JP2005202033A - 基板貼り合わせ装置、その装置によって製造された電気光学装置、電子機器および基板貼り合わせ方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】第一基板に形成された電気光学物質を含む複数の所定の領域に、複数の第二基板を同時に貼り合わせて電気光学装置を製造する際に、上記領域内の不良の領域から形成される電気光学装置に過大なコストをかけずに電気光学装置を製造する基板貼り合わせ装置を提供する。
【解決手段】第一基板300を保持する第一基板保持手段200と、前記所定の領域に貼り合わせる第二基板400を保持する第二基板保持手段110と、第一基板300の領域のうち、不良な素子を有する領域にはダミーの基板を、その他の領域には正常な基板を貼り合わせるように、第二基板400を第二基板保持手段110に供給する基板供給手段と、第一基板300および第二基板400を対向させた状態で、複数の第二基板保持手段110を同時に押圧して、第一基板300および第二基板400を貼り合わせるための押圧手段63と、を有する。
【選択図】 図1
【解決手段】第一基板300を保持する第一基板保持手段200と、前記所定の領域に貼り合わせる第二基板400を保持する第二基板保持手段110と、第一基板300の領域のうち、不良な素子を有する領域にはダミーの基板を、その他の領域には正常な基板を貼り合わせるように、第二基板400を第二基板保持手段110に供給する基板供給手段と、第一基板300および第二基板400を対向させた状態で、複数の第二基板保持手段110を同時に押圧して、第一基板300および第二基板400を貼り合わせるための押圧手段63と、を有する。
【選択図】 図1
Description
本発明は、一枚の基板に複数の基板を貼り合わせる基板貼り合わせ装置、その装置によって製造された電気光学装置、電子機器および基板貼り合わせ方法に関する。
電気光学装置の一種である液晶表示装置は、二枚の基板が貼り合わされた内部に液晶が封入される液晶表示パネルと、液晶を駆動する駆動回路と、を有して構成される。この液晶表示装置は、テレビやパーソナルコンピュータのディスプレイに用いられる大型のものから、携帯電話器の表示部などに用いられる小型のものまで、幅広く使用されている。大型の液晶表示装置を構成する液晶表示パネルは、二枚の基板を貼り合わせることによって一枚ずつ製造されるが、小型の液晶表示装置を構成する液晶表示パネルは、大型の基板から所定のサイズの液晶表示パネルを複数切り出して製造されるのが一般的である。
小型の液晶表示パネルの製造方法として種々のものが提案されているが、その一つに、一枚の大型の基板上の所定の位置(以下、液晶表示パネル領域という)に、最終的な製品で使用される液晶表示パネルのサイズに加工された小型の基板を複数枚同時に貼り合わせた後に、大型の基板から、個々の液晶表示パネル領域を切り出すことによって小型の液晶表示パネルを製造する方法がある(たとえば、特許文献1参照)。図14は、小型の液晶表示パネルを製造するための基板貼り合わせ装置の従来例を示す図である。この基板貼り合わせ装置2100は、一枚の大型の基板2010を指示する支持台2120と、大型の基板2010に貼り合わせる複数の小型の対向基板2020を保持する保持ヘッド2112aを有する基板保持部材2112と、基板保持部材2112を上下方向に駆動して基板の貼り合わせを行うヘッド駆動機構2115と、を有し、基板保持部材2112はチャンバ2111内に配置されている。
このような構成を有する従来の基板貼り合わせ装置2100の動作について説明する。まず、液晶表示パネル領域に電極や液晶などが配置された大型の基板2010を支持台2120に支持する。また、液晶を封止するとともに対向する大型の基板2010との接着を行うシール材などが配置された複数の小型の対向基板2020を基板保持部材2112の保持ヘッド2112aに保持する。つぎに、チャンバ2111を大型の基板2010上に下ろし、チャンバ2111内を所定の真空度にし、大型の基板2010の液晶表示パネル領域に小型の対向基板2020が重なるように位置合わせを行った後に、ヘッド駆動機構2115によって基板保持部材2112を降下させて、上下の基板2010,2020の表面を接触させる。その後、基板保持部材2112の保持ヘッド2112aから対向基板2020を解放し、ヘッド駆動機構2115によって基板保持部材2112を上昇させることで、大型の基板2010に小型の対向基板2020が同時に貼り合わされた状態となる。
しかしながら、従来の基板貼り合わせ装置2100では、大型の基板2010に形成された液晶表示パネル領域のうち配線が不良である液晶表示パネル領域が存在する場合の基板貼り合わせ方法については考慮されていない。つまり、大型の基板2010中に不良な液晶表示パネル領域が存在する場合でも、その液晶表示パネル領域上には所定の小型の対向基板2020を基板保持部材2112の保持ヘッド2112aに保持させなければならない。さらに具体的に説明すると、小型の対向基板2020は液晶表示パネル領域と合致するように精確に切り出されるとともに液晶を駆動するための電極も形成されているので、その製造のためのコストがかかっている。このような製造コストのかかる小型の対向基板2020を使えないとわかっている液晶表示パネル領域に貼り合わせなければならないという問題点を従来の基板貼り合わせ装置2100は有していた。このような問題点は、液晶表示装置だけでなく電気光学装置において、電気光学物質を一対の基板で挟んで製造する場合に起こり得るものである。
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、大型の基板に形成された電気光学物質を含む複数の所定の領域に、複数の小型の基板を同時に貼り合わせて電気光学装置を製造する際に、上記所定の領域に不良の領域が存在する場合に、その不良の領域から形成される電気光学装置に過大なコストをかけずに電気光学装置を製造することができる基板貼り合わせ装置およびその方法を提供することを目的とする。また、上記基板貼り合わせ装置によって製造される電気光学装置と電子機器を提供することも目的とする。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明の基板貼り合わせ装置は、複数に区切られた領域ごとに素子が形成された第一基板を保持する第一基板保持手段と、前記第一基板の前記領域に対応して貼り合わせられる第二基板を保持する第二基板保持手段と、前記第一基板の領域のうち、不良な素子を有する領域にはダミーの基板を、その他の領域には正常な基板を貼り合わせるように、第二基板を前記第二基板保持手段に供給する基板供給手段と、前記第一基板と前記第二基板を対向させた状態で、前記第二基板保持手段を押圧して、前記第一基板と前記第二基板を貼り合わせるための押圧手段と、を有することを特徴とする。この発明によれば、第一基板の領域に不良な素子を有する領域が存在する場合には、その領域に対応する第二基板保持手段に低品位の素材からなるダミーの第二基板が保持され、第一基板上に貼り合わされる。これによって、不良な素子を有する領域に対して、製品として出荷される際に使用されるコストのかけられた第二基板を用いる必要がなくなり、基板貼り合わせ時のコストを削減することができる。特に、第一基板上に複数の第二基板を同時に押圧する構成の押圧手段を有する場合に有効である。
また、本発明の好ましい態様によれば、複数に区切られた領域ごとに素子が形成された第一基板を保持する第一基板保持手段と、前記第一基板の前記領域に対応して貼り合わせられる第二基板をそれぞれ保持する複数の第二基板保持手段と、前記第一基板と前記第二基板を対向させた状態で、前記第二基板保持手段を独立に押圧して、前記第一基板と前記第二基板を貼り合わせるための押圧手段と、前記第一基板の領域のうち、不良な素子を有する領域を除いた領域に対応する第二基板保持手段のみを押圧するように前記押圧手段を制御する制御手段と、を有することを特徴とする。この発明によれば、第一基板に形成された複数の領域に第二基板を貼り合わせるときに、第二基板を保持する第二基板保持手段を独立に加圧可能な押圧手段を設けるように構成したので、第一基板の領域に不良な素子を有する領域が存在する場合には、その領域に対応する第二基板保持手段が押圧手段で押圧されない。これによって、不良な素子を有する領域に対して第二基板を供給する必要がなくなるので、基板貼り合わせ時のコストを削減することができる。なお、不良な素子を有する領域に対応する第二基板保持手段には、第二基板を保持させても保持させなくても良い。
また、本発明の好ましい態様によれば、電気光学装置が、上記の発明のいずれか1つに記載の基板貼り合わせ装置によって製造されることを特徴とする。これにより、第一基板上の不良な素子を有する領域からは製品として出荷することができない形で電気光学装置が製造される。したがって、製品として不良であると判明している電気光学装置に対しては、過剰なコストがかからず、正常な電気光学パネルを備える電気光学装置のみを得ることができる。
また、本発明の好ましい態様によれば、電子機器が、上記の発明に記載の電気光学装置を備えることを特徴とする。これにより、予め製品として不良であると判明している電気光学装置は使用されることがなく、電子機器を製造する際の全体のコストを抑えることができる。
また、上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明の基板貼り合わせ方法は、複数に区切られた領域ごとに素子が形成された第一基板を保持する第一基板保持手段と、前記第一基板の前記領域に対応して貼り合わせられる第二基板を保持する第二基板保持手段と、前記第一基板と前記第二基板を対向させた状態で、前記第二基板保持手段を押圧する押圧手段と、を有する基板貼り合わせ装置における基板貼り合わせ方法であって、前記第一基板を前記第一基板保持手段によって保持させる第一の工程と、前記第一基板の領域のうち、不良な素子を有する領域にはダミーの基板を、その他の領域には正常な基板を重ね合わせるように前記第二基板を前記第二基板保持手段によって保持させる第二の工程と、前記第二基板保持手段を前記押圧手段によって押圧して、前記第一基板と前記第二基板を貼り合わせる第三の工程と、を含むことを特徴とする。この発明によれば、第一基板の領域に不良な素子を有する領域が存在する場合には、その領域に低品位の素材からなるダミーの第二基板が第二基板保持手段に保持され、第一基板上に貼り合わされる。これによって、不良な素子を有する領域に対して、製品として出荷される際に使用されるコストのかけられた第二基板を用いる必要がなくなり、基板貼り合わせ時のコストを削減することができる。特に、第一基板上に複数の第二基板を同時に押圧する構成の押圧手段を有する場合に有効である。
さらに、本発明の好ましい態様によれば、上記の発明において、前記第一工程で、前記第一基板の前記不良な素子を有する領域には前記第二基板を貼り合わせるための接着部材が塗布されていない前記第一基板を前記第一基板保持手段によって保持させ、前記第二の工程で、前記不良な素子を有する領域にも正常な第二基板を前記第二基板保持手段によって保持させることを特徴とする。この発明によれば、第二基板保持手段のすべてに正常な第二基板を保持させても、不良な素子を有する領域には第二基板を固定するための接着部材が塗布されない。その結果、不良な素子を有する領域には第二基板が接着、固定されないので、不良な素子を有する領域に対して、製品として出荷される際に使用されるコストのかけられた第二基板を用いる必要がなくなる。また、ダミーの第二基板も用いる必要がなくなるので、上記の発明に比べて、さらにコストを抑えることが可能となる。
また、上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明の基板貼り合わせ方法は、複数に区切られた領域ごとに素子が形成された第一基板を保持する第一基板保持手段と、前記第一基板の前記領域に対応して貼り合わせられる第二基板をそれぞれ保持する複数の第二基板保持手段と、前記第一基板と前記第二基板を対向させた状態で、前記第二基板保持手段を独立に押圧する押圧手段と、を有する基板貼り合わせ装置における基板貼り合わせ方法であって、前記第一基板を前記第一基板保持手段によって保持させる第一の工程と、前記第二基板を前記第二基板保持手段によって保持させる第二の工程と、前記第一基板の領域のうち、不良な素子を有する領域を除いた領域に対応する第二基板保持手段のみを押圧するように前記押圧手段を制御して前記第一基板と前記第二基板を貼り合わせる第三の工程と、を含むことを特徴とする。この発明によれば、第一基板に形成された複数の領域に第二基板を貼り合わせるときに、第一基板の領域に不良な素子を有する領域が存在する場合には、その領域に対応する第二基板保持手段は押圧手段で押圧されることがない。これによって、第一基板上の不良な素子を有する領域に対して第二基板を貼り合わせる必要がなくなるので、基板貼り合わせ時のコストを削減することができる。なお、不良な素子を有する領域に対応する第二基板保持手段には、第二基板を保持させても保持させなくても良い。
以下に添付図面を参照して、本発明にかかる基板貼り合わせ装置、その装置によって製造された電気光学装置、電子機器および基板貼り合わせ方法の好適な実施例を詳細に説明する。ただし、以下では、有機EL薄膜を有する有機EL装置を電気光学装置の一例として説明するが、これらの実施例により本発明が限定されるものではなく、液晶表示装置、プラズマディスプレイ装置、電気泳動装置などの電気光学装置に適用することが可能である。
図1は、本発明にかかる基板貼り合わせ装置の実施例1の概略構成を示す側面断面図である。基板貼り合わせ装置1は、脚体10に設けられたガイド20に対して、垂直方向すなわち図1におけるZ軸方向に移動自在に設けられたL字型を呈する支持部材30を有する。該支持部材30には、該支持部材30に設けられたガイド40に対して、垂直方向すなわち図1におけるZ軸方向に移動自在に設けられた略L字型を呈する支持部材50が取り付けられている。そして、支持部材50の水平部の下面には、ヘッド部100が取り付けられている。また、支持部材50の水平部には、ヘッド部100を押圧する押圧部63が貫通することが可能なように穴部が設けられている。
支持部材30の垂直部分の上面には、該支持部材30を昇降させるためのアクチュエータ90がロッド91を介して連結されている。さらに、支持部材30の垂直部分には、アクチュエータ60が固定された支持部61、およびアクチュエータ70が固定された支持部71が固着されている。そして、アクチュエータ60にはロッド62が連結されている。このロッド62をアクチュエータ60により昇降動作させることで、ロッド62の先端部に配置された押圧部63の押圧ピン64により吸着ヘッド110の上面を押圧し、ヘッド部100を加圧することができる。
アクチュエータ70にはロッド72が連結されている。このロッド72をアクチュエータ70により昇降動作させることで支持部材50を保持、または昇降動作させることができる。すなわち、支持部材50の上部に設けた突起部51が支持部材50の自重によりロッド72の先端部に配置されたストッパ73に係止されることで支持部材50を所定の高さに保持することができる。
また、ロッド72を上昇させた場合には、突起部51がストッパ73に係止された状態で上昇するため、支持部材50を上昇させることができる。そして、ロッド72を下降させた場合には、ストッパ73の位置が下がるため、支持部材50はその自重により下降し、ストッパ73が下がった位置まで支持部材50を下げることができる。
また、支持部材30には、水平方向に延出した支持部75が固着されており、該支持部75と支持部材50の水平部上面とがバネ部材76とで連結されている。このバネ部材76は支持部材50の重さを相殺する機能を有している。
そして、ヘッド部100の下部には、第一基板300の保持部材である保持基板200がZ軸方向と垂直方向に移動自在なXYθテーブル201に固定されている。保持基板200は、透明または半透明な材料からなり、基板の貼り合わせ後に、XYθテーブル201の下側から紫外線などの照射が可能とされている。また、XYθテーブル201は、基板に対応する位置に紫外線などの照射を可能とするための所定の大きさの穴部を有する。これにより、基板間に紫外線硬化性の接着材を配置した場合には、基板を高精度で貼り合わせた後、その状態で基板間に配置された接着材を紫外線硬化させて基板を固定することができる。このような保持基板200としては、ガラス基板により形成したガラスホルダなどを用いることができる。なお、保持基板200は特許請求の範囲における第一基板保持手段に対応している。
図2は押圧部の側面断面図であり、図3はヘッド部の上面図であり、図4はヘッド部の断面図であり、図5はヘッド部の底面図である。図1〜図5に示される例では、1つのヘッド部100に9個の吸着ヘッド110が設けられる場合を示し、これらの図を参照してその構造について以下に説明する。
まず、ヘッド部100を押圧する押圧部63の構造について説明する。図2に示されるように、押圧部63は、設けられた複数の吸着ヘッド110のそれぞれを加圧することができるように、吸着ヘッド110の数に応じて押圧ピン64が設けられている。なお、図2は断面図であり、この他に同様の押圧ピン64が紙面に垂直な方向に2列配置されている。それぞれの押圧ピン64は、一枚の支持板66の所定の位置に保持バネ65などの弾性を有する部材によって保持される。支持板66のほぼ中央部にはアクチュエータ60によって昇降動作を行うロッド62が固定されている。ここで、それぞれの押圧ピン64は、後述するヘッド部100に設けられるそれぞれの吸着ヘッド110を加圧することができるように、それぞれの吸着ヘッド110の位置に対応して設けられ、また、それぞれの押圧ピン64を保持する保持バネ65のバネ定数はすべて等しいものとする。なお、吸着ヘッド200は特許請求の範囲における第二基板保持手段に対応し、同じく押圧部63、ロッド62およびアクチュエータ60は押圧手段に対応している。
このような構成によって、アクチュエータ60によってロッド62を降下させると支持板66も降下し、それぞれの押圧ピン64がそれぞれの吸着ヘッド110に接触した後は、押圧ピン64は吸着ヘッド110を加圧する。このとき、押圧ピン64を保持バネ65で保持する構造としたので、保持バネ65の弾性変形によって、支持板66に保持される押圧ピン64にかかる加圧力が均一となる。すなわち、すべての吸着ヘッド110に加えられる加圧力が均一となる。
つぎに、ヘッド部100について説明する。ヘッド部100は、第二基板400の保持部材である吸着ヘッド110と、複数の吸着ヘッド110を支持する位置に穴部が設けられ任意の圧力によって三次元的に変形可能な平板上の支持部材である外形が矩形状の金属ダイアフラム120と、吸着ヘッド110を取り付けられた金属ダイアフラム120を支持する矩形状に形成されたヘッド部材130と、金属ダイアフラム120に吸着ヘッド110を固定するための固定部材140と、ヘッド部材130に金属ダイアフラム120を固定するための固定部材150と、を備えて構成される。
吸着ヘッド110の下面である第二基板保持面111に、下側の保持基板200に保持される第一基板300に比して面積の小さい第二基板400が保持される。この第二基板保持面111は、実施例1と同様にたとえば真空吸着などの吸着手段によって第二基板400を吸着保持する構成となっている。この吸着ヘッド110は、第一基板300に貼り合わせられる第二基板400の数だけ設けられ(この例では、9個設けられる)、それぞれ同一の大きさを有する。
ヘッド部材130の上面には、設置される吸着ヘッド110に対応する位置に押圧ピン64を挿入することができる押圧ピン挿入穴131が設けられている。第一基板300と第二基板400の貼り合わせ時に押圧ピン64が押圧ピン挿入穴131に挿入され、吸着ヘッド110の上面(第二基板保持面111とは反対側の面)側が加圧される。
金属ダイアフラム120には、金属ダイアフラム120をヘッド部材130に固定したときに、ヘッド部材130の上面に形成された押圧ピン挿入穴131の位置と吸着ヘッド110の設置位置とが重なるように、吸着ヘッド110を設置するための穴が設けられている。この穴は、押圧ピン挿入穴131と同数設けられる。
この金属ダイアフラム120は、第二基板400と垂直方向のバネ定数が該基板の面内方向のバネ定数よりも小とされている。これにより、金属ダイアフラム120は第二基板400と垂直な方向における変形の自由度が大きく、これを利用して三次元的に変形することができる。このような三次元的に変形可能な金属ダイアフラム120を用いることにより、吸着ヘッド110に保持された第二基板400は第一基板300に対して傾動可能に支持されている。そして、この基板貼り合わせ装置1においては、第二基板400は第一基板300に対して傾動可能に支持されることによって、基板の貼り合わせ時において微小な基板のうねりや反りなどに対応することができ、高精度な貼り合わせが可能とされる。
また、金属ダイアフラム120は、第二基板400の面内方向に高いバネ定数を有しており、これによって金属ダイアフラム120は第二基板400の面内方向において高い剛性を有するため、吸着ヘッド110に保持された第二基板400は、基板の貼り合わせ時における第二基板400の面内方向の変位、すなわち位置ずれが確実に防止され、高精度な基板貼り合わせが可能とされる。
固定部材140は、吸着ヘッド110を金属ダイアフラム120に固定するための部材であり、吸着ヘッド110の上面部の外形とほぼ同じ大きさを有し、額縁状の形状を有している。また、固定部材150は、金属ダイアフラム120をその周縁部でヘッド部材130に固定するための部材であり、ヘッド部材130の外形とほぼ同じ大きさで額縁状の形状を有している。
このようなヘッド部100は、まず、吸着ヘッド110をそれぞれ金属ダイアフラム120上の所定の箇所に固定し、ついで、吸着ヘッド110を固定した金属ダイアフラム120をヘッド部材130に固定することによって得られる。たとえば、吸着ヘッド110の図示しないボルト穴位置に金属ダイアフラム120と額縁状の固定部材140の図示しないボルト穴位置とを合わせて、このボルト穴に図示しないボルト部材を螺着固定して、金属ダイアフラム120と吸着ヘッド110とを固定する。つぎに、ヘッド部材130の図示しないボルト穴の位置に金属ダイアフラム120とリング状の固定部材150の図示しないボルト穴位置とを合わせて、このボルト穴に図示しないボルト部材を螺着固定して、金属ダイアフラム120の外周側とヘッド部材130とを固定する。
このようなヘッド部100と押圧部63の構成によれば、保持基板200上に保持された第一基板300とそれぞれの吸着ヘッド110に吸着保持された第二基板400とを貼り合せる際に、アクチュエータ60からロッド62、支持板66、保持バネ65および押圧ピン64を介して、吸着ヘッド110に均一に加圧力が伝えられる。
つぎに、以上のように構成された基板貼り合わせ装置1による基板の貼り合わせ方法について説明する。ここでは、複数の有機エレクトロルミネッセンス(以下、ELという)素子が形成された一枚の第一基板上に、それぞれの有機EL素子が形成された領域に第二基板を貼り合わせて、上記有機EL素子を封止して有機EL装置を形成する方法を例に挙げて説明する。
図6は、複数取りが可能な有機EL装置を構成する第一基板と、第一基板を封止する第二基板の構成を模式的に示す斜視図である。この図6に示されるように、インクジェット法やフォトリゾグラフィ法によって発光部311と外部接続端子312を領域310ごとにマトリクス状に形成した第一基板300と、第一基板300上の発光部311を覆うことが可能な大きさで、図示しない吸収剤が貼着され封止凸部を形成した複数の第二基板400とを用意する。この第一基板300の各領域310における封止部分には接着剤313が塗布されている。接着剤313の塗付は、シリンジなどにより、各領域310内の発光部311を方形に囲むように行われる。ここでは、接着剤として紫外線硬化性樹脂が使用されるものとするが、これに限定されず他の接着剤を使用することもできる。
この第一基板300が形成された後に、図示しないテスト装置によって、第一基板300上に形成された各領域310内の発光部311が正常に発光するかなどの不良に関するテストが外部接続端子312を介して行われる。このテストにおいては、正常に発光部311が動作する領域310は正常と判定され、発光部311が正常に動作しない領域310は不良と判定される。そして、テスト装置は、その結果を検査した第一基板300と対応付けて不良チップ情報として格納する。この不良チップ情報としては、たとえば、図6に示される第一基板300の場合には、図の左上側の領域から順に一意的に識別可能な番号を付け、その番号の領域310が正常か不良かを格納して構成することができる。
つぎに、図示しない基板供給手段である基板供給装置は、上述の不良チップ情報に基づいて、正常であると判定された領域310に対応する専用ホルダには通常の第二基板400を載置し、不良であると判定された領域310に対応する専用ホルダにはダミーの第二基板400を載置する。このダミーの第二基板400は、通常の第二基板400とほぼ同じ寸法を有するものであるが、通常の第二基板400に比して、コストのかけられていないものである。たとえば、ほぼ同じ厚さの低品位のガラス基板を通常の第二基板400と同じ寸法に切り出しただけで、吸収剤が貼着されていないものなどを使用することができる。なお、専用ホルダに載置される第二基板400のうち、通常の第二基板400は、吸収剤が貼着された面を下向きにして載置される。
基板貼り合わせ装置1は、基板供給装置によって準備された専用ホルダを載置するための状態にされる。まず、アクチュエータ90によりロッド91を下降させて支持部材30を下方に移動させる。一方、アクチュエータ70によりロッド72を上昇させ、支持部材50の上部に設けた突起部51をストッパ73により係止させて、支持部材50を上方に引き上げる。これによりヘッド部100とXYθテーブル201との間に十分な空間を設けることができる。また、このとき、アクチュエータ60によりロッド62を上昇させてロッド62の先端部に配置された押圧部63を支持部材50から離間させ、支持部材50に圧力が加わらない状態とする。
つぎに、基板供給装置は、第二基板400が載置された専用ホルダを基板貼り合わせ装置1のXYθテーブル201のヘッド部100と対向する所定の位置に載置する。その後、アクチュエータ70によりロッド72を下降させ、ストッパ73に支持部材50の上部に設けた突起部51を係止させながら支持部材50を下方に引き下げる。そして、ヘッド部100における吸着ヘッド110の第二基板保持面111に第二基板400を吸着保持させる。その後、再びアクチュエータ70によりロッド72を上昇させ、支持部材50の上部に設けた突起部51をストッパ73に係止させた状態で支持部材50を上方に引き上げる。これによって、第二基板400は、専用ホルダから外れるので、基板供給装置によって、専用の基板ホルダが除去される。
この後、基板供給装置は、第一基板300を保持基板200上に発光部311などが形成された面を上側にして保持基板200上に吸着保持させる。ついで、基板供給装置によって、この保持基板200がXYθテーブル201の所定の位置に載置され、固定される。ここで、所定の位置は、第一基板300上の各領域310と第二基板400とが重なる位置である。また、第一基板300と第二基板400の位置がずれている場合には、XYθテーブル201を用いて位置合わせを行う。
その後、アクチュエータ90によりロッド91を所定の位置まで下降させて支持部材30を下方に移動させる。さらに、アクチュエータ70によりロッド72を下降させ、支持部材50の上部に設けた突起部51をストッパ73に係止させた状態で支持部材50を下降させる。支持部材50は、吸着ヘッド110の第二基板保持面111に吸着保持された第二基板400の下面、すなわち第一基板300との対向面が、第一基板300の上面、すなわち第二基板400との対向面に接触するまで引き下げる。そして、さらにロッド72を十分に下げることにより、ストッパ73は突起部51から外れ、ヘッド部100および支持部材50の自重によって、第二基板400が第一基板300と貼り合わされるように支持部材50が徐々に降下する。
第二基板400が第一基板300と接触した後、押圧ピン64の先端が吸着ヘッド110の上面に接触し、さらに吸着ヘッド110を所定の圧力で押すまで、アクチュエータ60によってロッド62をさらに下方に移動させる。すべての押圧ピン64が吸着ヘッド110の上面に接触した後は、ロッド62によって伝えられる加圧力は支持板66に固定されるすべての押圧ピン64に均等に加わる。そして、第一基板300とそれぞれの第二基板400が加圧される際にそれらの接触面が平行となるように金属ダイアフラム120は三次元的に変形する。
第一基板300と第二基板400が貼り合わせられると、たとえば、第一基板300の各領域310の周縁部に塗布された接着剤313が紫外線硬化性接着剤である場合には、XYθテーブル201の下部に設けられる図示しない紫外線照射部から紫外線を上記紫外線硬化性の接着剤313に照射して硬化させ、第一基板300と第二基板400を接着、固定させる。その後、第二基板400が貼り合わせられた第一基板300を取り出し、発光部311が形成された領域310を単位にして縦横に切断することによって、複数の有機EL装置が切り出される。以上において、少なくとも貼り合わせ作業(工程)は、不活性ガスの雰囲気中で行うようにする。
なお、図1の構成を有する基板貼り合わせ装置1における別の基板貼り合わせ方法として、吸着ヘッド110にすべて通常の第二基板400を保持させ、不良チップ情報に基づいて不良と判断された第一基板300上の領域310にのみ接着剤313を塗布しないようにしてもよい。このような方法によれば、接着剤313が塗布されない第一基板300上の領域には第二基板400が貼り合わせられないので、ダミーの第二基板400を用意する必要がなくなる。また、貼り合わせられなかった第二基板400は、つぎの基板貼り合わせ処理時に使用することができる。
また、上述した説明では、第一基板300を下側に配置し、複数の第二基板400を上側に配置した場合を説明したが、第一基板300を上側に配置し、複数の第二基板を下側に配置した場合でも同様にして、不良と判断された第一基板300上の領域310に対して通常の第二基板400を貼り合わせないように処理を行うことができる。また、図1〜図5に示される基板貼り合わせ装置1は一例であり、一枚の第一基板300を保持する第一基板保持手段と、複数の第二基板400を保持する第二基板保持手段を備え、第一基板300と第二基板400を貼り合わせるときに、押圧手段による加圧によって第二基板保持手段が同時に加圧される構造を有する基板貼り合わせ装置に対して、本実施例を適用することができる。
この実施例1によれば、一枚の第一基板300に複数の第二基板400を同時に貼り合わせる際に、第一基板300上に形成された領域310のうち不良であると判定された領域310には、低品位のダミーの第二基板400を貼り合わせるようにしたので、不良な部分に対して過大なコストをかけることがないという効果を有する。
実施例1では、一枚の第一基板300に複数の第二基板400を同時に貼り合わせる際に、第一基板300上に形成された領域310のうち不良であると判定された領域310にも、ダミーの第二基板400を用意する必要がある。これは、図1に示されるように、押圧部63がすべての吸着ヘッド110を同時に同じ圧力で加圧する構造であるために、第二基板400を保持しない吸着ヘッド110が存在すると、その吸着ヘッド110を支持している金属ダイアフラム120が塑性変形してしまうからである。その結果、通常の第二基板400に比べればコストはかからないが、ダミーの第二基板400を用意するためのコストがかかってしまっていた。そこで、この実施例2では、第一基板300上の領域310のうち、不良と判定された領域310にはダミーの第二基板400を用意する必要のない基板貼り合わせ装置とその方法について説明する。
図7は、基板貼り合わせ装置の実施例2の構成を示す側面断面図である。なお、上述した実施例1で説明した構成要素と同じ構成要素には同一の符合を付してその説明を省略している。また、この実施例2で使用されるヘッド部は、図3〜図5に示されるものと同じ構成を有している。
この基板貼り合わせ装置1bは、実施例1の図1に示される基板貼り合わせ装置1とほぼ同一の構成を有しているが、第二基板400を保持する吸着ヘッド110を加圧するアクチュエータ60、ロッド62および押圧部63が吸着ヘッド110ごとに設けられており、さらに、これらのアクチュエータ60の動作を制御する制御部67を備える点が、実施例1の構成と異なる点である。吸着ヘッド110は、特許請求の範囲における第二基板保持手段に対応し、同じくアクチュエータ60、ロッド62および押圧部63は押圧手段に対応し、同じく制御部67は制御手段に対応している。
すなわち、吸着ヘッド110を加圧する押圧部63は、吸着ヘッド110と同数用意される。そして、この押圧部63は、ロッド62を介してアクチュエータ60に連結される。したがって、アクチュエータ60は、それぞれの吸着ヘッド110の設置位置と対応する支持部61上の位置に設けられる。たとえば吸着ヘッド110が9個存在する場合には、9個のアクチュエータ60が支持部61に固定される。
制御部67は支持部61に固定されるアクチュエータ60と電気的に接続され、個々の吸着ヘッド110に加える加圧力を制御する。この加圧力の制御は、たとえば、第二基板400が保持されない吸着ヘッド110は加圧されないようにする場合に行う。また、第一基板300上に大きさの異なる複数の第二基板400を貼り合せる場合などにも加圧力の制御を行うことができる。これは、第二基板400の大きさによって貼り合せる際の加圧力が異なるためである。したがって、この実施例2で使用されるヘッド部100は、実施例1で説明したヘッド部と基本的には同一の構成を有しているが、実施例1で説明したヘッド部において、すべてが同じ大きさの第二基板400を保持する吸着ヘッド110であってもよいし、一部またはすべてが大きさの異なる第二基板400を保持する吸着ヘッド110であってもよい。
このような構成によれば、第一基板300と複数の第二基板400とを貼り合わせる際に、第一基板300上のある領域が不良である場合に、その領域に貼り合わせる第二基板400を保持する吸着ヘッド110を加圧しないように、該吸着ヘッド110を押圧するアクチュエータ60を制御することによって、不良な素子を有する第一基板300上の領域では、貼り合わせが行われない。
つぎに、このような構成を有する基板貼り合わせ装置1bにおける基板貼り合わせ方法について説明する。ここでも、実施例1の場合と同様に、一枚の第一基板300上の有機EL素子からなる発光部311を有する複数の領域310のそれぞれに、第二基板400を貼り合わせることによって上記有機EL素子を封止して、有機EL装置を形成する場合を例に挙げて説明する。
実施例1の場合と同様に、まず、図6に示されるように、発光部311と外部接続端子312を領域310ごとにマトリクス状に形成した第一基板300と、第一基板300上の各領域310を封止するための複数の第二基板400とを用意する。また、図示しないテスト装置によって、第一基板300上に形成された各領域内の発光部311が正常に発光するかなどの不良に関するテストが行われ、その結果をテストした第一基板300と対応付けて不良チップ情報が生成される。また、この不良チップ情報に基づいて、第一基板300の正常であると判定された領域310における封止部分には接着剤313が塗布される。すなわち、第一基板300の不良であると判定された領域310には接着剤313は塗布されない。
つぎに、図示しない基板供給手段である基板供給装置は、上述の不良チップ情報に基づいて、正常であると判定された領域に対応する専用ホルダには通常の第二基板400を載置し、不良であると判定された領域に対応する専用ホルダには第二基板400を載置しない。すなわち、専用ホルダのうち、正常であると判定された領域310に対応する部分にのみ第二基板400を載置する。このとき、専用ホルダに載置される第二基板400は、吸収剤が貼着された面を下向きにして載置される。
基板貼り合わせ装置1bは、基板供給装置によって準備された専用ホルダを載置するための状態にされる。まず、実施例1の場合と同様に、アクチュエータ90によりロッド91を下降させて支持部材30を下方に移動させ、また、アクチュエータ70によりロッド72を上昇させ、支持部材50を上方に引き上げる。これによりヘッド部100とXYθテーブル201との間に十分な空間を設けることができる。また、このとき、制御部67は、すべてのアクチュエータ60によりロッド62を上昇させ、ロッド62の先端部に配置された押圧部63を支持部材50から離間させ、支持部材50に圧力が加わらない状態とする。
つぎに、基板供給装置は、専用ホルダを基板貼り合わせ装置1bのXYθテーブル201のヘッド部100と対向する所定の位置に載置する。その後、実施例1の場合と同様にアクチュエータ70によりロッド72を下降させて、支持部材50を下方に引き下げ、吸着ヘッド110の第二基板保持面111に第二基板400を吸着保持させる。その後、再びアクチュエータ70によりロッド72を上昇させて、支持部材50を上方に引き上げる。このとき、第二基板400は、専用ホルダから外れるので、基板供給装置によって専用の基板ホルダが除去される。
この後、基板供給装置は、第一基板300を保持基板200上に発光部311などが形成された面を上側にして保持基板200上に吸着保持させる。ついで、基板供給装置によって、第一基板300を吸着保持した保持基板200がXYθテーブル201の所定の位置に載置され、固定される。ここで、所定の位置は、第一基板300と第二基板400とが貼り合わされる位置である。このとき、第一基板300と第二基板400の位置がずれている場合には、XYθテーブル201を用いて位置合わせを行う。
その後、アクチュエータ90によりロッド91を所定の位置まで下降させて支持部材30を下方に移動させる。さらに、アクチュエータ70によりロッド72を下降させ、支持部材50の上部に設けた突起部51をストッパ73に係止させた状態で支持部材50を下降させる。支持部材50は、吸着ヘッド110の第二基板保持面111に吸着保持された第二基板400の下面が、第一基板300の上面に接触するまで下降する。そして、さらにロッド72を十分に下げることにより、ストッパ73は突起部51から外れ、ヘッド部100および支持部材50の自重によって、第二基板400が第一基板300と貼り合わされるように支持部材50が徐々に降下する。
つぎに、制御部67は、テスト装置によって生成された不良チップ情報に基づいて、不良であると判定された領域310に対応する吸着ヘッド110、すなわち第二基板400が保持されていない吸着ヘッド110は加圧せずに、第二基板400が保持されている吸着ヘッド110のみを加圧するように、複数存在するアクチュエータ60を制御する。たとえば、図7で、一番右側の吸着ヘッド110に第二基板400が保持されていない場合には、一番右側のアクチュエータ60を動作させないようにする。これによって、他のアクチュエータ60が吸着ヘッド110を加圧するために押圧ピン63をZ軸方向下方に移動させた場合でも、第二基板400が保持されていない吸着ヘッド110は加圧されない。
なお、第一基板300上の正常と判断された領域310では、第二基板400が第一基板300と接触した後、アクチュエータ60によってロッド62を下方に移動させて押圧部63をヘッド部100に接触させ、押圧ピン64によって吸着ヘッド110が所定の圧力で加圧される。このとき、第一基板300とそれぞれの第二基板400が加圧される際にそれらの接触面が平行となるように金属ダイアフラム120は三次元的に変形する。
第一基板300と第二基板400が貼り合わせられると、たとえば、第一基板300の各領域310の周縁部に塗布された接着剤313が紫外線硬化性接着剤である場合には、XYθテーブル201の下部に設けられる図示しない紫外線照射部から紫外線を上記紫外線硬化性の接着剤313に照射して硬化させ、第一基板300と第二基板400を接着、固定させる。その後、第二基板400が貼り合わせられた第一基板300を取り出し、発光部311が形成された領域310を単位にして縦横に切断することによって、複数の有機EL装置が切り出される。以上において、少なくとも貼り合わせ作業(工程)は、不活性ガスの雰囲気中で行うようにする。
なお、上述した説明では、第一基板300上の不良と判定された領域に対応する吸着ヘッド110に第二基板400を保持させないようにしていたが、保持させるようにしてもよい。また、第一基板300を下側に配置し、複数の第二基板400を上側に配置した場合を説明したが、第一基板300を上側に配置し、複数の第二基板を下側に配置した場合でも同様にして基板貼り合わせを行うことができる。また、図7に示される基板貼り合わせ装置1bは一例であり、一枚の第一基板300を保持する第一基板保持手段と、複数の第二基板400をそれぞれ保持する第二基板保持手段を備え、第一基板300と第二基板400を貼り合わせるときに、第二基板保持手段を加圧する押圧手段を独立に制御することができる構造を有する基板貼り合わせ装置に対して、本実施例を適用することができる。
この実施例2によれば、一枚の第一基板300に複数の第二基板400を加圧して同時に貼り合わせる際に、第二基板400の加圧を基板ごとに独立して制御し、第一基板300上に形成された領域310のうち不良であると判定された領域に対応する吸着ヘッド110を加圧しないように構成したので、不良な部分に対して第二基板400を貼り合わせることによるコストをかけることがないという効果を有する。
上述した実施例1または2に記載された基板貼り合わせ装置によって、二枚の基板を貼り合わせてなる電気光学装置が製造される。この実施例3では、アクティブマトリクス型の電気光学装置について、その概略構成を説明する。
図8は、アクティブマトリクス型の電気光学装置の配線構造の平面模式図を示し、図9は、電気光学装置の平面模式図を示し、図10は電気光学装置の断面模式図を示す。図8に示されるように、この電気光学装置500は、複数の走査線501と、走査線501に対して交差する方向に延びる複数の信号線502と、信号線502に並列に延びる複数の電源線503とがそれぞれ配線された構成を有するとともに、走査線501および信号線502の各交点付近に、画素領域Aが設けられている。
信号線502には、シフトレジスタ、レベルシフタ、ビデオラインおよびアナログスイッチを備えるデータ側駆動回路504が接続されている。また、走査線501には、シフトレジスタおよびレベルシフタを備える走査側駆動回路505が接続されている。さらに、画素領域Aの各々には、走査線501を介して走査信号がゲート電極に供給される第一の薄膜トランジスタ532と、この第一の薄膜トランジスタ532を介して信号線502から共有される画素信号を保持する保持容量capと、該保持容量capによって保持された画素信号がゲート電極に供給される第二の薄膜トランジスタ533と、この第二の薄膜トランジスタ533を介して電源線503に電気的に接続したときに該電源線503から駆動電流が流れ込む画素電極(電極)523と、この画素電極523と陰極(対向電極)525との間に挟み込まれた発光部524とが設けられている。これら画素電極523と対向電極525、および発光部524により、発光素子522が構成されている。
このような構成によれば、走査線501が駆動されて第一の薄膜トランジスタ532がオンになると、そのときの信号線502の電位が保持容量capに保持され、該保持容量capに状態に応じて、第二の薄膜トランジスタ533のオン・オフ状態が決まる。そして、第二の薄膜トランジスタ533のチャネルを介して、電源線503から画素電極523に電流が流れ、さらに発光部524を介して陰極525に電流が流れる。発光部524は、これを流れる電流量に応じて発光する。
つぎに、電気光学装置500の構造について説明する。図9および図10に示されるように、電気光学装置500は、ガラスなどからなる透明な基体510と、発光が行われる発光素子部520と、発光素子部を駆動する回路が形成される回路素子部530と、発光素子部を封止する封止部540と、から構成される。
基体510は、例えばガラス等の透明基板であり、基体510の中央に位置する表示領域511aと、基体510の周縁に位置して表示領域511aの外側に配置された非表示領域511bとに区画されている。表示領域511aは、マトリックス状に配置された発光素子によって形成される領域であり、有効表示領域ともいう。また、非表示領域511bには、表示領域511aに隣接するダミー領域511dが形成されている。
発光素子部520は、表示領域511a内を所定の領域に区切るバンク521と、バンク521に囲まれた領域に形成される発光素子522とからなる。発光素子522は、回路素子部530上に形成され、上述したように画素電極523と、発光部524と、陰極525とによって構成されている。
また、回路素子部530は、発光素子部520と基体510との間に備えられ、上述の走査線、信号線、保持容量、第一の薄膜トランジスタ、第二の薄膜トランジスタ533等が形成されている。また、発光素子522を構成する陰極525の端部は、基体510上に形成された陰極用配線525aに接続しており、この配線の端部がフレキシブル基板560上の配線565aに接続されている。また、配線565aは、フレキシブル基板560上に備えられた駆動IC(Integrated Circuit)566に接続されている。
また、図9および図10に示されるように、回路素子部530の非表示領域511bには、上述の電源線503(503R,503G,503B)が配設されている。また、表示領域511aの両側には、上述の走査側駆動回路505が配置されている。この走査側駆動回路505はダミー領域511dの下側の回路素子部530内に設けられている。さらに回路素子部530内には、走査側駆動回路505に接続される駆動回路用制御信号配線505aと駆動回路用電源配線505bとが設けられている。さらに表示領域511aの図9中の上側には検査回路506が配置されている。この検査回路506により、製造途中や出荷時の表示装置の品質、欠陥の検査を行うことができる。
封止部540は、基体510に塗布された封止樹脂541と、封止基板542とから構成されている。封止樹脂541は、熱硬化樹脂あるいは紫外線硬化樹脂等からなり、特にエポキシ樹脂が好適とされる。この封止樹脂541は、基体510の周囲に環状に塗布されており、例えばマイクロディスペンサ等により塗布されたものである。この封止樹脂541は、基体510と封止基板542を接合するもので、基体510と封止基板542との間から封止基板542内部への水または酸素の侵入を防いで、陰極525または発光素子部520内に形成された図示しない発光層の酸化を防止する。封止基板542は、ガラスまたは金属からなるもので、封止樹脂541を介して基体510に接合されており、その内側には発光素子部を収納する凹部542aが設けられている。また、凹部542aには水、酸素等を吸収するゲッター剤543が貼り付けられており、封止基板542の内部に侵入した水または酸素を吸収できるようになっている。なお、このゲッター剤543は省略しても良い。
この実施例では、電気光学装置一般について説明したが、発光素子部に有機EL薄膜を用いた有機EL装置や、発光素子部に面光源と面光源上に配置した液晶を用いた液晶表示装置、発光素子部に電気泳動素子を用いた電気泳動表示装置、発光素子部にガスを用いたプラズマディスプレイ装置などの二枚の基板を貼り合わせるまたは一枚の基板上の素子を封止基板で封止することが必要な電気光学装置であれば適用することが可能である。
この実施例3によれば、電気光学装置の製造において二枚の基板を貼り合わせる処理、または一枚の基板上に形成された素子を封止基板で封止する処理を、精確にそして効率よく行うことができるという効果を有する。
この実施例4では、実施例3で説明した電気光学装置を備える電子機器の具体例について説明する。図11〜図13は、それぞれ、本発明の基板貼り合わせ装置によって製造された液晶表示装置を備える電子機器の例である。図11は、携帯電話の一例を示す斜視図である。1000は携帯電話本体を示し、そのうち1010は本発明の基板貼り合わせ装置によって製造された液晶表示装置からなる表示部である。図12は、腕時計型の電子機器の一例を示す斜視図である。1100は時計機能を内蔵した時計本体を示し、1110は本発明の基板貼り合わせ装置によって製造された液晶表示装置からなる表示部である。そして、図13は、ワードプロセッサ機やパーソナルコンピュータなどの携帯型情報処理装置の一例を示す斜視図である。この図13において、1200は携帯型情報処理装置を示し、1220はキーボードなどの入力部であり、1240は演算手段や記憶手段などが格納されている情報処理装置本体部であり、1260は本発明の基板貼り合わせ装置によって製造された液晶表示装置からなる表示部である。
また、このような本発明の基板貼り合わせ装置によって製造された電気光学装置を備える電子機器としては、図11に示される携帯電話、図12に示される腕時計型の電子機器、図13に示される携帯型情報処理装置のほかに、たとえば、デジタルスチルカメラ、車載用モニタ、デジタルビデオカメラ、ビューファインダ型またはモニタ直視型のビデオテープレコーダ、カーナビゲーション装置、ページャ、電子手帳、電卓、ワークステーション、テレビ電話機、POS端末機など電気光学装置を備える電子機器を挙げることができる。
以上のように、本発明にかかる基板貼り合わせ装置は、二枚の基板を貼り合わせる場合に有用であり、特に、電気光学装置の製造に適している。
1 基板貼り合わせ装置、10 脚体、20 ガイド、30 支持部材、40 ガイド、50 支持部材、60 アクチュエータ、61 支持部、62 ロッド、63 押圧部、70 アクチュエータ、71 支持部、72 ロッド、75 支持部、76 バネ部材、80 カメラ、90 アクチュエータ、91 ロッド、100 ヘッド部、110 吸着ヘッド、120 金属ダイアフラム、130 ヘッド部材、200 保持基板、201 XYθテーブル、300 第一基板、400 第二基板
Claims (7)
- 複数に区切られた領域ごとに素子が形成された第一基板を保持する第一基板保持手段と、
前記第一基板の前記領域に対応して貼り合わせられる第二基板を保持する第二基板保持手段と、
前記第一基板の領域のうち、不良な素子を有する領域にはダミーの基板を、その他の領域には正常な基板を貼り合わせるように、第二基板を前記第二基板保持手段に供給する基板供給手段と、
前記第一基板と前記第二基板を対向させた状態で、前記第二基板保持手段を押圧して、前記第一基板と前記第二基板を貼り合わせるための押圧手段と、
を有することを特徴とする基板貼り合わせ装置。 - 複数に区切られた領域ごとに素子が形成された第一基板を保持する第一基板保持手段と、
前記第一基板の前記領域に対応して貼り合わせられる第二基板をそれぞれ保持する複数の第二基板保持手段と、
前記第一基板と前記第二基板を対向させた状態で、前記第二基板保持手段を独立に押圧して、前記第一基板と前記第二基板を貼り合わせるための押圧手段と、
前記第一基板の領域のうち、不良な素子を有する領域を除いた領域に対応する第二基板保持手段のみを押圧するように前記押圧手段を制御する制御手段と、
を有することを特徴とする基板貼り合わせ装置。 - 請求項1または2に記載の基板貼り合わせ装置によって製造されることを特徴とする電気光学装置。
- 請求項3に記載の電気光学装置を備えることを特徴とする電子機器。
- 複数に区切られた領域ごとに素子が形成された第一基板を保持する第一基板保持手段と、
前記第一基板の前記領域に対応して貼り合わせられる第二基板を保持する第二基板保持手段と、
前記第一基板と前記第二基板を対向させた状態で、前記第二基板保持手段を押圧する押圧手段と、
を有する基板貼り合わせ装置における基板貼り合わせ方法であって、
前記第一基板を前記第一基板保持手段によって保持させる第一の工程と、
前記第一基板の領域のうち、不良な素子を有する領域にはダミーの基板を、その他の領域には正常な基板を重ね合わせるように前記第二基板を前記第二基板保持手段によって保持させる第二の工程と、
前記第二基板保持手段を前記押圧手段によって押圧して、前記第一基板と前記第二基板を貼り合わせる第三の工程と、
を含むことを特徴とする基板貼り合わせ方法。 - 前記第一工程で、前記第一基板の前記不良な素子を有する領域には前記第二基板を貼り合わせるための接着部材が塗布されていない前記第一基板を前記第一基板保持手段によって保持させ、
前記第二の工程で、前記不良な素子を有する領域にも正常な第二基板を前記第二基板保持手段によって保持させることを特徴とする請求項5に記載の基板貼り合わせ方法。 - 複数に区切られた領域ごとに素子が形成された第一基板を保持する第一基板保持手段と、
前記第一基板の前記領域に対応して貼り合わせられる第二基板をそれぞれ保持する複数の第二基板保持手段と、
前記第一基板と前記第二基板を対向させた状態で、前記第二基板保持手段を独立に押圧する押圧手段と、
を有する基板貼り合わせ装置における基板貼り合わせ方法であって、
前記第一基板を前記第一基板保持手段によって保持させる第一の工程と、
前記第二基板を前記第二基板保持手段によって保持させる第二の工程と、
前記第一基板の領域のうち、不良な素子を有する領域を除いた領域に対応する第二基板保持手段のみを押圧するように前記押圧手段を制御して前記第一基板と前記第二基板を貼り合わせる第三の工程と、
を含むことを特徴とする基板貼り合わせ方法。
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2010128404A (ja) * | 2008-12-01 | 2010-06-10 | Advanced Display Process Engineering Co Ltd | 粘着チャック及びこれを有する基板合着装置 |
KR20140148202A (ko) * | 2013-06-21 | 2014-12-31 | 삼성디스플레이 주식회사 | 필름 부착 장치 |
JP2016036834A (ja) * | 2014-08-07 | 2016-03-22 | トヨタ自動車株式会社 | 加圧装置、及び加圧方法 |
-
2004
- 2004-01-14 JP JP2004006781A patent/JP2005202033A/ja not_active Withdrawn
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