JP2005205904A - ベニヤレースによる原木の切削方法及びベニヤレース - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 割れが少ない単板を得る場合、第1回転軸9を180度回転させ、突刺ロール27を3mm上昇させて上昇位置で待機させることで、図10に示すように、突刺ロール27の突刺体27aの先端とガイド部材6の上面bとの間隔が4.5mmとなって、原木3から切削された単板Vは、ガイド部材6の箇所を通過する時でも突刺ロール27の突刺体27aに突刺されず、またはがし部材8のはがし面8aに当接されても割れが形成されにくい。
【選択図】図10
Description
このベニヤレースは、図19に示すように、鉋台100に、切削用刃物101の刃先線とほぼ平行に備えられ、周囲に多数の突刺体103を有する駆動部材105を、矢印方向にモータ(図示せず)により回転駆動させられる軸107に対しその軸中心線方向に間隔をおいて多数配置して構成された駆動回転体108が設けられている。駆動部材105の原木115に対する位置は、駆動部材105から原木115に動力を供給することが可能となる深さ突刺体103により突刺するように適宜調整して決定する。
また、隣り合う駆動部材105の複数の該間隔で、切削用刃物101の刃先の前方で原木外周を加圧する位置にチップ109aを備えたプレッシャー部材109と、切削用刃物101により切削された単板Vを駆動部材105に沿って案内する案内部材111とが各々鉋台に設けられている。
113は、案内部材111の駆動部材105回転方向下手側に位置し、突刺体103の先端を結ぶ仮想円と交差する面113aに単板Vを当接させることで突刺体103に突刺された単板Vをはがすはがし部材である。
原木115は、公知のベニヤレースと同様にスピンドル(図示せず)に支持されて矢印方向に回転させられた状態で、鉋台を原木に向けて移動させ、刃物100により原木115を切削するのである。
尚、前記ベニヤレースでは、木口の中心部が脆弱な原木であっても切削時に該中心部に過大な力が作用しないように構成されている。即ち、原木を切削するための動力を主に駆動部材105から原木115に供給し、スピンドルから供給される動力は、単独では切削される単板の厚さが1.5mm程度までは切削可能であるが、それ以上の切削のためには不十分な大きさに設定されている。
その結果、原木115のスピンドルで支持される箇所が比較的脆弱であっても、問題なく切削することができる。
また前記装置では、案内部材111の箇所を通過する単板Vに、図19で示すように突刺体103が突刺されているので、次の理由により単板Vに割れが形成される。
前記切削において、突刺体103が突刺された駆動部材105が矢印方向に回転させられても、刃物101による切削抵抗があるため、原木115は駆動部材105の回転に追従して即座には回転させられない。そこで駆動部材105が更に微小量回転し、各突刺された箇所で突刺体103が原木115を回転方向に弾性変形させることで、突刺体103から原木115に伝えられる力が増大し、これら力の総和が切削抵抗の力を若干でも上回ると、原木115は回転させられ刃物101により切削が行われえる。
以上のように原木115は、駆動部材105に対し常に該弾性変形させられる量だけ、遅く回転していることになる。
その結果、案内部材111の箇所では、原木115から切削される単板Vに対し、駆動部材105が早く回転することになり、突刺されている突刺体103により単板Vを回転方向に引っ張ってしまい、該方向は繊維方向と直交し強度が小さいため、容易に多数の割れが形成されるのである。
更には、案内部材111の箇所を通過した単板Vは、はがし部材113に当接して下方に曲げられ、ここでも割れが単板Vに形成される。
このような単板Vの割れは、切削により単板V、特に繊維方向と直交する方向の幅が短い単板Vで問題となる、原木の時に外側であった側を内側として円筒状に丸まるカール現象を少なくするために有効であり、後工程での加工の自動化が容易となる。
一方、例えば合板の表層に用いる単板のように突刺体103での突刺傷の無い連続状の単板Vを得る場合は、駆動部材105を定位置から作動部材(図示せず)により図19に矢印で示す右斜め上方に移動させ、図20に示すように、突刺体103が原木115及び単板Vを突刺しない位置(以下、離隔位置という)で、駆動部材105を移動待機させて切削していた。
そのためその後の製造工程で受ける小さな力で単板が引き裂かれて分離してしまい、歩留まりを低下させたり、分離しないにしても大きな割れとなって品質上又は美観上の欠点となってしまうのであった。
勿論、前記のように駆動部材105が離隔位置にある状態で原木を切削すれば、単板に割れは形成されないが、駆動部材105から原木に切削するための動力を供給できず、前記例えば3mm等厚さが厚い単板を切削することができなくなってしまう。
この場合単板Vの走行方向と直交する方向即ち繊維方向で、単板Vを下方から隣り合う案内部材111で支持し、上方から駆動部材105により下方に押さえつけることになるため、節がその周囲の部分に対しせん断破壊し脱落してしまう。
その結果、単板に穴があいた状態となり、例えば合板の表層として美観上用いることができない等、品質を低下させてしまうのである。
尚、単板に繊維方向への実質的な割れが形成される位置とは、得られた単板に対し駆動部材の突刺体の作用により形成される繊維方向への割れの程度が大であって品質を低下させたりまたその後の製造工程で受ける力で単板が引き裂かれて分離してしまう可能性があるが、単板のカール現象を少なくするためには有効と成るような割れが形成される位置である。
また実質的な割れが形成されない位置とは、前記繊維方向への割れの程度が小さく、品質上又は美観上の欠点とはならないがカール現象を少なくするためには十分ではない割れが形成される位置である。
このような位置は、単板の材質や得られる厚さにより形成される割れの状態が異なるため、案内部材に対する駆動回転体の間隔を適宜変化させて決定する。
更に請求項3記載の発明では、不連続状の単板はカール現象が殆どなくその後の工程で問題なく良好に搬送・加工され、また連続状の単板はその後の工程で引き裂かれたり大きな割れとなって品質上又は美観上の欠点となることがなく、歩留まりを向上させる。また駆動回転体が第3位置に移動することにより、切削により原木の半径が小さくなっても駆動部材から原木に動力がより良好に伝達される。
また請求項4記載の発明では、不連続状の単板及び連続状の単板に対しては請求項3記載の発明と同様の効果と同様で、更に再び第1位置に移動することによって、切削により原木の半径が小さくなっても駆動部材から原木に動力が良好に伝達される。
また請求項5記載の発明では、不連続状の単板及び連続状の単板に対しては請求項3記載の発明と同様の効果と同様で、更に再び第1位置に戻った後、第4位置に移動することにより、切削により原木の半径が小さくなっても駆動部材から原木に動力がより良好に伝達される。
また請求項6記載の発明では、切削開始前の原木の半径が所定値以上であって且つ切削初期には原木から不連続状の単板が得られるような原木では、不連続状及び連続状の単板において請求項3記載の発明と同じ効果となり、一方、半径が所定値未満である原木では、カール現象が殆どなく且つ割れが前記の様に問題とならない単板が得られる。
また請求項7記載の発明では、ほぼ円柱状の原木切削においては、連続状の単板で請求項3記載の発明と同様の単板が得られるとともに、切削により原木の半径が小さくなっても駆動部材から原木に動力がより良好に伝達される。一方、請求項7記載の発明を切削初期には原木から不連続状の単板が得られるような原木であって且つ該不連続状の単板は廃棄してしまう場合に実施すると、第1位置に駆動回転体を移動待機させる必要がなく、駆動回転体の移動動作が少なくなる。また同様に切削により原木の半径が小さくなっても駆動部材から原木に動力がより良好に伝達される。
また請求項8記載の発明では、ほぼ円柱状の原木切削においては、連続状の単板で請求項3記載の発明と同様の単板が得られるとともに、切削により原木の半径が小さくなると駆動回転体が第1位置に移動することで、駆動部材から原木に動力がより良好に伝達される。
また請求項12記載の発明では、請求項1乃至6、請求項8記載の方法を、良好に実施できる。
図1はベニヤレースの概略側面説明図、図2は図1の便宜上後述する原木3を除いて一点鎖線A−Aにおける矢印の方向を見た図で鉋台1の右側端部付近を示す部分拡大説明図、図3は図2の一点鎖線B−Bにおける矢印の方向を見た一部断面説明図、図4は図2の一点鎖線C−Cにおける矢印の方向を見た一部断面説明図、図5は図2の一点鎖線D−Dにおける矢印の方向を見た一部断面説明図、図6は図2の一点鎖線E−Eにおける矢印の方向を見た一部断面説明図、図7は図3の刃物5の刃先周辺の部分拡大説明図、図8は図7の一点鎖線F−Fより矢印の方向を見た一部断面説明図である。
鉋台1は公知のベニヤレースと同様に、後述する刃物5により切削されて得られた単板の厚さが予め設定された一定の値となるように移動し、そのためにサーボモータ2aにより矢印の方向に回転させられるスピンドル2で支持された原木3の1回転に対し、単板の厚さと等しい距離原木3側へ水平に移動するように、鉋台1に備えた雌ねじ(図示せず)に、モータ(図示せず)により回転させられる雄ねじPが挿通されている。
尚、サーボモータ2aの動力は、単独では原木3を切削するためには不十分な値に設定されている。
また鉋台1には以下の各部材が設けられている。
鉋台1の上部を構成する部材であるノーズバー台1aの上方取付台10には、図2、図3に示す様にピロー形軸受7が2個(図示は1個)図2で左右方向に間隔をおいて固定されており、これらピロー形軸受7には第1回転軸9が挿入され回転自在に保持されている。
また第1回転軸9には、図6に示すようにスプロケット11が公知のキー13及びキー溝13aにより固定されており、スプロケット11には回転量を検出するタコジェネレータ(図示せず)を備えたサーボモータ14の回転がチェーン15により伝達されることで、第1回転軸9を0〜180度の範囲で希望する角度回転させることができる。
即ち第2回転軸17は外径が第1回転軸9より1.5mm小さく、また小径部9aの外径と等しい内径の貫通穴が、前記のように小径部9aに固定された時、図3に示すように第2回転軸17の外周が第1回転軸9の外周に1点で接するように偏心して形成されている。
その結果、前記第1回転軸9の回転により、第2回転軸17の外周の最上部の高さが図2、3の上下方向に最大3mm変更可能となっている。
この第2回転軸17には、図2及び図4に示す様に、第1軸受21を介してアーム19の上端部が支持されていて、アーム19が第2回転軸17に対し回動自在となっている。
第3回転軸25と一体で同一軸中心線を有し第3回転軸25より大径である第4回転軸26には図2、図3に示すように、駆動部材の一例である周囲に多数の突刺体27aを有する円盤状の突刺ロール27が、第4回転軸26の軸中心線方向に所定間隔で、同様にキー及びキー溝(図示せず)により多数固定されることで、駆動回転体28の一例を構成している。
これら構成のため、突刺ロール27は、サーボモータ14により第1回転軸9を回転させ第2回転軸17の外周の最上部の高さが最も低い状態即ち図3に示す状態とすると、最下位置に、また図3の状態からサーボモータ14により第1回転軸9を180度回転させ第2回転軸17の外周の最上部の高さが最も高い状態とすると、最上位置に各々移動し待機させることができる。
また図7及び図8に示す様に、各突刺体27aの先端を結ぶ仮想円と交差し突刺ロール27の回転方向下手側に向かうにつれて仮想円の内側から外側に向かう面8aを有するはがし部材8を、隣り合う突刺ロール27の各々の間で、図3に示すようにノーズバー台1aに取付ける。
また第3回転軸25の軸中心線方向の端部には、図5に示す様に、スプロケット33が固定されており、ノーズバー台1a上に設けたサーボモータ35の動力を伝達するためのチェーン37が、サーボモータ35の回転軸にワンウエイクラッチ(図示せず)を介して装着されたスプロケット36、小径部9a及び取付台10に各々軸受けを介して設けられ従動回転自在のスプロケット39及び41を経由して掛け渡されている。尚、サーボモータ35は、突刺ロール27の突刺体27aの先端の周速が、後述する原木の周速Tの値より若干小さいSとなるように設定されている。
サーボモータ35のスプロケット36は矢印の方向に常時回転させられることでスプロケット33が矢印の方向に回転させられ、その結果、突刺ロール27は図7の矢印で示す方向に常時回転させられる。
即ちアーム19には、図4に示すように、刃物5と反対側の位置で第1継手部材19aを固定する。
また終端部がノーズバー台1aの一部に回動自在に取付られれた油圧シリンダ43の、進退自在のピストンロッド43aの先端に第2継手部材43bを設け、第1継手部材19aと第2継手部材43bとを、ピン44により互いに回動自在に連結する。
一方、ノーズバー台1aの側面に係止部材45の突出方向と同じ方向に突出した支持台46を設ける。
該支持台46上にはサーボモータ47と、該サーボモータ47に連結され正・逆回転自在の雄ねじ48とが設けられている。更には該雄ねじ48と係合する雌ねじ(図示せず)が形成され且つ該雌ねじに雄ねじ48が挿通されており、雄ねじ48の回転により図4で左右方向にリニア軸受49により案内され移動し、上部に該係止部材45と当接可能な箇所を有するストッパ50とを備える。
また図7に示す様に、刃物保持台1bの突刺ロール27側の面に形成された切欠部6aには、案内部材の一例となるガイド部材6が、一部を突出した状態で設けられている。即ち、図8に示すように、左右方向で突刺ロール27とずれた位置に、上面6bが図7に示すように、突刺ロール27の先端を結ぶ仮想円と同心の円弧とほぼ等しくなる様に形成されたガイド部材6が、切欠部6aに挿入固定されている。
以上、図2では鉋台1の正面説明図で右側端部付近だけを示したが、左側端部付近は図2の左右対称で同様の各部材が配置されている。
またこれら構成には制御器51を設けてあり、次のように作動部材の作動を制御する。
即ち図1で、鉋台1を、サーボモータ2aにより回転させられるスピンドル2で支持された原木3の1回転に対し、単板の厚さと等しい距離だけ原木3側へ水平に移動させるように、アブソリュートエンコーダ52を有するサーボモータ53により鉋台1に挿通された雄ねじPを回転させる制御信号を出す。
またアブソリュートエンコーダ52からスピンドル2の回転中心と刃物5の刃先との間の距離の値の情報を受けることで制御器51は、刃物5により切削される箇所での原木3の周速が常に一定(T)となるように、該距離の値に反比例して、スピンドル2の回転数が増大するように制御する信号をサーボモータ2aに送る。
更には運転者の手作業による信号及び予め設定することで、制御器51はサーボモータ14及びサーボモータ47を後述するように各々作動させる信号を出す。
即ち図7に示すように、第1位置の一例である、原木3が回転した場合に刃物5により切削されると近似的に想定される線、即ち刃先5bから垂直に引いた一点鎖線で示す切削仮想線X−Xに対し、突刺ロール27の原木3側にある突刺体27aの先端との間隔が例えば1.5mmとなり、一方ガイド部材6の箇所では、ガイド部材6の上面6bと突刺体27aの先端との上下方向の間隔が1.5mmとなる位置(以下、下降位置という)で待機させる。
このためには、運転者の手作業による入力で、図4で、油圧シリンダ43の圧力を解除した状態で、サーボモータ14により第1回転軸9を回転させ第2回転軸17の外周の最上部の高さが最も低い状態即ち図3に示す状態として、突刺ロール27を最下位置に待機させる。次いでサーボモータ47により雄ねじ48を回転させ、ピストンロッド43aを突出作動させるべく油圧シリンダ43に油を注入し係止部材45がストッパ50に圧接された時、突刺ロール27が前記下降位置となる様に予め設定された箇所に、ストッパ50を移動させておく。
次に油圧シリンダ43の圧力を前記値として、係止部材45をストッパ50に圧接させておく。
その後、運転者の手作業で入力された信号を受けると制御器51は作動信号を出し、最初に、図1に示すように、サーボモータ2aを作動させスピンドル2により原木3を回転させると共に、サーボモータ35を回転させて突刺ロール27を矢印の方向に回転させ、更には、雄ねじPを回転させる。
そこで鉋台1は、図1の矢印方向へ、前記のようにスピンドル2の回転数と、スピンドル2の回転中心と刃物5の刃先との間の距離の値とにより決定される速さでスピンドル2側に移動する。
やがて前記従来装置で図17の場合と同様に、図7に示す様に、回転する原木3の外周に同じく回転する突刺ロール27の突刺体27aが突刺される。
この時、前記のように突刺体27aの先端の周速は原木1の周速より小となっているが、サーボモータ35の動力をワンウェイクラッチを介して突刺ロール27に伝えているので、突刺ロール27は原木1から受ける力によりその周速が増大され原木1と同一となって回転させられるが、この状態では突刺ロール27は原木1に動力を伝達していない。
しかるに前述のようにスピンドル2から供給される動力は単独では切削するためには不十分な大きさに設定されているため、刃物5による切削抵抗で原木1の周速は順次減少し、この原木1の周速に追従して突刺ロール27も減速する。
この減速で突刺体27aの周速が周速Sになると、ワンウェイクラッチの作用により突刺ロール27から動力が原木1に供給され、以後主に突刺ロール27からの動力により原木1が回転させられてノーズバー29のチップ29aにより原木3の周面が加圧されつつ刃物5により切削されるが、最初は不連続状の厚さ4mmの単板Vが得られる。
次いで、単板Vはガイド部材6の箇所で前記のように突刺された状態ではがし部材8の当接面8aに当接させられて進路を下方に曲げられ、割れが大きくなったり新たに割れが形成されつつ突刺体27aからはがされ、次工程へと移動して行くのである。
以上の様にして得られた単板Vは、カール現象が殆ど無い状態となっている。
このことにより第1回転軸9に対する第2回転軸17の位置関係が、図3の状態から図3の第1回転軸9周辺の要部だけを示す図である図9の状態となり、第2回転軸17に支持されているアーム19全体が3mm上昇させられ、そのため第4回転軸26に固定されている突刺ロール27も3mm上昇させられ、第2位置の一例である最上位置(以下この位置を上昇位置という)で待機することになる。
その結果、図10に示す位置関係となり、突刺ロール27の突刺体27aの先端とガイド部材6の上面bとの上下方向の間隔が4.5mmとなる。
そこで刃物5により原木3から切削された単板Vは、図10に示すように、ガイド部材6の箇所を通過する時でも突刺ロール27の突刺体27aに突刺されないため引っ張り力を受けず、またはがし部材8のはがし面8aに当接されても若干割れが形成される程度である。
そのため突刺ロール27が前記下降位置にある場合に比べて、割れの少ない単板Vが得られることになるが、以下の理由で問題とならない。
連続状の単板Vの場合、例えば円筒状の芯に順次巻玉状に巻き取る作業等を行うが、はがし部材8に当接されて形成される比較的小さな割れにより、該作業で問題とならない程度まで単板Vのカール現象を小さくすることができるからである。
尚、はがし部材8に当接されて単板Vに形成する割れの程度は、単板Vに当接されるはがし部材8の角度などを適宜変更して調整する。
即ち、原木3の外周が例えば図10の二点鎖線Z−Zで示すような円弧になると、原木3に突刺される突刺ロール27の突刺体27aの数が減少すること及び原木3に突刺されている突刺体27aの突刺量が少なくなる。
そのため、原木3が突刺体27aから直接力を受ける部分の面積が小さくなるが、一方切削に必要な力は殆ど変化しない。その結果、原木3の突刺体27aから直接力を受ける部分での単位面積当りの力が過大となって、該直接力を受ける部分で破壊して溝状に削り取られてしまい、突刺体27aから原木3に動力を供給できず切削ができなくなってしまう。
ストッパ50には油圧シリンダ43により係止部材45が圧接され続けているため、ストッパ50が原木3側へ順次移動すると、係止部材45即ち第2継手部材43bが同じく原木3側へ順次移動し、ピン44により第2継手部材43bと連結されているアーム19が第2回転軸17を回動中心として同じく原木3側へ回動する。
その結果、突刺ロール27が順次原木3側へ移動し、例えば原木3の外周が図11に示すような円弧となっても、原木3に突刺される突刺体27aの数は大きく減少せず、また突刺されている突刺体27aの突刺量が増える。そのため前記単位面積当りの力は過大とならず、前記のように原木3が破壊することが殆どなく、刃物5による切削が連続して行なわれる。また突刺ロール27が鉋台1に対し順次原木3側へ移動しても、案内部材6の箇所を通過する単板Vに対する上下方向での突刺ロール27の位置は変化せず、同様に、割れの少ない単板Vが得られ続ける。
また、鉋台1が前記停止待機した後、制御器51からの信号で雄ねじ48を前記とは逆に回転するようにサーボモータ47を作動させ、アーム19の回動により突刺ロール27を図1で示した位置まで後退させて待機させる。次いでサーボモータ14により第1回転軸9を更に180度回転させ、突刺ロール27を図7で示す下降位置に移動させて待機させ、次の原木3切削に備える。
尚、切削により順次小さくなる切削半径に対応してサーボモータ47を作動させて図4でストッパ50を左側となる原木3側へ順次移動させる量の制御は、原木3に突刺される突刺体27aの数及び突刺深さを考慮して決定する。また切削終了時で突刺ロール27が最も原木3側へ移動した場合であっても突刺ロール27の突刺体27aが刃物5に接触し刃物5を損傷することが無いように設定する。
一方、前記突刺ロール27を上昇位置に移動させた後、鉋台1に対し突刺ロール27を原木3側へ移動させる場合、切削半径に対応することなく、予め鉋台1に対して突刺ロール27を原木3側へ最大移動する位置に向けて移動させながら切削し、切削半径が予め設定された最小値になる前に突刺ロール27が該最大移動する位置に移動し終えてしまうようにして切削したり、又は該上昇位置に移動させた後、即座に該最大移動する位置に移動させて切削しても良い。
更には、前記原木1から連続状の単板Vが得られるようになったことを運転者が目視により確認する代わりに、適宜検知器を用いても良い。
実施例2での各部材の構成は実施例1と同様であるが、制御器51からの信号により突刺ロール27の位置を異ならせるものであり、以下説明する。
原木3の切削開始時は実施例1と同様に各部材を設定し、突刺ロール27は図7で示した下降位置に停止待機させておく。
この状態で制御器51からの信号で、スピンドル2により原木3を回転させると共に、突刺ロール27を矢印の方向に回転させ、更には、雄ねじPを回転させることで、最初に実施例1と同様に、厚さ4mmの不連続状であって割れが多数形成されることでカール現象が殆ど無い単板Vが得られる。
次に原木1から連続状の単板Vが得られるようになったことを運転者が目視により確認すると、運転者の手作業による入力信号を受けた制御器51は、実施例1と同様に、原木の切削を中断することなくサーボモータ14を回転させて第1回転軸9を180度回転させる。
このことにより実施例1と同様、即ち図10に示すように、突刺ロール27が上昇位置に至り突刺体27aの先端とガイド部材6の上面bとの上下方向の間隔が4.5mmとなり、割れの少ない単板Vが得られることになる。
そこでアブソリュートエンコーダ52から切削半径が設定された値となった情報を得た制御器51からの信号により、サーボモータ14を回転させて第1回転軸9を前記状態から更に180度回転させ、突刺ロール27を下降位置に移動させる。
該移動により、原木3の外周と突刺ロール27との位置関係は図12に示す状態となる。このことにより、突刺ロール27の原木3に突刺される突刺体27aの数及び深さは、実施例1の図11で示した該位置関係に比べると減少するが、図10で示す位置を突刺ロール27が保ち続けて原木3の外周が二点鎖線Z−Zで示すような円弧となった場合に比べると、該数及び深さは増大する。
その結果、原木3は前記のように原木3が溝状に削り取られることもなく、突刺ロール27から動力が伝達され、刃物5により切削され続ける。
尚、突刺ロール27が図12に示す位置にある状態で得られた単板Vは、図7で示した突刺ロール27が下降位置に待機した場合と同様に、割れが多数形成されてしまうが、このような単板は前記積層板材の内層に使用すればよい。
実施例3での各部材の構成も実施例1と同様であるが、制御器51からの信号により突刺ロール27の位置を異ならせるものであり、以下説明する。
実施例3では切削開始時は、実施例1及び実施例2と同様に、突刺ロール27を原木3の図7で示した下降位置に、また連続状の単板Vが得られるようになると図10で示した上昇位置に移動待機させ切削することは同様である。
前記上昇位置で切削を継続し、切削半径が順次小さくなり設定された値となった情報をアブソリュートエンコーダ52から得た制御器51は、以下のように作動させる作動信号を出す。
次いでアブソリュートエンコーダ52から得られる前記距離の値に応じて、サーボモータ47を作動させて図4でストッパ50を原木3側へ順次移動させる。
そこで実施例1と同様に、アーム19が第2回転軸17を回動中心として同じく原木3側へ順次回動する。
その結果、突刺ロール27が順次原木3側へ移動することになり、実施例2の図12で示した場合に比べて、図13に示すように突刺ロール27の原木3に突刺される突刺体27aの数及び深さが増えることになる。
そのため、原木3が溝状に削り取られることもなく、突刺ロール27から動力がより確実に原木3に伝達され、刃物5により切削が行なわれる。
但し、各原木の切削終了時に、突刺ロール27が原木3側へ最大移動した時、図13に示すように突刺体27aの先端が刃物5に当たらないように考慮する。
実施例4は、主に他のベニヤレース又はカッタにより予めほぼ円柱状に形成した原木3や、円柱状に形成されてはいないが半径が100mm程度の原木3を切削する場合に行う。
実施例4での各部材の構成も実施例1と同様であるが、制御器51からの信号により突刺ロール27の位置を異ならせるものであり、以下説明する。
切削開始時には、図10で示した突刺ロール27を上昇位置に待機させた後、鉋台1を回転する原木3に向けて移動させると共に、アブソリュートエンコーダ52から得られる切削半径の値に応じて、実施例1と同様に、鉋台1に対し突刺ロール27を順次原木3側へ移動させ、突刺ロール27から動力を原木3に伝達しつつ刃物5により切削する。
この切削において単板Vは、実施例1で説明したように、ガイド部材6の箇所を通過する際に突刺ロール27の突刺体27aにより引っ張り力を受けないため殆ど割れが形成されず、はがし部材8のはがし面8aに当接されることで若干割れが形成される程度である。
円柱状に形成した原木3からは、刃物5による切削でほぼ最初から連続状の単板Vを得ることができ、実施例1で連続状の単板Vが得られるようになった場合と同様に、順次巻玉状に巻き取る作業等を行う。
また円柱状に形成されてはいないが半径が100mmより小の原木では単板にカール現象が殆ど生じない。
これは原木3の半径が小さければ小さいほど、切削され単板となった時の繊維方向と直交する方向で、表側即ち原木時の外側の長さに対する、裏側即ち原木時の内側の長さの割合が小さくなる。そのため、単板は原木時の内側を、内側として円筒状に丸まる傾向があり、これと切削時に生じるカール現象がほぼ打ち消し合うからである。それ故、前記のようにカール現象を防ぐために割れを形成する必要がなく、切削開始時から突刺ロール27を上昇位置に待機させて切削しても良い。
一方、また円柱状に形成されてはいないが半径が100mmより大の原木であって且つ切削されて得られる不連続状の単板を、積層材を製造するための単板として用いず、例えば別に設けた装置により細かなチップとし他の目的で使用する場合、同じく実施例4の切削方法を実施しても良い。その理由は、実施例4の切削方法では、不連続状の単板のにカール現象を少なくすることができないが、別に設けた装置によりチップとする際は、カール現象ががあっても問題とならないからである。
該移動により、原木3の外周と突刺ロール27との位置関係は図12に示す状態となり、実施例2で説明したように、原木3が、溝状に削り取られることなく突刺ロール27から動力が伝達され、刃物5により切削され続ける。
この場合制御器51からの信号により、突刺ロール27を該下降位置に移動させ後、実施例3で説明したように、更に、アブソリュートエンコーダ52から得られる前記距離の値に応じて、サーボモータ47を作動させて図4、図5でストッパ50を原木3側へ順次移動させるようにしても良い。
1. この変更例では、実施例1の図4で示した一部断面説明図において、油圧シリンダ43に変えて次のように構成する。
即ち、図15に示すように、ノーズバー台1aの一部に油圧シリンダ55を固定して設ける。
油圧シリンダ55のピストンロッド57の先端には、ビーム59の一端を連結し、図示はしないがビーム59の下面はノーズバー台1aの一部により摺動自在に支持されている。
ビーム59の他端は、エアシリンダ61の終端部とピン63で連結し、エアシリンダ61のピストンロッド65と第1継手部材19aとを同じくピン67で連結する。
またビーム59には実施例1の図4で示したように、係止部材45をピストンロッド57の進退方向と直交する方向に突出させて設ける。その他、支持台46、サーボモータ47、雄ねじ48、リニア軸受49、ストッパ50を各々図4で示した場合と同様の位置関係で設ける。
これら以外の構成は実施例1と同様とする。
これら構成で、第1回転軸9を回転させて突刺ロール27を最下位置に待機させ、且つ油圧シリンダ55を前記圧力で作動させ続けることで係止部材45がストッパ50に当接された時、実施例1と同様に、突刺ロール27が下降位置で待機するように各々設定する。
前記状態で原木の切削を開始し、実施例1と同様に、得られる単板が連続状となると、運転者の手作業による入力信号により、第1回転軸9を180度回転させ突刺ロール27を上昇位置に移動待機させる。続いて切削半径に応じてサーボモータ47の作動によりストッパ50を原木側へ移動させ、油圧シリンダ55の前記圧力による作動で、これに追従して係止部材45即ち鉋台1に対し突刺ロール27が原木側へ移動し同様に切削する。
これら構成による切削では、ビーム59と第1継手部材19aとの間にエアシリンダ61を介在させているので、実施例1と同様の作用に加え、次の作用がある。
即ち、原木の切削中に、原木から分離した木片が原木と突刺ロール27との間を通過する際、木片から受ける力が突刺ロール27を介してピストンロッド65に伝えられ、エアシリンダ61内の圧縮空気が更に圧縮変形させられることで、ピストンロッド65即ち突刺ロール27が原木から遠ざかる方向に移動させられる。
その結果、木片が前記通過する際、原木や突刺ロール27に大きな力が加わらず、原木が割れたり突刺ロール27やこれを保持するする保持部材が破損することが少ない。
2.前記実施例4で予めほぼ円柱状に形成した原木3や、円柱状に形成されてはいないが半径が100mm程度の原木3を切削する場合を述べたが、この場合次のように切削しても良い。
即ち、切削開始時には、図10で示した突刺ロール27を上昇位置に待機させ、切削が進み切削半径が設定された値になると、突刺ロール27を下降位置に移動させるのである。
このような切削では、突刺ロール27が上昇位置にある時は、割れの少ない単板Vが得られる。
また原木によっては中心部付近の材質が脆弱となっているものがあり、この場合割れなどの欠点があっても問題とならない積層材の内層を構成する単板として用いることになる。そこで突刺ロール27を下降位置に移動し、突刺ロール27からの動力を良好に原木に伝達すると共に、前記のように割れを形成しカール現象の少ない単板を得ることができる。
尚、前記動力の伝達をより良好とするために、下降位置に移動した突刺ロール27を、更に原木3側へ順次移動させるようにしても良い。
尚、この変更例は、実施例4で述べた円柱状に形成されてはいないが半径が100mmより大の原木であって且つ切削されて得られる不連続状の単板を、積層材を製造するための単板として用いず、例えば別に設けた装置により細かなチップとし他の目的で使用する場合に、行っても良い。
3.前記各実施例において、突刺ロール27を該上昇位置に移動待機させる位置は、図3の状態からサーボモータ14により第1回転軸9を180度より小さい角度回転させ、図14に示すように、ガイド部材6の箇所を通過する単板Vを突刺体27aが若干突刺する位置としても良い。
このように突刺して力を伝達することで、ガイド部材6付近を通過する木材の小片や単板の通過を確実にすることが出来る。
この場合、突刺する深さは、該通過する単板Vに大きな割れを形成させない程度の深さ(例えば単板厚さが4ミリの場合1mm程度)で突刺するもので、この突刺及びはがし部材8に当接されることにより若干割れが形成されるが、従来技術のように単板が引き裂かれて分離してしまうことはない。
尚、該大きな割れを形成させない程度の深さは、実際に深さを変えながら切削を行って割れの状態を確認し決定すれば良い。
また各位置へ移動する際、一旦原木へ向かう方向への鉋台1の移動を停止し切削を中断してから移動させ、次いで鉋台1の移動を再開しても良い。
5. 第1及び実施例3において前記下降位置及び上昇位置にある突刺ロール27を、サーボモータ47の作動により原木に向かう方向へ移動させる際、前記実施例のように原木半径の変化に応じて順次移動させても、また予め突刺ロール27を原木3側へ最大移動する位置に移動させてしまっておいても良い。
5.前記各実施例において、突刺ロール27を鉋台1に対し原木3に向かう方向に移動させるために設けた、第1継手部材19a、油圧シリンダ43、第2継手部材43b、係止部材45、支持台46、サーボモータ47、雄ねじ48、リニア軸受49、ストッパ50等の部材は、図示はしないが、第3回転軸25の長さ方向で間隔を置いて多数の箇所で、軸受けを介して各々設け、各々同時に作動させるようにしても良い。
6.前記各実施例において、切削時の原木の撓みを防いだり、スピンドル2を用いず原木3を支持し切削するための支持部材として、図16に示すようなバックアップロールを用いても良い。
即ち71は、アブソリュートエンコーダ52から切削半径の値の情報を受けた制御器51からの信号により、切削されて順次半径が減少する原木3の外周に追従して当接されるように、矢印方向へ水平移動させられる従動回転自在のロールである。
また73は、同じく制御器51からの信号により、同じく原木3の外周に追従して当接されるように、矢印方向へ垂直移動させられる従動回転自在のロールである。
これらバックアップロール71,73は原木3から連続状の単板が得られるようになり、且つ切削半径が予め設定した値となると、スピンドル2を原木3から離し、バックアップロールと突刺ロール27により原木3を支持した状態で回転させ同様に切削することができる。その結果、原木3をスピンドル2の半径より小さくなるまで切削することができ、歩留まりが向上する。
尚、バックアップロールと突刺ロール27により原木3を支持した状態で突刺ロール27を下降位置から上昇位置へと移動させると、原木3が上方に移動してしまい切削ができなくなる。そのため、突刺ロール27の該上昇位置へ移動は、スピンドル2で原木3を支持した状態で行い、該移動後、スピンドル2を原木3から離せばよい。
また、スピンドル2を原木3から離した後は、原木3の回転を、原木3に当接されて従動回転するバックアップロール71又は73から得られる原木3の外周長さと、切削半径の値の情報とにより検出し、スピンドル2で原木3を支持した場合と同様に、鉋台1を、原木3の1回転当りに設定された単板の厚さと同じ距離だけ原木3側へ移動させる。
7.上記実施例では、原木3の回転中心は常に定位置にあり鉋台1を原木3に向けて移動させ刃物5により切削するタイプのベニヤレースを示したが、図17に示すように、鉋台1を固定し、従動回転自在のロール71及び73を切削されて小径化する原木3に追従させて移動させるタイプのベニヤレースでも良い。
この場合、主に予めほぼ円柱状に形成した原木3を対象とする。
切削する場合は、図17に示すように、ロール71及び73と突刺ロール27とを原木3に当接支持した状態で、突刺ロール27により原木3を回転させる。またこの時、ロール71及び73は、原木3の1回転に対し得られる単板の厚さの2倍の量だけ原木3の回転中心に向けて移動させるようにする。
この切削では、原木3の回転中心が鉋台1側に移動することになる。
8.図16及び図17で示した実施例においては、支持部材として原木に対しほぼ直交して当接されるバックアップロール71,73を用いたが、ロールを上下方向に並べた支持部材でも良い。
即ち、図18に示すように、ロール75,77を上下方向で間隔をあけた定位置で移動部材79に回転自在に固定し、鉋台1の雄ねじPと同様に、原木3の1回転当りにロール75,77が原木3側へ移動する距離が一定となるように、雄ねじ81を回転させる。
この場合、図16で示した実施例と同様に、鉋台1も原木3側へ移動させても良く、また図17で示した実施例のように、鉋台1を固定したままでも良い。
尚、原木3の回転中心と、ロール75,77と原木3との各接触部を結ぶ2本の仮想線がなす角度は、原木半径の減少とともに順次大きくなる。
9.突刺ロール27を、前記各実施例で示した位置又は該位置で原木側へ移動させながら切削している時、例えば運転者からの信号により、原木3の1回転当りの鉋台1の移動量を変更して、切削して得られる単板の厚さを変更しても良い。
10.駆動回転体としての突刺ロール27は、突刺体27aの回転方向の間隔、形状、また突刺ロール27の軸中心線方向での間隔や数は適宜変更して良い。
11.突刺ロール27を下降位置及び上昇位置の間で移動させる作動部材、また該位置で原木側へ移動させる作動部材は、前記示した部材以外の部材例えばカムを用いても良い。
12.ガイド部材6は、実施例の上下方向で突刺ロール27と相対する位置に設けても良い。
13. 前記各実施例及び変更例において、単板をはがし部材8に当接させて割れを形成する場合、割れの程度は、単板Vに対するはがし部材8の当接面8aの角度などを適宜変更して調整する。またはがし部材8の当接面8aを搬送される単板Vに対してほぼ平行な状態とすれば、当接面8aに単板Vが当接されることによる割れの発生は殆どない。
14.単板がガイド部材6の箇所を通過する際に、突刺体27aから単板に引っ張り力を作用させないためには、突刺体27aの先端とガイド部材6との間隔を単板の厚さより大となるように設定すればよいが、ガイド部材6の箇所で単板を良好に通過させるために、突刺体27aの先端が単板に若干例えば0.5mm程度突刺するように、該間隔を設定しても良い。
尚、この程度の突刺体27aによる突刺量であれば、前記単板に引っ張り力を与えても突刺体27aと単板とがずれてしまい、単板に割れを形成することがない。
15.原木3を回転自在に支持する支持部材は、スピンドル2の他、原木3の回転方向に間隔をおいて原木外周に当接される複数のロール群でも良い。
Claims (12)
- 切削用刃物と、
切削用刃物の刃先線とほぼ平行に備えられ、周囲に多数の突刺体を有する駆動部材を軸中心線方向に間隔をおいて多数配置して構成された駆動回転体と、
前記駆動部材を回転駆動させる駆動機構と、
前記駆動回転体の駆動部材の複数の該間隔で、原木外周を加圧する位置に設けられたプレッシャー部材と、
切削用刃物により切削された単板を駆動部材に沿って案内する案内部材と、
該案内部材の該駆動回転体回転方向下手側に位置し、該突刺体の先端を結ぶ仮想円と交差する面に単板を当接させることで該突刺体から単板をはがすはがし部材とが各々鉋台に設けられ、
更には原木を回転自在に支持する支持部材を設けたベニヤレースにおいて、
鉋台と支持部材との間隔が小さくなるように少なくとも一方を他方に向けて移動させ該刃物により原木を切削する際、
前記鉋台に対する駆動回転体の位置を、駆動部材の突刺体が、切削用刃物の刃先付近の原木外周へは動力を供給することが可能な深さ突刺し且つ前記案内部材の箇所を通過する単板を十分に突刺することで単板に繊維方向への実質的な割れが形成される第1位置と、
同じく切削用刃物の刃先付近の原木外周へは、動力を供給することが可能な深さ突刺するが前記案内部材の箇所を通過する単板を若干突刺又は突刺しないことで単板に繊維方向への実質的な割れが形成されない第2位置とに適宜移動待機させるベニヤレースによる原木の切削方法。 - 切削用刃物と、
切削用刃物の刃先線とほぼ平行に備えられ、周囲に多数の突刺体を有する駆動部材を軸中心線方向に間隔をおいて多数配置して構成された駆動回転体と、
前記駆動部材を回転駆動させる駆動機構と、
前記駆動回転体の駆動部材の複数の該間隔で、原木外周を加圧する位置に設けられたプレッシャー部材と、
切削用刃物により切削された単板を駆動部材に沿って案内する案内部材と、
該案内部材の該駆動回転体回転方向下手側に位置し、該突刺体の先端を結ぶ仮想円と交差する面に単板を当接させることで該突刺体から単板をはがすはがし部材とが各々鉋台に設けられ、
更には原木を回転自在に支持する支持部材を設けたベニヤレースにおいて、
鉋台と支持部材との間隔が小さくなるように少なくとも一方を他方に向けて移動させ該刃物により原木を切削する際、
前記鉋台に対する駆動回転体の位置を、駆動部材の突刺体が、切削用刃物の刃先付近の原木外周へは、動力を供給することが可能な深さ突刺し且つ前記案内部材の箇所を通過する単板を十分に突刺することで単板がはがし部材の当接面に当接された時、単板に繊維方向への実質的な割れが形成される第1位置と、
同じく前記刃先付近の原木外周へは動力を供給することが可能な深さ突刺するが前記案内部材の箇所を通過する単板を若干突刺又は突刺しないことで単板がはがし部材の当接面に当接されても単板に繊維方向への実質的な割れが形成されない第2位置とに適宜移動待機させるベニヤレースによる原木の切削方法。 - 切削用刃物と、
切削用刃物の刃先線とほぼ平行に備えられ、周囲に多数の突刺体を有する駆動部材を軸中心線方向に間隔をおいて多数配置して構成された駆動回転体と、
前記駆動部材を回転駆動させる駆動機構と、
前記駆動回転体の駆動部材の複数の該間隔で、原木外周を加圧する位置に設けられたプレッシャー部材と、
切削用刃物により切削された単板を駆動部材に沿って案内する案内部材と、
該案内部材の該駆動回転体回転方向下手側に位置し、該突刺体の先端を結ぶ仮想円と交差する面に単板を当接させることで該突刺体から単板をはがすはがし部材とが各々鉋台に設けられ、
更には原木を回転自在に支持する支持部材を設けたベニヤレースにおいて、
鉋台と支持部材との間隔が小さくなるように少なくとも一方を他方に向けて移動させ該刃物により原木を切削する際、
前記鉋台に対する駆動回転体の位置を、切削により原木から不連続状の単板が得られる間は、駆動部材の突刺体が、切削用刃物の刃先付近の原木外周へは動力を供給することが可能な深さ突刺し且つ前記案内部材の箇所を通過する単板を十分に突刺することで単板がはがし部材の当接面に当接された時、単板に繊維方向への実質的な割れが形成される第1位置に、
次いで切削により原木からほぼ連続状の単板が得られるようになると、同じく前記刃先付近の原木外周へは動力を供給することが可能な深さ突刺するが前記案内部材の箇所を通過する単板を若干突刺又は突刺しないことで単板がはがし部材の当接面に当接されても単板に繊維方向への実質的な割れが形成されない第2位置に移動待機させ、
次に切削により原木の半径が予め設定された値になると、第2位置から原木側に予め設定された量離れた第3位置に移動させるベニヤレースによる原木の切削方法。 - 切削用刃物と、
切削用刃物の刃先線とほぼ平行に備えられ、周囲に多数の突刺体を有する駆動部材を軸中心線方向に間隔をおいて多数配置して構成された駆動回転体と、
前記駆動部材を回転駆動させる駆動機構と、
前記駆動回転体の駆動部材の複数の該間隔で、原木外周を加圧する位置に設けられたプレッシャー部材と、
切削用刃物により切削された単板を駆動部材に沿って案内する案内部材と、
該案内部材の該駆動回転体回転方向下手側に位置し、該突刺体の先端を結ぶ仮想円と交差する面に単板を当接させることで該突刺体から単板をはがすはがし部材とが各々鉋台に設けられ、
更には原木を回転自在に支持する支持部材を設けたベニヤレースにおいて、
鉋台と支持部材との間隔が小さくなるように少なくとも一方を他方に向けて移動させ該刃物により原木を切削する際、
前記鉋台に対する駆動回転体の位置を、切削により原木から不連続状の単板が得られる間は、駆動部材の突刺体が、切削用刃物の刃先付近の原木外周へは動力を供給することが可能な深さ突刺し且つ前記案内部材の箇所を通過する単板を十分に突刺することで単板がはがし部材の当接面に当接された時、単板に繊維方向への実質的な割れが形成される第1位置に、
次いで切削により原木からほぼ連続状の単板が得られるようになると、同じく前記刃先付近の原木外周へは動力を供給することが可能な深さ突刺するが前記案内部材の箇所を通過する単板を若干突刺又は突刺しないことで単板がはがし部材の当接面に当接されても、単板に繊維方向への実質的な割れが形成されない第2位置に移動待機させ、
次に切削により原木の半径が予め設定された値になると、該第1位置に移動待機させるベニヤレースによる原木の切削方法。 - 切削用刃物と、
切削用刃物の刃先線とほぼ平行に備えられ、周囲に多数の突刺体を有する駆動部材を軸中心線方向に間隔をおいて多数配置して構成された駆動回転体と、
前記駆動部材を回転駆動させる駆動機構と、
前記駆動回転体の駆動部材の複数の該間隔で、原木外周を加圧する位置に設けられたプレッシャー部材と、
切削用刃物により切削された単板を駆動部材に沿って案内する案内部材と、
該案内部材の該駆動回転体回転方向下手側に位置し、該突刺体の先端を結ぶ仮想円と交差する面に単板を当接させることで該突刺体から単板をはがすはがし部材とが各々鉋台に設けられ、
更には原木を回転自在に支持する支持部材を設けたベニヤレースにおいて、
鉋台と支持部材との間隔が小さくなるように少なくとも一方を他方に向けて移動させ該刃物により原木を切削する際、
前記鉋台に対する駆動回転体の位置を、不連続状の単板が得られる間は、該駆動部材の突刺体が、切削用刃物の刃先付近の原木外周へは動力を供給することが可能な深さ突刺し且つ前記案内部材の箇所を通過する単板を十分に突刺することで単板がはがし部材の当接面に当接された時、単板に繊維方向への実質的な割れが形成される第1位置に待機させ、
次いで切削により原木からほぼ連続状の単板が得られるようになると、同じく前記刃先付近の原木外周へは動力を供給することが可能な深さ突刺するが前記案内部材の箇所を通過する単板を若干突刺又は突刺しないことで単板がはがし部材の当接面に当接されても単板に繊維方向への実質的な割れが形成されない第2位置に移動待機させ、
次に切削により原木の半径が予め設定された値になると、第2位置から該第1位置を経て該第1位置から原木側に予め設定された量離れた第4位置に移動待機させるベニヤレースによる原木の切削方法。 - 切削用刃物と、
切削用刃物の刃先線とほぼ平行に備えられ、周囲に多数の突刺体を有する駆動部材を軸中心線方向に間隔をおいて多数配置して構成された駆動回転体と、
前記駆動部材を回転駆動させる駆動機構と、
前記駆動回転体の駆動部材の複数の該間隔で、原木外周を加圧する位置に設けられたプレッシャー部材と、
切削用刃物により切削された単板を駆動部材に沿って案内する案内部材と、
該案内部材の該駆動回転体回転方向下手側に位置し、該突刺体の先端を結ぶ仮想円と交差する面に単板を当接させることで該突刺体から単板をはがすはがし部材とが各々鉋台に設けられ、
更には原木を回転自在に支持する支持部材を設けたベニヤレースにおいて、
鉋台と支持部材との間隔が小さくなるように少なくとも一方を他方に向けて移動させ該刃物により原木を切削する際、
前記鉋台に対する駆動回転体の位置を、
原木の半径が所定値以上であって且つ切削により原木から不連続状の単板が得られる場合は、駆動部材の突刺体を、切削用刃物の刃先付近の原木外周へは動力を供給することが可能な深さ突刺し且つ前記案内部材の箇所を通過する単板を十分に突刺することで単板がはがし部材の当接面に当接された時、単板に繊維方向への実質的な割れが形成される第1位置に移動待機させ、
次いで切削により原木からほぼ連続状の単板が得られるようになると、同じく前記刃先付近の原木外周へは動力を供給することが可能な深さ突刺するが前記案内部材の箇所を通過する単板を若干突刺又は突刺しないことで単板がはがし部材の当接面に当接されても単板に繊維方向への実質的な割れが形成されない第2位置に移動待機させ、且つ前記鉋台に対する該駆動回転体の位置を原木側に移動させ、
一方、原木の半径が所定値未満である場合は、切削により原木から得られる単板の状態に関係なく、該駆動回転体を、前記第2位置に移動待機させ、且つ前記鉋台に対する該駆動回転体の位置を原木側に移動させ、
切削するベニヤレースによる原木の切削方法。 - 切削用刃物と、
切削用刃物の刃先線とほぼ平行に備えられ、周囲に多数の突刺体を有する駆動部材を軸中心線方向に間隔をおいて多数配置して構成された駆動回転体と、
前記駆動部材を回転駆動させる駆動機構と、
前記駆動回転体の駆動部材の複数の該間隔で、原木外周を加圧する位置に設けられたプレッシャー部材と、
切削用刃物により切削された単板を駆動部材に沿って案内する案内部材と、
該案内部材の該駆動回転体回転方向下手側に位置し、該突刺体の先端を結ぶ仮想円と交差する面に単板を当接させることで該突刺体から単板をはがすはがし部材とが各々鉋台に設けられ、
更には原木を回転自在に支持する支持部材を設けたベニヤレースにおいて、
鉋台と支持部材との間隔が小さくなるように少なくとも一方を他方に向けて移動させ該刃物により原木を切削する際、
前記鉋台に対する駆動回転体の位置を、
該突刺体が同じく前記刃先付近の原木外周へは動力を供給することが可能な深さ突刺するが前記案内部材の箇所を通過する単板を若干突刺又は突刺しないことで単板がはがし部材の当接面に当接されても単板に繊維方向への実質的な割れが形成されない第2位置として切削を開始し、且つ前記鉋台に対する該駆動回転体の位置を原木側に移動させ、
切削するベニヤレースによる原木の切削方法。 - 切削用刃物と、
切削用刃物の刃先線とほぼ平行に備えられ、周囲に多数の突刺体を有する駆動部材を軸中心線方向に間隔をおいて多数配置して構成された駆動回転体と、
前記駆動部材を回転駆動させる駆動機構と、
前記駆動回転体の駆動部材の複数の該間隔で、原木外周を加圧する位置に設けられたプレッシャー部材と、
切削用刃物により切削された単板を駆動部材に沿って案内する案内部材と、
該案内部材の該駆動回転体回転方向下手側に位置し、該突刺体の先端を結ぶ仮想円と交差する面に単板を当接させることで該突刺体から単板をはがすはがし部材とが各々鉋台に設けられ、
更には原木を回転自在に支持する支持部材を設けたベニヤレースにおいて、
鉋台と支持部材との間隔が小さくなるように少なくとも一方を他方に向けて移動させ該刃物によりほぼ円柱状の原木を切削する際、
前記鉋台に対する駆動回転体の位置を、同じく前記刃先付近の原木外周へは動力を供給することが可能な深さ突刺するが前記案内部材の箇所を通過する単板を若干突刺又は突刺しないことで単板がはがし部材の当接面に当接されても単板に繊維方向への実質的な割れが形成されない第2位置に待機させ、
次に切削により原木の半径が予め設定された値になると、切削用刃物の刃先付近の原木外周へは動力を供給することが可能な深さ突刺し且つ前記案内部材の箇所を通過する単板を十分に突刺することで単板がはがし部材の当接面に当接されて、単板に繊維方向への実質的な割れが形成される第1位置に移動待機させるベニヤレースによる円柱状原木の切削方法。 - 第2位置に移動待機している駆動回転体を、切削されて減少する原木の半径に応じて鉋台に対し原木側に順次移動させる請求項3又は5乃至7記載のベニヤレースによる原木の切削方法。
- 駆動回転体を第2位置に移動待機させ、次いで予め鉋台に対し原木側に所定量移動させた状態で切削する請求項3又は5乃至7記載のベニヤレースによる原木の切削方法。
- 鉋台と支持部材との間隔が小さくなるように少なくとも一方を他方に向けて移動させ該刃物により原木を切削する際、支持部材により原木を支持し回転させた状態で行う請求項1乃至8項記載のベニヤレースによる原木の切削方法。
- 切削用刃物と、
切削用刃物の刃先線とほぼ平行に備えられ、周囲に多数の突刺体を有する駆動部材を軸中心線方向に間隔をおいて多数配置して構成された駆動回転体と、
前記駆動部材を回転駆動させる駆動機構と、
前記駆動回転体の駆動部材の複数の該間隔で、原木外周を加圧する位置に設けられたプレッシャー部材と、
切削用刃物により切削された単板を駆動部材に沿って案内する案内部材と、
該案内部材の該駆動回転体回転方向下手側に位置し、該突刺体の先端を結ぶ仮想円と交差する面に単板を当接させることで該突刺体から単板をはがすはがし部材とが各々鉋台に設けられ、
更には原木を回転自在に支持する支持部材を設けたベニヤレースにおいて、
前記鉋台に対する駆動回転体の位置を、切削用刃物の刃先付近の原木外周へは動力を供給することが可能な深さ突刺し且つ前記案内部材の箇所を通過する単板を十分に突刺することで単板に繊維方向への実質的な割れが形成される第1位置と、同じく前記刃先付近の原木外周へは動力を供給することが可能な深さ突刺するが前記案内部材の箇所を通過する単板を若干突刺又は突刺しないことで単板に繊維方向への実質的な割れが形成されない第2位置とに移動待機させる移動機構を備えたベニヤレース。
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