JP2005201912A - Qcmセンサデバイス - Google Patents

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英二 冨士元
Kaoru Kitakizaki
薫 北寄崎
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卓孝 野口
Hoki Haba
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Abstract

【課題】 QCMセンサデバイスによる測定セル構成は、参照電極及び対極電極を別途に設けてその位置制御が必要になり、高価で大型化を招くと共に、水晶基板を試料に晒したとき、試料によっては水晶基板と支持基板との接着剤が溶け出る。
【解決手段】 QCMセンサデバイスは、水晶基板31に作用電極33Aとその裏面電極33Bの他に、参照電極35及び対極電極34を一体構造で設ける。
また、試料に晒される面を囲んで作用電極部分のみに試料溜めを設ける。
【選択図】 図1

Description

本発明は、水晶振動子の作用電極表面を試料ガスや試料溶液に晒したときの水晶振動子の発振周波数やインピーダンス等の電気的特性の変化から作用電極表面での試料成分の吸脱着を検知・定量するQCM(Quartz Crystal Microbalance)センサデバイスに関するものである。
近年、ATカット水晶振動子を用いてマイクロバランス原理を応用したケミカル及びバイオセンサが注目を集めている。ATカット水晶振動子は、その主共振周波数が振動子の板厚と反比例する。この場合、水晶振動子の電極面に試料成分が成膜したり、あるいは物質の吸着が起きると表面に存在する物質の単位平面積当たりの重量に対応した周波数のシフトが起きる。
QCMセンサは、上記の周波数シフト現象を応用したもので、ATカット水晶振動子は広い温度範囲において周波数が安定しているため、安定した検出感度が期待でき、条件が揃えば1〜10ngの吸着物質の検出がリアルタイムで可能である。以下に吸着物質量と周波数のシフト量の関係を示す。
主共振周波数f0を持つ水晶振動子の、表面に生じる質量変化(電極面の吸脱着量)Δmと、周波数変化量(周波数のシフト量)Δfとの関係は、下記(1)式に示すSauerberyの式により表される。
Figure 2005201912
Δf:周波数変化量、f0:水晶振動子の主共振周波数、APIEZO:電気的有効面積(電極面積)、μq:水晶のせん断弾性定数、ρq:水晶の密度、Δm:電極表面に生じる質量変化(電極面の吸脱着量)
ここで、ATカット水晶振動子の共振周波数は、下記の(2)、(3)式で表される。
Figure 2005201912
ν:水晶中での音速、tq:水晶の厚さ、
また、Sauerberyの式は、主共振周波数と水晶の厚さの関係を展開して、下記の(4)式のようになる。
Figure 2005201912
上記の(4)式において、Cfは全体感度である。
なお、これを液中にて使用する際には、周波数変化量Δfは液の粘度と密度にも影響されるため、下記の(5)式のように書き直される。
Figure 2005201912
ηL:溶液の粘性率、ρL:溶液の密度、ω0=2πf0
この式中の全体感度Cfは下記の(6)式で表わされる。
Figure 2005201912
上記の各式から解るように、全体感度Cfを上げるには主共振周波数f0を上げることが重要となる。また、全体感度Cf自身も周波数の関数であるため、実際の周波数変化量Δfは、主共振周波数f0の2乗や3/2乗に依存することになる。
従って、センサとして用いる水晶振動子の主共振周波数を高くするほど、高感度のセンサとすることができる。例えば、図5は、15wt%(重量パーセント)のグルコース溶液に浸した水晶振動子の周波数シフト量Δfを主共振周波数f0の変化に対してプロットしたものである。主共振周波数f0が高ければ同じ電極表面での振動ロスで共振周波数のずれが大きく取れることが分る。
上記のように、ATカット水晶振動子は、厚みすべりのモードを使用しているため、主共振周波数f0はその厚みtqと反比例する。また、水晶振動子は、十分なγ値(水晶振動子の等価回路では並列容量と直列容量の比、通常はATカットで250ぐらいで少ない程よい)を得るためには電極有効面積も周波数に比例して小さくする必要がある。以上の理由で高周波用の水晶振動子は電極面積が小さく、しかも水晶厚の薄いものが要望される。
一方、QCMセンサを実現するには、小型の水晶振動子をそれに機械的な歪みを与えることなく支持でき、なおかつ振動子表面は試料ガスあるいは試料溶液に晒すという条件を満たすため、センサデバイスの収納装置は図6に示すような構成にしている。
同図において、絶縁材料製にされる筒形のセンサデバイス収納装置本体1は、その内部には発振回路部2がネジ止めされる。センサデバイス収納装置本体1の上面部には突出して一対の接触子3、4がバネ性を有して設けられ、それらの他端が内部に引き出されて発振回路部2に接続される。
センサデバイス収納装置本体1の上面の周辺部にはピン5、6で位置合わせする円板状のスペーサ7を設け、このスペーサ7によって水晶振動子8をセンサデバイス収納装置本体1との間に挟み込み、水晶振動子8の電極を接触子3、4の先端に接触させる。この挟み込みには、水晶振動子8の周辺部両面に位置させたオーリング9、10で緩衝及び気密構造とする。ネジ込み蓋11は、スペーサ7をセンサデバイス収納装置本体1に圧接し、水晶振動子8の上面を試料ガスや試料溶液に晒すための孔を設ける。
センサデバイス収納装置本体1は、下部をネジ込み蓋12で気密性を有して覆い、側部には発振回路部2からの信号線や電源線を通すための管13を設ける。
上記のようなセンサデバイスの収納装置は、水晶振動子8の作用電極面を試料ガスや試料溶液に晒し、水晶振動子8の作用電極面で試料成分が吸脱着されることによる電気的特性の変化として、例えば、発振回路部2の発振周波数変化をカウンタ14の計数値変化として測定する測定装置に構成される。
また、溶液系の電気化学的測定では、図7に示すように、センサデバイス収納装置20を電解液を導入する容器21内に浸漬し、該容器21内には電解液の成分を作用電極面に吸脱着させるのに、作用電極の電位を設定するための基準電位を発生する参照電極(基準電極)22及び該作用電極表面に電解液成分を吸脱着させるための対極電極23を設けた測定セル構成とし、これら電極及び水晶振動子の電極(作用電極)にポテンショガルバノスタット(PGS)24を接続したQCM測定システムに構成される。
さらにまた、作用電極に試料溶液から検知・定量しようとする成分に応じたレセプターを形成しておくことで、例えば、作用電極に「はしか」のウイルスを検知・定量するための「抗はしかウイルス抗体」やインフルエンザの抗体を検知・定量するための「インフルエンザ抗体」を固定化しておくことで、試料の成分中に「はしか」や「インフルエンザ」のウイルスが存在するかを検知さらには定量することができる。
なお、流体の物理的性質や電気化学的性質の測定としては、特許文献1のものが公知となっている。この文献のものは、圧電素子の一方の電極のみをフローセル中の流体に接するよう配置して作用電極とし、対極及び参照電極をフローセル中に有する電位設定回路及び電流測定回路に接続して構成されたフローセルタイプのものである。
特公平7−58249号公報
従来のQCMセンサデバイスを使用したQCM測定システムは、センサデバイス収納装置を容器に浸漬し、この容器に参照電極と対極電極を位置させる測定セル構成になる。このため、参照電極及び対極電極とこれら電極の取り付け装置を設けた測定セルは、煩雑であると共に、システム構成の大型化を招く。
また、参照電極や対極電極の相対位置及びセンサデバイス収納装置の水晶振動子との相対位置が測定の度に変わると、測定精度に影響を及ぼす。このため、これら電極間の相対位置を再現できる電極取り付け構造を必要とし、例えば、X−Y−Z軸方向に電極を移動制御できる電極位置制御機構が必要になる。
特に、高周波用の水晶振動子は、その電極面積を小さくした構造になることから、参照電極や対極電極の位置制御には高精度のものが必要になり、高価な電極位置制御機構を必要とする。
また、従来のQCM測定システムにおいて、QCMセンサデバイスは、それが試料溶液に晒される場合、前記の(4)式で示すように、振動周波数変化Δfが溶液の粘度ηL及び密度(温度)ρLの影響を受ける。
このため、QCM測定システムとしては、測定精度を高めるには、試料溶液の粘度及び密度の変化に応じて、水晶振動子の振動周波数やインピーダンス、コンダクタンスなどの電気的特性の測定量を補正する必要がある。
この補正には、試料溶液の粘度及び密度測定装置を測定セルに設け、この測定信号からカウンタ14等の計数値を補正することになり、高価で一層大掛かりな測定セル及び測定システムになる。
そこで、本発明が目的とするところは、コンパクトで低価格の測定セル構成にでき、しかも電極間の相対位置を精度良く規定できると共に、水晶振動子の振動周波数やインピーダンス、コンダクタンスなどの電気的特性の測定量補正を可能とし、且つ試料溶液に接着剤が混入又は試料溶液と接着剤との反応が防止できる
QCMセンサデバイスを提供することにある。
本発明の第1は、水晶振動子の作用電極表面を試料ガスや試料溶液に晒したときの水晶振動子の電気的特性の変化から前記作用電極表面での試料成分の吸脱着を検知・定量するためのQCMセンサデバイスにおいて、
水晶基板の表裏面に電極を対向させて形成した水晶振動子と、水晶基板の電極のうち試料ガスや試料溶液に晒される作用電極面の周辺を囲むよう配置された試料溜め部材を有し、この試料溜め部材は、電気的絶縁性及び耐薬品性をもつ部材よりなって前記作用電極部分に試料溜めを形成することを特徴としたものである。
本発明の第2は、水晶振動子の作用電極表面を試料ガスや試料溶液に晒したときの水晶振動子の電気的特性の変化から前記作用電極表面での試料成分の吸脱着を検知・定量するためのQCMセンサデバイスにおいて、
水晶基板の表裏面に対向させて電極を形成し、前記水晶基板は試料ガスや試料溶液に晒される作用電極の形成部分に試料溜めを形成できる深さ以上に掘り下げたことを特徴としたものである。
以上のとおり、本発明によれば、QCMセンサデバイスは、水晶基板面に作用電極とその裏面電極の他に、作用電極面に参照電極及び対極電極を一体形成した構造としたため、測定セルに参照電極や対極電極を設ける従来のものに比べて測定セルの小型化を図ることができるし、電極間の相対位置が変化することなく精度良くしかも低価格の測定セル及び測定システムを実現できる。
また、本発明によれば、水晶基板の電極のうち試料ガスや試料溶液に晒される作用電極面の周辺を囲むように試料溜めを形成することによって、試料溶液に接着剤の混入又は試料溶液と接着剤との反応を防止することができる。
図1は本発明の実施例を示す構成図である。51は水晶基板で、この水晶基板51は、高周波化を図るため、比較的厚い水晶基板からその裏面の電極形成部が掘り下げられ、電極パターンとしては後述する図3又は図4で示すようになって、その表裏面には作用電極とその裏面電極になる52A,52Bと、これらに隣接して一対の電極53Aと53Bが対向して形成される。各電極52A,52B,53A,53Bは、それぞれ水晶基板51の両側にリード部を介して端子部54A,54B,55A,55Bに接続される。なお、水晶基板51の掘り込み部の厚みや電極面積は、前記までの実施形態と同様のものにされる。また、電極52A,53Aの近傍または水晶基板面に、参照電極(基準電極)及び対極電極が設けられる。
水晶基板51が載置される基台56は、水晶基板51の裏面に設けられる端子部54Bと55Bに電気的接触を得るための接触子57A、57Bが設けられ、これらはリード部を介して端子部58A,58Bに接続される。
基台56上に載置された水晶基板51の上面には、その端子部54A,55A位置に突出して一対の接触子59A,59Bがバネ性を有して設けられ、それらの他端が端子60A,60Bに引き出される。
オーリング61は、シリコンゴムなど、電気的絶縁性及び耐薬品性に優れた部材で構成され、水晶基板51の試料溶液等に晒される電極52A,53A面の周辺を囲んで水晶基板51上に載置され、電極部分に試料溜めを形成する。
上記の各端子部58A,58B,60A,60Bは、測定システムの構成に際しては、図14と同様の発振回路等の電気的特性測定回路に切換接続又は複数の電気的特性測定回路に接続される。
以上の構成において、試料溶液の検知・定量には、オーリング61を水晶基板51上に載置し、この載置で電極52A,53A部分を含めてその周辺に試料溜めを形成し、この試料溜め部分に試料溶液を注入または滴下させることで、作用電極52Aとその裏面電極52Bにおける発振周波数やインピーダンスなどの変化を測定する。また、一対の電極53A,53Bにおける試料溶液の粘度・密度等による発振周波数やインピーダンスの補正量が測定される。
QCMセンサデバイスは、高周波化のために一般には薄い水晶基板を採用し、この機械的強度を高めるために図3及び図4で示すように水晶基板を石英基板などの支持基板に接着する構造とされるが、水晶基板を試料溶液に晒したときに、溶液によっては水晶基板と支持基板とを接着している接着剤が溶け出してしまうことがある。
本実施形態のQCMセンサデバイスによれば、水晶基板51は従来の支持基板に接着されることなく単体構成になり、試料溶液に晒されるのはオーリング61で囲まれた作用電極52Aや電極53Aとそのリード部の一部のみになり、試料溶液に接着剤が混入または溶け出すことはない。
したがって、試料溶液に接着剤が混入したり、あるいは試料溶液と接着剤が反応して水晶振動子の作用電極52A面の吸脱着量が変化し、その検知・定量に誤差を発生させたり、誤った測定になるのを防止できる。
また、水晶基板51を単体構成とするため、その取り外しが容易になり、測定終了後に接触子を外して水晶基板を取り出し、洗浄や電極の再加工等が容易になる。
なお、実施形態において、オーリング61は、その断面形状が円形のものに限らず、四角形のものや帯状の構造など、試料の性質と溜められる量に応じて適当なものが用意される。例えば、帯状のものは、多くの試料を溜めることができる。
また、水晶基板51の支持は、基台56と接触子59A,59Bでバネ性を持たせて挟む構造にされるが、接触子自体をバネ材製のものを使用して挟む構造など、適宜変更することができる。
また、水晶基板51は、裏面のみを掘り下げた構造とする場合を示すが、一層の高周波化のために、試料溶液等に晒される面も掘り下げた構造でもよい。
図3は本発明に使用されるQCMセンサデバイスの構造例を示したもので、(a)は平面図、(b)は側面図である。
水晶基板31は、長方形で一様な厚みをもつATカット水晶で構成され、その支持基板としての石英基板32にシリコーン接着剤等で接着されてその支持とリード線引き出しがなされる。
水晶基板31は、電極形成部分がエッチングで掘り込まれ、この掘り込み部の中心部で表面に円形の作用電極33Aが、この作用電極に対向して裏面に電極33Bがスパッタリング法などで形成されると共に、そのリード部が形成される。なお、水晶基板31の掘り込み部の厚みは、前記の式(2)(3)に従った主共振周波数f0(5MHZや10MHZ)に応じて決定される。また、作用電極の面積は水晶振動子の特性、扱い易さ等を考慮しての最適設計で決められ、前記の式(4)〜(6)での感度を決める要素として使われる。
また、水晶基板31の作用電極33Aの面には、作用電極33Aを取り囲んで対極電極34がリード部と共に形成され、さらに作用電極33Aの近くに参照電極35が形成される。
石英基板32は、水晶基板31の各電極33A,33B,34,35のリード部に接続されるリード部36がパターン形成され、各電極のリード部とは導電性接着剤37(又はワイヤボンド)で個別に電気的に接続される。さらに、各電極のリード部と石英基板32上のリード部36にはシリコン等の電気絶縁性及び耐薬品性の高い被膜38で覆われる。
以上のように形成されたQCMセンサデバイスによれば、測定セルを構成するのに、図15における従来の容器21に参照電極22や対極電極23を設けることが不要になるし、これら電極の位置制御機構も不要になり、測定セルの小型化を図ることができる。また、作用電極に対する対極電極34や参照電極35の相対位置は、これらが水晶基板31に一体に形成されるため、精度良く常に同じ位置関係に保つことができる。
図4は、本発明に使用される他の電極パターンを有する水晶基板部分の平面図である。
同図が図3と異なる部分は、水晶基板31には、作用電極33Aとその裏面電極33B、参照電極35及び対極電極34に隣接させて、作用電極33Aとその裏面電極33Bと同等のパターンになる一対の電極39A,39Bを基板の表裏面に形成し、そのリード部で石英基板32側に引き出せるようにした構造にある。
この一対の電極39A,39Bは、作用電極33Aと同じ面の電極が作用電極33Aと一緒に試料に晒され、発振回路部40に接続されてその発振周波数f1(又はインピーダンスなど)が測定され、試料の粘度・密度の変化による作用電極の振動周波数又はインピーダンスなどの補正量検出電極としている。
この構造のQCMセンサデバイスによれば、電極39A,39Bが形成された水晶部分は、該試料溶液に一方の電極39Aが晒されてもその表面には試料成分の吸脱着が起きないため、試料成分による発振周波数又はインピーダンスなどの変化は起きないが、試料溶液の粘度及び密度の変化により発振周波数又はインピーダンスなどが変化する。一方、作用電極33Aが形成された水晶部分は、作用電極表面の吸脱着による発振周波数等の変化に加えて、試料溶液の粘度及び密度により発振周波数等が変化する。
すなわち、電極39A,39Bと発振回路部40による発振周波数等の測定は、作用電極33A部分の水晶部分が試料溶液の粘度及び密度で変化する発振周波数分又はインピーダンス分を測定することができ、この電極39A,39B部分で測定する発振周波数f1で作用電極33A部分で測定する発振周波数f2を補正する(差し引く)ことによって作用電極33A部分での測定に試料溶液の粘度及び密度による影響を取り除いた測定ができ
図2は、本発明の他の実施例を示すQCMセンサデバイス構造と、これを使った測定システムの側断面図である。
本実施例が図1と異なる部分は、試料溶液に晒される作用電極とこれに隣接する電極53Aの形成部分を掘り下げた構造とし、この掘り下げ部分を試料溜めにしたことである。
水晶基板51は、電極52Bおよび53Bが形成される面を掘り下げることなく平坦なものにし、試料溶液に晒される作用電極52Aとこれに隣接する電極53Aの形成部を試料溜めができるよう深く掘り下げ、その外周部が電極形成部よりも十分に高くなる構造としている。例えば、水晶基板51の外周部からみた電極形成部の深さは、数十μm〜数百μmとする。この外周部の上端部には端子部54A,54Bが形成される。
以上の構造になるQCMセンサデバイスを使用した測定システムは、図1と同様に、水晶基板51を基台56に載置することで裏面の電極52B,53Bを発振回路等に接続を得、作用電極52Aおよびこれに隣接する電極53Aの端子部54A,55Aをそれぞれ接触子に接触させることで発振回路等に接続を得る。
そして、水晶基板51の表面に形成される試料溜め部分に試料溶液を注入または滴下させることで、作用電極52Aおよびこれに隣接する電極53Aでの発振周波数やインピーダンスなどの変化を測定する。
したがって、本実施形態のQCMセンサデバイスによれば、図1の場合と同様に、水晶基板51は単体構成になり、試料溶液に晒されるのは作用電極52A,53Aとそのリード部のみになり、試料溶液に接着剤が混入または溶け出すことはない。
また、水晶基板51を単体構成とするため、その取り外しが容易になり、測定終了後に接触子を外して水晶基板を取り出し、洗浄や電極の再加工等が容易になる。
また、試料溶液や試料ガスに晒される作用電極の形成面は、その掘り込みを無くした構造とすることで、測定後の作用電極面側の洗浄等が容易になる。
本発明の実施例を示すQCMセンサデバイスと測定システムの構成図。 本発明の他の実施例を示すQCMセンサデバイスと測定システムの構成図。 本発明に使用される水晶基板の電極パターン図。 本発明に使用される水晶基板の他の電極パターン図。 QCMセンサによる周波数シフト特性図。 従来のセンサデバイス収納装置の構成図。 従来のQCM測定システム図。
符号の説明
31、51…水晶基板
32…石英基板(支持基板)
33A、52A…作用電極
33B、52B…裏面電極
39A、39B、53A、53B…作用電極と裏面電極に隣接された一対の電極
34…対極電極
35…参照電極
56…基台
61…オーリング

Claims (2)

  1. 水晶振動子の作用電極表面を試料ガスや試料溶液に晒したときの水晶振動子の電気的特性の変化から前記作用電極表面での試料成分の吸脱着を検知・定量するためのQCMセンサデバイスにおいて、
    水晶基板の表裏面に電極を対向させて形成した水晶振動子と、水晶基板の電極のうち試料ガスや試料溶液に晒される作用電極面の周辺を囲むよう配置された試料溜め部材を有し、この試料溜め部材は、電気的絶縁性及び耐薬品性をもつ部材よりなって前記作用電極部分に試料溜めを形成することを特徴とするQCMセンサデバイス。
  2. 水晶振動子の作用電極表面を試料ガスや試料溶液に晒したときの水晶振動子の電気的特性の変化から前記作用電極表面での試料成分の吸脱着を検知・定量するためのQCMセンサデバイスにおいて、
    水晶基板の表裏面に対向させて電極を形成し、前記水晶基板は試料ガスや試料溶液に晒される作用電極の形成部分に試料溜めを形成できる深さ以上に掘り下げた構造を特徴とするQCMセンサデバイス。


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