JPH08230345A - 直描型平版印刷用版材 - Google Patents

直描型平版印刷用版材

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JPH08230345A
JPH08230345A JP7171144A JP17114495A JPH08230345A JP H08230345 A JPH08230345 A JP H08230345A JP 7171144 A JP7171144 A JP 7171144A JP 17114495 A JP17114495 A JP 17114495A JP H08230345 A JPH08230345 A JP H08230345A
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Michichika Miyabe
理慎 宮部
Toshihiro Koike
敏浩 小池
Junichi Noda
純一 能田
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Abstract

(57)【要約】 【課題】画像部の濃度が高く、非画像部に地汚れがない
直描型平板印刷用版材を得る。 【解決手段】プラスチックフィルム2上に酸化亜鉛4
と、平均粒子径が7〜10μmの大径顔料5b及び平均
粒子径が3〜5μmの小径顔料5aの体質顔料5及び高
分子バインダー6を含有した画像受容層3を設ける。 【効果】耐刷性に優れ、得られる印刷画像の画像濃度が
高く、地汚れのない印刷マスターを、工程数を増加する
ことなく形成することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は直描型平版印刷用版
材に関し、特に、画像形成時におけるトナーの画像濃度
を低下させることなく、非画像部へのトナー飛散、いわ
ゆる地汚れを低下させた直描型平版印刷用版材に係わ
る。
【0002】
【従来の技術】近年の事務機器の発達及びOA化の進展
に伴い、軽印刷分野においては、電子写真方式やレーザ
ビームプリンタ等で簡単に製版できる直描型平版印刷用
版材を利用する印刷方式が急速に普及してきている。特
にレーザビームプリンタ等の静電転写方式のプリンタを
用いて、コンピュータのデータ等を直接版材に出力する
方式は、電子写真方式と比較して版下作成を必要としな
いため、製版スピード及び製版コストの点で優れてお
り、近年そのニーズが増加してきている。
【0003】このような静電転写方式のプリンタで版材
表面に画像を転写・定着するために通常乾式トナーが用
いられており、印刷に際してトナーの乗った部分は親油
性の印刷インキを受け付けて画像部となる。このような
画像部を有する版材はその非画像部が印刷インキをはじ
くようエッチ液で不感脂化処理を施し、印刷マスターと
して平版印刷に使用される。
【0004】このような版材である直描型平版印刷用版
材としては、耐水性支持体上に酸化亜鉛を含有する画像
受容層を形成したもの等種々のものが開示されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
直描型平版印刷用版材は、製版時のトナー画像形成時
に、トナーの非画像部への飛散、所謂地汚れが起こって
いた。このような地汚れはレーザビームプリンタ等のプ
リント画像としては意識されるほどでなくても、この版
材を使用して印刷するときは、非画像部の極僅かなトナ
ー粒子がインキを呼び、紙に明確に印刷されてしまい、
最終印刷物においては商品価値を低下させるほどの汚れ
になってしまう。
【0006】このような地汚れを解消するものとして、
画像受容層のバインダーにカルボキシメチルセルロース
等の親水性の強い樹脂を用いたものが知られているが、
このようなバインダーを用いた画像受容層は表面硬度が
劣ってしまうため耐刷性が低下してしまう。また、耐刷
性を向上させるために親水性バインダーとともに多価金
属塩を硬化剤として併用した版材も提案されているが、
画像受容層の表面電気抵抗値が低くなるため、静電転写
方式のプリント時においてトナーの転写効率が低下する
という欠点があった。
【0007】一方、地汚れを解消するものとして、版材
上にトナー画像形成後、エッチ液で不感脂化処理をした
後、更に特殊な乳濁物にて版材の非画像部を処理するこ
とにより地汚れを除去する方法(特開平4−32084
4号公報)が開示されているが、エッチ処理後に更に特
定の処理を必要とするため、作業性の低下、コスト高と
なってしまい好ましくなかった。
【0008】また、レーザビームプリンタの出力による
画像はトナー画像の廻りに滲みが発生することが多く、
これを基に得られる印刷用版材はトナー画像が鮮明にな
らないという欠点があった。本発明は上記従来の欠点を
改善するためになされたもので、エッチ処理後に別の処
理を施すことなく、画像部におけるトナーの転写効率を
良好に保持しつつ、非画像部における地汚れを著しく軽
減し、且つ印刷画像を鮮明なものとできる直描型平版印
刷用版材を提供することを目的する。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に鋭意研究した結果、画像受容層に異なる粒径を有する
2種類の顔料を含有させ画像受容層の表面形状を制御す
ることにより、上記課題を解決しうることを見出し、本
発明を完成するに至った。即ち、本発明に係る直描型平
版印刷用版材は、プラスチックフィルムの片面に表面に
凹凸を付与するために異なる範囲の平均粒径を有する2
種類の体質顔料を含む画像受容層を設けたものである。
また、本発明の直描型平版印刷用版材は、画像受容層が
少なくとも高分子バインダー、非画像部を親水化するた
めの顔料及び異なる範囲の平均粒径を有する2種類の体
質顔料を含むものであり、非画像部を親水化するための
顔料が酸化亜鉛であるものである。好ましくは体質顔料
の一方の粒径が3〜5μmの範囲であり、且つ他方の粒
径が7〜10μmの範囲である。また好ましくは体質顔
料がシリカである。
【0010】更に、本発明の直描型平版印刷用版材は、
プラスチックフィルムと画像受容層との間に導電層が設
けられたものである。
【0011】
【発明の実施の形態】以下、本発明に係る直描型平版印
刷用版材について詳細に説明する。本発明の直描型平版
印刷用版材1は、図1に示すように、プラスチックフィ
ルム2上に画像受容層3を設けたものである。プラスチ
ックフィルム2は耐刷性を付与するため、強度を有し支
持体として機能するものである。材質としては、ポリエ
ーテルサルフォン、ポリエステル、ポリ(メタ)アクリ
レート、ポリカーボネート、ポリアミド及びポリ塩化ビ
ニル等のホモポリマー又はこれらの樹脂のモノマーと共
重合可能なモノマーとのコポリマー等からなるフィルム
が挙げられ、適宜選択して使用することができる。厚さ
は、50〜188μmの範囲が好ましく、耐熱性及び画
像濃度の点から75〜125μmの範囲のものが特に好
ましい。
【0012】プラスチックフィルムは発泡フィルムが好
適に適用される。発泡フィルムは無数のボイドを有する
ため、折曲性に優れたものとすることができる。更に、
プラスチックフィルムにはカール防止のために、後述す
るように、裏面にカール防止層あるいはカール促進層を
設けたものであってもよい。このようなプラスチックフ
ィルム2上に設けられる画像受容層3は、親油性のプリ
ンターのトナーを定着させ、更に、トナーの乗っていな
い部分が親油性の印刷インキをはじくようにエッチ液で
不感脂化処理(エッチ処理)されるものである。
【0013】このような画像受容層は少なくとも非画像
部を親水化するための顔料4と表面に凹凸を付与するた
めの顔料5とを高分子バインダー6に分散させたもので
構成される。表面に凹凸を付与するための顔料5は、異
なる範囲の粒径を有する2種類の体質顔料5からなる。
粒径の小さい体質顔料(以下、小径顔料と称す)5a及
び粒径の大きい体質顔料(以下、大径顔料と称す)5b
を有する2種類の体質顔料を特定量含有させることによ
り、画像受容層の表面形状を特定形状に制御することが
できるものである。画像受容層の表面形状が特定形状に
制御されることにより、非画像部の地汚れ、トナー転写
効率及び耐刷性が改善され得る。
【0014】画像受容層に含有される体質顔料の小径顔
料の粒径は3〜5μmの範囲、大径顔料の粒径は7〜1
0μmの範囲である。尚、小径顔料及び大径顔料はそれ
ぞれこの範囲に粒径のピークを有するものを適宜使用す
るものである。小径顔料と、大径顔料の重量比率は3:
7〜7:3の範囲である。小径顔料の割合を3割以上と
するのは出力時のトナー転写効率を向上させ画像濃度の
低下を防止するためである。また小径顔料の割合を7割
以下とするのは、所謂地汚れの発生を防止するためであ
る。また、小径顔料の平均粒径を3〜5μmの範囲に限
定したのは、3μm以上とすることにより地汚れの発生
を防止することができ、5μm以下とすることにより出
力時のトナー転写効率を向上させ画像濃度低下を防止す
ることができるからである。更に、大径顔料の平均粒径
を7〜10μmの範囲に限定したのは、7μm以上とす
ることにより地汚れの発生を防止することができ、10
μm以下にすることにより画像が荒れてしまうのを防
ぎ、それにより印刷物における散点状の印刷汚れの発生
を防止することができるからである。
【0015】このような体質顔料としては、シリカ、ク
レー、硫酸バリウム、アルミナ等を単独又は2種以上併
用することができ、後述する非画像部を親水化するため
の顔料4と同じでもよく、小径顔料、大径顔料共に同一
種のものを用いるのが好ましい。特にシリカは画像受容
層の不感脂化を阻害せず補助する役割を有するので好ま
しい。
【0016】非画像部を親水化するための顔料4は、画
像受容層を不感脂化するために添加される。この顔料4
は、エッチ液により親水化されうる顔料4で、具体的に
は酸化亜鉛、酸化チタン、クレー、珪酸アルミナ等が挙
げられるが、エッチ液としてリン酸を主体とする汎用タ
イプのものを用いる場合には、特に酸化亜鉛が好まし
い。
【0017】非画像部を親水化するための顔料4の重量
比は表面に凹凸を付与するための顔料1重量部に対して
10〜30重量部の範囲で混合されるのが好ましく、更
に好ましくは15〜25重量部の範囲である。非画像部
を親水化するための顔料の重量比を10重量部以上とす
ることにより地汚れの発生を防止することができ、印刷
性能を維持できる。また、30重量部以下とすることに
より画像が荒れてしまうのを防止することができる。
【0018】このような非画像部を親水化するための顔
料及び表面に凹凸を付与するための顔料のバインダーと
して画像受容層を形成する高分子バインダー6は、非画
像部を親水化するための顔料及び表面に凹凸を付与する
ための顔料を結着させると共に、非画像部を親水化する
ための顔料の不感脂化を阻害せずに補助する役割を有
し、乾燥後の塗膜として柔軟性があるものが使用でき
る。このような特性を有する高分子バインダーとしてポ
リビニルアルコール、カルボキシメチルセルロース、ヒ
ドロキシエチルセルロース、カゼイン、ゼラチン、水溶
性ポリウレタン等の水溶性樹脂、酢酸ビニル、塩化ビニ
ル、アクリル酸エステル、スチレン、ブタジエン、エチ
レン等の重合体又は共重合体等のエマルジョン樹脂等が
挙げられ、これらの樹脂を単独又は2種以上併用するこ
とができる。水溶性樹脂を単独で使用する場合には、耐
刷性を向上させるため、耐水化剤を適量併用することが
好ましい。
【0019】画像受容層中の高分子バインダーの含有量
は、好ましくは画像受容層の全重量に対して15%以
下、更に好ましくは10%以下である。15%以下とす
ることにより、製造上のコスト低下に寄与すると共に、
塗布性を向上させ、ラインスピードを上げることができ
る。また、非画像部の不感脂化を十分に行うことがで
き、印刷時の汚れを少なくすることができる。
【0020】更に、本発明の直描型平版印刷用版材11
は、図2に示すように、プラスチックフィルム2上に導
電層7、画像受容層3を順次設けたものであってもよ
い。直描型平版印刷用版材11のプラスチックフィルム
2及び画像受容層3は前述の直描型平版印刷用版材1の
ものと同様なものである。導電層はレーザビームプリン
タの出力時に発生するトナー画像の廻りの滲みを防止
し、得られる印刷画像を鮮明にするために設けられるも
のである。導電層の表面抵抗値としては1013〜1015
Ω/□が好ましく、更には導電層上に画像受容層を積層
したときに、その表面抵抗値が109〜1010Ω/□に
なるものであり、この状態のときには滲みの発生を防止
することができる。
【0021】また、導電層、画像受容層の表面抵抗値が
上述の範囲であったとしても、その値が一定でないと
き、または導電層の表面抵抗値が1012Ω/□以下であ
り、それにより積層した画像受容層の表面抵抗値が10
8Ω/□以下であるときは、プリンターの機種によって
は画像の転写不良が起こる。上記のことから、導電層の
表面抵抗値が1013〜1015Ω/□であるということ
と、画像受容層を積層したときに、画像受容層の表面抵
抗値が109〜1010Ω/□の範囲で一定の値を取り得
るものであれば、何れのプリンターに使用しても滲みの
発生や転写不良は起こらないと思われる。
【0022】このような表面抵抗値を有する導電層に含
有される導電剤としては第4級アンモニウム塩のような
イオン伝導タイプの導電剤でも使用可能であるが、画像
品質が環境の影響を受けやすいという欠点があり、電子
伝導型導電剤が好ましく、特に好ましいのは金属塩の針
状結晶である。電子伝導型の導電剤としては、導電性の
雲母、酸化亜鉛、酸化錫、酸化インジウム、酸化チタ
ン、酸化バナジウム、金属微粉末等を挙げることができ
る。
【0023】また、更に、好適には金属塩の針状結晶を
使用することができる。針状結晶としては、四角柱の繊
維形状をした極めて微細な、例えば太さが0.4〜0.
7μm、長さが10〜20μmの針状結晶7aを適用す
るのが特に好ましい。針状結晶は他の粒状、鱗片状、あ
るいは円柱状繊維形状のものに比べ少量を付加すること
により被膜に高導電性を付与できるため、均一で安定し
た導電性を付与することができ、更に、被膜を任意の抵
抗値に設定することが容易である。また、金属塩からな
るものであるため耐熱性があり、熱環境下で使用される
場合でも導電層に優れた導電安定性を付与するものであ
る。また、少量の導電剤により所望の導電性を付与でき
るため、被膜中のバインダー含有割合を多くすることが
でき、導電層の被膜強度を増すことができ、耐擦傷性を
向上させ得る。金属塩としてはチタン酸カリウムが好適
であり、チタン酸カリウムにCVD蒸着法により導電性
カーボンを蒸着させたもの、チタン酸カリウムに湿式吸
着法により酸化アンチモンをドープした導電性酸化ス
ズ、金属銀等を被覆したもの等が用いられる。特に、導
電剤としてチタン酸カリウムに酸化アンチモンをドープ
した導電性酸化スズを吸着した針状結晶と共に、酸化チ
タンを併用した場合、導電層の表面抵抗値を阻害するこ
となく白色度の改善を図ることができ、各種の着色顔料
と組合せ、所望の色調とすることも可能である。
【0024】これらの導電剤は疎水性有機高分子材料、
特に硬化後有機溶剤に不溶あるいは難溶となる架橋型高
分子材料からなる高分子バインダーに分散されて導電層
が形成される。あるいは、超高分子量ポリマーに分散さ
れて導電層が形成される。高分子バインダーとしては、
通常用いられる酢酸ビニル、塩化ビニル、スチレン、ブ
タジエン、アクリル酸エステル、メタクリル酸エステ
ル、エチレン、アクリロニトリル等の重合体あるいは共
重合体、シリコン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリウレタ
ン樹脂、アルキッド樹脂、エポキシ樹脂等の疎水性有機
高分子材料が使用可能であるが、特に架橋性高分子材料
が好ましい。架橋性高分子材料は環境の影響を受けず、
耐溶剤性に優れ、経時変化もないからである。
【0025】架橋性高分子材料としては、架橋型のウレ
タン樹脂、アクリル樹脂、フェノール樹脂、メラミン樹
脂、尿素樹脂等のアミノ系樹脂、アルキッド樹脂、エポ
キシ樹脂、ブチラール樹脂、有機珪素化合物、石油樹
脂、不飽和ポリエステル樹脂等が挙げられ、単独又は2
種以上を組み合わせて使用できる。これらの組成物を塗
工後、必要に応じて加熱処理、UV処理、電子線処理に
より、あるいは架橋剤、添加剤を添加して架橋硬化させ
る。また、これら架橋性の樹脂の1種以上と、先に挙げ
たような、通常の疎水性バインダーの1種以上を組み合
わせて使用することも可能である。
【0026】更に、導電剤を分散させる高分子バインダ
ーとして用いられる超高分子量ポリマーは分子量30万
以上、好ましくは40万以上のものであり、商品名とし
ては綜研化学社製のMー1002B、M−2000等が
挙げられる。このような超高分子量ポリマーは針状結晶
の導電剤を使用した場合、特に好適に用いられる。この
ようなバインダーに針状結晶の導電剤を分散させて形成
された導電層は、塗膜中のバインダー樹脂の含有量の割
合が大きいことと相俟って、導電層の被膜強度を増すこ
とができ、耐擦傷性を向上させ得る。このため、導電層
上に画像受容層を形成する際にも、画像受容層用の塗工
ヘッドで削られること等の不都合を防止することができ
る。
【0027】このような針状結晶の導電剤は導電層に前
述の表面抵抗値を付与するため、高分子バインダー樹脂
100重量部に対して2〜5重量部、好ましくは3〜4
重量部を添加する。2重量部以上とすることにより滲み
の発生を防止することができ、5重量部以下とすること
で導電層の表面抵抗値を1013〜1015Ω/□とするこ
とができ、更には、導電層上に積層したときに表面抵抗
値を109〜1010Ω/□とすることができ、転写不良
を防止できる。
【0028】更に、本発明の直描型平版印刷用版材は、
プラスチックフィルムの画像受容層側とは反対面に、カ
ール防止層(図示せず)あるいはカール促進層(図示せ
ず)を設けたものであってもよい。カール防止層あるい
はカール促進層は、レーザビームプリンタからトナー転
着されて排出される版材がトナー転着面にカールするの
を防止、あるいはトナー転着面とは逆側にカールさせる
ために設けられるものである。カール防止層はニトロセ
ルロース等で形成され、版材を平滑に保持するものであ
る。また、カール促進層は紫外線硬化型樹脂等のハード
コート用樹脂からなり、版材をトナー転着面とは逆側に
カールさせるものである。このようなカール防止層やカ
ール促進層を設けることにより刷版作製後のオフセット
印刷時における版胴への取り付け作業性を向上させるこ
とができる。
【0029】本発明の直描型平版印刷用版材の製造方法
は、前述した組成からなる画像受容層用塗布液を作製
し、プラスチックフィルムの片面にバーコーティング等
の公知の塗布方法により塗布形成することができる。ま
た、前述した組成からなる導電層用塗布液を作製し、プ
ラスチックフィルムの片面にバーコーティング等の公知
の塗布方法により塗布形成し、更に、その上に前述の画
像受容層用塗布液を、バーコーティング等の公知の塗布
方法により塗布形成することができる。
【0030】
【実施例】以下、本発明を具体的に説明する。 [実施例1]厚さ100μmのポリエステルフィルム
(クリスパーG2323:東洋紡績社製)上に、下記の
画像受容層用塗布液をバーコーティングで塗布、150
℃で60秒間乾燥し、厚さ7μmの画像受容層を有する
直描型平版印刷用版材を得た。 「画像受容層用塗布液」 ・導電性酸化亜鉛 45重量部 (SAZEX#2000:堺化学工業社製) ・アクリル樹脂(固形分50%) 14重量部 (アクリディック167:大日本インキ化学工業社製) ・合成シリカ(平均粒径4μm) 1重量部 (サイリシア740:富士シリシア化学社製) ・合成シリカ(平均粒径7μm) 1重量部 (サイリシア770:富士シリシア化学社製) ・トルオール 45重量部 [実施例2]実施例1の平均粒径4μmと平均粒径7μ
mの合成シリカの割合を、それぞれ0.6重量部と1.
4重量部とし、他は実施例1と同様にして直描型平版印
刷用版材を得た。 [実施例3]実施例1の平均粒径4μmと平均粒径7μ
mの合成シリカの割合を、それぞれ1.4重量部と0.
6重量部とし、他は実施例1と同様にして直描型平版印
刷用版材を得た。 [実施例4]実施例1の平均粒径4μmの合成シリカを
平均粒径3μmの合成シリカ(サイリシア730:富士
シリシア化学社製)、平均粒径7μmの合成シリカを平
均粒径10μmの合成シリカ(シルクロンG−602:
日産化学工業社製)とし、他は実施例1と同様にして直
描型平版印刷用版材を得た。 [比較例1]実施例1の平均粒径4μmと平均粒径7μ
mの合成シリカの代わりに、平均粒径12μmの合成シ
リカ(サイリシア470:富士シリシア化学社製)を2
重量部を用い、他は実施例1と同様にして直描型平版印
刷用版材を得た。 [比較例2]実施例1の平均粒径4μmと平均粒径7μ
mの合成シリカの代わりに、平均粒径3μmの合成シリ
カ(サイリシア730:富士シリシア化学社製)を2重
量部を用い、他は実施例1と同様にして直描型平版印刷
用版材を得た。 [比較例3]実施例1の平均粒径4μmと平均粒径7μ
mの合成シリカの代わりに、平均粒径5.2μmの合成
シリカ(サイリシア450:富士シリシア化学社製)を
2重量部を用い、他は実施例1と同様にして直描型平版
印刷用版材を得た。 [比較例4]実施例1の合成シリカを除いた他は実施例
1と同様にして直描型平版印刷用版材を得た。
【0031】得られた直描型平版印刷用版材上にレーザ
ビームプリンタ(PC-PR4000/4:日本電気社製)により
画像を形成し、地汚れについて評価した。倒立型金属顕
微鏡(PME3:オリンパス社製)を用いて、1mm2当たり
に粒径が20μm以上の地汚れがいくつあるかについて
観察し、5個未満を○、5〜15個を△、15個超を×
として評価した。結果を表1に示す。
【0032】更に、画像濃度を評価した。反射濃度計(D
142-3:グレタグ社製)にて測定し、濃度2以上を○、濃
度1.50〜1.99を△、濃度1.49以下を×とし
た。結果を表1に示す。 [実施例5]実施例1のプラスチックフィルム上に、下
記の導電層用塗布液をバーコーティングで塗布、150
℃で60秒間乾燥し、厚さ3μmの導電層を形成し、更
にその上に実施例1と同様の画像受容層を形成し直描型
平版印刷用版材を得た。導電層上の表面電気抵抗値は1
13〜1015Ω/□、画像受容層上の表面電気抵抗値は
109〜1010Ω/□であった。 「導電層用塗布液」 ・導電剤(W−1:三菱金属社製) 45重量部 ・アクリル樹脂(固形分45%) 14重量部 (アクリディックAL-201:大日本インキ化学工業社製) ・メチルエチルケトン 10重量部 ・トルオール 10重量部 [実施例6]実施例1と同様のポリエステルフィルム上
に、以下の組成の導電層用塗布液をバーコーティングで
塗布、150℃で60秒間乾燥し導電層を形成した。そ
の上に実施例1の画像受容層と同様の組成、同様の方法
で画像受容層を形成し、直描型平版印刷用版材を得た。
【0033】導電層上の表面電気抵抗値は均一に1013
〜1015Ω/□であり、画像受容層上の表面電気抵抗値
は均一に109〜1010Ω/□であった。 「導電層用塗布液」 ・導電剤 6重量部 (デントールWK200B:大塚化学社製) ・アクリル樹脂(固形分45%) 14重量部 (アクリテ゛ィックAL-201:大日本インキ化学工業社製) ・メチルエチルケトン 10重量部 ・トルオール 10重量部 [実施例7]実施例1と同様のポリエステルフィルム上
に、以下の組成の導電層用塗布液をバーコーティングで
塗布、130℃で60秒間乾燥し、厚さ3μmの導電層
を形成した。その上に実施例1の画像受容層と同様の組
成、同様の方法で画像受容層を形成し、直描型平版印刷
用版材を得た。
【0034】導電層上の表面電気抵抗値は均一に1013
〜1015Ω/□であり、画像受容層上の表面電気抵抗値
は均一に109〜1010Ω/□であった。 「導電層用塗布液」 ・導電性顔料(針状結晶) 6重量部 (デントールWK200B:大塚化学社製) ・アクリル樹脂(分子量40万) 185重量部 (M−1002B:綜研化学社製) ・メチルエチルケトン 71重量部 得られた直描型平版印刷用版材上にレーザビームプリン
タ(PC-PR4000/4:日本電気社製)により画像を形成
し、画像廻りの滲みについて評価した。電子顕微鏡(PME
3:オリンパス社製)を用いて、1mm2当たりに粒径が
10μm以上の汚れがいくつあるかについて観察し、ほ
とんどないものを◎、5個未満を○、5〜10個を△、
11個超を×とした。結果を表1に示す。
【0035】
【表1】
【0036】以上の実施例1〜7と比較例から、異なる
範囲の特定の粒径を有する体質顔料を特定割合で使用し
たものは、画像濃度を一定に保持した上で地汚れが著し
く軽減されていることがわかる。また、実施例5〜7と
比較例から、導電層を設けたことにより画像廻りの滲み
が著しく軽減されていることがわかる。
【0037】
【発明の効果】以上の説明からも明らかなように、本発
明の直描型平版印刷用版材は、画像受容層に特定の異な
る範囲の粒径を有する2種類の体質顔料を含有せしめる
ことにより、トナー画像濃度を低下させることなく、非
画像部の地汚れを減少させることができ、製造工程を増
加することなく製造効率よく品質の良好な印刷物を得る
ことができる。
【0038】また、プラスチックフィルムと画像受容層
の間に導電層を設けることにより、画像受容層表面の表
面電気抵抗値を制御し製版時におけるトナー画像廻りの
滲みの発生を軽減することができ、品質の良好な印刷物
を得ることができる。更に、導電層に針状結晶の導電剤
を含有することにより、表面抵抗値を均一に保持できる
上、導電層の被膜性を向上させることができるため、滲
みの発生を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例を示す断面図。
【図2】本発明の他の実施例を示す断面図。
【符号の説明】
1、11‥‥直描型平版印刷用版材 2‥‥プラスチックフィルム 3‥‥画像受容層 4‥‥酸化亜鉛 5‥‥体質顔料 5a‥‥小径顔料 5b‥‥大径顔料 6‥‥高分子バインダー 7‥‥導電層 7a‥‥針状結晶

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】プラスチックフィルムの片面に画像受容層
    を設けてなる直描型平版印刷用版材において、前記画像
    受容層は表面に凹凸を付与するために異なる範囲の平均
    粒径を有する2種類の体質顔料を含むことを特徴とする
    直描型平版印刷用版材。
  2. 【請求項2】前記画像受容層が少なくとも高分子バイン
    ダー、非画像部を親水化するための顔料及び異なる範囲
    の平均粒径を有する2種類の体質顔料を含むことを特徴
    とする請求項1記載の直描型平版印刷用版材。
  3. 【請求項3】前記非画像部を親水化するための顔料が酸
    化亜鉛であることを特徴とする請求項2記載の直描型平
    版印刷用版材。
  4. 【請求項4】前記体質顔料の一方の粒径が3〜5μmの
    範囲であり、且つ他方の粒径が7〜10μmの範囲であ
    ることを特徴とする請求項1記載の直描型平版印刷用版
    材。
  5. 【請求項5】前記体質顔料がシリカであることを特徴と
    する請求項1または2記載の直描型平版印刷用版材。
  6. 【請求項6】前記プラスチックフィルムと前記画像受容
    層との間に導電層が設けられたことを特徴とする請求項
    1記載の直描型平版印刷用版材。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001187489A (ja) * 1999-10-22 2001-07-10 Kimoto & Co Ltd 直描型平版印刷用版材
JP4694752B2 (ja) * 1999-12-22 2011-06-08 株式会社きもと 直描型平版印刷用版材
JP5842986B1 (ja) * 2014-11-28 2016-01-13 富士ゼロックス株式会社 電子写真用画像形成シート

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