JP5032093B2 - 酸素濃縮器運転システム、在宅医療機器管理方法、ガスボンベの使用管理方法 - Google Patents

酸素濃縮器運転システム、在宅医療機器管理方法、ガスボンベの使用管理方法 Download PDF

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本発明は、酸素濃縮器運転システム、在宅医療機器管理方法、ガスボンベの使用管理方法に関し、特に通信技術を利用して運転状況をモニタリング可能に構成された医療用酸素濃縮器及び付帯する通信用端末の改良に関する。
近年、在宅にて治療を受ける在宅医療の患者は増加している。在宅医療では、患者は病院等の施設に頻繁に出向く必要がなく、例えば、月1回程度施設で外来診療を受けることが一般的である。このため、外出が困難、あるいは身体的、経済的、時間的に外出が負担となる患者(例えば、老人)にとって有効な医学的方法であるとともに、従来多く見られた入院治療が必ずしも必要でないケースについて在宅で治療を進めることにより不要な医療費負担を削減して社会保障制度としての医療保険制度維持に寄与する意義もある。
このような在宅医療では、通常、施設等の提供する医療機器を患者自宅に設置し、患者(医療機器利用者)が医療機器を使用して、治療を行う。例えば、呼吸器疾患の患者に対して酸素ボンベから供給する酸素療法が行われており、最近では空気中の酸素を分離濃縮して酸素濃縮気体を得るための呼吸用気体供給装置が開発され、それを用いた酸素療法が次第に普及するようになって来ている。かかる呼吸用気体供給装置は、病院において利用されるのみならず、在宅医療用に家庭においても利用される場合が次第に多くなってきている。なお、医療機器とは、医学的療法を施すための機器である。
このような医療機器では在宅医療の治療効果すなわち患者の病態に影響するため、医療機器の点検、部品の交換、機器異常時の応対等の支援が必須となる。このため、多くの場合、医療機器の販売又は製造、サービスを行う企業(以下、支援企業とも呼ぶ)、医療機器の知識を持ち、その管理を行う管理者又は支援者を各地に配置している。在宅医療ではこの管理者又は支援者は、医療機器の点検、部品の補充、交換、機器異常時の対応のため、患者(利用者)宅に出向き、医療機器の点検等に従事している。
このような管理者又は支援者が患者宅に出向くケースとして、機器の定期的な保守、点検の他に、機器の部品、補充交換、機器の異常時がある。定期的なものは、機器の設置時からの計画に従い行われるが、不定期のものは、患者からの異常の通報や、医療機器の監視システムからの通知に従い行われる。
ところで在宅酸素療法を含む在宅医療は文字通り患者の自宅おいて主要な治療が実行されるため、患者宅の環境が良好に保たれねば実行が困難となる。環境を悪化させる要因としては、地震、台風、家屋浸水などの自然的災害や、停電、交通途絶など社会的インフラの機能不全などが挙げられる。
このような事態への対応として例えば、患者の所在地へ近づきつつある台風の位置、被害地域などの情報をリアルタイムに取得して、患者の所在地の情報とともに地図情報を生成し、支援企業の支援者が患者の下へ迅速に支援に行くための情報システムが特開2002−320675号公報(特許文献1)に開示されている。
特開2002−320675号公報
台風、地震のような天災は広い地域に亘り被害を及ぼすため、在宅酸素療法を自宅で受ける患者に対し何らかの影響が及んだ場合、例えば停電により酸素濃縮器の運転が停止したり、自宅が浸水し、酸素濃縮器が水を被ることにより電装部への水分侵入などにより運転継続が困難となる場合には、被害を蒙る在宅患者の数は一度に多数に上る。
一方、医療機関および医療機器業者はこのような非常事態に際して、極力患者あるいは患者家族と連絡を電話などで取り、被害を受けることなく酸素濃縮器の運転が継続できているのかあるいは酸素濃縮器が停止状態にあり、当面の酸素富化気体吸入を継続するためにボンベを患者の元に届けるべき状態にあるのかを、速やかに判断することが求められる。
しかしながら、前述のように災害は広域で発生することが多く、被害を受けた可能性のある患者、すなわち確認をすべき患者の数は極めて多数に上り、限られたマンパワーの下で迅速に安否確認を行うことには大きな困難性が伴う。
また近年急激に発達したインターネット通信網を経由してWebページ閲覧や電子メールを用いて該当する患者へ向けて情報発信したり、同様の情報送信を携帯電話通信網を経由して行うことも考えられるが、酸素療法患者の多くは高齢者でありこれらWebや携帯電話といったITインフラのユーザー層とは必ずしも一致せず、患者層全員が確実に情報を受信して医療機関あるいは医療機器業者へ返信を行うことは期待できない。
本発明は上記の状況に鑑みてなされたものであり、特に指向する主要な解決課題は、災害発生時の在宅医療機器の運転状況を迅速に把握可能とする構成を提供することにある。
上記の課題を解決するために、本発明は下記する(1)、(6)及び(9)に記載の酸素濃縮器運転システム、(2)から(5)に記載の在宅医療機器管理方法、及び、(7)及び(8)に記載のガスボンベの使用管理方法を提供する。
(1)(A)酸素よりも窒素を選択的に吸着し得る吸着剤を充填した少なくとも1個の吸着筒と該吸着筒に空気を加圧供給及び/または減圧排気する為の空気圧縮機と、該吸着筒の吸着工程・脱着工程を切り換えて継続的な酸素富化気体生成を可能とする切り換えバルブを有する圧力変動型の酸素濃縮器と、
(B)当該酸素濃縮器の運転状況の把握又は異常発生の知得、あるいは当該酸素濃縮器を用いる酸素療法治療の実行確認の内の少なくともいずれかを行うための情報を酸素濃縮器の情報生成手段から受信して遠隔の監視情報端末へ送信を行う、当該酸素濃縮器の内部あるいは外部に設けられた酸素濃縮器情報端末と、を備えた酸素濃縮器運転システムであって、
電力供給を行う対象の当該システム要素として、空気圧縮機の駆動手段及び切り換えバルブの駆動手段を含むよう構成された、第一の電力供給手段と、
電力供給を行う対象の当該システム要素として、情報生成手段及び酸素濃縮器情報端末を含み且つ空気圧縮機の駆動手段及び切り換えバルブの駆動手段を含まないよう構成された、第二の電力供給手段と、をそれぞれ備えたことを特徴する酸素濃縮器運転システム。
(2)在宅患者の近傍に配置されてこの患者の治療に用いられる在宅医療機器の、(a)運転状況の把握、(b)異常発生又は異常発生予測の知得、(c)治療実行の確認の内の少なくともいずれかの情報を、医療機器情報端末が遠隔の監視情報端末へ送信してこの在宅医療機器を用いた治療の遠隔監視を行う工程を有する在宅医療機器管理方法であって、
更に、当該在宅医療機器に対する運転用電力の供給状況に関する情報を、医療機器情報端末から監視情報端末へ送信する工程を有することを特徴とする在宅医療機器管理方法。
(3)運転用電力の供給状況に関する情報は、位置情報生成手段が生成する当該在宅医療機器の位置情報と共に送信されることを特徴とする、(2)に記載の在宅医療機器管理方法。
(4)在宅医療機器は、酸素よりも窒素を選択的に吸着し得る吸着剤を充填した少なくとも1個の吸着筒と該吸着筒に空気を加圧供給及び/または減圧排気する為の空気圧縮機と、該吸着筒の吸着工程・脱着工程を切り換えて酸素富化気体の継続的な生成を可能とする切り換えバルブを有する圧力変動型の酸素濃縮器であることを特徴とする、(2)又は(3)に記載の在宅医療機器管理方法。
(5)在宅医療機器はバッテリからその運転用電力が供給されるよう構成され、且つ、運転用電力の供給状況に関する情報は、当該バッテリの残電力量又は供給電圧であることを特徴とする、(2)乃至(4)のいずれか一項に記載の在宅医療機器管理方法。
(6)(A)酸素よりも窒素を選択的に吸着し得る吸着剤を充填した少なくとも1個の吸着筒と該吸着筒に空気を加圧供給及び/または減圧排気する為の空気圧縮機と、該吸着筒の吸着工程・脱着工程を切り換えて酸素富化気体の継続的な生成を可能とする切り換えバルブを有する圧力変動型の酸素濃縮器と、
(B)酸素濃縮器へ運転用電力を供給するバッテリ手段と、
(C)バッテリ手段の残電力量又は供給電圧に関する情報を、通信路経由で遠隔の監視情報端末へ送信する送信端末と、を備えた酸素濃縮器運転システム。
(7)供給用ガスを充填したガスボンベの、残ガス量又はガス圧力値に関する検知手段による検知結果の情報を、このガスボンベに付帯した送信手段から通信路経由で遠隔の受信手段へ送信する工程を有する、ガスボンベの使用管理方法。
(8)供給ガスは吸入用酸素富化気体であり、ガスボンベは患者が携帯して移動可能な携帯型酸素ボンベであることを特徴とする、(7)に記載のガスボンベの使用管理方法。
(9)(A)酸素よりも窒素を選択的に吸着し得る吸着剤を充填した少なくとも1個の吸着筒と、該吸着筒に空気を加圧供給及び/または減圧排気する為の空気圧縮機と、該吸着筒の吸着工程・脱着工程を切り換えて継続的な酸素富化気体生成を可能とする切り換えバルブを有し、且つ可搬型に構成された圧力変動型の酸素濃縮器と、
(B)当該酸素濃縮器の地理的位置情報の生成手段と、地理的位置情報を遠隔の監視情報端末へ送信を行う送信手段と、を備えた酸素濃縮器運転システムであって、
電力供給を行う対象の当該システム要素として、空気圧縮機の駆動手段及び切り換えバルブの駆動手段を含むよう構成された、第一の電力供給手段と、
電力供給を行う対象の当該システム要素として、生成手段及び送信手段を含み且つ空気圧縮機の駆動手段及び切り換えバルブの駆動手段を含まないよう構成された、第二の電力供給手段と、をそれぞれ備えたことを特徴する酸素濃縮器運転システム。
本発明は、災害発生時の在宅医療機器の運転状況を迅速に把握可能とする構成を提供する、など多数の効果を奏する。
以下、図面を援用して本発明に係る在宅医療機器管理方法を用いた最良の実施形態である呼吸用気体供給システムの説明を行う。
〔呼吸用気体供給システムの基本構成〕
本発明実施形態構成である呼吸用気体供給システム1は、呼吸用気体供給装置2と遠隔の監視用コンピュータ4とが通信接続を有し、以下に説明する様々な動作、情報の送受を行おうとするものである。
一方、病院や家庭に配置されたこれら呼吸用気体供給装置の運転状況の把握およびその管理をするシステムとして、例えば、特許第2831399号公報、特開平10−52495号公報等で詳細に記述された構成を利用し、これらに変更を加えることにより本実施形態の呼吸用気体供給システム1を実現することは有効な方法である。
すなわち呼吸用気体供給システム1は本明細書図1に見るごとく、公衆電話回線で例示される通信網5、通信網5の第1の節点5aに接続する送受信端末3、送受信端末3に接続する呼吸用気体供給装置2、通信網5の第2の節点5bに接続する監視用コンピュータ4、監視用コンピュータ4と接続する患者データベース6を基本構成とする。
尚、送受信端末3は呼吸用気体供給装置5の近傍に別体に配置された構成として説明を行うが、送受信端末3の全部または一部が呼吸用気体供給装置2へ組み込まれて構成されていてもよい。
また、通信網5は公衆電話回線に限定される必要は勿論無く、インターネット通信網、専用通信回線、PHS通信網、携帯電話通信網など利用可能な全ての通信網で実現可能である。
送受信端末3および呼吸用気体供給装置2は、在宅医療を受ける患者の自宅10に配置され、監視用コンピュータ4は在宅医療機器(例示では呼吸用気体供給装置2)が正常な運転を行っていることや、治療実行が確実になされていることを遠方より監視し適切な在宅医療の実行を担保するための施設である監視センター11に配置されている。
また本システム1において、日本全国など広域の各所に多数の在宅患者の患者自宅10、すなわち呼吸用気体供給装置2や送受信端末3は配置されており、煩雑さを避けるために以下の説明および図示は一箇所のみの患者自宅10に限定する。
〔圧力変動型気体分離装置の構成概要〕
上記した呼吸用気体供給装置2は、例えば圧力変動型の気体分離装置である医療用酸素濃縮器として実現することが出来ものであり、この種の気体分離装置は、特開2005−83516号公報、特開平10−151315号公報などに詳細な開示がなされている。
気体分離装置は、少なくとも2種類以上の気体が混合されたガス(以下原料ガスと称す)から、その中の特定の成分(以下製品ガス)を取り出すための装置の総称である。気体分離装置には、その分離原理により多くの種類があるが、圧力スイング吸着式(圧力変動型ともいう)気体分離装置は、ある特定の気体分子を優先的に吸着する吸着剤を用いて、相対的に高い圧力で原料ガスを吸着剤に接触させ、吸着剤に吸着しやすい成分を吸着させて吸着しにくい成分を取り出す吸着工程と、ガスの圧力を低下させることによって、一旦吸着剤に吸着した吸着成分を脱着して取り出す脱着工程を繰り返すことによって原料ガスを吸着剤に吸着されやすい成分と吸着されにくい成分とに分離する装置である。製品ガスとしては、吸着されやすい成分または、吸着されにくい成分、あるいはその双方とすることができるが、実際の装置においては目的の成分が必要な純度で効率よく取り出せるようにプロセスの構成が最適化されている。
圧力スイング型気体分離装置の内比較的簡単なものの代表的な構成例が特開2005−83516号公報の図15に示されている。
この例では、製品ガスは吸着剤に吸着されにくい成分であり、吸着されやすい成分は排気ガスとして排出される。通常、吸着剤は吸着筒と呼ばれる円筒状の容器に収められており、円筒の両端にはガスの出入り口が取り付けられている。この構成例では吸着筒は2本あるが、それぞれ吸着筒の一端(以下供給端)は4方弁に接続されており、それぞれの吸着筒が圧縮機に接続されるか、排気口に接続されるかを切り換えている。圧縮機は外部の空気を取り入れて圧力を高めて吸着筒へ供給する働きをしており、排気口は通常消音器を通じて大気に解放されている。吸着筒の他方(以下製品端)は製品取り出しバルブ、均圧バルブ、オリフィスが接続されている。製品取り出しバルブの下流側には製品タンクが接続されており、さらに下流側に流量調節弁が取り付けられている。製品取り出しバルブは逆止弁で代用されることもあり、オリフィスは2つの吸着筒の間ではなく、それぞれの吸着筒と製品タンクの間に取り付けられることもあるが、役割は同一である。この装置の動作は以下のようになる。
まず、4方弁が切り替わって圧縮機と吸着筒が接続され、吸着筒と排気が接続されると、吸着筒に原料ガスが供給されて圧力が上昇し、吸着筒からは排気ガスが排出されて圧力は低下する。吸着筒の圧力が所定の圧力まで上昇すると、製品取り出しバルブが開き、製品タンクに製品ガスを供給する。所定の時間が経過すると、4方弁が切り替わり、吸着筒は排気口に、吸着筒は圧縮機に接続され、それぞれ減圧、加圧される。吸着筒の圧力が所定の圧力になると、製品取り出しバルブが開き、吸着筒から製品タンクに製品ガスが供給される。所定の時間が経過すると再び4方弁が切り替わり、最初の状態に戻る。
吸着筒が加圧されている期間は一般に吸着工程と呼ばれ、吸着筒から排気している期間は脱着工程と呼ばれる。均圧バルブは通常4方弁が切り替わる前後の所定時間開き、その期間は均圧バルブを通して圧力が高い方の吸着筒から圧力が低い方の吸着剤へとガスが流れ、4方弁が切り替わった後の吸着筒の加圧・減圧を助ける。この工程を均圧工程と呼ぶ。
オリフィスは前述の通り、2つの吸着筒製品端の間に接続されており、圧力が高い方の吸着筒から取り出された製品ガスの一部がオリフィスを通じて圧力が低い吸着筒へと流入し、不要成分の排気を助ける。これをパージと呼ぶ。パージを行うと、脱着工程時における吸着塔内の不要成分の分圧は、パージを行わなかった場合よりも下がり、吸着剤からの不要成分の解離が促進される。さらに気相中の不要成分もパージガスによって吸着筒供給端側へと押し出され、排気される。この効果はパージガス量が多いほど高くなるが、パージガスの量があまりに多くなるとパージガスの一部が吸着筒供給端から排気されることになり、これは実質的に製品ガスの一部を捨てていることになるので、かえって分離効率を低下させる。以上のようにパージ量が少ない場合には不要成分の分圧を下げる効果が低く、パージ量が多すぎるとパージガスが吸着筒供給端から排気されて効率が下がるので、パージ量には最適値がある。多くのプロセスではこのパージを行うことによって、比較的高い分離効率を得ている。
〔呼吸用気体供給装置の構成〕
次に、吸入用酸素富化気体を継続的に生成し患者へ供給するための呼吸用気体供給装置2の詳細構成について、図2を用いて説明する。尚、本発明の実施に際して、酸素濃縮装置の基本的な酸素濃縮機能に係る構成はここに説明を行う態様に限定されず、既に公知の構成、あるいは今後提案される様々な構成とすることが出来ると共に、以下の説明において、上記の圧力変動型気体分離装置の動作原理が適宜援用される。
呼吸用気体供給装置2は、図2の構成図に示すように、酸素よりも窒素を選択的に吸着する吸着剤を充填した吸着筒(吸着ユニット2-5に含まれる)に、電動モータを駆動部として有するコンプレッサ2-4によって大気中から圧縮された加圧空気を供給し、吸着筒内部を加圧状態にして窒素を吸着させ、吸着されなかった酸素を取り出す。吸着筒より取り出された酸素を主とする酸素富化気体は、製品タンク2-6に貯留した後、超音波センサ部2-7、呼吸同調部2-8を経て製品供給端2-9から装置2の外部へ供給され、酸素富化気体を酸素濃縮装置2から患者の鼻腔付近まで輸送するチューブ部材である鼻カニューラ2-12を介して使用者(酸素療法患者)に供給される。
ここで吸着剤は、1回の工程で吸着できる窒素の量が吸着剤の量や種類によって決まっているため、吸着剤に吸着される窒素の量が飽和する前に流路切換弁を切り換えて吸着筒を大気開放して吸着筒内部を減圧し、窒素を脱着させて吸着剤を再生させる。
また、流路切換弁は、今後説明を行う他の切換弁と同様に電磁弁を用いて構成され、電流導通及び電流遮断の選択により弁の開閉を実現するソレノイドアクチュエータがその駆動部として付随している。
流路切換弁は、予め設定された時間によって切り換えられるようにメイン制御部2-14によってその印加電流が制御される。なお、一工程中の吸脱着量を増やすべく、真空ポンプを用いて、脱着工程における吸着筒内部の圧力を真空にしても良い。
本実施形態の呼吸用気体供給装置2をより小型軽量あるいは高効率運転可能に構成するために、例えば、特許第3269626号公報に記載された構成を用いて、複数の吸着筒に対する加圧及び脱着のための気体流路を、回転部を電動モータにより回転駆動させることで順次連続的に形成する回転バルブ手段を備えた吸着ユニット2-5とすることは望ましい態様である。
超音波センサ部2-7は、本出願人の出願に係る特開2002-214012号公報等に記載されているように、鼻カニューラ2-12内を流れる酸素富化気体の流れる方向と同方向及び逆方向の2つの音波、例えば超音波の伝播速度を測定し、2つの測定値の相違する量から、鼻カニューラ2-20内を流れる酸素富化気体の実際の流量を測定することが出来る。またその他の構成や方式を用いて酸素富化気体の実際の流量を測定する構成を有しても良い。
更に、呼吸同調部2-8は、患者の呼吸を検知して吸気期間(空気を吸っている)だけに酸素富化気体を供給し、呼気期間(空気をはいている)内は供給を停止する所謂デマンドレギュレータの機能を実現することによって、患者の吸入に影響が無いようにしつつ患者へ供給する酸素富化気体の量を節約 (conserving) するためのものであって、この結果、AC電源を電力供給源としている運転モードでは使用電力量を削減することが出来、充電可能な電池を電力供給源としている運転モードでは次の充電までの運転時間を延長することが出来る。
尚、上記の如く患者の呼吸を検知して吸気期間のみ酸素富化気体を供給する運転モード(以下、同調モードともいう)と、患者の呼吸とは無関係に一定の流量の酸素富化気体を常に供給する運転モード(以下、連続モードともいう)とを切り換え操作するための操作スイッチ(図示しない)を呼吸用気体供給装置2は備えており、例えば睡眠時には必ずこの操作スイッチを操作して連続モードで酸素富化気体の吸入を行うよう構成してもよい。これは睡眠時の患者が鼻腔ではなく口腔経由で呼吸を行って呼吸の検知がされない場合であっても、酸素富化気体の供給を継続出来るようにするためである。
患者の呼吸を検知するための具体的な構成は、例えば、本出願人の出願に係る特開2002-272845号公報に記載された構成の如く、光マイクを用いて音声信号(患者の呼吸音)を光信号に変換したのち電圧信号に変換し、更に周波数に変換することにより周波数領域での解析を行い、周波数帯域の違いにより呼吸を検知する構成や、特開昭62-270170号公報に記載があるように鼻カニューラに焦電素子からなるセンサを設ける方法や、特公平5-71894号公報に記載があるように導電性層を積層した高分子フィルムを用いて静電容量を検出するダイヤフラム式の圧力検出器を用いる構成や、特開平2-88078号公報に記載があるように圧力検出器を酸素濃縮装置本体の酸素供給口近傍に設け、圧力検出器の信号に基づいて酸素富化気体の供給を制御する方法や、あるいはその他の方法により実現することが出来る。
尚、この呼吸用気体供給装置2は、呼吸同調部2-9を搭載せず、連続流のみの酸素富化気体を患者へ供給する構成としてもよい。従って以下の記載において酸素富化気体の供給に言及をしている場合、連続流による供給であるか同調モードによる供給であるかを特に限定するものではなく、本発明はそのいずれの場合においても成立する。
表示部2-10は液晶パネルのような表示部材とその周辺インターフェース部を含んだ表示手段であって、メイン制御部2-14から送信された情報をこの表示部材に表示する。
入出力端2-11はメイン制御部2-14から送出される種々の情報を、無線あるいは有線伝送路を介して酸素濃縮装置1外の装置例えばパーソナルコンピュータへ送出するための出力端子あるいは送信インターフェース(RS-232C、USB、Bluetoothその他公知の通信規格に準じた構成であっても良い)であるとともに、前述したパルスオキシメータ3あるいは他の外部機器と信号ケーブル4などを介して信号が送受可能に接続し、外部からの信号を受信してメイン制御部2-14などへ送出する受信インターフェースである。入出力端2-11から送出される情報は、従来の酸素濃縮装置でも表示が行われていた内容(流量設定値、運転アワーメータ情報など)の他に、通信路5経由で監視用コンピュータ4へ送信されるべき情報を送受信端末3へ送出し、逆に監視用コンピュータ4発の情報を受信する情報通路でもある。
また図2に図示されない構成である流量設定部は患者等使用者が操作して供給すべき酸素富化気体の流量を設定操作するためのもので、例えばダイアルスイッチを回転操作して、1リットル/分、2リットル/分、3リットル/分等の内から所望の選択値を選択操作すると、この選択値を検知したメイン制御部2-14がコンプレッサ2-4や吸着ユニット2-5の動作速度などを制御して、設定された所望の流量を実現するものである。
コンプレッサ2-4は、コンプレッサ2-4を駆動させるためのコンプレッサ駆動用電動モータ(図示せず)を具備しており、コンプレッサ駆動モータはメイン制御部2-14によって設定された回転数を実現するように電源制御部2-23が生成出力する駆動電流に従いコンプレッサ2-4を回転駆動させる。コンプレッサ2-4が有する圧縮機構部は、コンプレッサ駆動モータによって得た回転力によって空気を圧縮するものであり、その圧縮方式によって様々な種類が存在し、往復運動式のピストンタイプや回転式のスクロールタイプなどが一般的によく用いられているが、大気中の空気を圧縮できるものであればどのタイプを用いても構わない。
電源制御部2-23は上述のようにコンプレッサ2-4を駆動する駆動電流出力のほかに、呼吸用気体供給装置2に含まれる各構成へ電力を供給する機能を有する。
尚、本実施例の呼吸用気体供給装置2は、災害などにより家庭用AC電源が停電した場合に対処するための特徴的な点として、従来の典型的な酸素濃縮装置では家庭用AC電源のみからの電力供給方法であったのを改め、内蔵する大バッテリ2-13、家庭用AC電源、のツーウェイ電源方式を採用している。そのために、装置外部に面する筐体外周部には電源入力端2-21を設け、ここを通じてAC電源ユニット2-15から交流にて電力の供給を受けることが出来ると共に、電源入力端2-21を通じた家庭用AC電源による電力供給が出来ない場合に、バッテリ2-13からの放電により電源制御部2-23へ電力を供給する。
尚、バッテリ2-13への充電は、通常、バッテリ2-13を可搬型酸素濃縮器2へ装着したままの状態で、AC電源ユニット2-15から供給された電力が電源入力端2-21及び電源制御部2-3を経由して供給されることにより実行される。
更にこの呼吸用気体供給装置2には、上記の大バッテリ2-13とは別に、コンプレッサ2-4の駆動モータや、吸着ユニットの電磁弁アクチュエータといった比較的大電力の構成要素をその電力供給先として含まないよう構成された、乾電池、積層乾電池、ボタン電池、充電池などで実現される小バッテリ2-12が配設されている。この小バッテリ2-12を利用した災害への対処については別途説明を行う。
メイン制御部2-14は呼吸用気体供給装置2が有する各構成を制御して酸素富化気体の供給を行わせる、という従来構成の酸素濃縮装置における制御部と同様な機能とともに、後記する災害対処のための全ての制御を行う。
〔送受信端末を用いた通常運転時のモニタリング動作〕
先に説明を行った呼吸用気体供給装置2には、その運転動作をモニタリングするための圧力センサ、温度センサ、電圧センサ、流量センサ、など図示されない各種多数のセンサが配設され、これらのセンサと送受信端末3とが協働することにより、この呼吸用気体供給装置2が正常に運転継続していること、装置に異常の発生がないことあるいは異常発生の発見、例えば酸素濃度が現在正常範囲にあるとはいえ下降トレンドが見られることから今後の酸素濃度不足が予測される点など異常発生を予測すること、及び患者が確実にこの呼吸用気体供給装置2を用いて治療を実行していることなどを監視し、この結果、治療が確実に実行されることが担保される。
送受信端末3には、節点5aを経由する通信路5への送信部(図示しない)、通信路5からの受信部(図示しない)が具備されている。
かかる呼吸用気体供給装置2には、窒素吸着筒やコンプレッサなど内部ユニットの使用に関する情報を収集するための情報収集機能部、それらの情報を必要に応じて変換するための変換部、それら変換された情報を必要に応じて記憶するための記憶部など各構成が設けられ、これら機能の一部はメイン制御部2-14により実行がなされるようにしてもよい。
かかる情報としては、例えば膜型,吸着型等の酸素濃縮器の場合には、圧力,酸素濃度,流量,濃縮器内の温度,電流,電源電圧や内蔵コンピュータ等についての異常に関するもの、必要に応じて測定される酸素濃度や流量,圧力,温度等、濃縮器の運転時間,使用流量設定値,更には濃縮器の器台番号,患者の氏名等の患者に関する情報等があげられる。
尚これらの情報は、呼吸気体供給装置2に具備された検知部によって検知されて収集されるものであってもよく、あるいは、呼吸用気体供給装置2の外部にある計測器である、例えば酸素濃度検出器や流量計等を具備した検出器(即ちテスター)を必要に応じて酸素濃縮器に接続せしめることによって検知されて入力手段により入力されて、これらの情報もまた同様に収集活用されるように構成されてもよい。
更に例えば酸素濃度が現在正常範囲にあるとはいえ下降トレンドが見られることから、今後の酸素濃度不足が予測される点など、この呼吸用気体供給装置2での異常発生の予測を、本システム1は実行可能に構成されている。
また患者への呼吸気体供給を行う際に、患者の吸気を検知して吸気時にのみ気体を供給するための手段、いわゆるデマンド機能部を備え、且つこの患者の呼吸検知情報を収集対象情報としても良く、この場合、単に呼吸用気体供給装置2が運転をしていただけではなく、供給される気体が患者により吸入されていた事実として、いわゆる治療コンプライアンス情報が得られる。 治療コンプライアンス情報を利用すれば、ただ単に呼吸用気体供給装置2が運転していたばかりではなく実際に酸素富化気体を患者が吸入しており、在宅医療の治療が実行されていた点が確認可能となる。
呼吸用気体供給装置2の運転異常に関する情報は、検知された気体の圧力,温度,酸素濃度,流量等に関する情報を、あらかじめ入力されて記憶された各々の所定値(すなわち比較対象となる適正値)と比較手段により比較し、それらの比較の結果から少なくとも一種の情報について異常と判断される場合に異常警報として検知するようにすることが望ましい。
尚、ここで気体の圧力とは、例えば圧力変動吸着型酸素濃縮器の場合に通常チェックされる吸着床や酸素濃縮気体の貯留タンク内の圧力などをいい、膜型酸素濃縮器の場合の真空ポンプにより減圧された領域内の圧力をいう。また温度としては、例えば吸着型,膜型の酸素濃縮器の場合のコンプレッサ室や真空ポンプ室の内部空間の温度をいい、また流量としては通常使用に供する呼吸用気体の流量をいうものの、その他にこの呼吸気体供給装置2の運転状態監視、異常の発見に供されるものであれば何でも良い。
呼吸用気体供給装置2に具備される変換手段としては、例えば情報がアナログ信号の場合に、アナログ/デジタル(A/D)変換手段や、送信の為のパラレル/シリアル信号変換手段があげられる。尚、情報が接点信号,運転信号によるものの場合にはかかる変換手段を経ることなくそのまま使用される構成もありうる。
また具備される記憶手段として、好ましくはマイクロコンピュータ手段が用いられ、その場合には異常に関する情報として過電流,コンピュータの作動異常,電源電圧の異常等の少なくとも一種を用いることが望ましい。
〔呼吸用気体供給装置運転情報および患者情報の送信動作〕
上記したような、呼吸用気体供給装置2の運転に関する情報、同じく呼吸用気体供給装置2に発生した異常に関する情報、および患者の治療コンプライアンス情報など(これらを総称して医療機器情報とも呼ぶ)は、メイン制御部2-14により送信用情報として生成され、記憶手段に一度蓄積されるかあるいはリアルタイムに、送受信端末3から通信路2を経由して監視用コンピュータ4へ送信される。
送信は上記のようにリアルタイムでもよいし、毎日定時的に、あるいは送受信端末3の操作に応じて随時行っても良い。更に監視コンピュータ4からの要求に応じて随時行っても良い。
送信情報を受信した監視コンピュータ4では、情報をハードディスクなど適当な記録手段(図示しない)に記録保持すると共に、コンピュータ表示部7に表示して操作者が閲覧を出来るようにする、医療従事者への報告書などの書式に生成して、電子メールで医療従事者へ送信する、図示しない印字機で紙媒体へ印字して閲覧に供するなどの処理を行う。
この結果、監視センター11では、遠隔に配置された呼吸用気体供給装置2の正常動作や、患者による気体吸入の実行を継続的に確認して確実な在宅医療の実行が担保される。
〔監視用コンピュータおよび患者データベースの構成〕
監視センター11に配置された監視用コンピュータ4の例示される構成は、本願実施形態にそれぞれ記載された動作を行うためのアプリケーションプログラムが実行可能なように実装されたパーソナルコンピュータであって、その情報送受信機能、アプリケーションプログラム実行機能、情報記録および読み出し機能などは一般的なパーソナルコンピュータ及び周辺機器の構成として公知技術である故に説明は省略する。
コンピュータ表示部7は監視用コンピュータ4に接続してその制御に応じて情報表示を行うモニターであって液晶モニターなどで実現される。
患者データベース6は、患者の氏名、住所(患者の所在地であって、患者宅10の住所であるとともに在宅医療が実行される場所である)、通信路節点5aの情報などがハードディスクに例示される記録保持手段に記録され、監視用コンピュータ4から読み出し可能なように構成されたサーバである。
この患者データベース6が保持する情報は、患者の住所、氏名、性別等の患者属性データ、設置された医療機器の種類、設置日等の医療機器データ、医療機器による処方内容(在宅酸素療法の実施が医師により処方され、その内容が90%体積濃度以上の酸素富化気体を毎分2リッターの流量で就寝時及び安静時に吸入、運動や労働時など労作時に毎分3リッターの流量で吸入など)施設名等の処方データ等、患者及び患者の受ける在宅医療に関する情報とすることが出来る。
〔災害発生時の呼吸用気体供給装置及び送受信端末の動作 〜 大バッテリによる運転継続段階〕
台風、地震などの災害では地域での停電が発生する場合が多い。
そこで本実施形態の呼吸用気体供給装置2では、前述した大バッテリ2-13を用い、呼吸用気体供給装置2全般への電力供給を行うことにより、患者への酸素富化気体供給を停電時においても継続する。
すなわちメイン制御部2-14は、電源入力端2-21からのAC電力供給が途絶したことを感知すると、自動であるいは患者や患者家族などの手動操作に応じて、あるいは又、この感知結果を情報受信した監視用コンピュータ4からの通信路経由の命令信号に応じて、大バッテリ2-13からの放電電力が呼吸用気体供給装置2の各ユニット、特にコンプレッサ駆動用モータ、及び吸着ユニット2-5の電磁弁あるいは回転弁駆動部を含んだ各ユニットに対して供給されるよう制御を行う。このような制御を行った時点でこれら動作、すなわちこの呼吸用気体供給装置2の運転が大バッテリ2-13からの供給電力により行われている事実を監視センター11へ通知するための情報送信を送受信端末3及び通信路5経由で行っても良い。
ところが、上記のコンプレッサ駆動用モータ、及び吸着ユニット2-5の電磁弁あるいは回転弁駆動部を含んだユニットは比較的大消費電力であり、大バッテリ2-13からの放電電力では長時間に亘る運転継続は困難で、典型的な構成においては数時間後には大バッテリ2-13からの供給電力も途絶することとなる。
そこで呼吸用気体供給装置2では、大バッテリ2-13から放電電力を供給中に、メイン制御部2-14による統制制御のもと、この大バッテリ2-13が今後まだ供給が可能な残電力量あるいは大バッテリ2-13からの供給電圧を検知して、検知結果を送受信端末3及び通信路5経由で監視センター11送信するよう構成がなされている。
この結果、監視センター11では、この患者があと何時間、酸素富化気体の吸入を続けられるのかを知ることが出来、営業所や医療機関から予備バッテリを各患者の下に配送しようとする際に優先順位の決定に用いることができ、もしも重篤な患者で一刻も早く救急対処が必要な場合には行政機関などに連絡を行うことも可能となる。
尚、併合疾患や病態重篤度など個々の患者ごとに事情は異なり一概に言えるものではないが、在宅酸素療法を受ける患者は多くの場合、万が一、酸素富化気体の吸入が行えない状態となったとしても、短時間であれば生命の維持に支障をきたす可能性は少ない点を付記する。
また、上記したような、停電発生を知らせる情報、大バッテリ2-13の残電力量や電圧値といった、供給電力に関する情報は、この呼吸用気体供給装置2の地理的な位置の情報をGPSのような地理的位置測定装置をこの呼吸用気体供給装置の内部あるいは外部に配設して取得し、その地理的位置情報と共に送信することも考えられる。このように構成することによって、対処が必要な患者の居所を迅速に且つサーバのデータのような他の蓄積データに頼ることなく得ることが出来、様々な混乱が予想される災害発生の現場での確認作業を実現し、更に監視センタ11での蓄積データの破壊、消失などに際しても有効な患者対応が実現する。
〔災害発生時の呼吸用気体供給装置及び送受信端末の動作 〜 小バッテリによる通信維持段階〕
上記のように大バッテリ2-13の残電力量が使い尽くされると、呼吸用気体供給装置2における酸素生成のための各ユニットが駆動あるいは作動できなくなり、患者に対して酸素富化気体の供給が出来なくなると共に、メイン制御部2-14や送受信端末3の作動も停止することにより監視用コンピュータ4との情報送受信が全て途絶し、監視センタ11ではこの呼吸用気体供給装置2に関する情報が一切受けられないという点が、従来技術構成における欠点であった。
そこで本実施形態の呼吸用気体供給装置2においては、大バッテリ2-13とは別に小バッテリ2-12を配設し、この小バッテリ2-12はその電力供給先としてメイン制御部2-14と送受信端末3を含め、コンプレッサ2-4の駆動用電動モータや、吸着ユニット2-5の切換弁アクチュエータといった大消費電力ユニットは含めないものとしている。
この結果、小バッテリ2-12の構成が比較的小容量、小型、低コストであったとしても、比較的低消費電力である通信系の各ユニットの機能を長期間に亘り維持し、監視センタ11では情報を得て状況把握を行うことが出来る。
この際に小バッテリ2-12の電力供給先としてメイン制御部2-14のほかに上記した各種センサ、各種記憶部などを含める構成とする点は効果的である。また小バッテリ2-12の残電力量や供給電圧を情報として監視センタ11へ送信してもよい。
上記のように小バッテリ2-12を用いた通信機能維持が実現した結果、本実施形態の呼吸用気体供給装置2を用いれば、その運転スイッチが入っている事実や患者が操作部を操作した事実から酸素富化気体供給を患者が求めている点や、酸素富化気体供給を行っていないもののこの呼吸用気体供給装置2内部構成の状況、例えば内部温度、内部への水分の侵入の有無などが情報送信により把握され、災害時の患者対応がより確実、高度、迅速なものとすることが出来る。
〔変形例〕
上記の説明において開示された本発明は、その主旨を変更することなく様々な態様にて実施しうる点は当然であると共に、また以下のような変更された発明も実施可能である本発明の部分をなす。
すなわち第1の変形例は、送受信端末3の機能が呼吸用気体供給装置2の運転モニタリング情報などを含まず、この呼吸用気体供給装置2への運転電力の供給に関する情報、すなわち先に説明したような停電発生やバッテリの情報に特化させた構成とする。このように構成することにより全体のシステムをより簡潔に構成し、通信費用負担も低減できる。
第2の変形例においては、呼吸用気体供給装置2自体を患者宅に据え置き固定設置で使うものではなく、上記の大バッテリ2-13に相当するバッテリを主な電力供給源として可搬移動型として構成する。この場合、通信路は当然無線通信路を利用する。
第3の変形例においては、酸素濃縮器での電力供給状況を情報送信する点に代えて、呼吸用ガスを充填したボンベ、望ましくは可搬型ボンベにおける残ガス量あるいはガス圧力値の検知結果情報を送信するようにする。
例えばガス圧力は圧力計による計測値で、残ガス量は流量計による積算供給ガス量に基づいて検知することが出来る。
このように構成することで、停電やバッテリの状況と同様に、特に患者外出時や災害発生、酸素濃縮器の故障停止時にバックアップとして用いられる重要な手段である可搬型酸素ボンベからの現在あるいは将来に亘る酸素供給状況を医療機関や医療機器業者が把握することが出来るようになる。この結果、災害など発生時の患者対応がより確実に行える点は、先に説明した実施形態と同様の利点である。
第4の変形例では、呼吸用気体供給装置2に非常用電力源として大バッテリ2-13を設けることなく、ただ災害時の通信機能維持のために小バッテリ2-12のみを設ける。
第5の変形例では、小バッテリ2-12によりメイン制御部2-14などの機能が維持されてこの呼吸用気体供給装置2の状況に関する情報が生成されるものの、その情報は通信路経由で送信されるのではなく、メンテナンス要員がこの呼吸用気体供給装置2の元へ持参したハンドヘルドの検査装置との通信接続により取得する、あるいはこの呼吸用気体供給装置2の表示部2-10に表示がなされることで確認される。
更に、先に説明した実施形態あるいは変形例において、GPSに代表される公知の位置検知装置を用い、あるいは内部に内蔵機能として有することにより、酸素濃縮器や酸素ボンベの地理的位置を検知してその情報を合わせて送信することは、災害時の患者対応として望ましく推奨される。
ここでいう位置情報は、カーナビゲーションで取り扱われる情報のように、千代田区内幸町2丁目1番1号、といった社会的取り決めとしての住所情報(地理的位置情報ともいう)でもよいし、北緯何度東経何度という地球上の物理的な座標情報(物理的位置情報)でもよいし、その他特定の基準位置に対する相対的な位置情報など、位置を指し示す情報ならば何でもよい。
また第6の変形例は、据え置き型あるいは可搬型に構成された酸素濃縮器がGPSに代表される公知の位置情報生成部を内蔵あるいは外部に設け、同じく内蔵あるいは外部に設けた送信端末から遠隔の監視用コンピュータへこの酸素濃縮器の位置情報を適宜送信することにより患者の行動をバックアップしようとする構成において、コンプレッサ駆動モータや切り換え電磁弁といった大消費電力ユニットへ非常用電力を供給する大バッテリの他に、位置情報生成部や送信端末3といった比較的低消費電力で且つ位置情報の通信機能維持に必要なユニットへ電力供給を行う小バッテリを配設した酸素濃縮器として構成する。この結果、災害発生時のみならず大バッテリの電力が使い尽くされた場合においても、予備バッテリの配送や患者状況の把握が迅速確実に行うことができる。
本発明の最良の実施形態に係る呼吸用気体供給システムの構成図である。 図1のシステムが有する呼吸用気体供給装置の構成図である。
符号の説明
2 呼吸用気体供給装置(圧力変動型の酸素濃縮器)
2−4 コンプレッサ(空気圧縮機)
2−5 吸着ユニット(吸着筒、切り換えバルブ)
2−12 小バッテリ(第二の電力供給手段)
2−13 大バッテリ(第一の電力供給手段)
2−14 メイン制御部(情報生成手段)
3 送受信端末(酸素濃縮器情報端末)

Claims (5)

  1. (A)酸素よりも窒素を選択的に吸着し得る吸着剤を充填した少なくとも1個の吸着筒と、該吸着筒に空気を加圧供給及び/または減圧排気する為の空気圧縮機と、該吸着筒の吸着工程・脱着工程を切り換えて継続的な酸素富化気体生成を可能とする切り換えバルブを有する圧力変動型の酸素濃縮器と、
    (B)当該酸素濃縮器の運転状況の把握又は異常発生の知得、あるいは当該酸素濃縮器を用いる酸素療法治療の実行確認の内の少なくともいずれかを行うための情報を前記酸素濃縮器の情報生成手段から受信して遠隔の監視情報端末へ送信を行う、当該酸素濃縮器の内部あるいは外部に設けられた酸素濃縮器情報端末と、を備えた酸素濃縮器運転システムであって、
    電力供給を行う対象の当該システム要素として、前記空気圧縮機の駆動手段及び前記切り換えバルブの駆動手段を含むよう構成された、第一の電力供給手段と、
    電力供給を行う対象の当該システム要素として、前記情報生成手段及び前記酸素濃縮器情報端末を含み且つ前記空気圧縮機の駆動手段及び前記切り換えバルブの駆動手段を含まないよう構成された、第二の電力供給手段と、をそれぞれ備え、且つ、
    前記酸素濃縮器情報端末は、(1)当該酸素濃縮器が酸素富化気体の供給を行なっていない事実に関する情報、(2)当該酸素濃縮器の操作部が操作をされた事実に関する情報、のうちの少なくとも一方を前記監視端末へ送信を行う手段であることを特徴する酸素濃縮器運転システム。
  2. 前記酸素濃縮器情報端末は、前記第一の電力供給手段が電力供給を行わないことによって当該酸素濃縮器が酸素富化気体の供給を行っていない事実を前記監視端末へ送信を行なう手段である、請求項1記載の酸素濃縮器運転システム。
  3. 該第一及び第二の電力供給手段がバッテリにより電力供給が行われる手段を含み、
    該酸素濃縮器情報端末が、酸素濃縮器電源入力端末からの交流電力供給によるのではなく第一のバッテリ手段からの電力供給によって当該酸素濃縮器が運転されている事実の情報を、前記監視端末へ送信する装置であることを特徴する、請求項1記載の酸素濃縮器運転システム。
  4. (A)酸素よりも窒素を選択的に吸着し得る吸着剤を充填した少なくとも1個の吸着筒と、該吸着筒に空気を加圧供給及び/または減圧排気する為の空気圧縮機と、該吸着筒の吸着工程・脱着工程を切り換えて継続的な酸素富化気体生成を可能とする切り換えバルブを有する圧力変動型の酸素濃縮器と、
    (B)当該酸素濃縮器の運転状況の把握又は異常発生の知得、あるいは当該酸素濃縮器を用いる酸素療法治療の実行確認の内の少なくともいずれかを行うための情報を前記酸素濃縮器の情報生成手段から受信して遠隔の監視情報端末へ送信を行う、当該酸素濃縮器の内部あるいは外部に設けられた酸素濃縮器情報端末と、を備えた酸素濃縮器運転システムであって、
    当該酸素濃縮器が有する電力入力端からの交流電力供給が途絶したことを検知すると、自動あるいは手動操作にて相対的に電力供給量が大きい第1のバッテリ手段から当該酸素濃縮器運転システム全般への電力供給を行ない、次に、前記第1のバッテリ手段の残電力量が使い尽くされると、少なくとも前記酸素濃縮器の運転制御部及び前記酸素濃縮器情報端末の機能が維持されるようこれら各構成へ相対的に電力供給量が小さい第2のバッテリ手段から電力を供給するよう制御を行う、制御手段を備えたことを特徴とする、酸素濃縮器運転システム。
  5. (A)酸素よりも窒素を選択的に吸着し得る吸着剤を充填した少なくとも1個の吸着筒と、該吸着筒に空気を加圧供給及び/または減圧排気する為の空気圧縮機と、該吸着筒の吸着工程・脱着工程を切り換えて継続的な酸素富化気体生成を可能とする切り換えバルブを有し、且つ可搬型に構成された圧力変動型の酸素濃縮器と、
    (B)当該酸素濃縮器の地理的位置情報の生成手段と、前記地理的位置情報を遠隔の監視情報端末へ送信を行う送信手段と、を備えた酸素濃縮器運転システムであって、
    電力供給を行う対象の当該システム要素として、前記空気圧縮機の駆動手段及び前記切り換えバルブの駆動手段を含むよう構成された、第一の電力供給手段と、電力供給を行う対象の当該システム要素として、前記生成手段及び前記送信手段を含み且つ前記空気圧縮機の駆動手段及び前記切り換えバルブの駆動手段を含まないよう構成された、第二の電力供給手段と、をそれぞれ備え、且つ、
    前記酸素濃縮器情報端末は、(1)当該酸素濃縮器が酸素富化気体の供給を行なっていない事実に関する情報、(2)当該酸素濃縮器の操作部が操作をされた事実に関する情報、のうちの少なくとも一方を、前記地理的位置情報とともに前記監視端末へ送信を行うように構成されたことを特徴する酸素濃縮器運転システム。
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