JP3241406B2 - 水系樹脂組成物及びそれを用いた積層体 - Google Patents
水系樹脂組成物及びそれを用いた積層体Info
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Description
びその被覆積層体に関するものであり、さらに詳しくは
基材密着性、酸素遮断性、耐水性、耐熱性、耐光性、硬
度等の性能に優れたコーティング用新規樹脂組成物及び
それを用いた積層体に関するものである。
イルム、金属等の加工に必要な塗料、インキ、接着剤、
表面処理剤等のコーティング剤として種々の樹脂が多量
に用いられているが環境汚染防止、安全性、資源の有効
活用等の観点から1)ハイソリッド・タイプ、2)非水
系ディスパージョンタイプ、3)水系ディスパージョン
タイプ、4)無溶剤タイプ等の技術が注目され、各々が
特徴を活かして成長しているが、3)水系ディスパージ
ョン、4)無溶剤タイプの動向が注目されてきている。
これらの中でも水系ディスパージョンタイプはその取扱
い易さの故に最も汎用性があり、有望視されている。熱
可塑性樹脂に水溶性又は水分散性を付与するために、ス
ルホン酸、カルボン酸の金属塩又はアミン塩基、4級ア
ミノ基等の親水性基を含有させる方法はすでに公知であ
り、例えば特公昭47−40873号公報、特公昭48
−25435号公報、特開昭50−121336号公
報、特開昭51−88598号公報、特開昭55−16
0014号公報、特公昭63−14006号公報、特公
昭63−20248号公報等に開示されている。しかし
ながら、得られた樹脂は耐水性に劣るものが多く、ま
た、基材密着性、酸素遮断性、耐熱性、耐光性、硬度等
の性能を充分に満足するものは得られないのが現状であ
る。また、不飽和二重結合を有する樹脂と、アクリルモ
ノマーを通常の溶液重合法により重合すると、ゲル化、
不溶化が起こり、目的とする共重合樹脂を得ることは困
難である。
性、酸素遮断性、耐水性、耐熱性、耐光性、硬度等の性
能に優れ、かつゲル化、不溶化させることなく製造でき
る水系樹脂組成物及びそれを用いた積層体に関するもの
である。
組成物とは、−SO 3 M 1 基(M 1 はアルカリ金属原子、
テトラアルキルアンモニウム、テトラアルキルホスホニ
ウム)及び少なくとも1分子当たり1個以上の不飽和二
重結合を有するポリエステル樹脂又はポリエステルポリ
ウレタン樹脂(A)と、重合体のパーマコール値が75
cal/cc以上である不飽和二重結合を有する化合物
(B)とを、水溶性有機化合物(D)を0〜70重量%
含有する水(C)中で重合させて得られる水系樹脂組成
物である。
れ、積層体として用いられる。本発明で用いる樹脂成分
(A)としては、−SO 3 M 1 基(M 1 はアルカリ金属原
子、テトラアルキルアンモニウム、テトラアルキルホス
ホニウム)を持つポリエステル樹脂又はポリエステルポ
リウレタン樹脂である。これらにはアクリル系二重結
合、アリル系二重結合、マレイン酸系二重結合、その他
の二重結合が含まれる。好適には、−SO 3 M 1 基(M 1
はアルカリ金属原子、テトラアルキルアンモニウム、テ
トラアルキルホスホニウム)を有し、少なくとも1分子
当り1個以上のアクリル系二重結合を有する樹脂が使用
されうる。具体的にはアクリル系二重結合含有化合物
(a)を持つポリウレタンアクリレート樹脂、ポリエス
テルアクリレート樹脂が挙げられる。本発明で言うアク
リル系二重結合とはアクリル酸、アクリル酸エステル、
アクリル酸アミド、メタクリル酸、メタクリル酸エステ
ル、メタクリル酸アミド等の残基(アクリロイル基又は
メタクリロイル基)をいう。
ては(メタ)アクリル酸などのカルボキシル基含有アク
リル系化合物(a−1)、エチレングリコール、ジエチ
レングリコール、ヘキサメチレングリコール等のグリコ
ールのモノ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロ
パン、グリセリン、トリメチロールエタン等のトリオー
ル化合物のモノ(メタ)アクリレートおよびジ(メタ)
アクリレート、ペンタエリスリトール、ジペンタエリス
リトール等の4価以上のポリオールのモノ(メタ)アク
リレート、ジ(メタ)アクリレート、トリ(メタ)アク
リレート、グリセリンモノアリルエーテル、グリセリン
ジアリルエーテル等のヒドロキシル基含有アクリル系化
合物(a−2)、グリシジル(メタ)アクリレートなど
のグリシジル基含有アクリル系化合物(a−3)、(メ
タ)アクリルアミド、モノメチロール(メタ)アクリル
アミド等のアミノ基含有アクリル系化合物(a−4)、
シアノエチル(メタ)アクリレートなどのイソシアネー
ト基含有アクリル系化合物(a−5)などがある。ポリ
ウレタンアクリレート樹脂とは一般に、ヒドロキシル基
含有樹脂およびヒドロキシル基含有アクリル系化合物
(a−2)とポリイソシアネート含有化合物との反応に
より得られるものである。または、ヒドロキシル基含有
樹脂とイソシアネート基含有アクリル系化合物(a−
5)との反応により得られるものである。ヒドロキシル
基含有樹脂としてはポリエチレングリコール、ポリブチ
レングリコール、ポリプロピレングリコールなどのポリ
アルキレングリコール、ビスフェノールAのアルキレン
オキサイド付加物、各種のグリコールおよびヒドロキシ
ル基を分子鎖末端に有するポリエステルポリオール
(b)などがあげられる。これらの中でも本発明はポリ
エステルポリオール(b)を1成分として得られるポリ
ウレタンアクリレート樹脂である。
酸成分としては、テレフタル酸、イソフタル酸、オルソ
フタル酸、1,5−ナフタル酸などの芳香族ジカルボン
酸、p−オキシ安息香酸、p−(ヒドロキシエトキシ)
安息香酸などの芳香族オキシカルボン酸、コハク酸、ア
ジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ドデカンジカル
ボン酸などの脂肪族ジカルボン酸、フマール酸、マレイ
ン酸、イタコン酸、テトラヒドロフタル酸、ヘキサヒド
ロフタル酸等の不飽和脂肪族および脂環族ジカルボン
酸、トリメリット酸トリメシン酸、ピロメリット酸など
のトリおよびテトラカルボン酸などを挙げることができ
る。
コール成分としてはエチレングリコール、プロピレング
リコール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタン
ジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサ
ンジオール、ネオペンチルグリコール、ジエチレングリ
コール、ジプロピレングリコール、2,2,4−トリメ
チルー1,3−ペンタンジオール、1,4−シクロヘキ
サンジメタノール、ビスフェノールAのエチレンオキサ
イド付加物およびプロピレンオキサイド付加物、水素化
ビスフェノールAのエチレンオキサイドおよびプロピレ
ンオキサイド付加物、ポリエチレングリコール、ポリプ
ロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコールな
どがある。またトリメチロールエタン、トリメチロール
プロパン、グリセリン、ペンタエリスリトールなどのト
リおよびテトラオールを併用してもよい。ポリエステル
ポリオールとしては他にε−カプロラクトン等のラクト
ン類を開環重合して得られるラクトン系ポリエステルジ
オール類があげられる。
(c)としては2,4−トリレンジイソシアネート、
2,6−トリレンジイソシアネート、p−フェニレンジ
イソシアネート、ビフェニルメタンジイソシアネート、
m−フェニレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイ
ソシアネート、テトラメチレンジイソシアネート、3,
3′−ジメトキシー4,4′−ビフェニレンジイソシア
ネート、2,4−ナフタレンジイソシアネート、3,
3′−ジメチルー4,4′−ビフェニレンジイソシアネ
ート、4,4′−ジフェニレンジ、4,4′−ジイソシ
アネートージフェニルエーテル、1,5′−ナフタレン
ジイソシアネート、p−キシリレンジイソシアネート、
m−キシリレンジイソシアネート、1,3−ジイソシア
ネートメチルシクロヘキサン、1,4−ジイソシアネー
トメチルシクロヘキサン、4,4′−ジイソシアネート
ジシクロヘキサン、4,4′−ジイソシアネートシクロ
ヘキシルメタン、イソホロンジイソシアネート等のジイ
ソシアネート化合物、あるいは全イソシアネート基のう
ち7モル%以下の2,4−トリレンジイソシアネートの
三量体、ヘキサメチレンジイソシアネートの三量体等の
トリイソシアネート化合物があげられる。
ロキシル基を含有するポリエステルポリオール(b)と
または該ポリエステルポリオール(b)の製造時に前記
のアクリル系化合物(a−1)〜(a−4)とを反応さ
せて得られるものである。
カリ金属原子、テトラアルキルアンモニウム、テトラア
ルキルホスホニウム)を含有する必要がある。
属原子、テトラアルキルアンモニウム、テトラアルキル
ホスホニウム)を導入するために使用する化合物として
は下記の通りである。
テトラブチルホスホニウム、スルホイソフタル酸、ナト
リウムスルホコハク酸、ナトリウムスルホハイドロキノ
ンおよびアルキレンオキサイド付加物、ナトリウムスル
ホビスフェノールAおよびアルキレンオキサイド付加物
等。
属原子、テトラアルキルアンモニウム、テトラアルキル
ホスホニウム)含有化合物は種々の過程を経て反応させ
ることができる。例えば、ポリエステルポリオール
(b)の原料樹脂を製造する際に、その1成分として用
いられることができる、特に、ポリエステルポリオール
(b)を製造する際、−SO 3 M 1 基(M 1 はアルカリ金
属原子、テトラアルキルアンモニウム、テトラアルキル
ホスホニウム)含有化合物をポリエステルポリオール
(b)の重合完結前の任意の段階で添加し、反応させる
ことが出来る。
属原子、テトラアルキルアンモニウム、テトラアルキル
ホスホニウム)含有化合物のうちジオールをポリエステ
ルポリウレタンアクリレート樹脂の鎖延長剤として、ジ
カルボン酸をポリエステルアクリレート樹脂の鎖延長剤
として使用しても良い。
属原子、テトラアルキルアンモニウム、テトラアルキル
ホスホニウム)及び少なくとも1分子当り1個以上の不
飽和二重結合を有する樹脂は公知の方法により、アクリ
ル系二重結合含有化合物(a)と−SO 3 M 1 基(M 1 は
アルカリ金属原子、テトラアルキルアンモニウム、テト
ラアルキルホスホニウム)含有化合物および/または−
SO 3 M 1 基(M 1 はアルカリ金属原子、テトラアルキル
アンモニウム、テトラアルキルホスホニウム)含有化合
物と反応させた原料樹脂などを含む原料とを溶剤中、ま
たは無溶剤中で反応させることなどにより得られる。
リ金属原子、テトラアルキルアンモニウム、テトラアル
キルホスホニウム)濃度としては樹脂(A)106g当
り5〜4,000eqの範囲であり、望ましくは10〜
3,000eqがよい。さらに望ましくは20〜1,0
00eqである。−SO 3 M 1 基(M 1 はアルカリ金属原
子、テトラアルキルアンモニウム、テトラアルキルホス
ホニウム)濃度が5eq/106g未満であると、水性
媒体への溶解(分散)が不良となる上に、塗膜の耐有機
溶剤性が低下してしまう。また、−SO 3 M 1 基(M 1 は
アルカリ金属原子、テトラアルキルアンモニウム、テト
ラアルキルホスホニウム)濃度が3,000eqを越え
ると親水性が高くなりすぎ、塗膜の耐水性が悪化してし
まう。
を有する化合物(B)は、その重合体において、酸素透
過性の尺度である式1で示すパーマコール値π(Y.S
alame,Future−Pack ’85 Pro
ceedings,P119(’85)参照)が75c
al/cc以上である必要がある。
ーホリウム)パーマコール値が大きくなると、樹脂の酸
素遮断性が増大し、光等による酸化劣化を防止できる。
また、樹脂の結晶性も増大し、耐熱性、硬度等の性能を
向上させることができる。
ール値は、好ましくは80cal/cc以上である。7
5cal/cc未満では、不飽和二重結合を有する化合
物の重合体の酸素透過性が著しく大きくなり、酸素遮断
性の付与効果が低下する上に、それに伴う耐熱性、耐光
性、硬度等の性能が充分でない。該特性を満足する不飽
和二重結合を有する化合物として、アクリロニトリル、
塩化ビニリデン、フッ化ビニリデン等が挙げられる。
合物は、その重合体が該特性を満足する限りにおいて、
他の不飽和二重結合を有する化合物と共重合してもよ
い。他の不飽和二重結合を有する化合物として、アクリ
ル酸エステル類、アクリルアミド類、メタクリル酸エス
テル類、メタクリルアミド類、アクリル酸、メタクリル
酸、酢酸ビニル、塩化ビニル、アリル化合物、ビニルエ
ーテル類、ビニルエステル類、ビニル異節環化合物、N
−ビニル化合物、スチレン類、クロトン酸類、イタコン
酸類、マレイン酸類、オレフィン類などが例として挙げ
られる。
前に、−SO 3 M 1 基(M 1 はアルカリ金属原子、テトラ
アルキルアンモニウム、テトラアルキルホスホニウム)
を有し、少なくとも1分子当り1個以上の不飽和二重結
合を有する樹脂(A)、重合性不飽和二重結合を有する
芳香族系化合物(B)を、水性媒体中へ溶解、分散、乳
化させることが必要である。例えば、無溶剤中で反応さ
せて得られた前記樹脂(A)の場合、該樹脂と重合性不
飽和二重結合を有する芳香族系化合物(B)及び必要な
らば水溶性有機化合物(D)とを50〜150℃であら
かじめ混合し、この混合物に水(C)を加え攪拌して分
散する方法、あるいは逆に、混合物を水(C)に加え攪
拌して分散する方法、あるいは、樹脂(A)と重合性不
飽和二重結合を有する芳香族系化合物(B)、水(C)
及び必要ならば水溶性有機化合物(D)とを共存させて
40〜120℃で攪拌する方法がある。
(A)の場合は、例えば、樹脂(A)溶液に、不飽和二
重結合を有する化合物(B)と水(C)及び必要ならば
水溶性有機化合物とを加え、系を減圧にして溶剤を系外
に抜き去る方法がある。なお、いずれの方法でも、あら
かじめ樹脂(A)の水系分散体を得た後、不飽和二重結
合を有する化合物(B)を加え攪拌してもよい。また、
必要により、アルカリ又は酸の中和剤、界面活性剤等を
使用してもよい。
1lの水に対する溶解度が20g以上の有機化合物であ
り、具体的に脂肪族及び脂環族のアルコール、エーテ
ル、エステル、ケトン化合物であり、例えばメタノー
ル、エタノール、イソプロパノール、n−ブタノール等
の1価アルコール類、エチレングリコール、プロピレン
グリコール等のグリコール類、メチルセロソルブ、エチ
ルセロソルブ、n−ブチルセロソルブ等のグリコール誘
導体、ジオキサン、テトラヒドロフラン等のエーテル
類、酢酸エチル等のエステル類、メチルエチルケトン等
のケトン類である。これら水溶性有機化合物は、単独ま
たは2種以上を併用することができる。上記化合物のう
ち、水への分散性、フイルムへの塗布性からみて、エタ
ノール、イソプロパノール、メチルセロソルブ、ブチル
セロソルブ、エチルセロソルブが好適である。
る化合物(B)を含有する水系分散体に重合開始剤
(E)を加え10〜100℃で加熱攪拌することによ
り、樹脂(A)と不飽和二重結合を有する化合物(B)
が重合した水系樹脂組成物が得られる。
開始剤を用いることができる。例えば、アゾビスイソブ
チロニトリル、アゾビスイソブチルバレロニトリル等の
アゾ化合物、過酸化ベンゾイル、イソブチリルバーオキ
サイド、オクタノイルバーオキサイド、クミルパーオキ
シオクテート、t−ブチルパーオキシー2−エチルヘキ
サノエート、t−ブチルパーオキシアセテート、ラウリ
ルパーオキサイド、ジーt−ブチルパーオキサイド、ジ
ー2−エチルヘキシルパーオキシジカーボネート等の有
機過酸化物、過硫酸カリ、過硫酸アンモン、過酸化水素
等の無機過酸化物が挙げられる。
系の重合開始剤を用いてもよい。具体的に例示すると、
水性レドックス系開始剤としては、クメンヒドロぺルオ
キシド、ジアルキルペルオキシドとアミン、ポリアミ
ン、2価鉄塩の組み合わせ、過酸化水素とアンモニア、
エチルアミン、2価鉄塩、有機金属化合物の組み合わ
せ、過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウムと亜硫酸ナト
リウム、亜硫酸水素ナトリウム、トリエタノールアミ
ン、2価鉄塩の組み合わせ、過塩素酸ナトリウムと亜硫
酸ナトリウムの組み合わせ、及び硫酸セリウムとアルコ
ール、アミン、デンプンの組み合わせ等が用いられる。
また、油溶性レドックス系開始剤としては、ヒドロペル
オキシド、ジアルキルペルオキシド、過酸化ベンゾイ
ル、過酸化ラウロイル、メチルエチルクトンペルオキシ
ドとジメチルアニリン、ナフテン酸コバルト、スルフィ
ン酸、メルカプタンの組み合わせ等がある。エマルジョ
ンの安定化、ゲル化の防止のためには、レドックス系、
非レドックス系、共に油溶性の重合開始剤であることが
好ましい。
使用されるが任意の方式を用いて、架橋反応を行っても
よい。例えば、メラミン樹脂、ポリイソシアネート化合
物及びその誘導体、エポキシ化合物、過酸化物、レドッ
クス系ラジカル開始剤等を併用することによる熱架橋
糸、紫外線、電子線、γ線、レーザー光線等による放射
線架橋系、空気中の水分や酸素による架橋系、酵素等に
よるバイオ架橋系等があげることが出来る。
要により、水系樹脂溶液及び/または水系樹脂エマルジ
ョン、ディスパージョンを混合することができる。具体
的に例示すると、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポ
リオレフィン樹脂、ポリエステ脂、ポリエーテル系樹
脂、ナイロン−6等のポリアシド系樹脂、ポリスチレ
ン、ポリ(メタ)アクリル酸エステル、ポリアクリロニ
トリル、ポリ酢酸ビニル、ポリビニルアルコール等のビ
ニル系樹脂、セルロース系樹脂、その他の多くの樹脂の
単体、共重合体の溶液、エマルジョン、ディスパージョ
ンが挙げられる。
より、顔料や各種添加剤なども配合することができる。
これらの添加時については、本発明の重合反応を阻害し
ない限りにおいて、重合前の添加でも、重合後の添加で
もよい。この様にして重合された本発明の水系樹脂組成
物は、繊維製品、紙、プラスチックフイルム、金属等の
基材に塗工して、被覆積層体として用いられるフイルム
基材の場合には、製造工程中で塗工するインラインコー
ト法にも使用することができる。塗工方法としては、グ
ラビアやリバースなどのロールコーティング法、ドクタ
ーナイフ法、エアーナイフ法、ノズルコーティング法な
どの通常の方法を使うことができる。
る水系樹脂組成物の被覆積層体の被覆層の厚みは、基材
および目的とするレベルによって異なるが、通常は乾燥
厚みで0.1μm以上、好ましくは0.5μm以上であ
ることが目的の性能が得られる点で好ましい。上限は特
に無いが100μm以上である場合には、取り扱い性、
経済性の点で不利になる。塗工時の乾燥、熱処理の条件
については、基材の種類、被覆層の厚み、装置の条件に
よるものが、通常60〜200℃である。なお、本被覆
を行う前に、基材にコロナ処理等の表面処理をしてもよ
い。
する。実施例中、単に部とあるのは重量部を示す。 (ポリエステルジオールの製造例)温度計、撹拌機を具
備したオートクレーブ中に、ジメチルテレフタレート4
85部、ジメチルイソフタレート485部、エチレング
リコール409部、ネオペンチルグリコール485部、
5−ナトリウムスルホイソフタル酸33.9部およびテ
トラブトキシチタネート0.68部を仕込み、150〜
230℃で120分加熱しエステル交換を行ない、次い
でアジピン酸261部を仕込み、220〜230℃で更
に1時間反応を行なった。次いで反応系を30分間で2
50℃まで昇温し、系の圧力を徐々に減じ45分後に1
0mmHgとし、この条件で更に60分間反応を続け
た。得られたポリエステルジオールAの分子量は2,5
00であった。同様の製造方法により得られたポリエス
テルジオールB、Cを表1に示した。樹脂組成はNMR
より分析した。
例)温度計、撹拌機、還流式冷却器を具備した反応容器
中にメチルエチルケトン86部、前記ポリエステルジオ
ールA100部を仕込み、4,4′−ジフェニルメタン
ジイソシアネート20部及びジブチル錫ジラウレート
0.05部を仕込み70〜80℃で2時間反応させた
後、更に2−ヒドロキシエチルアクリレート9.3部を
加え70〜80℃で2時間反応させ、固形分濃度60重
量%のポリウレタンアクリレート樹脂溶液を得た。ポリ
ウレタンアクリレート樹脂Aの分子量は3,500であ
った。同様の方法により、ポリエステルジオールB〜D
より、ポリウレタンアクリレート樹脂B〜Gを得た。得
られたポリウレタンアクリレート樹脂を表2に示す。
例)温度計、撹拌機、冷却器付水分離器を具備した反応
容器中に、トルエン100部、前記ポリエステルジオー
ルA100部、アクリル酸5.8部、P−トルエンスル
ホン酸0.5部フエノチアジン0.002部を加えトル
エン還流下で反応を行なった。反応により生成するトル
エン−水共沸混合物から、水を水分離器で取り除き、水
が理論値(1.45部)留出したところで、反応を終了
させ、ポリエステルアクリレート樹脂Hを得た。同様の
方法により、前記ポリエステルジオールBからポリエス
テルアクリレート樹脂Iを得た。得られたポリエステル
アクリレート樹脂を表2に示す。
タンアクリレート樹脂Aのメチルエチケトン溶液100
部、ブチルセロソルブ96部、水384部を温度計、撹
拌機、蒸留冷却器を具備した反応溶液中に仕込み、内温
60〜70℃に昇温し、減圧下メタルエチルケトンを留
去した。 得られた水系分散体に、アクリロニトリル6
0部を加え、0.5時間撹拌した。容器内部の空気を窒
素で置換後、α、α′−アゾビスイソブチロニトリル
0.6部を加え、60℃に加熱し、重合を開始した。5
時間反応させることにより、重合を完了し、ポリウレタ
ンアクリレート樹脂とアクリロニトリルの共重合体から
なる水系樹脂組成物Aを得た。同様の方法により、ポリ
ウレタンアクリレート樹脂B〜F、I、J、及びポリエ
ステルアクリレート樹脂G、Hから、水系樹脂組成物B
〜Kを得た。なお、ポリウレタンアクリレート樹脂D及
びEを用いる場合は、それぞれ当量のトリーnーブチル
アミン及び酢酸を加え、塩に変換した後、水系分散体を
得た。また、ポリウレタンアクリレート樹脂Fからは、
樹脂が沈殿してしまい、均一な水系樹脂組成物は得られ
なかった。得られた水系樹脂組成物を表3に示す。
μmのポリエチレンテレフタレートフィルム上に、水系
樹脂組成物A,D,G,Iをロールコーティング法によ
り、塗布・乾燥の後、150℃、2分間の熱処理を行
い、水系樹脂組成物が被覆されたポリエチレンテレフタ
レートフィルムを得た。得られた被覆フィルムの基材密
着性、酸素透過性、を下記に示す方法で評価した。な
お、水系樹脂組成物A,G,Iが実施例、Dは参考例で
ある。 (基材密着性)ASTM−D−3359に準拠した。 (酸素透過性)ASTM−D−1459−75に準拠し
た。
被覆した、ポリエチレンテレフタレートフイルムの被覆
面に、40μmの末廷伸ポリプロピレンフイルムをドラ
イラミネート法により積層し、三層構造のフイルム積層
体を得た、得られたフイルム積層体を末廷伸ポリプロピ
レン側を内側として二つ折りにして重ね、開いている辺
の2辺を幅1.5cmにわたってヒートシールを行い、
袋を作成した。この袋のなかに、レザズリンテスト試薬
を含む寒天液を封入後、真空下で他の1辺をヒートシー
ルした。これらのサンプルを、40℃、80%RHの条
件下で、1週間空気中に放置し、内容物の着色度を判定
した。各評価結果を表4に示す。
た以外は、実施例1と同様にして評価を行った。評価結
果を表4に示す。
E、H、Jに水系シリコーン離型剤を樹脂分に対して8
重量%配合したものを、厚さ150μmのポリプロピレ
ン系合成紙(王子油化製、ユポPPG−150)にワイ
ヤーバーを用いて、4μmの乾燥塗膜が得られるように
塗布した。その後、120℃、2分間の乾燥を行うこと
で、塗布層が染料受容層になる昇華型感熱記録用受像紙
を得た。得られた受像紙について、印字画像濃度、光退
色製、高温時の暗退色性、ドット安定性を欠きに示す方
法で評価した。なお、水系樹脂組成物Jが実施例で、
B、E、Hは参考例である。
写シートと受像紙を、染料供給層と染料受容層が接触す
るように重ね合わせた。熱転写シートの基材側より、サ
ーマルヘッドで加熱し、受像紙にシアン色染料を転写さ
せ(ヘッド出力0.7W/ドット、ヘッド加熱時間8m
s、ドット密度3ドット/mm)、転写された受像紙を
反射濃度計(大日本スクリーン社製DMー600)で測
定することで、印字画像濃度を評価した。 (光退色性)シアン色染料を転写させた受像紙に、40
℃で総照射エネルギーが67.0kg/m2 となるよう
にキセノンランプで光照射した。照射前と照射後の染料
濃度から染料濃度保持率を算出した。 染料濃度保持率(%)=(照射後の濃度)/(照射前の
濃度)×100
させた受像紙を暗所60℃で168時間放置し、エージ
ングを行った。試験前と試験後の染料濃度保持率を算出
した。 染料濃度保持率(%)=(照射後の濃度)/(照射前の
濃度)×100 (高温時のドット安定性)シアン色染料を転写させた受
像紙を、暗所60℃で1週間放置し、エージングを行っ
た。エージング後、40倍の拡大鏡を用いて、印字ドッ
トの観察を行い、明らかに印字ドットの間隔に染料が拡
散し、にじんだ状態にあるものを×、印字直後と変化な
く印字ドットが確認できるものを○とした。各評価結果
を表5に示す。
た以外は、実施例2と同様にして評価を行った。評価結
果を表5に示す。
その固形分に対し、メラミン樹脂(スミマールMー50
W)20部及び酸化チタン50部を加え、酸化チタンを
分散させた後、亜鉛メッキ鋼板上に、塗布厚み10μm
で塗布した。その後、100℃20分間乾燥し、280
℃で1分焼付を行った。焼付を行った鋼板について、基
材密着性硬度及び加工性を下記の方法で評価した。 (基材密着性)ASTUーDー3359に準拠し、測定
した。 (表面硬度)三菱鉛筆ユニを用いて試験し、キズがつく
最低の硬さの1ランク下の硬さで表した。 (加工性)塗料被膜屈曲試験機(太佑機材(株)製)を
用いて、プレコートメタルを180°折り曲げた。この
時、塗面に亀裂または剥離が生じない最小の心棒の直径
で表示した。 (鮮映性)鮮映度光沢度計(日本色彩研究所製、PGD
IV型)を用いて、テストパターンの影像の見え方でG
d値を判定した。くり返し5回の測定の平均値を測定値
とした。値が大きいほど鮮映性に優れる。各評価結果を
表6に示す。
た以外は、実施例3と同様にして評価を行った。評価結
果を表6に示す。
フタレートを280〜300℃で溶融押出し、15℃の
冷却ロールで冷却して厚さ130μmの未延伸フイルム
を得、この未延伸フイルムを周速の異なる85℃の一対
のロール間で縦方向に3.5倍延伸し、この一軸延伸フ
イルムにコロナ放電処理を施し、コロナ放電処理面へ水
糸樹脂組成物C、F、K、をエアーナイフ方式で塗布
し、70℃の熱風で乾燥し、次いでテンターで98℃で
横方向に3.5倍延伸し、さらに200〜210℃で熱
固定し、厚さ12μmの二軸延伸コーティングポリエス
テルフイルムを得た。得られたフイルムの密着性、耐水
密着性、表面硬度を実施例3と同様に評価した。各評価
結果を表7に示す。
た以外は、実施例4と同様にして評価を行った。評価結
果を表7に示す。
フイルム、合成紙、銅板等の基材のコーティング剤とし
て用いた場合、基材密着性、酸素遮断性、耐水性、耐光
性、耐熱性、硬度等の性能に優れた皮膜を基材上に形成
させることができる。
Claims (2)
- 【請求項1】 −SO 3 M 1 基(M 1 はアルカリ金属原
子、テトラアルキルアンモニウム、テトラアルキルホス
ホニウム)及び少なくとも1分子当たり1個以上の不飽
和二重結合を有するポリエステル樹脂又はポリエステル
ポリウレタン樹脂(A)と、重合体のパーマコール値が
75cal/cc以上である不飽和二重結合を有する化
合物(B)とを、水溶性有機化合物(D)を0〜70重
量%含有する水(C)中で重合させて得られる水系樹脂
組成物。 - 【請求項2】 請求項1に記載の水系樹脂組成物を基材
に塗工して得られる積層体。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP29214491A JP3241406B2 (ja) | 1991-10-11 | 1991-10-11 | 水系樹脂組成物及びそれを用いた積層体 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP29214491A JP3241406B2 (ja) | 1991-10-11 | 1991-10-11 | 水系樹脂組成物及びそれを用いた積層体 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0597942A JPH0597942A (ja) | 1993-04-20 |
JP3241406B2 true JP3241406B2 (ja) | 2001-12-25 |
Family
ID=17778115
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP29214491A Expired - Lifetime JP3241406B2 (ja) | 1991-10-11 | 1991-10-11 | 水系樹脂組成物及びそれを用いた積層体 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3241406B2 (ja) |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN109988413A (zh) * | 2017-12-29 | 2019-07-09 | 深圳光启尖端技术有限责任公司 | 一种气体阻隔材料及其制备方法 |
-
1991
- 1991-10-11 JP JP29214491A patent/JP3241406B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH0597942A (ja) | 1993-04-20 |
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