JP2005201216A - ベーン式流体機械 - Google Patents

ベーン式流体機械 Download PDF

Info

Publication number
JP2005201216A
JP2005201216A JP2004010889A JP2004010889A JP2005201216A JP 2005201216 A JP2005201216 A JP 2005201216A JP 2004010889 A JP2004010889 A JP 2004010889A JP 2004010889 A JP2004010889 A JP 2004010889A JP 2005201216 A JP2005201216 A JP 2005201216A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
vane
housing
fluid machine
type fluid
rotor
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Withdrawn
Application number
JP2004010889A
Other languages
English (en)
Inventor
Takashi Usui
隆 臼井
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toyota Motor Corp
Original Assignee
Toyota Motor Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toyota Motor Corp filed Critical Toyota Motor Corp
Priority to JP2004010889A priority Critical patent/JP2005201216A/ja
Publication of JP2005201216A publication Critical patent/JP2005201216A/ja
Withdrawn legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Rotary Pumps (AREA)

Abstract

【課題】容積効率及び機械効率の低下抑制を図り得るベーン式流体機械を提供する。
【解決手段】ハウジング21内には、外周面25にベーン溝26が凹設されたロータ23が回転可能に収容されている。ベーン溝26には、ベーン27が径方向に往復摺動可能に支持されている。ハウジング21内には、ロータ23及びベーン27によって区画された圧力室34が設けられている。ベーン27には、ハウジング21の各内側面とそれらに対向するベーン27の各側面との間隙を連通する連通孔51が形成されている。
【選択図】 図1

Description

本発明は、ロータの径方向に往復摺動可能に支持されるベーンを有してなるベーン式流体機械に関する。
従来、こうしたベーン式流体機械としては、例えば、特許文献1に示すようないわゆるベーン式ポンプが知られている。即ち、駆動源によってロータが回転されることで、ハウジング、ロータ及びベーンによって区画形成された圧力室が移動し、この移動に伴う圧力室の容積変動に基づいて、同圧力室への流体の導入、同流体の圧縮、及び同圧力室からの流体の吐出が行われる。
このような流体機械においては、ロータの軸線方向を臨むハウジングの両内側面と、これら内側面に対向するベーンの各側面との間に、ロータの回転を可能とするための僅かな間隙が存在する。こうした構成では、この間隙を通じて、高圧側の圧力室から低圧側の圧力室に流体が漏れ出るため、容積効率の低下を招くこととなる。
特開平7−197888
ところで、ベーンの両側面側に存在するこうした間隙の大きさは、実際には均等となりにくく、ひいてはこのような間隙の差が生じることに伴って、両側面に作用する流体圧にも差が生じることとなる。そして、こうした流体圧差の発生によりベーンはその一方の側面がハウジングの内側面に当接された状態となり、ロータの回転に伴ってベーンはハウジングの同内側面上を引きずられるようにして移動されることとなる。こうした現象は、ハウジングの内側面やベーンの側面において、摩耗や面荒れを引き起こし兼ねない。そして、摩耗は前述の間隙の拡大に伴う容積効率の低下要因に、また、面荒れはハウジングとベーンとの摺動抵抗の増大に伴う機械効率の低下要因になり得る。
本発明はこうした実情に鑑みてなされたものであり、その目的は、容積効率及び機械効率の低下抑制を図り得るベーン式流体機械を提供することにある。
以下、上記目的を達成するための手段及びその作用効果について記載する。
請求項1に記載の発明は、ハウジング内に回転可能に収納され外周面にベーン溝が凹設されたロータと、前記ベーン溝内に、前記ロータの径方向に往復摺動可能に支持されたベーンと、前記ハウジング、前記ロータ及び前記ベーンによって区画形成された圧力室とを備えてなるベーン式流体機械において、前記ハウジングの各内側面とそれらに対向する前記ベーンの各側面との間隙を連通する連通部を前記ベーンに形成したことをその要旨とする。
上記構成によれば、例えベーンの一方の側面側と他方の側面側とでベーンに作用する流体圧に差が生じたとしても、連通部を介して高圧側の流体が低圧側に導入されることで前述の圧力差は低減されることとなる。従って、低圧側のハウジングの内側面に対するベーンの押圧力が小さくなり、同内側面やベーン表面において、摩耗や面荒れが抑制される。よって、これら摩耗や面荒れに起因した、容積効率や機械効率の低下が抑制される。
ちなみに、こうした連通部としては、請求項2に記載の発明によるように、請求項1に記載のベーン式流体機械において、前記連通部は、前記ハウジングの各内側面とそれらに対向する前記ベーンの各側面との間隙を連通する連通孔である、といった態様がある。
請求項3に記載の発明は、請求項1又は2に記載のベーン式流体機械において、前記連通部は前記往復摺動によって前記ハウジング内で前記ベーンが前記ベーン溝から最も突出した状態での突出部分に設けられていることをその要旨とする。
ベーンにおいてベーン溝から突出した部分(突出部分)は、圧力室の区画壁として機能し、突出していない部分(非突出部分)はベーン溝内に入り込んでおり区画壁としては殆ど機能しない。よって、ベーンを境界としたロータ回転方向の一方側と他方側との流体圧差に関しては、突出部分を境界とした流体圧差が非突出部分を境界とした流体圧差よりも大きくなる。従って、ハウジングの内側面に対するベーンの押圧力の発生要因となる、ベーンの一方の側面側と他方の側面側とで生じる前述の流体圧差は、上記突出部分においてより大きくなり易い。本発明では、往復摺動によってハウジング内でベーン溝から最も突出した状態でのベーンの突出部分に連通部を設けるようにしたため、上記押圧力の発生要因となる流体圧差を好適に低減することができる。
請求項4に記載の発明は、請求項1〜3のいずれか一項に記載のベーン式流体機械において、前記連通部は、前記ハウジングの各内側面とそれらに対向する前記ベーンの各側面との間隙を連通する連通溝であり、前記連通溝は前記往復摺動によって前記ハウジング内で前記ベーンが前記ベーン溝から最も突出した状態での突出部分に設けられていることをその要旨とする。
上記構成によれば、例えベーンの一方の側面側と他方の側面側とでベーンに作用する流体圧に差が生じたとしても、連通溝を介して高圧側の流体が低圧側に導入されることで前述の圧力差は低減されることとなる。
ベーンにおいてベーン溝から突出した部分(突出部分)は、圧力室の区画壁として機能し、突出していない部分(非突出部分)はベーン溝内に入り込んでおり区画壁としては殆ど機能しない。よって、ベーンを境界としたロータ回転方向の一方側と他方側との流体圧差に関しては、突出部分を境界とした流体圧差が非突出部分を境界とした流体圧差よりも大きくなる。従って、ハウジングの内側面に対するベーンの押圧力の発生要因となる、ベーンの一方の側面側と他方の側面側とで生じる前述の流体圧差は、上記突出部分においてより大きくなり易い。本発明では、往復摺動によってハウジング内でベーン溝から最も突出した状態でのベーンの突出部分に連通部を設けるようにしたため、上記押圧力の発生要因となる流体圧差を好適に低減することができる。
請求項5に記載の発明は、請求項1〜4のいずれか一項に記載のベーン式流体機械において、前記ベーンは、前記ロータの周方向を臨む、前記ベーン溝との摺動面を有し、同摺動面と前記ベーンの側面とのコーナー部分には、平面取り部及び曲面取り部の少なくとも一方が設けられていることをその要旨とする。
例えば、ベーンの摺動面と、この摺動面と摺動してベーンを案内するベーン溝の内面との間に間隙が存在する場合、ロータの回転中においては、ベーンがハウジングの一方の内側面と接触したときに引きずられること等により、ベーンはベーン溝内で傾動してしまうことがある。このような場合、ハウジングの内側面は、ベーンのコーナー部分が押し付けられ、これに引っ掻かれるような状態となりがちである。これは、ハウジングの内側面の摩耗や面荒れを引き起こす要因となりかねない。
また、ベーンの摺動面が傾斜することで、前述のコーナー部分のみならずこれと対角関係にある他のコーナー部分がハウジングのもう一方の内側面に当接してこれに押し付けられることにもなりかねない。この場合、ベーンがハウジングの両内側面間で突っ張った状態となって押圧力が増大される虞もある。
本発明では、コーナー部分に平面取り部及び曲面取り部の少なくとも一方を設けるようにしたため、これらを設けない、即ち直交する摺動面と側面とで形成されるコーナー部分と比較して、コーナー部分が鈍く、即ち平面取り部を設けた場合には鈍角に、曲面取り部を設けた場合には角が無い状態になる。従って、ハウジングの内側面と当接し得るコーナー部分が鈍くなることで、同当接が生じた場合においてハウジングの内側面が受ける損傷の程度を軽減することができる。また、対角関係にあるコーナー部分どうしの距離を短くできるため、前述のようにベーンが傾斜した場合にベーンがハウジングの両内側面に押し付けられるのを回避できる。さらに、平面取り部や曲面取り部を設けることで、コーナー部分におけるベーン表面とハウジングの内側面とがなす挟角を小さくすることができるため、これに伴うくさび効果によって両者間への流体導入が促進されて潤滑性が向上し得るとともにヘルツ面圧の低減が可能となり、前述した摩耗や面荒れの抑制がより好適になり得る。
なお、前述した平面取り部とは、ベーンをロータの径方向に見たときの断面形状が直線となる面取り部を指し、曲面取り部とは、曲線となる面取り部を指している。
請求項6に記載の発明は、請求項5に記載のベーン式流体機械において、前記コーナー部分に設けられた面取り部は前記平面取り部であり、前記ベーンの側面を平行に延長した仮想平面と、前記平面取り部を構成する平面との挟角は、前記ベーンの側面が前記ハウジングの内側面に対して傾斜し得る最大の角度よりも大きいことをその要旨とする。
上記構成によれば、前述の挟角は、ベーンの側面がハウジングの内側面に対して傾斜し得る最大の角度よりも大きいため、仮にベーンが上記のように傾斜したとしても、例えばコーナ部分に面取り部の設けられないベーンが同様に傾斜した場合と比較して、コーナー部分におけるベーン表面とハウジングの内側面とがなす挟角が小さくなる。従って、同部分において前述の潤滑性がより一層向上するとともにヘルツ面圧の更なる低減が可能となり、前述した摩耗や面荒れの抑制がより一層好適となる。
請求項7に記載の発明は、請求項5又は6に記載のベーン式流体機械において、前記面取り部は、前記ベーンの側面に形成された前記連通部の開口と重ならないように形成されていることをその要旨とする。
上記構成によれば、ベーンを隔てて隣接し合う圧力室どうしが連通部の開口部分を介して連通するのが回避される。従って、高圧側の圧力室から低圧側の圧力室への流体の流出が抑制され、容積効率の低下が抑えられる。
以下、本発明の一実施形態を図1〜図4に従って説明する。
本実施形態では、ベーン式流体機械として、油(流体)を圧送するためのいわゆるベーン式ポンプを採用している。即ち図1に示すように、ベーン式ポンプ11は、ハウジング21と、同ハウジング21内に形成されたロータ室22に収容されたロータ23とを有している。ロータ23は、同ロータ23に固定された回転軸24を、図示しない外部駆動源の動力によって回転させることで、ロータ室22において回転軸24の中心軸線L周りに回転される。即ちロータ23と回転軸24とは同一の軸線L周りに回転される。
ロータ23の外周面25には、放射状に複数(本実施形態では10箇所)のベーン溝26が凹設されている。本実施形態においては、各ベーン溝26はその深さ方向がロータ23の径方向と一致するようにして形成されている。これらベーン溝26においてはそれぞれ、ベーン溝26の深さ方向即ちロータ23の径方向に往復動可能にベーン27が支持されている。
図2に示すように、各ベーン27は、ベーン溝26においてロータ23の周方向を臨む案内面28に摺接される摺動面29を有している。即ちベーン27は、その摺動面29がベーン溝26の案内面28に摺動されることでロータ23の径方向に往復動可能に案内されるようになっている。ベーン27は、図示しないスプリングや、ベーン溝26内に入り込んだ油の圧力等によってロータ23の径方向外側に向けて押圧力を受けるになっており、これによってハウジング21の内周面30に先端が押接されるようになっている。
また、図3に示すように、各ベーン27において軸線L方向を臨む側面31は、ロータ室22の内面を構成する面であって軸線L方向を臨むハウジング21の内側面32に対して摺接可能となっている。そして、このハウジング21の内側面32に対向するロータ23の側面33、及び前述のベーン27の側面31と、ハウジング21の内側面32との間には、ロータ室22における軸線L周りでのロータ23及びベーン溝26の回転を可能とするための僅かな間隙が設けられている。なお、この図3においては同間隙の図示が省略されている。
そして図1〜図3に示すように、こうしたハウジング21の内周面30及び内側面32、ロータ23の側面33、及び各ベーン27によって、ロータ室22には、ハウジング21内での油経路となる圧力室34が複数(10箇所)区画形成されている。回転軸24即ちロータ23の回転に伴い各圧力室34の容積が変化することで、油タンク41から導入経路42を介して圧力室34に導入された前述の油が、加圧されて排出経路43を介して排出される。なお導入経路42には、圧力室34に導入する油に対して予圧を加えるためのフィードポンプ44が設けられている。
次に、本実施形態の特徴的な構成について説明する。
図2、及び図3に示すように、各ベーン27には、ハウジング21の各内側面32とそれらに対向するベーン27の各側面31との間隙を連通する連通部としての断面略円形状の連通孔51が貫設されている。連通孔51は、ベーン27が前述の往復摺動においてロータ室22でベーン溝26から最も突出した状態、即ち本実施形態では図2において示す真ん中(3つのベーン27のうちの真ん中)の状態での突出部分(図2に示すPの範囲に対応する部分)に設けられている。
本実施形態では、例えば、ベーン27の一方の側面31側と他方の側面31側とで、ハウジング21の内側面32との間隙に差が生じること等によって、ベーン27に作用する油の圧力に差が生じた場合に、この圧力差によって高圧側の油が連通孔51を介して低圧側に導入され、その結果、前述の圧力差が低減されるようになっている。従って、低圧側のハウジング21の内側面32に対するベーン27の押圧力(ヘルツ面圧に係る押圧力等)が小さくなり、同内側面32やベーン27表面において、摩耗や面荒れが抑制される。よって、これら摩耗に起因した間隙の増大による、隣り合った圧力室34どうしの間での油漏れや、面荒れに起因した摩擦抵抗増加が抑制され、ひいては、ベーン式ポンプ11の容積効率や機械効率の低下が抑制される。
また本実施形態においては、前述のように連通孔51がベーン27における上記突出部分に設けられることで、前述の容積効率や機械効率の低下抑制が好適なものとなるようになっている。即ち、ベーン27においてベーン溝26から突出した部分(突出部分)は、圧力室34の区画壁として機能し、突出していない部分(非突出部分)はベーン溝26内に入り込んでおり区画壁としては殆ど機能しない。よって、ベーン27を境界とした隣り合う圧力室34間の圧力差に関しては、突出部分を境界とした圧力差が非突出部分を境界とした圧力差よりも大きくなる。従って、ハウジング21の内側面32に対するベーン27の押圧力の発生要因となる、ベーン27の一方の側面31側と他方の側面31側とで生じる前述の圧力差は、上記突出部分においてより大きくなり易い。
本実施形態ではこうしたことから、ロータ室22でベーン溝26から最も突出した状態でのベーン27の突出部分に連通孔51を設けるようにしたため、上記押圧力の発生要因となる圧力差を好適に低減することができる。
さらに本実施形態では、ベーン27において摺動面29と側面31とのコーナー部分に、平面取り部Cが設けられている。この平面取り部Cは、図3に示すように上記コーナー部分における断面形状が直線となる面取り部である。
例えば、図4に誇張して示すように、ベーン27の摺動面29と、この摺動面29と摺動してベーン27を案内するベーン溝26の案内面28との間に間隙が存在するものとする。この場合、ロータ23の回転中においては、ベーン27がハウジング21の一方の内側面32と接触したときに引きずられること等により、ベーン27はベーン溝26内において軸線L方向及び周方向に傾動(図4では図面に向かって反時計回転方向に傾動)してしまうことがある。このとき、ハウジング21の内側面32は、ベーン27の前述したコーナー部分が押し付けられ、これに引っ掻かれるような状態となりがちである。これは、ハウジング21の内側面32の摩耗や面荒れを引き起こす要因となりかねない。
また、仮に、前述した平面取り部Cが設けられずこのコーナー部分が直角を呈しているとした場合、ベーン27の摺動面29が軸線L方向及び周方向に傾斜することで、前述のコーナー部分のみならずこれと対角関係にある他のコーナー部分がハウジング21のもう一方の内側面32に当接してこれに押し付けられることにもなりかねない。この場合、ベーン27がハウジング21の両内側面32間で突っ張った状態となって押圧力が増大される虞もある。
本実施形態ではこうしたことから、上記コーナー部分に平面取り部Cを設けるようにしたため、これらを設けない、即ち前述のような直角を呈したコーナー部分と比較して、コーナー部分が鈍く、即ち鈍角になる。従って、ハウジング21の内側面32と当接し得るコーナー部分が鈍くなることで、同当接が生じた場合においてハウジング21の内側面32が受ける損傷の程度を軽減することができる。また、対角関係にあるコーナー部分どうしの距離を短くできるため、前述のようにベーン27が傾斜した場合にベーン27がハウジング21の両内側面32に押し付けられるのを回避できる。
また本実施形態では、ベーン27の側面31に対する平面取り部C面(平面取り部Cを構成する平面)の角度を、図4に示すように所定角度θ3に設定している。即ち、この所定角度θ3は、ベーン27の側面31を平行に延長した仮想平面Sと、平面取り部C面との挟角に相当し、本実施形態では45度未満に設定されている。そしてこの所定角度θ3は、以下の式1を満たすように設定されている。
θ1+θ2<θ3 …(式1)
ここで、角度θ1は、図4に誇張して示すように、ロータ23の側面33とハウジング21の内側面32との間に前述の間隙が存在することによりロータ23の側面33がハウジング21の内側面32に対して傾斜した際、側面33と内側面32とが最大限なし得る挟角に相当する。また、角度θ2は、同図に誇張して示すように、ベーン27の摺動面29がベーン溝26の案内面28に対して傾斜した際、摺動面29と案内面28とが最大限なし得る挟角に相当する。
即ち、所定角度θ3は、45度未満であって、かつ、ベーン27の側面31がハウジング21の内側面32に対して軸線L方向及び上記周方向に傾斜し得る最大の角度よりも大きく設定されている。所定角度θ3が45度未満に設定されることにより、ベーン27の側面31と平面取り部C面とで形成される角部の内角は、ベーン27の摺動面29と平面取り部C面とで形成される角部の内角よりも大きく、即ち鈍くなる。また、所定角度θ3は、ベーン27の側面31がハウジング21の内側面32に対して軸線L方向及び周方向に傾斜し得る最大の角度よりも大きいため、ベーン27の側面31がハウジング21の内側面32に対して上記両方向に傾斜した場合に、前述の鈍い方の角部がハウジング21の内側面32に当接することはあっても他方の角部は当接し得ない。従って、平面取り部Cが設けられることで形成される角部のうち鈍くない、即ち鋭い方の角部とハウジング21の内側面32との当接が防止されるため、同内側面32の摩耗や面荒れがより好適に抑制されることとなる。
またこの場合、平面取り部C面とハウジング21の内側面32とでなす挟角は、例えばコーナー部分に平面取り部Cを設けない、即ち直交する摺動面29と側面31とでコーナー部分を形成した態様における摺動面29とハウジング21の内側面32とでなす挟角と比較して小さくなり得る。即ち、平面取り部Cを設けることで、コーナー部分におけるベーン27表面とハウジング21の内側面32とがなす挟角が小さくなり得る。そのため、これに伴うくさび効果によって両者間への油の導入が促進されて潤滑性が向上し得るとともにヘルツ面圧の低減が可能となり、前述した摩耗や面荒れの抑制がより好適になり得る。
特に、式1に示される角度関係を有する本構成においては、ベーン27において平面取り部C面と摺動面29との交わる部分に形成される角部がハウジング21の内側面32と当接することがない。よって、ベーン27表面とハウジング21の内側面32とでなす挟角(この場合、平面取り部C面とハウジング21の内側面32とでなす挟角)は、コーナー部分に平面取り部Cを設けない前述の態様における摺動面29とハウジング21の内側面32とでなす挟角と比較してこれ以上の大きさになることがない。即ち、コーナー部分におけるベーン27表面とハウジング21の内側面32とがなす挟角が小さくなる。そのため、前述の潤滑性向上効果が一層大きくなるとともにヘルツ面圧の低減効果が大となり、前述した摩耗や面荒れの抑制がより一層好適なものとなる。
さらに本実施形態では、ベーン27の側面31における連通孔51の開口52が平面取り部Cと重ならないように形成されている。これにより、ベーン27を隔てて隣接し合う圧力室34どうしが、連通孔51の開口52部分を介して連通するのが回避される。従って、高圧側の圧力室34から低圧側の圧力室34への油の流出が抑制され、容積効率の低下が抑えられる。
上述したように、本実施形態によれば以下のような効果を得ることができる。
(1)ハウジング21の各内側面32とそれらに対向するベーン27の各側面31との間隙を連通する連通孔51をベーン27に形成した。これによれば、例えベーン27の一方の側面31側と他方の側面31側とでベーン27に作用する流体圧に差が生じたとしても、連通孔51を介して高圧側の流体が低圧側に導入されることで前述の圧力差は低減されることとなる。従って、低圧側のハウジング21の内側面32に対するベーン27の押圧力が小さくなり、同内側面32やベーン27表面において、摩耗や面荒れが抑制される。よって、これら摩耗や面荒れに起因した、容積効率や機械効率の低下が抑制される。
(2)連通孔51は前記往復摺動によってベーン27がベーン溝26から最も突出した状態での突出部分に設けられている。これによれば、ハウジング21の内側面32に対するベーン27の押圧力の発生要因となる流体圧差を好適に低減することができる。
(3)ベーン27において摺動面29と側面31とのコーナー部分には、平面取り部Cが設けられている。これによれば、ベーン27においてハウジング21の内側面32と当接し得るコーナー部分が鈍くなることで、同当接が生じた場合においてハウジング21の内側面32が受ける損傷の程度を軽減することができる。また、対角関係にあるコーナー部分どうしの距離を短くできるため、前述のようにベーン27が傾斜した場合にベーン27がハウジング21の両内側面32に押し付けられるのを回避できる。さらに、平面取り部Cを設けることで、コーナー部分におけるベーン27表面とハウジング21の内側面32とがなす挟角を小さくすることができるため、これに伴うくさび効果によって両者間への流体導入が促進されて潤滑性が向上し得るとともにヘルツ面圧の低減が可能となり、前述した摩耗や面荒れの抑制がより好適になり得る。
(4)ベーン27の側面31を平行に延長した仮想平面Sと、平面取り部Cを構成する平面との挟角は、ベーン27の側面31がハウジング21の内側面32に対して傾斜し得る最大の角度よりも大きい。そのため、仮にベーン27が傾斜したとしても、例えばコーナ部分に面取り部の設けられないベーンが同様に傾斜した場合と比較して、コーナー部分におけるベーン27表面とハウジング21の内側面32とがなす挟角が小さくなる。従って、前述したベーン27とハウジング21との間での上記潤滑性が一層向上するとともにヘルツ面圧の更なる低減が可能となり、上記摩耗や面荒れの抑制がより一層好適となる。
(5)ベーン27において所定角度θ3は45度未満に設定されている。よって、平面取り部Cが設けられることでベーン27に形成される角部のうち鈍くない、即ち鋭い方の角部とハウジング21の内側面32との当接が防止されるため、同内側面32の摩耗や面荒れがより抑制されることとなる。
(6)平面取り部Cは、ベーン27の側面31に形成された連通孔51の開口52と重ならないように形成されている。これによれば、ベーン27を隔てて隣接し合う圧力室34どうしが開口52部分を介して連通するのが回避される。従って、高圧側の圧力室34から低圧側の圧力室34への流体の流出が抑制され、容積効率の低下が抑えられる。
なお、実施の形態は前記に限定されるものではなく、例えば、以下の様態としてもよい。
・連通孔51は、ベーン27が前述の往復摺動においてロータ室22でベーン溝26から最も突出した状態でのベーン27の非突出部分に設けられてもよい。
・連通孔51は、ベーン27において複数設けられてもよい。
・連通孔51の開口52は、平面取り部Cに重なっていてもよい。このとき、開口52がベーン27の一方の側面31側における両平面取り部Cにまたがるようにして形成されていてもよい。この場合であっても、ベーン27とハウジング21の内側面32との摺接に伴う摩耗や面荒れを抑制することはできる。
・連通孔51はその断面形状が円形のものに限らず、例えば、図5に示すように断面形状が上記径方向に長い長穴状とされてもよい。
・前記実施形態では、ベーン27に連通孔51を設けたが、ベーン27の摺動面29等において、ベーン27の一方の側面31側の間隙(側面31と内側面32との間隙)と他方の側面31側の間隙とを連通する連通溝を貫設してもよい。この連通溝は、ベーン27表面において径方向の外側の先端部等、前記往復摺動によってベーン27がベーン溝26から最も突出した状態での突出部分に設けられることが望ましい。この構成によれば、前述した(1)及び(2)と同様の効果が得られる。なお、連通溝は、前述の連通孔51とともに設けられていてもよく、連通溝のみが設けられていてもよい。
・ベーン27のコーナー部分における前述の所定角度θ3は、45度以上に設定されていてもよく、さらに、前述の式1を満たす関係になくてもよい。この場合であっても、例えばコーナー部分に平面取り部Cが設けられない態様と比較して、ハウジング21の内側面32に当接するベーン27の角部をより鈍角にできる。
・前述した平面取り部Cに代えて、ベーン27のコーナー部分にR面取り部等の曲面取り部を設けてもよい。この場合、ハウジング21の内側面32に対するベーン27の角当たりがなくなるため、同内側面32が受ける損傷の程度をさらに好適に抑制することができる。
・ベーン27において、前述した平面取り部Cや曲面取り部等の面取り部を設けることなく、コーナー部分を、直交する摺動面29と側面31とで構成するようにしてもよい。この場合であっても、前述した、連通孔51を介した一方の側面31側から他方の側面31側への油の導入に基づく差圧低減によって、ベーン27とハウジング21の内側面32との摺接に伴う摩耗や面荒れを抑制することはできる。
・本発明を、前述したようなベーン式ポンプ11にではなく、外部圧力源から圧力室に高圧流体を導入することでロータを回転させるいわゆるベーン式モータからなるベーン式流体機械に適用してもよい。
本発明の一実施形態に適用されるベーン式ポンプを示す概略断面図。 同実施形態のベーン式ポンプの部分拡大断面図。 図2の3−3線における断面図。 同実施形態においてハウジング内でのベーンの傾斜状態を示す説明図。 同実施形態の変形例についてその部分拡大断面図。
符号の説明
11…ベーン式ポンプ、21…ハウジング、23…ロータ、25…ロータの外周面、26…ベーン溝、27…ベーン、28…ベーン溝の案内面、29…ベーンの摺動面、30…ハウジングの内周面、31…ベーンの側面、32…ハウジングの内側面、33…ロータの側面、34…圧力室、35…ベーン溝の開口端部、51…連通孔、52…連通孔の開口、C…平面取り部、S…仮想平面、θ1,θ2,θ3…角度。

Claims (7)

  1. ハウジング内に回転可能に収納され外周面にベーン溝が凹設されたロータと、前記ベーン溝内に、前記ロータの径方向に往復摺動可能に支持されたベーンと、前記ハウジング、前記ロータ及び前記ベーンによって区画形成された圧力室とを備えてなるベーン式流体機械において、
    前記ハウジングの各内側面とそれらに対向する前記ベーンの各側面との間隙を連通する連通部を前記ベーンに形成した
    ことを特徴とするベーン式流体機械。
  2. 請求項1に記載のベーン式流体機械において、
    前記連通部は、前記ハウジングの各内側面とそれらに対向する前記ベーンの各側面との間隙を連通する連通孔である
    ことを特徴とするベーン式流体機械。
  3. 請求項1又は2に記載のベーン式流体機械において、
    前記連通部は前記往復摺動によって前記ハウジング内で前記ベーンが前記ベーン溝から最も突出した状態での突出部分に設けられている
    ことを特徴とするベーン式流体機械。
  4. 請求項1〜3のいずれか一項に記載のベーン式流体機械において、
    前記連通部は、前記ハウジングの各内側面とそれらに対向する前記ベーンの各側面との間隙を連通する連通溝であり、
    前記連通溝は前記往復摺動によって前記ハウジング内で前記ベーンが前記ベーン溝から最も突出した状態での突出部分に設けられている
    ことを特徴とするベーン式流体機械。
  5. 請求項1〜4のいずれか一項に記載のベーン式流体機械において、
    前記ベーンは、前記ロータの周方向を臨む、前記ベーン溝との摺動面を有し、同摺動面と前記ベーンの側面とのコーナー部分には、平面取り部及び曲面取り部の少なくとも一方が設けられている
    ことを特徴とするベーン式流体機械。
  6. 請求項5に記載のベーン式流体機械において、
    前記コーナー部分に設けられた面取り部は前記平面取り部であり、前記ベーンの側面を平行に延長した仮想平面と、前記平面取り部を構成する平面との挟角は、前記ベーンの側面が前記ハウジングの内側面に対して傾斜し得る最大の角度よりも大きい
    ことを特徴とするベーン式流体機械。
  7. 請求項5又は6に記載のベーン式流体機械において、
    前記面取り部は、前記ベーンの側面に形成された前記連通部の開口と重ならないように形成されている
    ことを特徴とするベーン式流体機械。
JP2004010889A 2004-01-19 2004-01-19 ベーン式流体機械 Withdrawn JP2005201216A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2004010889A JP2005201216A (ja) 2004-01-19 2004-01-19 ベーン式流体機械

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2004010889A JP2005201216A (ja) 2004-01-19 2004-01-19 ベーン式流体機械

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2005201216A true JP2005201216A (ja) 2005-07-28

Family

ID=34823477

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2004010889A Withdrawn JP2005201216A (ja) 2004-01-19 2004-01-19 ベーン式流体機械

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2005201216A (ja)

Similar Documents

Publication Publication Date Title
KR102249115B1 (ko) 압축기
JP2011169199A (ja) ベーンロータリ型流体装置及び圧縮機
WO2022009767A1 (ja) 摺動部品
JP2009197795A (ja) 回転式流体機械
JP5657144B2 (ja) ベーン型圧縮機
CN214366711U (zh) 旋转式压缩机
JP3724495B1 (ja) 回転式流体機械
EP2960510A1 (en) Variable capacity vane pump
KR20180080885A (ko) 로터리 압축기
JP2016121608A (ja) 可変容量ポンプ
JP5932608B2 (ja) ベーン型圧縮機
EP2078863B1 (en) Compressor
JP2005201216A (ja) ベーン式流体機械
JP4821660B2 (ja) シングルスクリュー圧縮機
US11428223B2 (en) Rotary compressor with wear avoiding portion
JP2011236823A (ja) スクリュー圧縮機
KR102442465B1 (ko) 로터리 압축기
JP2009108762A (ja) 回転式流体機械
WO2022003934A1 (ja) ロータリ圧縮機及びローリングピストンの製造方法
JP2017206962A (ja) ポンプ
KR102317529B1 (ko) 로터리 압축기
JP6017023B2 (ja) ベーン型圧縮機
JP7047792B2 (ja) 圧縮機
JP2010242656A (ja) シングルスクリュー圧縮機
JP4832041B2 (ja) 内接歯車式ポンプ

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Effective date: 20061109

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

A761 Written withdrawal of application

Effective date: 20081224

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A761