JP2005200558A - ガスハイドレート製造装置、およびガスハイドレート製造方法 - Google Patents

ガスハイドレート製造装置、およびガスハイドレート製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2005200558A
JP2005200558A JP2004008726A JP2004008726A JP2005200558A JP 2005200558 A JP2005200558 A JP 2005200558A JP 2004008726 A JP2004008726 A JP 2004008726A JP 2004008726 A JP2004008726 A JP 2004008726A JP 2005200558 A JP2005200558 A JP 2005200558A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
gas
hydrate
reaction
water
gas hydrate
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2004008726A
Other languages
English (en)
Other versions
JP4744085B2 (ja
Inventor
Toru Iwasaki
徹 岩崎
Masahiro Takahashi
正浩 高橋
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsui Engineering and Shipbuilding Co Ltd
Original Assignee
Mitsui Engineering and Shipbuilding Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mitsui Engineering and Shipbuilding Co Ltd filed Critical Mitsui Engineering and Shipbuilding Co Ltd
Priority to JP2004008726A priority Critical patent/JP4744085B2/ja
Publication of JP2005200558A publication Critical patent/JP2005200558A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4744085B2 publication Critical patent/JP4744085B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)

Abstract

【課題】天然ガス等の混合ガスを原料として、ハイドレート化率が高く、輸送や貯蔵の効率が高いガスハイドレートを製造する。
【解決手段】 主成分と副成分からなる二種以上の成分を含有する混合ガスを原料とし、気液接触させてガスハイドレートを生成させるガスハイドレート製造装置100は、混合ガスと水とを気液接触させて混合ガスハイドレートを生成させる第1の反応部10と、水補給手段22を備え、第1の反応部10を通過したガスと補給水とを気液接触させてガスハイドレートを生成させる第2の反応部20と、を備える。
【選択図】図1

Description

本発明は、天然ガス等の混合ガスを原料としてハイドレートを製造するガスハイドレート製造装置、およびガスハイドレート製造方法に関する。
ガスハイドレートは、水分子と気体分子からなる氷状の固体結晶であり、水分子が作る立体構造の籠(ケージ)の内部にガス分子が取り込まれて形成される包接水和物(クラスレートハイドレート)の総称である。このガスハイドレートは高いガス包蔵性を有しており、1mの天然ガスハイドレート中に包蔵できる天然ガス量は、約165Nm程度にまで達する。
現在、天然ガスをガスハイドレートとして貯蔵・輸送するシステム(天然ガスハイドレートシステム;Natural Gas Hydrate System)が実用化へ向けて検討されている。天然ガスハイドレートの生成手法としては、原料となる水およびガスを、ハイドレート生成平衡条件(例えば5MPa圧下でハイドレートが生成する平衡温度は約6℃程度である)より高圧・低温側にあるハイドレート生成領域内におき、気液接触面積を増やすことでハイドレート化率(原料水の単位重量当りのガス包蔵量を意味する)を高める形態が考えられている(例えば特許文献1)。
特開2000−302701号公報
天然ガスの主成分はメタンであるが、副成分としてエタンやプロパン等を含むことが多い。天然ガスをハイドレート化する場合、エタンやプロパンなどの副成分の方がメタンよりもハイドレート化しやすいため、気相中のメタン濃度は上昇する。この時、生成したハイドレートのガス包蔵量は低く、空のケージが存在する状態であるが、副成分によって生成した空のケージにはメタン分子が取り込まれ難い。このため、従来の製造方法では、例え気液接触効率を改善したとしてもハイドレート化率を一定以上に高めることは困難であった。
ハイドレート化率が低いということは、生成される天然ガスハイドレート単位重量当りの包蔵ガス量が少ないことを意味するため、貯蔵、移送の効率が低下する。従って、輸送タンクや貯蔵タンク、再ハイドレート化装置等を大型化することが必要になり、設備費や運転費が増大するという問題がある。
また、高いハイドレート化率を得ようとして、生成温度を下げ、または圧力を上げようとすると、生成に要するエネルギーや設備などの面でコストが増加するという問題がある。
従って、本発明の課題は、天然ガス等の混合ガスを原料として、ハイドレート化率が高く、輸送や貯蔵の効率が高いガスハイドレートを製造するためのガスハイドレート製造装置および製造方法を提供することにある。
上記課題を解決するため、本発明の第1の態様は、主成分と副成分からなる二種以上の成分を含有する混合ガスを原料とし、気液接触させてガスハイドレートを生成させるガスハイドレート製造装置であって、混合ガスと水とを気液接触させて混合ガスハイドレートを生成させる第1の反応部と、水補給手段を備え、前記第1の反応部を通過したガスと補給水とを気液接触させてガスハイドレートを生成させる第2の反応部と、を備えたガスハイドレート製造装置である。
本発明の第1の態様では、第1の反応部と第2の反応部を分けることによって、第1の反応部では混合ガスハイドレートを生成させ、第2の反応部では純度の高い主成分ガスからガスハイドレートを製造することができる。ガスハイドレートの生成を、混合ガスと高純度の主成分ガスとに分けて行うことによってハイドレート化率を向上させ、ガス包蔵量を高めることが可能になる。
本発明の第2の態様は、第1の態様において、前記第1の反応部と前記第2の反応部を、別々の生成容器により構成したことを特徴とする、ガスハイドレート製造装置である。 この第2の態様では、第1の反応部と第2の反応部を別々の構成にしたことによって、第2の反応部でのガスハイドレート生成を第1の反応部とは切り離して行うことが可能になり、生成条件の制御が容易であるとともに、第1の反応部で生成したハイドレート化率が低いガスハイドレートと、第2の反応部で生成したハイドレート化率が高いガスハイドレートとを容易に分離回収することができる。
本発明の第3の態様は、主成分と副成分からなる二種以上の成分を含有する混合ガスを原料とし、気液接触させてガスハイドレートを生成させるガスハイドレート製造方法であって、混合ガスと水とを気液接触させて混合ガスハイドレートを生成させる第1の反応工程と、前記第1の反応工程で副成分の大部分がハイドレート化して除去された高純度の主成分ガスに、水を追加導入して気液接触させ、ガスハイドレートを生成させる第2の反応工程と、を備えたガスハイドレート製造方法である。
この第3の態様では、第1の反応工程と第2の反応工程を分け、第1の反応工程では混合ガスハイドレートを生成させることによって、第2の反応工程では純度の高い主成分ガスからガスハイドレートを製造することができる。つまり、ガスハイドレートの生成を、混合ガスと高純度の主成分ガスとに分けて行うことによって、ハイドレート化率を向上させ、ガス包蔵量を高めることが可能になる。
本発明の第4の態様では、第3の態様において、前記第1の反応工程で、気相中の主成分ガスの濃度が95%以上になった段階で第2の反応工程に移行させることを特徴とする、ガスハイドレート製造方法である。この第4の態様では、第2の反応工程へ移行させるタイミングとして主成分ガス濃度95%以上とすることにより、第2の反応工程では略単一ケージで包蔵量の高いガスハイドレートを形成できる。
また、本発明の第5の態様は、第3または第4の態様において、前記混合ガスが天然ガスであることを特徴とする、ガスハイドレート製造方法である。
天然ガス中には、主成分のメタンのほかに、エタンやプロパンなどが副成分として含まれており、これらが存在することによって、ハイドレートの結晶構造が変化する結果、純度の高いメタンガスに比べてガス包蔵量が低くなるという問題がある。本発明では、第1の反応工程と第2の反応工程を分けることによって、天然ガスを原料として従来法より高いハイドレート化率を実現することが可能になる。
本発明によれば、天然ガスなどの混合ガスから高いハイドレート化率でガスハイドレートを製造することができる。
<原料ガス>
原料ガスとしては、主成分と副成分からなる二種以上の成分を含有する混合ガスであれば特に制限はなく、例えば、天然ガスのほか、バイオガス(メタンを主成分とし、二酸化炭素や硫化水素を含む嫌気消化ガス)などが対象となる。前記したとおり、天然ガス中には、主成分としてのメタンのほか、エタンやプロパンなどが副成分として含まれている。一般的な天然ガスの組成例として、メタン86.88%、エタン5.20%、プロパン1.86%、i−ブタン0.42%、n−ブタン0.47%、i−ペンタン0.15%などを含むものが挙げられる。
主成分ガスと副成分ガスのハイドレート生成平衡条件の関係は、副成分ガスの方が主成分ガスに比べて高温、低圧側である方がハイドレート化し易くなり好ましいが、これに限定されるものではない。主成分ガスと副成分ガスの量的比率についても特に制限はないが、副成分ガスの比率が多いほど、主成分ガスの濃度が高まるまでに消費される主成分ガス(混合ガスハイドレートとして)の量が多くなる。なお、副成分ガスは一種類に限らず、二種類以上のガスを含むものでもよい。
<第1の反応工程>
第1の反応工程では、混合ガスと水とを気液接触させて混合ガスハイドレートを生成させる。ここで、反応における温度、圧力は、混合ガスの種類に応じて既知のハイドレート生成条件に設定することが可能である。天然ガスの場合には、混合ガスの組成、比率により平衡がメタンハイドレートの場合から移動するが(通常は高温、低圧側にシフトする)、この移動した平衡条件よりも低温・高圧側に設定することによってハイドレートを製造できる。
本発明では、原料ガスと水とを気液接触させてガスハイドレートを生成させる。ここで、気液接触の方法としては特に制限はなく、例えば、攪拌法、バブリング法、攪拌とバブリングを同時に行う方法、スプレー法等を採用することが可能である。
第1の反応工程では、混合ガスを原料として、そのままハイドレートを形成させるので、主成分だけでなく、副成分のうち、ハイドレート形成可能な成分がハイドレート化することになる。例えば天然ガスの場合、主成分であるメタンよりもハイドレート化しやすいエタンやプロパンが優先的にハイドレート化する。メタンもハイドレート化するが、前記したように、先に副成分がハイドレート化されてしまうと、メタンのハイドレート形成が起こりにくくなり、ハイドレートのガス包蔵量が低下する。このため本発明では、第1の反応工程において気相中の主成分ガスの濃度が95%に達した段階(好ましくは同濃度が99%に達した段階)で第1の反応工程を終了し、後述する第2の反応工程に移行する。第1の反応工程における主成分ガスの濃度が95%未満で第2の反応工程に移行させた場合、ガス包蔵量の向上は見込めない。なお、第1の反応工程は1段階に限るものではなく、複数工程で実施することも可能である。
<第2の反応工程>
第2の反応工程では、前記第1の反応工程で副成分の大部分がハイドレート化して除去された高純度(およそ95%以上)の主成分ガスに、水を追加導入して気液接触させ、ガスハイドレートを生成させる。第2の反応工程では、高純度の主成分ガスが原料となるため、第1の反応工程のように混合ガスハイドレートではなく、主成分ガスによるほぼ単一なケージを持つガスハイドレートが形成される。例えば、原料ガスが天然ガスの場合には、副成分として含有されるエタンやプロパンは、第1の反応工程でほぼハイドレート化してしまうため、第2の反応工程では、95%以上の純度のメタンガスによりメタンハイドレートが優勢的に生成することになる。
第2の反応工程における温度・圧力条件は、主成分ガスのハイドレート生成条件に応じて設定することが可能であり、第1の反応工程と同様の条件に設定してもよいし、条件を替えることもできる。
第2の反応工程においては、水を追加導入することが重要である。第1の反応工程では、主として副成分ガスによるハイドレート形成が行われるが、この際に水が消費されるため、第2の反応工程では新たに水を補給することが必要になる。また、第1の反応工程では、天然ガスの場合I型のケージとII型のケージが生成するが、II型のケージが存在するとメタンガスがハイドレート化しにくくなるので、第2の反応工程の際に水を新たに補給することによって、略単一ゲージによるガス包蔵量の大きな主成分ガスのハイドレートを生成させることが可能になる。なお、第2の反応工程は1段階に限るものではなく、複数工程で実施することも可能である。
次に、図面に基づき本発明の実施形態について更に詳しく説明する。
図1は、本発明の1実施形態に係る天然ガスハイドレート製造装置100の概要を示す図面である。このハイドレート製造100は、混合ガスと水とを気液接触させて混合ガスハイドレートを生成させる第1の反応部10と、第1の反応部10を通過したガスと補給水とを気液接触させてガスハイドレートを生成させる第2の反応部20と、を具備している。
第1の反応部10は、前記第1の反応工程に対応しており、第2の反応部20は前記第2の反応工程に対応している。第1の反応部10および第2の反応部20は、いずれも温度調節手段を備えた耐圧容器により形成され、内部の温度・圧力を天然ガス(メタン)ハイドレートの生成条件(例えば、温度3〜5℃、圧力5MPa程度)に調整できるように構成されている。
第1の反応部10は、原料となる天然ガスの導入手段11および水の導入手段12と、混合ガスハイドレートを排出する排出手段13とを備えている。この第1の反応部10は、主として天然ガス中に含まれるエタンやプロパンなどの副成分のハイドレート化を行うものであるため、原料水の供給量は少なくてよく、第2の反応部20に比較して小容量の容器で構成することができる。
第2の反応部20は、第1の反応部10から排出された高濃度メタンガスを導入するガス導入手段21および水補給手段22と、メタンガスハイドレートを排出するハイドレート排出手段23を備えている。この第2の反応部20は、第1の反応部10を通過することによって、副成分であるエタンやプロパンなどがハイドレート化され分離された高純度のメタンガスに水を追加供給してハイドレート化を行うものであるため、相応の容積を持つ容器により構成することが好ましい。
以上の構成において、第1の反応部10では気相中の主成分ガス(メタンガス)濃度が約95%に達するまで混合ガスハイドレートの生成が行われる。第1の反応部10を通過した高濃度主成分ガスは、第2の反応部に導入されてハイドレート化される。ここでは、純メタンガスとほぼ同様の温度・圧力条件でハイドレート化を行うことが可能であり、ガス包蔵量の高いメタンハイドレートが生成する。このようにして得られるガスハイドレートの合計包蔵量(第1の反応部10および第2の反応部20の合計)は、単一の反応部でガスハイドレートを生成させた場合よりも高くなる。なお、本実施形態では第1の反応部10および第2の反応部20をそれぞれ1つずつ図示しているが、それぞれ複数の反応部(生成容器)によって構成することもできる。
第1の反応部10から回収される混合ガスハイドレートおよび第2の反応部20から回収されるメタンハイドレートは、それぞれ別個に貯蔵・移送等を行うことも可能であり、これらを混合して貯蔵・移送等を行うことも可能である。
<作用>
一段式のガスハイドレート製造装置で混合状態のガスをハイドレート化すると、前記したようにケージへのガスの取り込み量(包蔵量)が上がらず、頭打ちになるという問題がある。この理由は明らかではないが、以下のように考えれば合理的な説明が可能になる。なお、ここでは天然ガスハイドレートを例に挙げて説明する。
図2は、メタンとプロパンとを含有する混合ガスを原料として1段式ハイドレート製造装置(従来方法)で製造した混合ガスハイドレートのガス包蔵量と原料ガス中のプロパン濃度の関係を示すグラフである。このグラフには、プロパン濃度5%以下でガス包蔵量が増加する傾向が示されている。この結果から、天然ガス等の混合ガスを原料とするガスハイドレート製造においては、原料ガス中の副成分(例えば、エタン、プロパンなど)の量を低く抑えることによって、ガスハイドレートのガス包蔵量を向上させ得ることが示唆される。
ガスハイドレートはハイドレート形成物質の種類に応じて、I型、II型など異なるタイプの籠(ケージ)を持つことが知られている。天然ガスハイドレートの場合は、I型とII型のケージが混在した状態で生成する。これは、メタン以外にエタンやプロパンなどを含有するためであり、これら副成分の量によってI型とII型のケージの比率も変化するものと考えられる。例えば、プロパンを含むとII型のケージが形成され、そこにはプロパンとともにメタンも取り込むことが知られているが、その充填率は低く、空のままのケージも多くなると考えられる。一方、純メタンの場合には、略I型のケージのみによってハイドレートが構成される。
本発明では、ガスハイドレート製造のための反応部を複数に分け、第1の反応部でプロパンやエタンなどの副成分を混合ガスハイドレートとしてガスハイドレート化して消費させることによって、副成分によるケージ(例えばプロパンによるII型のケージなど)の生成比率を低く抑え、かつ第2の反応部では高純度の主成分ガスから単一ケージ(例えばメタンによるI型のケージ)のガスハイドレートを形成させる。その結果、第1の反応部で生じた混合ガスハイドレートのガス包蔵量が低率であったとしても、低い比率に止まるため、全体的には高いガス包蔵量を得ることが可能になるものと推測される。
また、第1の反応部と第2の反応部を分離してハイドレート形成を行う場合に、効率良くガスハイドレート生成を行うためには、第1の反応部と第2の反応部を分離し、第2の反応部へ直接水を補給することが効果的であることが実験的に確認された。この理由も、前記I型のケージとII型のケージとが混在する状態の中の空のケージにガスを包蔵させるより、第2の反応部に新鮮な水を別途導入することによって、I型のケージによるメタンハイドレートを生成しやすくさせ得るためと推測される。
さらに、混合ガスハイドレートの生成においてハイドレート化率が低下する要因の一つとして、混合ガスハイドレートの生成量が増えるに従い液相の粘性が上昇することが挙げられる。従って、そのままハイドレート生成を続けると気液接触効率が低下し、ハイドレート化率も抑制されるが、第2の反応部に水を追加導入することによって、液相の粘性が低下する結果としてハイドレート生成効率が改善されている可能性がある。
以下、実施例、比較例を挙げ、本発明をさらに詳しく説明するが、本発明はこれにより何ら制約されるものではない。なお、以下の実施例、比較例における図3および図4において、符号34a〜34cおよび符号52は圧力調整手段を示し、符号35a〜35cおよび符号53は温度調整手段を示す。
実施例1
2段式混合ガスハイドレート製造装置による製造:
図3に示す試験装置を使用して天然ガスハイドレートを製造した。
<実験手順>
2段式混合ガスハイドレート製造装置30の反応容器31aおよび反応容器31bに、それぞれ精製水を0.5リットルずつ充填した。蓄圧器51に所定圧、濃度の混合ガスを充填し、そこから蓄圧器51から反応容器31aに所定圧5MPaになるまで混合ガスを充填した。
冷却器33aによって反応容器31aを所定の生成温度条件(3〜5℃)に調整した後、反応容器31a内の水を攪拌機32aで攪拌することによってガスと水を気液接触させ、ガスハイドレートの生成を開始した。蓄圧器51から反応容器31aへガス供給を行い、温度は冷却器33aで一定に保持した。
反応容器31a内でのガスハイドレート生成がある程度進み、気相中のメタン濃度が98%以上になった段階でバルブ55を開き反応容器31a内の気相ガスを流出させ、反応容器31bの気相に導入した。
冷却器33bによって反応容器31b内を所定温度(0〜5℃)に調整し、容器内の水を攪拌機32bで攪拌してガスハイドレートの生成を開始した。温度は冷却器33bで一定に保持し続けた。
反応容器31b内のガスハイドレート生成が止まった時点で、反応容器31b内の攪拌を停止し、両反応容器31a、31bを−20℃まで冷却した。冷却後、両反応容器31a、31b内の圧力を大気圧まで減圧した。気相ガスは、適宜採取し、ガス組成を計測した。また、反応容器31a、31bで生成したガスハイドレートをそれぞれ採取し、ガスハイドレートの包蔵ガス量やガス組成を計測した。
比較例1
1段式混合ガスハイドレート製造装置による製造:
図4に示す試験装置を使用して天然ガスハイドレートを製造した。
<実験手順>
反応容器31cに、精製水を0.5リットル充填した。蓄圧器51に所定圧、濃度の混合ガスを充填し、そこから反応容器31cに所定圧5MPaになるまで混合ガスを充填した。
冷却器33cにより反応容器31c内を所定の生成温度条件(3〜5℃)に調整した後、反応容器31c内の水を攪拌機32cで攪拌することによってガスと水を気液接触させ、ガスハイドレートの生成を開始した。反応容器31cの圧力は、蓄圧器51から減圧弁54を通してガスを供給することにより一定圧力に保持し、ガスハイドレートの生成によって減少したガスは定常的に供給した。また、反応容器31c内の温度は冷却器33cによって一定温度に保持した。
ガスハイドレートの生成が止まった時点で反応容器31c内の攪拌を停止し、反応容器31cを−20℃まで冷却した。冷却後、反応容器31c内圧力を大気圧まで減圧した。圧力容器31Cの気相ガスを適宜採取し、ガス組成を計測した。生成したガスハイドレートを採取し、ガスハイドレートの包蔵ガス量やガス組成を計測した。
<結果>
図5に初期原料ガスと反応容器31aで得られる気相ガス(つまり、反応容器31bの原料ガス;2次原料ガス)のプロパンの濃度を、図6に1段式のガスハイドレート製造装置40で生成したガスハイドレート(比較例1)と、2段式のガスハイドレート製造装置30の反応容器31bで生成したガスハイドレート(実施例1)のガス包蔵量を示す。
図5から、2段式のガスハイドレート製造装置30では、反応容器31aによって気相中のプロパン濃度はほぼ0%に近い値まで低下しており、これを反応容器31bの原料ガスとして使用することによって、図6に示すように1段式のガスハイドレート製造装置40で製造した混合ガスハイドレートに比べて高いガス包蔵量が得られた。
上記実施例、比較例より、混合ガスを一段階の反応でガスハイドレート化した場合に比べ、反応を2段階以上に分けた場合には、ハイドレート化率が高まり、ガス包蔵量を大きくすることができることが示された。
以上、本発明を種々の実施形態に関して述べたが、本発明は上記実施形態に制約されるものではなく、特許請求の範囲に記載された発明の範囲内で、他の実施形態についても適用可能である。
例えば、図1では第1の反応部10と第2の反応部20とを別容器により構成したが、例えば、図7に示すように一体のハイドレート生成容器110において、第1の反応部111と第2の反応部112を区別して形成することも可能である。
すなわち、管状のハイドレート生成装置110の内部に原料となる生成水とガス(例えば天然ガス)とを流送しながらハイドレート形成を行わせる方式において、原料ガスが所定濃度(例えば95%)に達するまでの領域を第1の反応部111として、第2の反応部112の開始部位には水補給手段22を設ける構成を採用することができる。
本発明は、天然ガスをはじめとする混合ガスをハイドレート化して貯蔵、移送等に供する際に有利に利用できる。
本発明の一実施形態に係るハイドレート製造装置の概要を示す図面。 混合ガスハイドレートのガス包蔵量とプロパン濃度の関係を示すグラフ図面。 実施例1で用いた2段式混合ガスハイドレート製造装置の概要を示す図面。 比較例1で用いた1段式混合ガスハイドレート製造装置の概要を示す図面。 原料ガス中のプロパン濃度の比較を示す図面。 実施例1と比較例1のガスハイドレートにおけるガス包蔵量の比較を示す図面。 本発明の別の実施形態に係るハイドレート製造装置の概要を示す図面。
符号の説明
10 第1の反応部
11 ガス導入手段
12 水導入手段
13 ガス排出手段
20 第2の反応部
21 ガス導入手段
22 水補給手段
23 ハイドレート排出手段
100 ハイドレート製造装置
110 ハイドレート生成容器
111 第1の反応部
112 第2の反応部
200 ハイドレート製造装置

Claims (5)

  1. 主成分と副成分からなる二種以上の成分を含有する混合ガスを原料とし、気液接触させてガスハイドレートを生成させるガスハイドレート製造装置であって、
    混合ガスと水とを気液接触させて混合ガスハイドレートを生成させる第1の反応部と、
    水補給手段を備え、前記第1の反応部を通過したガスと補給水とを気液接触させてガスハイドレートを生成させる第2の反応部と、
    を備えたガスハイドレート製造装置。
  2. 請求項1において、前記第1の反応部と前記第2の反応部を、別々の生成容器により構成したことを特徴とする、ガスハイドレート製造装置。
  3. 主成分と副成分からなる二種以上の成分を含有する混合ガスを原料とし、気液接触させてガスハイドレートを生成させるガスハイドレート製造方法であって、
    混合ガスと水とを気液接触させて混合ガスハイドレートを生成させる第1の反応工程と、
    前記第1の反応工程で副成分の大部分がハイドレート化して除去された高純度の主成分ガスに、水を追加導入して気液接触させ、ガスハイドレートを生成させる第2の反応工程と、
    を備えたガスハイドレート製造方法。
  4. 請求項3において、前記第1の反応工程で、気相中の主成分ガスの濃度が95%以上になった段階で第2の反応工程に移行させることを特徴とする、ガスハイドレート製造方法。
  5. 請求項3または4において、前記混合ガスが天然ガスであることを特徴とする、ガスハイドレート製造方法。
JP2004008726A 2004-01-16 2004-01-16 ガスハイドレート製造装置、およびガスハイドレート製造方法 Expired - Fee Related JP4744085B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2004008726A JP4744085B2 (ja) 2004-01-16 2004-01-16 ガスハイドレート製造装置、およびガスハイドレート製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2004008726A JP4744085B2 (ja) 2004-01-16 2004-01-16 ガスハイドレート製造装置、およびガスハイドレート製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2005200558A true JP2005200558A (ja) 2005-07-28
JP4744085B2 JP4744085B2 (ja) 2011-08-10

Family

ID=34821966

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2004008726A Expired - Fee Related JP4744085B2 (ja) 2004-01-16 2004-01-16 ガスハイドレート製造装置、およびガスハイドレート製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4744085B2 (ja)

Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006104385A (ja) * 2004-10-07 2006-04-20 Mitsui Eng & Shipbuild Co Ltd 混合ガスハイドレート製造方法
JP2006176709A (ja) * 2004-12-24 2006-07-06 Keio Gijuku ガスハイドレート生成方法及び装置
JP2007262372A (ja) * 2006-03-30 2007-10-11 Mitsui Eng & Shipbuild Co Ltd 混合ガスハイドレートの製造方法
WO2007113916A1 (ja) * 2006-04-06 2007-10-11 Mitsui Engineering & Shipbuilding Co., Ltd. 混合ガスハイドレート製造方法
CN112795410A (zh) * 2020-12-04 2021-05-14 大连理工大学 一种基于扭矩测量的两级连续式天然气水合物的制备系统
CN115629165A (zh) * 2022-12-21 2023-01-20 东北石油大学三亚海洋油气研究院 干预作业下井筒内天然气水合物生长速度的计算方法

Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001010985A (ja) * 1999-06-30 2001-01-16 Mitsui Eng & Shipbuild Co Ltd 天然ガスハイドレートの製造装置および製造方法
JP2001038133A (ja) * 1999-07-29 2001-02-13 Agency Of Ind Science & Technol 混合ガス分離装置及び混合ガス分離方法
JP2002249790A (ja) * 2001-02-23 2002-09-06 National Institute Of Advanced Industrial & Technology ガスハイドレート形成工程を含む混合ガスの組成制御方法及び濃縮方法
JP2002357299A (ja) * 2001-03-30 2002-12-13 Osaka Gas Co Ltd ハイドレートの熱量調整方法
JP2003135921A (ja) * 2001-10-31 2003-05-13 Meiji Univ 混合ガスの分離方法

Patent Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001010985A (ja) * 1999-06-30 2001-01-16 Mitsui Eng & Shipbuild Co Ltd 天然ガスハイドレートの製造装置および製造方法
JP2001038133A (ja) * 1999-07-29 2001-02-13 Agency Of Ind Science & Technol 混合ガス分離装置及び混合ガス分離方法
JP2002249790A (ja) * 2001-02-23 2002-09-06 National Institute Of Advanced Industrial & Technology ガスハイドレート形成工程を含む混合ガスの組成制御方法及び濃縮方法
JP2002357299A (ja) * 2001-03-30 2002-12-13 Osaka Gas Co Ltd ハイドレートの熱量調整方法
JP2003135921A (ja) * 2001-10-31 2003-05-13 Meiji Univ 混合ガスの分離方法

Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006104385A (ja) * 2004-10-07 2006-04-20 Mitsui Eng & Shipbuild Co Ltd 混合ガスハイドレート製造方法
JP2006176709A (ja) * 2004-12-24 2006-07-06 Keio Gijuku ガスハイドレート生成方法及び装置
JP2007262372A (ja) * 2006-03-30 2007-10-11 Mitsui Eng & Shipbuild Co Ltd 混合ガスハイドレートの製造方法
WO2007113916A1 (ja) * 2006-04-06 2007-10-11 Mitsui Engineering & Shipbuilding Co., Ltd. 混合ガスハイドレート製造方法
CN112795410A (zh) * 2020-12-04 2021-05-14 大连理工大学 一种基于扭矩测量的两级连续式天然气水合物的制备系统
CN115629165A (zh) * 2022-12-21 2023-01-20 东北石油大学三亚海洋油气研究院 干预作业下井筒内天然气水合物生长速度的计算方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP4744085B2 (ja) 2011-08-10

Similar Documents

Publication Publication Date Title
KR102283345B1 (ko) 연료전지 시스템 및 이를 포함하는 해양 구조물
Ricaurte et al. Combination of surfactants and organic compounds for boosting CO2 separation from natural gas by clathrate hydrate formation
CN102730637B (zh) 低碳排放的费托合成尾气综合利用工艺
EP1973838A2 (en) A method for gas storage, transport, and energy generation
JP2015081346A (ja) 二酸化炭素と空気との混合ガスを注入する方法を用いたガスハイドレートの生産方法
JP4744085B2 (ja) ガスハイドレート製造装置、およびガスハイドレート製造方法
WO2008055077A2 (en) System for continuous production of hydrates
JP2008248190A (ja) 混合ガスハイドレート製造方法
JP4462976B2 (ja) 混合ガスの分離方法、混合ガス分離装置、および混合ガス処理システム
WO2017150600A1 (ja) 燃料ガス供給装置および燃料ガス供給方法
JP2010013594A (ja) Bog再液化装置、および再液化bogから窒素を除去する方法
CN103443249B (zh) 烃合成反应装置、其启动方法及烃合成反应系统
JP2001348584A (ja) 二酸化炭素ハイドレートの生産方法
JP2009221458A (ja) ガスハイドレートの精製方法
EP4006127B1 (en) Medium for rapid hydrate formation and preparation method, use and use method thereof
JP5063680B2 (ja) 天然ガスハイドレートの製造方法及びその装置
JP2002038171A (ja) ハイドレートの製造方法および製造装置、天然ガスの貯蔵方法
JP2008043855A (ja) 気液混合流動体の送給方法及び送給装置
JP2003342590A (ja) ガスハイドレートの製造方法
JP2001279279A (ja) ガスハイドレート製造装置及び多段ガスハイドレート製造装置
JP2012046696A (ja) 混合ガスハイドレート生成装置、混合ガスハイドレート生成方法、および混合ガスハイドレートペレット製造装置
KR20110105453A (ko) 가스 촉진제를 이용한 수소하이드레이트 생산 및 수소 저장 기술 방법
JP2006176709A (ja) ガスハイドレート生成方法及び装置
JP2007321001A (ja) 高純度メタンガス製造装置
JP4942398B2 (ja) 高純度メタンガス製造装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20060322

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20090810

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20090819

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20091016

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20101201

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20110228

A911 Transfer of reconsideration by examiner before appeal (zenchi)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A911

Effective date: 20110308

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20110420

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20110510

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140520

Year of fee payment: 3

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees