JP2005198374A - 回転電機 - Google Patents
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Abstract
【課題】 新たな金型を必要とせず、従って部品点数が増加しないためコストアップを招くことなく電食を防止できる、安定した電食防止構造を有する回転電機を提供する。
【解決手段】 回転軸1に固定された金属製の回転子2と、この回転子の外側に隙間を設けて配置された金属製のステータ3と、このステータの外側に設けられ該ステータを保持する金属製のフレーム4と、このフレームの軸方向両端部に配設された金属製のブラケット5と、このブラケットに固定され上記回転軸を回転自在に支持する軸受6とを備えた回転電機において、上記回転子から軸受を経由してフレームに至る構成系内に絶縁コーティング7を介装し、上記軸受により形成される静電容量に対して該絶縁コーティングにより形成される静電容量が直列に接続されるようにした。
【選択図】 図1
【解決手段】 回転軸1に固定された金属製の回転子2と、この回転子の外側に隙間を設けて配置された金属製のステータ3と、このステータの外側に設けられ該ステータを保持する金属製のフレーム4と、このフレームの軸方向両端部に配設された金属製のブラケット5と、このブラケットに固定され上記回転軸を回転自在に支持する軸受6とを備えた回転電機において、上記回転子から軸受を経由してフレームに至る構成系内に絶縁コーティング7を介装し、上記軸受により形成される静電容量に対して該絶縁コーティングにより形成される静電容量が直列に接続されるようにした。
【選択図】 図1
Description
この発明は、例えばインバータにより高いキャリア周波数で作動させる電動モータなどに好ましく用いられる回転電機に関し、特に転がり軸受などの軸受の電食防止構造の改善に関するものである。
従来の回転電機における転がり軸受(ベアリング)の電食防止装置では、例えば特開2000−299959号公報(公報中の図1)に示されるように、モータケースと転がり軸受の外輪との間に絶縁部材を設ける発明が開示されている。この電動モータを高いキャリア周波数で作動させると、回転軸とモータケースとの間に大きな電位差が生じる場合がある。この場合でも、絶縁部材によりモータケースと転がり軸受とが電気的に絶縁されているため、転がり軸受の内輪と外輪が等電位となる。この例では絶縁部材としてPBT、PPS、PA66、PA6などから選択された合成樹脂に、ガラス繊維、シリカ粒子およびチタン酸カリウム繊維から選択された充填材を、成形収縮率が1.5体積%以下となるように添加した合成樹脂材料を射出成型した円環で電食を防止するようにしている。(例えば特許文献1参照)。
上記のような従来の回転電機における電食防止構造では、絶縁部材を射出成形により形成しているため、(1)容量の異なるモータの軸受ごとに金型を用意する必要がある。(2)成形部品は回転子と固定子の同心度を保つ必要があるため、ある程度の精度(10から100μm程度)で外周、内周側の寸法を調整する必要があることから、金型と加工にコストがかかる問題があった。また、モータは常温から100℃付近まで熱が加わるため金属との膨張率の差があると、樹脂の割れなどの問題点もあった。
この発明は、上記のような従来技術の課題を解消するためになされたものであり、新たな金型を必要とせず、従って部品点数が増加しないためコストアップを招くことなく電食を防止できる安定した電食防止構造を有する回転電機を提供することを目的とするものである。
この発明による回転電機は、回転軸に固定された金属製の回転子と、この回転子の外側に隙間を設けて配置された金属製のステータと、このステータの外側を囲繞するように設けられ該ステータを保持する金属製のフレームと、このフレームの軸方向両端部に配設された金属製のブラケットと、このブラケットに固定され上記回転軸を回転自在に支持する軸受とを備えた回転電機において、上記回転子から軸受を経由してフレームに至る構成系内に絶縁コーティングを介装し、上記軸受により形成される静電容量に対して該絶縁コーティングにより形成される静電容量が直列に接続されるようにしてなるものである。
この発明によれば、回転子から軸受を経由してフレームに至る構成系内に絶縁コーティングを介装し、上記軸受により形成される静電容量に対して該絶縁コーティングにより形成される静電容量が直列に接続されるようにしたので、電食防止構造を構成するための新たな金型を必要とせず、部品点数が増加しないためコストアップを招くことなく電食が防止され、また、温度変化による割れなどの恐れがない安定した電食防止構造を有する回転電機を提供することができる。
実施の形態1.
図1はこの発明による実施の形態1になる電食防止構造を施した回転電機としての電動モータを模式的に示す断面図である。図に示すように、この電動モータ10は、回転軸1と、この回転軸1に固定された金属製の回転子2と、この回転子2の外側に所定の隙間を開けて配置された金属製のステータ(固定子)3と、このステータ3の外側を囲繞するように設けられ、該ステータ3を保持する円筒状の金属製のモータフレーム(以下、単にフレームという)4と、このフレーム4の軸方向両側部に配設された金属製のモータブラケット(以下、単にブラケットという)5a、5b(図においてa(図の左側)は反負荷側、b(図の右側)は負荷側とする)と、上記回転軸1をこのブラケット5a、5bに対して回転自在に支持する、内輪61a、61bと外輪63a、63bと転動体62a、62bが金属製である軸受としての転がり軸受6a、6b(以下、区別の必要がない限り軸受6と言う)を備えている。
図1はこの発明による実施の形態1になる電食防止構造を施した回転電機としての電動モータを模式的に示す断面図である。図に示すように、この電動モータ10は、回転軸1と、この回転軸1に固定された金属製の回転子2と、この回転子2の外側に所定の隙間を開けて配置された金属製のステータ(固定子)3と、このステータ3の外側を囲繞するように設けられ、該ステータ3を保持する円筒状の金属製のモータフレーム(以下、単にフレームという)4と、このフレーム4の軸方向両側部に配設された金属製のモータブラケット(以下、単にブラケットという)5a、5b(図においてa(図の左側)は反負荷側、b(図の右側)は負荷側とする)と、上記回転軸1をこのブラケット5a、5bに対して回転自在に支持する、内輪61a、61bと外輪63a、63bと転動体62a、62bが金属製である軸受としての転がり軸受6a、6b(以下、区別の必要がない限り軸受6と言う)を備えている。
そして、この実施の形態1ではモータの回転軸1と回転子2とが接触する部分における少なくとも一方の側に絶縁コーティング7a、7bが施され、回転軸1と回転子2を電気的に絶縁している。さらに、電食防止の効果をより確実にするために、回転子2と回転軸1の間の回転子2側に、該回転子2の軸方向中央部の内径を大きくして、回転軸1との間に中空部分21を設けることにより、コーティングで形成される静電容量を小さくしている。なお、8はステータ3の図示を省略しているスロット部に巻回された固定子巻線である。また、図中、同一符号は各実施の形態を通じて同一もしくは相当部分を示すものとする。
上記絶縁コーティング7a、7bは、例えば絶縁樹脂を用いた静電塗装によって形成することができる。好ましく用いることができる絶縁樹脂としては、例えばPTFE(四フッ化エチレン)、PFA(四フッ化エチレン−パーフルオロビニルエーテル共重合体)、FEP(四フッ化エチレン−六フッ化プロピレン共重合体)、ETFE(四フッ化エチレン−エチレン共重合体)、PCTFE(三フッ化塩化エチレン樹脂)、EPE、ECTFE等のフッ素系絶縁樹脂材料を挙げることができる。これら絶縁樹脂材料によるコーティングは、膜厚が約100μmから約500μmの範囲内で調整される。
上記膜厚が100μm未満では、絶縁コーティング7a、7bにピンホールを生じる可能性があり、また、電気的な容量(静電容量)が大きくなり、電食対策の効果が少なくなるので好ましくない。また、上記膜厚が500μmを超えると、コーティング時に膜のたれが生じ易く、表面の面精度の確保が困難となり、さらに割れが発生するなどの問題があるため、上記範囲内とすることが望ましい。
上記のように構成された電動モータ10は、上記ステータ3に配置された固定子巻線8に図1では図示を省略しているインバータ交流電源から電力を供給することで回転軸1が回転する。図2は、比較のために電食防止構造が施されていないモータ内の軸受に生じる電圧の等価回路を示したものである。インバータ9にモータ10が接続されている。図2中ではモータ10部分は等価回路で示している。固定子巻線Xmの中性点11にインバータ駆動によって電圧が発生すると、モータ10内の浮遊容量によって軸受部分に電圧が誘起される。
つまり固定子巻線とフレーム間の静電容量Csf、固定子巻線と回転子間の静電容量Csr、回転子とフレーム間の静電容量Crfと軸受の静電容量Cbで電圧を分担することによって、軸受間に電圧が印加される。印加された電圧が軸受の絶縁破壊電圧を超えると放電が発生し、継続的に放電が発生すると放電によって軸受の内部に電食と呼ばれる電気腐食が生じる。なお、Rbは軸受の抵抗、12は回転子部分に相当するノードである。
一方図1に示す実施の形態1の構成によれば、図3の等価回路図に示すように固定子巻線Xmの中性点11にインバータ駆動によって電圧が発生するが、軸受6部によって形成される静電容量Cbと絶縁コーティング7a、7b部によって形成される静電容量Cinsが直列に接続されることになり、電圧がそれぞれの静電容量で分担される。軸受6の外輪63と内輪61間に印加される電圧Vbは、図3のノード12の回転子から、接地されているフレーム間に印加される電圧をVnとすると、下記式1で表わせる。ただし、軸受6の抵抗Rbは軸受のインピーダンスに対して小さいとして無視している。
例えば、汎用モータの軸受静電容量合計(反負荷側、負荷側の軸受は並列回路となる)Cbが500pF程度であるとすると、絶縁コーティング7a、7bの静電容量をコーティングの厚さ、面積を調整することにより50pFにすると、絶縁コーティング7a、7bを施すことによって軸受6の外輪63と内輪61間の電圧は、絶縁コーティングを施す前に比して約10%に抑制できる。軸受6に流れる電流は、この部分のインピーダンスが大きくなるため抑制できる。上記の値は一例であるが、電食を防止するには軸受6の静電容量に対して絶縁コーティング7a、7bの静電容量が同等以下であれば効果を発揮する。好ましくは1/10以下にすることが望ましい。
上記絶縁コーティング7a、7b部によって形成される静電容量は、該絶縁コーティングの厚み、回転軸1の軸方向のコーティング長さを変化させることによって所要の値が得られる。因みに絶縁コーティング7a、7bの内径をa、絶縁コーティングの外径をb、絶縁コーティングの回転軸1方向の長さをLとすると、該絶縁コーティング7a、7bの静電容量Cinsは次の式2で表わせる。
なお、上式中、ε0:真空中の比誘電率(8.854×10−12F/m)、εins:絶縁材の比誘電率である。
例えば、絶縁コーティング7a、7bの内径を20mm、外径を20.3mm(絶縁コーティング膜厚を400μm)、軸方向の絶縁コーティング長の合計(負荷側、反負荷側の回転子との接触面の軸方向長さ)を10mmとすると、テフロン(登録商標)系樹脂の比誘電率はPFAの場合2.1であるので、絶縁コーティング7a、7bの静電容量は約60pFとなる。従って、軸受6の静電容量が例えば500pF程度の場合、軸受6に印加される電圧を約10%に抑制できる。
例えば、絶縁コーティング7a、7bの内径を20mm、外径を20.3mm(絶縁コーティング膜厚を400μm)、軸方向の絶縁コーティング長の合計(負荷側、反負荷側の回転子との接触面の軸方向長さ)を10mmとすると、テフロン(登録商標)系樹脂の比誘電率はPFAの場合2.1であるので、絶縁コーティング7a、7bの静電容量は約60pFとなる。従って、軸受6の静電容量が例えば500pF程度の場合、軸受6に印加される電圧を約10%に抑制できる。
汎用モータでは中性点電圧がインバータ駆動によって約200V程度のレベルで発生し、図3に示した回路で電位分担して軸受6に電圧が誘起される。例えば、軸受6の内輪61と接している回転軸1側から接地側のフレーム4間に印加される電圧を約10V程度とすると、上記の構成では軸受6の外輪63と内輪61間の電圧が約1Vとなる。一般的に印加される電圧が低いほど軸電食が発生しにくくなるため、モータ軸受の耐久性を向上させることが可能となる。
一方で、回転子2と回転軸1が接触する面すべてを絶縁コーティングすることを考える。式2のLが例えば150mmとすると、静電容量は900pFとなり、軸受6の静電容量より大きくなってしまい、式1から低減率は約65%となり電食抑制の効果は減少することがわかる。このように絶縁コーティング7a、7bを設けることによって、従来の対策のような、樹脂成形物を射出成形する必要がなくなり、容量の異なるモータ毎に金型を製作する必要もなくなるため、コストアップを招かない。また部品点数の増加を招かないため製造コストも低減できる。
さらに、回転子2の中空部分21の長さを調整する尤度(軸方向の調整可能幅が大きい)があるため、軸受の静電容量に対して最適な容量を持った絶縁コーティング7a、7bを形成することが可能となる。通常使用されるモータでは、例えば常温から100℃付近まで熱が加わるため、金属との膨張率の差があると成形樹脂を使用すると割れなどの問題を引き起こす可能性があるが、フッ素系の絶縁樹脂は伸び、圧縮力に対して十分な尤度があるので割れ等を生じない。また、軸ブラシを用いないため粉塵等の問題も生じず、例えばクリーンルームなどでの使用に対しても問題を生じることがない。
以上のように実施の形態1によれば、回転子1から軸受6を経由してフレーム4に至る構成系内における、回転軸1と回転子2との間にこれらの間を電気的に絶縁する絶縁コーティング7a、7bを介装したことにより、上記軸受6により形成される静電容量Cbに対して該絶縁コーティングにより形成される静電容量Cinsが直列に接続され、インバータによる高いキャリア周波数で作動させた場合でも、回転軸1とブラケット5との間に取り付けられた軸受6内に電流が流れることが防止されて、軸受6の耐久性が向上する。また、従来の対策のような、樹脂成形物を射出成形する必要がないため、異なるモータ容量ごとに金型を製作する必要もなくなり、コストアップを生じることがない。また、粉塵等の問題も生じないなどの効果が得られる。
実施の形態2.
図4はこの発明の実施の形態2による電食防止構造を施した回転電機としての電動モータを模式的に示す断面図である。図に示すように、モータ10の回転軸1と回転子2の間のどちらか一方の側に、上記実施の形態1と同様の絶縁コーティング7a、7bが施されており、さらにこの実施の形態2では電食防止の効果をより確実にするために、回転子2と回転軸1の間の回転軸1側に、該回転軸の中央部分の外径を小さくすることにより中空部分13を設けて、回転子2と回転軸1とを部分的に離間させて絶縁コーティング7a、7bが介装された回転軸1と回転子2で形成される静電容量を小さくしている。その他の構成は上記実施の形態1と同様であるので説明を省略する。
図4はこの発明の実施の形態2による電食防止構造を施した回転電機としての電動モータを模式的に示す断面図である。図に示すように、モータ10の回転軸1と回転子2の間のどちらか一方の側に、上記実施の形態1と同様の絶縁コーティング7a、7bが施されており、さらにこの実施の形態2では電食防止の効果をより確実にするために、回転子2と回転軸1の間の回転軸1側に、該回転軸の中央部分の外径を小さくすることにより中空部分13を設けて、回転子2と回転軸1とを部分的に離間させて絶縁コーティング7a、7bが介装された回転軸1と回転子2で形成される静電容量を小さくしている。その他の構成は上記実施の形態1と同様であるので説明を省略する。
上記のように構成されたこの発明の実施の形態2では、回転軸1と回転子2の間に絶縁コーティング7a、7bを介在させたことにより、上記実施の形態1と同様に電食抑制効果を発揮することは言うまでも無いが、回転軸1側に構成された中空部分13は機械加工のみで形成可能であるため、実施の形態1より更に安価に電食防止構造を構成できるメリットがある。
実施の形態3.
図5はこの発明の実施の形態3による電食防止構造を施した電動モータを模式的に示す要部断面図である。図に示すように、この実施の形態3では、モータ10のフレーム4と、その両端部に配置されたブラケット5a、5bとの間の何れか一方の対向部分に上記実施の形態1と同様の絶縁材料で、膜厚が同様に約100μmから約500μmの範囲内からなる絶縁コーティング14a、14bが施され、これらフレーム4とブラケット5a、5bとの間の電気的絶縁が行われている。なお、ブラケット5a、5bを固定するために、スルーボルト15が固定子3とブラケット5a、5bを貫通し、両端部がナット16で固定されているが、固定子3とスルーボルト15との間は図示を省略している絶縁物で絶縁されている。
図5はこの発明の実施の形態3による電食防止構造を施した電動モータを模式的に示す要部断面図である。図に示すように、この実施の形態3では、モータ10のフレーム4と、その両端部に配置されたブラケット5a、5bとの間の何れか一方の対向部分に上記実施の形態1と同様の絶縁材料で、膜厚が同様に約100μmから約500μmの範囲内からなる絶縁コーティング14a、14bが施され、これらフレーム4とブラケット5a、5bとの間の電気的絶縁が行われている。なお、ブラケット5a、5bを固定するために、スルーボルト15が固定子3とブラケット5a、5bを貫通し、両端部がナット16で固定されているが、固定子3とスルーボルト15との間は図示を省略している絶縁物で絶縁されている。
上記のようにフレーム4とブラケット5a、5bとの間に好ましくはフッ素系樹脂からなる絶縁コーティング14a、14bを施した実施の形態3によれば、インバータにより高いキャリア周波数で作動させた場合でも、回転軸1とブラケット5との間に取り付けられた軸受6内に電流が流れることが防止されて、軸受6の耐久性が向上する。また、モータの回転による絶縁部材のすべりによる磨耗が全くない箇所に絶縁が施されているため、より耐久性が向上した安定した電食防止効果を有する。さらに、このような電食防止の効果により、モータの耐久性をさらに向上させる効果が得られる。
実施の形態4.
図6はこの発明の実施の形態4による電食防止構造を施した電動モータの要部を模式的に示す側面図である。図に示すように、この実施の形態4では、ブラケット5a(5b)とフレーム4間の静電容量を最適にするために、両ブラケット5a(5b)のフレーム4に対向する周縁部分を周方向に4箇所切除し、軸方向から見たときにフレーム4の端部がブラケット5a(5b)の切除部分51a(51b)で見えるように歯車状に形成されている。その他の構成は上記実施の形態3と同様であるので説明を省略する。
図6はこの発明の実施の形態4による電食防止構造を施した電動モータの要部を模式的に示す側面図である。図に示すように、この実施の形態4では、ブラケット5a(5b)とフレーム4間の静電容量を最適にするために、両ブラケット5a(5b)のフレーム4に対向する周縁部分を周方向に4箇所切除し、軸方向から見たときにフレーム4の端部がブラケット5a(5b)の切除部分51a(51b)で見えるように歯車状に形成されている。その他の構成は上記実施の形態3と同様であるので説明を省略する。
上記のように構成された実施の形態4では、絶縁コーティング14a、14b部分の静電容量を上記実施の形態3のものよりもさらに低減することが可能となり、転がり軸受6の外周、内周間の電圧を低減することができ、電食防止の効果により、モータの耐久性をさらに向上させる効果がある。なお、図示を省略しているがブラケット5a(5b)に切除部分51a(51b)を形成したが、フレーム4のブラケットとの対向部分に切除部分を形成し、ブラケット5a(5b)の周縁部との間に空隙を設けるようにしても同様の効果が期待できる。
なお、上記実施の形態1〜4の電食防止構造をそれぞれ任意に組み合わせることによって、更に軸受6に加わる電圧、電流が抑制可能であるため、より高い電食防止効果を期待することができる。さらに、絶縁コーティング7を設ける位置も上記実施の形態に限定されるものではなく、要するに回転子2から軸受6を経由してフレーム4に至る構成系内の何れかに絶縁コーティングが介装され、軸受6により形成される静電容量に対して該絶縁コーティングにより形成される静電容量が直列に接続されるように構成されていれば同様の効果が期待できる。また、軸受6が転がり軸受である場合について説明したが、これに限定されるものではない。さらに、回転軸1と回転子2との間のスリップを防ぐためのキーを設けた回転電機(図示省略)であっても、キーの部分の凹凸に沿って絶縁コーティングを同様に設け、あるいは、所要の強度を有する絶縁性のキーを用いることにより、同様の効果を期待することができる。
1 回転軸、 2 回転子、 3 固定子、 4 フレーム(モータフレーム)、 5a、5b ブラケット(モータブラケット)、 6 軸受(転がり軸受)、 7a、7b 絶縁コーティング、 8 固定子巻線、 9 インバータ、 10 電動モータ、 13、21 中空部分、 14a、14b 絶縁コーティング、 15 スルーボルト、 16 ナット。
Claims (6)
- 回転軸に固定された金属製の回転子と、この回転子の外側に隙間を設けて配置された金属製のステータと、このステータの外側を囲繞するように設けられ該ステータを保持する金属製のフレームと、このフレームの軸方向両端部に配設された金属製のブラケットと、このブラケットに固定され上記回転軸を回転自在に支持する軸受とを備えた回転電機において、上記回転子から軸受を経由してフレームに至る構成系内に絶縁コーティングを介装し、上記軸受により形成される静電容量に対して該絶縁コーティングにより形成される静電容量が直列に接続されるようにしてなることを特徴とする回転電機。
- 上記絶縁コーティングは、上記回転軸と回転子の間に設けられてなることを特徴とする請求項1に記載の回転電機。
- 上記回転軸と回転子との間の軸方向中央部に中空部分を形成してなることを特徴とする請求項2に記載の回転電機。
- 上記絶縁コーティングは、上記フレームと上記ブラケットの間に設けられてなることを特徴とする請求項1に記載の回転電機。
- 上記ブラケットは、周縁部における上記フレームとの対向部分の一部を切除してなることを特徴とする請求項4に記載の回転電機。
- 上記絶縁コーティングは、フッ素系絶縁樹脂材料からなる膜厚が100μmから500μmの範囲内に形成されたものであることを特徴とする請求項1ないし請求項5の何れかに記載の回転電機。
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