JP2007302036A - ブレーキシステム - Google Patents
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Abstract
【課題】運転席周辺に広いスペースを確保することができるブレーキシステムを提供する。
【解決手段】ブレーキシステム10において、サービスブレーキ装置23は、ブレーキペダル12が踏み込み操作されたときに作動して車輪に制動力を与える。パーキングブレーキ装置48は車輪に制動力を与える。シフトセンサ54はギヤの位置を検出する。ECU50は、ギヤがパーキングレンジに位置していると検出された場合に車両が駐車中であると判定する。連動機構25は、車両が駐車中であると判定された場合、ブレーキペダル12が踏み込み操作されたときにパーキングブレーキ装置48も作動するよう、サービスブレーキ装置23とパーキングブレーキ装置48とを連動させる。
【選択図】図1
【解決手段】ブレーキシステム10において、サービスブレーキ装置23は、ブレーキペダル12が踏み込み操作されたときに作動して車輪に制動力を与える。パーキングブレーキ装置48は車輪に制動力を与える。シフトセンサ54はギヤの位置を検出する。ECU50は、ギヤがパーキングレンジに位置していると検出された場合に車両が駐車中であると判定する。連動機構25は、車両が駐車中であると判定された場合、ブレーキペダル12が踏み込み操作されたときにパーキングブレーキ装置48も作動するよう、サービスブレーキ装置23とパーキングブレーキ装置48とを連動させる。
【選択図】図1
Description
本発明は、ブレーキシステムに関し、特にサービスブレーキおよびパーキングブレーキを備えるブレーキシステムに関する。
車両には一般に、車両走行中の減速や一時停止時の車両の移動抑制のためのサービスブレーキと、駐車時の車両の移動抑制のためのパーキングブレーキとが搭載されている。通常サービスブレーキはサービルブレーキペダルが運転者によって踏み込まれることによって作動する。またパーキングブレーキは、パーキングブレーキペダルが運転者によって踏み込まれることによって、またはサイドブレーキが運転者によって引かれることによって作動する。
これに対して、例えば特許文献1では、サービスブレーキペダルとパーキングブレーキペダルの双方を有する車両において、主ブレーキ本体の致命的な損傷時に、サービスブレーキペダルの操作によりパーキングブレーキ本体が作動されるように、パーキングブレーキのケーブルを作動させる車両のブレーキシステムが提案されている。また、例えば特許文献2では、マニュアルミッション車において、クラッチペダルにパーキングブレーキペダルの機能を兼備させ、ペダルの配置個数を減らすクラッチパーキングブレーキペダル構造が提案されている。
特開2003−200820号公報
特開平10−297449号公報
サイドブレーキが運転者によって引かれることによって作動する方式のパーキングブレーキ装置では、運転席周辺のスペースの一部をサイドブレーキが占めることとなる。サイドブレーキに占有されるスペースを有効に利用するため、近年パーキングブレーキペダルによって作動する方式のパーキングブレーキ装置が多く採用されている。パーキングブレーキペダルは、運転者が左足で踏み込み操作できるよう通常運転席下方の左側に配置される。パーキングブレーキペダルのさらに左側には運転者の左足を置くフットレストが設けられるが、パーキングブレーキペダルがある場合フットレストを広く確保することは困難である。車両のサイズが小さいコンパクトカーではフットレストを広く確保することはさらに難しい。フットレストを広く確保することができれば、車両旋回中などにおいても運転者が姿勢をより良好に維持できる。これに対し、上述の特許文献に記載される技術ではサイドブレーキまたはパーキングブレーキペダルによって運転席周辺のスペースが占有されることを抑制することは困難である。
本発明はこうした課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、運転席周辺に広いスペースを確保することができるブレーキシステムを提供することにある。
上記課題を解決するために、本発明のある態様のブレーキシステムは、ブレーキペダルが踏み込み操作されたときに作動して車輪に制動力を与えるサービスブレーキと、車輪に制動力を与えるパーキングブレーキと、車両が駐車中であるか否かを判定する駐車判定部と、車両が駐車中であると判定された場合、ブレーキペダルが踏み込み操作されたときにパーキングブレーキも作動するよう、サービスブレーキとパーキングブレーキとを連動させる連動手段と、を備える。この態様によればブレーキペダルを踏み込み操作することによって車両の駐車中に適宜パーキングブレーキも作動させることができる。このためブレーキペダル以外にサイドブレーキまたはパーキングブレーキペダルを設ける必要がなくなり、運転席周辺に広いスペースを確保することが可能となる。
本発明のある態様のブレーキシステムは、イグニッションスイッチのオンおよびオフを検出するイグニッションセンサをさらに備えてもよい。前記駐車判定部は、イグニッションスイッチがオフであると検出された場合に、車両が駐車中であると判定してもよい。この態様によれば、イグニッションスイッチがオンかオフかを判定することによって車両が駐車中であるか否かを簡易に判定することができる。
本発明のある態様のブレーキシステムは、ギヤの位置を検出するシフトセンサをさらに備えてもよい。前記駐車判定部は、ギヤがパーキングレンジに位置していると検出された場合に、車両が駐車中であると判定してもよい。この態様によれば、ギヤがパーキングレンジに位置しているか否かを判定することによって、車両が駐車中であるか否かを簡易に判定することができる。
本発明のある態様のブレーキシステムは、車両を停止させるべき緊急状態にあるか否かを判定する緊急状態判定部をさらに備えてもよい。前記連動手段は、車両が緊急状態にあると判定された場合に、車両が駐車中でないと判定された場合においても、ブレーキペダルが踏み込み操作されたときにパーキングブレーキも作動するよう、サービスブレーキとパーキングブレーキとを連動させてもよい。この態様によれば、緊急状態において車両の制動力を安定して確保することができる。
本発明のある態様のブレーキシステムは、車両に搭載される電源の電圧を検出する電圧センサをさらに備えてもよい。前記緊急状態判定部は、検出された電源の電圧が所定の値よりも低い場合に車両が緊急状態にあると判定してもよい。電源電圧が所定の値よりも低くなると、その後電源から車両に搭載された各機器へ安定して電力が供給されない可能性が高くなり、このような状態で車両を走行させることは好ましくない。この態様によれば、電源から安定して電力が供給されないおそれがある場合にも、車両の制動力を安定して確保することができる。
本発明によれば、運転席周辺に広いスペースを確保することができるブレーキシステムを提供することができる。
以下、図面を参照して本発明の実施の形態(以下、「実施形態」という。)について詳細に説明する。
図1は、本実施形態に係るブレーキシステム10を模式的に表した全体構成図である。ブレーキシステム10は、ブレーキペダル12、サービスブレーキ装置23、パーキングブレーキ装置48、連動機構25、保持機構44、電子制御ユニット(以下「ECU」という)50、イグニッションセンサ52、エンジン回転数センサ53、シフトセンサ54などを備える。
ブレーキペダル12は、ペダル部12aおよびアーム部12bを有する。運転席に座ったときの運転者の足下にはアクセルペダル(図示せず)およびブレーキペダル12が配置されるためのスペースが設けられている。この足下のスペースの上方にはダッシュパネル14が略水平となるよう形成されている。この水平な部分に上下方向に貫通する挿通孔が設けられている。ブレーキペダル12はダッシュパネル14の挿通孔に挿通され、車両左右方向を軸方向とする回動軸16によって回動可能にダッシュパネル14に支持される。これによってブレーキペダル12は、ペダル部12aがダッシュパネル14の内側である車両室内に位置し、ペダル部12aと反対側の端部がダッシュパネル14の外側に位置した状態となる。
サービスブレーキ装置23は、マスタシリンダ22、および各車輪に対応して設けられたディスクブレーキ(図示せず)を有する。ディスクブレーキは、車輪とともに回転するディスクロータの摩擦摺動面にホイールシリンダ圧に応じた強さでブレーキパッドを押圧することによって車輪に制動力を与える。本実施形態に係るサービスブレーキ装置23には電子制御ブレーキシステムが採用されており、サービスブレーキ装置23は、電子制御によってマスタシリンダ圧に応じた適切なホイールシリンダ圧を各々の車輪のディスクブレーキに与える。なお、後輪など一部の車輪、または全ての車輪にドラムブレーキが採用されてもよいことは勿論である。またマスタシリンダ22と各車輪のホイールシリンダが連通しており、マスタシリンダ22の圧力の変動に応じて各車輪のホイールシリンダ圧を直接変動させてもよいことは勿論である。
ブレーキペダル12のアーム部12bは、回動軸16とペダル部12aとの間でプッシュロッド20と連結軸18によって回動可能に連結されている。プッシュロッド20はダッシュパネル14に設けられた挿通孔に挿通され、略水平方向に延在してブレーキブースタ(図示せず)を介して、エンジンルームに設けられたマスタシリンダ22に連結されている。ブレーキペダル12は、プッシュロッド20を介してマスタシリンダ22に連結された状態で、ペダル部12aに近づくほど運転席側に近づくようアーム部12bが適度に傾斜する。
運転者によってペダル部12aが踏み込み操作されると、ペダル部12aが車両前方に向かって移動して、アーム部12bが回動軸16を中心に回動し、プッシュロッド20がマスタシリンダ22に向かって押し込まれる。マスタシリンダ22はブレーキペダル12の踏み込み操作量に応じて内部の作動液が増圧され、これにより各々のディスクブレーキはブレーキペダル12の踏み込み操作量に応じた制動力を車輪に与える。このようにブレーキペダル12は、サービスブレーキ装置23を作動させるためのサービスブレーキペダルとして機能する。
ブレーキペダル12には、ペダル部12aと反対側の端部近傍に長孔24が設けられている。長孔24はアーム部12bにおいて、その長手方向に長く形成された貫通孔として形成される。
連動機構25はラッチユニット26および係止部材42を含む。ラッチユニット26は、フレーム27、ソレノイド30、バネ34、およびラッチアーム38を有する。フレーム27は平板状に形成される。フレーム27にはその表面に垂直方向にピン28が取り付けられている。ピン28はブレーキペダル12の長孔24に摺動可能に挿通される。フレーム27は、ガイド(図示せず)によって車両前後方向に移動方向が規制されている。したがって、運転者によってペダル部12aが踏み込み操作されることによって、アーム部12bに設けられた長孔24が車両後方に向かって移動し、これに伴ってラッチユニット26も車両後方に向かって移動する。
ラッチユニット26にはソレノイド30が取り付けられている。ソレノイド30は、ラッチユニット26が車体本体に取り付けられた状態で、ソレノイド軸32が上下方向に向くようにフレーム27上に配置される。
ラッチアーム38の一方の端部には爪部38aが設けられている。ラッチアーム38は、ラッチユニット26が車体本体に取り付けられた状態でソレノイド30の下方にて爪部38aが下方を向くように配置され、回動軸40によって回動可能にフレーム27に支持される。ラッチアーム38は、爪部38aと反対側の端部近傍にバネ34を介してソレノイド軸32が接続される。
ソレノイド30に電力が供給されると、ソレノイド軸32は下方に突出する。これによりラッチアーム38は、爪部38aと反対側の端部が下方に移動し、爪部38aが上方に移動するように回動する。ラッチアーム38は、爪部38aが所定位置まで上方に移動したところで保持される。ソレノイド30への電力の供給が停止されると、ソレノイド軸32は上方に移動する。これによってラッチアーム38は、爪部38aと反対側の端部が上方に移動し、爪部38aが下方に移動するように回動する。
係止部材42は、断面が四角形の軸状に形成される。係止部材42は略中央に、軸方向と略垂直な平面部である係止部42aを有する段部が設けられている。係止部材42はラッチユニット26の下方に配置され、このとき段部が上方に向き且つ係止部42aが車両前方を向くよう配置される。
係止部材42は、パーキングブレーキ装置48のワイヤ46と連結されている。係止部材42が車両後方に向かって移動することによってワイヤ46が引っ張られ、パーキングブレーキ装置48が作動する。具体的には、ワイヤ46が引っ張られることによって、車輪とともに回転するドラム内周の摩擦摺動面にライニングが押圧され、車輪に制動力が与えられる。本実施形態に係るパーキングブレーキ装置48は後輪に制動力を与える。
このように、連動機構25はラッチアーム38と係止部材42との係止および解除を行う。ラッチアーム38が係止部材42に係止されている場合、運転者によってブレーキペダル12が踏み込み操作されると、サービスブレーキ装置23とパーキングブレーキ装置48とが連動する。このときブレーキペダル12はパーキングブレーキペダルとしても機能する。したがって連動機構25は、サービスブレーキ装置23とパーキングブレーキ装置48とを連動させる連動手段として機能する。
ラッチアーム38と係止部材42との係止が解除された場合、運転者によってブレーキペダル12が踏み込み操作されると、パーキングブレーキ装置48は作動せずサービスブレーキ装置23が作動するよう、サービスブレーキ装置23とパーキングブレーキ装置48との連動が解除される。
ワイヤ46は、パーキングブレーキ装置48内のバネ(図示せず)によって常に引張り力が与えられている。保持機構44は、この引張り力による係止部材42の車両前方への移動を規制し、係止部材42を所定位置に保持する。
保持機構44は、運転者によりブレーキペダル12が踏み込み操作されていない状態でラッチアーム38の爪部38aが下方に移動する方向に回動した場合に、爪部38aが係止部42aに係止する位置に係止部材42を保持する。以下、このときの係止部材42の位置を第1保持位置という。係止部材42が第1保持位置にあるときは、ワイヤ46が弛緩されることによってパーキングブレーキ装置48の作動が解除され、パーキングブレーキ装置48によって後輪へ制動力が付与されなくなるよう、第1保持位置が予め設定されている。
ラッチアーム38が係止部材42に係止した状態で運転者によってブレーキペダル12が踏み込み操作されると、ラッチユニット26と共に係止部材42も車両後方に向かって移動する。保持機構44は、係止部材42が第1保持位置よりも車両後方の切替位置まで移動した場合に、運転者によるブレーキペダル12の踏み込み操作がその後解除されても、切替位置から車両前方に向かってわずかに移動した所定位置で係止部材42を保持する。以下、このときの係止部材42の位置を第2保持位置という。係止部材42が第2保持位置にあるときは、ワイヤ46が引っ張られることによってパーキングブレーキ装置48が作動され後輪に制動力が与えられるよう、第2保持位置が予め設定されている。
係止部材42が第2保持位置にあるときに、運転者によってブレーキペダル12が再び踏み込み操作され、係止部材42が再び切替位置まで移動した場合、運転者によってブレーキペダル12の踏み込み操作がその後解除されたときに、保持機構44は係止部材42を再び第1保持位置で保持する。これによりパーキングブレーキ装置48による後輪への制動力を解除する。このようにラッチアーム38が係止部材42に係止している場合には、運転者はブレーキペダル12の踏み込み操作をくり返すことによって、パーキングブレーキ装置48を作動させ、および作動を解除させることができる。保持機構44の詳細な構成については周知であることから説明を省略する。
ECU50は車体本体内部に搭載され、CPU、ROM、およびRAMなどを有し、車両に設けられる様々な機器を制御する。イグニッションセンサ52は、車両室内に設けられたイグニッションスイッチ(図示せず)のオンおよびオフを検出する。エンジン回転数センサ53はクランクシャフト(図示せず)に設けられており、単位時間毎のクランクシャフトの回転数を検出することにより単位時間毎のエンジンの回転数を検出する。シフトセンサ54は、車両室内に設けられたギヤ(図示せず)のシフト位置を検出する。イグニッションセンサ52およびシフトセンサ54はECU50に接続されており、各々の検出結果はECU50に出力される。
電源としてのバッテリ58は車体本体内部に設けられる。バッテリ58はECU50に接続されており、電力をECU50に供給する。ECU50には電圧センサ56が設けられており、電圧センサ56はバッテリ58からECU50に供給される電力の電圧を検出する。
スイッチ60は、電圧センサ56、バッテリ58、およびソレノイド30に接続されている。スイッチ60がオンにされているとき、ソレノイド30にはバッテリ58から電力が供給される。スイッチ60がオフにされると、バッテリ58からソレノイド30への電力の供給が停止される。ECU50はスイッチ60のオンおよびオフを制御することによってソレノイド30への電力の供給を制御し、ソレノイド30の作動を制御する。
ソレノイド30へ電力が供給されると、爪部38aが上方に移動する方向にラッチアーム38が回動し、爪部38aと係止部42aとが係止しない所定位置でラッチアーム38が保持される。これによってサービスブレーキ装置23とパーキングブレーキ装置48との連動が解除される。
ソレノイド30への電力の供給が停止されると、爪部38aが下方に移動する方向にラッチアーム38が回動する。このときブレーキペダル12が運転者によって踏み込み操作されていなければ、爪部38aは係止部材42の係止部42aに係止する。ブレーキペダル12が運転者によって踏み込み操作されている場合、爪部38aは係止部42aよりも車両後方の係止部材42上面に当接し、運転者によるブレーキペダル12の踏み込み操作が解除された時点で係止部42aに係止する。ラッチアーム38が係止部材42に係止することによってサービスブレーキ装置23とパーキングブレーキ装置48とが連動可能な状態となる。このようにECU50は、サービスブレーキ装置23とパーキングブレーキ装置48とを連動させ、および連動を解除させるよう連動機構25を制御する連動制御手段として機能する。
図2は、本実施形態に係るブレーキシステム10の動作手順を示すフローチャートである。図2に示されるフローチャートにおける処理は、所定時間毎に繰り返し実施される。
イグニッションスイッチがオフにされている場合、一般的に車両が走行しているとは認められない。このためECU50は、イグニッションセンサ52の検出結果を利用して、イグニッションスイッチがオンかオフかを判定することによって車両が駐車中であるか否かを判定する(S11)。したがってこの場合、イグニッションセンサ52は車両が駐車中であるか否かを検出する駐車検出部として機能し、ECU50は車両が駐車中であるか否かを判定する駐車判定部として機能する。
なお、本明細書において「駐車」とは、パーキングブレーキ装置48によって車両に制動力を与えることが必要と認められる状態をいう。したがって、駐車場に車両を長時間停止させるような一般的な駐車だけでなく、路肩周辺に一時的に車両を停止させる一時停止や、赤信号などの停止信号のため車両を停止させた状態でイグニッションスイッチをオフにする、いわゆるアイドリングストップなども、本明細書における「駐車」に含まれる。
イグニッションスイッチがオフと判定された場合(S11のN)、車両は駐車されていると判断される。このため、ソレノイド30の作動を停止させることによってサービスブレーキ装置23とパーキングブレーキ装置48とを連動させる(S15)。これによって運転者はブレーキペダル12をパーキングブレーキペダルとしても使用することが可能となる。イグニッションスイッチがオンと判定された場合(S11のY)、イグニッションスイッチの状態からは車両が駐車中であるか否かを判定することができない。
バッテリ58の電圧が低下し、バッテリ58からその後電力が充分に供給されないおそれがある場合などの緊急状態に車両がある場合は、車両を速やかに停止させる必要があり、この場合制動力を安定して確保できることが好ましい。
このため、ECU50は、電圧センサ56の検出結果を利用してバッテリ電圧Vbが閾値電圧Vth以上か否かを判定することによって、車両を停止させるべき緊急状態にあるか否かを判定する(S12)。したがって電圧センサ56およびECU50は緊急状態にあるか否かを判定する緊急状態判定手段として機能する。ECU50のROMには閾値電圧Vthが予め格納されており、ECU50はROMに格納された閾値電圧Vthを参照してバッテリ電圧Vbが閾値電圧Vth以上か否かを判定する。閾値電圧Vthには、バッテリ58の電圧がその電圧より小さい値まで低下した場合に、バッテリ58による安定した電力の供給がその後困難になる可能性があると認められる電圧が設定される。
バッテリ電圧Vbが閾値電圧Vthより低いと判定された場合(S12のN)、車両を停止させるべき緊急状態にあると判断される。このためECU50は、車両が駐車中であると判定されていない場合にも、ソレノイド30の作動を停止させることによってサービスブレーキ装置23とパーキングブレーキ装置48とを連動させる(S15)。これによって、車両が緊急状態にある場合に制動力を安定して確保することが可能となる。
なお、前述の通り、運転者はブレーキペダル12の踏み込み操作および踏み込み操作の解除をくり返すことによってパーキングブレーキ装置48の作動およびその解除をくり返すことができる。したがって、車両が走行中にバッテリ電圧Vbが閾値電圧Vthより小さいと判定された場合、運転者はブレーキペダル12の踏み込み操作および踏み込み操作の解除をくり返すことによって、車両走行中においてもパーキングブレーキ装置48による制動力を調整することができる。
バッテリ電圧Vbが閾値電圧Vth以上と判定された場合(S12のY)、バッテリ58による安定した電力の供給がその後も可能であると判断される。しかし、バッテリ電圧Vbが閾値電圧Vth以上である場合でも何かしらの原因によってエンジンが作動していない場合も考え得る。このため、ECU50は、エンジン回転数センサ53の検出結果を利用してエンジンの回転数がゼロなどの所定の値より大きいか否かを判定することによってエンジンが作動しているか停止しているかを判定する(S13)。
エンジンが停止していると判定された場合(S13のN)、車両を駐車すべき状態であると判断される。このためECU50は、ソレノイド30の作動を停止させることによってサービスブレーキ装置23とパーキングブレーキ装置48とを連動させる(S15)。
エンジンが作動していると判定された場合(S13のY)、ECU50は、次にギヤがパーキングレンジに位置しているか否かを判定する(S14)。運転者は車両を駐車させる場合にギヤをパーキングレンジにシフトする。このため、ギヤがパーキングレンジに位置しているか否かを判定することによって、車両が駐車中であるか否かを簡易に判定することができる。この場合、シフトセンサ54は駐車検出部として機能し、ECU50は駐車判定部として機能する。
ギヤがパーキングレンジに位置していると判定された場合(S14のY)、車両は駐車中であると判断される。このためECU50は、ソレノイド30の作動を停止させることによってサービスブレーキ装置23とパーキングブレーキ装置48とを連動させる(S15)。
ギヤがパーキングレンジに位置していないと判定された場合(S14のN)、車両は駐車中でないと判断される。このためECU50は、ソレノイド30を作動させることによってラッチアーム38と係止部材42との係止を解除させ、サービスブレーキ装置23とパーキングブレーキ装置48との連動を解除させる(S16)。
このように、ECU50は、車両が駐車中であると判定された場合にサービスブレーキ装置23とパーキングブレーキ装置48とを連動させ、車両が駐車中でないと判定された場合にサービスブレーキ装置23とパーキングブレーキ装置48との連動を解除させるよう連動機構25を制御する。これによって、運転者は単一のブレーキペダル12を踏み込み操作することでサービスブレーキ装置23を作動させることができ、またパーキングブレーキ装置48も作動させることができる。したがって、サイドブレーキまたはパーキングブレーキペダルを設けなくてすみ、運転席周辺に広いスペースを確保することができる。
本発明は上述の各実施形態に限定されるものではなく、各実施形態の各要素を適宜組み合わせたものも、本発明の実施形態として有効である。また、当業者の知識に基づいて各種の設計変更等の変形を各実施形態に対して加えることも可能であり、そのような変形が加えられた実施形態も本発明の範囲に含まれうる。以下、そうした例をあげる。
ある変形例では、図2のS12のNにおいて、ソレノイド30の作動を停止させると共に保持機構44による係止部材42の保持を解除し、ブレーキペダル12の踏み込み操作量に応じた強さでパーキングブレーキ装置48によって車輪に制動力が与えられる状態とする。具体的には、ブレーキシステム10はさらに、保持機構44を所定位置に固定する固定部材と、固定部材による保持機構44の固定を解除させる固定解除アクチュエータとを備える。例えば固定部材は、保持機構44を所定位置に位置するよう把持する把持部材であって、固定解除アクチュエータは、把持部材による保持機構44の把持を解除させるよう把持部材を拡開させるモータまたはソレノイドなどのアクチュエータでもよい。
固定解除アクチュエータはECU50に接続されており、ECU50は、バッテリ電圧Vbが閾値電圧Vthより小さいと判定された場合に固定部材による保持機構44の固定を解除させるよう固定解除アクチュエータを制御する。これによって運転者は、ソレノイド30の作動が停止されサービスブレーキ装置23とパーキングブレーキ装置48とが連動している場合に、パーキングブレーキ装置48によって車輪に与えられる制動力の強弱をブレーキペダル12の操作量によって調整することが可能となる。
なお、本変形例では、車両が走行中である場合に係止部材42の保持を解除してもよい。車両が走行中か否かは車輪周辺に設けられた車輪速センサ(図示せず)によって検出することが可能である。これによって、車両停止中はブレーキペダル12の操作を解除してもパーキングブレーキ装置48を作動させたままの状態とすることが可能となる。
別の変形例では、連動機構25は、ラッチユニット26および係止部材42に代わり、ブレーキペダル12の端部のうちペダル部12aと反対側の端部とワイヤ46とを連結し、および連結を解除する電磁アクチュエータを有する。ECU50は、ワイヤ46とブレーキペダル12の端部を連結することによってサービスブレーキ装置23とパーキングブレーキ装置48とを連動させ、ワイヤ46とブレーキペダル12の端部との連結を解除することによってサービスブレーキ装置23とパーキングブレーキ装置48との連動を解除させる。このような態様によっても、車両が駐車中にサービスブレーキ装置23とパーキングブレーキ装置48とを適宜連動させることが可能となる。なお、電磁アクチュエータの代わりに電磁石が用いられてもよいことは勿論である。
10 ブレーキシステム、 12 ブレーキペダル、 23 サービスブレーキ装置、 25 連動機構、 30 ソレノイド、 38 ラッチアーム、 42 係止部材、 44 保持機構、 48 パーキングブレーキ装置、 50 ECU、 52 イグニッションセンサ、 53 エンジン回転数センサ、 54 シフトセンサ、 56 電圧センサ、 58 バッテリ。
Claims (5)
- ブレーキペダルが踏み込み操作されたときに作動して車輪に制動力を与えるサービスブレーキと、
車輪に制動力を与えるパーキングブレーキと、
車両が駐車中であるか否かを判定する駐車判定部と、
車両が駐車中であると判定された場合、ブレーキペダルが踏み込み操作されたときにパーキングブレーキも作動するよう、サービスブレーキとパーキングブレーキとを連動させる連動手段と、
を備えることを特徴とするブレーキシステム。 - イグニッションスイッチのオンおよびオフを検出するイグニッションセンサをさらに備え、
前記駐車判定部は、イグニッションスイッチがオフであると検出された場合に、車両が駐車中であると判定することを特徴とする請求項1に記載のブレーキシステム。 - ギヤの位置を検出するシフトセンサをさらに備え、
前記駐車判定部は、ギヤがパーキングレンジに位置していると検出された場合に、車両が駐車中であると判定することを特徴とする請求項1に記載のブレーキシステム。 - 車両を停止させるべき緊急状態にあるか否かを判定する緊急状態判定部をさらに備え、
前記連動手段は、車両が緊急状態にあると判定された場合に、車両が駐車中でないと判定された場合においても、ブレーキペダルが踏み込み操作されたときにパーキングブレーキも作動するよう、サービスブレーキとパーキングブレーキとを連動させることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載のブレーキシステム。 - 車両に搭載される電源の電圧を検出する電圧センサをさらに備え、
前記緊急状態判定部は、検出された電源の電圧が所定の値よりも低い場合に車両が緊急状態にあると判定することを特徴とする請求項4に記載のブレーキシステム。
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JP2006130059A Pending JP2007302036A (ja) | 2006-05-09 | 2006-05-09 | ブレーキシステム |
Country Status (1)
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JP (1) | JP2007302036A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2010083479A (ja) * | 2008-09-30 | 2010-04-15 | Robert Bosch Gmbh | 駐車ブレーキの起動方法及び装置 |
CN101973259A (zh) * | 2010-10-21 | 2011-02-16 | 浙江吉利汽车研究院有限公司 | 一种自动驻车装置 |
KR20200077015A (ko) * | 2018-12-20 | 2020-06-30 | 주식회사 두산 | 지능형 긴급 제동 시스템 및 제동 방법 |
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2006
- 2006-05-09 JP JP2006130059A patent/JP2007302036A/ja active Pending
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2010083479A (ja) * | 2008-09-30 | 2010-04-15 | Robert Bosch Gmbh | 駐車ブレーキの起動方法及び装置 |
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KR102640306B1 (ko) * | 2018-12-20 | 2024-02-22 | 두산산업차량 주식회사 | 지능형 긴급 제동 시스템 및 제동 방법 |
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