JP5932608B2 - ベーン型圧縮機 - Google Patents

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Description

この発明は、ベーン型圧縮機に関する。
一般的なベーン型圧縮機は、シリンダ内に収容したロータを回転軸により回転して、ロータ部内に一箇所または複数箇所形成されたベーン溝内に嵌入されたベーンとロータ外周面およびシリンダの内周面により形成される圧縮室を、ベーンの回転により吸入室から冷媒ガスを吸入し、圧縮された冷媒ガスを圧縮室内に設置した吐出ポートから吐出室へ吐出するように構成されている。また、ベーンが常にシリンダの内周面の中心周りに回転するように保持され、ベーン先端部がシリンダの内周面に摺動もしくは微小隙間だけ離れて回転運動を行うベーン型圧縮機が知られている(たとえば特許文献1参照)。
このようなベーン型圧縮機において、シリンダ内周面がロータ外周面に最も近接する最近接点において、シリンダ内部空間は圧縮室と吸入室とに分割される。最近接点を跨いだ2つの空間の圧力差は大きくなるため、最近接区間での冷媒ガスの漏れを抑制するために最近接点におけるシール性を確保することが重要となる。
そこで、シリンダ内周面とロータ外周面とによるシール性を確保するために、シリンダ内周面とロータ外周面とが面でシールすることが提案されている(たとえば特許文献2参照)。特許文献2には、シリンダの内周面が、ロータの外周面と同心円弧状に形成された領域を有し、さらにこの同心円弧部分とそれに隣接する曲線部とが連続曲線で結ばれた形状を有している。そして、ベーン先端部がシリンダ内周面に押し付けられ、シリンダ内周面の連続曲線形状に沿って滑動する。
国際公開第2012/023426号 特開昭58―35289号公報
上述のように、シリンダ内周面とロータ外周面とのシール性を確保するためには、シリンダ内周面にロータ外周面と同心円弧状に形成された領域において面シールすることが望ましい。しかしながら、特許文献2のようにシリンダ内周面が曲率の異なる複数の曲線からなる場合、シリンダ内周面の形状に沿って滑動するベーンの運動が不連続になり、ベーン飛びやチャタリング等によりベーンの運動の信頼性を低下させてしまうおそれがある。
この発明は、上記のような課題を解決するためになされたもので、シール性を確保しながらベーンの運動の信頼性を向上させることができるベーン型圧縮機を提供するものである。
本発明に係るベーン型圧縮機は、円筒状のシリンダとシリンダ内でシリンダの内周面の中心に対し偏心した回転軸を中心に回転運動する円柱形のロータ部及びロータ部に回転力を伝達するシャフト部を有するロータシャフトと、ロータ部シリンダの内周面の中心周りに回転するように保持されたベーンとを備え、ベーンが、シリンダの内周面の法線方向に移動可能であって、ベーンの先端部がシリンダの内周面の円周上に沿って回転可能に保持されており、シリンダの内周面が、ロータ部の偏心側にロータ部の一部が入り込む凹部を有し、凹部において、ロータ部の外周面と協働してシリンダの内周面とロータ部の外周面との間の空間を仕切るシール領域が形成され、凹部の一部に複数のシール領域が形成されていることを特徴とするものである。
本発明に係るベーン型圧縮機によれば、ベーンがロータ部内においてシリンダの内周面の法線方向に移動可能であって、ベーン先端部がシリンダの内周面の円周上に沿って回転可能に保持されており、ロータ部の一部が入り込む凹部にシール領域が形成されていることにより、ベーンが凹部内を通過する際、ベーン先端部がロータ部内に位置しながら回転移動し、シリンダ内周面の形状は不連続であってもベーンの先端部はシリンダ内周面の形状に依存せずに円運動を行うため、シリンダ内周面とロータ部の外周面とのシール性を確保しながらベーン運動の信頼性を向上させることができる。
本発明のベーン型圧縮機の実施形態1を示す縦断面図である。 図1のベーン型圧縮機の圧縮要素の分解斜視図である。 図1のベーン型圧縮機における第1のベーンおよび第2のベーンの一例を示す模式図である。 図1のベーン型圧縮機におけるI−I縦断面図である。 図1のベーン型圧縮機におけるベーンアライナ部の回転動作を示す断面図である。 図1のベーン型圧縮機の圧縮動作を示す断面図である。 図4におけるベーン部の周辺部位を示す要部断面図である。 ベーン先端部が凹部の位置周辺にあるときのベーン部の周辺部位の様子を示す要部断面図である。 ベーン先端部が凹部の位置周辺にあるときのベーン部の周辺部位の様子を示す要部断面図である。 ベーン先端部が凹部の位置周辺にあるときのベーン部の周辺部位の様子を示す要部断面図である。 本発明のベーン型圧縮機の実施形態2におけるベーン部の周辺部位の様子を示す要部断面図である。 本発明のベーン型圧縮機の実施形態3におけるベーン部の周辺部位の様子を示す要部断面図である。
実施形態1.
図1は本発明のベーン型圧縮機の実施形態1を示す縦断面図であり、図1を参照してベーン型圧縮機200について説明する。なお、図1において実線で示す矢印は流体(ガス冷媒)の流れ、破線で示す矢印は冷凍機油25の流れを示している。図1のベーン型圧縮機200は、密閉容器103と、密閉容器103内に収納された圧縮要素101と、圧縮要素101の上部に位置し圧縮要素101を駆動する電動要素102と、密閉容器103内の底部に設けられ、冷凍機油25を貯溜する油溜め104で構成される。
圧縮要素101を駆動する電動要素102は、例えばブラシレスDCモータで構成される。電動要素102は、密閉容器103の内周に固定される固定子21と、固定子21の内側に配設された、永久磁石を使用する回転子22とを備える。固定子21には密閉容器103の上面に溶接により固定されたガラス端子23から電力が供給される。密閉容器103の側面には吸入管26が取り付けられており、上面には吐出管24が取り付けられている。
図2は図1のベーン型圧縮機200における圧縮要素101の一例を示す分解斜視図、図3は第1のベーンおよび第2のベーンの一例を示す模式図、図4は図1のベーン型圧縮機200におけるI−I縦断面図をそれぞれ示すものであり、図1から図4を参照して圧縮要素101について説明する。尚、図1から図4のベーン型圧縮機200においてはベーンが2つ設けられた場合について例示する。
(1)シリンダ1:全体形状が略円筒状で、軸方向の両端部が開口している。シリンダ内周面1bの一部には、軸方向に貫通し外側に抉られた切欠き部1cが設けられており、切欠き部1cには吸入管26と連通した吸入ポート1aが開口している。また、シリンダ1にはガス(冷媒)を吐出するための吐出ポート1dおよび座ぐり部1gが設けられている。また、外周部には軸方向に貫通した油戻し穴1eが設けられている。
(2)フレーム2:断面が略T字状で、シリンダ1に接する部分が略円板状であり、シリンダ1の一方の開口部(図2では上側)を閉塞する。フレーム2のシリンダ1側の端面には、外周面がシリンダ内周面1bと同心円で形成される円形状の凹部2aが形成されており、フレーム2の中央部は円筒状の主軸受部2cが設けられている。また、フレーム2には軸方向に貫通した吐出ポート2dが設けられており、吐出ポート2dはシリンダ1の第1の吐出ポート1dに連通している。さらに吐出ポート2dのシリンダ1の反対側の面には、吐出弁41および吐出弁41の開度を規制するための吐出弁押え42が取付けられている。
(3)シリンダヘッド3:断面が略T字状で、シリンダ1に接する部分が略円板状であり、シリンダ1の他方の開口部(図2では下側)を閉塞する。シリンダヘッド3のシリンダ1に対向する対向面には円形状の凹部3aが形成されており、凹部3aの外周面はシリンダ内周面1bと同心円状に形成されている。また、シリンダヘッド3の中央部には円筒状の主軸受部3cが設けられている。
(4)ロータシャフト4:シリンダ1内で回転運動する円柱形のロータ部4aおよびロータ部4aに回転力を伝達するシャフト部4b、4cを有し、ロータ部4aとシャフト部4b、4cとは一体となった構造を有している。ロータ部4aは、シリンダ1内においてシリンダ1の中心軸とは偏心した中心軸上に回転運動を行う。シャフト部4b、4cはそれぞれフレーム2の主軸受部2c、シリンダヘッド3の主軸受部3cで回転可能に支承されている。ロータ部4aには、断面が略円形で軸方向に貫通するブッシュ保持部4d、4eおよびベーン逃がし部4f、4gが形成されている。ブッシュ保持部4dとベーン逃がし部4fおよびブッシュ保持部4eとベーン逃がし部4gとは連通しており、ベーン逃がし部4fおよびベーン逃がし部4gの軸方向の端部はフレーム2の凹部2aおよびシリンダヘッド3の凹部3aと連通している。ブッシュ保持部4dとブッシュ保持部4e、ベーン逃がし部4fとベーン逃がし部4gとはほぼ対称の位置に配置されている。また、図2に示すように、ロータシャフト4の下端部にはロータシャフト4の遠心力を利用した油ポンプ31が設けられており、油ポンプ31はロータシャフト4の軸中央部に設けられ軸方向に延在する給油路4hと連通している。給油路4hと凹部2aとの間には給油路4iが設けられており、給油路4hと凹部3aとの間には給油路4jが設けられている。また、シャフト部4bの主軸受部2cの上方の位置に排油穴4k(図1に図示)が設けられている。なお、この油ポンプ31、給油路4h、4jの構成は例えば特開2009−264175号公報に詳細に記載されている。
(5)第1のベーン5:略四角形の板状の部材で、ロータ部4aにおいてシリンダ1の内周面1bの中心周りに回転するように保持されている。第1のベーン5は、図3に示すように、ベーン部5aと、ベーン部5aのフレーム2側の端面に設けられた、部分リング状のベーンアライナ部5cと、ベーン部5aのシリンダヘッド3側の端面に設けられた、部分リング状のベーンアライナ部5dとから構成される。ベーン部5aのシリンダ内周面1b側に位置するベーン先端部5bは外側に円弧形状に形成されている。その円弧形状の半径は、シリンダ内周面1bの半径とほぼ同等の半径で構成されている。ベーンアライナ部5c、5dはそれぞれ円弧状に形成された部材であって、ベーンアライナ部5cがベーン部5aのフレーム2側の端面に固定され、ベーンアライナ部5dがベーン部5aのシリンダヘッド3側の端面に固定される。また、ベーン部5aのベーン長さ方向およびベーン先端部5bの円弧形状の法線方向は、ベーンアライナ部5c、5dを形成する円弧形状の略中心を通るように形成されている。
(6)第2のベーン6:略四角形の板状の部材で、ロータ部4aにおいてシリンダ1の内周面1bの中心周りに回転するように保持されている。第2のベーン6はベーン部6aと、ベーン部6aのフレーム2側の端面に設けられた、部分リング状のベーンアライナ部6cと、ベーン部6aのシリンダヘッド3側の端面に設けられた、部分リング状のベーンアライナ部6dとから構成される。ベーン部6aのシリンダ内周面1b側に位置するベーン先端部6bは外側に円弧形状に形成され、その円弧形状の半径はシリンダ内周面1bの半径とほぼ同等の半径で構成されている。ベーンアライナ部6c、6dはそれぞれ円弧状に形成された部材であって、ベーンアライナ部6cがベーン部6aのフレーム2側の端面に取り付けられており、ベーンアライナ部6dがベーン部6aのシリンダヘッド3側の端面に取り付けられている。また、ベーン部6aのベーン長さ方向およびベーン先端部6bの円弧形状の法線方向は、ベーンアライナ部6c、6dを形成する円弧形状の略中心を通るように形成されている。
そして、ベーンアライナ部5cとベーンアライナ部6cとは、フレーム2の凹部2aに収容され、凹部2aの外周面からなるベーンアライナ軸受部2bに沿って回転可能に支持される。同様に、ベーンアライナ部5dとベーンアライナ部6dとは、シリンダヘッド3の凹部3aに収容され、凹部2aの外周面であるベーンアライナ軸受部2bに沿って回転可能に支持される。
(7)ブッシュ7、8:略半円柱状で、一対で構成される。1対のブッシュ7、7および8、8がロータシャフト4のブッシュ保持部4d、4eに挿入され、1対のブッシュ7、7および8、8が内側に板状の第1のベーン5のベーン部5a、第2のベーン6のベーン部6aを挟んで保持している。これにより、第1のベーン5および第2のベーン6は、ロータ部4aに対して中心7a、8aを軸に回転自在かつ略法線方向に移動可能に保持されることになる。
次に、図4を参照してベーン型圧縮機200におけるシリンダ内周面1bの形状および吸入室9・圧縮室11の構成について説明する。吸入室9および圧縮室11は、シリンダ内周面1bとロータ部4aの外周面4mとの間の空間を仕切ることにより形成されるものであって、ベーン5、6により上記空間が仕切られるとともに、シリンダ内周面1bとロータ部4aの外周面4mとが協働して上記空間が仕切られる。
まず、ベーン先端部5bがシリンダ内周面1bに近接することにより、シリンダ内周面1bとロータ部4aの外周面4mとの間の空間を仕切る。ここで、ベーンアライナ軸受部2b、3bの半径をra、シリンダ内周面1bの半径をrcとしたとき、第1のベーン5のベーンアライナ部5c、5dの外周側とベーン先端部5b間の距離rv(図3参照)は下記式(1)としている。なお、式(1)中のδはベーン先端部5bとシリンダ内周面1b間の微小隙間である。
rv=rc−ra−δ ・・・(1)
式(1)のように距離rvを設定することで、第1のベーン5はベーン先端部5b、6bがシリンダ内周面1bに接触することなく微小隙間δだけ離れて回転する。ここで、δが極力小さくなるようにrvを設定し、ベーン先端部5bからのガスの漏れを極力少なくしている。なお、式(1)の関係は、第2のベーン6も同様に、第2のベーン6のベーン先端部6bとシリンダ内周面1b間は微小隙間δを保ちつつ回転する。このように各ベーン5、6がシリンダ内周面1bに対し非接触で回転することにより摺動損失を低減することができる。
また、シリンダ内周面1bとロータ部4aの外周面4mとが協働してシリンダ内周面1bとロータ部4aの外周面4mとの間の空間を仕切る。ここで、シリンダ内周面1bの半径をrc、ロータ部4aの半径をrb、ロータ部4aの中心とシリンダ内周面1bの中心の偏心量をeとしたとき、下記式(2)のような関係を有している。
rb+e>rc ・・・(2)
なお、シリンダ内周面1bの半径rcは、ロータ部4aを収容可能にするものであるため、ロータ部4aの半径rbよりも大きく形成されている(rc>rb)。
すると、ロータ部4aの外周面4mがシリンダ内周面1bからはみ出し重複する領域が発生する。この重複する領域を含むように、シリンダ内周面1bのロータ部4aの偏心側にロータ部4aの一部が入り込む凹部32が形成されている。凹部32はロータ部4aの外周面4mとシリンダ内周面1bとの一方の交点(一端側32b)から他方の交点(他端側32c)まで形成されている。そして、凹部32の両端側においてシリンダ内周面1bは不連続な曲線形状を有することになる。
そして、この凹部32において、ロータ部4aの外周面4mと協働してシリンダ内周面1bとロータ部4aの外周面4mとの間の空間を圧縮室11と吸入室9とに仕切るシール領域32aが形成される。特に、図4においては、凹部32がロータ部4aの外周面4mと同心かつ同一曲率の円弧形状に形成されている。このため、凹部32の全領域にわたり、ロータ部4aの外周面4mが微小隙間だけ離れて近接するシール領域32aが形成されている。このように、シール領域32aにおけるシール幅を広く設定することによりシール性能が向上し、圧縮室11から吸入室9への漏れを大幅に低減することができる。
また、図4において、シリンダ内周面1bの中心に対しロータシャフト4の中心へ向かって延びる延長線に対し略対称になるように形成されている。そして、ロータ部4aの半径をrbとし、ロータ部4aの中心とシリンダ内周面1bの中心の偏心量をeとしたとき、凹部32とシリンダ内周面1bの架空内周面1b’との延長線上における最大ずれ量xは下式(3)になっている。
x=rb+e−rc ・・・(3)
つまり、従来のように最近接点でシールする場合、rc>rbであってrb+従来の偏心量e1=rcに設定されている。これに対し、図4においては従来の偏心量e1をさらに最大ずれ量x分だけ偏心方向にずらした偏心量e(=e1+x)が設定されていることになる。
以上のように、ベーン5、6およびシール領域32aが、第1のベーン5および第2のベーン6により仕切られた中間室10と、第2のベーン6とシール領域32aとにより仕切られた圧縮室11と、第1のベーン5とシール領域32aとにより仕切られた吸入室9とを形成する。特に、所定の幅を有するシール領域32aにより吸入室9と圧縮室11とが仕切られるため、吸入室9と圧縮室11との間の漏れ損失の増加を確実に抑制することができる。
さらに、凹部32の両端32b、32bには、それぞれ切欠き部1cおよび座ぐり部1gが隣接して設けられている。座ぐり部1gは、凹部32の一端側32bに隣接して形成されており、吐出ポート1dに接続されている。したがって、圧縮室11は座ぐり部1gを介して吐出ポート1dに連通した状態になる。一方、切欠き部1cは凹部32の他端側32cに隣接して設けられており、ベーン先端部5bとシリンダ内周面1bが相対する点Aの範囲まで形成されている。切欠き部1cは吸入ポート1aに接続されており、吸入室9は切欠き部1cを介して吸入ポート1aに連通した状態になる。なお、吐出ポート1dはフレーム2に面した側であって凹部32を挟んで吸入ポート1aと反対側の位置に設けられている。
このように、座ぐり部1gがシール領域32aの一端側32bに隣接して設けられることにより、過圧縮による弊害を抑制するとともに圧力損失が発生するのを防止することができる。すなわち、従来のように、シリンダ内周面1bとロータ部4aの外周面4mとが点で最近接している場合(rc=rb+e)、吐出ポート1d(座ぐり部1g)をシール部分に隣接して設けてしまうと、シール部分におけるシール性が低下してしまう。このため、吐出ポート1d(座ぐり部1g)は最近接点から所定間隔だけ開けて設ける必要がある。
しかし、ベーン5、6が吐出ポート1d(座ぐり部1g)を通過した時点からシール領域32aに至るまでの間、ベーン5、6とシール領域32aとの間に形成される圧縮室11は密封状態となる。このため、密封された圧縮室11の容積がゼロに近づくにつれて圧力が上昇して異常昇圧が生じるおそれがある。異常昇圧した冷媒ガスは吐出ポートから直接吐出されないため、異常昇圧による仕事はそのまま圧縮機の損失となり、性能低下の原因となる。
一方、図4において、凹部32においてシール領域32aが形成されるため、吐出ポート1dおよびこれに連通する圧力逃がし用の座ぐり部1gをシール領域32a(すなわち凹部32の端部)に隣接するまで近づけたとしてもシール性が損なわれることがない。よって、シール性を確保しつつ圧縮室11内での異常昇圧の発生を確実に防止することができる。
図5はベーンアライナ部5c、6cの回転動作の一例を示す断面図であり、図5を参照してベーン型圧縮機200の動作例について説明する。なお、図5において、第1のベーン5が凹部32内における最大ずれ量xとなる位置したときを「角度0°」と定義する。また、「角度180°」以降の状態を示していないのは、「角度180°」になると、「角度0°」において、第1のベーン5と第2のベーン6が入れ替わった状態と同じになり、以降は「角度0°」から「角度135°」までと同じ圧縮動作になる。
ロータシャフト4のシャフト部4bが電動要素102の駆動部からの回転動力を受け、ロータ部4aがシリンダ1内で回転する。ロータ部4aの回転に伴い、ロータ部4aの外周付近に配置されたブッシュ保持部4d、4eは、ロータシャフト4を中心とした円周上を移動する。そして、ブッシュ保持部4d、4e内に保持されている一対のブッシュ7、8、およびその一対のブッシュ7、8の間に回転可能に保持されている第1のベーン5のベーン部5a、第2のベーン6のベーン部6aもロータ部4aとともに回転する。
第1のベーン5、第2のベーン6は、回転による遠心力を受け、ベーンアライナ部5c、6cおよびベーンアライナ部5d、6dがベーンアライナ軸受部2b、3bにそれぞれ押付けられて摺動しながら、ベーンアライナ軸受部2b、3bの中心まわりに回転する。ここで、ベーンアライナ軸受部2b、3bとシリンダ内周面1bとは同心であるため、第1のベーン5、第2のベーン6はシリンダ内周面1bの中心まわりに回転することになる。すると、第1のベーン5のベーン部5a、第2のベーン6のベーン部6aの長さ方向がシリンダ中心に向かうように、ブッシュ7、8がブッシュ保持部4d、4e内で、ブッシュ中心7a、8aまわりに回転することになる。
以上の動作において、ブッシュ7と第1のベーン5のベーン部5aの側面およびブッシュ8と第2のベーン6のベーン部6aの側面は互いに摺動を行う。また、ロータシャフト4のブッシュ保持部4dとブッシュ7、ブッシュ保持部4eとブッシュ8も互いに摺動することになる。
図6は、図1のベーン型圧縮機200における圧縮要素の圧縮動作を示す断面図である。この図6は、図1のI−I線に沿った断面図である。以下、この図6を参照しながら、ロータ部4a(ロータシャフト4)の回転に伴い吸入室9、中間室10および圧縮室11の容積が変化する様子を説明する。なお、図6に示す角度の定義は図5に示す角度の定義と同一のものである。また、図6では簡単のため、吸入ポート1a、切欠き部1cおよび吐出ポート1dを省略し、吸入ポート1a、吐出ポート1dをそれぞれ矢印で「吸入」、「吐出」として示し、「角度0°」の図に示す矢印は、ロータシャフト4の回転方向(図6では時計方向)を示している。
「角度0°」では、凹部32と第2のベーン6で仕切られた右側の中間室10は切欠き部1cを介して吸入ポート1aと連通した状態になり、吸入ポート1aからガス(冷媒)が吸入される。一方、凹部32と第2のベーン6で仕切られた左側の空間は、座ぐり部1gおよび吐出ポート1dに連通した圧縮室11となる。
「角度45°」では、第2のベーン6とシール領域32aで仕切られた右側の空間は、切欠き部1cを介して吸入ポート1aと連通した吸入室9となる。また、第2のベーン6とシール領域32aとにより仕切られた圧縮室11は、「角度0°」のときより小さい容積になり、冷媒は圧縮され徐々にその圧力が高くなる。
「角度90°」では、第1のベーン5と第2のベーン6で仕切られた空間は中間室10となる。第1のベーン5のベーン先端部5bがシリンダ1のシリンダ内周面1b上の点Aと重なるので、中間室10は吸入ポート1aと連通しなくなる。これにより、中間室10でのガスの吸入は終了する。また、この状態で、中間室10の容積は略最大となる。圧縮室11の容積は「角度45°」のときより更に小さくなり、冷媒の圧力は上昇する。吸入室9の容積は「角度45°」のときより大きくなり、吸入を続ける。
「角度135°」では、中間室10の容積は「角度90°」ときより小さくなり、冷媒の圧力は上昇する。吸入室9の容積は「角度90°」のときより大きくなり、吸入を続ける。また、第2のベーン6が凹部32内に到達したため圧縮室11は消滅する。
以上のように、第1のベーン5あるいは第2のベーン6が吐出ポート1dに近づくにつれて、圧縮室11の圧力が上昇していく。そして、冷凍サイクルの高圧(吐出弁27を開くのに必要な圧力も含む)を圧縮室11の圧力が上回ると、吐出弁27が開き、圧縮室11のガス(冷媒)は吐出ポート1dおよび吐出ポート2dを通って密閉容器103内に吐出される。密閉容器103内に吐出されたガス(冷媒)は、電動要素102を通過して密閉容器103の上部に固定(溶接)された吐出管24から外部(冷凍サイクルの高圧側)に吐出される。したがって、密閉容器103内の圧力は高圧である吐出圧力となる。
一方、ロータ部4a(ロータシャフト4)の回転により、吸入室9は徐々に容積が大きくなり、ガスの吸入を続ける。以後中間室10に移行するが、途中まで容積が徐々に大きくなり、更にガスの吸入を続ける。途中で、中間室10の容積は最大となり、吸入ポート1aに連通しなくなるので、ここでガス(冷媒)の吸入を終了する。以後、中間室10の容積は徐々に小さくなり、ガス(冷媒)を圧縮する。その後、中間室10は圧縮室11に移行して、ガスの圧縮を続ける。所定の圧力まで圧縮されたガスは、吐出ポート1dおよび吐出ポート2dを通って吐出弁27を押し上げて、密閉容器103内に吐出される。
次に、上記圧縮動作中における冷凍機油25の流れについて説明する。図1に破線で示すように、ロータシャフト4の回転により、油ポンプ31により油溜め104から冷凍機油25が吸い上げられ、給油路4hに送り出される。給油路4hに送り出された冷凍機油25は、給油路4iを通ってフレーム2の凹部2a、給油路4jを通ってシリンダヘッド3の凹部3aに送り出される。
凹部2a、3aに送り出された冷凍機油25は、ベーンアライナ軸受部2b、3bを潤滑するとともに、凹部2a、3aと連通したベーン逃がし部4f、4gに供給される。ここで、密閉容器103内の圧力は高圧である吐出圧力になっているため、凹部2a、3aおよびベーン逃がし部4f、4g内の圧力も吐出圧力となる。また、凹部2a、3aに送り出された冷凍機油25の一部は、フレーム2の主軸受部2cおよびシリンダヘッド3の主軸受部3cに供給される。
図7は図4におけるベーン部の周辺部位を示す要部断面図である。図7中、実線で示す矢印は冷凍機油25の流れを示している。ベーン逃がし部4fの圧力は吐出圧力であり、吸入室9、中間室10の圧力より高いため、冷凍機油25は、ベーン部5aの側面とブッシュ7間の摺動部を潤滑しながら、圧力差および遠心力によって吸入室9および中間室10に送り出される。また、冷凍機油25は、ブッシュ7とロータシャフト4のブッシュ保持部4d間の摺動部を潤滑しながら、圧力差および遠心力によって吸入室9および中間室10に送り出される。また、中間室10に送り出された冷凍機油25の一部はベーン先端部5bとシリンダ1の内周面1b間の隙間をシールしながら吸入室9に流入する。
なお、第1のベーン5で仕切られる空間が吸入室9と中間室10である場合について示したが、回転が進んで、第1のベーン5で仕切られる空間が中間室10と圧縮室11となる場合でも同様である。そして、圧縮室11内の圧力がベーン逃がし部4fの圧力と同じ吐出圧力に達した場合でも、遠心力によって冷凍機油25は圧縮室11に向かって送り出されることになる。以上の動作は第1のベーン5に対して示したが、第2のベーン6においても同様の動作を行う。
図1に示すように、主軸受部2cに供給された冷凍機油25は主軸受部2cの隙間を通ってフレーム2の上方の空間に吐き出された後、シリンダ1の外周部に設けた油戻し穴1fより、油溜め104に戻される。また、主軸受部3cに供給された冷凍機油25は主軸受部3cの隙間を通って油溜め104に戻される。また、ベーン逃がし部4f、4gを介して吸入室9、中間室10、圧縮室11に送り出された冷凍機油25も最終的にガスとともに吐出ポート1d、2dからフレーム2の上方の空間に吐き出された後、シリンダ1の外周部に設けた油戻し穴1fより、油溜め104に戻される。また、油ポンプ31により給油路4hに送り出された冷凍機油25のうち、余剰な冷凍機油25はロータシャフト4の上方の排油穴4kから、フレーム2の上方の空間に吐き出された後、シリンダ1の外周部に設けた油戻し穴1fより、油溜め104に戻される。
図8A〜図8Cはベーン先端部6bが凹部32の位置周辺にあるときのベーン部6aの周辺部位の様子を示す要部断面図であり、図8A〜図8Cを参照して第2のベーン6が凹部32を通過するときの挙動について説明する。なお、図8A〜図8Cにおいて、第2のベーン6について例示しているが、第1のベーン5についても同様である。
まず、図8Aのように凹部32を通過する前において、ベーン先端部6bはシリンダ内周面1bに微小隙間だけ離れて回転運動する(図6参照)。なお、第2のベーン部6aとシリンダ内周面1bとロータ部4aに囲まれた圧縮室11は常に座ぐり部1gおよび吐出ポート1dに連通した状態になっている。このため、圧縮室11の異常昇圧は生じることなく、圧縮室11により圧縮されたガス(冷媒)が吐出ポート1dから吐出されることになる。
次に、図8Bのように、第2のベーン部6aが凹部32を通過する際、ベーン先端部6bはシリンダ内周面1bの円周上(架空内周面1b’)に沿って移動する。つまり、ベーン部6aはベーンアライナ部5c、5c、6c、6d等によってシリンダ円周面1bの中心まわりに回転するようになっている(図5参照)。したがって、ベーン部6aが凹部32を通過する際であっても、ベーン先端部6bは、シリンダ内周面1bの法線方向に移動しながらシリンダ内周面1bの円周上(架空内周面1b’上)に沿って回転する。凹部32内において、架空内周面1b’はロータ部4a内に位置しているため、シリンダ内周面1bが不連続な曲線を有する場合であってもベーン先端部6bがロータ部4aの内側に位置した状態で凹部32の区間を移動することになる。したがって、ベーン先端部6bは常にシリンダ内周面1bの円周上に沿った連続した円運動を行うことになり、ベーン飛びやチャタリング等の発生を防止してベーン運動の信頼性が低下するのを防止することができる。
さらに、第2のベーン6が凹部32内を回転移動する際に、ベーン先端部6bがロータ部4aの外周面4mよりも内側に位置することになる。よって、ベーン先端部6bとブッシュ保持部7とシリンダ内周面1bとにより閉塞空間32dが形成される。第2のベーン部6aが凹部32内を通過する際に、閉塞空間32dにより第2のベーン部6を押し出す差圧を増加させることができる。これにより、ベーン先端部6bがシリンダ内周面1bから離れていてもベーン飛びやチャタリングを確実に抑制し、第2のベーン部6aの運動の信頼性をさらに高めることができる。なお、閉塞空間32dに負圧が掛からないように、ブッシュ8、8の凹部32側の一部を除去してもよい。
その後、図8Cのように、凹部32を通過した直後において、第2のベーン部6aとシリンダ内周面1bとロータ部4aに囲まれた吸入室9は常に切欠き部1cを介して吸入ポート1aと連通した状態になる。そして、吸入ポート1aからガス(冷媒)が吸入室9に流入することになる(図6参照)。
上記実施形態1によれば、凹部32のシール領域32aによりシール性を確保しつつ異常昇圧を抑制し、かつベーン運動の不連続性をなくした高効率、高信頼性のベーン型圧縮機200を提供することができる。また、シール領域32aにおいてシール幅を長くとれるため、シール性の高いベーン型圧縮機200を提供することができる。
実施形態2.
図9は本発明のベーン型圧縮機の実施形態2を示す要部断面図であり、図9を参照してベーン型圧縮機について説明する。なお、図9のベーン型圧縮機300において図8Bのベーン型圧縮機200と同一の構成を有する部位には同一の符号を付してその説明を省略する。図9のベーン型圧縮機300が図8Bのベーン型圧縮機200と異なる点は、凹部332の形状およびシール領域332aの形成領域である。
図9において、凹部332は、段付き形状を有しており、ロータ部4aの外周面4mと同心かつ略同等曲率の複数のシール領域332a、332aと、ロータ部4aの外周面4mよりも外側に凹んだ空隙領域332dとを有している。複数のシール領域332a、332aはそれぞれ凹部332の両端側32b、32cに形成されている。そして、空隙領域332dは、複数のシール領域332a、332aの間に挟まれて設けられており、シリンダ内周面1bとロータ部4aの外周面4mとの間に空隙を形成している。なお、空隙領域332dは上述した閉塞空間32d(図8B参照)に連通した同一空間となる。
図9の実施形態2のようなベーン型圧縮機300においても、シール性を確保しながらベーン運動の信頼性を向上させることができる。特に、凹部332において、シリンダ内周面1bとロータ部4aの外周面4mとが非接触になる空隙領域332dが形成されていることにより、シリンダ内周面1bとロータ部4aの外周面4mとの隙間に介在する油を引きずる粘性摩擦損失を低減することができる。
実施形態3.
図10は本発明のベーン型圧縮機の実施形態3を示す図であり、図10を参照してベーン型圧縮機400について説明する。なお、図10のベーン型圧縮機400において図9のベーン型圧縮機300と同一の構成を有する部位には同一の符号を付してその説明を省略する。図10のベーン型圧縮機400が図9のベーン型圧縮機300と異なる点は、凹部432の形状およびシール領域432aの形成領域である。
具体的には、図10において、凹部332は、シリンダ内周面1bとロータ部4aの外周面4mとの交点(一端側32bおよび他端側32c)となる部位に形成された線状の複数のシール領域432a、432aと、ロータ部4aの外周面4mよりも外側に凹んだ空隙領域432dとを有している。そして、空隙領域432dは、複数のシール領域432a、432aの間に挟まれて設けられており、シリンダ内周面1bとロータ部4aの外周面4mとの間に空隙を形成している。なお、空隙領域432dは上述した閉塞空間32d(図8B参照)に連通した同一空間となる。
図10の実施形態3のようなベーン型圧縮機400においても、シール性を確保しながらベーン運動の信頼性を向上させることができる。特に、凹部432において、シリンダ内周面1bとロータ部4aの外周面4mとが非接触になる空隙領域432dが形成されていることにより、シリンダ内周面1bとロータ部4aの外周面4mとの隙間に介在する油を引きずる粘性摩擦損失を低減することができる。
上記各実施形態によれば、凹部32、332、432にロータ部4aの一部が入り込んでシール領域32a、332a、432aを形成してシール性を確保するとともに、ベーン5、6が凹部32、332、432内を通過する際、ベーン先端部5b、6bはロータ部4a内に位置するため、シリンダ内周面1bは不連続であってもベーン5、6の動作がシリンダ内周面1bの形状に依存せず、ベーン運動の信頼性を向上させることができる。
さらに、上記実施形態1−3は、いずれも漏れ損失と粘性摩擦損失とを低減して圧縮機性能を改善する方策であるが、この2つの損失に対する低減寄与率が異なる。したがって、漏れ損失の割合が大きい場合は実施形態1のベーン型圧縮機200を用いることにより性能改善が効果的であり、粘性摩擦損失の割合が大きい場合には実施形態2、3のベーン型圧縮機300、400による性能改善が効果的である。
本発明の実施形態は上記各実施形態に限定されない。たとえば、上記各実施形態において、ベーン枚数が2枚の場合について示したが、ベーン枚数が1枚または3枚以上の場合であってもよい。
また、上記各実施形態において、ロータシャフト4の遠心力を利用した油ポンプ31について示したが、油ポンプ31の形態はいずれでもよく、例えば特開2009−62820号公報に記載の容積形ポンプを油ポンプ31として用いてもよい。
さらに、式(2)に示すように、ベーン先端部5b、6bがシリンダ内周面に対し微小隙間δだけ離れて回転する場合について例示しているが(非接触方式)、ベーン先端部5b、6bがシリンダ内周面1bに摺動するベーン型圧縮機についても適用することができる。この場合であっても、ベーン先端部5b、6bは、凹部32内において架空内周面1b‘に沿って回転するため、シリンダ内周面1bの形状にかかわらずベーンの信頼性を高めることができる。
また、図9および図10において、凹部32が曲面形状を有する場合について例示しているが、たとえば矩形形状等を有するものであってもよい。この場合であっても、シール領域32aによりシール性を確保しながら、ベーンの動作の連続性を担保することができる。
さらに、図9において凹部332の両端側32b、32cに所定の幅を有する2つのシール領域332a、332aが形成された場合について説明したが、さらに凹部332内のいずれかの部位に任意の個数のシール領域332aを設けてもよい。同様に、図10において凹部432の両端に2つの線状のシール領域432a、432aが形成された場合について説明したが、凹部432内のいずれかの部位に任意の個数・任意の幅のシール領域332a、432aを設けてもよい。
また、上記図8から図10において、凹部32、332、432がシリンダ内周面1bの中心に対しロータシャフト4の中心へ向かって延びる延長線に対し略対称になるように形成されている場合について例示しているが、延長線に対し非対称に形成されたものであってもよい。
上記各実施形態では、ベーンアライナ部5c、5d、6c、6dが部分リング形状である場合について例示しているが、ロータ部4a内のベーンが1つである場合はベーンアライナ部がリング形状であってもよい。
1 シリンダ、1a 吸入ポート、1b シリンダ内周面、1c 切欠き部、1d 吐出ポート、1f 穴、1e 油戻し穴、1g 座ぐり部、2 フレーム、2a 凹部、2b ベーンアライナ軸受部、2c 主軸受部、2d 吐出ポート、3 シリンダヘッド、3a 凹部、3c 主軸受部、4 ロータシャフト、4a ロータ部、4b、4c シャフト部、4d、4e ブッシュ保持部、4f、4g ベーン逃がし部、4h、4i、4j 給油路、4k 排油穴、4m 外周面、5 第1のベーン、5a ベーン部、5b ベーン先端部、5c、5d ベーンアライナ部、6 第2のベーン、6a ベーン部、6b ベーン先端部、6c、6d ベーンアライナ部、7、8 ブッシュ、9 吸入室、10 中間室、11 圧縮室、21 固定子、22 回転子、23 ガラス端子、24 吐出管、25 冷凍機油、26 吸入管、27 吐出弁、31 油ポンプ、32、332、432 凹部、32a、332a、432a シール領域、32b 凹部の一端側、32c 凹部の他端側、32d 閉塞空間、32e 最近接点、41 吐出弁、42 吐出弁押え、101 圧縮要素、102 電動要素、103 密閉容器、104 油留め、200、300、400 ベーン型圧縮機、332d、432d 空隙領域、e 偏心量、rb ロータ部の外周面の半径、rc シリンダ内周面の半径、rv 距離、x 最大ずれ量、δ 微小隙間。

Claims (5)

  1. 円筒状のシリンダと
    前記シリンダ内で前記シリンダの内周面の中心に対し偏心した回転軸を中心に回転運動する円柱形のロータ部及び前記ロータ部に回転力を伝達するシャフト部を有するロータシャフトと、
    前記ロータ部前記シリンダの内周面の中心周りに回転するように保持されたベーンと
    を備え、
    前記ベーンが、前記シリンダの内周面の法線方向に移動可能であって、前記ベーンの先端部が前記シリンダの内周面の円周上に沿って回転可能に保持されており、
    前記シリンダの内周面が、前記ロータ部の偏心側に前記ロータ部の一部が入り込む凹部を有し、
    前記凹部において、前記ロータ部の外周面と協働して前記シリンダの内周面と前記ロータ部の外周面との間の空間を仕切るシール領域が形成され、前記凹部の一部に複数のシール領域が形成されていることを特徴とするベーン型圧縮機。
  2. 前記凹部が、前記シール領域と、前記シリンダの内周面と前記ロータ部の外周面との間に空隙を形成する空隙領域とを有することを特徴とする請求項1に記載のベーン型圧縮機。
  3. 前記シリンダの内周面の半径をrc、前記ロータ部の外周面の半径をrb、前記シリンダの内周面の中心と前記ロータ部の外周面の中心との偏心量をeとしたとき、半径rb、rcおよび偏心量eが、rc>rbであってrc<rb+eの関係を満たしていることを特徴とする請求項1又は2に記載のベーン型圧縮機。
  4. 前記シール領域が、前記ロータ部の外周面と同心かつ略同一曲率の円弧形状に形成されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のベーン型圧縮機。
  5. 前記シリンダが、前記凹部の端部に隣接して設けられており、吐出ポートに接続された座ぐり部を有することを特徴とする請求項1〜のいずれか1項に記載のベーン型圧縮機。
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