JP2005205975A - 電動駐車ブレーキ装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】 電動駐車ブレーキ装置の故障時における手動による解除の操作性を高める。
【解決手段】 手動解除レバー82の把持部82aに設けた手動解除スイッチ29bに触れて駐車ブレーキ装置の解除を指示する指示信号を制御装置に出力すると、電動アクチュエータが作動して駐車ブレーキ装置を解除することができる。このとき電動アクチュエータや制御装置が故障して手動解除スイッチ29bによる駐車ブレーキ装置の解除ができなくても、手動解除スイッチ29bが設けられた手動解除レバー82の把持部82aを握ったまま手前に引くだけで、ケーブル73bを介して電動アクチュエータを機械的に作動させて駐車ブレーキ装置の解除を行うことが可能になるため、特別の工具を用いて手動解除を行う場合に比べて操作性が向上する。
【選択図】 図12
【解決手段】 手動解除レバー82の把持部82aに設けた手動解除スイッチ29bに触れて駐車ブレーキ装置の解除を指示する指示信号を制御装置に出力すると、電動アクチュエータが作動して駐車ブレーキ装置を解除することができる。このとき電動アクチュエータや制御装置が故障して手動解除スイッチ29bによる駐車ブレーキ装置の解除ができなくても、手動解除スイッチ29bが設けられた手動解除レバー82の把持部82aを握ったまま手前に引くだけで、ケーブル73bを介して電動アクチュエータを機械的に作動させて駐車ブレーキ装置の解除を行うことが可能になるため、特別の工具を用いて手動解除を行う場合に比べて操作性が向上する。
【選択図】 図12
Description
本発明は、駐車ブレーキ装置を作動および解除する電動アクチュエータと、電動アクチュエータを駆動制御する制御装置と、駐車ブレーキ装置の解除を指示する指示信号を制御装置に出力する指示装置と、制御装置を介さずに手動操作により駐車ブレーキ装置を解除する手動解除装置とを備えた電動駐車ブレーキ装置に関する。
かかる電動駐車ブレーキ装置は下記特許文献1により公知である。この電動駐車ブレーキ装置は、車両の運転状態に応じて自動的に駐車ブレーキ装置を作動および解除するオートモードと、ドライバーのスイッチ操作で駐車ブレーキ装置を作動および解除するマニュアルモードとを切り換えることができる。駐車ブレーキ装置の電動モータや電磁ブレーキの故障等によりオートモードによる解除が不能になり、かつマニュアルモードによるスイッチ操作でも解除が不能になった場合、工具を用いて電磁ブレーキを強制的に解放し、かつ電動モータに接続されたねじ軸を工具で回転駆動して駐車ブレーキ装置を解除するようになっている。
特開2002−221244号公報
ところで上記従来のものは、マニュアルモードでのスイッチ操作時に故障等により駐車ブレーキ装置の解除ができなかった場合、そのスイッチから手を離した後に、工具をトランク等の収納場所から取り出して駐車ブレーキ装置を解除する必要があるため、その操作に多くの時間が掛かる問題があった。
本発明は前述の事情に鑑みてなされたもので、電動駐車ブレーキ装置の故障時における手動による解除の操作性を高めることを目的とする。
上記目的を達成するために、請求項1に記載された発明によれば、駐車ブレーキ装置を作動および解除する電動アクチュエータと、電動アクチュエータを駆動制御する制御装置と、駐車ブレーキ装置の解除を指示する指示信号を制御装置に出力する指示装置と、制御装置を介さずに手動操作により駐車ブレーキ装置を解除する手動解除装置とを備えた電動駐車ブレーキ装置において、手動解除装置を操作する際に把持する把持部に指示装置を設けたことを特徴とする電動駐車ブレーキ装置が提案される。
尚、実施例の駐車ブレーキ装置ECU21は本発明の制御装置に対応し、実施例の手動解除スイッチ29bは本発明の指示装置に対応し、実施例の電動モータ30および電磁ブレーキ33は本発明の電動アクチュエータに対応する。
請求項1の構成によれば、手動解除装置の把持部に設けた指示装置で駐車ブレーキ装置の解除を指示する指示信号を制御装置に出力すると、電動アクチュエータが作動して駐車ブレーキ装置を解除することができる。このとき電動アクチュエータや制御装置が故障して指示装置による駐車ブレーキ装置の解除ができなくても、指示装置が設けられた把持部を握ったまま操作することで電動アクチュエータを機械的に作動させて駐車ブレーキ装置の解除を行うことが可能になるため、特別の工具を用いて手動解除を行う場合に比べて操作性が向上する。
以下、本発明の実施の形態を、添付の図面に示した本発明の実施例に基づいて説明する。
図1〜図14は本発明の一実施例を示すもので、図1は電動駐車ブレーキ装置を備えた車両の全体平面図、図2は電動駐車ブレーキ装置の制御系のブロック図、図3は電動駐車ブレーキ装置の一部破断平面図、図4は図3の4−4線断面図、図5は図4の5−5線断面図、図6は図4の6−6線断面図、図7は図6の7−7線断面図、図8は図7に対応する作用説明図、図9は図1の9−9線拡大断面図、図10はソレノイドを励磁する電気回路を示す図、図11は正常時における電動駐車ブレーキ装置の解除の作用説明図、図12はコイルの断線時等における電動駐車ブレーキ装置の解除の作用説明図、図13はイグニッションスイッチのオフ時における電動駐車ブレーキ装置の解除の作用説明図、図14はイグニッションキーを用いた電動駐車ブレーキ装置の解除の作用説明図である。
図1に示すように、車両の左右の後輪Wr,Wrにドラム式の車輪ブレーキ11,11が設けられており、運転席の横に配置された電動式の駐車ブレーキ装置12が左右のボーデンワイヤー13,13を介して前記車輪ブレーキ11,11に接続される。各々の車輪ブレーキ11はブレーキドラム14と、ブレーキドラム14の内周面に接触可能な一対のブレーキシュー15,16と、両ブレーキシュー15,16を連結する連結ロッド17と、一方のブレーキシュー15にピン18を介して一端を回転自在に支持されたレバー19とを備えており、レバー19の他端に前記ボーデンワイヤー13が接続される。
従って、駐車ブレーキ装置12に設けた電動モータ30でボーデンワイヤー13を牽引すると、レバー19がピン18まわりに図中時計方向に回転して連結ロッド17に圧縮荷重が作用し、その荷重で他方のブレーキシュー16が図中左方向に押されてブレーキドラム14に押し付けられ、かつ連結ロッド17およびピン18を介して一方のブレーキシュー15が図中右方向に押されてブレーキドラム14に押し付けられ、車輪ブレーキ11が制動力を発生する。逆に、ボーデンワイヤー13を緩めると、図示せぬリターンスプリングの弾発力でブレーキシュー15,16がブレーキドラム14から離反して車輪ブレーキ11の制動力が解除される。
また駐車ブレーキ装置12は車両の運転状態に応じて自動的に作動するが、その解除は運転席の前方のダッシュボードに設けた手動解除装置20によって電気的あるいは機械的に行われる。
図2に示すように、駐車ブレーキ装置12の作動を制御する駐車ブレーキ装置ECU21は、インターフェース回路22、メインCPU23、フェイルセーフCPU24,電動モータ駆動回路25、電磁ブレーキ駆動回路26、ソレノイド駆動回路35およびランプ駆動回路27を備えており、その駐車ブレーキ装置ECU21は図示せぬバッテリから給電される。またインターフェース回路22には、イグニッションキー88(図14参照)によりエンジンを始動あるいは停止するイグニッションスイッチ29aと、駐車ブレーキ装置12をスイッチ操作で解除するための手動解除スイッチ29bと、電動モータ30を流れる電流を検出する電流センサ29cと、後述するナット部材31の位置を検出するストロークセンサ29dと、自車が乗っている路面の前後方向の傾斜を検出する傾斜センサ29eと、自車の前後加速度を検出する前後加速度センサ29fと、前進および後進の車輪速を検出する車輪速センサ29gと、油圧ブレーキ装置のマスタシリンダ圧を検出するマスタシリンダ圧センサ29hと、ブレーキペダルの操作を検出するブレーキスイッチ29iとが接続される。
また駐車ブレーキ装置ECU21のインターフェース回路22には、燃料噴射装置、オートマチックトランスミッション、アンチロックブレーキ装置、ビークルスタビリティアシスト装置等の外部ECU32から、アクセル開度、シフトポジション、アイドルストップ、ブレーキ制御信号等の各種信号が入力される。そして電動モータ駆動回路25は電動モータ30に接続され、電磁ブレーキ駆動回路26は後述する電磁ブレーキ33に接続され、ソレノイド駆動回路35は後述する手動解除禁止装置36に接続され、ランプ駆動回路27はブレーキ警告ランプ、作動ランプ、モード表示ランプ、ストップランプ等のランプ類34に接続される。
次に、駐車ブレーキ装置12の構造を図3〜図7に基づいて説明する。
駐車ブレーキ装置12の本体部を構成するハウジング41は、水平に配置される底壁41aと、底壁41aの前端から起立する前部起立壁41bと、底壁41aの後端近傍から起立する後部起立壁41cとを備えており、前部起立壁41bの上面および後部起立壁41cの上面に上部カバー42の前後端が各々複数本のボルト43…で固定される。ハウジング41の前部起立壁41bの前面に、出力軸30aを後ろ向きにした前記電動モータ30が複数本のボルト44…で固定される。
前部起立壁41bおよび後部起立壁41cに各々ボールベアリング45,46を介してねじ軸47が支持されており、このねじ軸47の前端に電動モータ30の出力軸30aが連結される。ねじ軸47の外周に多数のボール48…を介して前記ナット部材31が噛み合っており、これらねじ軸47、ボール48…およびナット部材31によりボールねじ機構49が構成される。ナット部材31の外周にカラー50が圧入されており、このカラー50の上面および下面に上下方向に延びる上部支軸51および下部支軸52が固定される。上部支軸51の上端に回転自在に支持されたガイドローラ53が、上部カバー42の下面に前後方向に形成されたガイド溝42aに移動可能に嵌まって回り止めされる。
ナット部材31の外周を囲むように配置された断面楕円状のイコライザー54が、上部支軸51および下部支軸52により左右方向に首振り可能に支持される。前記ボーデンワイヤー13,13はアウターチューブ13a,13aと、このアウターチューブ13a,13aに相対移動可能に収納されたインナーケーブル13b,13bとから構成されており、アウターチューブ13a,13aの前端は後部起立壁41cの後面に固定され、かつインナーケーブル13b,13bの前端は後部起立壁41cを貫通してイコライザー54の左右両端部に固定される。
前記電磁ブレーキ33は、前部起立壁41bの後面に4本のボルト61…で固定されたコア62と、コア62の内部に収納されたコイル63と、ねじ軸47の前部にキー64で固定されてコア62の後側に位置するロータ65と、4本のボルト61…に前後動可能に支持されてロータ65の後面およびボルト61…の頭部61a…間に配置されたプレート66と、4本のボルト61…に前後動可能に支持されてコア62の後面およびロータ65の前面間に配置されたアマチュア67とを備える。上下2本のボルト61,61の各々の外周には第1コイルばね68および第2コイルばね69が支持されており、コア62の凹部62aおよびアマチュア67間に配置された第1コイルばね68は、アマチュア67をロータ65の前面に接触する方向に付勢するとともに、アマチュア67およびプレート66間に配置された第2コイルばね69は、アマチュア67およびプレート66をロータ65の前後面から離反させる方向に付勢する。また左右2本のボルト61,61の各々の外周には第1コイルばね68だけが支持されており、後述する解除部材72のアーム部71の貫通孔71aとの干渉を避けるために第2コイルばね69は支持されていない。
第1コイルばね68…の付勢力は第2コイルばね69…の付勢力よりも強く設定されており、従ってコイル63が消磁しているときに、第1コイルばね68…の付勢力によってアマチュア67およびプレート66間にロータ65が挟まれてねじ軸47の回転が拘束される。またコイル63が励磁されると第1コイルばね68…の付勢力に抗してアマチュア67がコア62に吸引され、第2コイルばね69…の付勢力でアマチュア67およびプレート66がロータ65から離反してねじ軸47の回転が許容される。
左右方向に延びるベース部70と、ベース部70の両端から上方に延びる一対のアーム部71,71とを備えてU字状に形成された解除部材72がプレート66およびアマチュア67の間に配置されており、その左右のアーム部71,71に形成された貫通孔71a,71aを前記左右2本のボルト61,61が緩く貫通することにより、解除部材72はボルト61,61を支点として揺動することができる。解除部材72の各々のアーム部71の上端にはジグザグに折り曲げられたカム部71b,71bが形成されており、これらのカム部71b,71bがプレート66およびアマチュア67の対向面に当接する。ベース部70の中央に、アウターチューブ73aおよびインナーケーブル73bよりなるボーデンケワイヤー73のインナーケーブル73bの一端が結合されており、このインナーケーブル73bの他端は後述する手動解除装置20に接続される。
次に、図9に基づいて手動解除装置20の構造を説明する。
運転席の前方のダッシュボード81に設けられた手動解除装置20は、ダッシュボード81に形成したガイド孔81aに前後摺動自在に収納された手動解除レバー82を備えており、その後端にドライバーの手で把持可能な把持部82aが設けられるとともに、その前端側に一体に設けたインナーケーブル結合部82bに、前記解除部材72(図6〜図8参照)に接続されたボーデンワイヤー73のインナーケーブル73bが結合される。ダッシュボード81に固定したばね座83とインナーケーブル結合部82bとの間に圧縮コイルばねよりなるリターンスプリング84が配置されており、このリターンスプリング84の弾発力で手動解除レバー82の位置はストッパ81bに当接する前進端に規制される。手動解除レバー82の把持部82aの内面、つまりドライバーが把持部82aを把持したときに必ず触れる位置に、前記手動解除スイッチ29b(図2参照)が設けられる。
ダッシュボード81の解除部材72の下方に支持孔81cが形成されており、この支持孔81cに固定したハウジング85のガイド孔85aに手動解除禁止装置36(図2参照)が嵌合して固定される。基本的に円柱状をなす手動解除禁止装置36は図9に示す基準位置と図14に示す回転位置との間を軸線L回りに所定角度回転可能であり、通常は前記基準位置に固定されているが、ダッシュボード81の端面に露出するキーシリンダよりなる作動無効装置87にイグニッションキー88を挿入して右方向に捻ると前記回転位置へと回転する。
作動無効装置87の前端に設けたブラケット89にピン90を介して三角形のロック部材91が揺動可能に支持されており、このロック部材91の前端の係合部91aはダッシュボード81の開口81dを貫通して手動解除レバー82の下面に形成した被係合部82cに係合可能である。
作動無効装置87の下部前端から前方に延びるガイド板92の上面にカム部材93が前後摺動自在に支持されており、このカム部材93から前方に延びるロッド94がガイド板92の前端に設けたソレノイド95を貫通する。ロッド94の外周に配置したリターンスプリング96でカム部材93は後方に付勢されており、そのカム面93aがロック部材91のカムフォロア91bを上方に押し上げ、ロック部材91の係合部91aは手動解除レバー82の被係合部82cに係合可能となる。この状態からソレノイド95を励磁してロッド94と共にカム部材93を前進させると、カムフォロア91bをカム面93aに案内されたロック部材91がピン90まわりに下方に揺動し、ロック部材91の係合部91aは手動解除レバー82の被係合部82cに係合不能となる。
図10に示すように、バッテリ97と接地部98との間には、イグニッションスイッチ29a、手動解除スイッチ29bおよび手動解除禁止装置36のソレノイド95が直列に配置されている。従って、イグニッションスイッチ29aがオフしているときには、手動解除スイッチ29bをオンしてもソレノイド95は励磁されることはない。
次に、上記構成を備えた本発明の実施例の作用を説明する。
駐車ブレーキ装置12の作動は自動で行われるもので、駐車ブレーキ装置ECU21のメインCPU23が、傾斜センサ29eで検出した路面の傾斜、前後加速度センサ29fで検出した前後加速度、車輪速センサ29gで検出した車輪速、マスタシリンダ圧センサ29hで検出した油圧ブレーキ装置のマスタシリンダ圧、ブレーキスイッチ29iで検出したブレーキペダルの操作状態、外部ECUから入力されたアクセル開度、シフトポジション、アイドルストップ、ブレーキ制御信号等に基づいて駐車ブレーキ装置12の作動の要・不要を判断し、その判断結果に基づいて電磁ブレーキ33および電動モータ30を駆動して駐車ブレーキ装置12を作動させる。
さて、駐車ブレーキ装置12が作動していないとき、ボールねじ機構49のナット部材31は図4に鎖線で示した後方位置にあり、ナット部材31に支持されたイコライザー54も後方に移動してボーデンワイヤー13,13が緩められている。このとき電磁ブレーキ33のコイル63は励磁されておらず、第1コイルばね68…の付勢力でアマチュア67およびプレート66間にロータ65を挟むことにより、ロータ65と一体のねじ軸47は何らかの外力で妄りに回転しないように拘束されている。
この状態から駐車ブレーキ装置ECU21が駐車ブレーキ装置12を作動させるべく指令を出力すると、先ず電磁ブレーキ33のコイル63が励磁してアマチュア67がコア62に吸引され、アマチュア67およびプレート66がロータ65から離反してねじ軸47の拘束が解除される。これと同時に電動モータ30が駆動され、ボールねじ機構49のねじ軸47が回転してナット部材31が図4の鎖線位置から実線位置へと前進し、ナット部材31と一体に前進するイコライザー54に接続された左右のボーデンワイヤー13,13に張力が発生して左右の車輪ブレーキ11,11が作動する。このとき、左右のボーデンワイヤー13,13の張力がアンバランスであれば、図3においてイコライザー54が上部支軸51および下部支軸52を中心として矢印A−A′方向に振れ、左右のボーデンワイヤー13,13の張力を均等化して左右の車輪ブレーキ11,11に同じ大きさの制動力を発生させる。
以上のように、駆動力を可逆的に伝達可能なボールねじ機構49を介して電動モータ30の駆動力をボーデンワイヤー13,13に伝達するので、ボーデンワイヤー13,13に作用するブレーキ作動力(つまりボーデンワイヤー13,13の張力)が電動モータ30に負荷として作用することになる。従って、電動モータ30の負荷の大きさとブレーキ作動力の大きさとの関係を予め記憶しておけば、電動モータ30の負荷の大きさ(例えば、電流センサ29cで検出した電動モータ30の電流値)に基づいてブレーキ作動力の大きさを任意の目標値に制御することができる。
またボールねじ機構49は摩擦力やガタが小さくて伝達効率が良いため、電動モータ30に小型軽量なものを使用しても充分な応答性を確保することができ、しかも作動時の騒音を低減することができる。更にボールねじ機構49は減速ギヤ機構に比べて小型であるため、駐車ブレーキ装置12全体を小型化することができる。
このようにして駐車ブレーキ装置12が作動して左右の車輪ブレーキ11,11が必要な制動力を発生すると、電動モータ30を停止させるとともに電磁ブレーキ33のコイル63を消磁し、第1コイルばね68…の付勢力でアマチュア67およびプレート66間にロータ65を挟んでねじ軸47の回転を拘束する。これにより、ボーデンワイヤー13,13の張力がボールねじ機構49のねじ軸47に逆伝達されても、そのねじ軸47が妄りに回転して車輪ブレーキ11,11の制動力が緩むの確実に防止することができる。
また電磁ブレーキ33でアマチュア67を駆動してプレート66およびアマチュア67とロータ65との間に作用する摩擦力でねじ軸47の回転を制御するので、ラチェット機構のような回転阻止手段を用いた場合に比べて、電動モータ30の慣性力を的確に制御して停止位置を精密に制御することができ、しかもロータ65の拘束や拘束解除を摩擦力を介して緩やかに行うので作動音を低減することができる。
一方、駐車ブレーキ装置12を解除するには、図11に示すように、乗員が手動解除装置20の手動解除レバー82の把持部82aに手をかけるだけで良い。手動解除レバー82の把持部82aに手をかけると、その裏面に設けられた手動解除スイッチ29bがオンし、電磁ブレーキ33のコイル63に通電されてねじ軸47の拘束が解除されるため、ボーデンワイヤー13,13の張力でボールねじ機構49のねじ軸47および電動モータ30が自動的に逆方向に回転し、ナット部材31が図4の実線位置から鎖線位置へと後退することで左右の車輪ブレーキ11,11が解除される。
尚、イグニッションスイッチ29aからイグニッションキー88が抜かれているときには駐車ブレーキ装置ECU21も不作動状態にあるため、手動解除スイッチ29bをオンしても駐車ブレーキ装置12が解除されることはなく、イグニッションキー88を持たない者が駐車ブレーキ装置12を不正に解除できなくして車両の盗難を未然に防止することができる。
ところで、駐車ブレーキ装置12を解除すべく手動解除スイッチ29bをオンしても、コイル63が断線したり駐車ブレーキ装置ECU21が故障したりして駐車ブレーキ装置12の解除が不能である場合には、乗員の手動操作により解除を行う必要がある。このような場合に、乗員が手動解除装置20の手動解除レバー82の把持部82aに手をかけて手前に引けば良い。手動解除レバー82の把持部82aに手をかけると手動解除スイッチ29bが自動的にオンするため、図10に示す回路により手動解除禁止装置36のソレノイド95が励磁され、リターンスプリング96の弾発力に抗してロッド94およびカム部材93が前方に引かれ、カム部材93のカム面93aにカムフォロア91bを案内されたロック部材91が下向きに揺動する(図11参照)。
この状態から、図12に示すように、リターンスプリング84の弾発力に抗して手動解除レバー82を手前に引くと、手動解除レバー82に一端を結合されたボーデンワイヤー73のインナーケーブル73bにより解除部材72のベース部70が引かれることで、図8に示すように、解除部材72が左右2本のボルト61,61を支点として揺動する。その結果、解除部材72のアーム部71,71のカム部71b,71bがアマチュア67をプレート66から離反する方向に押圧してロータ65の拘束を解除し、駐車ブレーキ装置12が解除される。
以上のように、手動解除スイッチ29bによる駐車ブレーキ装置12の解除が不能になった場合、特別の工具を必要とすることなく、手動解除スイッチ29bが設けられた手動解除レバー82の把持部82aをそのまま手前に引くだけで駐車ブレーキ装置12を解除することができるので、操作性が大幅に向上する。
尚、手動解除レバー82を引いて駐車ブレーキ装置12を解除する場合、図10から明らかなように、イグニッションキー88が抜かれてイグニッションスイッチ29aがオフしていると手動解除スイッチ29bをオンしてもソレノイド95は励磁されない。従って、図13に示すように、ロック部材91は上昇した位置に保持されたままとなり、手動解除レバー82を手前に引こうとしてもロック部材91の係合部91aが手動解除レバー82の被係合部82cに係合することにより、手動解除レバー82を手前に引くことが不能になる。つまり、イグニッションスイッチ29aにイグニッションキー88が差し込まれていないときには手動解除レバー82を引くことができなくなり、イグニッションキー88を持たない者が不正に駐車ブレーキ装置12を解除できなくして車両の盗難を防止することができる。
またバッテリ97があがってソレノイド95を励磁できなくなると、ロック部材91を下向きに揺動させられないために手動解除レバー82を引けなくなる問題がある。このような場合には、図14に示すように、手動解除禁止装置36の作動無効装置87にイグニッションキー88を差し込んで回転させれば良い。これにより、手動解除禁止装置36の全体が軸線Lまわりに所定角度回転し、ダッシュボード81の開口81dからロック部材91が下方に退没することで手動解除レバー82の被係合部82cと係合不能になり、手動解除レバー82を手前に引いて駐車ブレーキ装置12を解除することができる。
以上、本発明の実施例を詳述したが、本発明はその要旨を逸脱しない範囲で種々の設計変更を行うことが可能である。
例えば、実施例では駐車ブレーキ装置12が駐車ブレーキ装置ECU21からの指令で自動的に作動するようになっているが、ドライバーのスイッチ操作で作動するようにしても良い。
また実施例では手動解除装置20と駐車ブレーキ装置12とをボーデンワイヤー73で接続しているが、ボーデンワイヤー73以外に、ロッド、リンク、アーム等を単独で使用したり、あるいは組み合わせて使用しても良く、またロッド、リンク、アーム等とボーデンワイヤー73とを組み合わせて使用しても良い。
また手動解除スイッチ29bはタッチセンサに置き換えることができる。
12 駐車ブレーキ装置
20 手動解除装置
21 駐車ブレーキ装置ECU(制御装置)
29b 手動解除スイッチ(指示装置)
30 電動モータ(電動アクチュエータ)
33 電磁ブレーキ(電動アクチュエータ)
82a 把持部
20 手動解除装置
21 駐車ブレーキ装置ECU(制御装置)
29b 手動解除スイッチ(指示装置)
30 電動モータ(電動アクチュエータ)
33 電磁ブレーキ(電動アクチュエータ)
82a 把持部
Claims (1)
- 駐車ブレーキ装置(12)を作動および解除する電動アクチュエータ(30,33)と、
電動アクチュエータ(30,33)を駆動制御する制御装置(21)と、
駐車ブレーキ装置(12)の解除を指示する指示信号を制御装置(21)に出力する指示装置(29b)と、
制御装置(21)を介さずに手動操作により駐車ブレーキ装置(12)を解除する手動解除装置(20)と、
を備えた電動駐車ブレーキ装置において、
手動解除装置(20)を操作する際に把持する把持部(82a)に指示装置(29b)を設けたことを特徴とする電動駐車ブレーキ装置。
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