JP2005195988A - 平版印刷版用原版の製造方法及び製造装置 - Google Patents

平版印刷版用原版の製造方法及び製造装置 Download PDF

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Kazunori Kojima
一記 小島
Masaya Naito
真哉 内藤
Kenji Maki
健二 牧
Toshinori Matsuda
俊範 松田
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Abstract

【課題】 支持体のエッジによる傷つきや異物のかみこみによる傷つきを防止でき、また、生産能率が高く、工程管理や在庫管理の煩雑さを軽減できるロール塗布を可能にする。
【解決手段】 支持体上に感光層を有する平版印刷版用原版の製造方法において、長尺の支持体を搬送しながら該支持体上に感光性組成物を塗布する際に、支持体表面に接する感光性組成物を塗布するロールの表面硬度が、JIS K 6253のスプリング式JIS硬度計で測定したとき70度以上を有するロールが配設されている塗布装置、およびそれを用いた平版印刷用原版の製造方法。
【選択図】 なし

Description

本発明は、感光層を有する平版印刷版用原版の製造方法及び製造の際に使用する装置に関し、ダイレクト描画印刷版用原版の大量製造に好適な製造方法及び装置に関するものである。
平版印刷用原版を形成するには、アルミ等の支持体の上に、感光層を形成する感光性組成物を含む塗布液をドクターブレード法、バーコート法、ロールコート法、グラビアコート法、リップコート法等の公知の塗布方法により塗布し、乾燥して感光層を形成することが知られている。塗布方式の中では、塗布表面の美観性からロールコート法やグラビアコート法が一般的に用いられており、ロールを2本用いる2ロールコーター、あるいは3本のロールを用いる3ロールコーターが広く使用されている。
支持体が金属のように傷つきやすい場合には、支持体に接触し塗布液を塗布するアプリケーターロールをゴムロールとし、バックアップロールをスチールロールにすることが知られている。しかしながら、アプリケーターロールをゴムロールにした場合は、アプリケーターロールに支持体のエッジによる傷つきや異物のかみこみによる傷つきが発生するという問題があった。
一方、支持体がプラスチックフィルムのように強度が低い場合には、支持体であるフィルムとアプリケーターロールを強く押し付けると支持体が切断する可能性があるので、ニップを少し離して塗布しなければならなかった。しかしながら、アプリケーターロールにゴムロールを用いた場合、支持体のエッジによりアプリケーターロール表面に溝が掘られる、いわゆる轍が発生するという問題が発生することがわかった。轍の部分の塗布液が鋼帯に転写されると、その部分の塗膜が不均一となり、外観劣化や必要な性能を満たせないといった不具合が生じる。
これを解決するため、寸法の異なる支持体に塗布液を塗布する場合、轍がついた部分が支持体に接触しないサイクル、つまり、支持体の幅が等しいか、あるいは順次狭くなっていくような支持体の装入サイクルを組み、支持体の幅が広くなる場合にはアプリケーターロールを交換するといったことが行われている。しかしながら、この方法はサイクルを組む上で制約が増えるため、工程管理や在庫管理が煩雑になり、また、アプリケーターロールの交換時はラインを完全に停止させなければならないため、生産能率の低下を引き起こすといった問題がある。
また、支持体が金属の場合は、微小な金属粉などの異物がアプリケーターロールと支持体間にかみこんだ場合、支持体表面にすり傷を作り、あるいはアプリケーターロール表面にも傷を作り、塗膜厚が不均一になり、歩留りを下げるといった問題も生じており、これらを解決する方法の開発が望まれていた。
特開平9−038555号公報
本発明は、上記課題を解決するために考慮してなされたものであり、支持体のエッジによる傷つきや異物のかみこみによる傷つきを防止でき、また、生産能率が高く、工程管理や在庫管理の煩雑さを軽減できるロール塗布装置を用いた平版印刷用原版の製造装置および製造方法を提供することを目的とするものである。
本出願人は、鋭意検討した結果、支持体上に感光層を有する平版印刷版用原版の製造方法において、長尺の支持体を搬送しながら該支持体上に感光性組成物を塗布する際に、支持体表面に接する感光性組成物を塗布するロールの表面硬度について着目したところ、ロールの表面硬度が特定条件以上のものを用いた場合、上記課題が解決できることを見出し、本出願を完成した。
即ち、本発明は、以下のとおりである。
(1) 支持体上に感光層を有する平版印刷版用原版の製造方法において、長尺の支持体を搬送しながら該支持体上に感光性組成物を塗布する際に、支持体表面に接する感光性組成物を塗布するロールの表面硬度が、JIS K 6253のスプリング式JIS硬度計で測定したとき70度以上を有するロールが配設されている塗布装置を用いることを特徴とする平版印刷用原版の製造方法。
(2)ロールの表面が、ロール軸方向に積層させた不織布により被覆されたものである(1)記載の製造方法。
(3)前記感光性組成物が、親水性ポリマー、架橋剤、光吸収剤及び親油性ポリマーを含むものであることを特徴とする(1)又は(2)に記載の製造方法。
(4)支持体上に感光層を有する平版印刷版用原版の製造に用いる装置であって、長尺の支持体を搬送しながら該支持体上に感光性組成物を塗布する際に使用し、支持体表面に接する感光性組成物を塗布するロールの表面硬度が、JIS K 6253のスプリング式JIS硬度計で測定したとき70度以上を有するロールが配設されていることを特徴とする平版印刷用原版の製造装置。
(5)ロールの表面が、ロール軸方向に積層させた不織布により被覆されたものである(4)記載の製造装置。
本発明によれば、感光性組成物を支持体に転写させるアプリケーターロール表面硬度が特定値以上であるものを用いることにより、支持体のエッジによりロール表面が損傷することを防止し、また金属粉等の異物のかみ込み時にも支持体表面が傷つくことを防止できる。その結果、支持体幅が広くなるサイクルに対しても、塗布むらのない美麗な外観が得られ、品質を向上できるとともに、支持体幅が広くなってもロールの交換作業の必要がないために、生産性を向上できる。また、サイクルを組む制約が緩和され、工程管理や在庫管理の煩雑さを軽減することができる。
以下、本発明の方法について詳細に説明する。
[支持体]
本発明の平版印刷版用の原版の製造方法において、支持体上に直接又は他の層を介して感光性組成物からなる感光層を設けるが、この際用いられる支持体の具体例としては、アルミ板、鋼板、ステンレス板、銅板などの金属板、これら金属の合金板、ポリエステル、ポリアミド(ナイロン)、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリカーボネート、ABS樹脂、酢酸セルロースなどのプラスチックフィルム、紙、アルミ箔ラミネート紙、金属蒸着紙、プラスチックラミネート紙などのラミネートフィルム等が挙げられる。特に好ましくはアルミ板(取り扱いが容易、さびにくく安価、伸びが小さく長時間印刷に適している)、プラスチックフィルムでは、ポリエステル(物理的性質(特に耐熱性)、機械的性質(特に引張強度)に優れ、安価である)である。
本発明で用いる支持体は、長尺状、即ちある程度厚みの薄い箔やフィルム状のもので最終の支持体の形態としてロール物となるものである。
これらの支持体の厚さには特に制限はないが、通常100〜500μm程度である。より好ましくは150〜300μmである。又、これらの支持体は、密着性の改良等を目的として、酸化処理、クロメート処理、リン酸亜鉛処理、サンドブラスト処理、コロナ放電処理などの表面処理を施してもよい。又、支持体上に他の層(下地層)を介して感光層を形成する方法も有効である。
[感光層]
本発明の平版印刷版用原版の製造方法において、感光層は、感光性組成物を塗布することから得られるものである。感光層は、好ましくは撥インク性(親水性)を有する架橋樹脂からなるものであり、さらに光未照射の状態ではその表面が撥インク性(親水性)を有するものであり、光照射することにより撥インク性から親インク性に変化するものであることが好ましい。本発明の製造方法は、特に、湿し水を用いるオフセット印刷に適用することが有用であり、その場合、非画像部は親水性であることから湿し水に覆われてインクをはじく撥インク性を有する。又、感光層は湿し水との接触により溶解しない性質を持つことが好ましく、そのため、親水性ポリマーを架橋させて耐水性を付与することが好ましい。
このような感光層を形成するための感光性組成物としては、好ましくは親水性ポリマー、架橋剤及び光吸収剤を含有する感光性組成物あるいは、親水性ポリマー、架橋剤、親油性ポリマー及び光吸収剤を含有する感光性組成物が挙げられるが、本発明では特に後者の親油性ポリマーを含有する感光性組成物を支持体上に塗布した後、架橋して、感光層を形成する方法がより好ましい。
該感光層の膜厚は特に制限はないが、熱処理後の膜厚として、通常0.5〜10μm程度、特に1〜4μmが好ましい。
[親水性ポリマー]
本発明において感光性組成物に含まれる親水性ポリマーは、親水基を有するポリマーであれば特に限定されないが、好ましくは親水基及び架橋剤と反応し得る官能基を側鎖に有しているものである。
該親水基としては、例えば、水酸基、カルボキシル基、スルホン酸基、リン酸基、及びこれらのアルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩、アミン塩等が挙げられ、またその他の例としてアミド基、アミノ基、スルホンアミド基、オキシメチレン基、オキシエチレン基などが挙げられる。
又、架橋剤と反応し得る官能基としては、上記の親水基の他、イソシアナート基、グリシジル基、オキサゾリル基、メチロール基、及びメチロール基とメタノール、ブタノール等のアルコールとが縮合したメトキシメチル基やブトキシメチル基等が挙げられる。
親水性ポリマーとしては、好ましくは水酸基を側鎖に有するポリマー、カルボキシル基を側鎖に有するポリマー、スルホン酸基を側鎖に有するポリマー、リン酸基を側鎖に有するポリマー、アミド基を側鎖に有するポリマー等が挙げられる。
水酸基を側鎖に有するポリマーとしては、具体例としてポリビニルアルコール系ポリマー、及び水酸基を有する不飽和モノマーを重合して得られるホモポリマーやコポリマー及びこれらポリマーの種々の変性ポリマー等が挙げられる。ポリビニルアルコール系ポリマーを更に詳細に説明すると、酢酸ビニルやプロピオン酸ビニル等の脂肪酸ビニルモノマーのホモポリマーやコポリマーを完全又は部分加水分解して得られるポリマー、及びこのポリマーの部分ホルマール化、アセタール化、ブチラール化ポリマー等が挙げられる。また、水酸基を有する不飽和モノマーとしては、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、及び、これらの(メタ)アクリレートにエチレンオキシド、プロピレンオキシド付加したモノマー、メチロール(メタ)アクリルアミドや該メチロール(メタ)アクリルアミドとメチルアルコールやブチルアルコールとの縮合物であるメトキシメチル(メタ)アクリルアミド、ブトキシメチル(メタ)アクリルアミド等が挙げられる。
カルボキシル基を側鎖に有するポリマーとしては、具体例として(メタ)アクリル酸、イタコン酸、フマル酸、マレイン酸及びその無水物等の二塩基不飽和酸やこれら二塩基不飽和酸のモノエステル、モノアミド等のカルボキシル基含有不飽和モノマーを重合して得られるホモポリマーやコポリマー及びこれらポリマーの種々の変性ポリマー等が挙げられる。
スルホン酸基を側鎖に有するポリマーとしては、具体例としてビニルスルホン酸、スルホエチル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリルアミドメチルプロパンスルホン酸、ビニルメチルスルホン酸、イソプロぺニルメチルスルホン酸、(メタ)アクリル酸にエチレンオキシド、又はプロピレンオキシドを付加したアルコールの硫酸エステル(例えば、三洋化成工業(株)の商品名:「エレミノールRS−30」)、(メタ)アクリロイロキシエチルスルホン酸、モノアルキルスルホ琥珀酸エステルとアリル基を有する化合物とのエステル(例えば、三洋化成工業(株)の商品名:「エレミノールJS2」、花王(株)の商品名:「ラテムルS−180」、又は「同S180A」)、モノアルキルスルホ琥珀酸エステルとグリシジル(メタ)アクリレートとの反応生成物、及び日本乳化剤(株)の商品名:「Antox MS60」等を重合して得られるホモポリマーやコポリマー及びこれらポリマーの種々の変性ポリマー等が挙げられる。これらのスルホン酸基を有するポリマーに於いては、該スルホン酸基は水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等の無機塩基やアミン類で中和されていても良い。
リン酸基を側鎖に有するポリマーとしては、具体例としてビニルリン酸、リン酸モノ(2−ヒドロキシエチル)(メタ)アクリレート、リン酸モノアルキルエステルのモノ(2−ヒドロキシエチル)(メタ)アクリレート等を重合して得られるホモポリマーやコポリマー及びこれらポリマーの種々の変性ポリマー等が挙げられる。
これらのカルボキシル基、スルホン酸基、リン酸基を有するポリマーは、無機塩基やアミン類で中和されて、アルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩、アミン塩を形成していても良い。アルカリ金属としては、ナトリウム、カリウム、リチウムなどが、アルカリ土類金属としては、カルシウム、マグネシウムなどが、アミンとしては、アンモニア、メチルアミン、ジメチルアミン、トリメチルアミン、エチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミンなどが挙げられる。
アミド基を側鎖に有するポリマーとしては、無置換又は置換のアミド基を有する不飽和モノマーを重合して得られるホモポリマーやコポリマー及びこれらポリマーの種々の変性ポリマー(例えば加水分解ポリマー、種々の化合物を付加したポリマー等)が挙げられる。無置換又は置換のアミド基を有する不飽和モノマーとしては、無置換又は置換の(メタ)アクリルアミド、イタコン酸、フマル酸、マレイン酸等の二塩基酸のアミド化モノマー、N−ビニルアセトアミド、N−ビニルホルムアミド、N−ビニルピロリドン等が挙げられる。無置換又は置換(メタ)アクリルアミドのより具体例としては、(メタ)アクリルアミド、N−メチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド、N−エチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジエチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド、N−イソプロピル(メタ)アクリルアミド、ダイアセトン(メタ)アクリルアミド、メチロール(メタ)アクリルアミド、メトキシメチル(メタ)アクリルアミド、ブトキシメチル(メタ)アクリルアミド、スルホン酸プロピル(メタ)アクリルアミド、(メタ)アクリロイルモルホリン等が挙げられる。また、前記イタコン酸等の二塩基酸のアミド化モノマーの場合は、一方のカルボキシル基がアミド化されたモノアミド、両方のカルボキシル基がアミド化されたジアミド、更に一方のカルボキシル基がアミド化され、他方のカルボキシル基がエステル化されたアミドエステルであってもよい。尚、本発明に於ける前記“(メタ)アクリル”、(メタ)アクリレート”、(メタ)アクロイル”等の記載はそれぞれアクリルとメタクリル、アクリレートとメタアクリレート、アクリロイルとメタアクリロイルの両者を意味する。
更に、本発明の親水性ポリマーに於いては、前記親水性置換基を有する不飽和モノマー、架橋性官能基を有する不飽和モノマー以外に、本発明の効果を更に向上させるために、その他の共重合可能不飽和モノマーを共重合することもできる。共重合可能不飽和モノマーとしては、例えばメチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレート、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、イソポロニル(メタ)アクリレート、アダマンチル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、スチレン、α−メチルスチレン、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、酢酸ビニル等が挙げられる。
[架橋剤]
本発明において感光性組成物に含まれる架橋剤は、親水性ポリマーを架橋するのに用いられるものであることが好ましく、前記親水性ポリマーと架橋反応して親水性ポリマーを水不溶性にすることにより感光層の耐水性を向上させるものであればより好ましい。例えば、親水性ポリマー中の架橋性官能基であるカルボキシル基、スルホン酸基、水酸基、グリシジル基、アミド基と反応する公知の多価アルコール化合物類、多価カルボン酸化合物やその無水物類、多価グリシジル化合物(エポキシ樹脂)類、多価アミン化合物類、ポリアミド樹脂類、多価イソシアナート化合物類(ブロックイソシアナート類を含む)、オキサゾリン樹脂、アミノ樹脂、グリオキザール等が挙げられる。本発明に於いては前記した架橋剤の中でも、硬化速度と感光性組成物の安定性や感光層の親水性と耐水性のバランス等から公知の種々の多価グリシジル化合物(エポキシ樹脂)、オキサゾリン樹脂、アミノ樹脂、多価アミン化合物やポリアミド樹脂等のエポキシ樹脂用の硬化剤、グリオキザールが好ましい。アミノ樹脂としては、公知のメラミン樹脂、尿素樹脂、ベンゾグアナミン樹脂やグリコールウリル樹脂等やこれら樹脂の変性樹脂、例えばカルボキシ変性メラミン樹脂等が挙げられる。また、架橋反応を促進するために、前記したグリシジル化合物を用いる際には3級アミン類を、アミノ樹脂を用いる場合は、パラトルエンスルホン酸、ドデシルベンゼンスルホン酸、塩化アンモニウム等の酸性化合物を併用しても良い。
[光吸収剤]
本発明において感光性組成物に含まれる光吸収剤としては、光を吸収して熱を生じるものであればよく、吸収する光の波長に関しても特に制限は無く、露光に際しては、光吸収剤が吸収する波長域の光を適宜用いればよい。光吸収剤の具体例としては、シアニン系色素、ポリメチン系色素、フタロシアニン系色素、ナフタロシアニン系色素、アントラシアニン系色素、ポルフィリン系色素、アゾ系色素、ベンゾキノン系色素、ナフトキノン系色素、ジチオール金属錯体類、ジアミンの金属錯体類、ニグロシン、カーボンブラック等が挙げられる。
これらの光吸収剤は、明室での取り扱いを可能にするため、あるいは露光に用いる光源の出力や使いやすさから、700〜1200nm、特に市場に供されている高出力半導体レーザーの発振波長である800〜860nmに吸収域を有し、且つ感度、分解特性等に優れる光吸収剤を用いることが望ましい。これらの吸収波長域に関しては、置換基やπ電子の共役系の長さなどを変えることにより調整することが可能である。これらの光吸収剤は、感光性組成物に溶解していても分散していてもよい。
[親油性ポリマー]
本発明において感光性組成物に用いられる親油性ポリマーは、ポリマー微粒子が水に分散したエマルジョン型が好ましく、自己乳化型でも強制乳化型でもよい。これは乳化重合、懸濁重合、グラフト重合、ポリマーの後乳化等で作ることができる。親油性ポリマーとしては、ウレタン系、(メタ)アクリル樹脂系エマルジョン、スチレン系、酢酸ビニル系、塩化ビニリデン系、共役ジエン系ゴム、ブタジエンゴム系等が挙げられる。これらに用いられる親油性ポリマーは、1種類だけでなく2種類以上を用いてもよい。これらを添加した場合、親水性樹脂感光層は架橋した親水性ポリマー相とこれらの親油性ポリマー相との相分離構造をとなる。このとき、非画像部の地汚れ防止の観点から、親油性ポリマー相が架橋した親水性ポリマー相中に分散していることがより好ましい。親油性ポリマーとして用いられるポリマー粒子の平均粒子径は、0.005〜0.5μmであることが好ましく、0.1μm以下であることがより好ましい。
本発明において感光性組成物には、更に親水性添加剤を添加してもよい。親水性添加剤としては、水や有機溶媒に溶解するものが望ましい。この親水性添加剤によって印刷版表面の親水性を高め、印刷開始後すぐに湿し水が表面に付くような作用をするものであれば、どのような化合物でも使用できるが、特に界面活性剤や表面改質剤と呼ばれているものが特に好ましい。現在さまざまな親水性添加剤が入手できるが、「特殊機能界面活性剤」シーエムシー出版(1986)記載の親水性界面活性剤が使用可能である。具体例を以下に示す。
親水性界面活性剤としては、非イオン性活性剤等が挙げられ、この例としてはポリエチレングリコール型、例えばポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンポリプロピレングリコールエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビトール脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルアミン等や、多価アルコール型例えばアルキルアルカノールアミド、グリセリン脂肪酸エステル、しょ糖脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、やし油やひまし油を原料とした活性剤、ポリエチレングリコール、アルキルフェニルエーテルやアルキルエーテル、アルキルアリルエーテル、ラウリルエーテル系の活性剤等が挙げられる。また親水性界面活性剤として、陽イオン系活性剤も使用でき、その例として第1級アミン塩系、第2級アミン塩系、第3級アミン塩系、第4級アンモニウム塩系、四級ピリジニウム塩系、ラウリルイミダゾリン系、アルキルアミン系等が挙げられる。更に親水性界面活性剤として、両性活性剤も使用可能であり、この例としてはアルキルベタイン系、アミノ酸型、スルホン酸型、硫酸エステル型、リン酸エステル型、アミンオキシド型、ポリオキシエチレンアルキルアミン型、ポリアルキレンポリアミン型、ポリエチレンイミン型、カルボン酸型、硫酸エステル型等の両イオン性のものが使用できる。またその他親水性界面活性剤として、陰イオン系活性剤も挙げられ、この例としてはスルホン酸塩系、例えばアルキルフェニルスルホン酸ナトリウム、アルキルナフタレンスルホン酸ナトリウム、アルキルアリルスルホン酸ナトリウム、ナフタレンスルホン酸ナトリウム、ナフタレンスルホン酸のホルマリン縮合物のナトリウム塩、ポリオキシエチレンアルキルスルホコハク酸ナトリウム、ジアルキルスルホ琥珀酸エステルナトリウムやジアルキルスルホ琥珀酸エステルナトリウム等が挙げられる。また、カルボン酸塩系、例えばジアルキル琥珀酸エステルナトリウム、モノアルキルコハク酸エステルナトリウム、ポリカルボン酸等がある。硫酸エステル塩系、例えばアルキルジフェニル硫酸オキシド、アルキル硫酸エステル、高級アルコール硫酸エステルナトリウム、ポリオキシエチレンアルキル硫酸エーテルナトリウムまたはアンモニウム等が挙げられる。また、リン酸エステル塩系、例えばアルキルエーテルリン酸エステルナトリウムやアルコールリン酸エステルナトリウム等が使用できる。特にジアルキル琥珀酸エステルナトリウムやモノアルキルスルホ琥珀酸エステルナトリウム系は感光層表面が水に濡れても溶出しにくいため特に好ましい。さらに2種類以上の添加剤を同時に用いてもよい。
[感光層の組成比]
感光性組成物に於いて、親水性ポリマー、親油性ポリマー、架橋剤、光吸収剤の使用割合は、刷版の感光層の親水性と耐水性のバランスや感度、その他種々の印刷特性の点や経済性の観点から、適宜決定することができ、特に限定されないが、好ましくは固形分で親水性ポリマー97〜10質量部、親油性ポリマー80〜10質量部、架橋剤3〜50質量部の割合であり、その際、光吸収剤は前記親水性ポリマー、親油性ポリマーと架橋剤の固形分の合計100質量部に対し2〜20質量部が好ましい。更に、親水性ポリマー60〜20質量部、親油性ポリマー70〜20質量部、架橋剤5〜40質量部の割合がより好ましく、その際、光吸収剤は前記親水性ポリマー、親油性ポリマーと架橋剤の固形分の合計100質量部に対し3〜15質量部が好ましい。
本発明に於いては、感光層の未露光部の親水性と耐水性のバランス、親油性ポリマーとの混ざりやすさ等種々の印刷特性の点から、親水性ポリマーは、アミド基及び水酸基を有する不飽和モノマーの部分が20〜100質量%、架橋性官能基を有する不飽和モノマーの部分が0〜60質量%、及びその他の不飽和モノマーの部分が0〜50質量%からなるポリマーであることが好ましく、更に好ましくは、アミド基及び水酸基を有する不飽和モノマーの部分が40〜100質量%、架橋性官能基を有する不飽和モノマーの部分が0〜50質量%、及びその他の不飽和モノマーの部分が0〜50質量%であるポリマーである。但し、親水性置換基がアミド基だけの場合は、アミド基を有する不飽和モノマーの部分が40〜100質量%、架橋性官能基を有する不飽和モノマーの部分が0〜50質量%、及びその他の不飽和モノマーの部分が0〜50質量%からなるポリマーが好ましく、更に好ましくは、アミド基を有する不飽和モノマーの部分が50〜99質量%、架橋性官能基を有する不飽和モノマーの部分が1〜50質量%、及びその他の不飽和モノマーの部分が0〜50質量%である。尚、アミド基、水酸基を有する不飽和モノマーは、親水性置換基を有する不飽和モノマーであり、且つ架橋性官能基を有する不飽和モノマーでもあるが、前記の親水性ポリマーの組成に於いては、アミド基、カルボキシル基、水酸基、及びスルホン酸基を有する不飽和モノマーは親水性置換基を有する不飽和モノマーとみなし、架橋性官能基を有する不飽和モノマーとしては計算しないものとする。
支持体と感光層との密着性が悪い場合には、支持体と感光層との間には下地層を設けてもよい。この場合、下地層を最初に支持体に塗布し、その上に感光層を塗布する。下地の塗布についても支持体のエッジによる傷つきや異物のかみこみによる傷つきを防止するために本発明と同様の塗工方式、すなわち不織布を被覆したロールコート方式が好ましい。この時に用いる下地層は感光性組成物に含まれる親油性ポリマーと同じ樹脂系を用いることが望ましい。この樹脂系は特にウレタン系、アクリル系、酢酸ビニル系、合成ゴム系、エチレン系の親油性ポリマーが望ましい。下地層を構成する親油性ポリマーは、感光性組成物に用いられるものと同種類のものを用いる場合、分子量その他の諸物性は同一である必要はない。下地層を成膜する際に用いられる樹脂は、水溶液又は有機溶媒に溶解した均一溶液でもよいし、エマルジョンでも良い。特に好ましいのはポリマーエマルジョン型である。この親油性ポリマーエマルジョンは強制乳化型でもよいし、自己乳化型でもよい。エマルジョンを用いた場合、下地層の表面凹凸を防ぐため、ポリマーの平均粒径は5〜500nm以下が望ましい。エマルジョンの平均粒径は、一般的には水で薄めて粒度測定器(例えば「マイクロトラック」等)により測定される。その他、エマルジョンを凍結後スライスして透過型電子顕微鏡で測定することもでき、特に平均粒径が10nm以下の場合には好ましく用いられる。このエマルジョンは塗布後、分散溶媒が蒸発すると融着して造膜する特性が必要である。製造上問題がなければ造膜温度は何度でもよい。
下地層には1種類または2種類以上の前記親油性ポリマー樹脂を混合して使用できる。さらに、架橋剤を加えて強靭な膜を作ることも可能である。この下地層を塗布するときにも支持体への傷つきや異物のかみこみを考慮すると本発明のロールが配設されている塗布装置を用いれば良い。この際、塗布溶液の消泡のためや、塗布膜の平滑化の支持体との密着性向上、親水性の感光層との密着性向上のために塗布溶液に消泡剤、レベリング剤、ハジキ防止剤、カップリング剤等の各種添加剤を用いても良い。
下地層の膜厚は特に制限はないが、通常0.1〜20μm程度、好ましくは5〜15μm、さらに好ましくは9〜11μmである。下地層塗布後そのまま感光性組成物を塗布してもよいし、加熱または送風乾燥してから使用してもよい。このように設けた下地層によって、支持体/下地層界面、下地層/感光層界面の密着性が上がるため耐刷性がよく、湿し水が供給されても界面での剥離は起きない。さらにレーザー照射部分の熱の拡散を防止でき、感度が向上する効果も有する。
[感光層の製造]
本発明においては、前記支持体に感光層を設けるには、本発明の感光性組成物を含有する溶液を支持体に直接又は下地層表面に塗布し、乾燥、硬化すればよい。この際、塗布溶液の消泡のためや、塗布膜の平滑化のために塗布溶液に消泡剤、レベリング剤、ハジキ防止剤、カップリング剤等の各種添加剤を用いても良い。
[塗布液組成]
本発明において感光層を形成するための塗布液組成は、前記感光性組成物を溶剤に溶解又は分散させて使用する。ここで、使用する溶剤としては、水、エタノール、イソプロパノール、n−ブタノール等のアルコール類、アセトン、メチルエチルケトン等のケトン類、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、ジオキサン、テトラヒドロフラン、ジエチレングリコール等のエーテル類、酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル類、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類、n−ヘキサン、デカリン等の脂肪族炭化水素類、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、アセトニトリルあるいはこれらの混合溶剤を使用することができる。
塗布液濃度は特に制限はないが、不揮発性成分(NV)が5〜30wt%程度、好ましくは10〜20wt%である。又、20℃における塗布液粘度は10〜1000mPa・s、好ましくは10〜100mPa・sとなるように調製するのが望ましい。また、感光層の耐水性等の特性を改良するために有機や無機のフィラーを用いてもよい。
[塗布方法及び装置]
本発明は、支持体上に感光層を有する平版印刷用原版の製造方法において、前述の長尺の支持体を搬送しながら、支持体に感光性組成物を塗布する際に、支持体表面に接する感光性組成物を塗布するロールの表面硬度が、JIS K 6253のスプリング式JIS硬度計で測定したとき、70度以上を有するロールが配設されている塗布装置を使用することが重要である。
JIS K 6253のスプリング式JIS硬度計による硬度とは、JIS K 6253に規定されている試験方法により測定されるものである。試験の種類はスプリング式、デュロメータ硬さ試験のタイプA(中硬さ用試験)もしくは、タイプD(高硬さ用試験)の試験を用いることが可能である。一般に、タイプAのデュロメータの硬さの測定範囲は、A10〜90度のため、A90度の硬度を超える場合は、タイプDで測定する。本発明においては、支持体表面に接するロールの表面硬度が70度以上、更に好ましくは80度以上95度以下ものを用いることが好ましい。この範囲のものが、特に支持体のエッジによりロール表面が損傷することを防止し、また金属粉等の異物のかみ込み時にも支持体表面が傷つくことを防止できるという効果を得ることができるため好ましいのである。
ロールの表面硬度が、JIS K 6253のスプリング式JIS硬度計で測定したとき、70度以上を有するものとしては、具体例として不織布の繊維によって塗布時にロールにかかる応力に対する変形を抑え、かつ変形に対して弾性回復力の機能を与えることができるものが挙げられ、好ましい例としてロール軸方向に積層させた不織布により被覆されたもの等が挙げられる。
不織布は製造方法によって様々な種類があるが、代表的な種類として、紡糸直結式、乾式、湿式があり、本発明方法においてはどの方法のものも使用可能である。紡糸直結式には、紡糸直結で、主に自己接着で結合するスパンボンド不織布や、ポリマーを高圧で押し出すと共に熱風で吹き飛ばして極細繊維をつくるメルトブロー不織布等があり、どれも使用可能である。また、乾式には粉砕パルプを接着剤または接着繊維で接着する乾式パルプ不織布や繊維をカード方式などでシートにする乾式不織布があり、これらも本発明において好ましく使用できる。乾式バルブ不織布には接着剤を散布してパルプを結合するのをケミカルボンド不織布、接着繊維を混合してパルプを結合したものをサーマルボンド不織布等がある。また、乾式不織布には、上述のケミカルボンドやサーマルボンドの他、特殊針でウエブをニードリングして交絡させるニードルパンチやウェブがほぐれないように糸で編みこむステッチボンド等がある。好ましくはニードリングによりロールの軸方向に円筒形状の不織布を積層させる方法である。
また、不織布に使用することのできる合成繊維は、1本ずつが3次元的に強力に絡み合っているものが、強靭となり好ましい。より好ましくは、該合成繊維としてスパンボンド長繊維が使用されたものである。スパンボンド長繊維、繊度、プレス圧力、さらに高分子樹脂などの要因が相乗することにより、本発明使用するロールの表面硬度が目的の値に達成されるものである。
本発明の装置に設置するロールを被覆する不織布を構成する繊維としては、弾性回復力があればポリオレフィン、ポリアミド、ポリエステル、ポリアクリロニトリルなどの素材からなる合成繊維が使用されるが、初期モジュラスの大きなもの、すなわちポリエステルあるいはポリアミドが実用上好ましい。
本発明の製造装置に設置するロールの表面硬度が70度以上を有するロールのうち、好ましい仕様である不織布ロールにおいて、上記高分子樹脂の役割は繊維を補強したり、繊維同士の絡合をより強固または束縛することで応力に対する変形を抑え、さらには変形に対して弾性回復力機能を与えることにあるので、その種類、付与量及び付与方法は特に限定するものでなく、目的やコストなどの観点から適宜選択すれば良い。そのため、一般的には容易な設備で付与が可能な樹脂であるアクリル系樹脂や該樹脂と塩化ビニル、塩化ビニリデンとの共重合体、酢酸ビニル−エチレン共重合体、メラミン系、SBRなどの合成ゴムやポリウレタン等の水性エマルジョンである乾式タイプを使用する場合には、樹脂付与量の上限範囲は実用上60%程度である。余りに多すぎると硬くなり、弾性回復力が逆に低下するためである。
また合成ゴム、ポリウレタンの溶剤系樹脂を付与し湿式凝固するタイプにあっては、付与量が多くても柔らかく弾性回復力が得られるので上限範囲は実用上、上記高分子樹脂と同量程度である。いずれにせよ、用途、目的やコストなどの観点から、その樹脂付与量を多くすることでニードルパンチ、ウォータージェットパンチ等の交絡工程は省略することも可能であるが、連続フィラメントをシート状に補集し、ニードルパンチ、ウォータージェットパンチ等の方法で交絡させた後に、高分子樹脂を付与させるのが好ましい。
不織布ロールの巻き方としては様々なものがあり、本発明においては特に限定されない。例として不織布でロール芯材を被覆した不織布ロールとしては、ロール芯材の外側に、細巾の不織布を螺旋状に巻き付け接着したものや、ロール芯材の外側に、ロール巾の不織布を海苔巻き状に巻き付け接着したものや、不織布をドーナツ状に打ち抜いた円板を多数枚ロール芯材に通すことにより積層し、圧縮接着後研磨したものが挙げられる。細巾の不織布を螺旋状に巻き付けたロールおよび、ロール巾の不織布を海苔巻き状に巻き付けたロールにおいては、その巻き付けに手間がかかり、巻き付けた不織布間に隙間、重なり、接着剤層が生じてしまうことがあるために、ニードリングにより一体化した不織布に種々樹脂を含浸させて乾燥させる方法が良い。不織布の被覆材料として一体化した円筒状不織布を用いることで継ぎ目のないもの提供することが可能になる。
本発明方法に使用できる塗布装置としては、上記条件を満たせば特に限定されず、例としてダイレクトロールコーター方式、グラビアロールコーター方式、キスコーター方式、メイヤーバー方式、エアーナイフ方式、オフセットグラビア方式等、公知のロールコーターを使用した方式で塗布可能である。好ましくは、塗布量の制御や塗工において重要な要素である塗布精度、塗布面の平滑度、塗布量の再現性、操作の簡易性、設備コスト等の観点からダイレクトロールコーター方式であり、この方式を具体的に示すと図1に示すような装置である。
本発明の塗布方法及びその装置の一例として図面を用いて詳細に説明する。図1は、本発明の実施の形態に係る塗布装置の一部を示す一例であり、2本のロールを備える2ロールコーターの要部概略図である。図1において、1は感光性組成物を含んだ塗布液パン、2は塗布液、3はピックアップロール、4はアプリケーターロール、5はバックアップロール、6は支持体である。ピックアップロール3は鋼ロールである。本発明においては、図1の4で示すアプリケーターロールの表面硬度が前述の特徴を有するものであることが必要である。
図2は、図1の装置に配設されているアプリケーターロール4の構造を示すロール断面の概略図である。アプリケーターロール4は、図2に示すように中空鋼ロール7上にロール軸方向に積層させた不織布構造体8を被覆して構成されていることが好ましい。不織布ロールに使用される不織布構造体8は、合成繊維を交絡されてなる不織布で構成された円盤状物を、ロール軸方向に高密度に積層、高圧縮して形成されていることがより好ましい。
アプリケーターロール4は、前記のような構造なので、構造的に支持体のエッジによる損傷が少なく、ある程度の繊維が損傷を受けたとしても、不織布構造の円盤が高密度に積層、高圧縮されているため、損傷を受けた繊維の隣の繊維により傷部を塞ぐようにして復元された状態になる。また、異物をかみ込んだ場合も、異物が積層体の内部に埋まり、ロール表面では同様に傷部を塞ぐようになるため、支持体を傷つけない。すなわち、不織布でロールを構成すると、繊維がロールの厚み方向に配向し、これが応力に対する繊維の損傷抑制効果を付与すると共にロールとしての弾性回復力を大きくする機能を与える効果を発揮し、その結果、ロール寿命を大幅に改善するのである。これに対し、短繊維で構成されたロールのように表面硬度が柔らかいと、塗布工程において液体の除去が不十分でロール本来の目的が達成出来ないばかりでなく、大きなニップ圧力や被処理物が硬い場合に繊維が損傷して変形しやすく、ロール寿命が短くなってしまう。
次に、前記装置を用いて塗布液を塗布する方法について説明する。塗布液パン1内に供給された感光性組成物塗布液2は、ピックアップロール3によりくみ上げられ、ピックアップロール3からアプリケーターロール4に転写される。さらに、アプリケーターロール4からバックアップロール5に巻き付けられている支持体6に転写される。塗布液2が塗布された支持体6は、図示されていない乾燥設備または焼付炉で所要の乾燥または加熱処理が施される。
塗膜厚はピックアップロール3及びアプリケーターロール4の周速や両ロール間の押付荷重により制御することができる。ピックアップロール3とアプリケーターロール4間においては、ナチュラル回転、アプリケーターロール4と支持体6間においてはリバース回転であることが好ましい。図1中の矢印は、各ロールの回転方向、支持体6の走行方向を示しており、好ましい例である。ピックアップロール3とアプリケーターロール4間、アプリケーターロール4と支持体6間のいずれにおいても両者を密着させている。アプリケーターロール4は前記したような構造に構成されているので、塗布液を塗布する際に、アプリケーターロール4と支持体6同士が密着していても、支持体6のエッジによりロール表面が損傷せず、また金属粉等の異物のかみ込み時にも鋼帯表面が傷つくことを防止できる。また、ピックアップロール3を交換しないで支持体幅を狭幅から広幅に変え、引き続き幅広の支持体に塗布液を塗布しても、塗布むらが発生しないので、板幅が広くなってもロール交換作業が必要なくなり、生産性を向上できる。また、サイクルを組む制約が緩和されるので、工程管理や在庫管理の煩雑さを軽減できる。
好ましい支持体の搬送速度としては、硬化炉の長さとの関係から硬化時間を保持するため、30〜50m/minの範囲が好ましい。30m/min未満の場合、塗工表面横段等の厚みムラが発生する可能性がある。また、50m/minより大きい場合、塗工搬送すると硬化時間が十分に取れずに硬化不良を生じ版として性能を発揮できない場合がある。アプリケーターと支持体の押し付け荷重は、98〜392Nの範囲が好ましい。荷重が98N未満の場合は、アプリケーターと支持体間に浮きが生じ、塗工不良が発生する可能性がある。また、392Nより大きい荷重がかかると、不織布とはいえアプリケーターロールの磨耗度が早くなり、経時劣化を早めることになる可能性が高い。
以上の説明は、2本のロールを備える2ロールコーターの場合についてであるが、本発明は2ロールコーターに限定されるものでなく、ロールを3本以上有するロールコーター等、支持体に接触するロールにより支持体への塗布液の塗布を行うロール塗布装置と塗布方法について広く適用することができる。
本発明の製造装置において、各ロールの回転方向は、ロール同士の近接点あるいは密接点において、同方向に回転する正回転の場合と、逆方向に回転するリバース回転の場合がある。一般的にはリバース回転の方が比較的平滑な塗膜面が得られやすいことから、特にアプリケーターロールと支持体間ではリバース回転にする場合が多く、本発明においてもこの方法が好ましい。リバースロールコーターは、ロールの本数、組み合わせ方法によって多くの種類のものがあり、本発明においては特に限定されない。ロールの本数については、バックアップロールを除いて、2本ロール、3本ロールが一般的に使用されるが、本発明方法においては、特に限定されない。本発明の製造方法および装置においてはロールの本数としては、最終製品の性能を十分発揮できるような塗工精度を維持するには図1に示すように2本ロールで十分である。リバースロールコーターの場合を述べると、リバースロールコーターは2本ロール、3本ロールのいずれの装置においても、基本的に2つの工程から構成されている。最初の工程では、2本ロールの場合、塗布液パンより塗布液をくみ上げるピックアップロールとピックアップロールによりくみ上げられた塗布液を計量するアプリケーターロールで構成されている。液量はピックアップロールとアプリケーターロールとの間隙で調整するほか、支持体の搬送速度に対するピックアップロールとアプリケーターロールの速度比によっても調整することが可能である。次の工程では、アプリケーターロールと逆回転するバックアップロールで押し付けられた支持体に塗布液を転写する。3ロールコーターの場合は、さらに、ピックアップロールに近接、あるいは密接させ、ピックアップロールによりくみ上げられた塗布液量を最終的に調整するミタリングロール等を備えていることになる。実際の操作においては、アプリケーターロール、ピックアップロールおよびバックアップロールはそれぞれ独立の速度でコントロールすることができ、このことは広範囲の塗布液を取り扱う場合に重要となる。
アプリケーターロールとピックアップロールの周速比は、液の性状にもよるが、通常2:1〜18:1で行なう。好ましくは3:1〜12:1である。この比の範囲外の場合、塗布液のレオロジー特性の変化にうまく対応できないために精度良く塗工できない可能性がある。
塗布厚みのコントロールは、アプリケーターロール速度と支持体の速度比を変えることによっても可能である。この比をかき取り比と言っており、通常0.5:1〜10:1で操作することができ、好ましくは1:1〜8:1である。かき取り比が高くなると、アプリケーターロールに塗工液が多く載ることになり、塗工不良が発生するため、かき取り比はできるだけ低い方が、好ましい。一般に、支持体の速度よりもアプリケーターロールの速度を速くする使われ方が多く、本発明方法においても特に限定されない。これは、例えば、塗布液がレオロジー的に伸びがない場合にも、比較的良好に塗工できるからである。しかし、塗布液に伸びのある場合には、支持体の速度アプリケーターの速度より早くしたほうが前者の使い方よりも塗布厚みの平滑性が良い。また、より薄膜を得たい場合にも好都合である。
アプリケーターロールとピックアップロール等の計量ロールは極めて接近するために精度の高いロールとベアリングが要求される。ロールに金属を用いた場合、金属ロールの材質はチルド鋳物または鋼管で、その表面を研削後、硬質クロムメッキを行い、更に研削仕上げされることが好ましい。その振れ、円筒度、直真度などの仕上げ精度は、機械フレームに組み込まれた回転する時の測定値として約0.5〜2μm程度のものを使用することが望ましい。
リバース回転のロールコート法は、上述したようにアプリケーターロールとそれに近接したロール、すなわちピックアップロールやミタリングロールもしくは支持体と同方向に回転するバックアップロールとが互いに逆方向に回転し、近接するロールの隙間で塗布液を計量し、支持体に転移させる。塗布粘度としては水のような低粘度の液体から数十Pa・sもの高粘度のものまで広い粘度範囲にわたって使用することができる。また、粘度や固形分がある程度変わっても、ロールの速度比などの操作法によって塗布厚みを同程度にすることが可能であるという利点がある。また、本発明のような水系の溶剤の他、有機溶剤系、ホットメルトなどの塗布液を使用され、多様性のある塗工方式でもある。
本発明におけるその他の方式について、グラビアコート法についてもロールコート法と同様に好ましく使用される。グラビアコート法について詳しく説明する。グラビアコート法は、彫刻が施されたロール(グラビアロール)を用いたコーティング方式で、彫刻の種類としては格子、斜線、ピラミッド、亀甲等があり、塗布量と塗布液の相性に応じて彫刻の深さ・線数を選択するものである。グラビアコーターの中で最も一般的な塗工方法はダイレクトグラビア方式であり、本発明方法においてもこの方式が好ましい。ダイレクトグラビア方式は、グラビアロールとインプレッションロールとを配しており、塗工パン内で、グラビアロール表面に彫刻されたシェル内に付着した以外の塗布液をドクターで掻き落とし、グラビアロールとインプレッションロールの間にある支持体に転写し、その後に塗工面の平滑度を出すためにスムージングローラーを直接支持体に当てて使用している。この際、インプレッションロールはグラビアロールに対して同方向に回転することが好ましい。
ダイレクトグラビア方式においてのスムージングロールの回転方法は通常、支持体に対して逆回転方向が望ましいが、塗布液の特性によっては正回転する場合も可能である。グラビアロールの回転方法は通常、支持体に対して逆回転方向が望ましいが、塗布液の特性によっては正回転する場合もある。また、通常グラビアロールとインプレッションロールは回転比をつけて使用する。この場合はスムージング効果が得られやすくスムージングロールは省略される場合もある。更に、グラビアコート法にはグラビアロールとオフセットロール、バックアップロールの3本のロールを配したオフセットグラビア方式もあり、これらも本発明方法を適用可能である。
塗工において重要な要素である塗布精度、塗布面の平滑度、塗布量の再現性、操作の簡易性、設備コスト等が常に要求されるが、本発明においてそれらを満足できるのは特にロールコート法とそれについでグラビアコート法であり、これらが好ましい。しかしながらロールコート法が支持体と接触するロールを支持体のエッジによる傷防止のために不織布で被覆可能であるのに対して、グラビアロールはロールに彫刻を施すためにロール材質に制限されるために不織布を被覆する方法は困難である。しかし、オフセットグラビア方式のように支持体と直に接触するロールを不織布を被覆して使用すれば、オフセットグラビア方式にも応用可能である。
また、塗布に際しては、クリーン度クラス10000以下の清浄な条件下に実施するのが望ましい。又、支持体に塗布液を塗布する直前にクリーニングすることが好ましく、例えば、塗工装置の塗布部位の直前にクリーニング(粘着)ロールや、ウェブクリーナー、エアナイフを設けてもよい。又、塗布液についても、異物混入を防止するために、塗布液の供給装置又は循環装置から、液だめへの送液配管途中にフィルターを設け異物除去を行うことも好ましい。特に濾過精度10μm以下の異物を除去可能なフィルターの設置が有効である。塗布部においては、温度を18〜25℃に、又、湿度を45%〜65%に保持することで、静電気発生防止、溶剤の蒸発スピードが一定で制御が容易となる。
又、塗布は、1回で行ってもよいが、コーティングヘッド、コーティングロールを2つ以上設けて、2回以上に分けて塗布してもよい。例えば、1回の塗布で感光層を形成するよりも2回に分けて感光層を塗布する方が、最終製品として性能を発揮するのであれば、2回以上に分けて塗布するほうが好ましい。また、感光層の膜厚制御についても多層塗布のほうが容易となる。2回以上に分けて塗布する場合、前に塗布した塗布液が十分乾燥する前に塗布することにより接着力が高まり望ましい。
一般的に、支持体は長尺のウエブの形状で供給されており、ウエブをロール状に巻いた原反から繰り出し、塗布、乾燥して再度ロール状に巻き取る。このとき、繰り出し部と巻き取り部にそれぞれEPC(位置調整機構)を設置し、ウエブの蛇行を防止するのが望ましい。
以上のようにして感光性組成物の溶液を塗布した後、加熱して乾燥及び親水性ポリマーを架橋する。加熱温度は通常50〜200℃程度である。なお、乾燥、架橋は同時に行ってもよいし、別工程としてもよい。別工程とする場合は、乾燥、架橋を連続的に行ってもよいが、乾燥工程に比較して架橋工程には一般的に長時間を要することから、乾燥工程まで経た原反をまとめて架橋するバッチ式は簡便である。好ましくは、90〜120℃で乾燥し、次いで100〜140℃で架橋する。
以下、実施例により本発明を具体的に説明するが、本発明は、これらの実施例のみに限定されるものではない。以下の実施例及び比較例においては、以下の感光性組成物を使用した。また、本発明においての評価は以下の方法にて行った。
表面硬度測定:高分子計器株式会社のA型アナログ硬度計を使用し、JIS K 6253の方法に従い、ロール表面に直接押針して測定した。
感光液の粘度測定:回転式粘度計(ビスコベーシック株式会社製:デジタル式回転粘度計 ビスコベーシック+)を用い、回転数50rpmにて測定した。
感光性組成物A
(下記の質量部は固形分としての比率)
・親水性ポリマーP 40質量部
・親油性ポリマー(ウレタン系エマルジョン) 40質量部
(第一工業製薬(株)製「エマルジョンスーパーフレックス(登録商標)700」)
・架橋剤(メチル化メラミン樹脂) 20質量部
(三井サイテック(株)製「サイメル(登録商標)350」)
・光吸収剤(シアニン色素) 5質量部
(アクロス製「IR125」(商品名))
・親水性添加剤(アルキルベンゼンスルホン酸ナトリウム) 2質量部
(第一工業製薬(株)製「ネオゲン(登録商標)R」)
以上の成分を混合した後、NV=20%になるように純水を適量加え、塗布液とした。尚、親水性ポリマーPは、以下の方法で合成したものである。
(親水性ポリマーPの合成)
1000mlのフラスコに水400gを入れ、窒素をバブリングして溶存酸素を除去した後、80℃に昇温した。窒素ガスをフラスコに流しながら、アクリルアミド100g、アクリル酸25g、ヒドロキシエチルアクリレート5g、水165gからなるモノマー溶液と重合開始剤「V−50」(水性アゾ系、和光純薬工業(株)製品)0.5gを水50gに溶解した開始剤の水溶液を、内温を80℃に維持しながら、別々に3時間に亘り連続滴下した。滴下終了後、80℃で2時間重合を続けた後、さらに90℃で2時間重合した。最後に水150gを加えた後、アンモニア水溶液でpHを4.5に調整して親水性ポリマーPの水溶液を得た。このポリマーの水溶液は、粘度が8000mPa・s、固形分は17質量%である。
実施例1
図1に示したロール塗布装置を用いて、塗布液の塗布を行った。ピックアップロール3として、ロール径300mm、ロール面長1500mmの鋼製のロールを用いた。また、アプリケーターロール4として、ロール径300mm、ロール面長1500mmで、図2で説明した不織布が被覆されたロールを用いた。このロールは径240mmの中空鋼ロールに不織布を厚さ30mm被覆したものである。硬度は70度(JIS タイプA硬さ)である。バックアップロール5には、ロール径650mm、ロール面長1500mmの鋼製のロールを用いた。なお、JIS タイプA硬さとは、JIS K 6253に規定されるタイプAデュロメータ硬さである。
まず、厚さ0.3mm、幅1000mmである長尺状のアルミニウムの支持体を、表面親水化処理した後に、塗布液として、前記感光性組成物Aを含有した塗布液を用い、ワニスタンク、配管、コータヘッド部分を5℃、塗布雰囲気温度として20℃に保持し、図1に示したようなロールを有する塗布装置を使用して塗布した。
乾燥後の感光性組成物を含有した層の厚みは3μmとなるように、各ロールの回転方向を図1の矢印で示す方向とし、ピックアップロール3の周速とアプリケーターロール4の周速、及び両ロール間の押付荷重を調整した。アプリケーターロール4と支持体6間の押付荷重は245Nの一定荷重とした。その他、アプリケーターロールとピックアップロールの周速比を6:1、アプリケーターロール速度と支持体の速度比を2:1とした。
このとき、支持体の搬送速度40m/minにして塗布後、支持体に120℃のエアを吹き付ける長さ60mの乾燥装置を通過させた。乾燥後の感光性組成物を含有した層の厚みは3μmであった。上記の方法で最終的に断続的に述べ100時間の連続運転を行なった。
実施例2
その後に厚さ0.3mm、幅1200mmのアルミニウムの支持体を用いて同様に搬送速度40m/minで断続的に述べ100時間の連続運転を行なった。
(結果)
不織布が被覆されたアプリケーターロールを用いた実施例1,2では、板幅が1000mmから1200mmに変わったにもかかわらず、目視検査の結果、外観の違いはなく美麗であり、感光層表面に異物も見られなかった。
比較例
本発明例で使用したアプリケーターロール4に代えて、従来のアプリケーターロール(硬度65度、ライニング厚30mmのゴムロール)を用いて、同様の連続運転を行った。
アプリケーターロール(ゴムロール)では、板幅が1000mmから1200mmに変わった時点で、支持体アルミニウムのエッジから約50mm内側付近に、所謂板道により直線状のむらが発生した。またアルミニウムによりゴムロールのエッジが損傷し、各所にゴムロール由来の異物がみられた。
支持体に接するロール(アプリケーターロール)の表面硬度が特定値以上のものを用いることにより、支持体のエッジによりロール表面が損傷することを防止し、また金属粉等の異物のかみ込み時にも支持体表面が傷つくことを防止できる。その結果、板幅が広くなるサイクルに対しても塗布むらのない美麗な外観が得られ、品質を向上できるとともに、板幅が広くなってもロールの交換作業の必要がないために、生産性を向上できる。また、サイクルを組む制約が緩和され、工程管理や在庫管理の煩雑さを軽減できるため広範な用途に応用できる。
本発明係る塗布装置の一部である2ロールコーターの要部概略図の一例である。 図1の装置に配設されているアプリケーターロール4の構造を示すロール断面の一例の概略図である。 本発明で使用可能な塗布装置の一例である。
符号の説明
1 塗布液パン
2 塗布液
3 ピックアップロール
4 アプリケーターロール
5 バックアップロール
6 支持体
7 中空鋼ロール
8 不織布構造体

Claims (5)

  1. 支持体上に感光層を有する平版印刷版用原版の製造方法において、長尺の支持体を搬送しながら該支持体上に感光性組成物を塗布する際に、支持体表面に接する感光性組成物を塗布するロールの表面硬度が、JIS K 6253のスプリング式JIS硬度計で測定したとき70度以上を有するロールが配設されている塗布装置を用いることを特徴とする平版印刷用原版の製造方法。
  2. ロールの表面が、ロール軸方向に積層させた不織布により被覆されたものである請求項1記載の製造方法。
  3. 前記感光性組成物が、親水性ポリマー、架橋剤、光吸収剤及び親油性ポリマーを含むものであることを特徴とする請求項1又は2に記載の製造方法。
  4. 支持体上に感光層を有する平版印刷版用原版の製造に用いる装置であって、長尺の支持体を搬送しながら該支持体上に感光性組成物を塗布する際に使用し、支持体表面に接する感光性組成物を塗布するロールの表面硬度が、JIS K 6253のスプリング式JIS硬度計で測定したとき70度以上を有するロールが配設されていることを特徴とする平版印刷用原版の製造装置。
  5. ロールの表面が、ロール軸方向に積層させた不織布により被覆されたものである請求項4記載の製造装置。
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