JP2006259485A - 電気光学装置の製造方法、及び電気光学装置の製造装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】シール剤に十分な加圧力を付与することができると共に、シール剤に含有されている導通粒子を押圧して金属端子間の導通を確実に得ることができる電気光学装置の製造方法、及び電気光学装置の製造装置を提供する。
【解決手段】第1基板20上にシール剤52を描画する描画工程と、電気光学物質50を介在させて第1基板20と第2基板10とを貼り合わせる貼り合わせ工程と、第1基板20及び第2基板10の貼り合わせ方向に向けて加圧しながらシール剤52を硬化させる加圧硬化工程と、を含み、加圧硬化工程は、第1基板20又は第2基板10のうち少なくとも一方の基板と、加圧手段168,169と、の間にシール剤52の描画パターンに対応して形成された隙間部材175を挟持し、加圧手段168,169による加圧状態を維持しながら、シール剤硬化手段170がシール剤を硬化する。
【選択図】図18

Description

本発明は、電気光学装置の製造方法、及び電気光学装置の製造装置に関する。
従来、携帯電話等の電子機器におけるカラー画像表示部においては、液晶装置等の電気光学装置が使用されている。このような液晶装置は、一対の透明基板の間に液晶層が挟持された構成を有している。当該液晶装置の製造方法は、基板の表面周縁部に形成されたシール剤の一部に液晶の注入口を形成し、当該注入口から液晶層を注入する方法が一般的である。近年では、上記液晶注入口を有しない枠状のシール剤を設けた基板上に液晶を滴下し、基板の貼り合わせを行う滴下組立法(ODF法)が提案されている。
このような滴下組立法による液晶装置の製造方法においては、下基板と上基板とを真空雰囲気において貼り合せた後に、両基板が大気圧により加圧された状態でUV照射や加熱処理を行っている。また、従来の液晶装置の製造方法においては、UV照射や加熱処理を施した後に、上下基板表面の全面を加圧する方法が提案されている(例えば、特許文献1〜3参照。)。
特開平9−281509号公報 特開平10−3083号公報 特開平11−249152号公報
ところで、上下基板の金属端子間を導通させるための導通粒子等がシール剤中に混合されている場合では、大気圧による加圧方法では十分な加圧力が得られずに、結果的に上下導通不良を招いてしまうという問題があった。また、本発明者によれば、上記の特許文献の技術を用いても、シール剤に加圧力が十分に付与されず、導通不良を回避できないことが確認された。また、加圧力が大きくなり過ぎると、液晶に圧力が付与され、シール剤の外部に液晶が漏れてしまうという問題もあった。
本発明は、上記の課題を解決するためになされたものであって、シール剤に十分な加圧力を付与することができると共に、シール剤に含有されている導通粒子を押圧して金属端子間の導通を確実に得ることができる電気光学装置の製造方法、及び電気光学装置の製造装置を提供することを目的とする。
上記の目的を達成するために、本発明は以下の構成を採用した。
即ち、本発明の電気光学装置の製造方法は、電気光学物質を挟持して対向配置された第1基板及び第2基板と、前記電気光学物質の周囲に形成されたシール剤とを具備する電気光学装置の製造方法であって、前記第1基板上に前記シール剤を描画する描画工程と、前記電気光学物質を介在させて前記第1基板と前記第2基板とを貼り合わせる貼り合わせ工程と、前記第1基板及び前記第2基板の貼り合わせ方向に向けて加圧しながら前記シール剤を硬化させる加圧硬化工程と、を含み、前記加圧硬化工程は、前記第1基板又は前記第2基板のうち少なくとも一方の基板と、加圧手段と、の間に前記シール剤の描画パターンに対応して形成された隙間部材を挟持し、前記加圧手段による加圧状態を維持しながら、シール剤硬化手段が前記シール剤を硬化すること、を特徴としている。
ここで、電気光学物質又は電気光学装置とは、電界により物質の屈折率が変化して光の透過率を変化させる電気光学効果を有するものの他、電気エネルギーを光学エネルギーに変換するもの等も含んで総称している。従って、例えば液晶装置や有機EL(Electro-Luminescence)装置、無機EL装置に代表される発光装置等を含む概念である。
本発明においては、描画工程が行われることによって第1基板上にシール剤が所定の描画パターンで描画される。その後、貼り合わせ工程が行われることによって電気光学物質を介在させて第1基板と第2基板とが貼り合わされる。その後、加圧硬化工程が行われることによって第1基板と第2基板とが貼り合わせ方向に向けて加圧され、加圧状態が維持されながらシール剤が硬化する。ここで、加圧硬化工程においては、描画パターンに対応して形成された隙間部材を、第1基板と加圧手段との間、又は/及び、第2基板と加圧手段との間、に挟持させながら行われる。これによって、隙間部材が挟持されている部分、即ち、描画パターンの部分のみが加圧され、かつ、シール剤が硬化する。
従って、本発明によれば、隙間部材が挟持されている部分のみにおいて、限定的にシール剤を加圧硬化することができる。また、シール剤が描画されていない領域においては、加圧手段が加圧しないので、第1基板と第2基板との間において電気光学物質に圧力が付与されず、従って、シール剤の外部へ電気光学物質が漏れるのを防止できる。
また、隙間部材は、着脱可能となっていることが好ましく、このようにすれば、容易に交換することができ、描画パターンの形状や個数に応じた多様な隙間部材を適宜選択的に使用することができる。
また、本発明の電気光学装置の製造方法においては、前記加圧硬化工程は、前記加圧手段と前記第1基板との間、及び、前記加圧手段と前記第2基板との間に、前記隙間部材を挟持して行うこと、を特徴としている。
このようにすれば、上記と同様の効果が得られると共に、加圧手段と第1基板との間、及び加圧手段と第2基板との間の両側において、シール剤の描画パターンを加圧することができる。そして、両側からの加圧状態を維持しながらシール剤を硬化することができる。
また、本発明の電気光学装置の製造方法においては、前記シール剤には、前記第1基板及び前記第2基板の金属端子間を導通させる導通粒子が含有されていること、を特徴としている。
このようにすれば、上記と同様の効果が得られると共に、シール剤に含まれる導通粒子を確実に潰すことができ、金属端子間の導通を得ることができ、上下導通性を大幅に向上させることができる。
また、本発明の電気光学装置の製造方法においては、前記第1基板と前記第2基板との間には、前記シール剤を内包する外周シール剤が設けられていること、を特徴としている。
このようにすれば、上記と同様の効果が得られると共に、描画パターンの内側の圧力と、シール剤と外周シールとの間の圧力を同じにすることができる。これにより、真空雰囲気で貼り合わせ工程を行った際に、シール剤と外周シールとの間を真空雰囲気に維持することができる。従って、貼り合わせ工程の終了時に大気開放した際の大気圧が、シール剤の側方から付与されないので、シール剤の変形を抑制することができる。
一方、外周シールが設けられていない場合では、シール剤の描画パターンの側方が大気圧雰囲気となるので、描画パターンの内側と外側とにおいて圧力差が生じ、描画パターンが変形してしまうおそれがある。
従って、本発明によれば、このような描画パターンの変形が生じるのを予め防止することができる。
また、本発明の電気光学装置の製造方法においては、前記加圧硬化工程は、前記シール剤に紫外線を照射する紫外線照射工程を少なくとも含むこと、を特徴としている。
このようにすれば、上記と同様の効果が得られると共に、紫外線硬化型、或いは、紫外線硬化と熱硬化の併用型のシール剤を硬化させることができる。
また、本発明の電気光学装置の製造方法においては、前記加圧硬化工程は、透明な前記加圧手段と、当該透明な加圧手段と前記第1基板又は前記第2基板との間に狭持される紫外線を透過する前記隙間部材とを含むこと、を特徴としている。
このようにすれば、紫外線は、透明な加圧手段を透過し、紫外線透過性の隙間部材を透過してシール剤に到達する。これにより、紫外線硬化型や併用型のシール剤を硬化させることができる。
また、本発明の電気光学装置の製造方法においては、前記加圧硬化工程は、前記シール剤を加熱する加熱工程を少なくとも含むこと、を特徴としている。
このようにすれば、上記と同様の効果が得られると共に、熱硬化型、或いは、紫外線硬化と熱硬化の併用型のシール剤を硬化させることができる。
また、本発明の電気光学装置の製造方法においては、前記加圧硬化工程は、前記紫外線照射工程と前記加熱工程とを行うこと、を特徴としている。
このようにすれば、上記と同様の効果が得られると共に、紫外線硬化と熱硬化の併用型のシール剤を硬化させることができる。
また、本発明の電気光学装置の製造装置は、電気光学物質を挟持して対向配置された第1基板及び第2基板と、前記電気光学物質の周囲に形成されたシール剤とを具備する電気光学装置の製造装置であって、前記第1基板及び前記第2基板の貼り合わせ方向に向けて前記第1基板及び前記第2基板を加圧する加圧手段と、前記シール剤を硬化させるシール剤硬化手段と、を具備し、前記第1基板又は前記第2基板のうち少なくとも一方の基板と、加圧手段と、の間に前記シール剤の描画パターンに対応して形成された隙間部材を挟持し、先に記載の電気光学装置の製造方法を行うこと、を特徴としている。
本発明によれば、隙間部材が挟持されている部分のみにおいて、限定的にシール剤を加圧硬化することができる。また、シール剤が描画されていない領域においては、加圧手段が加圧しないので、第1基板と第2基板との間において電気光学物質に圧力が付与されず、従って、シール剤の外部へ電気光学物質が漏れるのを防止できる。
また、本発明の電気光学装置の製造装置においては、前記加圧手段は、前記第1基板の側に設けられた第1加圧部と、前記第2基板の側に設けられた第2加圧部と、前記第1加圧部と前記第2加圧部とを前記貼り合わせ方向に向けて駆動する駆動機構と、を有すること、を特徴としている。
このようにすれば、上記と同様の効果が得られると共に、第1加圧部及び第2加圧部に挟持された第1基板と第2基板とを、駆動機構の駆動力によって加圧することができる。
また、本発明の電気光学装置の製造装置においては、前記加圧手段は、前記第1基板の側に設けられた弾性部材と、前記第2基板の側に設けられた固定部と、前記弾性部材によって内包された気体封入部内に気体を供給する気体供給手段と、を有し、前記気体供給手段が前記気体封入部内に気体を供給することにより、前記弾性部材が前記貼り合わせ方向に向けて加圧すること、を特徴としている。
このようにすれば、上記と同様の効果が得られると共に、弾性部材及び固定部に挟持された第1基板と第2基板とを、気体供給手段が前記気体封入部内に気体を供給することで加圧することができる。
また、本発明の電気光学装置の製造装置においては、前記加圧手段は、前記第1基板の側に設けられた弾性部材と、前記第2基板の側に設けられた固定部と、前記弾性部材と前記固定部とによって内包された空間内の気体を排気する排気手段と、を有し、前記排気手段が前記空間内の気体を排気することにより、前記弾性部材が前記貼り合わせ方向に向けて加圧すること、を特徴としている。
このようにすれば、上記と同様の効果が得られると共に、弾性部材及び固定部に挟持された第1基板と第2基板とを、排気手段が空間内の気体を排気することで加圧することができる。
以下、図面を参照して本発明の実施形態を説明する。
なお、以下の説明に用いた各図においては、各層や各部材を図面上で認識可能な程度の大きさとするため、各層や各部材毎に縮尺を異ならせてある。
(液晶装置)
まず、本発明に係る製造方法により得られる電気光学装置の一形態である液晶装置について説明する。
図1は、本発明に係る液晶装置について、各構成要素とともに示す対向基板(第1基板)側から見た平面図であり、図2は図1のH−H’線に沿う断面図であり、図3は図2の要部を示す図であって、シール剤の構成を示す拡大断面図である。また、図4は液晶装置の画像表示領域においてマトリクス状に形成された複数の画素における各種素子、配線等の等価回路図であり、図5は液晶装置の部分拡大断面図である。
図1及び図2において、本実施形態の液晶装置(電気光学装置)100は、液晶50を挟持して対向配置されたTFTアレイ基板(第2基板)10と対向基板(第1基板)20と、液晶50の周囲に形成されたシール剤52とを具備する構成となっている。具体的には、対をなすTFTアレイ基板10と対向基板20とがシール剤52によって貼り合わされ、このシール剤52によって区画された領域内に封入材としての液晶(電気光学物質)50が封入、保持されている。シール剤52は、基板面内の領域において閉ざされた枠状に形成されてなり、液晶注入口を備えないものとなっている。
また、シール剤52は、後述する製造方法によって加圧されると共に、硬化するものである。当該シール剤52としては、例えばUV照射(紫外線照射)により硬化する紫外線硬化型、熱を加えることにより硬化する熱硬化型、或いは、UV照射及び加熱のうちどちらを行っても硬化する併用型が採用される。このようなシール剤52は、液晶50の周囲において硬化することにより、TFTアレイ基板10と対向基板20との間において液晶50を封止している。
シール剤52の形成領域の内側領域には、遮光性材料からなる周辺見切り53が形成されている。シール剤52の外側領域には、データ線駆動回路201及び実装端子202がTFTアレイ基板10の一辺に沿って形成されており、この一辺に隣接する2辺に沿って走査線駆動回路204が形成されている。TFTアレイ基板10の残る一辺には、画像表示領域の両側に設けられた走査線駆動回路204の間を接続するための複数の配線205が設けられている。また、対向基板20のコーナー部の少なくとも1箇所においては、TFTアレイ基板10と対向基板20との間で電気的導通をとるための金属端子206が配設されている。
図3を参照して、金属端子206におけるシール剤52の構成について説明する。
金属端子206は、TFTアレイ基板10の側に設けられた端子206aと、対向基板20の側に設けられた端子206bとからなる。シール剤52中には、ギャップ制御材52a(後述)と導通粒子52bとが含まれている。導通粒子52bは、それ自体が金属粒子からなるもの、或いは、樹脂等の弾性部材の表面に金属薄膜が形成されたものである。
そして、図3に示すように、端子206a,206b間にシール剤52が配置され、後述する製造方法によって加圧及び硬化されることにより、導通粒子52bが端子206a,206b間に挟持、押圧される。これによって、導通粒子52bは変形して端子206a,206bと接触し、端子206a,206b間の導通が得られる。このように、導通粒子52bが端子206a,206b間において、押圧されることによって、対向基板20とTFTアレイ基板10との間で電気的導通が得られる。
なお、このような液晶装置100の構成としては、データ線駆動回路201及び走査線駆動回路204をTFTアレイ基板10の上に形成する代わりに、例えば、駆動用LSIが実装されたTAB(Tape Automated Bonding)基板とTFTアレイ基板10の周辺部に形成された端子群とを異方性導電膜を介して電気的及び機械的に接続するようにしてもよい。なお、液晶装置100においては、使用する液晶50の種類、すなわち、TN(Twisted Nematic)モード、STN(Super Twisted Nematic)モード等の動作モードや、ノーマリホワイトモード/ノーマリブラックモードの別に応じて、位相差板、偏光板等が所定の向きに配置されるが、ここでは図示を省略する。
また、液晶装置100をカラー表示用として構成する場合には、対向基板20において、TFTアレイ基板10の後述する各画素電極に対向する領域に、例えば、赤(R)、緑(G)、青(B)のカラーフィルタをその保護膜とともに形成する。
このような構造を有する液晶装置100の画像表示領域においては、図4に示すように、複数の画素100aがマトリクス状に構成されているとともに、これらの画素100aの各々には、画素スイッチング用のTFT30が形成されており、画素信号S1、S2、…、Snを供給するデータ線6aがTFT30のソースに電気的に接続されている。データ線6aに書き込む画素信号S1、S2、…、Snは、この順に線順次で供給してもよく、相隣接する複数のデータ線6a同士に対して、グループ毎に供給するようにしてもよい。また、TFT30のゲートには走査線3aが電気的に接続されており、所定のタイミングで、走査線3aにパルス的に走査信号G1、G2、…、Gmをこの順に線順次で印加するように構成されている。
画素電極9は、TFT30のドレインに電気的に接続されており、スイッチング素子であるTFT30を一定期間だけオン状態とすることにより、データ線6aから供給される画素信号S1、S2、…、Snを各画素に所定のタイミングで書き込む。このようにして画素電極9を介して液晶に書き込まれた所定レベルの画素信号S1、S2、…、Snは、図2に示す対向基板20の対向電極21との間で一定期間保持される。なお、保持された画素信号S1、S2、…、Snがリークするのを防ぐために、画素電極9と対向電極21との間に形成される液晶容量と並列に蓄積容量60が付加されている。例えば、画素電極9の電圧は、ソース電圧が印加された時間よりも3桁も長い時間だけ蓄積容量60により保持される。これにより、電荷の保持特性は改善され、コントラスト比の高い液晶装置100を実現することができる。
図5は液晶装置100の部分拡大断面図であって、ガラス基板10’を主体として構成されるTFTアレイ基板10上には、ITO(インジウム錫酸化物)を主体とする透明電極にて構成された画素電極9がマトリクス状に形成されており(図4参照)、これら各画素電極9に対して画素スイッチング用のTFT30(図4参照)がそれぞれ電気的に接続されている。また、画素電極9が形成された領域の縦横の境界に沿って、データ線6a、走査線3aおよび容量線3bが形成され、TFT30がデータ線6aおよび走査線3aに対して接続されている。すなわち、データ線6aは、コンタクトホール8を介してTFT30の高濃度ソース領域1aに電気的に接続され、画素電極9は、コンタクトホール15及びドレイン電極6bを介してTFT30の高濃度ドレイン領域に電気的に接続されている。なお、画素電極9の表層にはポリイミド主体として構成される膜に対してラビング処理を行った配向膜12が形成されている。
一方、対向基板20においては、上基板側のガラス基板20’上であって、TFTアレイ基板10上の画素電極9の縦横の境界領域と対向する領域に、ブラックマトリクスまたはブラックストライプと称せられる遮光膜23が形成され、その上層側にはITO膜からなる対向電極21が形成されている。また、対向電極21の上層側には、ポリイミド膜からなる配向膜22が形成されている。そして、TFTアレイ基板10と対向基板20との間には、液晶50がシール剤52(図1参照)により基板内に封入されている。
(液晶装置の製造装置)
次に、液晶装置100の製造工程のうち、基板に対してシール剤を描画する描画工程、基板に対して液晶を滴下する液晶滴下工程、基板を貼り合わせる貼り合わせ工程、及び基板の貼り合わせ方向に向けて加圧しながらシール剤を硬化させる加圧硬化工程、に至る工程を行うデバイス製造装置(電気光学装置の製造装置)について説明する。
図6は、デバイス製造装置61の概略構成図である。
デバイス製造装置61は、図6に示すように、基板の給材及び除材を行う基板給除部62と、基板上にシール剤を描画したり液晶を滴下したりする材料供給部63と、基板を貼り合わせる基板貼り合わせ部64と、貼り合わされた基板に対してUV照射及び加圧を行う第1加圧硬化部(加圧手段、シール剤硬化手段)164と、貼り合わされた基板に対して加熱及び加圧を施す第2加圧硬化部(加圧手段、シール剤硬化手段)264と、を主体として備えた構成となっている。
(材料供給部)
図7は、基板給除部62および材料供給部63の概略構成図である。
なお、以下の説明では、基板の表面に沿う方向をX方向(例えば図7中、左右方向)及びY方向(例えば図7中、紙面と垂直な方向)とし、XY平面と直交する方向をZ方向として説明する。
材料供給部63は、図7に示すように、基板を保持してX方向、Y方向及びθ方向(Z軸と平行な軸周りの回転方向)に移動自在なテーブル65と、テーブル65の上方に配設され液晶材料(電気光学物質)を吐出、滴下する液滴吐出ヘッド66と、液滴吐出ヘッド66の近傍に配設されシール剤を塗布するシール剤塗布部67とを主体に構成されている。そして、シール剤塗布部67は、テーブル65に載置された基板上に所定の描画パターンでシール剤を描画することが可能となっている。
また、基板給除部62は、材料供給部63と基板貼り合わせ部64との間、基板貼り合わせ部64と第1加圧硬化部164との間、及び第1加圧硬化部164と第2加圧硬化部264との間、で基板を搬送するキャリアを主な構成要素としている。
なお、基板給除部62は、図7に示した構成の他に、搬送ロボットや搬送アーム等を備え、材料供給部63、基板貼り合わせ部64、第1加圧硬化部164、及び第2加圧硬化部264、を接続する搬送機能を有したユニットを含んだ構成としてもよい。
シール剤塗布部67から塗布されるシール剤には、略球形状のギャップ制御材52aと、導通粒子52bが含まれている。ギャップ制御材52aの直径は、基板のセルギャップを所定厚さ(例えば3μm)に保持できる寸法(例えば直径8μm)に形成されている。また、導通粒子52bの直径は、ギャップ制御材52aの直径よりも大きい寸法となっている。従って、ギャップ制御材52aが基板のセルギャップを保持している状態では、導通粒子52bは確実に押し潰されたものとなる。
なお、液晶材料を滴下させるのに液滴吐出ヘッド66の他に、精密薬液吐出機(計量型ディスペンサ)など、滴下する液晶材料量を制御できるものであればどのような装置を用いてもよい。また、ギャップ制御材は略球形状に形成され、シール剤に含まれるものに限られることなく、繊維形状に形成されシール剤に含まれるものや、シール剤に含まれず基板から柱状に突出して形成されたもの等、様々なものを使用することができるが、基板の所定位置に固定され、基板の貼り合わせ時等において基板上を移動しないものを用いることが好ましい。
図7に示した液滴吐出ヘッド66としては、例えば図8に示す構成の液滴吐出ヘッドを用いることができる。液滴吐出ヘッド66のヘッド本体90には、リザーバ95および複数のインク室(圧力発生室)93が形成されている。リザーバ95は、各インク室93に液晶等の電気光学物質を含むインクを供給するための流路になっている。また、ヘッド本体90の一方端面には、インク吐出面66Pを構成するノズルプレートが装着されている。そのノズルプレートには、各インク室93に対応して、インクを吐出する複数のノズル91が開口されている。そして、各インク室93から対応するノズル91に向かって流路が形成されている。一方、ヘッド本体90の他方端面には振動板94が装着されている。
この振動板94はインク室93の壁面を構成している。その振動板94の外側には、各インク室93に対応して、ピエゾ素子(圧力発生手段)92が設けられている。ピエゾ素子92は、水晶等の圧電材料を一対の電極(図示せず)で挟持したものである。
図9は、ピエゾ素子の駆動電圧波形W1と、その駆動電圧に対応した液滴吐出ヘッド66の動作を示す概略図である。以下には、ピエゾ素子92を構成する一対の電極に対して、波形W1の駆動電圧が印加された場合について説明する。まず正勾配部a1,a3では、ピエゾ素子92が収縮してインク室93の容積が増加し、リザーバ95からインク室93内にインクが流入する。また負勾配部a2では、ピエゾ素子92が膨張してインク室93の容積が減少し、加圧されたインク99がノズル91から吐出される。そして、この駆動電圧波形W1の振幅および印加回数等により、インクの塗布量が決定される。
なお、液滴吐出ヘッド66の駆動方式として、ピエゾ素子92を用いたピエゾジェットタイプに限られず、例えば熱膨張を利用したサーマルインクジェットタイプなどを採用してもよい。また液晶の塗布手段として、インクジェットヘッド以外の塗布手段を採用することも可能である。インクジェットヘッド以外の液晶塗布手段として、たとえばディスペンサを採用することができる。ディスペンサは、インクジェットヘッドに比べて大口径のノズルを有しているので、粘度が高い状態の液晶を吐出することも可能である。
(基板貼り合わせ部)
図10は、基板貼り合わせ部64の概略構成図である。
基板貼り合わせ部64は、図10に示すように、基板を保持してX方向、Y方向及びθ方向に移動自在なテーブル68と、テーブル68上に設置された下チャック部69と、下チャック部69の上方に配置された真空チャンバ70と、真空チャンバ70内に下チャック部69と対向配置された上チャック部71と、上チャック部71をZ方向に移動自在に支持し、且つ下チャック部69に向けて加圧する下降機構72とを備えて構成されている。
真空チャンバ70の壁面には、覗き窓70aと、排気部76と、パージバルブ77が配設されている。覗き窓70aの上方には、覗き窓70aを介して基板上のアライメントマークを拡大、観測する貼り合わせ用顕微鏡74と、拡大観測されたアライメントマークの画像を取り込むCCDカメラ81とを備えた光学測定手段が設けられている。
排気部76には、収容空間70b内の気体を排気(真空引き)するための真空ポンプや、真空ポンプと真空チャンバ70との間を隔離するアイソレーションバルブを備えた吸引装置78が接続されている。また、パージバルブ77には、真空チャンバ70に窒素(N2)ガスを供給するためのガス供給源が接続されている。
また、真空チャンバ70内には、加熱ユニットが備えられており、上チャック部71及び下チャック部69に保持される基板を接触面から加熱することによって、熱硬化型のシール剤52を加熱して仮固定するようになっている。
また、シール剤52が紫外線硬化型である場合には、加熱ユニットに代えて、紫外線を放射する水銀ランプ等のUVランプを具備するUV照射ユニットが採用される。このようなUV照射ユニットにおいては、ファイバ等の導光手段が設けられていてもよい。
また、シール剤52が熱硬化型及び紫外線硬化型の併用型である場合には、加熱ユニットとUV照射ユニットを備えた構成が採用される。
このような加熱ユニットやUV照射ユニットを備える基板貼り合わせ部64は、上チャック部71及び下チャック部69に保持される基板を、液晶とシール剤52を介して貼り合わせるものである。従って、基板貼り合わせ部64においては、加圧による固定を行うものではなく、加熱やUV照射によるシール剤52の硬化は、仮固定のために行われる。
更に、基板貼り合わせ部64には、CCDカメラ81により取り込まれた画像を処理する画像処理部83と、画像処理部83により処理された画像情報に基づいてテーブル68と下降機構72とを制御する制御部84が設けられている。
また、下チャック部69及び上チャック部71には、互いに対向する保持面69a、71aでそれぞれ基板を保持するための保持機構(不図示)が備えられている。
なお、下チャック部69及び上チャック部71には、静電気力や粘着力を用いたチャック機構、または機械的に基板を保持する機械的保持機構など、略真空雰囲気においても基板を保持できる機構であればどのような機構が備えられていてもよい。例えば、基板に石英ガラスを用いた場合、静電気力による保持方法を用いると保持力が弱く、基板の相対位置を十分な精度で調整することができない。その一方、接着力、分子間力、真空力、機械式保持等の保持方法であれば、石英ガラスでも十分な保持力を発揮することができるため、下チャック部69及び上チャック部71の保持機構に用いて好適である。
(第1加圧硬化部)
図11は、第1加圧硬化部164の概略構成図である。
第1加圧硬化部164は、貼り合わせ基板を保持するテーブル(加圧手段、第2加圧部)168と、テーブル168と対向配置された加圧板(加圧手段、第1加圧部)169と、加圧板169をテーブル168に向けて加圧する加圧機構(加圧手段、駆動機構)172と、UV照射ユニット(シール剤硬化手段)170と、加圧板169及びテーブル168において着脱可能な抜き間紙(隙間部材)175と、を備えた構成となっている。
ここで、基板貼り合わせ部64において貼り合わされた2枚の基板のうち、加圧板169は上基板(第1基板)側に設けられたものであり、テーブル168は、下基板(第2基板)側に設けられたものである。そして、加圧板169は、加圧機構172に接続されており、当該加圧機構172が貼り合わせ基板の貼り合わせ方向に駆動することにより、テーブル168と加圧板169が上下基板を加圧するようになっている。
また、テーブル168は、透明性材料からなる定盤によって構成されている。本実施形態においては、テーブル168として石英ガラス定盤を採用している。また、石英ガラス定盤以外の透明性材料を採用してもよい。また、テーブル168におけるUV光(紫外線光)の透過率は75%以上となっている。
また、テーブル168の下側(加圧板169とは反対側)にUV照射ユニット170が設けられている。このようなUV照射ユニット170は、紫外線を放射する水銀ランプ等のUVランプを具備することによって構成されている。更に、必要に応じて、UV照射ユニットがファイバ等の導光手段を備えてもよい。
これにより、UV照射ユニット170が紫外線光を照射すると、当該紫外線光は、石英ガラス定盤のテーブル168を透過して、シール剤52に対して硬化させる程度のエネルギーを付与し、当該シール剤52を硬化させるようになっている。
このように構成された第1加圧硬化部164においては、上下基板を加圧しながら、シール剤52を硬化するようになっている。
(第2加圧硬化部)
図12は、第2加圧硬化部264の概略構成図である。
当該第2加圧硬化部264は、上記の第1加圧硬化部164と基本構造が同様であり、UV照射ユニット170に代えて加熱ユニット180を備えた構成となっている。
ここでは、第1加圧硬化部164と異なる構成について説明し、第1加圧硬化部164と同一構成には、同一符号を付して説明を省略する。
第2加圧硬化部264は、UV照射ユニット170に代えて、加熱ユニット(シール剤硬化手段)180を備えている。当該加熱ユニット180は、加圧板169とテーブル168の内部に設けられている。このような加熱ユニット180の構成としては、第2加圧硬化部264の外部に設けられた加熱装置によって加熱された液状媒体を加熱ユニット180内で循環させる構成や、加熱ユニット180が電気ヒータによって構成され当該電気ヒータに電力が供給されることによって加熱する構成等が採用される。
これにより加熱ユニット180が発熱すると、抜き間紙175を介して上下基板間のシール剤52が加熱され、シール剤52に硬化させる程度のエネルギーを付与し、硬化させるようになっている。
また、テーブル168の構成としては、透明性材料に限定されずに、金属等の定盤が採用される。
このように構成された第2加圧硬化部264においては、上下基板を加圧しながら、シール剤52を硬化するようになっている。
(抜き間紙)
次に、抜き間紙175の構成について説明する。
図13は、第1加圧硬化部164及び第2加圧硬化部264において用いられる抜き間紙175の構成を説明するための平面図である。
抜き間紙175は、間紙本体175Aに、複数の開口領域177が設けられた構成となっている。開口領域177の個数は、本実施形態において縦方向4列かつ横方向3行の計12個であり、当該個数は1枚のマザー基板から分割される液晶装置(チップ)の数と同数となっている。また、複数の開口領域177の各々は、間紙本体175Aに対し、縦幅WAかつ横幅WBでくり抜いて形成されている。
抜き間紙175の材質としては、厚紙や樹脂基板が採用される。このような材料が採用される理由としては、抜き間紙175は第1加圧硬化部164及び第2加圧硬化部264において上下基板に接触する部材であるため、基板表面に傷やクラックを付与しない柔軟性が要求されているためである。また、抜き間紙175の材質の特性としては、熱伝導性に優れる材料であることが好ましく、この場合には加熱ユニット180の発熱をシール剤52に好適に伝熱することが可能となる。
また、抜き間紙175の材質として、紫外線透過性が高い樹脂基板が採用されている場合には、UV照射ユニット170がUV光を照射した際に、テーブル168を透過すると共に、抜き間紙175を透過してシール剤52にUV光を照射することが可能となる。また、抜き間紙175におけるUV光の透過率は75%以上となっている。
図14は、マザー基板上のシール剤52と抜き間紙175の開口領域との関係について説明するための図である。
上記の液晶装置100は、貼り合わされた2枚のマザー基板を複数に分割して形成されたものである。具体的には、TFT30や画素電極9が複数のチップ領域CPの各々に形成された素子側マザー基板(第2基板)M1と、対向電極21や遮光膜23が複数のチップ領域CPの各々に形成された対向側マザー基板(第1基板)M2とが貼り合わされた後に、チップ領域CP毎に分割されたものが液晶装置100となる。
ここで、このような液晶装置100が完成体として形成される前においては、素子側マザー基板M1と対向側マザー基板M2とが貼り合わされることによって、図14に示す貼り合わせマザー基板M3が形成される。また、素子側マザー基板M1と対向側マザー基板M2との間においては、上記のシール剤52が複数のチップ領域CP毎に形成されていると共に、液晶を内包している。更に、チップ領域CPを内包する、即ち、シール剤52を内包するように外周シール剤55がマザー基板M3の周縁近傍に形成されている。
ここで、チップ領域CPと抜き間紙175の開口領域177の位置関係について説明すると、チップ領域CPの各々において、開口領域177はシール剤52の描画パターンに対応して設けられ、また、開口領域77の中心と描画パターンとの中心は合致したものとなっている。また、シール剤52の描画パターンの縦幅をWyとし、かつ、横幅をWxとすると、開口領域177の縦幅WAよりも描画パターンの縦幅をWyが大きく、開口領域177の横幅WBよりも描画パターンの横幅をWxが大きくなっている。即ち、WA<Wy、WB<Wxの関係となっている。これにより、開口領域177は、シール剤52の描画パターンよりも小さくなるため、第1加圧硬化部164及び第2加圧硬化部264において貼り合わせマザー基板M3が加圧された際には、抜き間紙175はシール剤52の描画パターンに対応する基板面を押圧するようになっている。また、シール剤52に内包されている液晶50に対応する位置には、開口領域177が形成されているので、当該液晶50は押圧されることがない。
また、外周シール剤55の位置には、開口領域177が形成されていないため、マザー基板M3の周縁近傍において外周シール剤55が押圧されるようになっている。当該外周シール剤55の材料としては、シール剤52と同じ材料が用いられる。
(液晶装置の製造方法の第1実施形態)
次に、図15から図18を参照して、上記のデバイス製造装置61により液晶装置100を製造する手順について説明する。
図15は、本実施形態の製造方法を説明するためのフロー図である。
また、図16〜図17は、本実施形態の製造方法を説明する図であって、材料供給部63、基板貼り合わせ部64、第1加圧硬化部164、及び第2加圧硬化部264を示す断面図である。
まず、TFT30や画素電極9が複数のチップ領域CPの各々に形成された素子側マザー基板M1を得る一方、対向電極21や遮光膜23が複数のチップ領域CPの各々に形成された対向側マザー基板M2を得る。
なお、以下の説明においては、素子側マザー基板M1を下基板10と称し、対向側マザー基板M2を上基板20と称して説明する。上基板20は、本発明における第1基板に対応し、下基板10は本発明における第2基板に対応している。
(シール描画工程)
次に、図15のフロー図に示すように、上基板20の上面にシール剤を描画するシール描画工程を行う(描画工程、ステップS1)。
具体的に説明すると、対向電極等が形成された上基板20は、図16(a)に示すように、基板給除部62により運搬され、封止面20aを上側に向けて材料供給部63のテーブル65上に給材される。その後、テーブル65を移動させつつ、上基板20上にシール剤塗布部67からシール剤が閉ざされた枠状(図14参照、符号52)に塗布される。更に、上基板20の周縁部に、シール剤52を内包するように外周シール剤55を形成する。このようなシール描画工程は、大気圧雰囲気において行われる。
なお、図16(a)においては、シール剤52によって囲まれた領域が1ヶ所形成されているが、実際には、図14に示すように複数ヶ所のチップ領域CP毎に滴下している。
次に、基板給除部62において上基板20を反転する(ステップS2)。
上記のようにシール剤52及び外周シール剤55が塗布された後、上基板20は基板給除部62により運搬されると共に上下面が反転され、図16(c)に示すように、基板貼り合わせ部64の上チャック部71に給材される。そして、保持機構により保持面71aに保持される。
上記基板給除部62による上基板20の反転動作は、材料供給部63からの基板排出後、直ちに行うことが好ましい。シール剤52,55は、塗布後の時間経過とともに上基板20上で広がり、塗布高さが低くなる。特に、シール剤52,55の粘度が20万cps以下である場合、上記塗布高さの変化が顕著になる。そこで、シール剤52,55を塗布した後に直ちに上基板20を反転させて保持しておくことで、シール剤52,55の広がりを抑え、シール剤の「だれ」を低減することができる。その結果、上基板20と下基板10との貼り合わせ強度を保持することができ、信頼性に優れた液晶装置を製造することが可能になる。
(液晶滴下工程)
一方、図15のフロー図に示すように、下基板10の上面に液晶を滴下する液晶滴下工程を行う(ステップS3)。
具体的に説明すると、TFT等が形成された下基板10は基板給除部62により運搬され、図16(b)に示すように、封止面10aを上側に向けて材料供給部63のテーブル65上に給材される。その後、テーブル65を移動させつつ、液滴吐出ヘッド66から液晶を吐出、滴下して、封止面10a上の所定位置に液晶50を配置する。上記液晶の配置後、下基板10は基板給除部62により運搬され、図16(c)に示すように、基板貼り合わせ部64の下チャック部69に給材され、保持機構により保持面69aに保持される。
なお、図16(b)では、液晶50は封止面10a上の1ヶ所に滴下するように図示しているが、実際には、図14に示すように複数ヶ所のチップ領域CP毎に液晶50が滴下される。また、本実施形態において、下基板10の封止面10aに滴下する液晶50の粘度は、130Pa・s〜250Pa・sとすることが好ましい。液晶50の粘度を上記範囲とすることで、液晶50がシール剤52,55と下基板10との接着領域にまで濡れ広がるのを効果的に防止することができ、両基板10,20の貼り合わせを確実に行えるようになる。
本実施形態の場合、上記上基板20の基板貼り合わせ部64への給材を、下基板10の給材に先立って行うようになっており、下基板10及び上基板20の封止面10a、20aにおける清浄性を保持しつつ両基板10,20の貼り合わせを行えるようになっている。下チャック部69に保持される下基板10の基板貼り合わせ部64への給材を先に行うと、上チャック部71への上基板20の給材時に、既に配置されている下基板10上、及びその封止面10aに配置された液晶50に対し異物が堆積するおそれがあり好ましくない。
また、本実施形態では、単一の材料供給部63により上基板20上へのシール剤52,55の配置工程、及び下基板10上への液晶50の配置工程を行っているが、2台の材料供給部63を用いて上記シール剤52,55及び液晶50の配置工程を行うこともできる。この場合、上記2工程を並行して行うことができるため、スループットを向上させることができる。
(貼り合わせ工程)
次に、図17(a)に示すように、基板貼り合わせ部64において、液晶50を介在させて上基板20と下基板10とを貼り合わせる貼り合わせ工程を行う(ステップS4)。
当該貼り合わせ工程においては、真空チャンバ70内(収容空間70b内)を1.33Pa〜1.33×10−2Pa程度の圧力に設定し、図17(b)に示すように、上基板20と下基板10とに形成されたアライメントマーク(図示せず)を貼り合わせ用顕微鏡74、74を用いて拡大してCCDカメラ81に取り込む。CCDカメラ81に取り込まれたアライメントマークの画像データは、画像処理部83に入力され、画像処理部83にて上基板20と下基板10との相対位置が検出される。制御部84は、画像処理部83により検出された相対位置に基づきテーブル68を駆動して上基板20を水平移動させて位置決めする。
なお、上記収容空間70b内の真空引きと、両基板10,20の位置決めとは、同時に併行して実施してもよいし、位置決めを先に実施して真空引きを後から実施してもよい。真空引きと位置決めとを同時に実施した場合は、製造時間を短縮することができる。
また、上チャック部71には、貼り合わせ用顕微鏡74及び覗き窓70aの直下の位置に貫通孔71bが形成されており、この貫通孔71bを介して各基板10,20のアライメントマークを検出するようになっている。
両基板10,20が位置決めされたら、図17(c)に示すように、下降機構72により上チャック部71を下降(相対移動)させて対向する両基板10,20を貼り合わせる。更に、上チャック部71を下チャック部69に向けて下降させ、両基板10,20に加圧してシール剤52,55を所定厚さまで圧縮する。
両基板10,20の貼り合わせが完了すると、加熱ユニットにより両基板10,20が加熱され、シール剤52,55が仮硬化する。なお、ここでいう「仮硬化」とは、後述する加圧硬化工程で行う硬化とは異なり、両基板10,20の貼り合わせ後の仮止め程度の硬化を意味する。
なお、両基板10,20を貼り合わせた後の加圧は、製造のプロセスおよびシール剤52,55などの選択によっては実施しなくてもよい。また、UV照射ユニット82によるシール剤52,55の仮硬化も同様にシール剤52,55の種類によっては実施しなくてもよい。
この後、収容空間70b内に大気が導入され、略真空状態から大気圧に戻される。真空チャンバ70の収容空間70bが大気圧になると、圧力差により両基板10,20は押圧されてシール剤52,55は更に圧縮される。
ここで、外周シール剤55が両基板10,20の周縁部に設けられているので、外周シール剤55によって内包されているシール剤52の周囲は、真空状態に維持される。このように外周シール剤55とシール剤52との間が真空状態に維持されることにより、シール剤52の側方から大気圧が付与されないので、当該シール剤52の変形が抑制される。
その後、上チャック部71と下チャック部69との保持を解除し、図17(d)に示すように、真空チャンバ70を上昇させる。そして、下チャック部69に非保持状態で載置されている基板を基板給除部62により除材する。
(第1加圧硬化工程)
次に、第1加圧硬化部164において、貼り合わされた両基板10,20を加圧硬化する第1加圧硬化工程を行う(ステップS5、紫外線照射工程)。
具体的に説明すると、貼り合わされた両基板10,20は、基板給除部62により第1加圧硬化部164へ運搬され、図18(a)に示すように上基板20が加圧板169側に、下基板10がテーブル168側になるように給材される。
更に、上基板20と加圧板169との間、及び下基板10とテーブル168との間に抜き間紙175を挿入する。ここで、抜き間紙175は、図14において説明したように、開口領域77の中心とシール剤52の描画パターンとの中心とが合致するように配置される。即ち、チップ領域CPのうちのシール剤52を局所的に押圧することが可能となる。
なお、図18(a)においては、上基板20と下基板10との間にシール剤52と、液晶50とが介在されたものとなっているが、図14に示すように両基板10,20の周縁部に外周シール剤55が形成されているものとする。
そして、下基板10がテーブル168によって保持された後には、加圧機構172が駆動することにより、テーブル168と加圧板169とによって両基板10,20が大気圧下において押圧される。すると、シール剤52,55は更に圧縮され、シール剤52,55に含まれるギャップ制御材52aが両基板10,20に当接し、両基板10,20の間隔が略3μm以下になるように調節される。
更に、加圧状態を維持しながら、UV照射ユニット170が紫外線光を照射すると、紫外線光はテーブル168を透過し、かつ、抜き間紙175を透過してシール剤52,55に到達する。これによって、硬化させる程度のエネルギーがシール剤52,55に付与され、シール剤52,55は硬化する。
なお、加圧機構172による加圧方法は、一括して押圧力を加える加圧方法や、段階的に押圧力を上げる加圧方法、連続的に押圧力を上げる加圧方法、押圧してその押圧力を一時保持しその後に押圧力を上げるS字加圧など、さまざまな加圧方法で加圧してもよい。
また、UV照射ユニット170による紫外線照射方法は、加圧機構172の押圧力が所定圧力に到達した直後から照射したり、所定時間放置して液晶が両基板10,20の間において隅々まで行き渡るまで待ってから照射したりするなど、さまざまなタイミングで照射を行ってもよい。
また、本実施形態においては、上基板20と加圧板169との間、及び下基板10とテーブル168との間に、各々抜き間紙175を挿入しているが、いずれか一方の間のみに抜き間紙175を挿入してもよい。
(第2加圧硬化工程)
次に、第2加圧硬化部264において、加圧硬化された両基板10,20を更に加圧硬化する第2加圧硬化工程を行う(ステップS6、加熱工程)。
具体的に説明すると、第1加圧硬化部164において加圧硬化された両基板10,20は、基板給除部62により第2加圧硬化部264へ運搬され、図18(b)に示すように上基板20が加圧板169側に、下基板10がテーブル168側になるように給材される。
更に、上基板20と加圧板169との間、及び下基板10とテーブル168との間に抜き間紙175を挿入する。ここで、抜き間紙175は、図14において説明したように、開口領域77の中心とシール剤52の描画パターンとの中心とが合致するように配置される。即ち、チップ領域CPのうちのシール剤52を局所的に押圧することが可能となる。
なお、図18(a)においては、上基板20と下基板10との間にシール剤52と、液晶50とが介在されたものとなっているが、図14に示すように両基板10,20の周縁部に外周シール剤55が形成されているものとする。
そして、下基板10がテーブル168によって保持された後には、加圧機構172が駆動することにより、テーブル168と加圧板169とによって両基板10,20が大気圧下において押圧される。すると、シール剤52,55は更に圧縮され、シール剤52,55に含まれるギャップ制御材52aが両基板10,20に当接し、両基板10,20の間隔が略3μm以下になるように調節される。
更に、加圧状態を維持しながら、加熱ユニット180が両基板10,20間のシール剤52,55を加熱することで、シール剤52,55は更に硬化する。
なお、加圧機構172による加圧方法は、上記の第1加圧硬化工程において説明したように、種々の方法が採用される。また、本実施形態においては、上基板20と加圧板169との間、及び下基板10とテーブル168との間に、各々抜き間紙175を挿入しているが、いずれか一方の間のみに抜き間紙175を挿入してもよい。
また、上記の第1加圧硬化工程及び第2加圧硬化工程においては、紫外線照射によるシール剤52,55の硬化を、加熱によるシール剤52,55の硬化よりも先に行っているが、紫外線照射によるシール剤52,55の硬化を、その後に行ってもよい。
そして、シール剤52,55の硬化が完了すると、加圧板169とテーブル168とによる保持を上下順次または同時に開放し、両基板10,20を基板給除部62により除材する。
その後、貼り合わされた両基板10,20、即ち、素子側マザー基板M1及び対向側マザー基板M2からなる貼り合わせマザー基板M3(図14参照)をチップ領域CP毎に分割することにより、液晶装置100の製造が完了する。
上述したように、本実施形態においては、抜き間紙175を利用して第1加圧硬化工程と第2加圧硬化工程とを行っているので、シール剤52が描画されている部分を加圧することができ、更に当該加圧状態でシール剤52をUV硬化及び熱硬化することができる。更に、外周シール剤55を押圧すると共に、シール剤52を押圧することができるので、シール剤52に含まれる導通粒子を確実に潰すことができ、端子206a,206b間の導通を得ることができ、上下導通性を大幅に向上させることができる。また、シール剤52が描画されていない領域、即ち、液晶層50が滴下されている部分は、押圧されないので、液晶層50に付与される圧力に起因するシール剤52の外部への液晶漏れを防止できる。
また、抜き間紙175は、加圧板169及びテーブル168において着脱可能であるので、容易に交換することができ、チップ領域の個数や位置に応じた多様な抜き間紙を適宜選択的に使用することができる。
また、外周シール剤55がシール剤52を内包するように設けられているので、シール剤52の周囲を真空状態に維持することができる。これにより、貼り合わせ工程の終了時に大気開放した際の大気圧が、シール剤52の側方から付与されないので、シール剤52の変形を抑制することができる。
(液晶装置の製造方法の第2実施形態)
次に、図19を参照して、液晶装置の製造方法の第2実施形態について説明する。
図19は、本実施形態の製造方法において用いられる加圧硬化部の概略構成図である。
なお、以下の説明においては、上記の第1実施形態と同一構成には同一符号を付して詳細な説明を省略している。
(加圧硬化部の第2実施形態)
本実施形態の加圧硬化部(加圧手段、シール剤硬化手段)364は、加熱槽(シール剤硬化手段)365内に、エア加圧部(加圧手段、気体供給手段)366と、テーブル(固定部)168と、エア加圧部366及びテーブル168とを支えるコラム367と、を備えた構成となっている。
ここで、加熱槽365の壁部には、加熱装置によって加熱された液状媒体が循環する流路が設けられ、当該液状媒体の循環によって加熱槽365の内部が加熱されるようになっている。或いは、加熱槽365の壁部に電気ヒータを設け、当該電気ヒータに電力が供給されて加熱槽365の内部を加熱するようになっている。
また、エア加圧部366は、コラム367に接続された支持部370と、当該支持部370に接続された耐熱ゴム板(加圧手段、弾性部材)371と、当該耐熱ゴム板371と支持部370との間にエアを供給するエア供給口372と、当該エア供給口372に連通する気体封入部(加圧手段)373と、当該気体封入部373にエアを供給するコンプレッサ(加圧手段、気体供給手段)374とによって構成されている。また、耐熱ゴム板371は、上基板20の側に設けられたものであり、テーブル168は、下基板10の側に設けられたものである。
これによって、耐熱ゴム板371によって内包された気体封入部373内に、コンプレッサ374がエア供給口372を介して気体を供給することにより、耐熱ゴム板371が膨張し、当該耐熱ゴム板371が両基板10,20の貼り合わせ方向に向けて加圧するようになっている。
また、コラム367は、エア供給口372から気体封入部373内にエアが供給された際に耐熱ゴム板371が膨らんでも、エア加圧部366とテーブル168とを強固に保持するようになっている。
また、抜き間紙175は、耐熱ゴム板371と上基板20の間と、テーブル168と下基板10の間とにおいて、着脱可能に配置されている。
次に、加圧硬化部364を利用した加圧硬化工程について説明する。
なお、本実施形態の加圧硬化工程は、第1実施形態における第2加圧硬化工程に代わって行われるものである。第1実施形態において説明したシール描画工程、液晶滴下工程、貼り合わせ工程、及び第1加圧硬化工程については説明を省略する。
本実施形態においては、第1加圧硬化工程によって加圧硬化された両基板10,20を更に加圧硬化する。
具体的に説明すると、第1加圧硬化部164において貼り合わされた両基板10,20は、基板給除部62により加圧硬化部364へ運搬され、図19に示すように上基板20がエア加圧部366側に、下基板10がテーブル168側になるように給材される。
更に、上基板20と耐熱ゴム板371との間、及び下基板10とテーブル168との間に抜き間紙175を挿入する。ここで、抜き間紙175は、図14において説明したように、開口領域77の中心とシール剤52の描画パターンとの中心とが合致するように配置される。即ち、チップ領域CPのうちのシール剤52を局所的に押圧することが可能となる。
なお、図19においては、上基板20と下基板10との間にシール剤52と、液晶50とが介在されたものとなっているが、図14に示すように両基板10,20の周縁部に外周シール剤55が形成されているものとする。
そして、下基板10がテーブル168によって保持された後には、コンプレッサ374が動作することにより、コンプレッサ374がエア供給口372を介して気体を供給し、耐熱ゴム板371が膨張して、当該耐熱ゴム板371が両基板10,20の貼り合わせ方向に向けて加圧する。これによって、テーブル168と耐熱ゴム板371とによって両基板10,20が押圧される。すると、シール剤52,55は更に圧縮され、シール剤52,55に含まれるギャップ制御材52aが両基板10,20に当接し、両基板10,20の間隔が略3μm以下になるように調節される。
更に、加圧硬化部364においては、加圧状態を維持しながら加熱槽365が両基板10,20間のシール剤52,55を加熱し、シール剤52,55は更に硬化する。
また、加圧硬化部364は、加熱槽365内の温度や、気体封入部373内の圧力を容易かつ任意に設定できるため、設定値に基づいて加圧硬化工程を行うことが可能となる。
以上のように、シール剤52,55の硬化が完了すると、気体封入部373の気体を抜くことで、耐熱ゴム板371とテーブル168とによる保持を開放し、両基板10,20を基板給除部62により除材する。
その後、貼り合わされた両基板10,20、即ち、素子側マザー基板M1及び対向側マザー基板M2からなる貼り合わせマザー基板M3(図14参照)をチップ領域CP毎に分割することにより、液晶装置100の製造が完了する。
上述したように、本実施形態においては、エア加圧部366とテーブル168との間に働く押圧力によって両基板10,20の加圧硬化を容易に行うことができる。
なお、本実施形態においては、上基板20と耐熱ゴム板371との間、及び下基板10とテーブル168との間に、各々抜き間紙175を挿入しているが、いずれか一方の間のみに抜き間紙175を挿入してもよい。
また、本実施形態においては、第1加圧硬化工程の後に、加圧硬化部364による加圧硬化工程を行うことで、紫外線照射による硬化を熱硬化よりも先に行っている。これに限定することなく、紫外線照射による硬化を、熱硬化の後に行ってもよい。
また、テーブル168として、例えば、石英ガラス定盤によって構成されると共に、当該テーブル168の下側(耐熱ゴム板371とは反対側)にUV照射ユニット170が設けることで、加圧硬化部364は紫外線によるシール剤52,55の硬化を行うことができる。
(液晶装置の製造方法の第3実施形態)
次に、図20を参照して、液晶装置の製造方法の第3実施形態について説明する。
図20は、本実施形態の製造方法において用いられる加圧硬化部の概略構成図である。
なお、以下の説明においては、上記の第1実施形態と同一構成には同一符号を付して詳細な説明を省略している。
(加圧硬化部の第3実施形態)
本実施形態の加圧硬化部(加圧手段、シール剤硬化手段)464は、真空加圧機構(加圧手段)465と、排気部(排気手段)466と、テーブル(固定部)168と、加熱ユニット180と、を備えた構成となっている。
また、真空加圧機構465とは、支持部材470と、Oリング471と、弾性マットクランプ472と、弾性マット(加圧手段、弾性部材)473とによって構成されたものである。
ここで、真空加圧機構465について具体的に説明する。
支持部材470は、テーブル168から膨出し、当該テーブル168上において両基板10,20を内包するように設けられたものである。また、クランプ472は弾性マット473の外周を保持すると共に、支持部材470に対向配置されている。また、Oリング471は、支持部材470とクランプ472とによって挟持される部材である。また、弾性マット473は、上基板20の側に設けられており、その外周でクランプ472に保持されている。このような真空加圧機構465においては、テーブル168、支持部材470、Oリング471、クランプ472、及び弾性マット473によって囲まれた空間474を密閉している。
また、テーブル168は、下基板10の側に設けられていると共に、その一部には真空加圧機構465の外部に設けられた排気部466に連通する排気配管480が接続されている。また、排気部466は、空間474内の気体を排気(真空引き)するための真空ポンプを備えたものである。また、テーブル168の一部には、真空状態の空間474内にエア(空気)を供給して大気圧雰囲気に戻すためのバルブが設けられている。
また、加熱ユニット180は、弾性マット473の外側とテーブル168の外側に設けられており、その構成としては、加熱液状媒体が循環する流路が設けられていたり、電気ヒータが設けられていたり等、が採用される。
また、抜き間紙175は、弾性マット473と上基板20の間と、テーブル168と下基板10の間とにおいて、着脱可能に配置されている。
次に、加圧硬化部464を利用した加圧硬化工程について説明する。
なお、本実施形態の加圧硬化工程は、第1実施形態における第2加圧硬化工程に代わって行われるものである。第1実施形態において説明したシール描画工程、液晶滴下工程、貼り合わせ工程、及び第1加圧硬化工程については説明を省略する。
本実施形態においては、第1加圧硬化工程によって加圧硬化された両基板10,20を更に加圧硬化する。
具体的に説明すると、第1加圧硬化部164において貼り合わされた両基板10,20は、基板給除部62により加圧硬化部464へ運搬され、図20に示すように上基板20が弾性マット473側に、下基板10がテーブル168側になるように給材される。
更に、上基板20と弾性マット473との間、及び下基板10とテーブル168との間に抜き間紙175を挿入する。ここで、抜き間紙175は、図14において説明したように、開口領域77の中心とシール剤52の描画パターンとの中心とが合致するように配置される。即ち、チップ領域CPのうちのシール剤52を局所的に押圧することが可能となる。
なお、図20においては、上基板20と下基板10との間にシール剤52と、液晶50とが介在されたものとなっているが、図14に示すように両基板10,20の周縁部に外周シール剤55が形成されているものとする。
そして、下基板10がテーブル168によって保持された後には、支持部材470及びクランプ472がOリング471を挟持し、空間474内を密閉する。その後、排気部466が動作することにより、空間474内の空気(気体)が排気され、当該空間474内が負圧(大気圧よりも低い圧力)になる。これよって、弾性マット473が空間474の内側に引かれて変形する。そして、当該弾性マット473の変形に応じて上基板20が下基板10との貼り合わせ方向に向けて押圧され、両基板10,20は加圧されることとなる。ここで、排気部466による排気時間を多くすれば、その分だけ空間474内の圧力が低下するため、排気時間を調整することにより加圧力を調整することが可能となる。また、最大で1気圧分の圧力(約1kg/cm)を両基板10,20に加圧することが可能となるが、抜き間紙175が挿入されていることから、シール剤52の描画パターンが局所的に加圧される。
これにより、シール剤52,55は圧縮され、シール剤52に含まれるギャップ制御材52aが両基板10,20に当接し、両基板10,20の間隔が略3μm以下になるように調節される。
更に、加圧硬化部464においては、加圧状態を維持しながら加熱ユニット180が両基板10,20間のシール剤52,55を加熱し、シール剤52,55は更に硬化する。
また、加圧硬化部464は、加熱ユニット180の温度や、空間474内の圧力を容易かつ任意に設定できるため、設定値に基づいて加圧硬化工程を行うことが可能となる。
以上のように、シール剤52,55の硬化が完了すると、テーブル168に設けられたバルブを開き、空間474内に空気を導入することで、弾性マット473とテーブル168とによる保持を開放し、両基板10,20を基板給除部62により除材する。
その後、貼り合わされた両基板10,20、即ち、素子側マザー基板M1及び対向側マザー基板M2からなる貼り合わせマザー基板M3(図14参照)をチップ領域CP毎に分割することにより、液晶装置100の製造が完了する。
上述したように、本実施形態においては、弾性マット473とテーブル168との間に働く押圧力によって両基板10,20の加圧硬化を容易に行うことができる。
なお、本実施形態においては、上基板20と弾性マット473との間、及び下基板10とテーブル168との間に、各々抜き間紙175を挿入しているが、いずれか一方の間のみに抜き間紙175を挿入してもよい。
また、本実施形態においては、第1加圧硬化工程の後に、加圧硬化部464による加圧硬化工程を行うことで、紫外線照射による硬化を熱硬化よりも先に行っている。これに限定することなく、紫外線照射による硬化を、熱硬化の後に行ってもよい。
また、テーブル168として、例えば、石英ガラス定盤によって構成されると共に、当該テーブル168の下側(弾性マット473とは反対側)にUV照射ユニット170が設けることで、加圧硬化部464は紫外線によるシール剤52,55の硬化を行うことができる。
(電子機器)
次に、本発明の電子機器の具体例について説明する。
図21(a)は、携帯電話の一例を示した斜視図である。図21(a)において、600は携帯電話本体を示し、601は上記実施形態の液晶装置を備えた液晶表示部を示している。
図21(b)は、ワープロ、パソコンなどの携帯型情報処理装置の一例を示した斜視図である。図21(b)において、700は情報処理装置、701はキーボードなどの入力部、703は情報処理本体、702は上記実施形態の液晶装置を備えた液晶表示部を示している。
図21(c)は、腕時計型電子機器の一例を示した斜視図である。図21(c)において、800は時計本体を示し、801は上記実施形態の液晶装置を備えた液晶表示部を示している。
図21(a)〜(c)に示す電子機器は、上記実施形態の液晶装置を備えたものであるので、高精度に基板が貼り合わされ、液晶の閾値ムラが低減された高品質の表示が可能な表示部を有する電子機器となる。
本発明の製造方法によって製造される液晶装置の平面図。 本発明の製造方法によって製造される液晶装置の断面図。 本発明の製造方法によって製造される液晶装置の断面図。 本発明の製造方法によって製造される液晶装置の回路図。 本発明の製造方法によって製造される液晶装置の断面図。 本発明の製造装置の概略構成図。 本発明の製造装置の基板給除部および材料供給部の概略構成図。 本発明の製造装置の材料供給部における要部を説明するための斜視構成図。 本発明の製造装置の材料供給部における要部を説明するための説明図。 本発明の製造装置における基板貼り合わせ部の概略構成図。 本発明の製造装置における第1加圧硬化部の概略構成図。 本発明の製造装置における第2加圧硬化部の概略構成図。 本発明の製造方法において用いられる隙間部材の構成を説明するための図。 本発明の製造方法において用いられる隙間部材の構成を説明するための図。 本発明の製造方法の第1実施形態を説明するためのフロー図。 本発明の製造方法の第1実施形態における製造手順を示す図。 本発明の製造方法の第1実施形態における製造手順を示す図。 本発明の製造方法の第1実施形態における製造手順を示す図。 本発明の製造方法の第2実施形態における加圧硬化部の概略構成図。 本発明の製造方法の第3実施形態における加圧硬化部の概略構成図。 本発明の製造方法によって製造される液晶装置を備える電子機器を示す図。
符号の説明
10 TFTアレイ基板(第2基板)、 20 対向基板(第1基板)、 50 液晶(電気光学物質)、 52 シール剤、 52b 導通粒子、 55 外周シール剤、 M1 素子側マザー基板(第2基板)、 M2 対向側マザー基板(第1基板)、 100 液晶装置(電気光学装置)、 164 第1加圧硬化部(加圧手段、シール剤硬化手段)、 168 テーブル(加圧手段、第2加圧部、固定部)、 169 加圧板(加圧手段、第1加圧部)、 170 UV照射ユニット(シール剤硬化手段)、 172 加圧機構(加圧手段、駆動機構)、 175 抜き間紙(隙間部材)、 180 加熱ユニット(シール剤硬化手段)、 206 金属端子、 206a 端子(金属端子)、 206b 端子(金属端子)、 264 第2加圧硬化部(加圧手段、シール剤硬化手段)、 364 加圧硬化部(加圧手段、シール剤硬化手段)、 365 加熱槽(シール剤硬化手段)、 366 エア加圧部(加圧手段、気体供給手段)、 371 耐熱ゴム板(加圧手段、弾性部材)、 373 気体封入部(加圧手段)、 374 コンプレッサ(加圧手段、気体供給手段)、 464 加圧硬化部(加圧手段、シール剤硬化手段)、 465 真空加圧機構(加圧手段)、 466 排気部(排気手段)、 473 弾性マット(加圧手段、弾性部材)、 474 空間


Claims (9)

  1. 電気光学物質を挟持して対向配置された第1基板及び第2基板と、前記電気光学物質の周囲に形成されたシール剤とを具備する電気光学装置の製造方法であって、
    前記第1基板上に前記シール剤を描画する描画工程と、
    前記電気光学物質を介在させて前記第1基板と前記第2基板とを貼り合わせる貼り合わせ工程と、
    前記第1基板及び前記第2基板の貼り合わせ方向に向けて加圧しながら前記シール剤を硬化させる加圧硬化工程と、
    を含み、
    前記加圧硬化工程は、
    前記第1基板又は前記第2基板のうち少なくとも一方の基板と、加圧手段と、の間に前記シール剤の描画パターンに対応して形成された隙間部材を挟持し、
    前記加圧手段による加圧状態を維持しながら、シール剤硬化手段が前記シール剤を硬化すること、
    を特徴とする電気光学装置の製造方法。
  2. 前記加圧硬化工程は、
    前記加圧手段と前記第1基板との間、及び、前記加圧手段と前記第2基板との間に、
    前記隙間部材を挟持して行うこと、
    を特徴とする請求項1に記載の電気光学装置の製造方法。
  3. 前記シール剤には、前記第1基板及び前記第2基板の金属端子間を導通させる導通粒子が含有されていること、
    を特徴とする請求項1又は請求項2に記載の電気光学装置の製造方法。
  4. 前記第1基板と前記第2基板との間には、前記シール剤を内包する外周シール剤が設けられていること、
    を特徴とする請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の電気光学装置の製造方法。
  5. 前記加圧硬化工程は、
    前記シール剤に紫外線を照射する紫外線照射工程を少なくとも含むこと、
    を特徴とする請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の電気光学装置の製造方法。
  6. 前記加圧硬化工程は、
    透明な前記加圧手段と、当該透明な加圧手段と前記第1基板又は前記第2基板との間に狭持される紫外線を透過する前記隙間部材とを含むこと、
    を特徴とする請求項1から請求項5のいずれか一項に記載の電気光学装置の製造方法。
  7. 前記加圧硬化工程は、
    前記シール剤を加熱する加熱工程を少なくとも含むこと、
    を特徴とする請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の電気光学装置の製造方法。
  8. 前記加圧硬化工程は、
    前記紫外線照射工程と前記加熱工程とを行うこと、
    を特徴とする請求項1から請求項7のいずれか一項に記載の電気光学装置の製造方法。
  9. 電気光学物質を挟持して対向配置された第1基板及び第2基板と、前記電気光学物質の周囲に形成されたシール剤とを具備する電気光学装置の製造装置であって、
    前記第1基板及び前記第2基板の貼り合わせ方向に向けて前記第1基板及び前記第2基板を加圧する加圧手段と、
    前記シール剤を硬化させるシール剤硬化手段と、
    を具備し、
    前記第1基板又は前記第2基板のうち少なくとも一方の基板と、加圧手段と、の間に前記シール剤の描画パターンに対応して形成された隙間部材を挟持し、
    請求項1から請求項8のいずれか一項に記載の電気光学装置の製造方法を行うこと、
    を特徴とする電気光学装置の製造装置。



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