JP3451279B2 - 記録体及びその製造方法 - Google Patents

記録体及びその製造方法

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JP3451279B2
JP3451279B2 JP22859095A JP22859095A JP3451279B2 JP 3451279 B2 JP3451279 B2 JP 3451279B2 JP 22859095 A JP22859095 A JP 22859095A JP 22859095 A JP22859095 A JP 22859095A JP 3451279 B2 JP3451279 B2 JP 3451279B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は記録体及びその製造
方法に関し、詳しくは、液体反発性の強い記録体表面
へ、選択的に又は選択的かつ可逆的に、液体付着性領域
(潜像領域)を形成させるのに適し、必要に応じて、こ
の領域へ記録剤(例えば液体インクのように溶液又は分
散液の状態で用いられる)を供給して画像を形成する
か、又は液体インクの供給後、それを普通紙等へ転写し
複写画像を得るのに適した記録体、及び、こうした記録
体の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】表面を液体付着性領域と非液体付着性領
域とに区分けして画像形成に供するようにした手段の代
表的なものとしては水(湿し水)なし平版印刷版を用い
たオフセット印刷方式があげられる。だが、このオフセ
ット印刷方式は原版からの製版工程及び刷板(印刷版)
からの印刷工程を一つの装置内に組込むことが困難であ
り、製版印刷の装置の小型化は勢い困難なものとなって
いる。例えば、比較的小型化されている事務用オフセッ
ト製版印刷機においても、製版装置と印刷装置とは別個
になっているのが普通である。
【0003】このようなオフセット印刷方式の欠陥を解
消することを意図して、画像情報に応じた液体付着性領
域及び非液体付着性領域が形成でき、しかも、繰返し使
用が可能な(可逆性を有する)記録体を利用した記録方法
ないし装置が提案されるようになってきている。その幾
つかをあげれば次のとおりである。
【0004】(1) 水性現像方式 疎水性の光導電体層に外部より電荷を与えた後、露光し
て光導電体層表面に疎水性部及び親水性部を有するパタ
ーンを形成し、親水性部のみに水性現像剤を付着させて
紙などに転写する(特公昭40-18992号、特公昭40-18993
号、特公昭44-9512号、特開昭63-264392号など)。
【0005】(2) フォトクロミック材料の光化学反応を
利用した方式 スピロピラン、アゾ色素などの材料を含有した層に紫外
線を照射し、光化学反応により、これらフォトクロミッ
ク化合物を親水化する〔例えば「高分子論文集」第37巻4
号、287頁(1980)〕。
【0006】(3) 内部偏倚力の作用を利用した方式 不定形状態と結晶性状態とを物理的変化により形成し、
液体インクの付着・非付着領域を構成する(特公昭54-419
02号)。
【0007】前記(1)の方式によれば、水性インクを紙
などに転写した後、除電により親水性部は消去され、別
の画像情報の記録が可能となる。即ち、一つの原版(光
導電体)で繰り返し使用が可能となる。だが、この方式
は電子写真プロセスを基本としているため帯電→露光→
現像→転写→除電という長いプロセスを必要とし、装置
の小型化やコストの低減、メンテナンスフリー化が困難
であるといった欠点をもっている。
【0008】前記(2)の方式によれば、紫外線と可視光
との照射を選択的にかえることによって親水性、疎水性
を自由かつ可逆的に制御できるものの、量子効率が悪い
ため反応時間が非常に長くて記録速度が遅く、また安定
性に欠けるといった欠点をもっており、いまだ実用レベ
ルには達していないのが実情である。
【0009】更に、前記(3)の方式によれば、そこで使
用される情報記録部材は、記録後のものでは安定性があ
るが、記録前のものでは温度変化により物理的構造変化
が生じるおそれがあることから保存性に問題が残されて
いる。これに加えて、記録された情報パターンの消去に
は熱パルスを与え、次いで急冷する手段が採用されるこ
とから、繰り返しの画像形成は繁雑さをまぬがれ得ない
といった不都合がある。
【0010】本発明者らは、先に、液体に接触した状態
で加熱・冷却を行なうと表面の液体に対する後退接触角
が低下する性質を有する材料を用いた記録方法を特開平
3−17847号で明らかにした。図1はその方法の実
施に有用な装置の概略を示したものである。ところが、
特開平3−17847号に記載された記録層材料は、実
質的に側鎖にパーフルオロアルキル基を有するポリマー
からなり、このものは被膜強度が低く、擦りなどの力に
対して弱いため、記録層表面が傷つきやすく、耐刷性が
劣りがちであるといった欠点がある。
【0011】図2はその記録層劣化の様子を示してお
り、(インクを付着した)記録体は転写時に直ちに紙と
接触する。紙の表面は一般に平滑ではなく、またサイズ
剤の添加によって硬いものになっている。このため、
(インクを付着した)記録体被膜、即ち記録層表面が柔
らかいと、紙と記録体とが圧接するだけで記録層表面が
窪んだり傷ついたりする。この窪みや傷にはインキング
時にインクが入りやすくなり地汚れの原因となる。
【0012】本発明者らは、この特開平3−17847
8号で明らかにした記録層材料についてさらなる改良を
進め、2種以上のポリマーをブレンドした材料を含有し
たものであって、そのポリマーの少なくとも一つは側鎖
に弗素原子を含む化合物(後退接触角変化の性質を有す
る化合物)とした記録体材料を特開平5−246123
号で提案した。しかしそれにも拘らず、そこに提案した
記録体では記録層被膜強度が著しく高まったという訳で
はないのが実情である。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記のごとき
不都合を解消し、記録体被膜強度を高くして印字耐刷性
を向上させ、良質の多数画像が普通紙等に得られるよう
にした記録体、及びその製造方法を提供するものであ
る。
【0014】
【課題を解決するための手段】本発明者らは記録体被膜
強度向上の方法を鋭意検討した結果、前記の後退接触角
変化の性質を有するポリマーを、硬い被膜を形成可能な
別のバインダー樹脂で取り囲むことで記録体被膜強度が
増加し、かつ、後退接触角変化機能も維持されることを
見出した。本発明はこの知見に基づいてなされたもので
ある。図3(a)及び(b)は、後退接触角変化の性質
を有するポリマー(F)が硬い被膜を形成可能な別のバ
インダー樹脂(B)で取り囲まれたモデルを示してい
る。
【0015】従って、本発明によれば、(1)加熱状態
でかつ液体と接触させたときに後退接触角が低下する表
面を有する記録層の表面と、液体、蒸気及び該記録層に
おける後退接触角の低下開始温度以下で液体となるか又
は液体若しくは蒸気を生じる固体から選ばれる接触材料
とを接触させた状態で選択的に加熱することにより、又
は該記録層の表面を選択的に加熱した状態で該接触材料
と接触させることにより、該記録層表面に加熱温度に応
じた後退接触角を示す領域を形成させる記録方法に用い
る記録体であって、該記録体は前記の後退接触角変化の
性質を表面に有する記録層と基板とから構成され、か
つ、該記録層は少なくとも2つ以上のポリマーを含有
し、そのポリマーの少なくとも一つは該後退接触角変化
の性質を有するポリマーからなり、かつ、別のポリマー
の少なくとも一つは硬い被膜を形成したバインダー樹脂
からなることを特徴とする記録体、(2)前記(1)に
おいて、該後退接触角変化の性質を有するポリマーは側
鎖にフッ素原子を含有するポリマーであることを特徴と
する記録体、(3)前記(1)において、該バインダー
樹脂はウレタン樹脂からなることを特徴とする記録体、
(4)前記(1)において、該記録層の少なくとも表面
及び表面近傍の形態が該後退接触角変化の性質を有する
ポリマーとバインダー樹脂との海島構造であることを特
徴とする記録体、が提供される。
【0016】また、本発明によれば、(5)前記(1)
の記録体における該記録層の形成は、該後退接触角変化
の性質を有するポリマーを微粒子状態存在させた分散液
と該バインダー樹脂溶液との混合物であるコート液を該
基板上に塗布して行なうことを特徴とする記録体の製造
方法、(6)前記(1)の記録体における該記録層の形
成は、該バインダー樹脂及び該後退接触角変化の性質を
有するポリマーを微粒子状態で分散させたコート液を該
基板上に塗布して行なうことを特徴とする記録体の製造
方法、が提供される。
【0017】さらに本発明によれば、(7)前記(5)
又は(6)において、該後退接触角変化の性質を有する
ポリマー及び/又は該バインダー樹脂を乳化状態とした
後にコート液中で両者を混合することを特徴とする記録
体の製造方法、(8)前記(5)又は(6)において、
該コート液は、該バインダー樹脂および該後退接触角変
化の性質を有するポリマーの合計量に対して5重量%以
下の水溶性乳化剤を含むことを特徴とする記録体の製造
方法、が提供される。
【0018】
【発明の実施の形態】以下本発明をさらに詳細に説明す
るが、以降は便宜上、前記の後退接触角変化の性質を有
するポリマーを「F材料」といい、前記のバインダー樹
脂(硬い被膜を形成可能なバインダー樹脂)を「B材
料」ということがある。ところで、特開平3−1784
78号及び特開平5−246133号で明らかにされて
いるように、本発明者らは、液体に接した状態で加熱さ
れ冷却後後退接触角が低くなり、かつ、液体不存在下の
加熱により後退接触角が高くなるという機能を表面に有
する部材が記録体として有用であることを見いだしてい
る。そして、このような機能を有する記録体はその表面
が(i)疎水基の表面自己配向機能をもつ有機化合物を
含む部材、又は(ii)疎水基をもつ有機化合物であって
疎水基を表面に配向した部材であることも併せて確めて
いる。
【0019】(i)にいう“表面自己配向機能”とは、
ある化合物を支持体上に形成した固体又は或る化合物自
体による固体を空気中で加熱すると、表面において疎水
基が空気側(自由表面側)に向いて配合する性質がある
ことを意味する。このことは(ii)においても同様にい
えることである。一般に、有機化合物では疎水基は疎水
性雰囲気側へ向きやすい現象をもっている。これは、固
−気界面の界面エネルギーが低くなる方に向うために生
じる現象である。また、この現象は疎水基の分子長が長
くなるほどその傾向がみられるが、これは分子長が長く
なるほど加熱における分子の運動性が上がるためであ
る。
【0020】更に具体的には、末端に疎水基を有する
(即ち表面エネルギーを低くする)分子であると、疎水
基は空気側(自由表面側)を向いて表面配向しやすい。
同様に−(CH2)n−を含む直鎖状分子では−(CH2
2)n−の部分が平面構造をしており、分子鎖どうしが
配向しやすい。また、
【化1】 を含む分子も
【化2】 の部分が平面構造をしており、分子鎖どうしが配向しや
すい。殊に、弗素などの電気陰性度の高い元素を含む直
鎖状分子は自己凝集性が高く、分子鎖どうしが配向しや
すい。これらの検討結果をまとめると、より好ましく
は、自己凝集性の高い分子を含んだり平面構造をもつ分
子を含み、かつ、末端に疎水基を有する直鎖状分子、或
いは、そうした直鎖状分子を含む化合物は表面自己配向
機能が高い化合物といえる。
【0021】これまでの記述から明らかなように、表面
自己配向状態と後退接触角とは関連があり、また、後退
接触角と液体付着性との間にも関係がある。即ち、固体
表面での液体の付着は、液体の固体表面での主にタッキ
ングによって生じる。このタッキングはいわば液体が固
体表面を滑べる時の一種の摩擦力とみなすことができ
る。従って、本発明でいう“後退接触角”θrは、前記
摩擦力をγfとすると、
【数1】cosθr=(γ/γlV)・(γs-γsl-πe+γf) (但し、 γ :真空中の固体の表面張力 γsl:固-液界面張力 γlV:液体がその飽和蒸気と接しているときの表面張力 πe :平衡表面張力 γf:摩擦張力 γs :吸着層のない固体の表面張力、である) との関係式が成立つ(斉藤、北崎ら「日本接着協会誌」
Vol.22、No.12,No.1986号)。従っ
て、θrの値が低くなるときγf値は大きくなる。即ち、
液体は固体面を滑べりにくくなり、その結果、液体は固
体面に付着するようになる。
【0022】これら相互の関連から推察しうるように、
液体付着性は後退接触角θrがどの程度であるかに左右
され、その後退接触角θrは表面自己配向機能を表面に
有する部材の何如により定められる。それ故、本発明に
おいては、記録体はその表面に所望パターン領域の形成
及び/又は記録剤による顕像化の必要から、必然的に、
表面自己配向機能を表面に有する部材が選択されねばな
らない。
【0023】本発明の記録体は、既述のとおり、「加熱
状態でかつ液体と接触された場合に後退接触角θrが低
下する表面」を有するものである。この記録体は、接触
材料の種類によっては潜像領域における液体付着性部分
が親油性又は親水性のいずれかになり、従って、複写物
を得る際には油性インク、水性インクのいずれも必要に
応じて使いわけられる。基板の形状は、ベルト状、板
状、ドラム状のいずれでもよく、装置の使用用途に応じ
て選定する。特にドラム状は装置における寸法精度を出
せる点ですぐれている。板状のものは、記録紙サイズに
応じてその大きさを決めればよい。
【0024】接触材料は、当初から液体あるいは蒸気で
あるか、又は、記録体にいう後退接触角θrの低下開始
温度以下で結果的に液体を生じさせる固体である。ここ
での蒸気は、記録体の表面又は表面近傍で、少なくとも
その一部が凝縮して液体を生ぜしめ、その液体が記録体
の表面を濡らすことができるものであれば充分である。
一方、ここでの固体は、前記後退接触角θrの低下開始
温度以下で液体となるか、液体を発生させるか、又は、
蒸気を発生させるものである。固体から発生された蒸気
は記録体の表面又はその近傍で凝縮して液体を生じさせ
ることは前記の場合と同様である。
【0025】これら接触材料をより具体的にいえば次の
とおりである。即ち、接触材料の一つである液体として
は、水の他に、電解質を含む水溶液;エタノール、n−
ブタノール等のアルコール;グリセリン、エチレングリ
コール等の多価アルコール;メチルエチルケトン等のケ
トン類のごとき有極性液体や、n−ノナン、n−オクタ
ン等の直鎖状炭化水素;シクロヘキサン等の環式状炭化
水素;m−キシレン、ベンゼン等の芳香族炭化水素のご
とき無極性液体があげられる。また、これらの混合体で
もよいし、各種分散液や液状インクも使用できる。さら
に望ましくは極性液体の方がよりすぐれている。
【0026】接触材料の他の一つである蒸気としては水
蒸気の外に、接触材料の液体の蒸気であれば使用できる
が、特にエタノール蒸気やm−キシレン蒸気などの有機
化合物の蒸気(噴霧状態のものを含む)があげられる。
この有機化合物蒸気の温度は記録体の表面を形成する化
合物の融点或いは軟化点以下である必要がある。
【0027】接触材料の他のもう一つである固体として
は、高級脂肪酸、低分子量ポリエチレン、高分子ゲル
(ポリアクリルアミドゲル、ポリビニルアルコールゲ
ル)、シリカゲル、結晶水を含んだ化合物などがあげら
れる。
【0028】なお、後述するところからより明らかにな
るが、接触材料として、前記液状インクのごとき“色剤
を含有した”記録剤を用いた場合には、潜像形成と同時
に顕像化が行なわれることになる。
【0029】加熱手段としてはヒーター、サーマルヘッ
ドなどによる接触加熱の他に、電磁波(レーザー光源、
赤外線ランプなどの発光源からの光線をレンズで集光す
る)による非接触加熱がある。また、電子線照射及び光
(UV光)照射によった場合にも実質的に加熱がなされ
ていれば本発明の方法を達成するすることができる。
【0030】図4(a)は従来被膜のミクロな構造モデ
ル、図3(a)は本発明のミクロ構造モデルである。F
材料は配向性の強いポリマーであるため、F材料単独被
膜は、分子が整然と並んだ単結晶被膜を形成したり分子
どうしが完全にランダムな均一構造をとることはなく、
ある程度分子が集合したミクロドメイン構造をとると推
定される。図4(a)はそのF材料単独被膜のモデルで
あり、図中の各ブロックが一つのドメインを表わす。そ
して図4(b)に示したように、紙との接触等により、
被膜表面のF材料分子のミクロドメインごと剥離したり
一部が機械的に破壊され被膜に傷や窪みができると思わ
れる。一方、図3(a)のごとく、F材料のドメインの
回りに硬い被膜を形成可能なB材料を形成し、これにょ
ってF材料を取り囲むようにしておくと、図3(b)に
示したように、この被膜が紙と接触しても、F材料の最
表面の一部は破壊されてもその後はB材料がブロックす
るため、F材料は大きく破壊されることがない。しか
も、F材料は被膜中でミクロドメイン構造を維持してい
るため、前記の後退接触角変化機能は維持される。この
ように、本発明の特徴は、記録層被膜が後退接触角変化
を示すF材料とそれを取り囲むバインダー樹脂であるB
材料からなることを特徴とする。
【0031】本発明で用いられるF材料は、前記後退接
触角変化の性質を有するポリマー材料であるが、好まし
くはフッ素を含むポリマー材料であり、さらに好ましく
は側鎖にフッ素を有するポリマー材料である。これらに
ついては特開平3−178478号に開示されている記
録層材料のうちのポリマー材料のすべてが使用可能であ
る。また、フッ素を含まないポリマー材料ではラウリル
アクリレートまたはラウリルメタクリレートのポリマ
ー、ステアリルアクリレートまたはステアリルメタクリ
レートのポリマーのごとき長鎖のアルキル基側鎖を有す
るポリマーがあげられる。
【0032】記録層被膜が後退接触角変化機能を持つに
は被膜最表面にF材料が一部むき出している必要がある
事はいうまでもない。記録層被膜は通常は、コーティン
グ液の塗布により行なう。B材料とF材料が似たような
分子構造をしているとよく混ざりあうが、逆にコート後
の乾燥過程においてF材料が選択的に被膜最表面に突出
しにくくなる恐れがあり、B材料の比率が大きい場合、
B材料で表面がおおわれる虞がある。そこで、本発明者
らは検討した結果、F材料が側鎖に疎水性の基、例えば
長鎖のアルキル基やフッ素原子を含有するポリマーであ
るとコート液中でF材料の割合が小さくても選択的に最
表面にF材料が突出しやすいため好ましいことを発見し
た。また、該疎水性基を有するポリマーは記録層被膜の
後退接触角変化機能においても優れていた。特に、フッ
素原子を含むポリマーは表面エネルギーが小さく、同じ
ように表面エネルギーが小さい空気に選択的に配向しや
すい。このため、コート後の乾燥過程でF材料が選択的
に被膜表面に集まりやすく最表面にF材料が突出すると
推定される。従って、本発明の記録体においては、F材
料が側鎖にフッ素原子を有するポリマーであるのが最も
有利である。
【0033】F材料のうち、フッ素を含むポリマー材料
(側鎖にフッ素を有するポリマー材料をふくむ)として
は、下記式並びに具体例として表わされたものがあげら
れる(但し式中、R、Rfの少なくともいずれか一方に
はフッ素原子が含まれる)。
【0034】式(I)、(II)、(III)、(IV)、
(V)、(VI)及び(VII)
【化3】
【化4】
【化5】
【化6】
【化7】
【化8】
【化9】 をモノマーとした重合体があげられる。
【0035】その他のポリマーとしては、式(VIII)、
(IX)及び(X)に示したごときのものがあげられる。
【化10】
【化11】
【化12】
【0036】これらの具体例でRfをより詳しくいえば
下記(1)〜(21)までのものを例示することができ
る。 (1)−CH2CF2CHFCF3
【化13】
【化14】
【化15】
【化16】 (6)−CH2(CF2)10H (7)−(CF2)6−O−CF2CF3 (8)−(CH2)4−NH−CF2CF3 (9)−(CF2)6−CF3 (10)−(CH2)10−C817
【化17】
【化18】 (13)−CH2NHSO2817
【化19】 (15)c・s−CH2CH2−(CF3)6CF(CF3)2 (16)−CH2CF2CF2CF3 (17)−CH2CH2CH2CH2CF (18)−CH2(CF2)6CF3 (19)−CH2(CF2)5CF3 (20)−(CH2)3−CF3 (21)−(CH2)2(CF2)5CF2Cl
【0037】これらの化合物のうちでも、特に、下記
(XI)の材料の使用が好ましい。
【化20】
【0038】最も好ましい具体的化合物としては
【化21】
【化22】
【化23】
【化24】
【化25】
【化26】
【化27】
【化28】
【化29】
【化30】
【化31】
【化32】
【化33】
【化34】
【化35】
【0039】さらに、これら式(I)(II)(III)(I
V)(V)(VI)(VII)及び(XI)のモノマー同士の共
重合体(2種以上のモノマーの共重合体)の他に、重合
体中のフッ素含有量を調節する等の目的で他のモノマー
例えばエチレン、塩化ビニル、スチレン、ブタジエン、
イソプレン、クロロプレン、ビニルアルキルエーテル、
酢酸ビニル、ビニルアルコール、及び下記の他のモノマ
ーなどとの共重合体もF材料として適する。
【0040】上記モノマーから重合体を得る方法として
は後に詳しく記載するが、溶液重合、電解重合、乳化重
合、光重合、放射線重合、プラズマ重合、グラフト重
合、プラズマ開始重合、蒸着重合など、材料により適当
な方法が選択され、本発明においては乳化重合による方
法が好ましい。
【0041】これまでに数多くあげたF材料において
は、 CH2=CRCOOCH2CH2(CF2)mCF3 (ここで、Rは水素又はメチル基、mは5以上の整数で
あり1〜11が好ましい)で表わされるパーフルオロア
ルキルアクリレートまたはメタクリレート(以下、アク
リレートとメタクリレートをまとめて(メタ)アクリレ
ートと記す)の重合した単位を含む重合体が好ましい。
さらに、パーフルオロアルキル(メタ)アクリレートの
重合した単位を含む重合体は、他のモノマーの重合した
単位を含ませるのが好ましい。他のモノマーとしては、
ラジカル重合性の不飽和結合を有する化合物を1種以上
用いるのが望ましく、塩化ビニル、ステアリル(メタ)
アクリレートが好ましく、それ以外に、エチレン、酢酸
ビニル、弗化ビニル、ハロゲン化ビニルスチレン、α−
メチルスチレン、p−メチルスチレン、(メタ)アクリ
ル酸とそのアルキルエステル、ポリオキシアルキレン
(メタ)アクリレート、(メタ)アクリルアミド、ジア
セトン(メタ)アクリルアミド、メチロール化(メタ)
アクリルアミド、N−メチロール(メタ)アクリルアミ
ド、N−メチロール(メタ)アクリルアミドビニルアル
キルエーテル、ハロゲン化アルキルビニルエーテル、ビ
ニルアルキルケトン、ブタジエン、イソプレン、クロロ
プレン、グリシジル(メタ)アクリレート、アジリジニ
ル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレー
ト、イソシアナートエチル(メタ)アクリレート、シク
ロヘキシル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル
(メタ)アクリレート、無水マレイン酸、ポリシロキサ
ンを有する(メタ)アクリレート、N−ビニルカルバゾ
ール等が挙げられる。パーフルオロアルキルアクリレー
トの重合した単位を含む重合体は、重合体中のフッ素原
子の割合が、重合体の100重量部に対して、30〜5
0重量部程度が好ましい。パーフルオロアルキルアクリ
レートの重合した単位を含む重合体としては、市販品を
用いることができる。
【0042】B材料はF材料単独からなる被膜よりも硬
い被膜を形成可能なバインダー樹脂であれば特に限定さ
れず、前記のF材料の表面突出のしやすさ等の理由から
炭化水素系材料が好ましく、例えば、ウレタン樹脂、ア
クリル樹脂、メラミン樹脂などがあげられる。これらは
で水溶性、溶剤可溶性のいずれであってもよい。これら
の樹脂は、架橋部位を有しているのが好ましい。樹脂の
架橋は、自己架橋であっても、他の架橋剤を加えての架
橋のいずれであってもよい。架橋方法としては、特に限
定されず、塗布後に熱を加える等の方法が好ましい。さ
らに、B材料の硬化後の硬さの程度はF材料の被膜より
も硬ければよく、望ましくは鉛筆硬度でH以上である。
【0043】B材料の中では、特にウレタン樹脂の使用
が有利である。本発明で用いられるウレタン樹脂は、本
質的に多官能イソシアネートと、イソシアネート基と反
応性の基を2個以上含有する化合物との反応生成物であ
る。また、ウレタン樹脂は、多官能イソシアナートの一
部がブロック化されており、ブロック化されていないイ
ソシアナート基がイソシアナート基と反応性の基を2個
以上含有する化合物と反応している化合物をさらに硬化
させたものであってもよい。多官能イソシアネートとし
ては、イソシアネート基を2個以上有するポリイソシア
ネートおよびその変性体が採用され、変性体としては、
ヌレート変性体、トリメチロール変性体、またはビュレ
ット変性体が好ましい。
【0044】多官能イソシアネートの例としては、脂肪
族多官能イソシアネート、脂環族多官能イソシアネー
ト、芳香族多官能イソシアネートが挙げられる。具体例
としては、ヘキサメチレンジイソシアネート(HMD
I)、イソホロンジイソシアネート(IPDI)、水添
MDI、キシリレンジイソシアネート(XDI)、トリ
レンジイソシアネート(TDI)、フェニレンジイソシ
アネート(PDI)、ジフェニルメタンジイソシアネー
ト(MDI)等、およびこれらのイソシアネート変性
体、トリメチロール変性体、またはトリスビュレット、
または、3官能アミン誘導体等があげられる。
【0045】イソシアネート基との反応性を有する基を
2個以上含有する化合物における該反応性の基として
は、水酸基、アミノ基、カルボキシル基等が好ましく、
それらの中でも特に水酸基を好ましい基としてあげるこ
とができる。さらに、水酸基を有する化合物にあっては
水酸基が2個である化合物が好ましい。水酸基を2個含
有する化合物としては、ポリエーテル系、ポリエステル
系、ポリカーボネート系のポリオールが好ましい。ま
た、上記化合物は一部のイソシアナート基がブロック化
剤によりブロック化されていてもよい。このブロック化
剤としては、水溶性のブロック化剤が好ましい。
【0046】本発明のウレタン樹脂としては、既述のよ
うに、被膜としての硬度が鉛筆硬度でHよりも硬い硬度
のものが好ましい。またウレタン樹脂は、水に可溶性で
あっても不溶性であってもよく、通常は、イソシアナー
ト基と反応性の基を2個以上含有する化合物の水溶性の
程度によって水溶性または不溶性となる。また、水に不
溶性のウレタン樹脂を水分散体として用いたい場合に
は、後記の水溶性乳化剤を加えて乳化品とするのが好ま
しい。本発明のウレタン樹脂の合成方法は特に限定され
ず、市販品を用いることができる。
【0047】本発明における記録層被膜の表面形態はF
材料とB材料との海島構造であるのが好ましい。図5に
海島構造のモデルを示す。島がF材料のドメインでB材
料が海である。F材料のミクロドメインどうしが重なっ
ていると、その周りをB材料により固定されていても、
繰り返し印字時の現像ローラ上のインク層のタック力に
よりインク層側へF材料のドメインが剥離しやすくな
る。そこで、図5のごとく、F材料の島が独立してB材
料の海に点在し、海島構造をとることで繰り返し印字に
F材料が被膜表面から剥離しにくくなり、さらに耐刷性
が向上する。F材料の島の大きさは10μm以下、好ま
しくは1μm以下である。また、島の分布はF材料の島
どうしがなるべく接触しないように点在していれば密度
は問わない。
【0048】本発明の記録体を製造するには、幾つかの
方法が採用できる。 (方法1)F材料及びB材料を適当な溶液(水、酢酸エ
チル、など)に分散又は溶解し、これを基板上に塗布す
ればよい。塗布方法はスプレーコート、ディップコー
ト、ブレードコートの湿式塗布方法のいずれも適用可能
である。 (方法2)基板上にB材料を塗布した後、表面が固化し
ない状態又は粘着性を帯びた状態で、F材料の微粒子を
表面に吹き付ける。F材料の吹き付け方として、静電塗
装などを利用できる。 (方法3)F材料の微粒子を基板上に積層した後、B材
料のコート液を積層被膜に含侵させる。
【0049】さらに、いずれの方法においてもコート
後、B材料を架橋剤を用いた架橋やB材料自身の自己架
橋によりさらに硬質な被膜を形成しても講わない。F材
料とB材料との比率は、F材料よりもB材料の比率が高
いことが望ましいが、F材料とB材料との重量比が1
0:90〜40:60が適当である。また、被膜の厚み
は特に制限されない。
【0050】F材料とB材料との混合形態は、記録層被
膜の表面又は表面近傍では、図5に示したもののように
なる。即ち、図5(a)のごとく、F材料の分子およ
びB材料がある程度帯状に集合し、お互いに絡み付くよ
うにしてF材料の周りをB材料が取り囲むもの、図5
(b)のごとく、F材料は微粒子に、B材料が帯状に集
合し、F材料の塊を取り囲むようにB材料が絡み付くも
の、図5(c)のごとく、F材料、B材料ともに分子が
粒状に集合し、F材料の塊を取り囲むようにB材料の塊
が形成されるもの、等である。記録層は図6に示したよ
うにB材料、F剤材料が海島構造となっているのが好ま
しい。
【0051】いずれにしても、記録層被膜はF材料をB
材料で取り囲むような表面形態となる作製方法が採用さ
れる。上記のように、記録層はそのコート液の基板への
塗布により行なわれるが、F材料はコート液に溶解して
いてもミセル等の形態をとりミクロドメインを作ると考
えられる。しかし、F材料がコート液に溶解していると
ドメインの大きさや密度を制御できないため、製造のバ
ラツキが生じやすく、また、歩留りが悪くなる可能性が
ある。そこで、予め、コート液中でF材料を微粒子の形
態で分散させておけばコート後に必ずF材料はドメイン
を形成する。従って、コート液中にF材料を微粒子の状
態で分散しておくのが望ましい。
【0052】さらに、B材料はコート液に溶解していて
もよく、分散していてもよく、B材料を微粒子の形態で
コート液に分散させておけば、F材料とB材料のコート
液中での均一性が向上し、記録層被膜の表面又は表面近
傍のF材料とB材料の分布が制御可能となる。即ち、本
発明においては、コート液中にF材料とともにB材料を
微粒子状態で分散することも効果的である。さらに、F
材料およびB材料を含むコート液は、F材料および/ま
たはB材料が、コート液に可溶または不溶のいずれの場
合においても、水媒体を主体とするのが環境上の理由か
ら好ましく、有機溶剤を含ませる場合には、グリコール
系の溶剤、N−メチルピロリドン、トリエチルアミン等
が挙げられ、有機溶剤の量は少量であるのが好ましい。
【0053】F材料の微粒子の製造方法としては、幾つ
かの方法が採用できる。 (F材料の微粒子製造方法1)F材料を乾燥し粉砕す
る。例えば、トリクロロトリフルオロエタンを溶媒とし
て、パーフルオロアルキルアクリレートを溶液重合し、
溶剤を留去した後、得られた固体を粉砕する。粉砕した
F材料をコート液に分散させる。 (F材料の微粒子製造方法2)強制乳化によって、F材
料の水分散液を得る方法。例えば、F材料をメチルイソ
ブチルケトン(MIBK)等のF材料を溶解し得る有機
溶剤に溶解させ、溶液とする。これに、水と必要に応じ
て乳化剤を加え、高圧ホモジナイザーにより乳化し、有
機溶剤を除去して、水分散体を得る。 (F材料の微粒子製造方法3)F材料を乳化重合させて
直接F材料の水分散液を得る方法。たとえば、重合しよ
うとする化合物を乳化剤の存在下に水媒体中に乳化さ
せ、撹拌下に重合させる方法。重合開始剤としては、有
機過酸化物、アゾ化合物、過硫酸塩等の重合開始剤、さ
らにγ−線等の電離性放射線等が採用され得る。また、
乳化剤としては、陰イオン性、陽イオン性、あるいは非
イオン性の各種乳化剤のほとんど全てが使用でき、後で
説明する水溶性の乳化剤が好ましい。
【0054】F材料の微粒子の製造方法としては、F材
料を強制乳化する方法、または、F材料を乳化重合法に
よって得る方法が好ましく、特に、後者の方法が好まし
い。また、B材料がコート液に分散するものである場合
には、F材料とともにB材料を存在させて、同時に粉砕
または強制乳化させてもよく、予め分散させたB材料を
F材料の微粒子の分散液に混合してもよい。F材料の微
粒子の粒子径は、10μm以下が好ましく、望ましくは
1μm以下である。また、B材料が分散している場合の
粒子径は、F材料と同様の粒子径が好ましい。
【0055】F材料又はB材料を含むコート液中に水溶
性乳化剤が含まれている場合には、次の点に注意が必要
である。即ち、記録体は記録時(印字時)に液体に接触
して加熱される。このとき、F材料又はB材料を用いた
記録層が、水溶性乳化剤を含んでいると、液体接触加熱
時に記録層被膜が白濁し、その後の空気中加熱における
後退接触角の回復を疎外する場合がある。記録層が白濁
すると後退接触角変化の可逆性が劣化しやすくなるおそ
れがある。
【0056】水溶性乳化剤は公知の乳化剤であって水に
可溶性の物であれば特に限定されず、いずれのものであ
っても用いることができ、カチオン性、アニオン性、非
イオン性、両性の界面活性剤が挙げられる。水溶性乳化
剤は1種のみであっても2種以上であってもよい。乳化
剤の量は多すぎると液体接触加熱時に該乳化剤の溶出に
より被膜が粗面化し、結果として、白化を生じるおそれ
があるため出来るだけ少ないことが好ましい。通常はF
材料及びB材料の合計量に対して10重量%以下が好ま
しい。またB材料とF材料自体が乳化剤なしでも分散可
能である場合には用いなくとも良い。B材料として水に
可溶性の材料を用い、F材料として不溶性の材料を用い
た場合には、水溶性乳化剤の量は5重量%以下が好まし
い。
【0057】水溶性乳化剤の代表的なものとしては、 (非イオン性のものの例) ポリオキシエチレンアルキルエーテル R−O−(CH2CH2O)nH (R=−C1633 n=15,20、 R=−C18
35 n=10,15) ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル R−C64−O−(CH2CH2O)nH (R=−C919 n=10,15、 R=−C817
n=20,30) ポリオキシエチレンヒマシ油、ポリオキシエチレンソル
ビタン脂肪酸エステル等。 (カチオン性のものの例) アルキルトリメチルアンモニウムクロライド RN+(CH3)3・Cl- (R=−C1633,−C1837) ジアルキルアンモニウムクロライド RN+CH3・Cl- (R=−CH3) EO付加型アンモニウムクロライド
【化36】 (アニオン性のものの例) アルキル(フェニル)エーテル硫酸エステル塩 RO−(CH2CH2O)nSO3Na (R=−C1633,n=1〜5、−C1837,n=1〜
5) エーテルスルホン酸塩
【化37】 アルキルベンゼンスルホン酸Na塩
【化38】 (両性のものの例) 酢酸ベタイン
【化39】
【化40】 イミダゾリニウムベタイン
【化41】 等が適当である。
【0058】
【実施例】次に実施例をあげて本発明をより具体的に説
明する。
【0059】実施例1 記録体基板:ポリエチレンテレフタレート(PET) 記録層 :F材料−CH2=CHCOOCH2CH2n
2n+1(ここでnは6〜12の混合物で平均は9)で表
わされるパーフルオロアルキルアクリレートと塩化ビニ
ルの共重合体(フッ素含有量40重量%)を20重量
%、水溶性乳化剤としてポリオキシエチレンオレイルエ
ーテルを1.4重量%含む水性分散体 B材料−メチロール化メラミン樹脂の80重量%水溶液
(住友化学製、スミテックスレジンM−3) B材料の硬化触媒−住友化学製、スミテックスアクセレ
ートACX) コート方法−表1に示す量のF材料とB材料と硬化触媒
とを純水中で混合し、基板にディップコートにてコー
ト、コート後140℃で30分間加熱。比較例ではB材
料を用いずに同様にコートおよび加熱。 液体接触加熱条件:液体−水、温度−120℃、時間−
1秒間 実施結果を表1に示す。その結果、F材料とB材料の比
率が5/5〜8/2の範囲で、記録層被膜は接触角変化
を維持しながらF材料単独被膜よりも膜が硬くなったの
が判った。いずれの記録層表面とも白濁しなかった。
【0060】
【表1】 ────────────────────────────────── F材料 B材料 硬化触媒 水 コート直後 液体接触 被膜の の 加熱後の 硬さ 後退接触角 後退接触角 (注1) ────────────────────────────────── 14.3wt% 2.9wt% 2.9wt% 79.9wt% 105 11 △ 14.3wt% 5.7wt% 5.7wt% 74.3wt% 105 11 △ 14.3wt% 14.3wt% 14.3wt% 57.1wt% 108 10 ○ 20.0wt% − − 80.0wt% 110 55 × ────────────────────────────────── 注1)硬さの判定は2つ折りにした上質紙の角部分をもちいて角がつぶれぬ程度 の力で被膜をこすり、目視にて傷が認められない場合を○(鉛筆硬度なH 以上に相当)、わずかに傷が認められる場合を△、はっきりと傷が認めら れる場合を×として評価した。以下同じ。
【0061】実施例2 記録体基板:ポリエチレンテレフタレート(PET) 記録層 :F材料−ラウリルメタクリレートの単独重
合体 B材料−ポリカーボネート樹脂 コート方法−F材料とB材料を5/5の比率で酢酸エチ
ル中で溶解混合し、基板にディップコート法にてコー
ト、コート後100℃で20分間加熱 液体接触加熱条件:液体−水、温度−120℃ 時間−
1秒間 実施結果 :液体接触加熱後で後退接触角の変化が認め
られ、かつ、被膜が硬くなった。
【0062】実施例3 記録体基板:ポリエチレンテレフタレート(PET) 記録層 :F材料−実施例1と同じF材料 B材料−メチルメタクリレートとイソブチルメタクリレ
ートとの共重合体を20重量%、乳化剤を1.2重量%
を含む水性分散体 コート方法−F材料とB材料を純水中で混合し、基板に
ディップコート法にてコート。コート後120℃で30
分間加熱 液体接触加熱条件:液体−水、温度−120℃、時間−
1秒間 実施結果を表2に示す。その結果、F材料の割合が低く
てもF材料単独よりも被膜は硬く、かつ、接触角変化機
能を維持しているのが判った。また、表面はまったく白
濁しなかった。
【0063】
【表2】 ────────────────────────────────── F材料/B材料 コート直後 液体接触 被膜の硬さ (重量割合) の 加熱後の (注1) 後退接触角 後退接触角 ────────────────────────────────── 2/8 90° 55° △ 1/9 80° 35° ○ ──────────────────────────────────
【0064】実施例4 記録体基板:ポリエチレンテレフタレート(PET) 記録層 :F材料−実施例1と同じF材料 B材料−水添MDI、IPDIおよびシクロヘキサジメ
タノールのポリカーボネートジオールの反応物を20重
量%含む水溶液 コート方法−F材料とB材料を純水中で混合し、基板に
ディップコート法にてコート。コート後120℃で30
分間加熱 液体接触加熱条件:液体−水、温度−120℃、時間−
1秒間 実施結果を表3に示す。その結果、B材料とウレタン樹
脂を用いると、接触角変化機能を有しながら、ほかのバ
インダー樹脂に比べ極めて硬い被膜が得られることが判
った。また、表面はまったく白濁しなかった。
【0065】
【表3】 ────────────────────────────────── F材料/B材料 コート直後 液体接触 被膜の硬さ (重量割合) の 加熱後の (注1) 後退接触角 後退接触角 ────────────────────────────────── 3/7 110° 60° ○ 2/8 95° 50° ○ ──────────────────────────────────
【0066】実施例5 記録体基板:実施例4と同じもの 記録層 :F材料−実施例4と同じF材料 B材料−実施例4と同じB材料 コート方法−実施例4と同じ方法 液体接触加熱条件:実施例4と同じ条件 実施結果を表4に示す。その結果、海島構造の被膜は画
像ぬけが生じず、耐候性に優れる。
【0067】
【表4】 ─────────────────────────────────── B材料 コート直後 液体接触 被膜の硬さ 表面形態 耐刷性 の 加熱後の (注1) (注2) (注3) 後退接触角 後退接触角 ─────────────────────────────────── ウレタン樹脂 110° 60° ○ 海島構造 1000枚印字 問題なし ─────────────────────────────────── 注2)走査型電子顕微鏡による観察。 注3)市販印刷機を用い、油性インクにて上質紙に印字したときの画質 (地汚れ、画像抜けの有無)から耐刷性の判断。
【0068】実施例6 記録体基板:ポリエチレンテレフタレート(PET) 記録層 :F材料−CH2=CHCOOCH2CH2n
2n+1(ここでnは6〜12の混合物で平均は9)で表
わされるパーフルオロアルキルアクリレートとステアリ
ルアクリレートの共重合体(フッ素含有量40重量%)
を粉砕し、平均粒径3μmの微粒子としたもの B材料−水溶性メラミン樹脂(住友化学製、スミテック
スレジンM−3) B材料の硬化触媒−住友化学製のスミテックスアクセレ
ータAC コート方法−F材料10重量部とB材料10重量部とを
純水中で混合し、基板にディップコート法にてコート。
コート後140℃で30分間加熱 液体接触加熱条件:液体−水、温度−120℃、時間−
1秒間 実施結果:硬い記録層が得られ、さらに接触角変化機能
も維持していた。
【0069】実施例7 記録体基板:ポリエチレンテレフタレート(PET) 記録層 :F材料−パーフルオロアルキルアクリレー
ト共重合体(フッ素含有量40重量%)を粉砕し、平均
粒径3μmの微粒子としたもの B材料−ウレタン樹脂を粉砕し、平均粒径5μmの微粒
子としたもの コート方法−F材料6重量部とB材料14重量部とを純
水500重量部中で混合し、基板にディップコート法に
てコート。コート後140℃で30分間加熱 液体接触加熱条件:液体−水、温度−120℃、時間−
1秒間 実施結果:硬い記録層が得られ、さらに、接触角変化機
能も維持していた。
【0070】実施例8 記録体基板:ポリエチレンテレフタレート(PET) 記録層 :F材料の合成方法−機械的撹拌機、温度
計、窒素注入管をとりつけた1リットルのオートクレー
ブ中に、パーフルオロアルキルアクリレート(CnF2n+1CH
2CH2OCOCH=CH2で表される化合物であり、nの平均値は
9)70重量%、N−メチロールアクリルアミド3重量
%、水140重量%、アセトン60重量%、ポリオキシエレ
ンモノオレイルエーテル(エチレンオキサイド15モル付
加物)(非イオン性界面活性剤/花王社製)8重量%、
2,2'−アゾビス(2−メチルプロパンアミジン)塩酸塩
0.5重量%を加え、窒素ガスにより内部の空気を置換し
た。ついで塩化ビニル27重量%を加圧してオートクレー
ブに加えた。撹拌しつつ、50℃に昇温し、15時間保持し
た。固形分33%、粒子径0.1μmの安定な水性分散液を
得た。モノマー反応率は99%以上であった。 B材料−イソシアネート基がブロック化されたウレタン
樹脂と強制乳化法により平均粒径1μmの微粒子とし水
に分散したもの(第一工業製薬社製、商品名 BN1
1) コート方法−F材料4重量部とB材料16重量部とを純
水中で混合し、基板にディップコート法にてコート。コ
ート後120℃で30分間加熱 液体接触加熱条件:液体−水、温度−120℃、時間−
1秒間 実施結果:上記方法により合成され製造された記録体被
膜は海島構造をしており、また、優れた耐刷性を示し
た。また、表面はまったく白濁しなかった。
【0071】実施例9 記録体基板:ポリエチレンテレフタレート(PET) 記録層 : (合成方法) 水溶性乳化剤:ポリオキシエチレモノオレイルエーテル
(エチレンオキサイド15モル付加物)(非イオン性界
面活性剤/花王社製) F材料の合成方法−実施例8と同じ方法で合成したF材
料 B材料−脂肪族イソシアネートと脂肪族系ポリオールと
を反応させたウレタン樹脂を強制乳化法により平均粒径
1μmの微粒子とし水に分散したもの(第一工成製薬社
製、商品名 スーパーフレックスE−2500) コート方法−F材料6重量部とB材料14重量部とを純
水中で混合し、基板にディップコート法にてコート。コ
ート後120℃で30分間加熱 液体接触加熱条件:液体−水、温度−120℃、時間−
1秒間 実施結果:上記方法及び製造による記録体被膜は海島構
造をしており、液体接触加熱を行っても、表面がまった
く白濁しなかった。
【0072】
【発明の効果】請求項1の発明によれば、従来に比べ
て、記録層の耐刷性が向上するため、装置全体の信頼性
も向上する。請求項2の発明によれば、製造時の後退接
触角変化機能維持条件の許容範囲が広くとれ、歩留まり
が良くなり、F材料が選択的に表面に突出するというこ
とは、コート液中でのF材料の割合を少なくすることが
でき、コストの高いF材料の消費を押さえられ、記録層
全体のコスト低減につながる。請求項3の発明によれ
ば、記録層被膜の耐刷性の性能が上がり、また、弾性が
あるためインク転移性も優れ、基本性能が向上する。請
求項4の発明によれば、繰り返し印字において画像抜け
が生じることがなくなり、信頼性が上がる。請求項5の
発明によれば、海島構造の被膜形成における製造条件が
広く、生産性が向上する。請求項6の発明によれば、請
求項5の発明にくらべ、さらに、製造条件が広がり性が
向上する。請求項7の発明によれば、水性の材料が使用
できるため、環境にやさしい。請求項8の発明によれ
ば、記録体の基本性能を劣化させることがなくなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の方法に有用な装置の概略を表わした
図。
【図2】従来の記録体の記録層が劣化する様子を説明す
るための図。
【図3】本発明における記録層のミクロ構造モデルで、
図3(a)は記録層形成直後のもの、図3(b)は繰り
返し印字後のもの。
【図4】比較の記録層のミクロ構造モデルで、図4
(a)は記録層形成直後のもの、図4(b)は繰り返し
印字後のもの。
【図5】記録層におけるF材料とB材料との混合形態の
三例を表わした図。
【図6】記録層におけるB材料、F材料が海島構造にな
っている状態を表わした図。
【符号の説明】
1 記録体(11 基板、12 記録層) 2 サーマルヘッド 3 液体 4 現像ローラ 5 加圧ローラ 6 クリーニングローラ 7 赤外線ヒータ 8 紙 13 くぼみ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 川久保 俊夫 東京都大田区中馬込1丁目3番6号 株 式会社リコー内 (72)発明者 森川 穣 東京都大田区中馬込1丁目3番6号 株 式会社リコー内 (72)発明者 駒井 博道 東京都大田区中馬込1丁目3番6号 株 式会社リコー内 (72)発明者 伊藤 勝治 神奈川県横浜市神奈川区羽沢町1150番地 旭硝子株式会社中央研究所内 (72)発明者 宮崎 信幸 神奈川県横浜市神奈川区羽沢町1150番地 旭硝子株式会社中央研究所内 (56)参考文献 特開 平3−178478(JP,A) 特開 平5−246133(JP,A) 特開 平4−226385(JP,A) 特開 平6−179284(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B41M 5/00 B41M 5/26

Claims (8)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 加熱状態でかつ液体と接触させたときに
    後退接触角が低下する表面を有する記録層の表面と、液
    体、蒸気及び該記録層における後退接触角の低下開始温
    度以下で液体となるか又は液体若しくは蒸気を生じる固
    体から選ばれる接触材料とを接触させた状態で選択的に
    加熱することにより、又は該記録層の表面を選択的に加
    熱した状態で該接触材料と接触させることにより、該記
    録層表面に加熱温度に応じた後退接触角を示す領域を形
    成させる記録方法に用いる記録体であって、該記録体は
    前記の後退接触角変化の性質を表面に有する記録層と基
    板とから構成され、かつ、該記録層は少なくとも2つ以
    上のポリマーを含有し、そのポリマーの少なくとも一つ
    は該後退接触角変化の性質を有するポリマーからなり、
    かつ、別のポリマーの少なくとも一つは硬い被膜を形成
    したバインダー樹脂からなることを特徴とする記録体。
  2. 【請求項2】 請求項1において、該後退接触角変化の
    性質を有するポリマーは側鎖にフッ素原子を含有するポ
    リマーであることを特徴とする記録体。
  3. 【請求項3】 請求項1において、該バインダー樹脂は
    ウレタン樹脂からなることを特徴とする記録体。
  4. 【請求項4】 請求項1において、該記録層の少なくと
    も表面及び表面近傍の形態が該後退接触角変化の性質を
    有するポリマーと該バインダー樹脂との海島構造である
    ことを特徴とする記録体。
  5. 【請求項5】 請求項1における記録層の形成は、該後
    退接触角変化の性質を有するポリマーを微粒子状態で存
    在させた分散液と該バインダー樹脂溶液との混合物であ
    るコート液を該基板上に塗布して行なうことを特徴とす
    る記録体の製造方法。
  6. 【請求項6】 請求項1における記録層の形成は、該バ
    インダー樹脂及び該後退接触角変化の性質を有するポリ
    マーをともに微粒子状態で分散させたコート液を該基板
    上に塗布して行なうことを特徴とする記録体の製造方
    法。
  7. 【請求項7】 請求項5又は6において、該後退接触角
    変化の性質を有するポリマー及び/又は該バインダー樹
    脂を乳化状態とした後にコート液中で両者を混合するこ
    とを特徴とする記録体の製造方法。
  8. 【請求項8】 請求項5又は6において、該コート液
    は、該バインダー樹脂および該後退接触角変化の性質を
    有するポリマーの合計量に対して5重量%以下の水溶性
    乳化剤を含むことを特徴とする記録体の製造方法。
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