JP4051084B2 - ベニヤレースでの原木切削方法およびベニヤレース - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、回転する原木を刃物により切削してベニヤ単板(以下単板という)を得る、原木の切削方法及び装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、原木からの単板取得率を大とするために、両木口に当接させたスピンドルにより回転する原木を支持した状態で、刃物を備えた鉋台を原木に向けて移動させ原木を切削し、遅くとも原木の半径が所定の値となるまでに、原木の周面にロールを当接させ以後半径が小さくなる原木の周面に追従して移動させ、該所定の半径となるとスピンドルを該木口より離し、原木の半径がスピンドルより小となるまで更に切削を継続することは、例えば、特開平4−65201号公報に記載されている。
この装置では、一部断面図となっている側面説明図である図1、図1の一点鎖線A−Aより矢印方向を見た部分平面説明図である図2、及び図2の一点鎖線B−Bより矢印方向を見た部分側面説明図である図3に示す様に構成されている。
即ち鉋台4には、刃物2に相対し、鉋台4の進行する方向と直交する方向に配置された回転軸5に、例えば周囲に多数の突刺体3aを備えた突刺ロール3を所定間隔で固定して設け、隣り合う突刺ロール3の間にノーズバー10を設けてある。また、図1では省略してあるが図2に示すように、回転軸5の両端部5aには、鉋台4に固定され両端部5aを回転自在に支持する軸受6と、軸受6の前記直交方向の外側で該両端部に固定されたスプロケット(図示せず)に掛け渡されたチェーン8が配置されている。
尚、チェーン8がノーズバー台9上に固定されたモータ7により駆動走行させられている。
【0003】
このような装置で以下の様に切削を行う。
原木1の周面に凹部がある間は、スピンドルSで原木1の両木口を支持し鉋台4を原木1に向けて移動させて刃物2により切削を行う。切削が進み原木1がほぼ真円となると、制御器の制御によりロール28及びロール34を原木1の周面に当接させ且つ以後鉋台4の移動速さと同じ速さでロール28を水平方向に、ロール34を垂直上方に移動させる様に制御する。次いで原木1の半径が予め設定された値となると、スピンドルSを原木1から離し、ロール28及びロール34と鉋台4とにより原木1を支持しつつ刃物2により切削することで、スピンドルSが障害とならずより小さな半径となるまで原木1を切削することができるのである。
この装置では生産性を上げるために、原木1の切削を中断することなくスピンドルSを原木1から離すべく、切削が進み鉋台4がスピンドルSの回転中心から所定距離の位置に至ると、スピンドルSを以下の様に後退させている。
即ち鉋台4が図2で実線で示すスピンドルSの位置に到達する前に、スピンドルSは、二点鎖線で示す位置S1まで後退していなければならない。そこでスピンドルSが後退を開始しS1の位置に到達するために要する時間をT1、スピンドルSが後退を開始した時点での鉋台4の位置において、鉋台4に備えられ軸受6又はチェーン8が掛け渡されたスプロケット9の進行方向の先端(以下鉋台4の先端という)とスピンドルSの回転中心との間の距離をxとすると、距離xは、該位置から進行した鉋台4の先端が時間T1経過後に図2に実線で示したスピンドルSの位置に到達しないような距離とする必要がある。
そこで上記装置では、鉋台4の先端がスピンドルSの回転中心との間隔がxとなると、制御装置からの制御信号によりスピンドルSの後退を開始させ、平面説明図である図4及び図4の一点鎖線C−Cより矢印方向を見た部分側面説明図である図5に示す様に原木1が更に小径となるまで切削を行っている。
【0004】
【発明が解決すべき課題】
しかるに前記の様に制御されるベニヤレースにおいて、鉋台4の先端が該距離xの位置に到達した時、原木1が図6に示す様に周囲にまだ凹部1aがある場合、この状態でスピンドルSを原木1から離すと、次のような問題が生じる。即ち、回転する原木1はロール28及びロール34と鉋台4とにより支持されることになるが、例えば回転する原木の凹部1aの箇所がロール28の箇所を通過する際、ロール28と原木1との間に隙間が生じ、原木1の回転中心が一点定まらず水平方向に移動してしまい、原木1を切削して得られた単板の厚みが設定した値より小さくなって使用不能となったり原木1の切削ができなくなり、大きく歩留りを低下させてしまうのであった。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明は上記課題を解決するために、ベニヤレースにおいて、両木口に当接させたスピンドルにより回転する原木を支持した状態で、刃物を備えた鉋台を原木に向けて移動させ原木を切削し続け、遅くとも鉋台が第1の位置に到達するまでに、原木の周面に適数個のロールを当接させ以後該ロールを半径が小さくなる原木の周面に追従して移動させ、鉋台が前記第1の位置に到達した時、原木の周面に所定以上の凹部の有無を判断し、所定以上の凹部が有る場合、スピンドルを前記木口に当接させた状態で切削を続け、鉋台が第2の位置に到達すると、鉋台及びロールの移動を中止し次いでスピンドルを両木口から離し鉋台の進行の妨げとならぬ位置まで後退させた後、再び鉋台及びロールの移動を開始し原木の切削を行い、鉋台が第3の位置に到達すると、鉋台及び該ロールの移動を停止して切削を終了し、所定以上の凹部が無い場合、スピンドルを前記木口から離れて鉋台の移動方向と直交する方向に後退を開始させ、鉋台が第3の位置に到達すると、鉋台及び該ロールの移動を停止して切削を終了するものである。
また装置として、作動部材を有し、進退自在に備えたスピンドルと、これらスピンドルに対し作動部材により往復動自在の、刃物を備えた鉋台と、鉋台のスピンドルに対する位置を検出する鉋台位置検出装置と、作動部材により原木の周面に当接及び隔離自在で且つ当接後切削につれて半径が小さくなる原木の周面に追従して移動する適数個のロールと、原木の周面に所定以上の凹部の有無を判断する判断装置と、前記スピンドルにより支持される原木に向かって移動する鉋台が遅くとも第1の位置に到達するまでに、適数個のロールを原木の周面に当接させ且つ以後前記原木の周面に追従して移動させ、また前記検出装置から鉋台が第1の位置に到達したことが検出された時、判断装置から前記凹部が有る信号が出されると、新たな作動信号は出さず、鉋台が第2の位置に到達したことが前記検出装置により検出されると、鉋台及びロールの移動を中止し次いでスピンドルを両木口から離し鉋台の進行の妨げとならぬ位置まで後退させた後、再び鉋台及びロールの移動を開始させ原木の切削を行い、鉋台が第3の位置に到達したことが前記検出装置により検出されると、鉋台及び該ロールの移動を停止し、一方、前記検出装置から鉋台が第1の位置に到達したことが検出された時、判断装置から前記凹部が無い信号が出されると、スピンドルを前記木口から離して鉋台の移動方向と直交する方向に後退を開始させ、次いで鉋台が第3の位置に到達すると、鉋台及び該ロールの移動を停止させる様に各作動部材を制御する制御機構を備えるものものである。
上記で「原木の周面に適数個のロールを当接させ以後該ロールを半径が小さくなる原木の周面に追従して移動させ」るということは、鉋台に備えた刃物の刃先と適数個のロールの各々の周面とが、スピンドルを中心としほぼ等距離の位置、厳密には刃物の刃先を通り単板の厚さを考慮したアルキメデスのスパイラル曲線上に前記ロールの各々の周面がある様に各ロールを移動させ、以後鉋台の移動につれて変化する前記スパイラル曲線上に同様に前記ロールの各々の周面がある様に各ロールを移動させることを言う。
尚、第1の位置、第2の位置及び第3の位置とは、以下に規定される位置を言う。
第1の位置:移動する鉋台が第1の位置に到達した時に、スピンドルが前記木口から離れて鉋台の移動方向と直交する方向に後退を開始し、次いで鉋台がスピンドルの位置に移動した時、スピンドルが鉋台の移動の妨げとならない位置まで後退してしまうような位置。
第2の位置:第1の位置より原木側の位置で、鉋台の原木側の先端が、前記木口に当接された状態のスピンドルに接触しない位置。
第3の位置:原木の切削を終了する位置。
また、以下の様に構成しても良い。
即ち、各々作動部材を有し、進退自在に備えた中央のスピンドルと該中央のスピンドルの外側に少なくとも1重に備えたスピンドルと、これらスピンドルに対し作動部材により往復動自在の、刃物を備えた鉋台と、鉋台のスピンドルに対する位置を検出する鉋台位置検出装置と、作動部材により原木の周面に当接及び隔離自在で且つ当接後切削につれて半径が小さくなる原木の周面に追従して移動する適数個のロールと、原木の周面に所定以上の凹部の有無を判断する判断装置と、前記スピンドル群により支持される原木に向かって移動する鉋台が遅くとも第1の位置に到達するまでに、適数個のロールを原木の周面に当接させ且つ以後前記原木の周面に追従して移動させ、且つ原木が前記中央のスピンドルと1重に備えたスピンドルとだけにより支持された状態とし、また前記検出装置から鉋台が第1の位置に到達したことが検出された時、判断装置から前記凹部が有る信号が出されると、各部材を同様に移動させ、鉋台が第2の位置に到達したことが前記検出装置により検出されると、鉋台及びロールの移動を中止し次いで1重のスピンドルだけを両木口から離し鉋台の進行の妨げとならぬ位置まで後退させた後、再び鉋台及びロールの移動を開始させ原木の切削を行い、鉋台が第3の位置に到達したことが前記検出装置により検出されると、鉋台及び該ロールの移動を停止し、一方、前記検出装置から鉋台が第1の位置に到達したことが検出された時、判断装置から前記凹部が無い信号が出されると、1重のスピンドルだけを前記木口から離して鉋台の移動方向と直交する方向に後退を開始させ、次いで鉋台が第3の位置に到達すると、鉋台及び該ロールの移動を停止させる様に各作動部材を制御する制御機構を備える。
上記で第1の位置、第2の位置及び第3の位置とは、以下に規定される位置を言う。
第1の位置:移動する鉋台が第1の位置に到達した時に、1重のスピンドルが前記木口から離れて鉋台の移動方向と直交する方向に後退を開始し、次いで鉋台が1重のスピンドルがあった位置に到達した時、1重のスピンドルが鉋台の移動の妨げとならない位置まで後退してしまうような位置。
第2の位置:第1の位置より原木側の位置で、鉋台の原木側の先端が、前記木口に当接された状態の1重のスピンドルに接触しない位置。
第3の位置:第2の位置より原木側の位置で、鉋台の原木側の先端が、前記木口に当接された状態の中央のスピンドルに接触しない位置。
上記で「原木の周面に適数個のロールを当接させ以後該ロールを半径が小さくなる原木の周面に追従して移動させ」るということは、同様に前記のことを意味する。
【0006】
【発明の実施の形態】
次の本発明の実施の形態を説明する。
本実施の形態では、先に従来技術として述べた図1に示した装置を用いて説明する。
即ち、断面図となっている側面説明図である図1に示すように、原木1の軸心方向へ進退自在に備えた一対のスピンドルSと、該スピンドルSにより回転自在に支持された原木1を切削する刃物2と突刺ロール3を備えた鉋台4からなるベニヤレースにおいて、突刺ロール3及びその関連部材は次のように構成されている。
即ち、前記の図1、図2、及び図3に示す様に、突刺ロール3は周囲に突刺体3aを有する円盤状であり、回転軸5に対し回転軸5の軸中心線方向に所定間隔で多数固定されている。
これら隣り合う突刺ロール3の間には、プレッシャーバーとしてのノーズバー10が、上端を鉋台4と一体となっているノーズバー台9に固定された状態で備えられている。
回転軸5はその両端部5aを、図2のように、ノーズバー台9に固定された軸受6により回転自在に支持され、更に両端部5aの外側にはスプロケット(図示せず)を固定し、ノーズバー台9上に設けたモータ7の動力を一方向クラッチ(図示せず)を介して伝達するためのチェーン8が掛け渡されることで、突刺ロール3は図2の矢印で示す方向に常時回転させられている。
【0007】
鉋台4には、第1移動機構として図1に示す様に、後述する鉋台4の移動方向と直交する方向に間隔をあけて2箇所のめねじ(図示せず)を形成し、各めねじには、図示はしないがベニヤレースの一部である基台11回転自在に保持された状態のねじ14を挿通して備える。また原木の半径を検出する原木径検出機構として、ねじ14には、ねじ14の回転数を計測することで原木1の回転中心と鉋台4の位置との間の距離を検出するためのロータリエンコーダ等から成る検出器15を設け、ねじ14を回転させるためのサーボモータ等から成る可変速駆動源16を備える。
これら構成において、後述する制御機構20の制御に基き両ねじ14が可変速駆動源16によって一体的に回転させられることで、鉋台4は任意速さ又は所定速さを以って基台11の底面の上を図1の矢印で示す水平方向に移動させられる。
【0008】
一対のスピンドルSは基台11に設けられ、スピンドル作動機構としての油圧シリンダ(図示せず)により原木1に対し往復動自在とし、該スピンドルSには、図1に示す様に、スピンドルSの単位時間当たりの回転数を計測するための回転数計測機構としてのロータリエンコーダ等から成る回転計測器17、スピンドルSを回転駆動させる直流電動機等から成る可変速駆動源18等によって構成したセンター駆動装置を設ける。これら構成でスピンドルSは、鉋台4が原木に向かって移動することで刃物2により切削され原木1の直径が減少しても、常に同じ周速で原木1が回転し刃物2で切削され単板Tが得られる様に、検出器15からの信号を受けた後述する制御機構20により、原木1の回転中心と鉋台4との距離に関連して回転数が増大する様に制御され、原木軸芯部へ原木1の切削に必要な動力の一部を供給する。
【0009】
スピンドルSを中心として鉋台4と反対側で歩送りねじ14と相対する位置には、第2移動機構として図1に示す様に、同様に鉋台4の移動方向と直交する方向に間隔をあけて2本のねじ21を、図示はしないがベニヤレースの一部である基台23に回転自在に保持された状態で配置する。該2本のねじ21は、支持台22の、ねじ21と係合する様に形成された2個のめねじ(図示せず)に各々挿通されている。また各ねじ21には、ロータリエンコーダ等から成り原木1の回転中心と後述するロール28の周面との距離を検出する検出器25、サーボモータ等から成る可変速駆動源26を設けてあり、可変速駆動源26により回転させられるねじ21の作用により、支持台22は、矢印で示す様に水平に配置した基台23上を直線的に水平移動する様に案内される。
【0010】
一方、支持台22のスピンドルS側には、ロール28を軸受30(図2参照)を介して従動回転自在に設け、又支持台22の上面には、ロール28の周速を計測するために、回転数計測機構として軸が回転させられることで発生するパルスをカウントするパルス計数器29を固定し、ロール28とパルス計数器29とにタイミングベルト(図示せず)を掛け渡す。
パルス計数器29に伝達されたロール28の回転信号は制御機構20に伝達され、検出器15からの信号も用いることで後述する様に原木1の単位時間当たりの回転数を計測する。
これら構成において、後述する制御機構20の制御に基づき、ねじ21が可変速駆動源26によって一体的に回転させられることで、支持台22と共にロール28は任意速さ又は所定速さを以って図1の矢印で示す方向に移動させられる。またスピンドルSの下方には、支持台31をベニヤレースの一部である基台32に沿って上下動自在に設け、支持台31に軸受33(図4参照)を介してロール34を従動回転自在に設ける。この支持台31にも、支持台22と同様に、基台32に回転自在に備えたねじ35が設けられ、またロータリエンコーダ等から成り原木1の回転中心と後述するロール34の周面との距離を検出する検出器36、ねじ35を回転させるサーボモータ等から成る可変速駆動源37が設けてある。
【0011】
これら構成において、後述する制御機構20の制御に基づき、ねじ35が可変速駆動源37によって一体的に回転させられることで、支持台31と共にロール34は任意速さ又は所定速さを以って図1の矢印で示す方向に移動させられる。
一方、通常はOFFとなっており、運転者の手作業で押されている間ONの信号が送られる判定スイッチ41を制御機構に接続する。
この判定スイッチ41以外に、運転者が手動でON、OFFすることで、スピンドルSを前後動させる油圧シリンダ、モータ7、可変速駆動源16、18、26及び37を同時に又は単独に作動又は停止させる信号を出すスイッチ(図示せず)を設ける。
【0012】
以上の構成で、制御機構20は以下の様に各部材を制御する様に構成されている。
即ち、運転者によるスイッチ動作(以下スイッチ動作という)を受けて、鉋台4に備えた刃物2の刃先と支持台22に備えたロール28及びロール34の周面が、スピンドルSを中心としほぼ等距離の位置、厳密には単板の厚さを考慮したアルキメデスのスパイラル曲線上の位置にある様に、鉋台4、支持台22及び支持台31を待機させる。
この状態で、同じくスイッチ動作によりモータ7を作動させて突刺ロール3を回転させ且つ可変速駆動源18を作動させ原木1の両木口を支持したスピンドルSを回転駆動させて原木1を回転させる。回転計測器17により算出されたスピンドルS即ち原木1の単位時間当たりの回転数の信号を受け、制御機構20は、この信号を基に切削される単板の厚さを希望する一定の値とするべく原木1の1回転当たりに鉋台4、支持台22及び支持台31が原木1に向かって移動する量が一定となるように、可変速駆動源16、26及び37へ作動信号(以下第1作動信号という)を伝達する。
尚、上記鉋台4、支持台22及び支持台31の移動中、ロール28が原木1の回転により従動回転することで、原木1の周速がパルス計数器29により得られ、この信号と検出器15から得られ順次変化する原木1の回転中心と鉋台4の位置との間の距離の信号とにより、制御機構20で予め設定された微小時間毎に原木1の単位時間当たりの回転数を算出し、この回転数に対し切削される単板の厚さを一定とするべく原木1の1回転当たりに鉋台4、支持台22及び支持台31が原木1に向かって移動する量が一定となるような信号(以下第2作動信号という)を算出するが、この時点ではまだ第1作動信号が可変速駆動源16、26及び37へ発信されており、第2作動信号は発信されない。
【0013】
上記状態から切削が進み、検出器15からの信号により、原木1の回転中心と前記の鉋台4の先端との間隔が、図2に示す様に、前記設定されたxとなる位置(以下第1の位置という)に至ったことが検出されると、制御機構20はブザー音を出す。
また制御機構20は、ブザー音を出した後の設定された数秒の時間内に判定スイッチ41がOFFのままであると、最初に、可変速駆動源16、26及び37に発信されていた第1作動信号を、第2作動信号へと切り換え、第2作動信号により同様に鉋台4、支持台22及び支持台31の移動を継続する。次にこの第2作動信号による鉋台4、支持台22及び支持台31の移動を継続した後に、スピンドルSを後退させ原木1から離す信号を、前記油圧シリンダに出す。
更に鉋台4、支持台22及び支持台31が移動し鉋台4が予め設定された第3の位置に至ると、制御機構20は、可変速駆動源16、26及び37を停止させまた若干遅れてモータ7の回転を停止する信号出す。
【0014】
一方、前記ブザー音を出した後の設定された数秒の時間内に判定スイッチ41がONとなると、この時点では制御機構20は新たな作動信号は出さない。
次いで、原木1の回転中心と前記の鉋台4の先端との間隔がスピンドルSの半径より若干大きい値となる予め設定された位置(以下第2の位置という)に至ったことが検出器15からの信号により検出されると、可変速駆動源16、26及び37作動を停止する信号を出す。
前記可変速駆動源16、26及び37停止する信号を出してから数秒後に、可変速駆動源18の作動を停止する信号及びモータ7の回転を停止する信号を出し、次いでスピンドルSを後退させる信号を前記油圧シリンダに出す。更にスピンドルSが鉋台4の移動に障害とならない位置まで後退するために必要な時間が経過した後に、モータ7を再び回転駆動させ且つ第2作動信号を可変速駆動源16、26、37に出す。
次いで鉋台4が予め設定された第3の位置に至ると、前記OFFの場合と同様に制御機構20は、可変速駆動源16、26、37及びモータ7を停止する信号を出す。
【0015】
発明の実施形態は以上の様に構成するもので、次の様に原木1の切削が行われる。
図1に示す様に、運転者の手入力によるスイッチ信号を受けた制御機構20からの作動信号により、刃物2の刃先と支持台22に備えたロール28及びロール34の周面が、スピンドルSを中心としほぼ等距離の位置、厳密には単板の厚さを考慮したアルキメデスのスパイラル曲線上の位置にある様に、鉋台4、支持台22及び支持台31を移動させ待機させ、且つモータ7を駆動させ突刺ロール3を図3に矢印で示す方向に回転させる。次いで、同じく運転者の手入力によるスイッチ信号を受けた制御機構20からの作動信号により、油圧シリンダを作動させスピンドルSを原木1の両木口に当接させ支持した後に可変速駆動源18を作動させてスピンドルSを回転させる。このスピンドルSの回転は回転計測器17により測定され、回転計測器17の信号を受けた制御機構20からの第1作動信号により、可変速駆動源16、26及び37が作動させられ、鉋台4、支持台22及び支持台31が原木1の1回転当たりに原木1に向かって移動する量が一定となるように移動する。
【0016】
やがて鉋台4側では突刺ロール3の突刺体3a及びノーズバー10が、また支持台22側ではロール28が、支持台31側ではロール34が原木1の周面に当接され、突刺ロール3、スピンドルSから動力が原木1に供給され、図3に示す様に、刃物2により切削され単板Tが得られる。
ロール28は回転する原木1への圧接により従動回転させられ、前述の様に、原木1の周速がパルス計数器29により得られ、この信号と検出器15からの信号とにより制御機構20は第2作動信号を算出するが、この時点ではまだ第1作動信号が可変速駆動源16、26及び37へ発信されており、第2作動信号は発信されない。
【0017】
この状態で切削が進み、検出器15からの信号により、鉋台4が第1の位置に至ったことが検出されると、制御機構20からブザー音が出される。
このブザー音を聞いた後に、運転者は切削中の原木1を目視により、スピンドルSを原木1の木口から離し原木1を鉋台4の刃物2、突刺ロール3及びノーズバー10と、ロール28及び34とで支持して切削した場合に得られた単板の厚みが設定した値より小さくなって使用不能となったり切削ができなくなるような凹部が、原木1の周面に残っているか否かを確認する。
図7に示す様に、原木1に上記のような凹部1aが残っていると判断すると、運転者は判定スイッチ41を押す。この判定スイッチ41からの信号を受けた制御機構20は、新たな作動信号は出さないので、鉋台4が第1の位置の到達する前と同じ状態で、鉋台4、支持台22及び支持台31が移動し、原木1の切削が継続される。
次いで鉋台4が第2の位置に至ったことが検出器15により検出されると、この信号を受けた制御機構20からの信号により、鉋台4、支持台22及び支持台31の移動が停止し、若干遅れてスピンドルSの回転及び突刺ロール3の回転が停止する。
その結果、鉋台4が第1の位置に至った時に原木1の周面にあった凹部は、原木1がスピンドルSに支持された状態で、第2の位置に鉋台4が移動する過程での刃物4による切削で殆ど無くなり、図8に示す様に、鉋台4が第2の位置に到達すると原木1はほぼ円柱状となっている。
【0018】
次いで制御機構20からの信号によりスピンドルSを原木1から離しスピンドルSが鉋台4の移動に障害とならない位置まで後退した後に、モータ7が再び回転駆動させられ且つ第2作動信号により鉋台4、支持台22及び支持台31が原木1へ向かって移動を再開し、原木1が突刺ロール3により回転させられ刃物4による切削が行われる。
この切削で原木1は、鉋台4の刃物2、突刺ロール3及びノーズバー10と、支持台22のロール28との間で保持されるが、この時点では前記の様に原木1の周面に凹部が殆どないので、原木1の回転中心がほぼ定位置に保たれ、刃物4で切削された単板Tの厚さが設定した厚さより薄くなる等の問題が生じない。
更に切削が進み、鉋台4が図4で示す第3の位置に至ったことが検出器15により検出されると、制御機構20は、可変速駆動源16、26、37及びモータ7を停止する信号を出し、鉋台4、支持台22及び支持台31が停止しまた突刺ロール3の回転が停止することで切削を終了する。
次いで運転者の手動によるスイッチ動作により、鉋台4、支持台22及び支持台31がこれまでの移動方向と逆方向に後退移動する様に、可変速駆動源16、26、37を作動させることで、残った原木1は落下排除され、以下新たに原木を供給し同様に切削を行う。
【0019】
一方、前述の鉋台4が第1の位置に至り、制御機構20からブザー音が出されて運転者は切削中の原木1を目視により確認し、図3に示した様に前述のような凹部が残っていないと判断した場合、運転者は判定スイッチ41を押さない。
そこで制御機構20は最初に可変速駆動源16、26、37を作動させるために用いていた前記第1作動信号を、前記第2作動信号へと切り換え、同様に鉋台4、支持台22及び支持台31の移動を継続する。次いで制御機構20からの作動信号により、油圧シリンダを作動させスピンドルSを原木1から離し後退を開始しさせる。このスピンドルSが鉋台4の移動の妨げとならない位置まで後退するために所定の時間を要するが、第1の位置が前述の様に設定してあるので、鉋台4が移動し続けてもスピンドルSに当たることはない。
またスピンドルSが原木1から離れると原木1は鉋台4の刃物2、突刺ロール3及びノーズバー10と、支持台22のロール28との間で保持されるが、原木1には前述のような凹部が残っていないので、同じく原木1の回転中心がほぼ定位置に保たれ、刃物4で切削された単板Tの厚さが設定した厚さより薄くなる等の問題が生じない。
【0020】
更に切削が進み、同様に図4で示す鉋台4が第3の位置に至ると、制御機構20からの信号で、鉋台、支持台22及び支持台31が停止しまた突刺ロール3の回転が停止することで切削を終了する。
次いで運転者の手動によるスイッチ動作により、同じく鉋台4、支持台22及び支持台31がこれまでの移動方向と逆方向に後退移動させ、残った原木1を落下排除し、以下新たに原木を供給し同様に切削を行う。
【0021】
以上本発明の実施の形態を説明したが、以下の様に変更しても良い。
1、上記実施の形態で、鉋台4が第1の位置に到達した際に、原木1の周面に、前記のような凹部が残っているか否かを運転者が確認し、各々場合に対応して判定スイッチ41をON又はOFFとしたが、該凹部を単板検知部材により自動的に検知し該検知信号を受けた制御機構により各部材の作動を制御しても良い。
即ち例えば次の様に構成する。
原木1の周面に凹部がある場合、切削された単板Tには平面説明図である図9に示す様に、穴部Taや切欠部Tbがある。
そこでベニヤレースの直後に、矢印の方向に回転駆動されるロール50と従動ロール(図示せず)とに掛け渡され単板Tを搬送する2本のベルト51を配置し、ベルト51の単板T搬送方向下手側には、周速がベルト51と同じ速さで矢印の方向に回転駆動されるロール52を備える。このロール52の上方には、図9の側面説明図である図10に示す様に、下側先端に従動回転自在のロール53を有し軸54を中心として回動自在のアーム55を設ける。
アーム55の上方には、ロール53の下に単板Tがない時はロール53がロール52に接触しこの状態ではアーム55の上端により押されスイッチONとなり、またロール53の下を設定された厚さの単板Tが通過するとロール53が持ち上げられアーム55が矢印で示す様に反時計回りに所定量回動させられ、アーム55の上端が離れることでOFFとなるマイクロスイッチ56を配置する。このように備えた単板検知部材57を、図9に示す様に単板搬送方向と直交する方向に例えば4組並べて配置する。
この4組の単板検知部材57のマイクロスイッチ56からのON、OFF信号を制御機構20へ伝達し制御機構20内で、鉋台4が第1の位置に到達した際に、次の様に判別し、対応する作動信号を出し原木1の切削を行う。
【0022】
即ち、第1の位置での切削中の原木1の1回転に要する時間において、4個のマイクロスイッチ56の1個でもONとなったことが制御機構20に伝達されると、このことは原木1の周面に凹部があることを意味するが、前記発明の実施の形態で制御機構20からブザー音が出され運転者が判定スイッチ41を押した場合と同様に、制御機構20は、以後の各部材の作動を制御する信号を出し、第2の位置で鉋台4を一旦停止させ、次いでスピンドルSの回転を停止し且つスピンドルSを後退させる等の動作を行い原木1の切削を行う。
一方、同じく第1の位置での切削中の原木1の1回転に要する時間において、4個のマイクロスイッチ56の全てがOFFであり続けたことが制御機構20に伝達されると、このことは原木1の周面に凹部がないことを意味するが、前記発明の実施の形態で制御機構20からブザー音が出され運転者が判定スイッチ41を押さなかった場合と同様に、制御機構20は、以後の各部材の作動を制御する信号を出し、鉋台4を停止させることなくスピンドルSを後退させる等の動作を行い原木1の切削を行う。
【0023】
2、単板検知部材としては、発光ダイオードから発せられた光が、設定された位置に物体が有る時だけ反射され、該反射された光を受光素子により検出する限定反射型光電スイッチを用いても良い。
即ち、切削され小径化する原木の周面と常に等間隔の位置を保つ様移動する移動台(図示せず)に、該移動台の移動方向と直交する方向に間隔をおいて複数個の限定反射型光電スイッチを設け、鉋台が第1の位置に至った時、原木の周面を限定反射型光電スイッチにより検知し、検知した信号を制御機構20に伝達する様にしても良い。
3、前記発明の実施の形態では、スピンドルSを原木1から離し場合に、原木を支えるロールとして、ほぼ水平に移動するロール28とほぼ垂直に移動するロール34とを示したが、次の様に構成しても良い。
即ち、図1で示した支持台22に、ロール28に代えて、ロール28と同様に従動回転自在の2個の例えば直径が120mmのロール61、62を、図11に示す様に、原木1の回転中心を通る水平仮想線D−Dに対し周面が上下に15mm離れた位置となる様に設け、ロール34は使用しない。
この2個のロール61、62の周面を、ロール28と同様に、鉋台4に備えた刃物2の刃先とスピンドルSを中心としほぼ等距離の位置、厳密には単板の厚さを考慮したアルキメデスのスパイラル曲線上の位置にある様に待機させ、前記発明の実施の形態と同様に切削を行うのである。
尚、ロール61、62の一方にはロール28と同様にパルス計数器29を設けて原木1の周速を測定し、原木1からスピンドルSを離した場合に、切削される単板の厚さを一定とするべく鉋台4及び支持台22を移動させるための信号として用いる。
前記発明の実施の形態では、原木1を更に小径となるまで切削しようとすると図5から明らかな様に、ロール34が鉋台4の進行を妨げることになるが、前記のようなロール61、62を用いた構成では、図11からも明らかな様にロール61、62が鉋台4の進行を妨げることはなく、更に小径となるまで原木1を切削することができる。
【0024】
4、前記発明の実施の形態では、鉋台4に原木1を回転させるために突刺ロール3を用いたが、図11に示す様に、周面が滑らかなディスク状の回転体63を回転軸5に固定し、回転体63から摩擦力により原木1に回転力を伝達しても良い。
5、同じく原木1を回転させるために鉋台4に設けるロールとしては、図12に示す様に、ホルダー64に保持されモーター(図示せず)により回転駆動させられるローラーバー65でも良い。
6、鉋台4には原木1を回転させるための突刺ロール3、回転体63及びローラーバー65を用いず、プレッシャーバーとしての例えばノーズバーだけを備えても良い。ただこの場合は、原木1からスピンドルSを離した時に原木1を回転駆動する部材として、原木1に当接されるロール、例えばロール61、62のパルス計数器29を設けなかったロールをモータにより回転駆動させる様にする。この場合、該ロールの周面に、原木1への動力の伝達を確実にするため、突刺ロール3と同じように突起部を設けても良い。
7、前記発明の実施の形態では、単体のスピンドルSを用いたが、中央のスピンドルの周囲に円筒状の一重又は二重以上の複数のスピンドルを設け、原木が切削され小径となるに対応して順次外側のスピンドルを原木から離し後退させる構造のスピンドルであっても良い。
又側面説明図である図13及び図13を左から見た正面説明図である図14に示す様に、先端に爪部71aを有する中央のスピンドル71の周囲に例えば1重の先端に爪部72aを有するスピンドル72を設けた所謂ダブルスピンドルにおいて、スピンドル71の直径を小さく例えば40mmとし、該スピンドル71は原木1の回転状態を検出するために切削終了時まで原木1に当接させておくベニヤレースでも本発明は実施できる。
即ち、この様なベニヤレースでは、当初は図15に示す様にスピンドル71、及び72を原木1に当接させて切削を行い、切削され原木の半径が小さくなるとスピンドル72を図16に示す様に原木1から離しスピンドル71だけで、原木1を支持しスピンドル71に鉋台の先端が当たらない範囲で原木が最小径となるまで切削する。
しかるに、前記の様に直径が小さいスピンドル71は外力により撓み易く、原木1の回転中心を定位置に保つことができないので、この様なベニヤレースでも、前記発明の実施の形態と同様に、原木1の周面に当接させるロール、例えばロール28、34を設けてある。
以上のベニヤレースにおいて、スピンドル71の半径を前記発明の実施の形態でのスピンドルSの半径に置き換えて前記第1の位置及び第2の位置に相当する位置を設定し、また第3の位置はスピンドル71に鉋台の先端が当たらない最小の位置を設定する。
上記のベニヤレースにおいて、原木1が切削され鉋台が第1の位置に至ると、前記発明の実施の形態と同様に、原木1に前記凹部が有るか否かを運転者または前記自動的に検出し、凹部が有れば切削を継続し鉋台を第2の位置で停止させ、スピンドル72だけを、図16に示す様に、原木1から離し鉋台の移動の妨げとならない位置まで後退させ、原木1の木口にはスピンドル71だけを当接させた状態とする。次いで鉋台を移動させ切削を行い、鉋台が第3の位置に至ると鉋台を停止させ、切削を終了する。また鉋台が第1の位置に至った際、前記凹部がなければ、切削を継続しつつスピンドル72だけを原木1から離し後退させ始め、鉋台が第2の位置を通過し第3の位置に至ると鉋台を停止させ、切削を終了するのである。
尚、スピンドル71には動力を与えて回転させても良く、また従動回転自在としても良い。
又、スピンドルとしては、スピンドル71の周囲に2重にスピンドルを備えたタイプのものでも良い。
8、前記発明の実施の形態では、原木1に前記凹部1aが残っている場合、鉋台4が第1の位置へ到達した後も原木1の切削が継続され、鉋台4が第2の位置に至ると、鉋台4、支持台22及び支持台31の移動が停止し、若干遅れてスピンドルSの回転及び突刺ロールの回転を停止させたが、次の様に行っても良い。
即ち、原木1に前記凹部1aが残っている場合、鉋台4が第1の位置を通過後第2の位置に至ると、鉋台4、支持台22及び支持台31の移動は停止し、また突刺ロールの回転を停止するが、スピンドルSは回転させ続ける。この状態で原木1はほぼ円柱状となっているが、次いで制御機構20からの信号により回転しているスピンドルSを原木1から離しスピンドルSが鉋台4の移動に障害とならない位置まで後退した後に、再び鉋台4、支持台22及び支持台31を原木に向けて移動させ以下同様に切削を行うのである。
【0025】
9、本発明において、原木の周面に存在する凹部が比較的小さいものであれば、スピンドルを原木から離して適数個のロールと鉋台とにより原木を支持しつつ切削しても良く、要は、適数個のロールと鉋台とにより原木を支持しつつ切削した場合に、得られた単板の厚みが設定した値より小さくならず、また切削が不可能とならない様な凹部は、凹部が無いと判断して良い。それ故、図9及び図10で示した単板検知部材57の数を、単板搬送方向と直交する方向で増やしたり、1個の単板検知部材57がONであり続ける時間を制御機構20で計測して凹部の大きさを検出し、前記の凹部に相当するか否かを判別しても良い。
10、前記発明の実施の形態では、適数個のロールの一例であるロール28及びロール34を、原木の切削開始時から原木の周面の凹部の有無に関係なく、鉋台4に備えた刃物2の刃先と支持台22に備えたロール28及びロール34の周面が、前記スピンドルSを中心としほぼ等距離の位置にある様に待機させ、以後鉋台の移動に相対してロール28及びロール34を移動させたが、次の様にしても良い。
即ち、切削開始時はロール28及びロール34を原木から遠ざけておき、鉋台4だけを原木に向けて移動させ切削を行い、遅くとも鉋台4が第1の位置に至るまでに、移動中の鉋台4の刃先と支持台22に備えたロール28及びロール34の周面とが、前記スピンドルSを中心としほぼ等距離となる位置に移動させ、以後鉋台の移動に相対してロール28及びロール34を移動させる様にしても良い。
【0026】
【発明の効果】
本発明は以上の様に、原木の周面に凹部があっても、原木を切削して得られた単板の厚みが設定した値より小さくならず、また原木1の切削も良好に行うことができ、歩留りが向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】従来の装置の側面説明図である。
【図2】図1の一点鎖線A−Aより矢印方向を見た部分平面説明図である。
【図3】図2の一点鎖線B−Bより矢印方向を見た部分側面説明図である。
【図4】発明の実施の形態の作動説明図である。
【図5】図4の一点鎖線C−Cより矢印方向を見た部分側面説明図である。
【図6】発明の実施の形態の作動説明図である。
【図7】発明の実施の形態の作動説明図である。
【図8】発明の実施の形態の作動説明図である。
【図9】変更例の平面説明図である。
【図10】図9の側面説明図である。
【図11】変更例の側面説明図である。
【図12】変更例の側面説明図である。
【図13】変更例の側面説明図である。
【図14】図13の正面説明図である。
【図15】変更例の作動説明図である。
【図16】変更例の作動説明図である。
【符号の説明】
1・・原木
2・・刃物
3・・突刺ロール
4・・鉋台
20・・制御機構
28・・ロール
34・・ロール
57・・単板検知部材
61・・ロール
62・・ロール
S・・スピンドル
T・・単板
Claims (3)
- 両木口に当接させたスピンドルにより回転する原木を支持した状態で、刃物を備えた鉋台を原木に向けて移動させ原木を切削し続け、
遅くとも鉋台が第1の位置に到達するまでに、原木の周面に適数個のロールを当接させ以後該ロールを半径が小さくなる原木の周面に追従して移動させ、
鉋台が前記第1の位置に到達した時、原木の周面に所定以上の凹部の有無を判断し、
所定以上の凹部が有る場合、スピンドルを前記木口に当接させた状態で切削を続け、
鉋台が第2の位置に到達すると、鉋台及びロールの移動を中止し次いでスピンドルを両木口から離し鉋台の進行の妨げとならぬ位置まで後退させた後、再び鉋台及びロールの移動を開始し原木の切削を行い、
鉋台が第3の位置に到達すると、鉋台及び該ロールの移動を停止して切削を終了し、
所定以上の凹部が無い場合、スピンドルを前記木口から離れて鉋台の移動方向と直交する方向に後退を開始させ、鉋台が第3の位置に到達すると、鉋台及び該ロールの移動を停止して切削を終了するベニヤレースでの原木切削方法。
上記で第1の位置、第2の位置及び第3の位置とは、以下に規定される位置を言う。
第1の位置:移動する鉋台が第1の位置に到達した時に、スピンドルが前記木口から離れて鉋台の移動方向と直交する方向に後退を開始し、次いで鉋台がスピンドルの位置に移動した時、スピンドルが鉋台の移動の妨げとならない位置まで後退してしまうような位置。
第2の位置:第1の位置より原木側の位置で、鉋台の原木側の先端が、前記木口に当接された状態のスピンドルに接触しない位置。
第3の位置:原木の切削を終了する位置。 - 作動部材を有し、進退自在に備えたスピンドルと、
これらスピンドルに対し作動部材により往復動自在の、刃物を備えた鉋台と、
鉋台のスピンドルに対する位置を検出する鉋台位置検出装置と、
作動部材により原木の周面に当接及び隔離自在で且つ当接後切削につれて半径が小さくなる原木の周面に追従して移動する適数個のロールと、
原木の周面に所定以上の凹部の有無を判断する判断装置と、
前記スピンドルにより支持される原木に向かって移動する鉋台が遅くとも第1の位置に到達するまでに、適数個のロールを原木の周面に当接させ且つ以後前記原木の周面に追従して移動させ、
また前記検出装置から鉋台が第1の位置に到達したことが検出された時、判断装置から前記凹部が有る信号が出されると、新たな作動信号は出さず、
鉋台が第2の位置に到達したことが前記検出装置により検出されると、鉋台及びロールの移動を中止し次いでスピンドルを両木口から離し鉋台の進行の妨げとならぬ位置まで後退させた後、再び鉋台及びロールの移動を開始させ原木の切削を行い、鉋台が第3の位置に到達したことが前記検出装置により検出されると、鉋台及び該ロールの移動を停止し、
一方、前記検出装置から鉋台が第1の位置に到達したことが検出された時、判断装置から前記凹部が無い信号が出されると、スピンドルを前記木口から離して鉋台の移動方向と直交する方向に後退を開始させ、次いで鉋台が第3の位置に到達すると、鉋台及び該ロールの移動を停止させる様に各作動部材を制御する制御機構を備えたベニヤレース。
上記で第1の位置、第2の位置及び第3の位置とは、以下に規定される位置を言う。
第1の位置:移動する鉋台が第1の位置に到達した時に、スピンドルが前記木口から離れて鉋台の移動方向と直交する方向に後退を開始し、次いで鉋台がスピンドルの位置に到達した時、スピンドルが鉋台の移動の妨げとならない位置まで後退してしまうような位置。
第2の位置:第1の位置より原木側の位置で、鉋台の原木側の先端が、前記木口に当接された状態のスピンドルに接触しない位置。
第3の位置:原木の切削を終了する位置。 - 各々作動部材を有し、進退自在に備えた中央のスピンドルと該中央のスピンドルの外側に少なくとも1重に備えたスピンドルと、
これらスピンドルに対し作動部材により往復動自在の、刃物を備えた鉋台と、
鉋台のスピンドルに対する位置を検出する鉋台位置検出装置と、
作動部材により原木の周面に当接及び隔離自在で且つ当接後切削につれて半径が小さくなる原木の周面に追従して移動する適数個のロールと、
原木の周面に所定以上の凹部の有無を判断する判断装置と、
前記スピンドル群により支持される原木に向かって移動する鉋台が遅くとも第1の位置に到達するまでに、適数個のロールを原木の周面に当接させ且つ以後前記原木の周面に追従して移動させ、且つ原木が前記中央のスピンドルと1重に備えたスピンドルとだけにより支持された状態とし、
また前記検出装置から鉋台が第1の位置に到達したことが検出された時、判断装置から前記凹部が有る信号が出されると、各部材を同様に移動させ、
鉋台が第2の位置に到達したことが前記検出装置により検出されると、鉋台及びロールの移動を中止し次いで1重のスピンドルだけを両木口から離し鉋台の進行の妨げとならぬ位置まで後退させた後、再び鉋台及びロールの移動を開始させ原木の切削を行い、鉋台が第3の位置に到達したことが前記検出装置により検出されると、鉋台及び該ロールの移動を停止し、
一方、前記検出装置から鉋台が第1の位置に到達したことが検出された時、判断装置から前記凹部が無い信号が出されると、1重のスピンドルだけを前記木口から離して鉋台の移動方向と直交する方向に後退を開始させ、次いで鉋台が第3の位置に到達すると、鉋台及び該ロールの移動を停止させる様に各作動部材を制御する制御機構を備えたベニヤレース。
上記で第1の位置、第2の位置及び第3の位置とは、以下に規定される位置を言う。
第1の位置:移動する鉋台が第1の位置に到達した時に、1重のスピンドルが前記木口から離れて鉋台の移動方向と直交する方向に後退を開始し、次いで鉋台が1重のスピンドルがあった位置に到達した時、1重のスピンドルが鉋台の移動の妨げとならない位置まで後退してしまうような位置。
第2の位置:第1の位置より原木側の位置で、鉋台の原木側の先端が、前記木口に当接された状態の1重のスピンドルに接触しない位置。
第3の位置:第2の位置より原木側の位置で、鉋台の原木側の先端が、前記木口に当接された状態の中央のスピンドルに接触しない位置。
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