JPH0942012A - エンジン制御装置 - Google Patents

エンジン制御装置

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JPH0942012A
JPH0942012A JP19204895A JP19204895A JPH0942012A JP H0942012 A JPH0942012 A JP H0942012A JP 19204895 A JP19204895 A JP 19204895A JP 19204895 A JP19204895 A JP 19204895A JP H0942012 A JPH0942012 A JP H0942012A
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Japan
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fuel
engine
cylinder
amount
intake
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JP19204895A
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Teruo Yamauchi
照夫 山内
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Hitachi Ltd
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Hitachi Ltd
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  • Electrical Control Of Air Or Fuel Supplied To Internal-Combustion Engine (AREA)
  • Combined Controls Of Internal Combustion Engines (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 火花点火式内燃機関において、始動直後の各
気筒間の状態を把握して、燃料を適正に供給して完全燃
焼を目指し、未燃炭化水素を大幅低減して排気浄化に寄
与するとともに燃料経済性、運転性を向上せしめる。 【構成】 気筒毎の吸気ポート部に燃料を供給する燃料
供給装置、シリンダ内に火花を発する点火装置、吸気管
内の圧力を計測する圧力センサを備え、エンジンが起動
する前、又は、エンジン停止直後にどの気筒が吸気行程
の初期あるかを判別する機能及び記憶する装置を有し、
吸気行程の初期にある気筒から燃料を吸気弁部及び気筒
内の各部に捕獲される燃料量を見越して時系列的に供給
することを特徴としたエンジン制御装置。 【効果】 エンジン始動時からの各気筒の要求燃料量を
正確に計量、供給して完全燃焼を達成しているため、ス
モッグの元凶であるHCの排出を大幅に低減することが
できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、エンジンの始動時の制
御装置に関し、特に、エンジンの始動時の未燃炭化水素
(以下、HCと呼ぶ)を低減させるためのエンジン制御
装置に関する。
【0002】
【従来の技術】近年の自動車の排気規制は、地球全体の
大気もしくは環境の保全を確保することに鑑みて設定さ
れているものであるが、自動車を製造する側、即ち、製
造メーカーにとっては、該排気規制を実現することは困
難を伴うものであり、厳しい規制であると云える。
【0003】しかしながら、従来からこの種の大気もし
くは環境の保全を確保するために種々の開発、改良が行
われてきており、前記規制の達成のためのエンジンの技
術は、確立されつつある。一般に行われている前記エン
ジンの技術開発の内容は、燃料の微粒化による燃焼改
善、及び、排気系統に配置した触媒による転換の効率向
上によるところが大きい。
【0004】このように、種々の燃料系統の新技術が誕
生しているが、排気問題の内の一つであるHC排出の問
題については、まだ開発、改良に余地が十分にあると云
える。即ち、エンジン始動時に多量に排出されるHCに
ついては、その現象メカニズムの解析が十分にされてお
らず、始動時のHCの有効、かつ、徹底的な低減が達成
されていなのが現状である。
【0005】一方、近年、エンジンの始動時に着目した
エンジン制御装置の開発もなされている。該開発された
従来例として、例えば、特開平5−332177号公報
記載の技術がある。該公報記載の技術は、エンジンの各
気筒の行程に合わせて燃料噴射を行う、いわゆる、シー
ケンシャル噴射方式の多気筒エンジンの始動時の燃料噴
射制御装置であって、機関停止時に機関停止位置を記憶
する機関停止位置記憶手段と、機関始動時に前記記憶手
段の記憶内容に基づき燃焼噴射すべき気筒を判別する始
動時気筒判別手段とを設けたものである。
【0006】該エンジン制御装置は、エンジンの停止時
に、そのときのエンジンが停止した位置を記憶し、保持
しておき、その後のエンジン始動時にその記憶していた
位置を読みだし、特定の気筒の判別をして始動時に最初
から燃料を噴射すべき気筒を決定するものであるので、
機関始動時の最初からシーケンシャル噴射方式で各気筒
に燃料噴射を行うことができると云うものである。
【0007】
【発明で解決しようとする課題】ところで、前記従来例
は、始動時の最初からシーケンシャル噴射を可能にすべ
く始動時に最初に噴射する気筒を判別したものであっ
て、エンジンの始動時のHCに配慮がなされたものでは
なく、また、始動時の吸気管及び各気筒の燃焼室での噴
射燃料の諸現象に対応すべく、該燃料量を計量し、エン
ジン始動時に最初から燃料を噴射すべき決定をした気筒
に該計量した特定量の燃料を噴射したものでもない。こ
のために、前記従来例の技術においても、エンジン始動
時に排出されるHCの問題は、依然として十分に解決さ
れていないものであり、エンジン始動時に、各気筒内で
燃料の完全燃焼が達成されるものではない。
【0008】本発明は、このような問題に鑑みてなされ
たものであって、その目的は、エンジン始動時の諸現象
に着目して、排気浄化、燃費、運転性能を向上させるべ
く、始動時の運転において、HC発生のメカニズムに基
づき、最適な燃焼が維持できる空燃比、及び、点火時期
を制御できるエンジン制御装置を提供することである。
【0009】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成すべく、
本発明に係るエンジン制御装置は、気筒毎の吸気ポート
部に燃料を供給する燃料供給装置、吸気管内の圧力を測
定して信号を発する吸気管圧力センサ及びクランク角信
号(含む上死点信号)を発するクランク角度センサ、気
筒内に火花を飛ばす点火装置とを有するエンジンに適用
されるものであって、前記エンジンを起動する直前もし
くはエンジン停止直後に該エンジンの各気筒の内どの気
筒が吸気行程の初期にあるか判別し、該判別情報をエン
ジンコントロールユニットの中にある記憶装置に記憶
し、次回のエンジン始動時に該判別情報に基づき、特定
の決められた気筒から順に燃料を吸気弁部と気筒内の各
部に捕獲される燃料量を見越して時系列的に供給するこ
とを特徴としている。
【0010】また、該エンジン制御装置は、エンジン始
動時において、火花点火装置より点火プラグに高圧電流
火花を発するように指令された気筒を基準としてそれ以
後に吸気行程に入る気筒を弁別し、該気筒に燃料の供給
を開始することを特徴とし、エンジン始動直後の第1サ
イクル目の燃料噴射量を暖機後の燃料量の4〜5倍を供
給する共に、第2サイクル目の燃料量は暖機後の燃料量
の半分の量の供給として、該気筒内に残留の燃料量と合
計した燃料として供給することを特徴としている。
【0011】更に、燃料を計量して各気筒に噴射するエ
ンジンの第1サイクル目の前半の半数の気筒は、燃料の
計量、及び、噴射を停止し、エンジン停止後のクランク
角度の情報を前記記憶装置に格納して記憶し、次回のエ
ンジン始動時に吸気開始の気筒に関する記憶してあるク
ランク角度情報に基づき気筒を判別して、吸気行程の初
期、あるいは、直前にある特定の気筒を判定することを
特徴としている。
【0012】
【作用】前述の如く構成された本発明に係るエンジン制
御装置は、エンジン始動時の回転の初期から該エンジン
の気筒別の監視を行い、始動時の有効な燃焼が確保でき
るように該エンジンの燃料供給量、及び、その供給時期
を正確に制御するものであり、具体的には、吸気開始の
気筒の判別し、始動時の気筒毎に必要な燃料の要求量を
演算し、エンジン始動時に適正なる燃料を最初のサイク
ルから供給するするべく制御することで、エンジン始動
時のHC排出量の50%以上を低減できるものである。
【0013】即ち、HC排出量の70%(モード運転
時)以上が排出される始動時のHC量を大幅に低減でき
ることにより、スモッグ等の大気汚染物質の元凶を絶つ
ことができ、環境保全に有効であるとともに、燃費向
上、運転性向上に役立つものである。
【0014】
【実施例】以下、図面により本発明の一実施例について
説明する。図1は、本実施例のエンジン及びエンジン制
御装置の全体構成を示したものである。エンジン1に
は、ピストン2、シリンダ3で構成される気筒の燃焼室
4が配置され、該燃焼室4の上部には、吸気管9と排気
管13とが接続され、該吸気管と9と該排気管13との
接続部には、吸気弁5、排気弁6が各々装着され、該吸
気弁5を介して燃焼室4内に導かれた混合気は、点火プ
ラグ7によって点火され、燃焼された後、前記排気弁6
を介して排出される。
【0015】また、前記エンジン1には、複数の前記の
如き気筒を配置し、該気筒の各々には、燃料を計量し、
かつ、噴射する燃料噴射弁10が前記吸気弁5の近傍部
に装着され、燃料は、最適な噴射タイミングで前記各気
筒内に直接供給される。燃料を供給するに当たっては、
前記燃料噴射弁10に燃料ポンプ(図示省略)から一定
の燃料圧に加圧された燃料が供給されている。
【0016】自動車等のアクセルペダル(図示省略)の
動きに応じて回動するスロットル弁11とスロットル弁
開度を検出するスロットル弁角度センサ23とが前記吸
気管9に装着されると共に、前記弁角度センサ23で検
出した信号はコントローラ15に入力され、かつ、演算
されることによってエンジン1の負荷が推定される。エ
ンジン1の回転は、クランク角度センサ12によって検
出される信号に基づいて前記コントローラ15によって
計算される。
【0017】また、前記吸気管9には、空気流量センサ
8が装着される一方、前記排気管13には、該排気管1
3内の酸素濃度から空燃比を計測する酸素濃度センサ1
4が装着される。前記空気流量センサ8の検出信号、及
び、前記酸素濃度センサ14の検出信号は、前記コント
ローラ15に取り込まれ、該コントローラ15内の空燃
比の演算回路16によって演算処理され、総合演算部1
7で更に演算された後に、燃料噴射装置指令回路18、
点火装置指令回路19、及び、EGR装置指令回路20
に指令が出されて、前記各装置が最適に制御されること
になる。
【0018】エンジン1から吐出された排出ガスは、前
記排気管13の途上に装着した触媒装置21を介してテ
ールパイプ22より外気へ排出される。エンジン始動時
には、前記触媒装置21は、十分に暖機できずに活性化
しておらないために、HC、CO等の有害排気成分は浄
化されないこととなる。エンジン暖機後は、燃焼温度が
高まるために、窒素酸化物(NOxと呼ぶ)が多く排出
されるので、空気量流センサ8の信号、吸気管圧力セン
サ25等の信号に基づき、EGR弁24の開口面積を前
記コントローラ15により制御して排気の一部を前記吸
気管9内に還流して、吸入空気の既燃焼ガスとの混合効
果に基づいて燃焼温度を下げ、NOxの排出量を低減さ
せる。
【0019】前記吸気管9には、該吸気管9内の圧力を
測定する吸気管圧力センサ25が付設されている。該圧
力センサ25は、EGR率を推定する他、エンジンの始
動時の前記吸気管9内の空気充填率を推定して、適正な
る燃料量を各気筒に供給するのに必要なセンサの役目を
する。本実施例は、前記空気流量センサ8、及び、前記
スロットル弁開度センサ23の信号を前記コントローラ
15に導いた後の演算、処理、および、エンジン補機類
の制御に関する内容を具体的に開示している。前記コン
トローラ15に組み込まれている前記総合演算部17に
は、始動時に必要な前記燃料噴射弁10の適正な制御を
行うための各常数が記憶されているとともに、エンジン
クランキング時に吸入状態にある気筒を弁別する情報が
記憶されている。
【0020】以下、エンジン始動時の諸現象について言
及する。 〔1〕燃料噴射と気筒内に流入できる燃料量の関係 前記燃料噴射弁10より前記吸気管9の吸気ポート部に
燃料が噴射された場合、燃料は、該燃料の性状(蒸発点
等)にも影響されるが、図2に示すように、約半分の燃
料量が吸気弁5によって捕獲され、液膜を形成する。即
ち、エンジンクランキング後、2サイクルまでは、約半
分量の燃料が気筒に流入できず、吸気ポート部に滞留す
る。300サイクルまでの間は、吸気弁5に捕獲される
分は約2倍程度までに増加している。これは吸気管5の
内部の圧力が低下して燃料の拡散度合いが増大するこ
と、気流速が増すので液滴が加速され易くなること等に
よって吸気弁5、吸気管9の壁面部に燃料が衝突しやす
くなることで説明できる。それ以降のサイクルでは吸気
弁5、吸気管9の壁面温度が上昇して燃料自体の蒸発が
促進して液膜は、大幅に低減し、計量した燃料の大部分
は、気筒内に吸引される。
【0021】〔2〕気筒毎の始動時燃料要求量 図3は、始動時の1つの気筒が要求するサイクル毎の燃
料要求量を計測した結果である。これによると、最初の
第1サイクル目は通常の燃料量の約5倍近くの燃料が必
要であることが分かった。原因は2つある。第1には、
図4に示したように、気筒内の空気の充填割合である、
即ち、周知の通り、エンジンクランキングの初期には、
吸気管9内の圧力は大気圧になっているので、充填効率
は1で最大である。この時の空気密度は、所定のエンジ
ンアイドリング時の空気密度(吸気管内圧力は絶対圧で
40kPa)と比較すると5倍近くになっており、気筒
内の空燃比を理論空燃比にするには、燃料量も5倍必要
になる。
【0022】第2の原因は、図5に示すとおり、気筒内
での燃料捕獲(付着、吸着等)現象の問題である。即
ち、気筒内では、ピストン、シリンダで形成するクレヴ
ィス(隙間)に捕獲される量、燃焼によって生成したデ
ポジットに吸着される量(潤滑用エンジンオイル等が燃
えて残った成分を含む)、ピストン頂上部に液膜として
溜まる量、及び、潤滑オイル膜に吸着される量等があ
り、その割合が、エンジンの置かれる温度環境、ガソリ
ンの蒸発特性等に依存することは言うまでもないことで
ある。
【0023】〔3〕始動直後の気筒内圧力の変化 図6は、始動直後から10サイクルまでの各気筒(8気
筒エンジンの場合)の圧力ピーク値の変化を示したもの
である。最初の6サイクルは、気筒間の燃焼ピーク値に
ばらつきが大きく、エンジン1が不安定であることが理
解できる。その後は、エンジンは次第に安定して従来の
アイドル回転を維持するようになる。各気筒間の圧力ピ
ーク値の変動が大きくなる要因として考えられること
は、(1)始動前の気筒内の燃料残留量(噴射弁からの
リーク等)の有無、(2)1サイクル目で供給された燃
料の未燃残留量の有無、(3)次回のサイクルでの供給
燃料量と残留量との総和で決まる空燃比の変動、(4)
次次回以降のサイクルでの気筒内の燃料残留量の変動、
等である。前記要因は単独、もしくは、重畳して気筒毎
の燃焼に影響を及ぼして、燃焼ピーク値が変動すること
となる。
【0024】前記エンジン1のシリンダ壁面等の温度が
上昇し、燃料が蒸発しやすくなるまでこの現象が繰り返
されることとなる。また、この間の変動は、エンジン安
定度の他に、HC排出量にも影響を及ぼすことは既知の
ことである。以上のエンジンの始動時の現象解析の結果
に基づき、始動直後(クランキング状態を含む)からエ
ンジンが正確に燃焼し適正な出力を出すには、最初に吸
気行程に入る気筒を判別して、該気筒に吸引される空気
量に見合った燃料量を計量して噴射しなければならない
ことが理解されるが、併せて、前記吸気弁、及び、前記
気筒内で捕獲される燃料量を正確に把握して燃料を供給
する必要があることが理解される。
【0025】しかしながら、実際のエンジンの燃料制御
おいては、前記ことは現実のエンジン制御では、なかな
か難しいことであり、実際のエンジンの燃料制御おいて
は、以下の条件を一つづつ確認しながら燃料を計量する
必要がある。即ち、 (1)多気筒エンジンにおいて、吸気行程の初期、直前
にある気筒の判別 (2)第1サイクル目の場合、吸気管内圧力をセンシン
グして空気充填効率が約1である場合は通常の5倍の燃
料を噴射(吸気管内圧力が低い場合はその圧力に見合っ
た燃料を計算)でシーケンシャル的(時系列的)に燃料
を供給 (3)第2サイクル目では、残留燃料を考慮して、通常
の燃料量より減量した量を噴射 (4)第3サイクル目では、ほぼ従来の燃料量と同等の
量を供給 (5)第4サイクル目以降は、エンジンの回転数に見合
った燃料量を計量 図7は、前記条件に基づくエンジン制御の手順を示すフ
ローチャートであり、以下、該フローチャートに沿って
エンジン制御の手順を説明する。
【0026】まず、始動キーを回してエンジン制御装置
がスタートを開始し、エンジンがクランキングした場合
に、S101で前記吸気管圧力センサ25によって吸気
管9内の圧力を測定してS102に進む、該S102で
前記吸気管内の圧力測定に基づいて吸気寸前の状態にあ
る気筒を判別する。更に、S103に進み、各気筒が1
サイクル目か否かを判定し、もし、1サイクル目の場合
は、S104に進み、充填空気量を算出してS105に
進む。S105では、エンジン1の回転が1サイクル目
であるので、暖機後のアイドリング時の約5倍の燃料を
計量してS109に進む。該S109においては該当気
筒の燃料噴射弁10のみについて燃料噴射指令信号を発
し、該燃料噴射弁10から燃焼室4に燃料を噴射供給す
る。この場合、エンジンが1サイクル中である場合にお
いても、吸気管9の圧力が低下する場合は、該吸気管9
の圧力の低下につれて燃料量も低減させて空燃比を合わ
せることを前記S105によって実施することも可能で
ある。
【0027】次に、S103で各気筒が1サイクル目で
ないと判定された場合は、S106に進み、該各気筒が
2サイクルか否かを判定する。前記各気筒が2サイクル
目である場合は、S107に進み、2サイクル目に見合
う燃焼量が算出される。即ち、各気筒に残留する燃料量
の分を考慮して該燃焼室が所定の空燃比になるように通
常のアイドリング時の半分の量の燃料が算出される。該
算出後、S109に進み、2サイクルの該当気筒の燃料
噴射弁10のみについて燃料噴射指令信号を発し、該燃
料噴射弁10から燃焼室4に燃料を噴射供給して、当該
気筒内の総合燃料量の完全燃焼を確保する。
【0028】更に、S106で、各気筒が2サイクル目
でないと判定された場合(3サイクル以降の場合)に
は、S106に進み、従来のアイドリング時の燃料量を
算出してS109に進み、該S109において該気筒の
燃料噴射弁10に燃料噴射指令信号を発し、該燃料噴射
弁10から燃焼室4に燃料を噴射供給する。そして、前
記噴射される燃料量は、定性的な計量としてその内容を
説明しているが、実際には、吸気管9内の圧力を把握し
ておき、圧力のレベルが空気の充填率に関係しているか
ら、吸気管9の圧力を参照しながら燃料量を計量すれば
定量的な計量ができる。このことから前記吸気管9内の
圧力をセンシングすることが重要になる。また、クラン
キング以降のエンジンの回転上昇率を監視しておき、回
転が300rpm以上になった場合を吸気管9内の圧力
が大気より低下したと見なし、充填率が下がったと判断
してもよいものである。
【0029】ここで、更に、エンジン始動時の各気筒内
の圧力変化の状況を、より詳細に説明する。図8は、4
気筒エンジンの始動直後の1サイクル目の圧力変化を示
したものである。各気筒毎に付された矢印は、クランキ
ング開始時の各気筒内の圧力を示している。これによる
と、図8の最上位の第1気筒は、圧縮行程途上から圧縮
が始まるために、十分に気筒内に空気が充満していない
ので、圧縮上死点でのピーク圧力は高くならないので、
1サイクル目では、この第1気筒には燃料は供給しない
ようにするのが良い。
【0030】図8の次に上位にある第2気筒は、吸気行
程の途上であり、行程ピストン量が十分ではないので充
満空気量は足りず、燃料はこの気筒にも供給しないよう
にする。第3気筒は、排気行程の途上から始まるので十
分空気量が吸引されるため充填効率は1の状態にあり、
燃料は、該気筒が吸引する空気量に見合って通常の燃料
量の5倍の燃料をこの気筒から噴射する。ただし、この
供給回数は、1サイクル若しくは2サイクルの間のみで
ある。
【0031】図8の最下位置の第4気筒は、爆発行程の
途上から始まり、第3気筒と同様に十分空気量が吸引さ
れるために、充填効率は1の状態にあるので、燃料量は
通常の5倍をこの気筒に噴射する。エンジンの次の2サ
イクル目には、各気筒内に残留する燃料量を考慮すると
ともに、吸気管9内の圧力を判別することによって、各
気筒毎に供給される燃料の量は、通常の燃料量の半分の
量とする。即ち、吸気管9内の圧力が大気に近い場合
は、空気充填率が1に近いので通常の約5倍の燃料量を
供給し、管内の圧力が小さくなるにつれて、空気密度が
低下するので、その分だけ燃料量を減じて供給する必要
がある。
【0032】図9は、始動直後の吸気管9内の圧力変化
を示したものである。前記吸気管9と大気との圧力差が
0.35kg/cm2 以上では、ソニック状態となるこ
とが知られており、図9の実験データにおいては、始動
後3サイクル目以降からほぼ圧力差が0.35kg/c
2 以上となっており、ソニック状態に保たれているこ
とがわかる。従って、前述した始動後の燃料供給方法で
の気筒弁別、サイクル毎の燃料計量は、始動クランキン
グ後、3−4サイクルの間で実行されるものであり、該
実行によって、燃焼が正確に行われ、未燃HC量が大幅
に低減される。
【0033】図10は、本実施例によるエンジン制御シ
ステムを構築したエンジンと従来の燃料供給方式の温度
補正のみを行うエンジンとの試験の結果を比較したもの
である。始動直後のHC排出量は、正確に気筒毎の要求
燃料量を計量した本実施例の場合は、該気筒毎の要求燃
料量を計量しない場合と比較して、約5分の1程度に低
減していることがわかる。これは、本実施例のエンジン
制御装置が始動直後の気筒毎の要求燃料量をコントロー
ラ15が正確に認識して、理論空燃比の近くで燃焼を維
持させ、過不足の無い燃料供給を実現したためである。
【0034】次に、本実施例の多気筒エンジンにおい
て、始動時に、どの気筒が吸気直前にあるかを判別する
手段について説明する。まず、エンジンが停止した後
に、吸気行程寸前にあった気筒を判別記憶する方式につ
いて説明する。
【0035】図11は、そのロジックについて示したも
のである。エンジン制御において、エンジンのクランク
角センサ12の信号(図11(b))と上死点信号TD
C(図11(a))とを常時監視する状態にして置く。
図11(a)に示したように、エンジンのイグニッショ
ンキーをonからoffに変更した状態、即ち、エンジ
ン停止時には、エンジンはあるクランク角度だけ慣性に
よって回転し、回転が停止した瞬間のクランク角度は、
イグニッションキーがoffになった時のクランク角度
に比べると回転が進んだところにある。しかるに、エン
ジン停止寸前の状態では、多気筒(図11(c)の4つ
の気筒)の内のある特定の気筒は、必ず圧縮行程(図1
1(c)の気筒3)にあものであり、その気筒内で発生
した圧縮圧力でこの気筒は押し下げられて止まる場合が
ある。即ち、クランク軸が逆転することである。 本実
施例では、エンジン停止時の細かいクランク角度は要求
されず、どの気筒が吸気行程の直前か否かが判別できれ
ばよいので、イグニッションキーoff後も上死点信
号、クランク角度信号をカウントしておき、停止した直
後の気筒判別をコントローラ15で行い、吸気行程直前
の気筒を判別して記憶装置内に記憶しておく。
【0036】別の吸気行程直前の気筒の判別方法として
は、吸排気弁制御用のカムシャフト位置からどの気筒が
吸気行程寸前かを判別する方法である。図12は、該吸
排気弁制御用のカムシャフト位置からの吸気行程直前の
気筒の判別を行うフローチャートである。即ち、エンジ
ン制御装置のスタートにおいて、S201でイグニッシ
ョンキーをonにしてS202に進む、該S202で前
回のエンジン停止後のクランク軸位置情報を呼び出し、
吸気行程寸前にある気筒を判別して、エンジンを回転開
始する。S203でクランキング動作を開始してS20
4に進む。該S204で初めのエンジンの1サイクル目
の回転ではどの気筒にも燃料を噴射せずに燃料噴射弁1
0を停止状態にする。S205では2サイクル目以降の
回転から時系列的(シーケンシャル、吸気行程に同期し
て)に燃料を供給するべく指令する。気筒毎の燃料量に
ついては、前述のサイクル毎に燃料量を計量して噴射弁
より供給する。
【0037】エンジン停止後は、S206でイグニッシ
ョンキーのスイッチ(停止)信号をまず判別して次のS
207に進む。S207では前記エンジン回転停止直後
を判定し、その時の気筒状態(上死点、クランク角等の
信号)を検索して置く、前記これらの信号から吸気行程
直前の気筒を判別し、記憶装置に記憶しておく。つい
で、S208で次回のエンジン始動時のために特定の次
回エンジン始動燃料開始気筒を記憶してフローを終了す
る。従って、次回のエンジン始動時には、該記憶した気
筒から前記気筒別に要求される燃料量に基づき、燃料を
順次コントローラの指令に基づいて供給する。以上、本
発明の一実施例について詳述したが、本発明は、前記実
施例に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載
された発明の精神を逸脱しない範囲で、設計において種
々の変更ができるものである。
【0038】
【発明の効果】以上の説明から理解されるように、本発
明によるエンジン制御装置は、エンジン始動時の的確な
完全燃焼が実現することによって、モード運転で、始動
後2分以内のHC量を半分以下に低減でき、多量に排出
していたHC量を低減できるものであり、化石燃料枯渇
化をも抑止でき、暖機過程の運転性が向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例のエンジン制御装置を備えた
エンジン構成図。
【図2】吸気管及び気筒内に付着する燃料量を示す図。
【図3】エンジンの始動後のサイクル毎の気筒内の圧力
変化を示す図。
【図4】エンジンの始動直後のサイクル毎の気筒の要求
燃料量と燃焼に必要な燃料量を示す図。
【図5】エンジンの気筒内の燃料捕獲要因と燃料捕獲割
合を示す図。
【図6】エンジンの各気筒毎の始動時からの燃焼圧力ピ
ーク値の変化を示す図。
【図7】エンジン始動時の燃料量演算のフローチャート
を示す図。
【図8】4気筒エンジンの始動時の各気筒の内圧の変化
を示す図。
【図9】エンジンの始動後の吸気管の圧力変化を示す
図。
【図10】本実施例と従来例との実車による始動時運転
のHC排出量の比較図。
【図11】エンジン回転停止直後のエンジンの上死点信
号、クランク角信号、及び、各気筒の停止位置を示す
図。
【図12】エンジン始動時の燃料噴射気筒の選定のフロ
ーチャートを示す図。
【符号の説明】
1…エンジン、2…ピストン、3…シリンダ、4…燃焼
室、5…吸気弁、6…排気弁、7…点火プラグ、8…空
気流量センサ、9……吸気管、10…燃料噴射弁、11
…絞り弁、12…クランク角センサ、13…排気管、1
4…酸素濃度センサ、15…コントローラ、25…吸気
管圧力センサ

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 気筒毎の吸気ポート部に燃料を供給する
    燃料供給装置、吸気管内の圧力を測定して信号を発する
    吸気管圧力センサ及びクランク角信号(含む上死点信
    号)を発するクランク角度センサ、気筒内に火花を飛ば
    す点火装置とを有するエンジンのエンジン制御装置にお
    いて、前記エンジンを起動する直前もしくはエンジン停
    止直後に該エンジンの各気筒の内どの気筒が吸気行程の
    初期にあるか判別し、該判別情報をエンジンコントロー
    ルユニットの中にある記憶装置に記憶し、次回のエンジ
    ン始動時に該判別情報に基づき、特定の決められた気筒
    から順に燃料を吸気弁部と気筒内の各部に捕獲される燃
    料量を見越して時系列的に供給することを特徴とするエ
    ンジン制御装置。
  2. 【請求項2】 エンジン始動時において、火花点火装置
    より点火プラグに高圧電流火花を発するように指令され
    た気筒を基準としてそれ以後に吸気行程に入る気筒を弁
    別し、該気筒に燃料の供給を開始することを特徴とした
    請求項1に記載のエンジン制御装置。
  3. 【請求項3】 エンジン始動直後の第1サイクル目の燃
    料噴射量を、暖機後の燃料量の4〜5倍を供給する共
    に、第2サイクル目の燃料量は暖機後の燃料量の半分の
    量の供給として該気筒内に残留の燃料量と合計した燃料
    として供給することを特徴とする請求項1に記載のエン
    ジン制御装置。
  4. 【請求項4】 燃料を計量して各気筒に噴射するエンジ
    ンの第1サイクル目の前半の半数の気筒は、燃料の計
    量、及び、噴射を停止することを特徴とした請求項1に
    記載のエンジン制御装置。
  5. 【請求項5】 エンジン停止後のクランク角度の情報を
    前記記憶装置に格納して記憶し、次回のエンジン始動時
    に吸気開始の気筒に関する記憶してあるクランク角度情
    報に基づき気筒を判別して、吸気行程の初期、あるい
    は、直前にある特定の気筒を判定することを特徴とする
    請求項1に記載のエンジン制御装置。
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