JP2005197331A - 積層型電子部品の積層体製造方法およびその装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】高精度の積層体製作、製造工程の時間短縮が図れる積層型電子部品の積層体製造方法およびその装置を提供することを目的とするものである。
【解決手段】グリーンシート8を供給するシート巻出し供給部2と、グリーンシート8に接着剤を塗布する接着剤塗布部3と、グリーンシート8を巻付け積層する積層ドラム4と、積層ドラム4に巻付けたグリーンシート8に内部形成体要素を印刷する内部形成体要素印刷部5を有し、積層ドラム4の回転方向に回転角度を変える差動機構あるいは、積層ドラム4の回転軸方向に平行移動させる印刷平行移動機構を内部形成体要素印刷部5に設け、さらに、積層ドラム4の外円周にパレット11を奇数とし、凹版5aにおける版の数を偶数とする構成とする。
【選択図】図1
【解決手段】グリーンシート8を供給するシート巻出し供給部2と、グリーンシート8に接着剤を塗布する接着剤塗布部3と、グリーンシート8を巻付け積層する積層ドラム4と、積層ドラム4に巻付けたグリーンシート8に内部形成体要素を印刷する内部形成体要素印刷部5を有し、積層ドラム4の回転方向に回転角度を変える差動機構あるいは、積層ドラム4の回転軸方向に平行移動させる印刷平行移動機構を内部形成体要素印刷部5に設け、さらに、積層ドラム4の外円周にパレット11を奇数とし、凹版5aにおける版の数を偶数とする構成とする。
【選択図】図1
Description
本発明は、各種の積層型電子部品を形成するための積層体製造方法およびその装置に関するものである。
従来この種の積層型電子部品の積層体製造方法としては、複数のグリーンシートを準備し、これらのグリーンシートを所定枚数積層して、シート積層体を構成するのであり、積層されるグリーンシートの片面には、電極、抵抗、コンデンサ、インダクタあるいは複合素子などとして必要な機能に対応する内部形成体などが、複数同時にそれらの要素(素材)の印刷などにより形成されている。
そして、前記により構成されたシート積層体は、個々の積層型電子部品としてのチップを得るために、所定形状に切断して分離される。
これらのチップは対で焼成されることが多く、必要に応じて使用される電子機器への接続用外部電極や、製品としての仕様値の表示などが、チップ表面あるいは端面に形成される。
このような積層型電子部品において、小型化および高性能化を実現させるために、グリーンシートの薄層化および積層の多層化が進められている。
従来の積層体を製造する積層工法としては、例えばグリーンシートを1枚毎に積層と内部形成体(要素)の印刷による形成を繰返す方法と、連続帯状のグリーンシートを巻付けロール(積層ドラム)に巻付けながら、内部形成体を印刷して形成し、かつ積層する方法がある。
さらに、前者の方法におけるグリーンシートの積層方法は二通り考えられ、あらかじめ所定の内部形成体が印刷され形成されたグリーンシートを、必要枚数積層する方法、そしてグリーンシートへの内部形成体の印刷による形成とグリーンシートの積層を順次繰返す方法である。
さて、図5(a)に示すチップ型でセラミックコンデンサである積層型電子部品14のように、誘電体を挟持した内部形成体の電極を有する積層体を所定枚数積層し、2つの接続用外部電極を両端に設けた構造の製品に対しては、その静電容量が電極の対向面積に比例するのであり、2つの接続用外部電極に内部形成体の電極の一端を交互かつ確実に接続させるために、内部形成体の電極を精度よく交互すなわち1枚おきに、所定距離分(例えば3500〜4000μm)ずらす方法(以後、所定距離ずらしと称する)で積層する必要がある。
あらかじめ所定の内部形成体を印刷し形成されたグリーンシートを、必要枚数積層する方法においては、内部形成体の電極の位置を、所定距離ずらしを行ってから積層することで対応し、グリーンシートへの内部形成体の印刷による形成とグリーンシートの積層を順次繰返す方法においても、内部形成体の電極の印刷位置を、所定距離ずらしを行って印刷し形成する方法で対応している。
なお、この出願に関する先行技術文献情報としては、例えば、特許文献1が知られている。
特開平9−129483号公報
しかしながら、前記従来の積層型電子部品の積層体製造方法における積層工法では、バッチ処理の工程であり、積層時に各々位置合わせを必要とするため工程時間の短縮が図れず、またロータリ印刷では内部形成体の電極の印刷位置をずらして形成し、そのグリーンシートを積層することができず、製作される積層型電子部品が限定されるのであり、グリーンシートの薄層化および積層の多層化が進むほど、グリーンシートの積層工程時間が長く必要となり、工程時間の短縮が図れないという課題を有していた。
本発明は、前記課題を解決しようとするものであり、チップ型の積層セラミックコンデンサのように、内部形成体の印刷形成に所定距離ずらしを必要とする積層型電子部品の積層工程において、グリーンシートを供給しながら内部形成体の印刷形成と、前記印刷の所定距離ずらしおよび積層を連続して行うことにより、製造工程における時間短縮が図れる積層型電子部品の積層体製造方法およびその装置を提供することを目的とするものである。
前記目的を達成するために、本発明は以下の構成を有するものである。
本発明の請求項1に記載の発明は、特に、供給された連続帯状のグリーンシートを積層ドラムに巻付け、積層ドラムの外円周におけるグリーンシートの片面に内部形成体を印刷して形成し、次の前記積層ドラムの外円周に巻付けられるグリーンシートの片面に、所定距離ずらしを行って内部形成体を印刷して形成し、前記内部形成体を印刷形成したグリーンシートを交互に所定枚数積層した後、所定製品形状に切断分離してなるという構成を有しており、これにより、所定距離ずらしを行い印刷し形成した同一で複数の内部形成体を有するグリーンシートを交互に連続して積層することができ、内部形成体の確実な接続と、工程時間の短縮および高精度の積層体が形成できるという作用効果を有する。
本発明の請求項2に記載の発明は、特に、内部形成体を形成する印刷を凹版オフセット印刷としてなるという構成を有しており、これにより、高精度の内部形成体が印刷形成でき、工程時間の短縮と高精度の積層体が形成できるという作用効果を有する。
本発明の請求項3に記載の発明は、特に、連続帯状のグリーンシートの巻出し供給部と、グリーンシートを連続的に巻付けて積層体を形成する円柱形状の積層ドラムと、積層ドラムにグリーンシートを巻付ける前に前記グリーンシートに接着剤を塗布する接着剤塗布部と、グリーンシートを積層ドラムの外円周に巻付け形成される積層体に密着させるため、前記グリーンシートをガイドし押圧する押えローラと、前記積層体の片面にオフセットロールによる凹版オフセット印刷にて内部形成体を印刷形成する移動自在な内部形成体要素印刷部により構成され、回転する積層ドラムの外円周でグリーンシートを巻付けながら前記内部形成体を印刷形成し、連続して積層体を作製するという構成を有しており、これにより、高精度の内部形成体が所定距離ずらしを行って容易に印刷形成でき、工程時間の短縮と高精度の積層体が形成できるという作用効果を有する。
本発明の請求項4に記載の発明は、特に、積層ドラムの回転方向あるいは回転軸方向に所定距離ずらしを行うための、差動機構あるいは印刷平行移動機構を内部形成体要素印刷部に設けてなるという構成を有しており、これにより、確実に所定距離ずらしを行うことができ、容易かつ高精度な交互の内部形成体の印刷形成ができ、工程時間の短縮と高精度の積層体が形成できるという作用効果を有する。
本発明の請求項5に記載の発明は、特に、オフセットロールを積層ドラムとの当接から切離して分離し、オフセットロールを積層ドラムの回転軸方向に所定距離ずらしを行い、再び積層ドラムと当接させる構成としてなるという構成を有しており、これにより、容易かつ確実に所定距離のずらしが行え、工程時間の短縮と高精度の積層体が形成できるという作用効果を有する。
本発明の請求項6に記載の発明は、特に、異なる内部形成体用の版を偶数有する内部形成体要素印刷部における凹版と、グリーンシートを載置する奇数のパレットを積層ドラムの外円周に配設し、前記凹版と積層ドラムを同期回転させてなるという構成を有しており、これにより、異なる内部形成体の印刷形成およびグリーンシートの積層を連続して行うことができ、工程時間の短縮と高精度の積層体が形成できるという作用効果を有する。
本発明の請求項7に記載の発明は、特に、シート巻出し供給部に、シートロールの直径と積層ドラムの直径に対応してグリーンシートの巻出し供給速度を制御する機構を付加してなるという構成を有しており、これにより、グリーンシートの伸張を抑止でき、グリーンシートに負担をかけずに積層ドラムへ確実かつ高精度に供給し、巻付け積層することができるという作用効果を有する。
本発明の積層型電子部品の積層体製造方法およびその装置は、内部形成体要素印刷部の凹版とオフセットロールおよび積層ドラムは各々別個の駆動を可能とし、積層ドラムを連続回転して内部形成体の所定距離ずらしによる印刷形成とそのグリーンシートの積層を、また、凹版の版数と積層ドラムの外円周におけるパレット数を、それぞれ偶数と奇数の組合せ、あるいは奇数と偶数の組合せとして、積層ドラムの同じパレットに異なる内部構成体の印刷形成とそのグリーンシートの積層を行うという構成であり、異なる内部形成体の印刷形成およびそのグリーンシートの積層が連続してでき、積層工程の時間短縮が図れるという効果を有する。
以下、実施の形態を用いて、本発明の特に請求項1〜7に記載の発明について図面を参照しながら説明する。なお、背景の技術において説明したものと同じ構成部材などについては、同じ符号を付与し詳細な説明は省略する。
図1は、本発明の実施の形態における積層型電子部品の積層体製造装置の要部概要構成図、図2は同内部形成体の印刷形成を回転方向(X方向)に所定距離ずらしする積層ドラムとオフセットロールでなる内部形成体要素印刷部および積層体の要部概要構成図、図3は同内部形成体の印刷形成を回転軸方向(Y方向)に所定距離ずらしする積層ドラムとオフセットロールでなる内部形成体要素印刷部および積層体の要部概要構成図、図4は同版とパレットの組合せを変更した場合の積層ドラムとオフセットロールでなる内部形成体要素印刷部および積層体の要部概要構成図、そして図5は積層型電子部品の積層体製造(積層)方法を説明する要部概要斜視および断面工程図である。
図1において、9は積層体の構成素材である連続帯状のグリーンシート8を巻付けたシートロールであり、シートロール9とダンサー機構でなる巻出し量調整機構(図示せず)などでシート巻出し供給部2を構成している。
シート巻出し供給部2には、シートロール9の直径を計測し検出するセンサー(図示せず)を設置し、そのセンサーの出力信号により、製造工程におけるグリーンシート8を損傷しない最適なグリーンシート8の巻出し速度の設定切替えを行うのである。
3はグリーンシート8の搬送経路に設置された接着剤塗布部であり、シート巻出し供給部2から前記により最適な巻出し速度に設定維持されたグリーンシート8が供給される。
接着剤塗布部3はシート巻出し供給部2から供給されるグリーンシート8の片面に接着剤の塗布を行うユニットであり、スプレー方式やローラ塗工方式などにより、グリーンシート8同士あるいは後で説明するパレット11へ密着させるための接着剤を均一に塗布する。
4は回転自在な積層ドラムであり、片面に接着剤が塗布されて供給されたグリーンシート8を、積層ドラム4の外円周に当接して配設された回転自在な押えローラ6により、グリーンシート8を積層ドラム4の外円周の所定箇所に密着させて積層する。
積層ドラム4の外円周には、グリーンシート8を載置し積層するための外円周を均等に分割した複数で着脱自在な円弧状のパレット11と、パレット11相互間にグリーンシート8を所定寸法に切断し分離するための切断刃(図示せず)が出入する複数の溝10が配設されている。
そして、切断刃の駆動により切断し分離されパレット11に載置し積層されたシート積層体12を、パレット11の単位毎で適宜取出すことを可能としているのである。
積層ドラム4を矢印(イ)の方向に回転駆動することにより、積層ドラム4の外円周に巻付けられた(載置し積層された)グリーンシート8は、パレット11にシート積層体12を形成しながら、積層ドラム4の上部における外円周直近に配設され、シート積層体12の片面に凹版オフセット印刷を行う内部形成体要素印刷部5の個所へと供給される。
内部形成体要素印刷部5は、グリーンシート8あるいはシート積層体12に印刷し形成する所定の内部形成体形状の版を有するロール状で回転自在な凹版5aと、回転自在なオフセットロール5bにより構成され、取付ベース18に組立て取付けられており、積層ドラム4とオフセットロール5bそして凹版5aの外円周は当接して同期回転駆動することができるのである。
内部形成体要素印刷部5における凹版5a、オフセットロール5bは矢印(ウ)、矢印(エ)の方向に同期回転することにより、凹版5aの外円周に内部形成体となる版に、例えば導電ペーストのような内部形成体要素を充填し、それをオフセットロール5bの外円周に転写し、その転写された内部形成体のパターンを積層ドラム4の外円周のパレット11におけるグリーンシート8あるいはシート積層体12の片面(上面)にさらに転写し印刷するのである。
内部形成体要素印刷部5における凹版5a、オフセットロール5bそして積層ドラム4は、同じ主駆動機構(図示せず)により同期回転駆動を行うことができるのであり、なおまた内部形成体要素印刷部5は、凹版5aとオフセットロール5bのみを回転駆動させる駆動軸をも有しており、この駆動軸による回転駆動で積層ドラム4と内部形成体要素印刷部5の回転方向の位置をずらす動作、すなわち回転方向(X方向)へ所定距離ずらしを行うのである。
前記を行うための機構が図3(b)に示す差動機構20であり、主駆動機構による内部形成体要素印刷部5における凹版5aの回転数と、積層ドラム4の回転数の比率を、例えば8:1といったような一定の比率としている。
内部形成体要素印刷部5における凹版5aはオフセットロール5bに対し、平行移動機能を有しており、この凹版5aの平行移動の動作により内部形成体要素印刷部5は、凹版5aのオフセットロール5bへの接触圧量を変更することができる。
また、内部形成体要素印刷部5は、その上部に印圧調整部7を備え付けており、その印圧調整部7の駆動により内部形成体要素印刷部5を上下移動自在としているのである。
すなわち、シート積層体12はグリーンシート8を積層する毎に高さ(厚み)を増し、積層ドラム4の見掛けの直径が増加するのであり、それに対応して印圧調整部7の駆動により内部形成体要素印刷部5を上昇あるいは下降させて、印刷位置や印刷圧力を最適に設定するのである。
また、図3(b)に示すように、印刷平行移動機構19は印圧調整部7の裏面で差動機構20の近傍に備え付けられており、内部形成体要素印刷部5とともに取付ベース18に対して、印圧調整部7の駆動により上下移動自在となっている。
印刷平行移動機構19は内部形成体要素印刷部5を積層ドラム4の回転軸方向(Y方向)に平行移動させるものであり、印刷平行移動機構19と差動機構20を動作させることにより、凹版5aの内部形成体を積層ドラム4の外円周におけるシート積層体12の回転方向(X方向)、回転軸方向(Y方向)に対して任意の所定位置、すなわち所定距離ずらしを行って内部形成体を印刷形成することを可能としている。
以上、前記により積層型電子部品における積層体の製造装置1は構成されており、前記の構成や機能を用いて、内部形成体要素印刷部5はグリーンシート8あるいはシート積層体12に、電極や誘電体などの内部形成体を印刷し形成するのである。
次にこの製造装置1を用いた本発明におけるグリーンシート8による積層体製造のための積層方法について説明する。
シート巻出し供給部2のシートロール9から供給されたグリーンシート8には、何らの内部形成体13、例えば積層セラミックコンデンサにおいては電極を形成するための内部形成体要素は印刷されていない。
積層準備工程として積層ドラム4の外円周におけるパレット11には、1層目のグリーンシート8が積層ドラム4の外円周におけるパレット11の上面(表面)に密着するように、接着シートをあらかじめ貼付しておく。
そして、シート巻出し供給部2から供給されたグリーンシート8の先端部は、接着剤塗布部3を経由して押えローラ6に沿わせて積層ドラム4の外円周の所定箇所に貼付あるいは溝10に挿入しておく。
積層開始時には、直径をセンサーで計測し検出して最適な巻出し速度に切替え設定したシート巻出し供給部2におけるシートロール9から、矢印(ア)の方向にグリーンシート8を接着剤塗布部3に供給する。
そして、接着剤塗布部3で接着剤をグリーンシート8の片面に塗布し、続いて押えローラ6の回転駆動により、矢印(イ)方向に回転する積層ドラム4の外円周に沿って供給され巻付けられて、積層ドラム4の外円周における各パレット11の上面にグリーンシート8によるシート積層体12の1層目が形成される。
同時に、内部形成体要素印刷部5において電極などになる内部形成体要素を、積層ドラム4の外円周におけるパレット11に載置されたグリーンシート8の上面(片面)の所定箇所に印刷し乾燥あるいは焼結させて形成する。
続いて、同じく2層目、3層目と必要な積層枚数の積層を行うのであり、積層ドラム4の外円周でのグリーンシート8の層数が増すに従って、積層ドラム4の見掛け上の直径が大きくなるが、印圧調整部7を動作させて積層ドラム4とオフセットロール5bの当接(距離)および印圧量を最適で一定に保持するように、内部形成体要素印刷部5の上昇あるいは下降を行って、電極などになる内部形成体要素を印刷する。
次に印刷により形成される内部形成体の所定距離ずらしについて図5を参照しながら説明する。積層型電子部品は、図5(a)に示すように、グリーンシート8の片面に所定の内部形成体13を、所定距離ずらしを行って印刷形成し、かつ所定の枚数のグリーンシート8を積層することによりシート積層体12を形成し、所定形状に切断分離した後、両端に接続用外部電極を形成して積層型電子部品(本実施例では積層セラミックコンデンサ)14を完成させるのである。
図5(b)は内部形成体13を、所定距離ずらしを行わずに印刷形成し、かつそのグリーンシートが積層される例であり、矢視Aによるシート積層体12の断面は同じパターンすなわち端部が一直線状にて積層されており、また、矢視Bによるシート積層体12の断面も同じパターンすなわち端部が一直線状にて積層されている。
この図5(b)の構成状態を基準として所定距離ずらしは二通りが考えられ、第1の内部形成体13が積層ドラム4の回転方向(X方向)にずれたXずらしの方法と、第2の内部形成体13が積層ドラム4の回転軸方向(Y方向)にずれたYずらしの方法である。
第1の回転方向にずらすXずらしの方法によるシート積層体12を図5(c)に示しており、シート積層体12は、所定距離ずらしがなされず正規に内部形成体13が印刷形成されたグリーンシート8の間に、例えばX方向に内部形成体13の半ピッチ分所定距離ずらしして、内部形成体13が印刷形成されたグリーンシート8を挟持している。
すなわち、正規に内部形成体13が印刷形成されたグリーンシート8と、X方向に内部形成体13の半ピッチ分所定距離ずらしして、内部形成体13が印刷形成されたグリーンシート8を交互に所定枚数積層しているのであり、矢視Cによるシート積層体12の断面は、同じパターンすなわち端部が一直線状にて積層されているが、矢視Dによるシート積層体12の断面は、交互に内部形成体13のパターンの繰返し、すなわち端部がジグザグ状にて積層されているのである。
第2の回転軸方向にずらすYずらしの方法によるシート積層体12を図5(d)に示しており、シート積層体12は、所定距離ずらしがなされずに正規に内部形成体13が印刷形成されたグリーンシート8の間に、例えばY方向に内部形成体13の1列分所定距離ずらしして、内部形成体13が印刷形成されたグリーンシート8を挟持している。
すなわち、正規に内部形成体13が印刷形成されたグリーンシート8と、Y方向に内部形成体13の1列分所定距離ずらしして、内部形成体13が印刷形成されたグリーンシート8を交互に所定枚数積層しているのであり、矢視Eによるシート積層体12の断面は、同じパターンすなわち端部が一直線状にて積層されているが、矢視Fによるシート積層体12の断面は、交互に内部形成体13のパターンの繰返し、すなわち端部がジグザグ状にて積層されているのである。
次に、前記で説明した所定距離ずらしの二つの方法に関する具体的実施例について、図2および図3を参照しながら説明する。
まず、第1の回転方向すなわちX方向に所定距離ずらしを行う方法について説明する。図2(a)は、積層ドラム4と内部形成体要素印刷部5が設定された初期状態を示しており、図2における一点鎖線は、設定された相互の位置関係を表示し説明するものであり、図2(a)の初期状態では、オフセットロール5bと積層ドラム4の設定された交互の位置は一致している。
図2(b)は内部形成体要素印刷部5の差動機構20の動作により、凹版5aおよびオフセットロール5bと積層ドラム4が、回転角度を所定角度ずらして当接している状態を示している。
すなわち、オフセットロール5bと積層ドラム4の外円周における設定された位置関係は、積層ドラム4の回転移動量と比較して差動機構20によって移動した回転角度分ずれていることになる。
前記の図2(b)の状態と差動機構20を動作させない正規の状態を交互に繰返すことにより、図2(c)に示すようにグリーンシート8はパレット11に積層されることになる。
すなわち、パレット11の上面に内部形成体13が印刷形成されたグリーンシート8が所定枚数積層され、内部形成体13は正規と所定距離ずらしを行って印刷形成されたものとが交互に積層されることになる。
なお、図2(d)に示す簡略化表示シート積層体15は、理解を容易とするために図2(c)に示すシート積層体12を、シートロール9と内部形成体13とを一体化してなる簡略化表示としたものである。
さて、凹版5aにおける内部形成体用の版16からオフセットロール5bに転写された内部形成体16aを、所定距離ずらしを行わずに積層ドラム4の外円周におけるグリーンシート8あるいはシート積層体12に転写した内部形成体16bと、差動機構20を動作させて積層ドラム4の外円周におけるグリーンシート8あるいはシート積層体12に転写された内部形成体16cが、同じパレット11の上面に交互に積層されることにより、図2(e)に示すような版16による内部形成体16bと内部形成体16cでの積層体が製作される。
同様に、凹版5aにおける内部形成体用の版17からオフセットロール5bに転写された内部形成体17aを、所定距離ずらしを行わずに積層ドラム4の外円周におけるグリーンシート8あるいはシート積層体12に転写した内部形成体17bと、差動機構20を動作させて積層ドラム4の外円周におけるグリーンシート8あるいはシート積層体12に転写された内部形成体17cが、同じパレット11の上面に交互に積層されることにより、図2(e)に示すような版17による内部形成体17bと内部形成体17cでの積層体が製作される。
なお、オフセットロール5bと積層ドラム4が当接した状態で差動機構20の動作による所定距離ずらしを行うと、グリーンシート8あるいはシート積層体12をオフセットロール5bが摺動しながら移動するために負担がかかり、積層精度に悪影響となるため、差動機構20の動作による所定距離ずらしを行う際には、印圧調整部7を動作させて、積層ドラム4と内部形成体要素印刷部5を一時的に切離して分離する。
これにより回転方向(X方向)の所定距離ずらしを行う際には、内部形成体要素印刷部5は印圧調整部7の動作により上昇させ、その位置で所定距離ずらしを行った後、再び積層ドラム4と当接させるために、内部形成体要素印刷部5は印圧調整部7の動作により下降させる。
こうして積層ドラム4の外円周におけるグリーンシート8あるいはシート積層体12に悪影響を与えることなく所定距離ずらしを行うことができるのである。
図3(a)は、積層ドラム4と内部形成体要素印刷部5の要部概要構成図、図3(b)は同側面図である。
内部形成体要素印刷部5に印刷平行移動機構19を付加することにより、凹版5aおよびオフセットロール5bを、同期回転駆動している積層ドラム4に対して積層毎に積層ドラム4の回転軸に対して平行移動を行うことができ、内部形成体要素の印刷用版を、回転軸方向(Y方向)に平行移動量(オ)の分だけ、すなわち所定距離ずらしを行うことができる。
図3(c)は、積層ドラム4の外円周におけるパレット11に積層された積層体を示しており、所定距離ずらしを行わずに積層ドラム4の外円周におけるパレット11に積層された版16による内部形成体16bを有するグリーンシート8と、印刷平行移動機構19を動作させて積層ドラム4の外円周におけるパレット11に積層された版16による内部形成体16dを有するグリーンシート8とが交互に積層されることにより、版16による内部形成体16bと内部形成体16dを有するグリーンシート8による積層体が製作される。
同様に、所定距離ずらしを行わずに積層ドラム4の外円周におけるパレット11に積層された版17による内部形成体17bを有するグリーンシート8と、印刷平行移動機構19を動作させて積層ドラム4の外円周におけるパレット11に積層された版17による内部形成体17dを有するグリーンシート8とが交互に積層されることにより、版17による内部形成体17bと内部形成体17dを有するグリーンシート8による積層体が製作される。
なお、前記で説明したのと同じ理由と対策のために、回転軸方向(Y方向)への所定距離ずらしを行う際には、印圧調整部7を動作させて、積層ドラム4と内部形成体要素印刷部5を一時的に切離して分離する。
図4(a)は、積層ドラム4と内部形成体要素印刷部5の要部概要構成図であり、ここで一例としてグリーンシート8の片面に内部形成体13を印刷形成するために、凹版5aの外円周に内部形成体要素の所定パターン印刷用の版16および版17が交互に作製されている。
そして、オフセットロール5bは凹版5aに対して2:1の円周比率とすると、オフセットロール5bには、版16から転写された内部形成体要素の所定パターン印刷用の版が二版、版17から転写された内部形成体要素の所定パターン印刷用の版が二版、各々作製されることになる。
積層ドラム4の外円周におけるパレット11を奇数枚(ここでは例として7枚とする)とし、積層ドラム4と内部形成体要素印刷部5を同期回転駆動させると、積層ドラム4の外円周における各パレット11には、図4(b)に示すように版16からオフセットロール5bに順次転写され、さらに積層ドラム4におけるパレット11のグリーンシート8に転写された内部形成体16bと、版17からオフセットロール5bに転写され、さらに積層ドラム4の外円周におけるパレット11のグリーンシート8に転写された内部形成体17bとが、交互に印刷形成され、かつそれらのグリーンシート8が積層された積層体が形成されることになる。
前記においては、内部形成体要素印刷部5の差動機構20および印刷平行移動機構19を動作させることなく、また積層ドラム4と内部形成体要素印刷部5を一時的に切離し分離することもなく、内部形成体要素印刷部5と積層ドラム4とを同期回転駆動させるだけで、内部形成体を印刷形成し、かつそれらのグリーンシート8を積層することができる。
こうすることにより、異なる形状の内部形成体を印刷形成したグリーンシート8を、同じパレット11の上面に積層することができる。なお、この版17の版を版16の内部形成体に対して所定距離ずらしを行った版とすることにより、積層ドラム4が回転駆動するだけで、所定距離ずらしを行って同じ内部形成体を印刷形成し、かつそれらのグリーンシート8を積層することもできる。
さて、前記で説明したように、製造装置1において内部形成体要素印刷部5の差動機構20を動作させない場合は、図4(b)に示すように、互いに異なる内部形成体用の版16と版17を使用して、内部形成体16bと内部形成体17bを印刷形成したグリーンシート8を、積層ドラム4の外円周におけるパレット11の上面に交互に積層した積層体となるのであり、さらに内部形成体要素印刷部5の差動機構20あるいは印刷平行移動機構19を動作させることにより、所定距離ずらしを行った互いに異なる内部形成体16bあるいは内部形成体17bを印刷形成し、それらのグリーンシート8それぞれを積層することができる。
図4(c)に示す積層体は、版16からオフセットロール5bに転写され、そしてグリーンシート8に印刷し形成された内部形成体16bを有するグリーンシート8と、版17からオフセットロール5bに転写され、そして差動機構20あるいは印刷平行移動機構19の動作により、グリーンシート8に所定距離ずらしを行って印刷し形成された内部形成体17cを有するグリーンシート8とが交互に積層された構成である。
なお、積層ドラム4の外円周における積層においては、1層を積層する毎に積層ドラム4の見掛け上の直径は増加するのであり、積層ドラム4の直径が増加すると、積層ドラム4の回転速度が一定ならばその周速度は直径の増加に比例して増加することになる。
一方、シート巻出し供給部2におけるシートロール9は、積層ドラム4にグリーンシート8を供給し巻付けする毎に、シートロール9の回転速度が変らなければシートロール9の周速度は減速することになる。
そのため、一定の速度でシート巻出し供給部2のシートロール9からグリーンシート8を供給すると、積層ドラム4とシートロール9の周速度の差が大きくなり、グリーンシート8にテンションが印加することになり、グリーンシート8が伸張あるいは変形する恐れが発生する。
もし、グリーンシート8が伸張あるいは変形すると、積層完了後におけるシート積層体12の取出しの際にシート積層体12が収縮して、シート積層体12の形状の変化が発生することになる。
そのため、シート巻出し供給部2のグリーンシート8において、シートロール9の直径をセンサーで計測して検出し、その直径と積層ドラム4の直径に対応および考慮したグリーンシート8の供給速度に変化させることにより、グリーンシート8へのテンションの印加を無くし、シート積層体12の収縮を抑制して、シート積層体12の形状の変化を防止しているのである。
本発明にかかる積層型電子部品の積層体製造方法およびその装置は、内部形成体の所定距離ずらしによる印刷形成が容易にでき、高精度の積層体の製作と積層工程の時間短縮が図れるという効果を有し、印刷および積層の工程を必要とする各種の積層体や積層型電子部品などの用途として有用である。
1 製造装置
2 シート巻出し供給部
3 接着剤塗布部
4 積層ドラム
5 内部形成体要素印刷部
5a 凹版(ロール)
5b オフセットロール
6 押えローラ
7 印圧調整部
8 グリーンシート(連続帯状構成素材)
9 シートロール
10 溝
11 パレット
12 シート積層体
13 内部形成体
14 積層型電子部品(セラミックコンデンサ)
15 簡略化表示シート積層体
16 版
16a 内部形成体
16b 内部形成体
16c 内部形成体
16d 内部形成体
17 版
17a 内部形成体
17b 内部形成体
17c 内部形成体
17d 内部形成体
18 取付ベース
19 印刷平行移動機構
20 差動機構
2 シート巻出し供給部
3 接着剤塗布部
4 積層ドラム
5 内部形成体要素印刷部
5a 凹版(ロール)
5b オフセットロール
6 押えローラ
7 印圧調整部
8 グリーンシート(連続帯状構成素材)
9 シートロール
10 溝
11 パレット
12 シート積層体
13 内部形成体
14 積層型電子部品(セラミックコンデンサ)
15 簡略化表示シート積層体
16 版
16a 内部形成体
16b 内部形成体
16c 内部形成体
16d 内部形成体
17 版
17a 内部形成体
17b 内部形成体
17c 内部形成体
17d 内部形成体
18 取付ベース
19 印刷平行移動機構
20 差動機構
Claims (7)
- 供給された連続帯状のグリーンシートを積層ドラムに巻付け、積層ドラムの外円周におけるグリーンシートの片面に内部形成体を印刷して形成し、次の前記積層ドラムの外円周に巻付けられるグリーンシートの片面に、所定距離ずらしを行って内部形成体を印刷して形成し、前記内部形成体を印刷形成したグリーンシートを交互に所定枚数積層した後、所定製品形状に切断分離してなることを特徴とする積層型電子部品の積層体製造方法。
- 内部形成体を形成する印刷を凹版オフセット印刷としてなることを特徴とする請求項1に記載の積層型電子部品の積層体製造方法。
- 連続帯状のグリーンシートの巻出し供給部と、グリーンシートを連続的に巻付けて積層体を形成する円柱形状の積層ドラムと、積層ドラムにグリーンシートを巻付ける前に前記グリーンシートに接着剤を塗布する接着剤塗布部と、グリーンシートを積層ドラムの外円周に巻付け形成される積層体に密着させるため、前記グリーンシートをガイドし押圧する押えローラと、前記積層体の片面にオフセットロールによる凹版オフセット印刷にて内部形成体を印刷形成する移動自在な内部形成体要素印刷部により構成され、回転する積層ドラムの外円周でグリーンシートを巻付けながら前記内部形成体を印刷形成し、連続して積層体を作製することを特徴とする積層型電子部品の積層体製造装置。
- 積層ドラムの回転方向あるいは回転軸方向に所定距離ずらしを行うための、差動機構あるいは印刷平行移動機構を内部形成体要素印刷部に設けてなることを特徴とする請求項3に記載の積層型電子部品の積層体製造装置。
- オフセットロールを積層ドラムとの当接から切離して分離し、オフセットロールを積層ドラムの回転軸方向に所定距離ずらしを行い、再び積層ドラムと当接させる構成としてなることを特徴とする請求項4に記載の積層型電子部品の積層体製造装置。
- 異なる内部形成体用の版を偶数有する内部形成体要素印刷部における凹版と、グリーンシートを載置する奇数のパレットを積層ドラムの外円周に配設し、前記凹版と積層ドラムを同期回転させてなることを特徴とする請求項4あるいは5に記載の積層型電子部品の積層体製造装置。
- シート巻出し供給部に、シートロールの直径と積層ドラムの直径に対応してグリーンシートの巻出し供給速度を制御する機構を付加してなることを特徴とする請求項4から6のいずれか1つに記載の積層型電子部品の積層体製造装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2004000072A JP2005197331A (ja) | 2004-01-05 | 2004-01-05 | 積層型電子部品の積層体製造方法およびその装置 |
Applications Claiming Priority (1)
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JP2004000072A JP2005197331A (ja) | 2004-01-05 | 2004-01-05 | 積層型電子部品の積層体製造方法およびその装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
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JP2005197331A true JP2005197331A (ja) | 2005-07-21 |
Family
ID=34816019
Family Applications (1)
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JP2004000072A Withdrawn JP2005197331A (ja) | 2004-01-05 | 2004-01-05 | 積層型電子部品の積層体製造方法およびその装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2005197331A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2007276472A (ja) * | 2006-03-31 | 2007-10-25 | Heidelberger Druckmas Ag | 二次処理装置が組み込まれたフィルム転写ユニット |
JP2012009562A (ja) * | 2010-06-23 | 2012-01-12 | Taiyo Yuden Co Ltd | 積層型電子部品用の未焼成導体層印刷シートの作成方法及び作成装置 |
KR101152765B1 (ko) | 2010-05-13 | 2012-06-18 | 가부시키가이샤 무라타 세이사쿠쇼 | 적층형 전자 부품 제조 장치 및 적층형 전자 부품의 제조 방법 |
-
2004
- 2004-01-05 JP JP2004000072A patent/JP2005197331A/ja not_active Withdrawn
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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