JP2005203129A - 質量分析装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 高い質量分解能で目的イオンを選別し、その目的イオンを開裂させたイオン断片を分析して分子の構造解析を行う。
【解決手段】 イオン源1で発生させた各種イオンを周回軌道Pに乗せ、周回させる過程で目的イオンとそれ以外のイオンとの差を拡大させ、不要なイオンを偏向電極2により軌道P外に廃棄する。それによって高い質量分解能で以て目的イオンのみを軌道P上に残し、実質的にイオントラップと同様の機能で且つより一層高い性能を実現する。こうして蓄積した純度の高い目的イオンを軌道Pから離脱させ、開裂領域4で開裂させた後に第2飛行空間6に導入し、反射器7により質量数に応じた位置で折り返して検出器8で検出する。
【選択図】 図1

Description

本発明は質量分析装置に関し、更に詳しくは、様々な質量数を有するイオンの中から特定の質量数を有するイオンを選別して蓄積する機能を有する質量分析装置に関する。
従来、質量分析装置として特許文献1等に記載の構成のものが知られている。この質量分析装置は、イオン源としてのイオントラップと、該イオントラップから引き出されたイオンを直線的に飛行させるための飛行空間と、その飛行空間を飛行して来たイオンを電場によって反射させる反射器と、反射されたイオンを検出する検出器とを備える。イオントラップは、円環状のリング電極と、そのリング電極の中央開口を両側から挟むように配置された一対のエンドキャップ電極と、から成る三次元四重極型の構成であり、各電極に所定の電圧を印加することで電極で囲まれる空間にイオンを蓄積し、或いは、イオンを選別し、さらには衝突誘起分解(CID)ガスをイオントラップ内へ導入することによりイオンを開裂させることができる。また、こうした三次元四重極型イオントラップの他に、四重極質量フィルタのような四重極ロッドの構成によってイオンを蓄積するものも従来知られている。
上記のようなイオントラップはそのイオントラップ内に形成した四重極電場により、イオンの振動の軌道が捕捉空間内で収束するようにするものであり、特定の質量数を有するイオンをイオントラップから排除する際には、その質量数に応じた周波数の交流電場を形成するようにしている。しかしながら、或る特定の周波数成分のみ又は周波数範囲のみが全く存在しない、或いは逆に或る特定の周波数成分のみ又は周波数範囲のみが存在するような電圧を生成することは非常に困難である。そのため、上記のようなイオントラップにおけるイオンの質量選択性(質量分解能)は必ずしも高くなく、目的イオンに対しごく近接した質量数(例えば質量数が0.01だけ相違する)を有するイオンを十分に排除することは非常に困難であった。
特表2002−502095号公報
本発明はかかる課題に鑑みて成されたものであり、その主な目的は、高い質量分解能で以て目的イオンを選別して蓄積した後に、その目的イオンを例えば開裂させることで生じたフラグメントイオンを質量分析することができる質量分析装置を提供することにある。
本願出願人は、既に特願2003−280010号、特願2003−309553号などにおいて、飛行空間内に同一の周回軌道を形成し、イオンをその周回軌道に沿って多数回周回させることによって実質的な飛行距離を長くし、それによって検出器に到達する時間を相対的に長くして質量分解能を向上させ得るような質量分析装置を提案している。こうした周回軌道に沿って繰り返し飛行するイオンは、別の見方をするならば、その周回軌道上に捕捉(蓄積)されているとみることもできる。そこで、本願発明者はこうした周回軌道等、略同一の軌道上を繰り返し飛行させるための飛行空間を利用して、イオントラップと同様のイオンの選別及び蓄積を行うことに想到し、本願発明を得るに到った。
すなわち、上記課題を解決するために成された本発明に係る質量分析装置は、
a)イオン源から出発した各種イオンを略同一の周回軌道に沿って1乃至複数回繰り返し飛行させるための飛行空間と、
b)前記周回軌道に沿って飛行しているイオンに対し、特定の時間範囲内に通過しようとするイオンのみにその軌道上の飛行を許可することでイオンを選別するイオン選別手段と、
c)該イオン選別手段により選別されて周回軌道上に残ったイオンが該周回軌道から離脱した後に該イオンの質量数を分析するための質量分析手段と、
を備えることを特徴としている。
ここで、略同一の周回軌道とは、例えば全く同一な円状、楕円状、8字状等の周回軌道のみを意味するのではなく、全く同一な往復運動を行うための軌道のほか、ほぼ同一であるが徐々に軌道がずれていく例えば螺旋運動を行うための軌道なども含むものとする。
本発明に係る質量分析装置では、イオンの質量数を分析するための質量分析手段の前段に周回軌道を内包する飛行空間が設けられており、この周回軌道に沿ってイオンが飛行する間にイオン選別手段により特定の質量数を有するイオンのみを周回軌道に残すように選別する。同一の質量数を有する目的イオンは密集した状態で周回軌道を回り、その目的イオンと質量数の相違するイオンは周回数が増えるに従い、目的イオンの集団から離れていく。質量数差が僅かであるイオン同士であっても繰り返し飛行回数を増やすことによりその間隔を十分に開かせることができる。したがって、この周回軌道上の適宜の位置において、イオン選別手段が、所定の時間範囲内に通過しようとするイオンの通過を許可し、その時間範囲外に通過しようとするイオンは周回軌道から離脱させて廃棄するようにすることにより、目的イオンのみを高い精度(質量分解能)で選別して周回軌道に残すことができる。こうした選別後には周回軌道上には選別されたイオンのみが残るため、イオンの選別及び蓄積が行われた状態となり、所定のタイミングでイオンを周回軌道から離脱つまり飛行空間から出射させて、質量分析手段に導入することで該イオンの質量数の測定を行うことができる。
なお、イオン選別手段はイオン源から到来するイオンを上記周回軌道に乗せたり、逆に周回軌道に沿って飛行しているイオンを該軌道から離脱させて質量分析手段に向けて飛行させるための電場を形成する電極等と兼ねることができるが、これとは別に独立に設けてもよい。また、イオン選別手段はイオンを周回軌道に沿って飛行させるための電場を形成する電極等と兼ねることもできる。すなわち、周回軌道に沿って設けられ、周回しているイオンに対して影響を及ぼす電場を形成できるものでありさえすれば、どのようなものでも利用することができる。
また、質量分析手段としては、例えば、少なくとも入射したイオンが飛行する第2の飛行空間と、該第2の飛行空間内を飛行したイオンを検出する検出器とから成る構成とすることができる。
さらに本発明に係る質量分析装置においては、前記質量分析手段の手前に、前記周回軌道上で選別されたイオンを開裂させる開裂手段を備える構成とすることができる。
この構成では、上述のように選別された目的イオンを開裂手段により開裂させて目的イオンに由来する各種のフラグメントイオンを発生させ、このフラグメントイオンを質量分析手段に導入して質量数に応じて分離して検出することができる。周回軌道上で選別された目的イオンの純度は高い(つまり異なる質量数のイオンが混じらない)ので、これによって、元の成分分子に由来するフラグメントイオンのみを高い精度で測定することができ、その成分分子の構造解析などが容易に且つ正確に行える。
なお、こうした各種フラグメントイオンの質量分析を行う場合には、上記第2の飛行空間内にイオンを折り返し飛行させるイオン反射手段を設け、その折り返し位置によってフラグメントイオンを質量数毎に分離するとよく、さらに好ましくは、CFR(Curved Field Reflectron)型のイオン反射手段とするよい。この構成では、同時に測定可能な質量範囲が広いため、フラグメントイオンの質量数が広範囲に亘っている場合でも1回の測定によって全てのフラグメントイオンの質量数情報を取得することができる。
また、前記開裂手段により周回軌道上にあるイオンを開裂させ、その開裂によって生じたイオンをさらに周回軌道に沿って飛行させる構成としてもよい。この構成によれば、開裂によって生じた各種フラグメントイオンが周回軌道に沿って飛行する間に質量数差に応じてずれるため、その繰り返し飛行回数を増やすことにより質量数の近いフラグメントイオンを容易に分離することができる。
本発明に係る質量分析装置によれば、周回軌道において目的イオンを高い質量数分解能で以て選別するとともに蓄積することができるので、目的イオンの質量分析をきわめて高い精度で行うことができる。また、周回軌道において選別及び蓄積した目的イオンを開裂させ、その開裂によって生じたフラグメントイオンを質量分析する構成によれば、目的イオンに由来するフラグメントイオンのみを質量分析できるので、目的イオン以外のイオンに由来する不要な情報を排除することができ、元の分子や原子の構造解析を容易に且つ正確に行うことができる。
以下、本発明の一実施例による質量分析装置について、図1を参照して説明する。図1は本実施例の質量分析装置の全体構成図である。
図1において、図示しない真空室の内部には、イオン源1、後述の周回軌道が形成される第1飛行空間3、反射器7が備えられた第2飛行空間6、及びイオン検出器8などが配設されている。
イオン源1は分析対象である分子をイオン化するものであって、イオン化法は特に限定されない。例えば、本質量分析装置がGC用の検出器として利用される構成においては、イオン源1は電子衝撃イオン化法や化学イオン化法によって気体分子をイオン化するものである。また、本質量分析装置がLC用の検出器として利用される構成においては、イオン源1は大気圧化学イオン化法やエレクトロスプレイイオン化法によって液体分子をイオン化するものである。さらにまた、分析対象分子がタンパク質などの高分子化合物である場合にはMALDI(Matrix Assisted Laser Desorption Ionization:マトリクス支援レーザ脱離イオン化法)を利用するとよい。
第1飛行空間3内には、イオンを略円形状の周回軌道Pに沿って飛行させるために複数(この例では6個)の円筒電極11、12、13、14、15、16が配置されている。この同一形状の6個の円筒電極11〜16はそれぞれ、同心二重円筒体を回転角度60°で切断した形状となっており、それら円筒電極11〜16を軸Oを中心にして等回転角度離間して配置している。円筒電極11〜16に所定の電圧が印加されることによってその内部にはそれぞれ円筒電場E1〜E6が形成され、この円筒電場E1〜E6内で略六角筒形状の飛行空間が形成され、その飛行空間内を通過するイオンの中心軌道は図1中にPで示すようになる。隣接する円筒電極11、16の間には、イオン源1で生成されたイオンを周回軌道Pに乗せるため、周回軌道Pに沿って飛行しているイオンを周回軌道Pから離脱させて第2飛行空間6へと送るため、及び周回軌道Pに沿って飛行しているイオンを周回軌道Pから離脱させて廃棄するために、偏向電極2が設けられている。すなわち、本実施例では、本発明におけるイオン選別手段は偏向電極2が兼ねている。
周回軌道Pを離れたイオンが第2飛行空間6に入る手前には開裂領域(独立した開裂室でもよい)4が設けられ、この開裂領域4にはイオンの開裂を促進させるためにレーザ光源5からレーザ光が照射されている。なお、レーザ照射の代わりに衝突誘起分解(CID)ガスを導入する手段を設けてもよい。
第2飛行空間6内に設置された反射器7はイオンの飛行方向に沿って多数の電極板を並べたものであり、各電極板に電圧を印加して入口側から奥に進むに従い昇り勾配となるような反射電場を形成する。ここで、同時に測定可能な質量範囲を広げるために、特に反射電場の勾配が直線状ではなく下に窪んだ湾曲状となるようにしている。すなわち、CFR(Curved Field Reflectron)と呼ばれる反射器の構成であって、その電場によって各イオンが有する運動エネルギーに応じた位置で各イオンは折り返されてイオン検出器8に到達する。なお、電荷を有さない粒子は電場の影響を受けずに直進するから、イオン検出器8に到達することはない。イオン検出器8はこうして質量数に応じて時間的にずれて到達したイオンを検出し、その入射したイオンの数(量)に応じた電流信号を発生する。
円筒電極11〜16、偏向電極2、及び反射器7にはそれぞれ周回飛行用電圧発生部21、偏向電圧発生部22及び反射器電圧発生部23から電圧が印加され、これら電圧発生部21、22、23は制御部24により制御される。
なお、図1の構成では周回軌道Pを略円形状としているが、これに限るものではなく、長円形状、8の字状の周回軌道など、任意の形状とすることができる。また、完全に同一軌道上を周回するものでなくとも、螺旋状の旋回軌道や往復軌道でもよい。
次に、本実施例による質量分析装置の典型的な分析動作としてMS/MS分析について説明する。ここでは目的試料に含まれる特定の成分分子の構造解析を行うための情報を得ることを分析の目的とする。
イオン源1では目的試料に含まれる成分分子や原子を所定のイオン化法によりイオン化する。このときには上記特定の成分分子のみならず目的試料に含まれる他の分子や原子も同時にイオン化されるため、様々な質量数を有するイオンが混在している。これらイオンは一定の運動エネルギーを付与されて偏向電極2に向かって飛行し始める。制御部24の制御の下に偏向電圧発生部22は偏向電極2への印加電圧を設定し、それによって到来したイオンを周回軌道Pに乗せる。目的イオン(上記特定の成分分子のイオン)と質量数が大きく異なるイオンは、偏向電極2に到達するまでの間に既に飛行時間ずれが生じているから、所定の時間範囲内に到来したイオンのみを周回軌道Pに乗せ、その範囲外のイオンは周回軌道Pに乗せずに廃棄するように偏向電極2への印加電圧を制御することで、目的イオンの大まかな選択を行うことが可能である。なお、このイオン選択性はイオン源1と偏向電極2との距離に依存するから、この距離が短い場合には実質的には殆どイオン選択を行えない場合もあり得る。
目的イオンと比較的質量数が近いイオンは周回軌道Pに乗せる時点では選別することができないが、周回軌道Pを回る間に質量数差に応じて目的イオンとの差が開いてくる。周回軌道P上での位置の相違は偏向電極2を通過する際の時間的なずれとなるから、目的イオンとの距離的な差が開くほど、偏向電極2においてその目的イオン以外のイオンを排除するための時間範囲の設定が容易になる。すなわち、上述したようにイオンが一旦周回軌道Pに乗った後には、目的イオンが偏向電極2を通過するタイミングの前後で、所定の時間範囲だけ通過するイオンを次の周回に乗せ、その範囲外では通過するイオンが周回軌道Pを離れて廃棄されるように偏向電極2への印加電圧を変化させる。なお、こうしたイオン選別は各周回毎に行ってもよいが、必ずしも各周回毎でなくとも例えば1、2、…周回毎でもよい。
周回数が増えるほど質量数分解能が上がるから、最終的には目的イオンと質量数が0.01だけ異なるようなイオンをも篩い落とし目的イオンのみを周回軌道P上に残すことができる。なお、上記のように目的イオンと質量数の差が大きなイオンから順次篩い落としていくことにより、質量数の相違するイオンが周回進みとなって目的イオンに追いつく、また逆に周回遅れとなって目的イオンに追いつかれることを防止することができる。
このようにして目的イオンのみを選別して周回軌道Pに沿って周回させる。偏向電極2への印加電圧を変更しない限り目的イオンは周回軌道Pを周回し続けるから、この周回動作は周回軌道P上に目的イオンを捕捉して蓄積したこととほぼ等価であり、例えば3次元四重極型のイオントラップと同様の機能を達成する。但し、イオンの選択性(質量分解能)等の性能の面では本実施例の構成のほうが遙かに優れており、目的イオン以外の不要なイオンを確実に排除することができる。
上述のように目的イオンを選択的に周回軌道P上に残した後、所定のタイミングで以てこの目的イオンを周回軌道Pから離脱させて第2飛行空間6に向かわせるように偏向電極2への印加電圧を変更する。これによって周回軌道Pを離れた目的イオンは、第2飛行空間6の手前にある開裂領域4を通過するが、その際にレーザ光源5からのレーザ照射を受け、そのエネルギーによって目的イオンは開裂する。この開裂の態様は分子の種類などによって様々であるが、いずれにしても開裂によって目的イオンに由来する複数種のイオン断片(フラグメントイオン)が生成され、これらフラグメントイオンが第2飛行空間6に入る。
フラグメントイオンは親イオンとほぼ同じ速度で第2飛行空間6内を飛行し、反射器7に入射する。反射器7内部には上述したような電位勾配の電場が形成されているため、質量数の小さなイオンほど手前側で折り返され、逆に質量数の大きなイオンは奥まで進んで折り返される。それによって、質量数の差が飛行時間の差となって現れ、質量数の小さなフラグメントイオンから順次イオン検出器8に入射して検出される。その検出信号は図示しないデータ処理装置へと送られ、所定のデータ処理が行われて、例えば横軸を質量数、縦軸を強度信号にとった質量スペクトルが作成される。この質量スペクトルに現れる各フラグメントイオンピークから質量数を判別し、その開裂の態様等を解析することにより成分分子の構造を推定する。
以上のように、本実施例による質量分析装置では、高い質量分解能で選別した目的イオンを開裂させ、それによって発生したフラグメントイオンを質量分離して分析することができる。
なお、図1の構成では、開裂領域4を周回軌道Pの外側に設けたが、周回軌道P上に開裂領域を設けるようにすれば、開裂によって生じたフラグメントイオンをさらに周回させることが可能となる。こうした構成では、例えば上記のような分析手順でフラグメントイオンの質量数を求めた後に、特定のフラグメントイオンについてさらに詳細な分析を行うことができる。すなわち、まず上記と同様に、周回軌道Pに沿って周回する過程で目的イオンを選別して蓄積し、その目的イオンを周回軌道P上で開裂させて複数種のフラグメントイオンを発生させる。さらにこれらフラグメントイオンを周回軌道Pに沿って周回させる過程で質量数に応じて分離し、特定のフラグメントイオンのみを選別して周回軌道P上に残す。その後にこの特定のフラグメントイオンを周回軌道Pから離脱させて第2飛行空間6に導入し、飛行させたイオンを検出器8で検出することで飛行時間を測定する。これによって特定のフラグメントイオンの質量数を非常に高い精度で測定することができる。
また、上記実施例は本発明の単に一例にすぎず、本発明の趣旨の範囲で適宜変更や修正を行うことができる。例えば、開裂したフラグメントイオンの質量分析を行う手段は上記のように反射器を備えた飛行空間に限らず周知の各種の質量分析器及び検出器を利用することができる。また、上述した通り、イオン開裂の手段もレーザに限らず、CIDガスを導入する方法等でもよいことは明らかである。さらにまた、上記実施例では、イオンを周回軌道Pに乗せたりイオンを周回軌道Pから離脱させたりするための偏向電極2を利用して周回軌道P上でイオンの選別を行っていたが、別にイオン選別用の偏向電極を設けてもよい。また、周回軌道Pを形成するための電極(上記例では円筒電極11〜16)を利用してイオンを選別することも可能である。すなわち、図1の構成では、いずれかの円筒電極11〜16への印加電圧を所定時間だけ変更することで、その円筒電極を通過しようとするイオンを電極内壁に衝突させて消滅させる(廃棄する)ことができるから、このようにして目的イオンのみを残すようにしてもよい。
本発明の一実施例による質量分析装置の要部の構成図。
符号の説明
1…イオン源
2…偏向電極
3…第1飛行空間
E1〜E6…円筒電場
11〜16…円筒電極
4…開裂領域
5…レーザ光源
6…第2飛行空間
7…反射器
8…イオン検出器
21…周回飛行用電圧発生部
22…偏向電圧発生部
23…反射器電圧発生部
24…制御部
P…周回軌道

Claims (3)

  1. a)イオン源から出発した各種イオンを略同一の周回軌道に沿って1乃至複数回繰り返し飛行させるための飛行空間と、
    b)前記周回軌道に沿って飛行しているイオンに対し、特定の時間範囲内に通過しようとするイオンのみにその軌道上の飛行を許可することでイオンを選別するイオン選別手段と、
    c)該イオン選別手段により選別されて周回軌道上に残ったイオンが該周回軌道から離脱した後に該イオンの質量数を分析するための質量分析手段と、
    を備えることを特徴とする質量分析装置。
  2. 前記質量分析手段の手前に、前記周回軌道上で選別されたイオンを開裂させる開裂手段を備えることを特徴とする請求項1に記載の質量分析装置。
  3. 前記開裂手段により周回軌道上にあるイオンを開裂させ、その開裂によって生じたイオンをさらに周回軌道に沿って飛行させることを特徴とする請求項2に記載の質量分析装置。
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