が解除された否かを判断する(ステップST1)。この処理部42は、例えば、運転者がブレーキあるいはエンジンブレーキを使用した状態から再びアクセルペダル8を踏み込んで加速する際にアクセル開度センサ81から出力されるアクセル開度信号に基づいて燃料供給停止状態が解除されたか否かを判断する。つまり、アクセル開度が検出されない、つまりアクセル開度が0の状態から検出されるようになった場合、あるいは検出されたアクセル開度が小さい状態、つまり運転者がエンジンブレーキを使用している状態から検出されたアクセル開度が大きくなった場合に処理部42は、燃料供給停止状態が解除されたと判断する。ここで、処理部42は、ステップST1において、燃料噴射装置2の燃料噴射弁22からエンジン1への燃料供給停止状態が解除されていないと判断した場合は、燃料供給停止を維持する(ステップST8)。つまり、処理部42は、インターフェース部41を介して燃料供給装置2の燃料噴射弁22に燃料噴射信号を出力しない。
次に、ECU4の処理部42は、ステップST1において、燃料噴射装置2の燃料噴射弁22からエンジン1への燃料供給停止状態が解除されたと判断した場合は、図3−1に示す燃料供給停止フラグがOFFとなり、リッチ化制御要求があるか否かを判断する(ステップST2)。つまり、内燃機関であるエンジン1に供給される混合気の空燃比が理論空燃比よりもリッチ側となるようにエンジン1への燃料供給を制御するか否かを判断する。上記ステップST2におけるリッチ化制御要求の判断には、種々の方法がある。例えば、三元触媒31に吸蔵される酸素吸蔵量が所定酸素吸蔵量以上であるか否か、あるいは燃料供給停止後からエンジン1への燃料供給を再開するまでの経過時間が所定経過時間以上であるか否かなどで判断される。
まず、ECU4の処理部42が、三元触媒31に吸蔵される酸素吸蔵量が所定酸素吸蔵量以上であるか否かで、リッチ化制御要求があるか否かを判断する場合について説明する。具体的には、まず処理部42は、吸入空気量検出手段であるエアフロメータ63により検出された吸入空気量を入力する。次に、処理部42は、燃料供給停止後からエンジン1への燃料供給を再開するまでの総吸入空気量を算出する。次に、処理部42は、算出された総吸入空気量の空気中の酸素量、つまり三元触媒31の酸素吸蔵量を算出する。例えば、空気中の酸素の割合を23%とする場合は、酸素吸蔵量=総吸入空気量×0.23となる。次に、処理部42は、この算出された酸素吸蔵量が所定酸素吸蔵量以上であるか否かを判断する。つまり、燃料供給制御手段であるECU4は、吸入空気量検出手段であるエアフロメータ63により検出される吸入空気量に基づいて、燃料供給停止手段であるこのECU4による内燃機関であるエンジン1への燃料供給停止後からこのエンジン1への燃料供給を再開するまでに排気ガス浄化装置である三元触媒に吸蔵される酸素吸蔵量を算出し、酸素吸蔵量が所定酸素吸蔵量以上の場合は、リッチ化制御要求がある、つまりエンジン1に供給される混合気の空燃比が理論空燃比よりもリッチ側となるようにエンジン1への燃料供給を制御する必要があると判断する。
ここで、所定酸素吸蔵量とは、燃料供給停止後からエンジン1への燃料供給を再開し、ECU4が通常の燃料供給制御、つまり空燃比センサにより検出される空燃比が理論空燃比となるように燃料噴射弁からエンジンに供給される燃料の燃料供給制御(以下、「理論空燃比制御」とも称する。)を行うと、三元触媒31に吸蔵されている酸素により、大気中に多くのNOxが排気される虞がある量である。なお、上記算出された酸素吸蔵量は、検出された吸入空気量にのみ基づいて算出されるが、この発明はこれに限定されるものではなく、検出された吸入空気量と、酸素濃度検出手段である酸素濃度センサ34により検出された三元触媒31から流出した排気ガスの酸素濃度とに基づいて算出されても良い。つまり、総吸入空気量と、三元触媒31に流入する際の空気の酸素濃度とこの三元触媒31から流出される際の空気の酸素濃度との差とから酸素吸蔵量を算出しても良い。
次に、ECU4の処理部42が、燃料供給停止後からエンジン1への燃料供給を再開するまでの経過時間が所定経過時間以上であるか否かで、リッチ化制御要求があるか否かを判断する場合について説明する。具体的には、まず処理部42は、燃料供給装置2の燃料噴射弁22によるエンジン1への燃料供給が停止された場合は、経過時間カウンタによりカウントを開始する。次に、処理部42は、燃料供給停止後からエンジン1への燃料供給を再開する際に、経過時間カウンタによりカウンタされた経過時間が所定経過時間以上であるか否かを判断する。つまり、燃料供給制御手段であるECU4は、燃料供給停止手段であるECU4による内燃機関であるエンジン1への燃料供給停止後からエンジン1への燃料供給を再開するまでの経過時間が所定経過時間以上の場合は、リッチ化制御要求がある、つまりエンジン1に供給される混合気の空燃比が理論空燃比よりもリッチ側となるようにエンジン1への燃料供給を制御する必要があると判断する。
ここで、所定経過時間とは、三元触媒31の酸素吸蔵量が燃料供給停止後からエンジン1への燃料供給を再開し、ECU4が通常の燃料供給制御、つまり理論空燃比制御を行うと、大気中に多くのNOxが排気される虞がある量となるまでに必要な時間をいう。なお、ECU4の処理部42は、上記二つの方法以外の方法により、リッチ化制御要求の判断を行っても良い。
次に、ECU4の処理部42は、ステップST2において、リッチ化制御要求があると判断した場合は、エンジン1への燃料供給を再開後、所定期間が経過したか否かを判断する(ステップST3)。このステップST3における所定期間経過の判断には、種々の方法がある。例えば、サイクル数が所定サイクル数以上であるか否か、あるいは空燃比センサ33により検出された空燃比(以下、「空燃比センサ値」とも称する。)が所定空燃比以下であるか否かなどで判断される。
まず、ECU4の処理部42が、サイクル数が所定サイクル数以上であるか否かで、所定期間が経過したか否かを判断する場合について説明する。具体的には、まず処理部42は、燃料供給停止手段であるこのECU4による内燃機関であるエンジン1への燃料供給停止後からの各気筒5のサイクル数をサイクル数検出手段である角度センサ71により検出する。次に、処理部42は、このサイクル数が所定サイクル数、例えば1000サイクル以上であるか否かを判断する。つまり、所定期間が経過したか否かを燃料供給停止手段であるECU4による内燃機関であるエンジン1への燃料供給停止後からサイクル数検出手段である角度センサ71により検出されるサイクル数が所定サイクル数以上であるか否かで判断する。
ここで、所定サイクル数とは、燃料供給停止後からエンジン1への燃料供給を再開し、空燃比センサ33により検出される空燃比と、実際にエンジン1の燃焼室Aで燃焼される燃料と空気の混合気の空燃比(以下、「実空燃比」とも称する。)とが一致するまでに要する各気筒5がサイクルしなければならない回数である。ここで、角度センサ71は、クランクシャフト7が所定角度回転するごとに、ECU4に出力信号を出力するものである。例えば、エンジン1が4サイクルエンジンである場合は、各気筒5はクランクシャフト7が2回転、つまり720度回転すると1サイクルとなる。従って、ECU4は、角度センサ71から出力される出力信号が720度分入力されるごとに1サイクルと算出する。
次に、ECU4の処理部42が、空燃比センサ33により検出された空燃比が所定空燃比以下であるか否かで、所定期間が経過したか否かを判断する場合について説明する。具体的には、まず処理部42は、燃料供給停止手段であるこのECU4による内燃機関であるエンジン1への燃料供給停止後から空燃比センサ33により検出された空燃比を入力する。次に、処理部42は、この検出された空燃比、つまり空燃比センサ値が所定空燃比、例えば14.8〜15.0以下であるか否かを判断する。つまり、所定期間が経過したか否かを燃料供給停止手段であるECU4による内燃機関であるエンジン1への燃料供給停止後から空燃比検出手段により検出される空燃比が所定空燃比以下であるか否かで判断する。
ここで、所定空燃比とは、燃料供給停止後からエンジン1への燃料供給を再開し、空燃比センサ値と、実空燃比とが一致するようになる空燃比の値である。なお、ECU4の処理部42は、上記二つの方法を両方用いて、所定期間が経過したか否かの判断を行っても良い。つまり、燃料供給停止手段であるECU4による内燃機関であるエンジン1への燃料供給停止後からサイクル数検出手段である角度センサ71により検出されたサイクル数あるいはECU4によるエンジン1への燃料供給停止後から空燃比検出手段である空燃比センサ33により検出される空燃比のいずれか一方が所定サイクル数以上あるいは所定空燃比以下となる否かで、所定期間が経過したか否かの判断を行っても良い。
次に、ECU4の処理部42は、ステップST3において、所定期間が経過していない判断した場合は、空燃比学習が完了しているか否かを判断する(ステップST4)。ここで、燃料供給装置2の燃料噴射弁22は、個々にばらつきがある。従って、ECU4からの燃料噴射信号により燃料噴射弁22が噴射する実際の燃料噴射量と、このECU4の処理部42が算出した燃料噴射量とに差が生じることがある。空燃比学習とは、ECU4が燃料噴射弁22のばらつきを考慮して、この燃料噴射弁22から噴射する実際の燃料噴射量をこのECU4の処理部42が算出した燃料噴射量に一致させるように学習するものである。
次に、ECU4の処理部42は、ステップST4において、空燃比学習が完了していると判断した場合は、内燃機関であるエンジン1に供給される混合気の空燃比が理論空燃比よりもリッチ側となる予め定められた予定空燃比となるようにエンジン1への燃料供給の制御(以下、「予定空燃比制御」とも称する。)を行う(ステップST5)。つまり、空燃比センサ33により検出される空燃比が理論空燃比あるいは理論空燃比よりもリッチ側である目標空燃比となるようにエンジン1への燃料供給の制御を行わず、ECU4が算出した予定空燃比となるようにエンジン1への燃料供給の制御を行う。
予定空燃比制御は、具体的に以下のように行われる。まず、ECU4の処理部42は、吸入空気量検出手段であるエアフロメータ63により検出された吸入空気量と、記憶部43に格納されているベースマップを入力する。ここで、ベースマップは、吸入空気量と燃料噴射量との関係のマップであり、吸入空気量に基づいてエンジン1の燃焼室Aの混合気の空燃比が理論空燃比となるようなベース燃料噴射量を求めるものである。次に、処理部42は、検出された吸入空気量とベースマップとにより、ベース燃料噴射量を算出する。次に、処理部42は、このベース燃料噴射量に上記ステップST4において完了している空燃比学習における学習値を加算する。次に、処理部42は、学習値が加算されたベース燃料噴射量にリッチ化補正率を掛けることで、予定燃料噴射量を算出する。リッチ化補正率とは、理論空燃比、例えば14.6に対する燃料供給停止後にエンジン1への燃料供給を再開する際に、エンジン1に供給される混合気の空燃比が理論空燃比よりもリッチ側となるような予定空燃比、例えば13.5の比率をいう。
次に、ECU4の処理部42は、上記予定空燃比制御において算出された予定燃料噴射量に基づく燃料噴射信号を燃料供給手段である燃料噴射装置2の燃料噴射弁22に出力する。燃料噴射信号が入力された燃料噴射弁22は、予定燃料噴射量分の燃料を吸気系統6に噴射する、つまりエンジン1に燃料を供給することを開始する(ステップST6)。
また、ECU4の処理部42は、上記ステップST3において、所定期間が経過していると判断した場合は、図3−2に示すフィードバック制御開始フラグがONとなり、空燃比検出手段である空燃比センサ33により検出される空燃比、つまり実空燃比が理論空燃比よりもリッチ側である目標空燃比となるようにエンジン1への燃料供給の制御(以下、「目標空燃比制御」とも称する)を行う(ステップST8)。目標空燃比制御は、具体的に以下のように行われる。まず、処理部42は、空燃比センサ33からにより検出される空燃比を入力する。次に、処理部42は、空燃比センサ値に基づいて燃料供給停止後にエンジン1への燃料供給を再開する際に、エンジン1に供給される混合気の空燃比が理論空燃比よりもリッチ側となるような目標空燃比、例えば13.5となるような目標燃料噴射量を算出する。
次に、ECU4の処理部42は、上記目標空燃比制御において算出された目標燃料噴射量に基づく燃料噴射信号を燃料噴射弁22に出力し、この燃料噴射信号が入力された燃料噴射弁22は、目標燃料噴射量分の燃料を吸気系統6に噴射する、つまりエンジン1に燃料を供給することを開始する(ステップST6)。
また、ECU4の処理部42は、上記ステップST2において、リッチ化制御要求がないと判断した場合は、エンジン1への燃料供給を再開後、所定期間が経過したか否かを判断する(ステップST9)。このステップST3における所定期間経過の判断の方法は、上述のように、サイクル数が所定サイクル数以上であるか否か、あるいは空燃比センサ33により検出された空燃比が所定空燃比以下であるか否かなどで判断される。
次に、ECU4の処理部42は、上記ステップST9において、所定期間が経過していないと判断した場合は、吸入空気量検出手段であるエアフロメータ63により検出された吸入空気量に基づいて、実空燃比が理論空燃比となるように内燃機関であるエンジン1への燃料供給の制御(以下、「ベース燃料供給制御」とも称する)を行う(ステップST10)。なお、ECU4の処理部42は、上記ステップST4において、空燃比学習が完了していないと判断した場合も、ベース燃料供給制御を行う(ステップST10)。ベース燃料供給制御は、上記予定空燃比制御におけるベース燃料噴射量を算出するまでの手順を行うものである。つまり、ECU4の処理部42は、エアフロメータ63により検出された吸入空気量と、記憶部43に格納されているベースマップを入力し、この検出された吸入空気量とベースマップとにより、ベース燃料噴射量を算出する。
次に、ECU4の処理部42は、上記ベース燃料供給制御において算出されたベース燃料噴射量に基づく燃料噴射信号を燃料噴射弁22に出力し、この燃料噴射信号が入力された燃料噴射弁22は、ベース燃料噴射量分の燃料を吸気系統6に噴射する、つまりエンジン1に燃料を供給することを開始する(ステップST6)
次に、ECU4の処理部42は、上記ステップST9において、所定期間が経過していないと判断した場合は、図3−2に示すフィードバック制御開始フラグがONとなり、理論空燃比制御、つまり空燃比センサにより検出される空燃比が理論空燃比となるように燃料噴射弁からエンジンに供給される燃料の燃料供給制御を行う(ステップST11)。理論空燃比制御は、具体的に以下のように行われる。まず、処理部42は、空燃比センサ33からにより検出される空燃比を入力する。次に、処理部42は、空燃比センサ値に基づいて燃料供給停止後にエンジン1への燃料供給を再開する際に、エンジン1に供給される混合気の空燃比が理論空燃比、例えば14.6となるような理論燃料噴射量を算出する。
次に、ECU4の処理部42は、上記理論空燃比制御において算出された理論燃料噴射量に基づく燃料噴射信号を燃料噴射弁22に出力し、この燃料噴射信号が入力された燃料噴射弁22は、理論燃料噴射量分の燃料を吸気系統6に噴射する、つまりエンジン1に燃料を供給することを開始する(ステップST6)。
以上のように、この発明にかかる内燃機関の制御装置は、燃料供給停止手段であるECU4による内燃機関であるエンジン1への燃料供給停止後にエンジン1への燃料供給を再開する際であって、リッチ化制御が要求されている場合は、エンジン1への燃料供給を再開後、所定期間内は予定空燃比制御を行い、所定期間経過後は、目標空燃比制御を行う。図3−3および図3−4に示すように、空燃比検出手段である空燃比センサ33により検出される空燃比、つまり空燃比センサ値は、燃料供給停止後からエンジン1への燃料供給を再開しても、所定期間(ディレイ期間)においては、エンジン1の燃焼室Aの混合気の空燃比、つまり実空燃比と一致しない虞がある。従って、従来の内燃機関の制御装置のように、この所定期間は理論空燃比制御を行い、所定期間経過後は目標空燃比制御を行うとすると、図3−4の矢印Cに示すように、所定期間内では実空燃比が理論空燃比に収束し、所定期間経過後では理論空燃比よりもリッチ側である目標空燃比に収束する。つまり、リッチ化制御が要求されている所定期間内において、実空燃比は理論空燃比に収束することとなり、三元触媒31に過剰に吸蔵されている酸素を迅速に離脱することができない。
一方、この発明にかかる内燃機関の制御装置では、所定期間は予定空燃比制御を行い、所定期間経過後は目標空燃比制御を行うので、図3−4の矢印Bに示すように、所定期間内では実空燃比が予定空燃比に収束し、所定期間経過後では理論空燃比よりもリッチ側である目標空燃比に収束する。つまり、リッチ化制御が要求されている所定期間内において、実空燃比は理論空燃比よりもリッチ側である理論空燃比に収束することとなり、三元触媒31に過剰に吸蔵されている酸素を迅速に離脱することができる。これにより、燃料供給停止手段であるECU4による内燃機関であるエンジン1への燃料供給停止後にエンジン1への燃料供給を再開する際に、大気中に排気される排気ガス中のNOx量を抑制することができる。
以上のように、この発明にかかる内燃機関の制御装置および制御方法は、燃料供給手段から内燃機関への燃料供給停止を行う内燃機関の制御装置および制御方法に有用であり、特に、燃料供給停止手段による内燃機関への燃料供給停止後に内燃機関への燃料供給を再開する際に、大気中に排気される排気ガス中のNOx量を抑制するのに適している。
1 エンジン(内燃機関)
2 燃料供給装置(燃料供給手段)
22 燃料噴射弁
3 排気系統
31 三元触媒(排気ガス浄化手段)
32 空燃比センサ(空燃比検出手段)
4 ECU(制御装置)
5 各気筒
6 吸気系統
63 エアフロメータ(吸入空気量検出手段)
7 クランクシャフト
71 角度センサ(サイクル数検出手段)
8 アクセルペダル
81 アクセル開度センサ
2 燃料供給装置(燃料供給手段)
22 燃料噴射弁
3 排気系統
31 三元触媒(排気ガス浄化手段)
32 空燃比センサ(空燃比検出手段)
4 ECU(制御装置)
5 各気筒
6 吸気系統
63 エアフロメータ(吸入空気量検出手段)
7 クランクシャフト
71 角度センサ(サイクル数検出手段)
8 アクセルペダル
81 アクセル開度センサ
Claims (7)
- 内燃機関の排気系統に排気される排気ガス中の有害物質を除去する排気ガス浄化手段と、
前記内燃機関に燃料を供給する燃料供給手段と、
前記内燃機関に供給される混合気の空燃比を検出する空燃比検出手段と、
前記内燃機関の運転状態に基づいて、前記燃料供給手段による当該内燃機関への燃料供給停止を行う燃料供給停止手段と、
前記燃料供給手段による前記内燃機関への燃料供給を制御する燃料供給制御手段と、
を備えた内燃機関の制御装置において、
前記燃料供給制御手段は、前記燃料供給停止手段による前記内燃機関への燃料供給停止後に当該内燃機関への燃料供給を再開する際であって、当該内燃機関に供給される混合気の空燃比が理論空燃比よりもリッチ側となるように当該内燃機関への燃料供給を制御する場合は、
当該内燃機関への燃料供給を再開後、所定期間は、当該内燃機関に供給される混合気の空燃比が理論空燃比よりもリッチ側となる予め定められた予定空燃比となるように当該内燃機関への燃料供給を制御し、
前記所定期間経過後は、前記空燃比検出手段により検出される空燃比が理論空燃比よりもリッチ側である目標空燃比となるように当該内燃機関への燃料供給を制御することを特徴とする内燃機関の制御装置。 - 前記内燃機関のサイクル数を検出するサイクル数検出手段をさらに備え、
前記所定期間は、前記燃料供給停止手段による前記内燃機関への燃料供給停止後から前記サイクル数検出手段により検出されるサイクル数が所定サイクル数以上となるまでの期間であることを特徴とする請求項1に記載の内燃機関の制御装置。 - 前記所定期間は、前記サイクル数検出手段により検出されたサイクル数あるいは前記燃料供給停止手段による前記内燃機関への燃料供給停止後から前記空燃比検出手段により検出される空燃比のいずれか一方が所定サイクル数以上あるいは所定空燃比以下となるまでの期間であることを特徴とする請求項2に記載の内燃機関の制御装置。
- 前記所定期間は、前記燃料供給停止手段による前記内燃機関への燃料供給停止後から前記空燃比検出手段により検出される空燃比が所定空燃比以下となるまでの期間であることを特徴とする請求項1に記載の内燃機関の制御装置。
- 前記内燃機関の吸気系統から当該内燃機関に吸入される吸入空気量を検出する吸入空気量検出手段をさらに備え、
前記燃料供給制御手段は、前記吸入空気量検出手段により検出される吸入空気量に基づいて、前記燃料供給停止手段による前記内燃機関への燃料供給停止後から当該内燃機関への燃料供給を再開するまでに前記排気ガス浄化装置に吸蔵される酸素吸蔵量を算出し、当該酸素吸蔵量が所定酸素吸蔵量以上の場合は、当該内燃機関に供給される混合気の空燃比が理論空燃比よりもリッチ側となるように当該内燃機関への燃料供給を制御することを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の内燃機関の制御装置。 - 前記燃料供給制御手段は、前記燃料供給停止手段による前記内燃機関への燃料供給停止後から当該内燃機関への燃料供給を再開するまでの経過時間が所定経過時間以上の場合は、当該内燃機関に供給される混合気の空燃比が理論空燃比よりもリッチ側となるように当該内燃機関への燃料供給を制御することを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の内燃機関の制御装置。
- 内燃機関の運転状態に基づき、当該内燃機関への燃料供給停止した後に当該内燃機関への燃料供給を再開する内燃機関の制御方法において、
前記内燃機関への燃料供給を再開する際であって、当該内燃機関に供給される混合気の空燃比が理論空燃比よりもリッチ側となるように当該内燃機関への燃料供給を制御する場合は、
当該内燃機関への燃料供給を再開後、所定期間は、当該内燃機関に供給される混合気の空燃比が理論空燃比よりもリッチ側となる予め定められた予定空燃比となるように当該内燃機関に燃料を供給し、
所定期間経過後は、前記空燃比検出手段により検出される前記内燃機関に供給される混合気の空燃比が理論空燃比よりもリッチ側である目標空燃比となるように当該内燃機関に燃料を供給することを特徴とする内燃機関の制御方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2004017434A JP2005207379A (ja) | 2004-01-26 | 2004-01-26 | 内燃機関の制御装置および制御方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2004017434A JP2005207379A (ja) | 2004-01-26 | 2004-01-26 | 内燃機関の制御装置および制御方法 |
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Publication Number | Publication Date |
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JP2005207379A true JP2005207379A (ja) | 2005-08-04 |
Family
ID=34902257
Family Applications (1)
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JP2004017434A Pending JP2005207379A (ja) | 2004-01-26 | 2004-01-26 | 内燃機関の制御装置および制御方法 |
Country Status (1)
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JP (1) | JP2005207379A (ja) |
-
2004
- 2004-01-26 JP JP2004017434A patent/JP2005207379A/ja active Pending
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