JP2005204778A - 可搬型医療機器、携帯通信装置、医療機器情報出力システム - Google Patents

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Abstract

【課題】 バッテリー駆動される可搬型医療機器を用いた医学的療法を実行する際、バッテリー切れや故障などでこの医療機器の運転が継続できない場合に迅速且つ適切な患者支援を行うための構成を提供する。
【解決手段】 酸素濃縮装置1との間で装着及び脱離が可能なメモリーカード1dに、メイン制御部14によってこの酸素濃縮装置1の運転情報や、故障時に最初に行うべき対処法であるファーストアクションの情報が保持蓄積されている。万が一、酸素濃縮装置1が停止した際に患者1bはメモリーカード1dを携帯電話機20に装着してこれら保持蓄積されていた情報を表示させたり、あるいは携帯電話機20の地理的位置情報とともにこれらの情報を支援センター24に送って適切な行動助言や支援を受ける。
【選択図】 図1

Description

本発明は、可搬型医療機器、携帯通信装置、医療機器情報出力システムに係り、特に、バッテリーを駆動源として患者が携行可能なように構成された可搬型の酸素濃縮装置を用いて在宅酸素療法を進める際に、この駆動バッテリーの出力電圧低下を含めた種々の運転トラブルに対し迅速且つ効果的に対処するための構成に関する。
従来、呼吸器疾患の患者に対して空気中の酸素を分離濃縮して酸素富化気体を得るための呼吸用気体供給装置(以下、酸素濃縮装置、あるいは酸素濃縮器ともいう)が開発され、それを用いた酸素療法が次第に普及するようになってきた。
斯かる酸素療法は患者が医療機関に入院しつつ実施される場合もあるが、患者の呼吸器疾患が慢性症状を呈し、長期に亘ってこの酸素療法を実行して症状の平静化、安定化を図る必要がある場合には、患者の自宅に上記の酸素濃縮装置を設置し、この酸素濃縮装置が供給する酸素富化された気体をカニューラと呼ぶ管部材を用いて患者の鼻腔付近まで導いて、患者が吸引を行う治療方法も行われている。この種の治療方法を特に、在宅酸素療法あるいはHOT(Home Oxygen Therapy)とも称する。
上記の在宅酸素療法は1985年に保険が適用されて以降、主に慢性閉塞性肺疾患(COPD)、肺結核後遺症を対象として処方が行なわれており、その患者数の概要はわが国においては人口10万人に対して60〜65人で、約8万人に上る(2000年時点)。またこの在宅酸素療法が患者の生命予後を改善する点も、旧厚生省呼吸不全班などから報告がなされている。このように在宅酸素療法が効果を奏する理由は、低酸素血症の改善に伴う肺循環動態の改善によるものと推察される。
上記の在宅酸素療法は、(1) 医師による患者の診察、(2) 診察に基づいてこの患者に対する処方を記した在宅酸素療法実行指示書の医師による発行、(3) この指示書に基づいて患者宅への酸素濃縮装置の設置、(4) 酸素濃縮装置を用いた酸素富化気体吸入の継続実行、(5) 定期的、例えば月に一度の通院時の診察、といったステップにて実行される。
上記の酸素療法に用いられる酸素濃縮器の典型的な構成は、例えば公知資料である特開平3−143451号公報にも記載があるように、患者の自宅など患者の居所に固定的に設置されて、家庭用商用電源、いわゆる100Vの交流コンセントから電力を供給されて呼吸用気体の生成その他の制御を行うものであった。
従って、この酸素濃縮器が供給する酸素富化気体を患者が吸入可能であるのは患者の自宅など居所に限られ、自宅から患者が外出する際には、上記の定期的な通院時を含めて、患者が携行する小型酸素ボンベから放散される酸素を吸入していた。
ところで、近年、酸素濃縮器の構成要素技術の改良進歩、及び、より外出の機会を多くして患者の体力向上を促し疾患の改善やQOL(生活の質)向上に寄与せんとするなどの意図のもと、患者の外出時においても空気中から分離した酸素を原料とする酸素富化気体を呼吸用に供給する目的で、駆動電力の蓄積手段たる2次電池を搭載し且つ各構成を小型軽量、低消費電力として構成した可搬型酸素濃縮器が提案されている。
例えば、公衆よりアクセスが可能なようにワールドワイドウェブ上に配置されたコンテンツである、“AirSep’s LifeStyle Portable Oxygen Concentrator Enters World Marketplace”http://www.airsep.com/pr_lifestyleglobalrelease1.htmには、米国ニューヨーク州バッファローに存するエアセップ・コーポレーションが、商品名「ライフ・スタイル」なる可搬型の酸素濃縮器の市場導入をアナウンスしたこと、この「ライフ・スタイル」は、その重量が4.5kg以下であり、毎分5リットル相当の流量まで設定操作可能であること、等が記載されている。
特開平3−143451号公報 "AirSep’s LifeStyle Portable Oxygen Concentrator Enters World Marketplace"http://www.airsep.com/pr_lifestyleglobalrelease1.htm
上記のように従来は家庭用交流電源を駆動源として患者宅など患者の居所に固定的に設置されるばかりであった酸素濃縮器がバッテリー駆動化及び小型軽量化が実現されたので、患者が帯同して外出時にも酸素療法の継続が可能となって医療の質が向上するとともに、患者の立場からも外出を含めた行動範囲が拡大し生活の質(Quality of life:QOL)が向上するメリットが期待される。そして上記のような酸素濃縮装置で見られた改善、向上は、他の医療機器においてもまた技術上の進歩により同様に実現が可能となるものである。
しかしながら、従来は患者宅に固定的に設置すればよかった医療機器がバッテリーにより駆動可能となり、また小型軽量化されることにより可搬型として構成されることで、以下のような新たな問題が顕在化している。
(1) 外出時においてバッテリーの蓄電電力が尽きた場合の迅速な対処が困難である点
バッテリー駆動の状態で医療機器を帯同して患者が外出した場合、バッテリーの蓄電量が尽きていわゆるバッテリー切れとなった場合、この医療機器が容易にバッテリーを交換出来る構造であって且つ患者があらかじめ予備のバッテリーを携行していなければ引き続き医療機器の運転を維持するすべは無く、有効な対処が出来なかった。
しかるに小型且つ高容量のバッテリーは安全上の見地から交換作業をユーザに行わせるのではなく専門の技術者のみが行うことを前提として医療機器の設計が行われることもあり得る。この場合ユーザが予備バッテリーを携行して対処することが不可能である。
(2) 外出時において医療機器に故障が発生した場合、患者による対処が困難である点
同様にして患者が医療機器を帯同して外出中に、何らかの原因で医療機器にトラブルが発生して運転続行が困難である場合には、患者自身では有効な対処を行うことが困難であった。
なぜならば患者は医療機器の使用者ではあるものの医療機器の技術的構成に精通しているわけでは勿論ないので、突然医療機器の運転が停止した場合にトラブルの原因を把握したり、あるいは運転の停止が何らかの故障により発生したのか単なるバッテリー切れであるのかも判別することさえ困難であることが考えられるからである。
また患者は酸素療法を受けるなど健康面でのハンディを負っており、医療機器の対象疾患によっては高齢者が大きな比率を占めることも考えられるので、医療機器にトラブルが発生した際に健常者と同様に適切な対処を冷静且つ迅速に取るよう期待することが難しいとも言える。
ところで、近年、携帯電話が様々な年齢層まで普及し、上記のような可搬型医療機器を帯同して外出する患者の中には携帯電話を携行する者が含まれることも考えられる。そこで医療機器が何らかのトラブル、すなわち故障やバッテリー切れ等が発生した際に患者が携帯電話を用いて所定の連絡先、例えば医療機関や医療機器の取り扱い業者へ連絡を取ることも考えられる。
しかしながら、先に説明したように患者自身がこの医療機器のトラブルの内容を把握することが期待できないことから、患者の携帯電話から連絡を受けた医療機関なども正確にトラブルの状況を知って適切な対処方法を患者に伝えることが困難であると考えられる。つまり患者自身が携帯電話を携行して外出することは、上記の問題に対する本質的な解決とはならない。
(3) 故障した医療機器の修理あるいは解析時に、故障発生時の運転状況を正確に把握することが困難である点
医療機器に何らかの故障が発生した際に、関係する医療機関や医療機器の提供業者などは、まず患者に代替用の機器を提供するなどして治療の継続を最優先で実行し、次に故障した医療機器を回収して故障原因を調べて故障修理と、必用な再発防止策実施を行うことが期待される。ところが故障原因を調べるに際しては故障が発生した際の医療機器の運転状況をなるべく正確に把握しなければならないが、従来の医療機器の構成においては以下の理由により必ずしも正確な運転状況の把握が出来なかった。
すなわち従来より故障解析にあたってはトラブルを起こした医療機器を分解して構成要素をそれぞれ調べて、故障発生原因を推定する方法が主に用いられてきたが、医療機器が可搬型となり道路上を長期間に亘って牽引されたり高温高湿など様々な環境条件のもとで運転される状況では医療機器にストレスを与えて故障を喚起するような要因数が増大し、故障品の構成要素を後から解析する手法だけでは充分に正確な故障原因推定が困難となる恐れがあった。
本発明は上記の状況に鑑みなされたものであって、バッテリー駆動される酸素濃縮器のような可搬型医療機器を用いる医学的療法を運用するにあたって、外出時においてバッテリーの蓄電電力が尽きた場合や医療機器に故障が発生した場合の対処が容易であり、故障した医療機器の修理あるいは解析時に故障発生時の運転状況を正確に把握することを可能とする、可搬型医療機器、携帯通信装置、医療機器情報出力システムを提供することを目的とする。
上記の課題を解決するために、本発明は、下記する1)〜6)に記載の各構成を有する可搬型医療機器、携帯通信装置、医療機器情報出力システムを提供する。
1) 駆動用バッテリーを用いて運転が維持された状態にて患者による帯同及び移動が可能に構成された可搬型医療機器であって、
(1) この可搬型医療機器に対して装着及び脱離自在に構成され、且つ、前記脱離した状態においても記録情報を保持し得るよう構成された、取り外し型メモリー手段と、
(2) 前記運転が維持された状態の時にこの可搬型医療機器の運転及び/又は使用に関わる情報を前記取り外し型メモリー手段に記録する情報記録手段と、を備えることにより、前記運転が維持できない場合であっても前記取り外し型メモリー手段をこの可搬型医療機器から脱離させ所定情報読み出し装置に装着して前記運転及び/又は使用に関わる情報の読み出し利用を行うことを可能とした、可搬型医療機器。
2) 前記運転及び/又は使用に関わる情報が、
(1) 当該可搬型医療機器が正常な運転の維持が不能となった際に患者が最初に実行すべき対処行動であるファーストアクションを記述した情報、又は、
(2) 当該可搬型医療機器が正常な運転の維持が不能となった際の原因を特定するための記述を有する情報、であることを特徴とする1)に記載の可搬型医療機器。
3) 前記所定情報読み出し装置が、携帯通信装置であることを特徴とする、1)又は2)に記載の可搬型医療機器。
4) 3)に記載の可搬型医療機器が備える前記取り外し型メモリー手段から前記運転及び/又は使用に関わる情報を読み出すための携帯通信装置であって、前記読み出した運転及び/又は使用に関わる情報を予め定めた所定送信先へ送信する送信手段を備えた、携帯通信装置。
5) 3)に記載の可搬型医療機器が備える前記取り外し型メモリー手段から前記運転及び/又は使用に関わる情報を読み出すための携帯通信装置であって、
(1) この携帯通信装置の地理的位置情報を生成する生成手段と、
(2) 前記生成された地理的位置情報を、前記取り外し型メモリー手段から読み出された運転及び/又は使用に関わる情報と共に同一の送信先へ送信する送信手段と、を備えた、携帯通信装置。
6)(1) 情報保持方式が不揮発性である、取り外し型メモリー手段と、
(2) 医療機器に装着された前記取り外し型メモリー手段に対しこの医療機器の運転及び/又は使用に関わる情報の記録を行う情報記録手段、を備えた医療機器と、
(3) 出力機器に装着された前記取り外し型メモリー手段に既に記録されてある前記医療機器の運転及び/又は使用に関わる情報の、(a)公衆伝送路経由で所定受信装置への送信、及び(b)表示手段への出力、の内の少なくとも一方を行う手段を備えた出力機器と、を有する医療機器情報出力システム。
本発明は、バッテリー駆動される酸素濃縮器のような可搬型医療機器を用いる医学的療法を運用するにあたって、外出時においてバッテリーの蓄電電力が尽きた場合や医療機器に故障が発生した場合の対処が容易であり、故障した医療機器の修理あるいは解析時に、故障発生時の運転状況を正確に把握することを可能とする、可搬型医療機器、携帯通信装置、医療機器情報出力システムを提供することが出来る。
以下、本発明を実施するための最良の形態である、在宅酸素療法支援システムを、図1乃至図4を参照して説明する。図1は本実施例の在宅酸素療法支援システムの構成図、図2は図1の在宅酸素療法支援システムとは詳細な構成を異にする他の態様の構成図、図3は図1のシステムが有する酸素濃縮装置1を用いた在宅酸素療法の概要を示す模式図、図4は図1のシステムが有する酸素濃縮装置の構成図である。
なお、先に説明した点及び以下に説明を行う点から明らかであるように、本発明は独り酸素濃縮装置と酸素療法に限った実施形態ばかりでは無く、他の様々な可搬型医療機器及びその医療機器を用いた医学的療法において用いることが可能であり、以下に例示する酸素療法と同様の効果が発揮される。すなわち以下に説明を行う在宅酸素療法支援システムは本発明の一例示に過ぎない。また他の医療機器及び他の医学的療法への展開も、以下の説明及び現在公知である技術的情報より容易に到達し得る構成であることは勿論である。
[在宅酸素療法支援システムの概要]
図1にその構成を示す通り、本実施例の在宅酸素療法支援システム30は特に外出時に患者1bにより屋外へ帯同された可搬型酸素濃縮装置1の、バッテリー切れや故障発生時に迅速且つ適切な対処を行うための構成であって、主に、可搬型酸素濃縮装置(以下、単に酸素濃縮器、酸素濃縮装置ともいう)1、この酸素濃縮器1から脱離したメモリーカード1dを装着してこのメモリーカード1dに記録されてある情報の読み取りが可能であるよう構成した携帯電話機20、この携帯電話機20と無線伝送路21を介して接続する基地局22、この基地局22と通信網23を介して接続する、支援センター24に配置されたセンター装置25より構成されている。
携帯電話機20は公知の技術的構成を有する携帯電話機であって、特に、公知技術である、(1)自機の地理的位置情報を生成する機能、(2)メモリーカード1dをカードスロット20aに装着して情報を導入し携帯電話機の内部に蓄積する機能、(3)導入した情報を自機の表示部に表示する機能、(4)導入した情報をあらかじめ設定した特定の送信先へ送信する機能、及び(5)導入した情報を任意の送信先へ送信するに際して自機の地理的位置情報を付加して同一の送信先へ送信する機能、などを有している。
上記したこれらの携帯電話機20の機能は全て公知の資料、情報より実施が可能である。例えば、公刊書籍である、日経コミュニケーション/日経ニューメディア編「モバイル・インターネット最前線 iモードから次世代システムIMT−2000まで」(日経BP社、2001年2月1日1版2刷発行)の第121ページから第124ページには、「CDMAによる位置測定技術開発 位置情報使う付加サービスに期待」には、移動端末の位置測定方法として、(1)低軌道を周回するGPS(global positioning system)衛星からの電波を受信し、その伝播距離から移動端末の位置を割り出す方法、(2)セルラー電話網を利用してGPSの情報を移動端末に伝達しGPS電波の受信を援護する方法、(3)最寄りのPHS基地局の位置を移動端末の現在位置とする方法が現在あり、更にこれらの技術の欠点を克服するために(4)新たに開発されたCDMAセルラー方式では、移動端末はCDMAセルラー基地局から送信される電波を受信し、各基地局から同時に受信された電波の伝播時間TA、TB、TCから伝播時間差を求め、三点測量の原理を用いて現在位置を算定することが記載されている。
また携帯電話機20には上記したカードスロット20a、情報や操作状況などの表示を行う表示部20cが備えられている。更に、在宅酸素療法を行う患者1bを支援するために設けられた支援センター24に設置されたセンター装置25は、種々の伝送路、例えば無線伝送路21、基地局22、通信網23を介して携帯電話機20と通信接続可能なサーバであって、このセンター装置25には制御部25aとデータ部25bとが含まれている。
携帯電話機20及びセンター装置25の機能については後に説明を行う。また携帯電話機20とセンター装置25とを繋ぐ伝送路は、上記のあるいは下記の例示に限らずどのような組み合わせでも良い。
[酸素濃縮装置の構成(その1)]
次に、酸素濃縮装置1の構成について説明を行う。本実施例における酸素濃縮装置1の説明にあたっては説明をより明瞭簡潔なものとするため、本発明の実施にあたっての特徴的な構成を含まない、汎用的な可搬型の酸素濃縮装置の構成部分を「その1」として、本発明の実施にあたっての特徴的な構成部分を「その2」として説明を行う。
最初に上記の「その1」の部分について説明する。
本実施例の酸素濃縮装置は、図4の構成図に示す構成を有し、さらにこの酸素濃縮装置1に接続して交流電源を利用した充電を行うAC電源ユニット15、同様にして自動車搭載の直流電源を利用した充電を行う車載電源ユニット16が用いられる。
酸素濃縮装置1は、先に説明したように主に在宅酸素療法に用いるために空気中の窒素を分離し高濃度酸素(酸素富化気体)を供給する装置であり、例えば、酸素より窒素を選択的に吸着し得る吸着剤としてモレキュラーシーブゼオライト5A、13X、或いはリチウム系ゼオライトなどを吸着筒(吸着ユニット5内)に充填し、空気圧縮装置(コンプレッサ4)によって作られた加圧空気を供給することで、酸素を取り出す圧力変動吸着型の酸素濃縮装置である。
尚、本発明の実施に際して、酸素濃縮装置の基本的な酸素濃縮機能に係る構成はここに説明を行う態様に限定されず、既に公知の構成、あるいは今後提案される様々な構成とすることが出来る。
圧力変動型吸着型酸素濃縮装置である本実施例の酸素濃縮装置1は、図4の構成図に示すように、酸素よりも窒素を選択的に吸着する吸着剤を充填した吸着筒(吸着ユニット5に含まれる)に、コンプレッサ4によって大気中から圧縮された加圧空気を供給し、吸着筒内部を加圧状態にして窒素を吸着させ、吸着されなかった酸素を取り出す。吸着筒より取り出された酸素を主とする酸素富化気体は、製品タンク6に貯留した後、超音波センサー部7、呼吸同調部8を経て製品供給端9から装置1の外部へ供給され、酸素富化気体を酸素濃縮装置1から患者の鼻腔付近まで輸送するチューブ部材である鼻カニューラ12を介して使用者(酸素療法患者)に供給される。
ここで吸着剤は、1回の工程で吸着できる窒素の量が吸着剤の量や種類によって決まっているため、吸着剤に吸着される窒素の量が飽和する前に流路切換弁を切り換えて吸着筒を大気開放して吸着筒内部を減圧し、窒素を脱着させて吸着剤を再生させる。また、流路切換弁は、予め設定された時間によって切り換えられるようにメイン制御部14によって制御される。なお、一工程中の吸脱着量を増やすべく、真空ポンプを用いて、脱着工程における吸着筒内部の圧力を真空にしても良い。
尚、本実施例の酸素濃縮装置1を小型軽量に構成することにより、患者宅に固定的に設置されるのではなく可搬型として実現するために、例えば、特許第3269626号公報に記載された構成を用いて、複数の吸着筒に対する加圧及び脱着のための気体流路を順次連続的に形成する回転バルブ手段を備えた吸着ユニット5とすることは望ましい態様である。
超音波センサー部7は、本出願人の出願に係る特開2002-214012号公報等に記載されているように、鼻カニューラ1c内を流れる酸素富化気体の流れる方向と同方向及び逆方向の2つの音波、例えば超音波の伝播速度を測定し、2つの測定値の相違する量から、鼻カニューラ1c内を流れる酸素富化気体の実際の流量を測定することが出来る。またその他の構成や方式を用いて酸素富化気体の実際の流量を測定する構成を有しても良い。
更に、呼吸同調部8は、患者の呼吸を検知して吸気期間(空気を吸っている)だけに酸素富化気体を供給し、呼気期間(空気をはいている)内は供給を停止する所謂デマンドレギュレータの機能を実現することによって、患者の吸入に影響が無いようにしつつ患者へ供給する酸素富化気体の量を節約 (conserving) するためのものであって、この結果、AC電源を電力供給源としている運転モードでは使用電力量を削減することが出来、充電可能な電池を電力供給源としている運転モードでは次の充電までの運転時間を延長することが出来る。
尚、上記の如く患者の呼吸を検知して吸気期間のみ酸素富化気体を供給する運転モード(以下、同調モードともいう)と、患者の呼吸とは無関係に一定の流量の酸素富化気体を常に供給する運転モード(以下、連続モードともいう)とを切り替え操作するための操作スイッチ(図示しない)を酸素濃縮装置1は備えており、例えば睡眠時には必ずこの操作スイッチを操作して連続モードで酸素富化気体の吸入を行うこととなっている。これは睡眠時の患者が鼻腔ではなく口腔経由で呼吸を行って呼吸の検知がされない場合であっても、酸素富化気体の供給を継続出来るようにするためである。
患者の呼吸を検知するための具体的な構成は、例えば、本出願人の出願に係る特開2002-272845号公報に記載された構成の如く、光マイクを用いて音声信号(患者の呼吸音)を光信号に変換したのち電圧信号に変換し、更に周波数に変換することにより周波数領域での解析を行い、周波数帯域の違いにより呼吸を検知する構成や、特開昭62-270170号公報に記載があるように鼻カニューラに焦電素子からなるセンサーを設ける方法や、特公平5-71894号公報に記載があるようにダイヤフラム式圧力計で、導電性層を積層した高分子フィルムを用いて静電容量を検出する圧力検出器を用いる構成や、特開平2-88078号公報に記載があるように圧力検出器を酸素濃縮装置本体の酸素供給口近傍に設け、圧力検出器の信号に基づいて酸素富化気体の供給を制御する方法や、あるいはその他の方法により実現することが出来る。
表示部10は液晶パネルのような表示部材とその周辺インターフェイス部を含んだ表示手段であって、メイン制御部14から送信された情報をこの表示部材に表示する。
表示部10が表示を行うデータの内容は、運転オン状態の表示、警報やアラームの表示、設定された流量の表示などである。
流量設定部12は患者等使用者が操作して供給すべき酸素富化気体の流量を設定操作するためのもので、例えばダイアルスイッチを回転操作して、1リットル/分、2リットル/分、3リットル/分等の内から所望の選択値を選択操作すると、この選択値を検知したメイン制御部14がコンプレッサ4や吸着ユニット5の動作速度などを制御して、設定された所望の流量を実現するものである。
コンプレッサ4は、コンプレッサ4を駆動させるためのコンプレッサ駆動モータを具備しており、コンプレッサ駆動モータはメイン制御部14によって設定された回転数を実現するように電源制御部3が生成出力する駆動電流に従いコンプレッサ4を回転駆動させる。コンプレッサ4が有する圧縮機構部は、コンプレッサ駆動モータによって得た回転力によって空気を圧縮するものであり、その圧縮方式によって様々な種類が存在し、往復運動式のピストンタイプや回転式のスクロールタイプなどが一般的によく用いられているが、大気中の空気を圧縮できるものであればどのタイプを用いても構わない。
電源制御部3は上述のようにコンプレッサ4を駆動する駆動電流出力のほかに、装置1に含まれる各構成へ電力を供給する機能を有する。
尚、本実施例の酸素濃縮装置1は、可搬型として構成するための特徴的な点として、従来の典型的な固定設置型酸素濃縮装置では家庭用AC電源のみからの電力供給方法であったのを改め、内蔵バッテリー、家庭用AC電源、及び自動車の車載DC電源、のスリーウェイ電源方式を採用している。そのために、装置外部に面する筐体外周部には電源入力端2を設け、ここを通じてAC電源ユニット15または、自動車車内のシガーライター接点に接続する車載電源ユニット16から直流にて電力の供給を受けることが出来る。
更に、酸素濃縮装置1の内部には取り外しが可能な態様にて繰り返し充電可能なバッテリー13が設けられており、電源入力端2を通じた電力供給が出来ない場合に、バッテリー13からの放電により電源制御部3へ電力を供給する。
尚、バッテリー13への充電は、通常、バッテリー13を酸素濃縮装置1へ装着したまま、AC電源ユニット15または車載電源ユニット16から供給された電力が電源入力端2及び電源制御部3を経由して供給されることにより実行される。
メイン制御部14は酸素濃縮装置1が有する各構成を制御して酸素富化気体の供給を行わせる種々の情報を情報出力端11経由で酸素濃縮装置1外の装置、例えばパーソナルコンピュータや、インターネットなど公衆回線と接続して情報の送受を行う送受信装置へ出力したり、表示部10あるいはその他の表示手段へ出力して表示を行わせる機能、などを有する。
また、本実施例の酸素濃縮装置1は可搬型の機能を実現するための特徴的な構成として、先に説明した点の他に例えば、必要な程度の防塵、防滴機能を持って酸素濃縮装置1の内部を保護する筐体部、この筐体部に付帯する車輪部、同じく筐体部に付帯する保持ハンドルなど(いずれも図示しない)を有して、患者が引っ張るなどして外出時に帯同することが出来る。車輪部を有することなく、スリングベルトで直接患者が携行したりリュックに入れて背負ったりするなどの構成としてもよい。
更に、酸素濃縮装置1を可搬型とするために質量及び容積を従来から大きく低減しており、例えば従来の固定設置型の典型的な酸素濃縮装置が約30kgの質量を有していたものが、本実施例の装置1は5kgを切る質量にて構成されており、持ち運びが容易であるので、患者が通院先である医療機関へ帯同することも容易である。
[酸素濃縮装置の構成(その2)]
次に、同じく図4に従い、本実施例の酸素濃縮装置1において特に本発明の実施のための特徴的な構成について説明を行う。
まず、酸素濃縮装置1が有するカードスロット11はメイン制御部14から送出される種々の情報を、このカードスロット11に挿入装着されたメモリーカード1dに送出記録するためのインターフェイス部である。上記の「メモリーカード」とは情報を読み出し可能なように記録しかつ、このメモリーカード1dをカードスロット11から脱離するなどして電源のバックアップが無い状態でもその記録情報を保持し続ける不揮発性メモリーであって、具体的には汎用的に多用されているメモリースティック(登録商標)、SDカード(登録商標)でも良いしその他の構成でもよい。
以下に説明するように、メモリーカードに送出記録される情報は、同じく従来の酸素濃縮装置でも表示が行われていた内容の他に、酸素富化気体を供給した供給条件の履歴の情報、この供給条件の履歴の情報と処方内容を対比することによって得られる上記の患者コンプライアンス情報、現在の駆動バッテリー13の出力電圧、酸素濃縮装置1内部の個々の部位の温度情報など万が一酸素濃縮装置1が故障により運転停止した際のこの故障を特定するための記述を有する情報など何でもよい。
また、酸素濃縮装置1が有するメイン制御部14は、以下の機能を有する。
(1) 運転情報の保持蓄積機能
メイン制御部14は酸素濃縮装置1が運転状態にあるときに随時、例えば常に、あるいは所定の時間間隔にてこの酸素濃縮装置1の運転状態を示す情報を、上記したメモリーカード1dに記録している。
また上記の運転状態を示す情報とはこの酸素濃縮装置1の運転に関する情報であれば何でもよく、例えば、酸素濃縮装置1が放散している酸素富化気体の流量、酸素濃度、あるいはバッテリー13の出力電圧、充電終了時から現在に至るこのバッテリー13の使用累積時間などである。
(2) 故障時の使用者のファーストアクション情報の保持蓄積機能
同じくメイン制御部14は、上記したメモリーカード1dに、この酸素濃縮装置1が何らかの理由で正常な運転を維持できない状況となった場合に使用者(多くの場合、この酸素濃縮装置1を用いる患者)が最初に実行すべき行動内容であるファーストアクションの情報を、常時、あるいは一定の時間間隔で書き込みを行う。
上記のファーストアクションに関する情報とは種々の形態が可能であり、例えば一般的な患者の対処方法として「機器に何らかのトラブルが生じた場合には、支援センター(電話 03−5×××−××××)へ電話してください」という情報でも良いし、あるいは常時バッテリー13の出力電圧や使用時間をモニターしているメイン制御部14がバッテリー出力電圧の低下を検出した際に、「バッテリー切れの可能性があります。最寄の家庭用電源コンセントにAC電源ユニットを接続してください」という情報を蓄積保持しても良い。
(3) 運転に関する情報やファーストアクションに関する情報を表示又は出力する機能
またメイン制御部14は、上記したメモリーカード1dに記録保持された情報である、酸素濃縮装置1の運転に関する情報や、上記のファーストアクションに関する情報を必要に応じて、例えばこの酸素濃縮装置1が正常に運転されていない場合にこのメモリーカード1dから読み出して、酸素濃縮装置1が備える表示部10に表示する機能を有する。なお、メイン制御部14が行う情報の読み出し動作や、表示部10が行う情報の表示動作は駆動電源を要するものであるから、これら読み出しや表示の動作は電源手段が利用可能な場合にのみ行うようにすることも考えられる。
また酸素濃縮装置1に装着されているメモリーカード1dは、この酸素濃縮装置1から一旦取り外し(脱離し)、所定の情報読み出し装置すなわち同様なカードスロット11その他の構成を有する構成に装着して、このメモリーカード1dに記録されてある情報を読み出して表示手段に表示させるなどの利用を行うことが出来る。
[センター装置の構成]
次に、支援センターに設置されたセンター装置25の構成を説明する。センター装置25は携帯電話機20と種々の情報伝送路を介して接続するサーバ装置であって、センター装置25に含まれる制御部25aは、情報送信のインターフェイス機能、及び携帯電話機20との間の情報送受信制御機能を有する。またセンター装置25に含まれるデータ部25bは、患者の情報や酸素濃縮装置1の情報や、患者を支援するための医療機器業者営業所や提携支援機関の情報を蓄積記録しておき、制御部25aからの指令に応じて選択された情報を携帯電話機1へ送信することが出来る。送受信される情報の詳細は後記する。
なお、上記及び以下で説明を行う、支援センター24に設置されたセンター装置25の動作を、センター装置25という自動応答機器ではなく通常の電話通話を受ける担当者の作業として実行するようにした構成もまた可能である。
[酸素濃縮装置を用いた在宅酸素療法の実施手順]
次に本実施例の酸素濃縮装置を用いて、一般的な在宅酸素療法を実施する手順を、図2を参照しながら説明する。
まず、患者1bが患者宅1aに居て酸素療法を受ける場合には、従来と同様に家庭用AC電源から電力供給を受け、酸素富化気体の吸入を行うことが出来るとともに、患者宅内でバッテリー13駆動で吸入を行えば、ACコンセントの制約なく患者1bは装置1を帯同して患者宅内を自由に移動しながら吸入が継続できるので、従来の固定設置型装置のように何メートルにも及ぶ長大な延長チューブ付きカニューラを酸素濃縮装置に接続し、この延長チューブ付きカニューラ経由で吸入を行う不便さが解消される。
充電済みのバッテリー13で駆動される酸素濃縮装置1を携行して、患者1bは屋外へ容易に外出することが出来る。更に、在宅酸素療法において実施することが定められている、定期的、例えば月に一度の医療機関2aへの通院時にも患者1bは充電済みバッテリー13を有する酸素濃縮装置1を携行して移動することが出来、移動先の医療機関2aにおいて患者1bは医師2bの診察を受け、必要に応じて医師2bは酸素濃縮装置1内部に蓄積された情報例えば酸素濃縮装置1の累積運転時間情報などを端末2cで取り込んで確認することによって、この患者1bが本当に酸素富化気体の吸入を行っているかをダイレクトに確認することも出来る。これら酸素濃縮装置1から取り込んだ情報は公衆通信網5aを介してサーバ2dへ蓄積したり、他の端末4cへ送信して提携医療機関4aの医師4bと情報共有を行うことも出来る。
[在宅酸素療法支援システムを用いた、運転停止トラブルへの対処]
次に、本発明の特徴的な点である、本実施例の在宅酸素療法支援システム30を用いた、酸素濃縮装置1にトラブルが発生した際の対処の手順について説明を行う。
(1) バッテリー切れや故障発生の知得
まず酸素濃縮装置1に搭載されているバッテリー13の充電量が尽きて、いわゆるバッテリー切れが起こった場合には、バッテリー出力電圧が低下して酸素濃縮装置1が運転を停止したとしても上記に説明した酸素濃縮装置1に装着されたメモリーカード1dには、運転情報として「バッテリー13の出力電圧が低下していること」、及びファーストアクション情報として「バッテリー切れの可能性があるので、速やかに商用電源コンセントからの電力供給を得て運転を続けるよう指示を行うこと」の旨の情報が保持記録されている。
そこでこの酸素濃縮装置1を使用しつつ外出している患者1bは、酸素濃縮装置1からメモリーカード1dを取り外して、携帯電話機20に設けられたカードスロット20aに装着し、この携帯電話機1に予め、あるいは新たに組みつけられた専用のアプリケーションプログラムを起動することにより、上記のメモリーカード1dの記録保持情報を読み出して携帯電話機1の内部に一旦保持する。
さらに患者1bが携帯電話機1に所定の操作を行うことにより、この酸素濃縮装置1の運転情報が、使用患者のID番号や酸素濃縮装置1のシリアルナンバーである機台番号と共に予め定めた所定送信先である支援センター24のセンター装置25へ送信される。この結果センター装置25は、患者のID番号や酸素濃縮装置1の機台番号で特定された酸素濃縮装置1がバッテリー切れを起こしていることを知得出来る。
また患者1bの携帯電話機20への操作に応じて同じく酸素濃縮装置1から読み出されたファーストアクション情報が携帯電話機20の表示部20cへ表示されるので、患者1bは現在この酸素脳集装置1がバッテリー切れにより運転が停止していることを知り、商用電源コンセントを探す行動に迅速に移ることが出来る。
同様にして酸素濃縮装置1に故障が発生してその運転が停止した場合には、故障が発生した旨の運転情報、ファーストアクション情報が活用されて支援センター24や患者1bによる知得が可能となる。故障が発生した場合に支援センター24では携帯電話機1を用いて直接患者1bと対話することにより患者の現在の地理的位置を知って患者の支援に出動することも出来る。
また故障やバッテリー切れなど何らかの理由によって酸素濃縮装置1の正常な運転が続行できない場合に、患者のために運転情報やファーストコンタクト情報などを酸素濃縮装置1の表示部10に表示することにより、携帯電話機20を用いることなく必要な情報を患者1bが知得できるようにしてもよい。
(2) 患者の地理的位置情報の送信活用
さらに本実施例では、携帯電話機1が自機の地理的位置情報を先に説明した方法あるいはその他の方法を用いて生成取得することが出来るので、生成された地理的位置情報を上記した運転情報などと組み合わせて一緒に、あるいは別な時刻に同一の送信先である支援センター24のセンター装置25へ送信することも可能である。
このように構成したので、支援者側では患者と直接対話をすること無しに患者の地理的位置情報を知得することが出来、その結果より迅速に患者の支援を行うことが出来る。
(3) 患者の地理的位置情報を反映させたファーストアクション情報への情報付加
また、センター装置25では、この患者が用いる酸素濃縮装置1が現在バッテリー切れであることを示す運転情報と、この患者の地理的位置情報とを受信した結果、患者がより迅速に商用コンセントのある位置まで到達して商用電源を用いた酸素濃縮装置1の運転の継続が行えるよう、例えばこの患者が商用コンセントを利用可能な医療機関や、酸素濃縮装置を扱う医療機器業者と提携関係にあるコンビニエンスストアなど患者の最寄の位置にある利用可能な商用コンセントの位置情報を患者の携帯電話機20に送信してもよい。
患者1bの携帯電話機20に送信されてきた、患者がそこに配置されている交流コンセントを酸素濃縮装置1の運転継続のために用いるべき医療機関やコンビニエンスストアなどの地理的位置の情報は、携帯電話機20の表示部20cに表示して患者1bが読み取ることが出来る。
この結果、患者が最初に行動対処する指針となるファーストアクション情報はより高度な情報が付加されることとなり、患者による迅速な対応、具体的には酸素濃縮装置1を交流コンセントと接続して酸素富化気体の放散の継続が可能となる。
上記した例示以外にも様々な態様にて種々の患者支援が行えるものであるが、これら様々な態様に共通する構成として、酸素濃縮装置1に蓄積保持された情報が携帯電話機20を経由してセンター装置25へ送信され、さらに場合によっては、携帯電話機20の地理的位置情報として得られる患者の地理的位置情報がセンター装置25へ送信され、さらに場合によっては送信された運転情報、ファーストアクション情報、あるいは患者の地理的位置情報に基づきセンター装置にて作成された新たな情報が患者を支援するために患者の用いる携帯電話機20に送信される点が挙げられる。
(4) 運転情報を利用した、故障原因の解析
また患者への支援とは別に、既に故障した酸素濃縮装置1の故障原因をより厳密に調べることにより、酸素濃縮装置1の故障修理の迅速効率化、あるいは同じような故障の再発を防止する手立ての具現化を行うことも出来る。
そのために酸素濃縮装置1の故障を解析する技術者は、この酸素濃縮装置1のメモリーカード1dに記録された情報、あるいはメモリーカード1dが装着された携帯電話機20などを用いて送信がなされた運転情報、さらに場合によってはファーストアクション情報を調べる。この結果、技術者はこの酸素濃縮装置1が運転停止に至った直前の運転の状況を正確に知ることが可能である。
上記の説明からも理解されるように、本実施例では故障解析を行う際の基礎データとしてメモリーカード1dあるいはこのメモリーカード1dに記録されておりその後送信された情報を用いるので、酸素濃縮装置1そのものを解析対象とした従来方法と比較して酸素濃縮装置1輸送費の低減、解析期間の短縮化、遠方にいる技術者が解析を実行できることから専門技術者配置効率化などが実現する。
[変形例]
本発明は、上記に説明を行った実施態様に捉われることなく発明の主旨を逸脱しない範囲で種々変形による実施が可能である。例えば、図2に示すごとく、運転情報など既に説明した情報を脱離可能なメモリーカードに記録するのではなく、酸素濃縮装置1の内部に固定的に設けられた不揮発性メモリー手段に記録し、必要な際に伝送ケーブル20bで結線した携帯電話機20に情報を送信しても良い。さらにJRグループで用いられているSUICA(登録商標)のような非接触で情報を伝送できる記録媒体に記録しておき、酸素濃縮装置1の外部から非接触で情報を取り出すようにすることも考えられる。
更に、既に説明した上記実施態様においてはバッテリーで駆動されることによって患者が外出時に帯同出来る可搬型医療機器に説明を集中したが、一方、バッテリーではなく商用電源を利用して駆動が行われ且つ患者宅などに固定的に設置される従来型の酸素濃縮装置のような可搬型ではない医療機器においても、上記に説明した、故障情報の迅速な伝達や把握、専門技術者の効果的な配置などの効果を奏することが可能である。
すなわち患者宅に設置される酸素濃縮装置が先に説明した不揮発性メモリーであるメモリーカードを備え、このメモリーカードに対しては酸素濃縮装置の運転状態の情報などを随時記録するように構成することが出来る。
何らかの理由によりこの酸素濃縮装置の正常な運転続行が困難となった場合には、患者自身、患者家族、あるいは医療機器供給業者の営業担当者、などが上記のメモリーカードを酸素濃縮装置から取り出して携帯電話機、モバイルコンピュータなどに装着し、その運転情報を調べたり、対処指示を読んだり、あるいは遠方の支援センターへこれらの情報を送信するなど、迅速且つ効率的な対応を行うことが出来る。言うまでも無くこれらの構成もまた本発明が包含するものである。
本実施例の在宅酸素療法支援システムの構成図である。 図1の在宅酸素療法支援システムとは詳細な構成を異にする他の態様の構成図である。 図1のシステムが有する酸素濃縮装置を用いた在宅酸素療法の概要を示す模式図である。 図1のシステムが有する酸素濃縮装置の構成図である。
符号の説明
1 酸素濃縮装置(可搬型医療機器)
1d メモリーカード(取り外し型メモリー手段)
13 バッテリー(駆動用バッテリー)
14 メイン制御部(情報記録装置)
20 携帯電話機(携帯通信装置)

Claims (6)

  1. 駆動用バッテリーを用いて運転が維持された状態にて患者による帯同及び移動が可能に構成された可搬型医療機器であって、
    (1) この可搬型医療機器に対して装着及び脱離自在に構成され、且つ、前記脱離した状態においても記録情報を保持し得るよう構成された、取り外し型メモリー手段と、
    (2) 前記運転が維持された状態の時にこの可搬型医療機器の運転及び/又は使用に関わる情報を前記取り外し型メモリー手段に記録する情報記録手段と、を備えることにより、前記運転が維持できない場合であっても前記取り外し型メモリー手段をこの可搬型医療機器から脱離させ所定情報読み出し装置に装着して前記運転及び/又は使用に関わる情報の読み出し利用を行うことを可能とした、可搬型医療機器。
  2. 前記運転及び/又は使用に関わる情報が、
    (1) 当該可搬型医療機器が正常な運転の維持が不能となった際に患者が最初に実行すべき対処行動であるファーストアクションを記述した情報、又は、
    (2) 当該可搬型医療機器が正常な運転の維持が不能となった際の原因を特定するための記述を有する情報、であることを特徴とする請求項1に記載の可搬型医療機器。
  3. 前記所定情報読み出し装置が、携帯通信装置であることを特徴とする、請求項1又は請求項2に記載の可搬型医療機器。
  4. 請求項3に記載の可搬型医療機器が備える前記取り外し型メモリー手段から前記運転及び/又は使用に関わる情報を読み出すための携帯通信装置であって、前記読み出した運転及び/又は使用に関わる情報を予め定めた所定送信先へ送信する送信手段を備えた、携帯通信装置。
  5. 請求項3に記載の可搬型医療機器が備える前記取り外し型メモリー手段から前記運転及び/又は使用に関わる情報を読み出すための携帯通信装置であって、
    (1) この携帯通信装置の地理的位置情報を生成する生成手段と、
    (2) 前記生成された地理的位置情報を、前記取り外し型メモリー手段から読み出された運転及び/又は使用に関わる情報と共に同一の送信先へ送信する送信手段とを備えた、携帯通信装置。
  6. (1) 情報保持方式が不揮発性である、取り外し型メモリー手段と、
    (2) 医療機器に装着された前記取り外し型メモリー手段に対しこの医療機器の運転及び/又は使用に関わる情報の記録を行う情報記録手段、を備えた医療機器と、
    (3) 出力機器に装着された前記取り外し型メモリー手段に既に記録されてある前記医療機器の運転及び/又は使用に関わる情報の、(a)公衆伝送路経由で所定受信装置への送信、及び(b)表示手段への出力、の内の少なくとも一方を行う手段、を備えた出力機器とを有する、医療機器情報出力システム。
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