JP6301907B2 - 質量分析/質量分析データを並列取得するための方法および装置 - Google Patents

質量分析/質量分析データを並列取得するための方法および装置 Download PDF

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Description

(関連出願への相互参照)
本出願は、2012年3月28日に出願され、「質量分析/質量分析データを並列取得するための方法および装置」と題された、米国仮出願番号第61/616,540号の利益を主張する。該出願の全体は、参照することによって、本出願に取り込まれる。
本願の開示は、材料の化学的および/または分子的な分析に関する。より詳しくは、例えば、本願の開示は、材料の質量分析アナリシス(例えば、固体および生体材料(biomaterial)を含む、1または複数(one or more)の材料上の表面層(surface layers)の分析)に関する。
固体材料の表面および薄い表面層の化学的および分子的な分析は、通常は、試料表面のエネルギー的な刺激、および該表面から放出されるフラグメントの質量分析アナリシスに基づく。このタイプの分析のために用いられる装置には、2種類の一般的に用いられるタイプがある。
該装置の2種類の一般のタイプのうち、第1のものは、試料を励起させて、質量分析計により分析されるべき、帯電した原子的および分子的種(species)(「二次の」イオンと称される)を放出させるために「一次の」(primary)イオンビームを用いることに基づく。この種の装置の技術は、通常、二次イオン質量分析方法(Secondary Ion Mass Spectrometry;SIMS)と称されている。該SIMS装置には、二次のイオンと同時に放出される中性のフラグメントをイオン化する、追加的なモードをもあり得る。そして、この動作のモードは、通常、ポストイオン化SIMSと称されている。これらの種の質量−電荷(m/z)比に基づき、異なる種の最高検出(collection)効率、感度および分離を得るために、飛行時間型(Time-of-Flight;TOF)の質量分析計を、このSIMS装置で用いることができる。この技術は、したがって、一般にTOF−SIMSと称される。TOF−SIMS装置は、種々の他の動作のモードで用いることができる。例えば、走査された、マイクロ収束された一次のイオンビームを用いて、試料の質量分解されたイメージをTOF−SIMS装置で得ることもでき;これは、通常、マイクロプローブ動作モードとして知られている。更に、TOF質量分析計のマイクロスコープ動作モードは、TOF−SIMS装置により、試料の質量分解されたイメージを得るためにも使用可能である。その例示的な態様は、例えば、参照することによって、本出願に取り込まれる、米国特許第5,128,543号に記載されている。
該装置の第2のタイプは、表面からフラグメントの放出を引き起こすために、試料材料を励起するための光子(photon)源を用いる。質量分析計により、該表面からの荷電粒子(すなわち、イオン)として放出されるフラグメントの分析は、レーザー脱離(desorption)質量分析として一般に知られている。荷電粒子(すなわち、イオン)の放出の効率を増大させるために、特に選ばれた有機マトリックス材料を試料の表面に加えることができる。この改良は、一般的に、マトリックス支援レーザー脱離イオン化(MALDI)として知られている。質量−電荷比に基づき、放出された異なる種の最高検出効率、感度および分離を得るために、他のタイプの質量分析計もMALDI装置で用いられたが、通常は、飛行時間型質量分析計がこのMALDI装置で用いられる。走査ステージおよびマイクロ収束レーザー光子源を用いて、試料の質量分解されたイメージはMALDIで得ることもできる。これは、通常、マイクロプローブ動作モードとして知られている。TOF質量分析計のマイクロスコープ動作モードは、MALDI分析により、試料の質量分解されたイメージを得るためにも使用可能である。その例示的な態様は、例えば、これら両方とも参照することによって本出願に取り込まれるところの、論文、S.L.ルクセンブルクら、「表面イメージング質量分析に関するタンパク質ペプチド分布の高空間分解能質量分析イメージング」、Anal. Chem.2004、76(18)5339〜5344、並びに、論文、L.A.マクダネルら、「イメージング質量分析」、Mass spectrometry Reviews、2007、26、606〜643に記載されている。
TOF−SIMSまたはMALDI技術で放出された、荷電種の特有の識別は、歴史的に、TOF質量分析計の高い質量分解能および質量精度に基づいていた。しかしながら、質量が約500ダルトン(Da)を超える質量−電荷の種(m/z種)に対しては、TOF質量分析計の質量分解能および質量精度は、放出された種の特有の分子フラグメント識別を与えない可能性がある。歴史的には、より高い質量の液体および気相分子の質量分析アナリシスのために、質量分析/質量分析(MS/MS)の技術は、多くの高い質量種の特有の分子フラグメントを識別するために用いられて来た。この技術は、第1ステージの質量分析計(「前駆」イオンと称される)による高質量イオンの選択、その後の前駆イオンのフラグメント化(fragmentation)を与えるエネルギー的な活性化、およびその後の結果として生じるフラグメントイオンの2回目の質量分析アナリシスに基づく。その例示的な態様は、例えば、参照することによって本出願に取り込まれるBoeslら、米国特許第5,032,722号に記載されている。MALDI−MS/MSの使用は、いずれも参照することによって本出願に取り込まれる、Anderssonら、「タンパク質およびペプチドのイメージング質量分析:3Dボリューム再構成(Imaging Mass Spectrometry of Proteins and Peptides: 3D Volume reconstruction)」、Nature Methods、2008、5,101〜108;およびL.A.マクダネルら、「イメージング質量分析」(Imaging Mass Spectrometry)、Mass Spectrometry Reviews、2007、26、606〜643において議論されている。
前駆イオン・データおよびフラグメントイオン・データを含む質量分析データと、MS/MSデータを得る例示的な方法および装置、その例示的な態様とともに、Alderdiceらによって、参照することによって本出願に取り込まれる米国特許第5,206,508号に記載されている。米国特許第5,206,508号に記載されている装置は、異なる質量のフラグメントイオンと異なる質量の前駆イオンの別個のスペクトルなしで、個々の親イオンの直列型(tandem)質量スペクトルを得ることができる、直列型の質量分析システムを提供する。米国特許第5,206,508号の図4に示されるデータは、前駆イオンおよびフラグメントイオンのスペクトル表示において、オーバーラップを示す。前駆およびフラグメントイオンの、このスペクトルのオーバーラップは、第2の質量アナライザーの後の、一つの検出器の結果である。該スペクトルにおけるオーバーラップするデータは、イメージングMALDIおよびイメージングTOF−SIMS分析のために例示的なポリマーおよび生体試料に対して、この方法および装置を動作不可能(unworkable)にする。
連続した動作モードに基づき、イメージングMS/MSデータおよびTOF−SIMSデータ(例えば、イメージング前駆イオン質量分析アナリシスと、その後のフラグメントイオン質量分析アナリシス)を提供可能な3つの装置コンセプトがある。これらの3つの装置コンセプトは、選択が二次イオン(例えば、前駆イオン)質量分析データ、またはフラグメントイオン質量分析データの取得の間でなされることを必要とする。これは、このような装置コンセプトにおける、装置動作のシーケンシャル性を規定する。装置動作のこのシーケンシャルモードは、分析的TOF−SIMSデータとMS/MSデータが同じ分析試料ボリュームから得られることを防止する。
第1の装置コンセプトは、イオン鏡(ion mirror)の前で前駆イオンの排除(rejection)を可能とし、試料と、質量分析されるべきリフレクトロンの間の飛行経路における、前駆イオンの単分子的イオン分解(uni-molecular ion decay)から生じるフラグメントイオンを許容するリフレクトロンアナライザーに基づく(参照することによって、本出願に取り込まれる、D. Touboulら、Rapid Commun. Mass Spectrom. 2006;20:703〜70を参照)。この装置コンセプトは、準安定性イオンの飛行中の分解によるフラグメントイオンの形成に依存し、ポスト・ソース分解(PSD)と称される。ここに記載された装置コンセプトは、前駆イオンTOF−SIMSのために用いられるリフレクトロンと、MS/MSフラグメントイオンスペクトルの取得のための第2質量分析計との間の活性化装置を含まない。
第2の装置コンセプトは、TOF−SIMSイオンを生成するためのイオン銃を備える、ハイブリッド三連型(triple)四重極TOF質量分析計である。この装置コンセプトは、前駆イオンTOF−SIMSデータを得るために、一連の3台の四重極質量分析計、およびその後の直交型(orthogonal)TOF質量分析計を用いる。第2の動作モードでは、第2の四重極質量分析計は、TOF−SIMSイメージング実験から前駆イオンを選択するためにも用いることができる。第3の四重極は、次いで直交型TOF質量分析計により測定できるフラグメントイオンを生成するために、高いガス圧力(例えば、活性化室において)で作動させることができる(参照することによって、本出願に取り込まれる、A.Caradoら、Appl. Surf. Sci.2008;255:1610〜1613を参照)。ここに記載された装置コンセプトは、同時且つ並列的に、前駆イオンTOF−SIMSイメージング・データ、およびフラグメントイオンのMS/MSデータを測定しない。
第3の装置コンセプトは、リフレクトロン飛行経路における一体型(integral)ガス衝突セルを有するリフレクトロンアナライザーである。この装置コンセプトは、イメージングTOF−SIMSのための前駆イオンの取得と、または残りのリフレクトロン飛行経路において質量分析され得るフラグメントイオンを生成するために、該前駆イオンを活性化するための、衝突セル内における高圧ガスの使用との選択を必要とする(参照することによって、本出願に取り込まれる、J.S.フレッチャーら、Anal. Chem. 2008;80 9058〜9064を参照)。この製品コンセプトは、前駆イオンTOF−SIMSイメージング・データと、フラグメントイオンMS/MSデータとを、同時に且つ並列的に測定することができない。
米国特許第5,128,543号公報 米国特許第5,032,722号公報 米国特許第5,206,508号公報
S.L.ルクセンブルクら、「表面イメージング質量分析に関するタンパク質ペプチド分布の高空間分解能質量分析イメージング」、Anal. Chem.2004、76(18)5339〜5344 L.A.マクダネルら、「イメージング質量分析」(Imaging Mass Spectrometry)、Mass spectrometry Reviews、2007、26、606〜643 Anderssonら、「タンパク質およびペプチドのイメージング質量分析:3Dボリューム再構成(Imaging Mass Spectrometry of Proteins and Peptides: 3D Volume reconstruction)」、Nature Methods、2008、5,101〜108; D. Touboulら、Rapid Commun. Mass Spectrom. 2006;20:703〜70 A.Caradoら、Appl. Surf. Sci.2008;255:1610〜1613 J.S.フレッチャーら、Anal. Chem. 2008;80 9058〜9064
本願の開示は、例えば、材料分析法の機能および分析的利点を向上させる方法で、質量分析/質量分析(MS/MS)能力を、第一次の(primary)質量分析計装置(例えば、飛行時間型の二次イオン質量分析(TOF−SIMS)装置)に加えることを可能とする装置、方法、およびシステムを提供する。該装置、方法およびシステムの1または複数の態様において、MS/MSデータは、基本的な質量分析計のイメージング・データ(例えば、イメージングTOF−SIMSデータ)と並列的に得られる。例えば、少なくとも1つの態様において、これにより、MS/MSデータと同じ分析試料ボリュームから、TOF−SIMSデータを得ることができる。このような方法で得られるため、MS/MSデータは、したがって、確信ある(confident)分子フラグメントとして使用可能であり、したがって、TOF−SIMSデータと同じ分析試料・ボリュームからの、前駆イオン、識別を提供するために用いることができる。
本明細書の「背景技術」の項目において記載したSIMSと組み合わされたMS/MSの例において、該装置は、従来のSIMSモード、またはMS/MSモードで動作することができるが、それらは同時に且つ並列的に、2種のモードで動作することができない。例えば、本明細書の「背景技術」の項目に記載されている第1の装置コンセプトについて、ここに記載された装置コンセプトは、前駆イオンTOF−SIMSのために用いられるリフレクトロンと、MS/MSフラグメントイオンのスペクトルの取得のための第2の質量分析計との間の活性化装置を含まず、そして、それ自体では(as such)同時に且つ並列的に、2種のモードで動作することができない。本明細書中の「背景技術」の項に記載されている第2の装置コンセプトに関して、TOF−SIMSイオンを生成するためのイオン銃を備えるハイブリッド三連型四重極TOF質量分析計は、前駆イオンTOF−SIMSイメージング・データと、フラグメントイオンMS/MSデータとを、同時に且つ並列的に測定しない。更に、本明細書中の「背景技術」の項に記載されている第3の装置コンセプトに関して、このリフレクトロンアナライザーは、イメージングTOF−SIMSのための前駆イオンの取得、または残りのリフレクトロン飛行経路で質量分析され得るフラグメントイオンを生成するために、前駆イオンを活性化するための衝突セル中における高圧ガスの使用との選択を必要とし、そして、それ自体では、前駆イオンTOF−SIMSイメージング・データとフラグメントイオンMS/MSデータとを、同時に且つ並列的に測定することができない。
ここに記載されている装置、方法およびシステムの1または複数の態様において、イメージングのマイクロプローブ・モードまたはマイクロスコープモードは、一次の(primary)質量分析計データ(例えば、TOF−SIMSデータ)と、フラグメントイオンMS/MSデータを有する、別の前駆イオン質量分析データとの両方の、同じ分析的ボリュームから並列取得するために用いることができる。1または複数の態様において、このような装置、方法およびシステムは、マイクロスコープモード(例えば、無非点収差の(stigmatic)直接のイオン・イメージング)におけるMALDIデータと、フラグメントイオンMS/MSデータを有する、別の前駆イオン質量分析データとの両方の並列取得を与えることを可能とする。更に、前駆イオンとフラグメントイオンに関する米国特許第5,206,508号に記載されている、好ましくないデータの重なりとは異なり、ここに記載されている装置、方法およびシステムの1または複数の態様は、同じ分析的ボリュームからの2種の別のデータストリームにおいて、別の前駆イオン・スペクトル、および質量選択された(mass selected)前駆イオンからのフラグメントイオンスペクトルを得るために用いることができる。
質量分析データ(例えば、TOFデータ、および/又は、MS/MSデータ)の取得のための例示的な方法の1つの態様において、該方法は、試料に励起パルスを適用して荷電粒子の流れを与えること;第一次の(primary)質量分析計(例えば、飛行時間型の質量分析計)を使用して、それらの質量−電荷比に基づき荷電粒子の流れの荷電粒子を分離して、質量−電荷比スペクトルにおける荷電粒子を検出すること;該荷電粒子の流れから、フラグメント化のための選択された質量範囲を有する1または複数の前駆イオンの流れを方向変更させて(diverting)フラグメントイオンを得ること、を含むことができる。該フラグメントイオンは、第一次の質量分析計がそれらの質量−電荷比に基づく荷電粒子の流れの荷電粒子を分離し、検出しているのと同じ時間の間に、フラグメントイオン分析のための第2の質量分析計に提供されることができる。
該方法の1つの態様において、荷電粒子の流れから、前駆イオンの流れを変えることは、フラグメントイオンの生成に対して前駆イオンの変えられた流れを活性化させて、フラグメントイオンの複数の質量の質量−電荷スペクトルの質量分析アナリシスを提供することを含むことができる。
質量分析データの取得のための例示的な方法の他の態様において、該方法は、励起パルスを試料に適用して、分析的ボリュームから荷電粒子の流れを与え;第一次の質量分析計(例えば、飛行時間型の質量分析計)を使用して、それらの質量−電荷比に基づいて、分析的ボリュームから荷電粒子を分離し;質量−電荷スペクトにおける荷電粒子を検出し;フラグメントイオン(例えば、フラグメントイオンは、分析的ボリュームから、結果として生じる荷電粒子の流れから選択された粒子のフラグメント化によって得ることが可能である)の分析のために第2の質量分析計に提供することを含むことができる。
質量分析データ(例えば、TOFデータおよび/又はMS/MSデータ)を得るための例示的な装置の1つの態様において、該装置は、それらの質量−電荷比に基づいて荷電粒子の流れの荷電粒子を分離し、質量−電荷スペクトルにおいて荷電粒子を検出するように構成された第一次の質量分析計(例えば、飛行時間型の質量分析計)と;荷電粒子の流れから前駆イオンの質量範囲(range)を選択するように構成された選択装置と;第一次の質量分析計が、それらの質量−電荷比に基づいて荷電粒子を分離し検出するのと同じ時間の間に、選択された前駆イオンを活性化し、フラグメント化するように構成された活性化装置と;該活性化装置から提供されるフラグメントイオンの複数の質量の質量−電荷分析のために構成された第2の質量分析計を含むことができる。
該方法および/又は装置の1または複数の態様は、以下の特徴の1または複数を含むことができる:
第一次の質量分析計は、飛行時間型質量分析計を含むことができ;第一次の質量分析計は、空間分解された質量分析スペクトル、空間分解された質量分析イメージ、試料表面上で入射エネルギープローブのディメンジョンによって定義された空間分解能による空間分解された深さ(方向)プロファイル(depth profile)のうちの、少なくとも1つを得ることができ;第一次の質量分析計は、空間分解された質量分析スペクトル、空間分解された質量分析イメージ、第1の分光計のイオン光学系の並列的マイクロスコープイメージングによって定義された空間分解能により、空間分解された深さプロファイルのうちの、少なくとも1つをことができ;荷電粒子の流れを与えるように構成された励起プローブは、イオンビームまたはレーザービーム(例えば、収束されたイオンビームまたは収束されたレーザービーム)を含むことができ;選択装置は、電気的に活性化可能なセンターのアパーチュアと、3つのアパーチュア構造を含むことができ(例えば、該選択装置は、第一次の質量分析計により提供された荷電粒子の流れから選択された質量−電荷の前駆イオンを抽出して、該選択された前駆イオンを活性化装置、および続く、質量分析/質量分析アナリシスのための第2の質量分析計に注入するために、パルス活性化可能であることができる);活性化装置は、ガスを含むチャンバにおける衝突誘起解離(CID)、電子ビーム誘起解離、光子ビーム誘起解離、または表面誘起解離のいずれかにより、前駆イオンの活性化およびフラグメント化を与えるように構成することができ;荷電粒子の流れは、励起プローブの1または複数のパルスの各々と対応する、その部分を含むことができ;選択装置は、並列的な質量分析/質量分析アナリシスのためのコンピュータの下で、選択されたパーセンテージ1または複数のパルスと対応する荷電粒子の流れの部分から、前駆イオンの質量範囲を選択するために動作可能であることができ;飛行時間型の質量分析計は、TRIFT(三連型イオン収束(focusing)飛行時間型の質量アナライザー)分光計を含むことができ;第2の質量分析計は、線形TOF分光計、リフレクトロンTOF分光計または直交型TOF分光計を含むことができ;励起プローブはイオンビームを含み、該イオンビームは、1原子のイオン種、多原子クラスターイオン種、分子イオン種、およびポリ分子クラスターイオン種(例えば、Ga、In、SF 、C60 、C60 2+、C70 、C70 2+、C1224 、Au、Au 、Au 2+、およびBi (ここに、n=1、2、3、5または7;およびq=1または2)のうちの少なくとも1つを含むことができ;および/または、励起プローブは、ガスクラスターイオンビーム(例えば、ガスクラスターイオンビームはAr (ここに、nは1および5,000の間の整数である)を含むことを可能とする。
上記の概要は、本願の開示の個々の態様、またはすべての実行(implementation)を記載することを目的としない。より完全な理解は、添付の図面とともに、以下の詳細な説明と請求項に参照することによって明らかに且つ真価を認める(appreciated)ようになるであろう。
本発明は、例えば、以下の態様を含むことができる。
[1] 質量分析データを取得するための方法であって;該方法は、以下を含む:
励起パルスを試料に与えて、荷電粒子の流れを得ること;
第一次の(primary)質量分析計を用いて、それらの質量−電荷比に基づき、荷電粒子の流れの荷電粒子を分離し;質量−電荷スペクトルにおける荷電粒子を検出すること;および、
該荷電粒子の流れから、フラグメント化のために選択された質量範囲を有する前駆イオンの流れを方向変更させて(diverting)フラグメントイオンを与え;前記第一次の質量分析計が、それらの質量−電荷比に基づき、荷電粒子の流れの荷電粒子を分離して検出しているのと同じ時間(the same time)の間に(during)、該フラグメントイオンが、フラグメントイオンの分析のための第2の質量分析計に与えられること。
[2] 前記荷電粒子の流れから前駆イオンの流れを方向変更させることが以下を含む、[1]に記載の方法:
フラグメントイオン生成のために、前駆イオンの方向変更された流れを活性化させること;および、
複数質量の前記フラグメントイオンの質量−電荷スペクトルの質量分析アナリシスを提供すること。
[3] 質量分析データを取得するための方法であって;該方法は、以下を含む:
励起パルスを試料に与えて、分析的ボリュームから荷電粒子の流れを与えること;
第一次の質量分析計を用いて、それらの質量−電荷比に基づき、分析的ボリュームから荷電粒子の流れの荷電粒子を分離して;質量−電荷スペクトルにおける荷電粒子を検出すること;
フラグメントイオンを、フラグメントイオン分析のための第2の質量分析計に与えること;分析的ボリュームから、結果として得られた荷電粒子の流れからの選択された粒子のフラグメント化により、該フラグメントイオンが与えられる。
[4] 質量分析データを取得するための装置であって;該装置は以下を含む:
それらの質量−電荷比に基づき、荷電粒子の流れの荷電粒子を分離し;質量−電荷スペクトルにおける荷電粒子を検出するように構成された第一次の質量分析計;
前記荷電粒子の流れから、前駆イオンの質量範囲を選択するように構成された選択装置;
第一次の質量分析計が、それらの質量−電荷比に基づき、荷電粒子を分離し検出しているのと同じ時間の間に、該選択された前駆イオンを活性化し、フラグメント化するように構成された活性化装置;および、
該活性化装置から提供された、複数の質量のフラグメントイオンの質量−電荷分析のために構成された第2の質量分析計。
[5] 前記第一次の質量分析計が、飛行時間型(TOF)質量分析計を含む、[1]〜[4]のいずれか1項に記載の装置または方法。
[6] 前記第一次の質量分析計が、試料表面への入射エネルギープローブのディメンジョンによって定義された空間分解能で(with)、空間分解された深さプロファイル、空間分解された質量分析イメージ、および空間分解された質量分析スペクトルのうちの少なくとも1つを取得する、[1]〜[5]のいずれか1項に記載の装置または方法。
[7] 前記第一次の質量分析計が、第1の分光計イオン光学系の並列的マイクロスコープイメージングによって定義された空間分解能で、空間分解された深さプロファイル、空間分解された質量分析イメージおよび空間分解された質量分析スペクトルのうちの少なくとも1つを取得する[1]〜[5]のいずれか1項に記載の装置または方法。
[8] 更に、荷電粒子の流れを与えるように構成された励起プローブを含み、それがイオンビームまたはレーザービームを含む[1]〜[7]のいずれか1項に記載の装置または方法。
[9] 前記荷電粒子の流れを与えるように構成された励起プローブが、収束されたイオンビームまたは収束されたレーザービームを含む[8]に記載の装置または方法。
[10] 前記選択装置が電極板構造を含み、該電極板構造が、少なくとも2枚の他の電極板の間に、センターの電極板を含み;電極板構造の個々の電極板が、電極板を通して(through)伸びる(extending)アパーチュアを含み;該センターの電極板が電気的に活性化されて、第一次の質量分析計により与えられた荷電粒子の流れから、選択された質量−電荷の前駆イオンを抽出し、且つ、質量分析/質量分析アナリシスのために、活性化装置と、続く第2の質量分析計に該選択された前駆イオンを注入するように構成されている、[4]〜[9]のいずれか1項に記載の装置。
[11] 前記活性化装置が、ガスを含むチャンバにおける衝突誘起解離(CID)、電子ビーム誘起解離、光子ビーム誘起解離、および表面誘起解離のうちの、少なくとも1つによる前駆イオンの活性化およびフラグメント化を与えるように構成されている、[4]〜[10]のいずれか1項に記載の装置。
[12] 荷電粒子の流れが、励起プローブの1または複数のパルスの個々に対応する、その部分を含み、更に、並列的な質量分析/質量分析アナリシスのためのコンピュータ制御の下で、1または複数のパルスの選択されたパーセンテージに対応する荷電粒子の流れの部分から、前駆イオンの質量範囲を選択するように、選択装置が動作可能である[1]〜[11]のいずれか1項に記載の装置または方法。
[13] 前記第一次の質量分析計がTRIFT分光計を含む、[1]〜[12]のいずれか1項に記載の装置または方法。
[14] 前記第2の質量分析計が、線形TOF分光計、リフレクトロンTOF分光計または直交型TOF分光計を含む、[1]〜[13]のいずれか1項に記載の装置または方法。
[15] 更に、荷電粒子の流れを与えるように構成された励起プローブを含み;該励起プローブがイオンビームを含み;該イオンビームが、単原子イオン種、多原子クラスターイオン種、分子イオン種、および多分子クラスターイオン種のうちの少なくとも1つを含む、[1]〜[14]のいずれか1項に記載の装置または方法。
[16] 前記単原子イオン種、多原子クラスターイオン種、分子イオン種、および多分子クラスターイオン種のうちの少なくとも1つが、Ga 、In 、SF 、C 60 、C 60 2+ 、C 70 、C 70 2+ 、C 12 24 、Au 、Au 、Au 、Au 2+ 、およびBi q+ (ここに、n=1、2、3、5または7;およびq=1または2)のうちの少なくとも1つを含む、[15]に記載の装置または方法。
[17] 更に、荷電粒子の流れを与えるように構成された励起プローブを含み、該励起プローブがガスクラスターイオンビームを含む[1]〜[14]のいずれか1項に記載の装置または方法。
[18] 前記ガスクラスターイオンビームが、Ar を含み、nが1と5000の間の整数である[17]に記載の装置または方法。
図1は、MS/MSデータの並列取得を実行するための、例示的なシステムの一般的なブロック図である。 図2は、例えば図1に示されるようなシステムによって実行可能であるような、MS/MSデータの並列取得の例示的な方法の一般的なブロック図である。 図3は、質量分析(MSI)光学系の例示的な第1のステージを含む、例示的なTOF質量分析計の模式図である。 図4は、カバーを取り外されたTOF分光計チャンバのCAD(コンピュータ援用描画)図である。 図5は、図4の図面と、その上に重ねられた(overlaid)質量分析(MS2)光学系の例示的な第2のステージの模式図である。
図6Aは、イオンのビームから選択された前駆イオン質量を拾い上げて(picked)、第2のTOF質量分析計にそれらを導くことが必要となる、例示的な変化を表す図5の拡大断面図である。 図6Bは、イオンのビームから選択された前駆イオン質量を拾い上げて、第2のTOF質量分析計にそれらを導くことが必要となる、例示的な変化を表す図5の拡大断面図である。 図7Aは、典型的イオン軌道(trajectories)とともに、例示的な選択装置の側面図および斜視図を表するCAD図面である。 図7Bは、典型的イオン軌道とともに、例示的な選択装置の側面図および斜視図を表するCAD図面である。 図8は、選択装置によりクリアな光学へと変えられた前駆イオンのMS2ビームが、MSI分光計チャンバを出るための、例示的なルートを表す図5の拡大断面図である。
図9は、MS2ビームと、MSI分光計チャンバ外部の光学系を表す図5の拡大断面図である。 図10は、MS2ビームの例示的な線形TOF実装を表す模式図である。 図11は、例示的な選択装置の面(aspects)を説明するために用いられる例示的な模式図である。 図12は、衝突ガスなしで例示的なプロトタイプMS2分光計により得られた、C60の説明的な質量スペクトルである。 図13は、クリプトン衝突ガスを有する例示的なプロトタイプMS2分光計により得られたC60の説明的な質量スペクトルである。
例示的な態様の詳細な説明
以下の説明的な態様の詳細な説明においては、この部分を形成する添付図面の数字(figures)に対して参照がなされ、その中において、例示として、実施可能な特定の態様が示される。構造/プロセスにおける変化は、本願の開示の要旨を逸脱しない範囲において、他の態様が利用可能であることを理解されるべきである。ここに特に述べられない限り、図面の数字は主に明確性のためにのみになされ、よってスケールに対しては引かれない(drawn to)ことを可能とする。
この中の方法は、特定の例示された順序に記載されている。しかしながら、例示されるもの以外の順序は、可能である。該方法にリストされない追加的なプロセスステップも、実行可能であることができる。個々の方法ステップまたは方法ステップのグループは、繰り返し実行されるか、またはそれらが時間に関して部分的に少なくとも重なるように、更に実行されてもよい。
質量分析データ(例えば、イメージングTOF−SIMSデータと、並列的に得られるMS/MSデータ)の取得のために用いられる装置、方法およびシステムの1または複数の態様は、図1〜13に関して記載されている。図1は、質量分析データ(例えば、MS/MSデータの並列取得を実行する)を得るための、例示的なシステム10の一般的なブロック図を示す。図2は、例えば図1に示されたシステムによって実行可能であるような、MS/MSデータの並列取得の例示的な方法100の、一般的なブロック図を表す。
図1のブロック図で示される例示的なシステム10は、イオン抽出器14、第1(first)の、または第一次(primary)の質量分析計30(MSI)(例えば、TOF質量分析計)とMSI検出器32、前駆イオン選択装置40、前駆イオン活性化装置36、および抽出および第2の質量分析計50(MS2)および関連するMS2検出器52を含むことができる。更に、システム10は、ここに記載されたシステム10の機能を実行するために、システム・エレクトロニクス62のコンピュータ制御のための、全ての処理ハードウェアおよびソフトウェア・プログラムを含む制御コンピュータ部品60を含む。また更に、システム10は、システム10による分析のための、荷電粒子の流れを提供するために、制御された励起源(例えば、パルス状(pulsed)励起源12)を含む。
質量分析データを得る装置の1つの例示的な態様(例えば、ここに記載されている1または複数の方法を実行するように構成されている)は、それらの質量−電荷比に基づき、荷電粒子22の流れから荷電粒子を分離するように構成され、質量−電荷スペクトルにおいて荷電粒子を検出するTOF質量分析計(例えば、イオン抽出器14、質量分析計光学系30と関連MSI検出器32を含むTOF質量分析計);荷電粒子22流れから前駆イオンの質量スペクトルを選択するように構成された選択装置(例えば、前駆イオン選択装置40)であって、例えば、図11に示された選択装置のようなもの;第一次の質量分析計(例えば、TOF質量分析計)が、それらの質量−電荷比に基づき、荷電粒子を分離して、検出するのと同じ時間の間に、選択された前駆イオン(例えば、図5、6AとおよびB中の活性化装置を参照)を活性化して、フラグメント化するように構成された前駆イオン活性化装置36;および該前駆イオン活性化装置36により提供されたフラグメントイオン38(例えば、いくつか、または全ての質量)の複数の質量の質量−電荷分析のために構成された第2の質量分析計(例えば、抽出および質量分析計光学系50と、これと関連するMS2検出器52を含む質量分析計)を含むことができる。
1または複数の態様において、イオン抽出器14、第1であるか第一次の質量分析計30(MSI)、および関連MSI検出器32は、現在可能なTOF−SIMSおよび/又はMALDIシステム中において用いられるTOFアナライザーの構成要素(components)であってもよい。このようなシステムの1または複数の態様においては、前駆イオン選択装置40は、このようなTOF−SIMSおよび/又はMALDIシステムのイオン流の範囲内(within)に配置されてもよい。また更に、例えば、前駆体活性化装置36、第2の質量分析計50およびMS2検出器52への抽出(例えば、イオン集群(bunching)による)は、ここに記載されたものと同じ分析的ボリュームから、MSおよび、MS/MSデータの並列取得を含む、MS/MS TOF−SIMSシステムまたはMS/MS MALDIシステムの一部として与えられていてもよい。
図2に示されるもの同じ分析的ボリュームからの、一次の質量分析データおよびMS/MSデータの並列取得による例示的なシステム10(例えば、MS/MS TOF−SIMSシステムまたはMS/MS MALDIシステム)の動作の1つの態様の一般化された例示的フロー図は、試料20からのイオンのシリーズ(例えば、励起源の1または複数のパルスにより与えられた荷電粒子の流れに対応する部分を与える、励起源の個々のパルス)を形成するために、パルス状励起源12を用いることを含む。1または複数の態様において、パルス状励起源12は、イオン源または光子源(例えば、収束イオン源または収束レーザー源)であってもよい。試料20からのイオンのシリーズ(ここでは、「前駆イオン」と称する場合がある)からの前駆イオン流22(例えば、荷電粒子の流れ)を形成する。前駆イオン流22(例えば、パルス状励起源12の反復に基づくイオンのシリーズ)は、前駆体質量分離プロセス(ブロック110)(例えば、イオン抽出器14による)において質量分離されていてもよい。この前駆体質量分離(ブロック110)は、マイクロプローブ動作モードまたはマイクロスコープ動作モード(例えば、マイクロプローブに基づくTOF動作モードまたはマイクロスコープに基づく(直接イメージング)TOF方法)TOF動作モード)に基づいていてもよい。
例えば、イオン抽出器14、第1の質量分析計30(MSI)、および関連MSI検出器32を含む質量分析計アナライザー(例えば、TOF質量分析計アナライザー)における前駆イオン22(ブロック110)の流れの質量分離(例えば、望ましいおよび/または充分な分離)の、例えば後であって、前駆イオンの流れが第1の質量分析計MS1の検出器32(ブロック122)により検出される前に、質量−特異的な前駆体偏向プロセス(ブロック120)(例えば、前駆イオン選択装置40により)(例えば、MSI検出器に提供されるべき、残りの前駆イオン流41と、方向変更され(diverted)質量選択された前駆イオン42の流れを与える)において、該前駆イオン22の流れのユーザー定義の特定の質量領域は偏向されてもよい。前駆イオン流22がパルス状イオンのシリーズであるため、流れ22中の全てのパルス状イオンシリーズからの狭い質量範囲の全てを、または、流れ22中の質量−特異的な前駆イオンのシリーズのユーザー定義されたフラクションを偏向させるように、質量−特異的な前駆体偏向(ブロック120)を制御してもよい。これにより、例えば、流れ22における前駆イオンの全ての質量スペクトルが、MSI検出器32で記録することが可能になる。質量−特異的な前駆体偏向プロセス(ブロック120)において偏向される、サイクルのユーザー定義されたパーセンテージに基づき、質量−特異的な前駆偏向プロセス(ブロック120)において偏向される質量領域の範囲内において、MSI検出器32で記録されるイオンの強度は、偏向されたサイクルのパーセンテージを反映するために、正規化されて(normalized)いてもよい。これにより、MSI検出器32で記録されるスペクトルが、前駆イオンの完全な質量スペクトルの範囲内で、前駆イオンの正確な強度分布を表すことを可能となる。少なくとも1の態様において、試料の励起からの荷電粒子(例えば、前駆イオン)の流れは、その部分として、励起プローブの1または複数のパルスの個々と対応するものを含むことができる。1または複数のパルス個々選択されたパーセンテージに対応する荷電粒子の流れの部分からの、前駆イオンの質量範囲を選択するように、選択装置40は動作させることができる(例えば、選択装置40は、方向変更された前駆イオン流がフラグメント化され得るように、パルスのユーザー定義されたパーセンテージと対応する荷電粒子の流れの部分から質量範囲の前駆イオンを方向変更するように、コンピュータ制御の下で作動されてもよい)。
偏向された質量−特異的な前駆イオン42は、前駆イオンのフラグメント化プロセス(ブロック130)においてフラグメント化され、フラグメントイオン流38(例えば、前駆体活性化装置36を用いて)を与えることができる。結果として生じるフラグメントイオン38は、次いで、フラグメント質量分離(ブロック134)(例えば、第2の質量分析計50を用いて)、およびMS2検出器52における検出を経てもよい。例えば、1または複数の態様において、前駆イオンの1サイクルのフラグメント化プロセス(ブロック130)、フラグメントイオン質量分離(ブロック134)、およびMS2検出器52におけるフラグメントイオン検出が、1サイクルの前駆イオン質量分離(ブロック110)のサイクル時間の間で起こる。これにより、同じ分析的ボリュームから(例えば、パルス状励起源12を用いて、試料20から期間の間に提供される前駆イオン22の同じ流れから)、前駆イオンMSデータおよびフラグメントイオンMS/MSデータを並列取得で得るというコンセプトが可能となる。
例えば、図1に一般に示される質量分析データの取得のための、このような方法の1つの態様は、試料20に励起パルス13を適用して(例えば、パルス状励起源12を用いて)、荷電粒子22の流れを与え(例えば、分析的ボリュームから);第一次の質量分析計(例えば、イオン抽出器14、質量分析計光学系30、および関連MSI検出器32を含む、TOF質量分析計のようなもの)を使用して、それらの質量−電荷比に基づき、荷電粒子の流れから荷電粒子を分離し;質量−電荷比スペクトル(図2のブロック110およびブロック32を参照)中のこれらの荷電粒子を検出し;フラグメント化のための選択された質量範囲を有する前駆イオンの流れを方向変換させる(例えば、選択装置を用いて)(ブロック120)ことを含むことができる。フラグメントイオン38は、第一次の質量分析計がそれらの質量−電荷比に基づき、荷電粒子22の流れの荷電粒子を分離し、検出するのと同じ時間の間に、フラグメントイオン38(例えば、MS/MSデータを提供する)の分析のために、第2の質量分析計(例えば、抽出および質量分析計光学系50、および関連するMS2検出器52を含む質量分析計)に供されてもよい。例えば、方向変換プロセスは、フラグメントイオンの生成(例えば、前駆イオンフラグメント化プロセス、ブロック130)のために、前駆イオンの方向変更された流れを活性化させて;フラグメントイオンの複数の質量(例えば、フラグメントイオンの全ての質量)の質量−電荷スペクトルの質量分析アナリシスを含むことができる。
更に、例えば、質量分析の取得のための方法の他の態様は、励起パルス13を試料20に適用して、分析的ボリュームから荷電粒子22の流れを与え;第一次の質量分析計(例えば、イオン抽出器14、質量分析計光学系30および関連MSI検出器32を含むTOF質量分析計のようなもの)を使用して、それらの質量−電荷比に基づき、分析的ボリュームから荷電粒子の流れの荷電粒子を分離し、且つ質量−電荷スペクトルにおいて、これらの荷電粒子を検出し(例えば、図2のブロック110およびブロック32を参照);フラグメントイオンの分析のために(例えば、フラグメントイオン38は、分析的ボリュームからの荷電粒子22の流れから選択された粒子のフラグメント化によって提供される)、フラグメントイオンを第2の質量分析計(例えば、抽出および質量分析計の光学系50と、関連するMS2検出器52を含む質量分析計のようなもの)に供すること、を含むことができる。換言すれば、1つの態様において、MS/MSデータは、(例えば、第2の質量分析計を用いて)イメージングの一次の質量分析データ(例えば、TOF質量分析計を用いるTOF−SIMSデータ)と並列的に、得ることができる。
ここに用いられるように、そこから、前駆イオン、および活性化および選択された前駆イオンのフラグメント化に由来するフラグメントイオンが、その分析のためにシステムの他の構成要素に提供されるべき分析的ボリュームは、試料表面によって有限とされる(bounded by)試料のボリュームに帰する(refers to)。
ここに記載された機能与えるために用いられる第一次の質量分析計(すなわち、質量分析計MSI)は、如何なる適当な質量分析計(例えば、TOF質量分析計、TRIFT質量分析計、その他)であってもよい。ここに記載されている装置または方法の1または複数の態様において、第一次の質量分析計(例えば、TOF質量分析計)は、質量分析スペクトル(例えば、空間的に分解された質量分析データ)、質量分析イメージ(例えば、空間的に分解された質量分析イメージ)および/又は深さプロファイル(例えば、試料表面上で入射エネルギープローブのディメンジョンによって定義される空間分解能を有する、空間的に分解された深さプロファイル)(さもなければマイクロプローブ動作モードと称される)のうちの、少なくとも1つを取得することができる。更に、ここに記載されている装置または方法の1または複数の態様において、TOF質量分析計は、質量分析スペクトル(例えば、空間的に分解された質量分析データ)、質量分析イメージ(例えば、空間的に分解された質量分析イメージ)、および/又は深さプロファイル(例えば、第1の分光計イオン光学系の並列的マイクロスコープイメージングによって定義される空間分解能による空間的に分解された深さプロファイル)(さもなければマイクロスコープ動作モードと称される)を得ることができる。ここに記載されている装置または方法の1または複数の態様において、荷電粒子の流れを与えるように構成された励起プローブは、イオンビームまたはレーザービームを含むことができ
励起源12(例えば、パルス状励起源)は、分析のための前駆イオン22(例えば、荷電粒子)の流れを与える使用に適している如何なる励起源であってもよい。例えば、1または複数の態様において、励起源は、イオンビームまたはレーザービームを含むことができる。更に、ここに記載されている装置または方法の1または複数の態様において、荷電粒子の流れを与えるように構成された励起プローブは、収束されたイオンビームまたは収束されたレーザービームを含むことができる。例えば、1または複数の態様において、励起プローブは、単原子のイオン種、多原子クラスターイオン種、分子イオン種、および多分子クラスターイオン種のうちの、少なくとも1つを含むイオンビームを有する、イオンビーム(例えば、収束されたイオンビーム)を含むことができる。例えば、1または複数の態様において、イオンビームは、Ga、In、SF 、C60 、C60 2+、C70 、C70 2+、C1224 、Au、Au 、Au 、Au 2+、およびBi q+(ここに、n=1、2、3、5または7;およびq=1または2)のうちの少なくとも1つを含むことができる。更に、例えば、イオンビームは、グリセロール(C3n )を含むことができ、ここにnは1または1より大である。また更に、ここに記載されている装置または方法の1または複数の態様において、励起プローブは、ガスクラスターイオンビームを含むことができる。例えば、このようなガスクラスターイオンビームは、nが1および5000の間の整数である、Ar を含むことができる。
前駆イオン選択装置40は、TOF質量分析計により与えられた荷電粒子22の流れから、選択された質量−電荷の前駆イオン22を抽出するように構成された、如何なる適当な装置であってもよい。例えば、1または複数の態様において、選択装置は、電気的に活性化可能なセンターのアパーチュア(例えば、ここに、飛行時間型の質量分析計により与えられた荷電粒子の流れから、選択された質量−電荷の前駆イオンを抽出するために、選択装置はパルス活性化可能であってもよい)と、3つのアパーチュア構造を含むことができ、該選択された前駆イオンを、活性化装置36、および続く、質量分析/質量分析アナリシスのための第2の質量分析計50に注入することができる。例示的な選択装置の1または複数の態様は、ここで更に記載されている。
前駆イオン活性化装置36は、活性化および前駆イオンのフラグメント化を与えるように構成された、如何なる適当な装置であってもよい。ここに用いられるように、活性化とは、任意の前駆イオンにでも内部エネルギーを加える如何なるプロセスをも指し、更にフラグメント化とは、活性化されたイオンの、中性およびイオン化されたフラグメントへの分離を言う。1または複数の態様において、例えば、活性化装置はガスを含むチャンバにおいて、衝突によって誘起された解離(CID)、電子ビーム誘起解離、光子ビーム誘起解離、あるいは、表面誘起解離のうちの1つによって、活性化およびフラグメント化を与えるように構成された装置であってもよい。
ここに記載されている装置または方法の1または複数の態様において、パルス状前駆イオンビームのパーセンテージ(例えば、100%と0%の間)は、並列的なMS/MS分析のための制御コンピュータで選択することができる。制御コンピュータは、並列的なMS/MS分析のために、前駆イオンの全ての質量範囲から、特定m/zの前駆イオン種を選択することを可能とする。これにより、同じ分析ボリュームから、全ての前駆質量スペクトル、および選択された前駆イオン種のMS/MS質量スペクトルの並列取得が可能になる。
ここに記載されている機能を提供するために用いられる第2の質量分析計(例えば、抽出および質量分析計光学系50と関連するMS2検出器を含む質量分析計MS2)は、MS/MSデータを産生するために構成された如何なる適当な質量分析計であってもよい。ここに記載されている装置または方法の1または複数の態様において、第2の質量分析計は、線形TOF分光計、リフレクトロンTOF分光計または直交型TOF分光計を含むことができる。更に、例えば、第2の質量分析計は、高い質量分解能(例えば、2000m/zにおいて、2000M/Amより大)および高い質量精度(例えば、0から2000m/z)と、単一のm/z前駆イオン種の活性化およびフラグメント化から、全てのフラグメントイオン種の並列取得の分析的必要条件を満たす質量分析計であってもよい。
前駆イオンMSデータ(例えば、TOF質量分析データ)、および同じ分析的ボリュームからのフラグメントイオンMS/MSデータを提供させるための、MSI検出器32およびMS2検出器52における検出を可能とする組み合せシステム(例えば、図1および2において一般的に記載されているもの)は、種々の方法で構成することができる。例えば、1または複数の態様において、ここに記載されている種々の構成要素、システムおよび/又は装置は、例えば、一般的に図1および2に示されているような、同じ試料ボリュームから、前駆イオンおよびフラグメントイオン(例えば、フラグメント二次イオン)の並列処理を与えるシステムとして、組み合わせることができる。例えば、図5〜6および8〜9は、ここに記載されている機能(例えば、ここに記載されているTRIFT分光計は、このような実例を提供するために修正されていてもよい)を提供するための、MSIおよびMS2のタンデム質量分析計の例示的な実例を示す。例えば、図5に示され、且つ、ここに更に記載されているように、MS2光学系ビーム経路200(例えば、一般的に図1に示されるように質量選択され、方向変更された前駆イオン流42;選択装置40で方向変更されたもの)は、TRIFT分光計(一般的に図1および2に関して記載されているように、システム10の第1のTOF質量分析計MSIとして機能する)の具体例の上に重ねて示されている。例えば、1または複数の態様において、ビーム経路の幅は、衝突セル(例えば、更にここに記載されている衝突セル230のようなもの)における、一度(one degree)の散乱と対応する。更に、1または複数の態様において、MS2光学系ビーム経路200とMSIビーム経路(例えば、前駆イオン22の流れ)は、同じ平面内にある。それ自体として、例えば、1または複数の態様においては、MS2ビーム経路が、MSIビーム経路と交差するか、あるいは例えば、ここに更に記載され、例えば図3〜4に示されるように、TRIFT分光計800の第1の静電分析器(ESA1)805の直前の(just before)MSIビーム経路から方向変更されるように、システムの構成要素が配置される。更に、例えば、図5に示すように、ここに更に記載され、例えば図3〜4に例示として示されるような、TRIFT分光計800のTRIFT真空チャンバ840は、真空チャンバ840からのMS2光学系経路(例えば、カラム)を提供するために、第2の質量分析計50(例えば、図1に一般的に示される)の構成要素を取り付けるための、追加的な取り付けポートを備える。
例えば、ここに記載されている機能を提供するために修正されていてもよい、既存のTOF−SIMS装置の1つの例は、参照によって本出願に取り込まれる、B.シューラー(Schueler)ら、SIMS VII Proc., ワイリー、チチェスター、USA、1989によって記載されているような、PHI TRIFT V ナノTOF装置である(TRIFT分光計(三連型イオン収束の飛行時間型質量アナライザー)を示す図3を参照)。例えば、PHI TRIFT V ナノTOFにおいて、質量−電荷比、マイクロプローブ励起源のスキャン位置に基づく基点(origin)の空間位置と、試料表面への一次のイオンの前のフラックスに基づく、走査された一次のイオンビームによって生成されるイオン基点の深さは、3台セクターのTOF質量分析計を用いて測定することができる。これは、一般的には、マイクロプローブ・ベースのTOF−SIMS装置と称される場合がある。前の実例は、質量−電荷比のデータ、分光計の直接的なイメージング光学系に基づく基点の空間位置、および試料表面への一次のイオンの前のフラックスに基づく二次イオンの基点の深さを生成させるための、この3台セクターのTOF質量分析計の無非点収差(stigmatic)光学系(すなわち、直接イオン・イメージングまたはマイクロスコープモード)を利用した。この第2のモードは、一般的にTOF−SIMSのマイクロスコープモードと称され、当初(beginning)のPHI TRIFT II TOF−SIMS装置に装備された。PHI TRIFT V ナノTOF TOF−SIMSと、PHI TRIFT II TOF−SIMS装置は、TOF質量分析計を用いてイオンの質量−電荷比を同定する。二次イオンの質量と構造の同定は、TOFアナライザーの質量分解能と質量精度によって制限される。ここに記載されたような、イオン活性化装置42と質量分析(MS2)の第2のステージ(例えば、質量分析計50と、関連するMS2検出器52)の追加により、MS/MSデータを生成するための第1の質量分析計において、(例えば、イオン選択装置40により)選択された前駆二次イオンの活性化によって産生されたイオンフラグメントの質量分析が可能になる。前駆体MS/MSスペクトルにより、従来のTOF−SIMS単独だけでは達成できない、分子フラグメントの構造的および元素的な同定を可能にする。
図3〜4は、ここに記載されている原則に従って修正されていてもよい、例示的なTOF質量分析計(例えば、TOF質量分析データを与えるように構成されたTOF質量分析計(MSI))を表す。例えば、このような飛行時間型質量分析計は、Physical Electronics USA(MN)から入手可能な、PHI TRIFT V ナノTOF装置であってもよい。このような装置は、参照することによって本出願に取り込まれる、デイビッド A.リード(Reed)およびブルーノ W.シューラーによって例えば米国特許第5,128,543号に記載されているもの等の、飛行時間型のTRTFT質量分析計を用いる。米国特許第5,128,543号(または当業者に知られているように)に示され、記載されているもの等のコンピュータ/データ取得システムは、例えば、ここに示された他のシステム/修正システム(例えば、アンプリファイア、アナログ−デジタルコンバーター、バッファ、または1または複数のプロセッサーで実行可能な1または複数のプログラムを含む、信号取得または処理部を含む)のみならず、図3〜4のシステムの動作をコントロールするためにも用いられる。
例えば、このようなシステムは、処理装置およびデータストレージを含むことができる。データストレージは、ここに記載されている種々のプロセスを制御するために使用されてもよい、処理プログラムまたはルーチン、および1または複数の他のタイプのデータへのアクセスが許容される。例えば、ここに記載されているように、1または複数の態様を実行することを要求される処理プログラムまたはルーチンは、コンピュータによる数学を実行するためにプログラムまたはルーチン、マトリックス数学、分解アルゴリズム、圧縮アルゴリズム(例えば、データ圧縮アルゴリズム)、較正アルゴリズム、イメージ構築アルゴリズム、信号処理アルゴリズム、標準化アルゴリズム、比較アルゴリズム、ベクトル数学、または、ここに記載されているように、1または複数の態様を実行することを要求される他の如何なる処理をも含むことができる。データは、例えば、サンプリングされたデータ、測定データ、信号データ、1または複数のシステム構成要素からの電子モジュール・ステータス・データ、本願の開示に従って使用されるプログラムまたはルーチン、または、ここに記載されている1または複数のプロセスを実行するために必要とされるべき他の如何なるデータをも含むことができる。
1または複数の態様において、システムおよび/又は方法は、プログラム可能なコンピュータ(例えば、処理能力、データストレージ(例えば、揮発性または不揮発性のメモリおよび/又はストレージ要素)、入力デバイス、および出力デバイス装置を処理することを含むコンピュータ)において実行される1または複数のコンピュータープログラムを使用して実行することができる。ここに記載されているプログラム・コードやロジックは、ここに記載されている機能を実行するためにデータを入力するために、および望ましい出力情報を産生するために、適用することができる。出力情報は、ここに記載され、あるいは、既知の仕方(fashion)において適用されるべき、1または複数の他の装置およびプロセスに入力されるように適用されてもよい。
ここに記載されているプロセスを実行するために用いられる1または複数のプログラムは、如何なるプログラム可能な言語(例えば、コンピュータシステムと通信することに適切な高レベルの手順的(procedural)な、および/またはオブジェクト指向のプログラミング言語)を使用して、提供されてもよい。このようなプログラムは、如何なる適当な装置(例えば、一般的または特別な目的を有するプログラムにより読み取り可能なストレージメディア;ここに記載されている手順を実行するために適当な装置が読まれる際に、該コンピュータを構成し、動作させるコンピュータまたはプロセッサー装置)に格納されてもよい。換言すれば、少なくとも1つの態様において、そのように構成された非一時的(non-transitory)コンピュータ読取り可能なストレージ媒体が、ここに記載された機能を実行するための特異的ないし所定の方法(manner)においてコンピュータを作動させる場合に、システムは、非一時的なコンピュータで読取り可能なストレージ媒体(コンピュータープログラムで構成された)を用いてすることができる。
処理装置は、如何なる固定またはモバイル・コンピュータのシステム(例えば、パ−ソナル・コンピュータまたはミニコンピュータ)であってもよい。コンピューティング装置の正確な構成は制限されず、基本的に、適当なコンピューティング能力および制御能力を提供することが可能な、如何なる装置でも使用可能である。更に、種々の周辺装置(例えばコンピュータ・ディスプレイ、マウス、キーボード、ストレージ、プリンター、スキャナ)は、処理装置およびデータストレージと組合せて用いられるように企図される(contemplated)。
図3〜4において、TOF質量分析計800の光学系的システム(例えばTRIFT光学系的システム)が示されている。左側において、イオン銃801(例えば、液体金属イオン銃(LMIG))は、例えば、試料組成に特徴的な二次イオン(また、前駆イオンとも称される)の流れを生成させるために充分にエネルギー的なイオンの一連の短いパルスにより、試料820を照射するために使用可能である。二次の、または前駆イオンは、液浸レンズ803の強い電界によって加速(例えば、直ちに加速)されることができ、イメージングアパーチュア804および第1の静電分析器(ESA1)805に向けることができる。加速の後、全ての前駆または二次イオンは、ほぼ同じ運動エネルギーを有することができ、それ自体で、より重いイオンは、より軽いイオンより遅く移動する。エネルギースリット806と組み合わされたESAl 805は、エネルギーの特定のバンドのみが、第2の静電分析器(ESA2)807および第3の静電分析器(ESA3)808に通過することを可能にする。3個のESAの個々は、ビームを90度ターンさせることに使用可能であり、それは前駆イオンの流れを収束させるためにも使用可能である。第3のアナライザー(ESA3)808の後、イオンの流れは、後ESAブランカー809の狭いウエストに到達し、続いて、x,y検出器の位置と、到着時間を与える検出器810に到着する。イオンの質量は、次いで、試料20から検出器810まで飛行時間(TOF)に関連するように決定することができる。
このようなTOF分光計(例えば、TRIFT TOF質量分析計)の1つの特徴ha,
その三連型収束の性質である。図3〜4に示されるアナライザー装置は、空間的に2つのディメンジョンに収束させて、それにより、検出器平面において試料のイメージを与える。更に、図3〜4に示される装置(例えば、TRIFT TOF質量分析計)も、遅れずに(in time)収束することができ;換言すれば、同じ質量で異なるエネルギー有する二次の又は前駆イオンは、それらは同じ飛行時間を有するように、分光計において僅かに異なる経路をとる。
図4は、図3に示される、上から見た斜視図からカバーが取り外された(すなわち、図示しない)状態の、その真空チャンバ840内に取り付けられた図3の分光計(例えば、TRIFT分光計)の図面を示す。検出器チャンバ810が右側にあり、3個のESA、805、807、および808は、明確に示される。試料820、イオン銃(または複数のイオン銃)801、822を含む源チャンバは、この図では示されていない。図4は、図3に示されるエネルギースリット806を制御するための、エネルギースリット制御装置をも示す。
ここに記載されているように、例えば、1または複数の態様において、1または複数の部品(例えば、前駆イオン選択装置、例えば選択またはピッカー装置40として図1に一般的に示されるもの)は、TOF質量分析計に配置することができ、TOF質量分析計により与えられた荷電粒子の流れから、選択された質量−電荷の前駆イオンを抽出するように構成することができる。更に、活性化装置(例えば、活性化装置、例えば活性化装置36として図1に一般的に示されもの等)と、第2の質量分析計光学系と関連検出器(例えば、第2の質量分析計、例えば抽出および質量分析計光学系50と関連検出器52として図1に一般的に示されるもの)は、TOF質量分析データとMS/MSデータを与えるように、前駆イオンとフラグメントイオンの並列的な経路分析を可能にするために、TOF質量分析計に加えることができる。
図5〜11は、TOF分光計(例えばTRIFT分光計800;例えば、図3〜4に例示として示されるようなもの)を修正するために使用可能な構成要素を表す。例えば図5で示すように、真空チャンバ840に追加的な光学系経路を提供(例えば、フラグメントイオンの分析、およびMS/MSデータを提供)するために、第2の質量分析計の構成要素を取り付けるために追加された取り付けポート215を、TRIFT分光計800のTRTFT真空チャンバ840(例えば、図3〜4において例示として示されるようなもの)に設けられる。ここに記載されているように、このような機能を与えるための他の構成要素(例えば、選択装置、活性化装置、その他)は、真空チャンバ840内部に配置される。
例えば、ここに記載されている並列的機能を実行するためには、第2の質量分析計(MS2)(通常、図5の中の参照番号190により指定される)における更なる分析のために、第1の質量分析計(MSI)により与えられる(例えば、TRIFT TOF質量分析計により与えられる前駆イオンの流れから)選択された質量(例えば、前駆または二次イオンの流れから、一次のイオン源のパルスのシリーズによって生成される一部のイオンを方向変更する)の前駆イオンのシリーズの、ユーザー定義可能なパーセンテージを変える装置(例えば、前駆イオン選択装置)が必要となる。このようなイオンを方向変更するための、如何なる適当な選択装置でも使用可能であり、ここでは選択装置と適切に称することができる。
二次のまたは前駆イオン22の流れが、例えば図11に示されるように入るために(例えば、TRIFT TOF質量分析計ビームに対して入るるために)、例えば、1つの例示的な選択装置220(図6Bを参照)は、貫通孔を有する複数の(multiple)プレート219、221および226(例えば、3枚の並列的したプレート)(すなわち、前駆イオンの流れがそれを通して移動できるように整列された(aligned)開口を有するプレートを通して(through)伸びる、アパーチュアを有する個々のプレート)により構成することができる。例えば、複数のプレート219、221および226は、3枚の平行(parallel)プレートを含むことができる。3枚の平行プレートは、一定のポテンシャル(通常は、グラウンド)に保持された第2の外側プレート電極221と、第1の外側プレート電極219とを含むことができる。更に、3枚の平行プレート中の、第一および第2の外側プレート電極219、221との間に配置された第3の中央(middle)電極板226は、パルス251の中央の電極板226への印加により、図11で示すように電気的にエネルギーを与えることができる。
選択された質量(例えば、ユーザー選択された質量)の前駆または二次イオンが、外側電極板219と中央の電極板226間のギャップに(例えば、当初の推進力(momentum)p=(2meVo)1/2で)入った(例えば、外側電極板219の開口部261を通して、外側電極板219、および中央ないしセンターの電極板226の間のスペースに入った)とき、電界×(かける)パルス幅と等しい推進力衝撃、推進力衝撃(eVt/d=psin(Θ)を受ける二次のまたは前駆イオンにより中央の電極板226は脈打つ(pulsed)可能性がある。このような推進力衝撃が印加されると、選択された質量42の前駆イオンは偏向され、プレート219と221と平行に、それらの間のスペース(例えば、第1の外側電極板219と中央の電極板226の間で規定されるスペース)を通って選択装置220を出て;それより早く、または遅く到着する他の質量41の残りの二次のまたは前駆イオンが、第1の質量分析計(MSI)(例えば、検出器810を含むTRIFT分光計)による分析のために、影響を受けないままで選択装置220を通る(例えば、プレート221、226の開口部262、263をそれぞれ通る)。
例えば、図11に示すように、1000Da、1000eVのイオンは、1000ボルト、359nsのパルスにより、30度偏向される。電界と、結果として生じる推進力衝撃の方向は、プレート219および221に対して垂直であり、選択された前駆イオン11を偏向させるのみならず、減速させるように作用する。30度偏向のために、図11において代表される例に対して、イオンは、その当初のエネルギー4分の3、ないし750eVで出る。45度選択は、それらの当初のエネルギー2分の1に、イオンを減速させるであろう。
図7A〜7Bは、例示的な選択装置(例えば、図11に示された選択装置)の側面図および斜視図、更にはいくつかのイオン軌道を示すCAD図面である。このような図7A〜7Bは、選択された質量41の前駆イオンが、選択装置220の下流の活性化装置(例えば、衝突セル270)のアパーチュアに提供される軌道を示す。
図6A〜6Bは、図5に示された選択装置220の例示的なロケーションを拡大して示す。図6Aは、既存のTRIFT光学系の上に重ねられたMS2ビーム経路200を示し、図6Bは、後ESAブランカー809(図1を参照)が、選択装置220と置き換えられた修正版を示す。更に、図6A中の後ESAブランカーの809のすぐ下流の、検出器四重極811(図4を参照)は、選択装置220と衝突セル270(図10参照)とにスペースを与えるように、図6Bにおいて右側に動く(よって、示されない)ことができる。選択装置220は、ここに記載されている直列型の分光計のための後ESAブランカーとして、ダブルになってもよい。全てのビームが選択装置220と衝突セル270において出来る限り小さいアパーチュアを通過できるように、装置220は、TRIFT TOF質量分析計ビームの角度(angular)クロスオーバーの前駆イオンビーム軌道に置かれる。
図8は、MS2ビーム経路200が、MSI前駆イオンビーム経路とクロスでき、且つTRIFT分光計800の真空チャンバ840を出ることができる領域を示す詳細図である。例えば、選択装置、偏向角度、および適切なTRIFT修正装置(例えばPhysical Electronics USA(MN)から入手可能な修正された装置)の適当な選択により、電界および物理的障害が欠けている領域で、ビーム経路が入れ違い(cross in)することができる。
選択装置220により方向変更される前駆イオン42は、第2の質量分析計(MS2)190(図5参照)においてフラグメント化および更に質量分析によって特定されるべきものを含む。例えば、数種類の質量分析計が、このような機能を実行するために使用可能である。例えば、1または複数の態様において、第2の質量分析計は、線形TOF質量分析計設計、リフレクトロン TOF質量分析計設計、または直交型TOF質量分析計設計であってもよい。
1つの態様において、第2の質量分析計MS2 190は、図5および9〜10で示される線形TOF質量分析計であってもよい。例えば、このような直線デザインは、参照することによって本出願に取り込まれる、W. E.スティーブンス、「時間分散によるパルス状質量分析計(A pulsed Mass Spectrometer With Time Dispersion)」、Physical Review、1946 69、691に記載されている。例えば、選択された質量の前駆イオン流22の二次イオンは、図10において示されるように、選択装置220により偏向(例えば、45度)されてもよい。例えば、3000eVのTRIFTビームエネルギーにより、前駆イオンは、1500eVの運動エネルギーで選択装置を出ることができる。選択装置220から下流(例えば、直ちに下流)の、偏向された前駆イオン42は、活性化装置(例えば、衝突セル270)に入る。例えば、偏向された前駆イオン42は、衝突ガス(例えばアルゴンまたはクリプトン)を含む衝突セル270の囲まれた(enclosed)ボリューム278に入る。例えば、大部分の偏向された前駆イオン42が、複数の衝突により過度の散乱を導入することなく、フラグメントイオン38の収率を最大にするために、単一の衝突を受けるように、衝突セル270は与圧されてもよい。例えば、1または複数の態様において、入口および出口アパーチュア291、292は、衝突セル270(例えば、活性化装置)と、第2の質量分析計190の構成要素との間で1000倍の圧力差を維持するために、衝突セル270からのガス流を制限することができる。例えば、フラグメントイオン38は、それらの前駆体から小さな衝突損失を引いた速さとともに、衝突セル270を出ることができる。
その後、例えば、フラグメントイオンの運動エネルギー拡散の必要な狭小化、およびMS2における高い質量分解能、高い質量精度および高い検出効率を提供するために必要な高いエネルギーを提供するために、集群(bunching)および加速装置263が使用可能である。如何なる適当な集群および加速装置でも、使用可能である。図9は、TRIFT分光計ハウジングに、外部的に取り付けられた第2の質量分析計190のある構成要素を表す。このような構成要素は、衝突セル270(図9に示されない)の下流のフラグメントイオンのために、集群および加速度的な光学系263を含む。集群および加速光学系の下流は、質量分析計検出器266、およびその後のフィールドフリーのドリフトスペース264である。フィールドフリーのドリフトスペース264は、MS質量分析のための、フラグメントイオン種のにm/zに依存する時間分離を与えるために機能する。
1または複数の態様において、集群および加速装置263は、図10で示されるようにバンチャーを形成する2個の並列的グリッドを含むことができる。例えば、イオンがグリッド間のスペースに入る(例えば、1または複数のアパーチュアを通して、グリッドに入れられる)まで、2個の並列的グリッドは、一定のポテンシャル(典型的には、グラウンド)に保持されることができる。グリッド288、289のうちの第1のグリッド288は、検出器の方へイオンを加速する電圧に切り替えることができる。例えば、加速の量は、スイッチ時間におけるイオン位置に依存する。それらがより遅いため、またはそれらが検出器からより遠方からスタートしたために、「遅れた」(lagging)イオンには、より大きいプッシュを与えることができる。全体の飛行時間が大部分が質量に依存するように、運動エネルギー拡散およびフラグメントイオン形成開始位置におけるバリエーションの影響を最小にするために、ディメンジョンおよび電圧が選択される。
更に10−15kV(典型的にはに14kV)で、更にフラグメントイオンを加速するために、(例えば、図9に示されるように)、集群および加速装置263は更に加速光学系を含むことができる。この加速は、2つの目的を果たすことを可能とする。第1には、それらが集群および加速光学系263と質量分析計検出器266との間で与えられたドリフトスペース264で分離するように、フラグメントイオンはそれらの質量に依存する速さを得る。第2には、重いイオンが効率的に検出可能なように、フラグメントイオンは、充分なエネルギー(例えば、ポスト加速によって)を取得できる。質量分析計検出器266は、種々の既知のTOF検出器(例えば、二重マイクロチャネル・プレート/アノードの組合せ、電子増倍管/光電子増倍管の組合せ、単純な電子増倍管、または如何なる位置に敏感な検出器技術、その他のいずれであってもよい。
実験的な結果
例えば、MSI(例えば、TRIFT TOF質量分析計)とともに使用される際の、MS2デザインコンセプト(図10を参照)のフィージビリティを立証するために、プロトタイプMS2分光計が構築され、にテストされた。3kVのDCで動作されるC6oイオン銃は、前駆イオンの源を与えた。図12は、衝突ガスなしで得られた質量スペクトルの3個の図を示し、したがって、該スペクトルは、イオン銃エミッションを代表するものである。質量軸ラベルは、実際の質量10分の1である。図12のトップパネルは、720Da(Coの名目質量)において、突出した(prominent)ピークを示す。センターパネルは、721、722Da、その他における追加的なピークを表すために、質量720Da近傍の領域を拡大する。720のピークは、カーボン−12で全体的に構成され、より重いイオンが1または複数のカーボン−13原子を含む。スペクトルの質量分解能は、約3400である。第3のパネルは、質量696近傍の領域を拡大し、イオンビームが約0.3%のC58で汚染されたことを示す。
図13は、衝突セル内のクリプトンにより得られた3kVのC60前駆イオンによる、質量スペクトルの2個の図を示す。上部のパネルは、対数関数的スケールで全てのスペクトルを示す。720の質量ピークは最も強く、且つ、均一に間隔をあけて一連のより低い質量フラグメントイオンが出現した。下部のパネルは、線形スケールでフラグメントイオンのより詳細な観察を与える。696、672、648および624Daのピークは、C58、C56、C54およびC52のシリーズと対応し、且つ、C60の既知のフラグメント化パターンとまったく一致する。C60前駆イオンが特にフラグメント化に耐性を有するため、フラグメントイオンのより大きな収率は、典型的な有機試料に対して予想される。
要約すると、上記の実験の結果は、上記のデザインコンセプトの有効性を確認(validate)している。
発明の背景、発明の概要、例示的な態様の詳細な説明、および本明細書のいずれかの箇所で引用された特許、特許文献、および出版物は、それらの全体な開示として、それらの個々が、参照することによって本願に取り込まれる。本願発明の例示的な態様は、上に記載されている通りである。当業者は、多くの態様が発明の範囲内で可能であることを認識するであろう。ここに記載されている他の種々の構成要素、複数の方法の他の変形(variation)、修正、および組合せは、確かに作製されることができ、更に発明の範囲内になることができる。従って、本発明は、以下の請求項とその均等物によってのみ制限される。

Claims (1)

  1. 質量分析データを取得するための装置であって該装置は
    第1のビーム中の荷電粒子の流れの荷電粒子をそれらの質量−電荷比に基づき分離するように構成された三連型イオン収束質量分析計(TRIFT分光計)を備え、荷電粒子を質量−電荷スペクトルで検出する、第一次の飛行時間型質量分析計であって、該TRIFT分光計は、イオン銃から試料の表面に走査されたイオンビームによって生成された荷電粒子の、質量−電荷比と、励起源のスキャン位置に基づく基点の空間位置と、基点の深さとを測定するものであり、さらに該TRIFT分光計は、
    真空チャンバを提供する、TRIFT分光計ハウジングと、
    試料からの第1のビームをもたらすためのイオン銃であって、該第1のビーム中の荷電粒子の流れが、該イオン銃の励起源の1または複数のパルスの各々と対応する部分を含む、イオン銃と、
    TRIFT分光計ハウジング内の第1、第2、及び第3の静電分析器であって、該静電分析器は、それぞれ第1のビームを90度ターンさせ、荷電粒子の流れを第3の静電分析器の後の狭いウエストに収束させ、収束させた荷電粒子の流れは、該流れの荷電粒子の質量を決定するための到着時間を与えるTRIFT分光計検出器へと続くように構成されている、第1、第2、及び第3の静電分析器と、
    を備えたものである、第一次の飛行時間型質量分析計;
    並びに、
    TRIFT分光計ハウジング内に備えられ、第3の静電分析器の後であって前記狭いウエストにおける第1のビームの荷電粒子の流れ内に位置する、選択装置であって、前記荷電粒子の流れから前駆イオンの質量範囲を選択するように構成された選択装置;
    並びに、
    RIFT分光計ハウジング内の活性化装置であって、第一次の質量分析計が荷電粒子をそれらの質量−電荷比に基づき分離し検出しているのと同じ時間の間に、第1のビームの荷電粒子の流れからの選択された前駆イオンを活性化し、フラグメント化して、フラグメントイオンの流れを作るように構成された活性化装置;
    並びに、
    第2の質量分析計の構成要素を取り付けて、TRIFT分光計ハウジングによって提供される真空チャンバからの追加的な光学的経路を提供する、取り付けポートであって、該第2の質量分析計は、前記活性化装置から提供された複数の質量のフラグメントイオンの質量−電荷分析のために構成された第2の飛行時間型質量分析計を備え、該第2の飛行時間型質量分析計は、
    TRIFT分光計ハウジングの外側に取り付けられた集群および加速装置であって、前記活性化装置下流のフラグメントイオンの流れのフラグメントイオンのエネルギーの拡がりを狭小化し、前記活性化装置下流のフラグメントイオンの流れのフラグメントイオンに高い運動エネルギーをもたらす、集群および加速装置と、
    TRIFT分光計ハウジングの外側に取り付けられ、前記集群および加速装置の下流の、第2の質量分析計検出器と、
    を備えたものである、取り付けポート;
    を備えた装置であり、
    記第一次の質量分析計が、試料表面への入射エネルギー励起のディメンジョンによって定義された空間分解能で、空間的に分解された質量分析スペクトル、1以上の空間的に分解された質量分析イメージ、および、1以上の空間的に分解された深さプロフィール、のうちの1または複数を取得するように構成されているものである、
    質量分析データを取得するための装置
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