JP2005200257A - 硫黄成形体の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】型枠を用いて建築用又は土木用の硫黄成形体を製造するにあたり、得られる硫黄成形体やその内部に生じる亀裂の発生率を十分に抑制でき、しかも外層と内層を均一層にすることが可能な、更には硫黄成形体の製造において発生した余剰物を有効に利用できる硫黄成形体の製造方法を提供すること。
【解決手段】本発明の硫黄成形体の製造方法は、硫黄や変性硫黄の溶融物と、無機系資材を主成分として含む資材とを混練する工程(A)と、前記混練物を型枠に注ぐ工程(B)と、工程(B)における混練物の型枠への注ぎ込み終了後、速やかに、型枠の中央部及びその近傍に硫黄固化体を投入する工程(C)と、混練物の固化体を型枠から脱型する工程(D)とを含む。
【選択図】 なし
【解決手段】本発明の硫黄成形体の製造方法は、硫黄や変性硫黄の溶融物と、無機系資材を主成分として含む資材とを混練する工程(A)と、前記混練物を型枠に注ぐ工程(B)と、工程(B)における混練物の型枠への注ぎ込み終了後、速やかに、型枠の中央部及びその近傍に硫黄固化体を投入する工程(C)と、混練物の固化体を型枠から脱型する工程(D)とを含む。
【選択図】 なし
Description
本発明は、得られる硫黄成形体、並びにその内部における亀裂の発生等が十分抑制でき、建築用又は土木用等として利用可能な優れた機械的強度が期待できる硫黄成形体の製造方法に関する。
近年、コンクリートの代替資材等として、硫黄固化体を利用した建築用又は土木用成形体が、例えば、特許文献1〜9等に種々提案されている。このような硫黄成形体は、通常、硫黄及び/又は変性硫黄の溶融物と、無機系資材等の骨材とを混練して、例えば、所望形状の型枠に注ぎ込み、該型枠に振動を加え、室温になるまで放置した後に脱型して製造されている。
一般に、溶融状態の硫黄や変性硫黄は強度が無く、固化温度を下回った時点で急激にコンクリート以上の高強度を発現する。この溶融状態の硫黄や変性硫黄が固化する際には僅かに体積が縮小する。また、溶融状態の硫黄や変性硫黄と、所望の無機資材等とを型枠に入れて固化する際には、大気温度に接する型枠面側と打ち込み面側の溶融物は、型枠内部の溶融物よりも固化速度が速くなる。これは、型枠に振動を与えた場合も同様である。
従って、従来の硫黄成形体の製造方法では、硫黄溶融物の固化が、外周部において強固に固化された状態であっても、硫黄固化体は熱容量が著しく大きいために内部に溶融状態が存在することが多い。特に、固化部間の距離が長い、即ち、前記内部の溶融状態の層が厚い場合には、この内部の溶融物が固化する際の収縮により得られる成形体若しくはその内部に亀裂が生じる確率が高くなる。このような傾向は、変性硫黄の溶融物を調製する際に硫黄にジシクロペンタジエン等の硫黄改質剤を多く混合するほど顕著になる。
そこで、このような硫黄成形体の機械的強度等に悪影響を与える亀裂の発生をより低減しうる方法の開発が望まれている。
また、型枠を用いた硫黄成形体の製造は、バッチ式で行われるため、バッチ毎に余剰物が発生する。この余剰物は現在、再利用の途が少なく、廃棄されているのが実状である。
従って、このような硫黄成形体製造時の余剰物の有効利用も望まれている。
特開2000−15998号公報
特開2000−51815号公報
特開2000−53461号公報
特開2000−72523号公報
特開2000−327399号公報
特開2001−163649号公報
特開2002−60491号公報
特開2002−69188号公報
特開2002−97059号公報
従って、従来の硫黄成形体の製造方法では、硫黄溶融物の固化が、外周部において強固に固化された状態であっても、硫黄固化体は熱容量が著しく大きいために内部に溶融状態が存在することが多い。特に、固化部間の距離が長い、即ち、前記内部の溶融状態の層が厚い場合には、この内部の溶融物が固化する際の収縮により得られる成形体若しくはその内部に亀裂が生じる確率が高くなる。このような傾向は、変性硫黄の溶融物を調製する際に硫黄にジシクロペンタジエン等の硫黄改質剤を多く混合するほど顕著になる。
そこで、このような硫黄成形体の機械的強度等に悪影響を与える亀裂の発生をより低減しうる方法の開発が望まれている。
また、型枠を用いた硫黄成形体の製造は、バッチ式で行われるため、バッチ毎に余剰物が発生する。この余剰物は現在、再利用の途が少なく、廃棄されているのが実状である。
従って、このような硫黄成形体製造時の余剰物の有効利用も望まれている。
本発明の課題は、型枠を用いて建築用又は土木用の硫黄成形体を製造するにあたり、得られる硫黄成形体やその内部に生じる亀裂の発生率を十分に抑制でき、しかも外層と内層を均一層にすることが可能な、機械的強度等に優れる硫黄成形体の製造方法を提供することにある。
本発明の別の課題は、硫黄成形体の製造において発生した余剰物を有効に利用することが可能な硫黄成形体の製造方法を提供することにある。
本発明の別の課題は、硫黄成形体の製造において発生した余剰物を有効に利用することが可能な硫黄成形体の製造方法を提供することにある。
即ち、本発明によれば、硫黄及び/又は変性硫黄の溶融物と、無機系資材を主成分として含む資材とを混練する工程(A)と、工程(A)で調製した混練物を型枠に注ぐ工程(B)と、工程(B)における混練物の型枠への注ぎ込み終了後、速やかに、型枠の中央部及びその近傍に硫黄固化体を投入する工程(C)と、混練物の固化体を型枠から脱型する工程(D)とを含むことを特徴とする硫黄成形体の製造方法が提供される。
本発明の硫黄成形体の製造方法は、前記工程(A)〜(D)、特に、工程(C)を含むので、大気温度に接する型枠面側と打ち込み面側における溶融物の固化速度と、型枠内部の溶融物の固化速度の差を減少させることができ、得られる硫黄成形体やその内部に生じる亀裂の発生率を十分に抑制でき、しかも外層と内層を均一層にすることが可能となる。また、工程(C)において投入する硫黄固化体として、型枠を用いた硫黄成形体の製造において発生する余剰物を利用することができるので、従来廃棄されていたこのような余剰物の再利用が可能である。
従って、本発明は、魚礁、消波ブロック、防波ブロック、土留用壁、擁壁等の建築用又は土木用の機械的強度等に優れる硫黄成形体の製造方法に有用である。
従って、本発明は、魚礁、消波ブロック、防波ブロック、土留用壁、擁壁等の建築用又は土木用の機械的強度等に優れる硫黄成形体の製造方法に有用である。
以下、本発明を更に詳細に説明する。
本発明の製造方法においては、まず、硫黄及び/又は変性硫黄の溶融物と、無機系資材を主成分として含む資材とを混練する工程(A)を行う。
本発明の製造方法においては、まず、硫黄及び/又は変性硫黄の溶融物と、無機系資材を主成分として含む資材とを混練する工程(A)を行う。
工程(A)において用いる硫黄の溶融物は、通常の硫黄単体で、天然産又は、石油や天然ガスの脱硫によって生成した硫黄の溶融物のいずれでも良い。また、変性硫黄は、硫黄を硫黄改質剤でポリマー化した公知等の変性硫黄の溶融物である。
前記硫黄改質剤としては、例えば、ジシクロペンタジエン(DCPD)、テトラハイドロインデン(THI)、シクロペンタジエン等とそれらのオリゴマー(2〜5量体混合物)、ジペンテン、ビニルトルエン、ジシクロペンテン等のオレフィン化合物類の1種類又は数種類の混合物等が挙げられるがこれらに限定されない。
前記DCPDとしては、例えば、DCPDの単体、若しくはシクロペンタジエンの2〜5量体を主体に構成される混合物が挙げられる。該混合物は、DCPDを通常70mass%以上、好ましくは85mass%以上含むものをいう。従って、いわゆるジシクロペンタジエンと称する市販品の多くが使用できる。
前記THIとしては、例えば、THIの単体、若しくはTHIとシクロペンタジエンとの重合物、THIとシクロペンタジエンとブタンジエンとの重合物、シクロペンタジエンの2〜5量体からなる群より選択される1種又は2種以上を主体に構成される混合物が挙げられる。該混合物は、THIを通常50mass%以上、好ましくは65mass%以上含むものをいう。従って、いわゆるテトラハイドロインデンと称する市販品やエチルノルボルネンの製造プラントから排出される副生成油の多くが使用できる。
前記変性硫黄の溶融物を調製する際の前記硫黄改質剤の配合割合は、硫黄100質量部に対して通常0.01〜30質量部、好ましくは0.1〜20質量部、特に好ましくは0.1〜10質量部となる割合である。
前記硫黄改質剤としては、例えば、ジシクロペンタジエン(DCPD)、テトラハイドロインデン(THI)、シクロペンタジエン等とそれらのオリゴマー(2〜5量体混合物)、ジペンテン、ビニルトルエン、ジシクロペンテン等のオレフィン化合物類の1種類又は数種類の混合物等が挙げられるがこれらに限定されない。
前記DCPDとしては、例えば、DCPDの単体、若しくはシクロペンタジエンの2〜5量体を主体に構成される混合物が挙げられる。該混合物は、DCPDを通常70mass%以上、好ましくは85mass%以上含むものをいう。従って、いわゆるジシクロペンタジエンと称する市販品の多くが使用できる。
前記THIとしては、例えば、THIの単体、若しくはTHIとシクロペンタジエンとの重合物、THIとシクロペンタジエンとブタンジエンとの重合物、シクロペンタジエンの2〜5量体からなる群より選択される1種又は2種以上を主体に構成される混合物が挙げられる。該混合物は、THIを通常50mass%以上、好ましくは65mass%以上含むものをいう。従って、いわゆるテトラハイドロインデンと称する市販品やエチルノルボルネンの製造プラントから排出される副生成油の多くが使用できる。
前記変性硫黄の溶融物を調製する際の前記硫黄改質剤の配合割合は、硫黄100質量部に対して通常0.01〜30質量部、好ましくは0.1〜20質量部、特に好ましくは0.1〜10質量部となる割合である。
前記変性硫黄の溶融物は、例えば、硫黄と硫黄改質材とを120〜160℃の範囲で溶融混合することにより得ることができる。この際の反応終了時期は、例えば、溶融混合した溶融物の140℃における粘度が0.05〜3.0Pa.sの範囲が好ましいが、得られる成形体の強度や製造工程の作業性の観点から、140℃における粘度が0.05〜2.0Pa.sであるのがより好ましい。
工程(A)において用いる資材は、無機系資材を主成分とする骨材等が挙げられる。該骨材としては特に限定されず、一般にコンクリートで用いられる天然骨材、例えば、天然石、砂利、砂、硅砂等や、再利用可能な産業廃棄物等が挙げられる。
産業廃棄物としては、例えば、焼却灰、焼却飛灰、都市ごみ高温溶融炉から発生する溶融飛灰、電力事業及び一般産業から排出される石炭灰、石油系燃料の燃焼灰、流動床焼却装置で使用した流動砂、重金属に汚染された土壌、研磨屑、各種金属製造時に副生する副生物、例えば、鉄鋼スラグ、鉄鋼ダスト、フェロニッケルスラグ、アルミドロス、鋼スラグ等から選ばれる1種又は2種以上等が挙げられる。
産業廃棄物としては、例えば、焼却灰、焼却飛灰、都市ごみ高温溶融炉から発生する溶融飛灰、電力事業及び一般産業から排出される石炭灰、石油系燃料の燃焼灰、流動床焼却装置で使用した流動砂、重金属に汚染された土壌、研磨屑、各種金属製造時に副生する副生物、例えば、鉄鋼スラグ、鉄鋼ダスト、フェロニッケルスラグ、アルミドロス、鋼スラグ等から選ばれる1種又は2種以上等が挙げられる。
前記骨材としては、特に、CaO/SiO2質量比が0.9以下、好ましくは0.8以下である無機骨材、例えば、石炭灰、珪砂、珪石、長石、シリカ、石英粉、石英質岩石、砕石、砂、ガラス粉末、火山ガラス等のシリカ成分を主体とする天然あるいは工業原料、石炭灰、高炉スラグ、転炉スラグ、製鋼スラグ、廃棄物溶融スラグ、廃コンクリート、廃アスベスト、廃ロックウール等のリサイクル資源や産業廃棄物の使用が好ましい。
また資材としては、例えば、粘土鉱物、活性炭、アルミナセメント、ガラス粉末等の無機系資材、繊維質充填材、繊維状粒子、薄片状粒子等も使用できる。
前記繊維質充填材を使用することにより、得られる硫黄成形体の曲げ強度を高めることができる。該繊維質充填材としては、例えば、カーボンファイバー、グラスファイバー、鋼繊維、アモルファス繊維、ビニロン繊維、ポリプロピレン繊維、ポリエチレン繊維、アラミド繊維又はこれらの2種以上の混合物が好ましく挙げられる。
前記繊維状粒子、薄片状粒子を使用することにより、得られる硫黄成形体の靭性を高めることができる。該繊維状粒子としては、平均長さ1mm以下のウォラスナイト、ボーキサイト、ムライト等が挙げられ、薄片状粒子としては、平均粒度1mm以下のマイカフレーク、タルクフレーク、バーミキュライトフレーク、アルミナフレーク等が挙げられる。これらは使用に際しては単独もしくは2種以上の混合物として用いることができる。
また資材としては、例えば、粘土鉱物、活性炭、アルミナセメント、ガラス粉末等の無機系資材、繊維質充填材、繊維状粒子、薄片状粒子等も使用できる。
前記繊維質充填材を使用することにより、得られる硫黄成形体の曲げ強度を高めることができる。該繊維質充填材としては、例えば、カーボンファイバー、グラスファイバー、鋼繊維、アモルファス繊維、ビニロン繊維、ポリプロピレン繊維、ポリエチレン繊維、アラミド繊維又はこれらの2種以上の混合物が好ましく挙げられる。
前記繊維状粒子、薄片状粒子を使用することにより、得られる硫黄成形体の靭性を高めることができる。該繊維状粒子としては、平均長さ1mm以下のウォラスナイト、ボーキサイト、ムライト等が挙げられ、薄片状粒子としては、平均粒度1mm以下のマイカフレーク、タルクフレーク、バーミキュライトフレーク、アルミナフレーク等が挙げられる。これらは使用に際しては単独もしくは2種以上の混合物として用いることができる。
工程(A)において、硫黄及び/又は変性硫黄の溶融物と資材との混合割合は、質量比で好ましくは1〜5:9〜5である。最も望ましいのは、資材としての骨材が最密充填構造をとった場合のその空隙を埋める量の硫黄や変性硫黄が配合された場合であり、この際に強度は最も高くなる。前記変性硫黄の混合割合が10質量%未満では、資材表面を十分に濡らすことができず、資材が露出した状態となり、強度が十分発現しないと共に遮水性が維持できない恐れがある。一方、前記硫黄及び/又は変性硫黄の溶融物の混合割合が50質量%を超えると、硫黄及び/又は変性硫黄の性質に近づき強度が低下する傾向にある。
工程(A)において、硫黄及び/又は変性硫黄の溶融物と資材との混合は、乾燥雰囲気で行うことが好ましい。
前記混合は、例えば、資材を120〜155℃程度に予熱、乾燥し、硫黄及び/又は変性硫黄の溶融物は120〜155℃の溶融状態にしておき、混合機も120〜155℃の温度に予熱して行うことが好ましい。
前記混合に用いる混合機としては特に限定されないが、好ましくは固液撹拌用混合機が使用できる。例えば、インターナルミキサー、ロールミル、ボールミル、ドラムミキサー、スクリュー押出し機、パグミル、ポニーミキサー、リボンミキサー、ニーダー等が使用できる。
前記混合は、例えば、資材を120〜155℃程度に予熱、乾燥し、硫黄及び/又は変性硫黄の溶融物は120〜155℃の溶融状態にしておき、混合機も120〜155℃の温度に予熱して行うことが好ましい。
前記混合に用いる混合機としては特に限定されないが、好ましくは固液撹拌用混合機が使用できる。例えば、インターナルミキサー、ロールミル、ボールミル、ドラムミキサー、スクリュー押出し機、パグミル、ポニーミキサー、リボンミキサー、ニーダー等が使用できる。
本発明の製造方法では、次いで、前記工程(A)で調製した混練物を型枠に注ぐ工程(B)を行う。
工程(B)において用いる型枠は、硫黄成形体の製造に使用される材質のものであれば特に限定されず、その形態等は、得られる硫黄成形体の用途等に応じて適宜選択することができる。
工程(B)において用いる型枠は、硫黄成形体の製造に使用される材質のものであれば特に限定されず、その形態等は、得られる硫黄成形体の用途等に応じて適宜選択することができる。
本発明の製造方法では、続いて、工程(B)における混練物の型枠への注ぎ込み終了後、速やかに、型枠の中央部及びその近傍に硫黄固化体を投入する工程(C)を行う。
工程(C)においては、前記混練物の固化速度が、通常、型枠面側及び打ち込み面側で速く、型枠内部で遅いために生じる、硫黄成形体及びその内部における亀裂を抑制しうる工程であり、工程(B)終了後、混練物が固化を開始する時、若しくは固化開始直後に行う必要がある。従って、工程(C)において「速やかに」という文言、並びに硫黄固化体を投入する位置を示す「型枠の中央部及びその近傍」という文言は、上記工程(C)の目的が達成しうる範囲で理解することができる。速やかにとは、好ましくは工程(B)において型枠に混練物を注ぎ終わった後、60分以内、特に好ましくは30分以内である。また、型枠の中央部及びその近傍とは、好ましくは型枠の中心部からの距離が、型枠面から中心までの距離の80%以内の範囲、特に好ましくは50%以内の範囲である。
工程(C)においては、前記混練物の固化速度が、通常、型枠面側及び打ち込み面側で速く、型枠内部で遅いために生じる、硫黄成形体及びその内部における亀裂を抑制しうる工程であり、工程(B)終了後、混練物が固化を開始する時、若しくは固化開始直後に行う必要がある。従って、工程(C)において「速やかに」という文言、並びに硫黄固化体を投入する位置を示す「型枠の中央部及びその近傍」という文言は、上記工程(C)の目的が達成しうる範囲で理解することができる。速やかにとは、好ましくは工程(B)において型枠に混練物を注ぎ終わった後、60分以内、特に好ましくは30分以内である。また、型枠の中央部及びその近傍とは、好ましくは型枠の中心部からの距離が、型枠面から中心までの距離の80%以内の範囲、特に好ましくは50%以内の範囲である。
工程(C)において投入する硫黄固化体は、硫黄及び/又は変性硫黄と、無機系資材を主成分として含む資材とを含有する固化体であれば良い。好ましくは、得られる硫黄成形体の内部組織をより均一にするために、投入する硫黄固化体の組成が、型枠に注ぎ込んだ混練物の組成と実質的に同一であることが好ましい。ここで、実質的に同一とは、硫黄固化体を調製する際の仕込み原料組成と、前記混練物調製時の原料組成とがほぼ同じであることをいう。
このような硫黄固化体としては、型枠を用いた硫黄成形体の製造において生じた余剰物を使用することができ、このような余剰物の再利用が可能である。
このような硫黄固化体としては、型枠を用いた硫黄成形体の製造において生じた余剰物を使用することができ、このような余剰物の再利用が可能である。
前記硫黄固化体の投入量は、上記工程(C)の目的が達成しうるように、型枠の大きさ、形状、混練物の量に応じて適宜選択できるが、通常、工程(B)で型枠に注ぎ込んだ混練物100質量部に対して、5〜100質量部、好ましくは5〜40質量部である。硫黄固化体の投入量が5質量部未満、若しくは100質量部を超えると工程(C)における所望の効果が期待できない恐れがあるので好ましくない。
また、投入する硫黄固化体は、1個でも良いが、通常、複数個の投入が、所望の効果をより向上させ、更には作業性の点からも好ましい。このように複数個を投入する場合の硫黄個化体の容量は、1個の容量が1.0〜200000cm3程度であることが好ましい。
また、投入する硫黄固化体は、1個でも良いが、通常、複数個の投入が、所望の効果をより向上させ、更には作業性の点からも好ましい。このように複数個を投入する場合の硫黄個化体の容量は、1個の容量が1.0〜200000cm3程度であることが好ましい。
工程(C)において硫黄固化体を混練物中に投入すると、混練物の比重と硫黄固化体の比重が略同じであるので、通常、硫黄固化体は混練物中に浮遊する状態になり、混練物の固化が型枠面側及び打ち込み面側からのみならず、硫黄固化体が投入された内部からも固化が開始する。従って、混練物の固化が進んでいない溶融状態の層が硫黄固化体を投入しない場合に比して薄くなり、しかも混練物全体の固化速度も速くなるため、有効に亀裂の発生が抑制される。更に、投入された硫黄固化体と混練物との間で熱の授受が行われるため、該硫黄固化体の少なくとも表層は再度溶融状態になり、混練物が固化した際に混練物と投入した硫黄固化体とが一体となって全体を均一組織にすることができる。
前記工程(B)及び/又は工程(C)においては、得られる硫黄成形体の内部組織をより均一にするために、公知の方法等により所望時期に型枠に振動を加える操作を行うことが好ましい。また、混練物に超音波を照射して緻密化しながら固化させることもできる。
本発明の製造方法では、工程(C)の後、混練物を固化させ、該固化体を脱型する(D)工程を行うことにより、所望の硫黄成形体を得ることができる。この脱型後に必要により更に得られた成形体を加工することも可能である。
本発明の製造方法により得られる硫黄成形体は、任意の構造が作製可能であるので、例えば、歩道境界ブロック、インターロッキングブロック、魚礁、消波ブロック、防波ブロック、土留用壁、擁壁、U字溝、埋設型枠用パネル等の建築用又は土木用材料の成形体とすることができる。
以下、実施例及び比較例により本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれに限定されない。
実施例1
内部を140℃に予め加温保持した撹拌機付きタンクに、140℃で溶融状態の硫黄200kgを注いだ。次いで、溶融状態の硫黄を撹拌しながら、これにDCPD10kgを徐々に添加し撹拌を継続した。30分後にタンク内の溶融物の粘度が100mP・sになった。
得られた溶融物と、予め150℃に加熱乾燥した、鉄鋼スラグ480kgと、石炭灰160kgとをプロシェア−ミキサーに入れ10分間混練し、続いて、該ミキサーの下方に予め設置した50cm×50cm×100cmの型枠に混練物700kgを注いだ。該型枠には、型枠に振動を与える振動機が設置されており、混練物の注入の際及び注入後に所望の振動を与えた。
上記型枠に混練物を注入した後、速やかに、予め準備した5cm角以下の硫黄固化体(混練物とほぼ同一組成のもの)70kgを型枠のほぼ中央(型枠中心から半径約10〜15cm程度の範囲)上方から投入した。
約6時間後に型枠が室温になったところで型枠を外し、硫黄成形体を脱型した。得られた硫黄成形体を石切用カッターにより中心部が観察しうるように切断し、内部を肉眼で確認した。
その結果、硫黄成形体の内部には亀裂が無く、また不連続層もない均一組織となっていた。
実施例1
内部を140℃に予め加温保持した撹拌機付きタンクに、140℃で溶融状態の硫黄200kgを注いだ。次いで、溶融状態の硫黄を撹拌しながら、これにDCPD10kgを徐々に添加し撹拌を継続した。30分後にタンク内の溶融物の粘度が100mP・sになった。
得られた溶融物と、予め150℃に加熱乾燥した、鉄鋼スラグ480kgと、石炭灰160kgとをプロシェア−ミキサーに入れ10分間混練し、続いて、該ミキサーの下方に予め設置した50cm×50cm×100cmの型枠に混練物700kgを注いだ。該型枠には、型枠に振動を与える振動機が設置されており、混練物の注入の際及び注入後に所望の振動を与えた。
上記型枠に混練物を注入した後、速やかに、予め準備した5cm角以下の硫黄固化体(混練物とほぼ同一組成のもの)70kgを型枠のほぼ中央(型枠中心から半径約10〜15cm程度の範囲)上方から投入した。
約6時間後に型枠が室温になったところで型枠を外し、硫黄成形体を脱型した。得られた硫黄成形体を石切用カッターにより中心部が観察しうるように切断し、内部を肉眼で確認した。
その結果、硫黄成形体の内部には亀裂が無く、また不連続層もない均一組織となっていた。
比較例1
型枠に混練物700kgを注ぐまでを実施例1と同様に行った。次いで、5cm角以下の硫黄固化体を投入せずに、そのまま冷却した。約8時間後に型枠が室温になったところで型枠を外し、硫黄成形体を脱型した。得られた硫黄成形体を石切用カッターにより中心部が観察しうるように切断し、内部を肉眼で確認した。
その結果、硫黄成形体の内部に亀裂が観察された。
型枠に混練物700kgを注ぐまでを実施例1と同様に行った。次いで、5cm角以下の硫黄固化体を投入せずに、そのまま冷却した。約8時間後に型枠が室温になったところで型枠を外し、硫黄成形体を脱型した。得られた硫黄成形体を石切用カッターにより中心部が観察しうるように切断し、内部を肉眼で確認した。
その結果、硫黄成形体の内部に亀裂が観察された。
Claims (5)
- 硫黄及び/又は変性硫黄の溶融物と、無機系資材を主成分として含む資材とを混練する工程(A)と、
工程(A)で調製した混練物を型枠に注ぐ工程(B)と、
工程(B)における混練物の型枠への注ぎ込み終了後、速やかに、型枠の中央部及びその近傍に硫黄固化体を投入する工程(C)と、
混練物の固化体を型枠から脱型する工程(D)とを含むことを特徴とする硫黄成形体の製造方法。 - 工程(B)及び/又は工程(C)において、型枠を振動させる操作を行うことを特徴とする請求項1記載の製造方法。
- 工程(C)において投入する硫黄固化体の組成が、型枠に注ぎ込んだ混練物の組成と実質的に同一であることを特徴とする請求項1又は2記載の製造方法。
- 工程(C)において投入する硫黄固化体の投入量が、混練物100質量部に対して5〜100質量部であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項記載の製造方法。
- 工程(C)において投入する硫黄固化体の1個の容量が、1.0〜200000cm3であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項記載の製造方法。
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JP2010515601A (ja) * | 2007-01-15 | 2010-05-13 | シエル・インターナシヨネイル・リサーチ・マーチヤツピイ・ベー・ウイ | 硫黄セメント生成物の造形用モールド及び造形方法 |
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2004
- 2004-01-14 JP JP2004007149A patent/JP2005200257A/ja active Pending
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