JPH08234505A - 直描型平版印刷用版材 - Google Patents

直描型平版印刷用版材

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JPH08234505A
JPH08234505A JP17117095A JP17117095A JPH08234505A JP H08234505 A JPH08234505 A JP H08234505A JP 17117095 A JP17117095 A JP 17117095A JP 17117095 A JP17117095 A JP 17117095A JP H08234505 A JPH08234505 A JP H08234505A
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JP
Japan
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image
plate material
conductive layer
receiving layer
direct drawing
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Pending
Application number
JP17117095A
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English (en)
Inventor
Michichika Miyabe
理慎 宮部
Toshihiro Koike
敏浩 小池
Junichi Noda
純一 能田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kimoto Co Ltd
Original Assignee
Kimoto Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】印刷したとき鮮明な画像が得られる直描型平板
印刷用版材を得る。 【解決手段】プラスチックフィルム2上に針状結晶5を
含有した導電層3、画像受容層4を順次設ける。 【効果】耐刷性に優れ、針状結晶を含有するため、少量
で均一に所望の導電性を付与することができ、被膜性を
向上させることができ、プリンターで出力した場合トナ
ー滲みの発生を防止し、鮮明な画像得る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は直描型平版印刷用版
材に関し、特に、トナー画像廻りのにじみの発生を防止
できる直描型平版印刷用版材に係わる。
【0002】
【従来の技術】近年の事務機器の発達及びOA化の進展
に伴い、軽印刷分野においては、電子写真方式やレーザ
ビームプリンタ等で簡単に製版できる直描型平版印刷用
版材を利用する印刷方式が急速に普及してきている。特
にレーザビームプリンタ等の静電転写方式のプリンタを
用いて、コンピュータのデータ等を直接版材に出力する
方式は、電子写真方式と比較して版下作成を必要としな
いため、製版スピード及び製版コストの点で優れてお
り、近年そのニーズが増加してきている。
【0003】このような静電転写方式のプリンタで版材
表面に画像を転写・定着するために通常乾式トナーが用
いられており、印刷に際してトナーの乗った部分は親油
性の印刷インキを受け付けて画像部となる。このような
画像部を有する版材はその非画像部が印刷インキをはじ
くようエッチ液で不感脂化処理を施し、印刷マスターと
して平版印刷に使用される。
【0004】このような版材である直描型平版印刷用版
材としては、耐水性支持体上に酸化亜鉛等を含有する画
像受容層を形成したもの等種々のものが開示されてい
る。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
直描型平版印刷用版材にレーザビームプリンタの出力に
より画像を形成すると、トナー画像の廻りに滲みが発生
することがあり、これを基に得られる印刷用版材はトナ
ー画像が鮮明にならないという欠点があった。本発明は
上記従来の欠点を改善するためになされたもので、レー
ザビームプリンタの出力により画像を形成した場合、ト
ナー画像の廻りの滲みの発生を著しく軽減し、印刷画像
を鮮明なものとすることができる直描型平版印刷用版材
を提供することを目的する。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に鋭意研究した結果、直描型平版印刷用版材にレーザビ
ームプリンタの出力により画像を形成した場合に発生す
るトナー画像廻りの滲みは、直描型平版印刷用版材の表
面抵抗値の高いことに加え、直描型平版印刷用版材の表
面抵抗値の不均一性に起因することを見出し、上記課題
を解決し、本発明を完成するに至った。
【0007】即ち、本発明に係る直描型平版印刷用版材
は、プラスチックフィルムの片面に、導電層、画像受容
層を順次積層してなるものである。導電層を設けること
により直描型平版印刷用版材の表面抵抗値を所望の値と
することができ、レーザビームプリンタの出力により画
像形成時の、トナー画像の廻りに発生する滲みを防止す
ることができ、これを基に得られる印刷用版材は画像が
鮮明なものが得られる。
【0008】更に、導電層は、金属塩の針状結晶を含有
するものが好ましい。金属塩の針状結晶は、他の粒状、
鱗片状、あるいは円柱状繊維形状のものに比べ少量を付
加することにより被膜に高導電性を付与できるため、均
一で安定した導電性を付与することができ、更に、被膜
を任意の抵抗値に設定することが容易である。また、金
属塩からなるものであるため耐熱性があり、熱環境下で
使用される場合でも導電性に優れた導電安定性を付与す
るものである。また、少量の導電剤を使用することによ
り所望の導電性を付与できるため、被膜中のバインダー
含有割合を多くすることができ、導電層の被膜強度を増
すことができ、耐擦傷性を向上させ得る。
【0009】更に、針状結晶が分子量30万以上、好ま
しくは40万以上の超高分子ポリマーに分散されること
が好ましい。導電層上に塗工ヘッドにより画像受容層用
塗布液を塗布する際、導電層の被膜性に起因して削られ
ることがあり、この場合、導電層の膜厚が不均一とな
り、表面抵抗値が不均一になってしまうことがあった
が、導電層の被膜性を向上させることにより、塗工ヘッ
ドにより削られることが防止できるため、表面抵抗値の
不均一も生じない。
【0010】また、本発明の直描型平版印刷用版材は、
画像受容層は表面に凹凸を付与するために異なる範囲の
平均粒径を有する2種類の体質顔料を含むものである。
更に、本発明の直描型平版印刷用版材は、酸化亜鉛及び
体質顔料を含み、体質顔料は異なる範囲の粒径を有し、
一方の粒径が3〜5μmの範囲であり、且つ他方の粒径
が7〜10μmの範囲であることが好ましい。
【0011】
【発明の実施の形態】以下、本発明に係る直描型平版印
刷用版材について詳細に説明する。本発明の直描型平版
印刷用版材1は、図1に示すように、プラスチックフィ
ルム2上に、導電層3を設け、その上に画像受容層4を
設けたものである。プラスチックフィルム2は耐刷性を
付与するため、強度を有し支持体として機能するもので
ある。材質としては、ポリエーテルサルフォン、ポリエ
ステル、ポリ(メタ)アクリレート、ポリカーボネー
ト、ポリアミド及びポリ塩化ビニル等のホモポリマー又
はこれらの樹脂のモノマーと共重合可能なモノマーとの
コポリマー等からなるフィルムが挙げられ、適宜選択し
て使用することができる。厚さは、50〜188μmの
範囲が好ましく、耐熱性及び画像濃度の点から75〜1
25μmの範囲のものが特に好ましい。
【0012】プラスチックフィルムは発泡フィルムが好
適に適用される。発泡フィルムは無数のボイドを有する
ため、折曲性に優れたものとすることができる。更に、
プラスチックフィルムにはカール防止のために、後述す
るように、裏面にカール防止層あるいはカール促進層を
設けたものであってもよい。このようなプラスチックフ
ィルム2上に設けられる導電層3はレーザビームプリン
タの出力時に発生するトナー画像の廻りの滲みを防止
し、得られる印刷画像を鮮明にするために設けられるも
のである。導電層の表面抵抗値としては1013〜1015
Ω/□が好ましく、更には、導電層上に画像受容層を積
層したときに、その表面抵抗値が109〜1010Ω/□
になるものであり、この状態のときに、滲みの発生を防
止することができる。
【0013】また、導電層、画像受容層の表面抵抗値が
前述の範囲であったとしても、その値が一定でないと
き、または導電層の表面抵抗値が1012Ω/□以下であ
り、それにより積層した画像受容層の表面抵抗値が10
8Ω/□以下であるときは、プリンターの機種によって
は画像の転写不良が起こる。このことから、導電層の表
面抵抗値が1013〜1015Ω/□であるということと、
画像受容層を積層したときに、画像受容層の表面抵抗値
が109〜1010Ω/□の範囲で一定の値を取り得るも
のであれば、何れのプリンターに使用しても滲みの発生
や転写不良は起こらないと思われる。
【0014】このような表面抵抗値を有する導電層に含
有される導電剤としては第4級アンモニウム塩のような
イオン伝導タイプの導電剤も使用可能であるが、画像品
質が環境の影響を受けやすいという欠点があり、電子伝
導型導電剤が好ましく、特に好ましいのは金属塩の針状
結晶である。電子伝導型の導電剤としては、導電性の雲
母、酸化亜鉛、酸化錫、酸化インジウム、酸化チタン、
酸化バナジウム、金属微粉末等を挙げることができる。
【0015】更に、好適には、図2に示すように、金属
塩の針状結晶5を使用することができる。針状結晶とし
ては、四角柱の繊維形状をした極めて微細な、例えば太
さが0.4〜0.7μm、長さが10〜20μmの針状
結晶7aを適用するのが特に好ましい。針状結晶は他の
粒状、鱗片状、あるいは円柱状繊維形状のものに比べ少
量を付加することにより被膜に高導電性を付与できるた
め、均一で安定した導電性を付与することができ、更
に、被膜を任意の抵抗値に設定することが容易である。
また、金属塩からなるものであるため耐熱性があり、熱
環境下で使用される場合でも導電層に優れた導電安定性
を付与するものである。また、少量の導電剤を使用する
ことにより所望の導電性を付与できるため、被膜中のバ
インダー含有割合を大きくすることができ、導電層の被
膜強度を増すことができ、耐擦傷性を向上させ得る。金
属塩としてはチタン酸カリウムが好適であり、チタン酸
カリウムにCVD蒸着法により導電性カーボンを蒸着さ
せたもの、チタン酸カリウムに湿式吸着法により酸化ア
ンチモンをドープした導電性酸化スズ、金属銀等を被覆
したもの等が用いられる。特に、導電剤としてチタン酸
カリウムに酸化アンチモンをドープした導電性酸化スズ
を吸着した針状結晶と共に、酸化チタンを併用した場
合、導電層の表面抵抗値を阻害することなく白色度の改
善を図ることができ、各種の着色顔料と組合せ、所望の
色調とすることも可能である。
【0016】これらの導電剤は疎水性有機高分子材料、
特に硬化後有機溶剤に不溶あるいは難溶となる架橋型高
分子材料からなる高分子バインダーに分散されて導電層
が形成される。あるいは、超高分子量ポリマーに分散さ
れて導電層が形成される。導電剤が分散される高分子バ
インダー樹脂としては、通常用いられる酢酸ビニル、塩
化ビニル、スチレン、ブタジエン、アクリル酸エステ
ル、メタクリル酸エステル、エチレン、アクリロニトリ
ル等の重合体あるいは共重合体、シリコン樹脂、ポリエ
ステル樹脂、ポリウレタン樹脂、アルキッド樹脂、エポ
キシ樹脂等の疎水性有機高分子材料が使用可能である
が、特に架橋性高分子材料が好ましい。架橋性高分子材
料は環境の影響を受けず耐溶剤性に優れ、経時変化もな
いからである。
【0017】架橋性高分子材料としては、架橋型のウレ
タン樹脂、アクリル樹脂、フェノール樹脂、メラミン樹
脂、尿素樹脂等のアミノ系樹脂、アルキッド樹脂、エポ
キシ樹脂、ブチラール樹脂、有機珪素化合物、石油樹
脂、不飽和ポリエステル樹脂等が挙げられ、単独又は2
種以上を組み合わせて使用できる。これらの組成物を塗
工後、必要に応じて加熱処理、UV処理、電子線処理に
より、あるいは架橋剤、添加剤を添加して架橋硬化させ
る。また、これら架橋性の樹脂の1種以上と、先に挙げ
たような、通常の疎水性バインダーの1種以上を組み合
わせて使用することも可能である。
【0018】また、導電剤を分散させる高分子バインダ
ーとして使用される超高分子量ポリマーは分子量30万
以上、好ましくは40万以上のものであり、アクリル樹
脂(商品名:M−1002B、M−2000B、綜研化
学社製)等が挙げられる。このような超高分子量ポリマ
ーは針状結晶の導電剤を使用した場合、特に好適に用い
られる。このようなバインダーに針状結晶の導電剤を分
散させて形成された導電層は、塗膜中のバインダー樹脂
の含有量の割合が大きいことと相俟って、導電層の被膜
強度を増すことができ、耐擦傷性を向上させ得る。この
ため、導電層上に画像受容層を形成する際にも、画像受
容層の塗工ヘッドで削られること等の不都合を防止する
ことができる。
【0019】このような針状結晶の導電剤は導電層に前
述の表面抵抗値を付与するため、高分子バインダー樹脂
100重量部に対して2〜5重量部添加する。好ましく
は3〜4重量部を添加する。2重量部以上とすることに
より滲みの発生を防止することができ、5重量部以下と
することで導電層の表面抵抗値を1013〜1015Ω/□
とすることができ、更には、導電層上に積層したときに
表面抵抗値を109〜1010Ω/□とすることができ、
転写不良を防止できる。
【0020】導電層3上に形成される画像受容層4は、
親油性のプリンターのトナーを定着させ、更に、トナー
の乗った部分が親油性の印刷インキを受け付けて画像部
とし、トナーの乗らない非画像部は印刷インキをはじく
ようエッチ液で不感脂化処理されるものである。このよ
うな画像受容層は少なくとも非画像部を親水化するため
の顔料を高分子バインダーに分散させたもので構成さ
れ、更に好適には、画像受容層は、非画像部を親水化す
るための顔料と表面に凹凸を付与するための顔料を含
む。表面に凹凸を付与するための顔料は、異なる範囲の
粒径を有する2種類の体質顔料からなる。異なる範囲の
粒径を有する2種類の体質顔料、即ち粒径の小さい体質
顔料(以下、小径顔料と称す)及び粒径の大きい体質顔
料(以下、大径顔料と称す)を有する2種類の体質顔料
を特定量含有させることにより、画像受容層の表面形状
を特定形状に制御することができるものである。画像受
容層の表面形状が特定形状に形成されることにより、直
描型平版印刷用版材は非画像部の地汚れ、トナー転写効
率及び耐刷性が改善され得る。
【0021】このような画像受容層に含有される体質顔
料の小径顔料の粒径は3〜5μmの範囲、大径顔料の粒
径は7〜10μmの範囲である。尚、小径顔料と大径顔
料はそれぞれこの範囲に粒径のピークを有するものを適
宜使用するものである。小径顔料と、大径顔料の重量比
率は3:7〜7:3の範囲である。小径顔料の割合を3
割以上とするのは出力時のトナー転写効率を向上させ画
像濃度低下を防止するためである。また小径顔料の割合
を7割以下とするのは、所謂地汚れの発生を防止するた
めである。また、小径顔料の平均粒径を3〜5μmの範
囲に限定したのは、3μm以上とすることにより地汚れ
の発生を防止することができ、5μm以下とすることに
より出力時のトナー転写効率を向上させ画像濃度低下を
防止することができるからである。更に、大径顔料の平
均粒径を7〜10μmの範囲に限定したのは、7μm以
上とすることにより地汚れの発生を防止することがで
き、10μm以下にすることにより画像が荒れてしまう
のを防ぎ、それにより印刷物における散点状の印刷汚れ
の発生を防止することができるからである。
【0022】このような体質顔料としては、シリカ、ク
レー、硫酸バリウム、アルミナ等を単独又は2種以上併
用することができ、非画像部を親水化するための顔料と
同じでもよく、小径顔料、大径顔料共に同一種のものを
用いるのが好ましい。特にシリカは画像受容層に所望の
親水性を付与するため好ましい。非画像部を親水化する
ための顔料は、画像受容層を不感脂化するために添加さ
れる。この顔料はエッチ液により親水化されうる顔料
で、具体的には酸化亜鉛、酸化チタン、クレー、珪酸ア
ルミナ等が挙げられるが、エッチ液としてリン酸を主体
とする汎用タイプのものを用いる場合には、特に酸化亜
鉛が好ましい。
【0023】非画像部を親水化するための顔料の重量比
は表面に凹凸を付与するための顔料1重量部に対して1
0〜30重量部の範囲で混合されるのが好ましく、更に
好ましくは15〜25重量部の範囲である。非画像部を
親水化するための顔料の重量比を10重量部以上とする
ことにより地汚れの発生を防止することができ、印刷性
能を維持できる。また、30重量部以下とすることによ
り画像が荒れてしまうのを防止することができる。
【0024】このような非画像部を親水化するための顔
料及び表面に凹凸を付与するための顔料のバインダーと
して画像受容層を形成する高分子バインダーは、非画像
部を親水化するための顔料及び表面に凹凸を付与するた
めの顔料を結着させると共に、非画像部を親水化するた
めの顔料の不感脂化を阻害せずに補助する役割を有し、
乾燥後の塗膜として柔軟性があるものが使用できる。高
分子バインダーとしては、非画像部を親水化するための
顔料の不感脂化を阻止せず補助する役割を有し、乾燥後
の塗膜として柔軟性があるものが好ましく、ポリビニル
アルコール、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシ
エチルセルロース、カゼイン、ゼラチン、水溶性ポリウ
レタン等の水溶性樹脂、酢酸ビニル、塩化ビニル、アク
リル酸エステル、スチレン、ブタジエン、エチレン等の
重合体又は共重合体等のエマルジョン樹脂等が挙げら
れ、これらの樹脂を単独又は2種以上併用することがで
きる。水溶性樹脂を単独で使用する場合には、耐刷性を
向上させるため、耐水化剤を適量併用することが好まし
い。
【0025】画像受容層中の高分子バインダーの含有量
は、好ましくは画像受容層の全重量に対して15%以
下、更に好ましくは10%以下である。15%以下とす
ることにより、製造上のコストの低下に寄与すると共
に、塗布性を向上させ、ラインスピードを上げることが
できる。また、非画像部の不感脂化を十分に行うことが
でき、印刷時の汚れを少なくすることができる。
【0026】更に、本発明の直描型平版印刷用版材は、
プラスチックフィルムの画像受容層側とは反対面に、カ
ール防止層(図示せず)あるいはカール促進層(図示せ
ず)を設けたものであってもよい。カール防止層あるい
はカール促進層は、レーザビームプリンタからトナー転
着されて排出される版材がトナー転着面にカールするの
を防止、あるいはトナー転着面とは逆側にカールさせる
ために設けられるものである。カール防止層はニトロセ
ルロース等で形成され、版材を平滑に保持するものであ
る。また、カール促進層は紫外線硬化型樹脂等のハード
コート用樹脂からなり、版材をトナー転着面とは逆側に
カールさせるものである。このようなカール防止層やカ
ール促進層を設けることにより刷版作製後のオフセット
印刷時における版胴への取り付け作業性を向上させるこ
とができる。
【0027】本発明の直描型平版印刷用版材の製造方法
は、前述した組成からなる導電層用塗布液を作成し、プ
ラスチックフィルムの片面にバーコーティング等の公知
の塗布方法により塗布形成し、更に、その上に前述した
組成からなる画像受容層用塗布液を作成し、バーコーテ
ィング等の公知の塗布方法により塗布形成することがで
きる。
【0028】
【実施例】以下、本発明を更に具体的に説明する。 [実施例1]厚さ100μmのポリエステルフィルム
(クリスパーG2323:東洋紡績社製)上に、下記の
組成の導電層用塗布液をバーコーティングで塗布、15
0℃で60秒間乾燥し、厚さ3μmの導電層を作成し
た。 「導電層用塗布液」 ・導電剤(W−1:三菱金属社製) 45重量部 ・アクリル樹脂(固形分45%) 14重量部 (アクリテ゛ィックAL-201:大日本インキ化学工業社製) ・メチルエチルケトン 10重量部 ・トルオール 10重量部 更に、上記の導電層上に下記の組成の画像受容層用塗布
液をバーコーティングで塗布、150℃で60秒間乾燥
し、厚さ7μmの画像受容層を形成し、直描型平版印刷
用版材を得た。
【0029】導電層上の表面電気抵抗値は1013〜10
15Ω/□であり、画像受容層上の表面電気抵抗値は均一
に109〜1010Ω/□であった。 「画像受容層用塗布液」 ・導電性酸化亜鉛 45重量部 (SAZEX#2000:堺化学工業社製) ・アクリル樹脂(固形分50%) 14重量部 (アクリディック167:大日本インキ化学工業社製) ・トルオール 45重量部 [実施例2]実施例1と同様のポリエステルフィルム上
に、下記の組成の導電層用塗布液を作製し実施例1の導
電層と同様の方法で導電層を形成した。その上に実施例
1の画像受容層と同様の組成、同様の方法で画像受容層
を形成し、直描型平版印刷用版材を得た。
【0030】導電層上の表面電気抵抗値は均一に1013
〜1015Ω/□であり、画像受容層上の表面電気抵抗値
は均一に109〜1010Ω/□であった。 「導電層用塗布液」 ・導電性顔料(針状結晶) 6重量部 (デントールWK200B:大塚化学社製) ・アクリル樹脂(固形分45%) 14重量部 (アクリテ゛ィックAL-201:大日本インキ化学工業社製) ・メチルエチルケトン 10重量部 ・トルオール 10重量部 [実施例3]実施例1と同様のポリエステルフィルム上
に、下記の組成の導電層用塗布液をバーコーティングで
塗布、130℃で60秒間乾燥し、厚さ3μmの導電層
を作成した。その上に実施例1の画像受容層と同様の組
成、同様の方法で画像受容層を形成し、直描型平版印刷
用版材を得た。
【0031】導電層上の表面電気抵抗値は均一に1013
〜1015Ω/□であり、画像受容層上の表面電気抵抗値
は均一に109〜1010Ω/□であった。 「導電層用塗布液」 ・導電性顔料(針状結晶) 6重量部 (デントールWK200B:大塚化学社製) ・アクリル樹脂(分子量40万) 185重量部 (M−1002B:綜研化学社製) ・メチルエチルケトン 71重量部 [実施例4]実施例1と同様のポリエステルフィルム上
に、実施例1の導電層と同様の組成、同様の方法で導電
層を形成した。その上に下記の組成の画像受容層用塗布
液を作製し、実施例1の画像受容層と同様の方法で画像
受容層を形成し、直描型平版印刷用版材を得た。
【0032】導電層上の表面電気抵抗値は均一に1013
〜1015Ω/□であり、画像受容層上の表面電気抵抗値
は均一に109〜1010Ω/□であった。 「画像受容層用塗布液」 ・導電性酸化亜鉛 45重量部 (SAZEX#2000:堺化学工業社製) ・アクリル樹脂(固形分50%) 14重量部 (アクリディック167:大日本インキ化学工業社製) ・合成シリカ(粒径4μm) 1重量部 (サイリシア740:富士シリシア化学社製) ・合成シリカ(粒径7μm) 1重量部 (サイリシア770:富士シリシア化学社製) ・トルオール 45重量部 [実施例5]実施例4と同様のポリエステルフィルム上
に、実施例2の導電層と同様の組成、同様の方法で導電
層を形成した。その上に実施例4の画像受容層と同様の
組成、同様の方法で画像受容層を形成し、直描型平版印
刷用版材を得た。
【0033】導電層上の表面電気抵抗値は均一に1013
〜1015Ω/□であり、画像受容層上の表面電気抵抗値
は均一に109〜1010Ω/□であった。 [実施例6]実施例4と同様のポリエステルフィルム上
に、実施例3の導電層と同様の組成、同様の方法で導電
層を形成した。その上に実施例4の画像受容層と同様の
組成、同様の方法で画像受容層を形成し、直描型平版印
刷用版材を得た。
【0034】導電層上の表面電気抵抗値は均一に1013
〜1015Ω/□であり、画像受容層上の表面電気抵抗値
は均一に109〜1010Ω/□であった。 [実施例7]実施例1と同様のポリエステルフィルム上
に、以下の組成の導電層用塗布液を作製し、実施例1と
同様の方法で導電層を形成し、実施例1と同様の組成、
同様の方法で画像受容層を形成し、直描型平版印刷用版
材を得た。
【0035】導電層上の表面電気抵抗値は1013〜10
15Ω/□であったが、画像受容層上の表面電気抵抗値は
107Ω/□付近であり、均一ではなかった。 「導電層用塗布液」 ・導電性顔料(針状結晶) 11.1重量部 (デントールWK200B:大塚化学社製) ・アクリル樹脂(固形分45%) 14重量部 (アクリテ゛ィックAL-201:大日本インキ化学工業社製) ・メチルエチルケトン 10重量部 ・トルオール 10重量部 [実施例8]実施例7の導電層用塗布液中の導電性顔料
(デントールWK200B)の量を1.85重量部に代
えた他は実施例7と同様にして直描型平版印刷用版材を
得た。
【0036】導電層上の表面電気抵抗値は1013〜10
15Ω/□であったが、画像受容層上の表面電気抵抗値は
1012Ω/□付近であった。 [比較例]厚さ100μmのポリエステルフィルム(ク
リスパーG2323:東洋紡績社製)上に直接実施例1
の画像受容層と同様の組成、同様の方法で画像受容層を
作成し、直描型平版印刷用版材を得た。
【0037】得られた直描型平版印刷用版材上にレーザ
ビームプリンタ(PC-PR4000/4:日本電気社製)により
画像を形成し、画像廻りの滲み、トナー画像の転写状況
について評価した。評価方法は倒立型金属顕微鏡(PME
3:オリンパス社製)を用いて、1mm2当たりに粒径が
10μm以上の汚れがいくつあるかについて観察し、殆
どない場合を◎、5個未満を○、5〜10個を△、11
個超を×とした。また、画像形成時のトナーの転写状況
を目視により観察した。併せて結果を表1に示す。
【0038】
【表1】
【0039】以上の実施例と比較例から、導電層を設け
たため画像廻りの滲みが軽減され、特に、針状結晶を含
有する導電層を設けたことにより画像廻りの滲みが著し
く軽減されていることがわかった。また、画像の滲みは
画像受容層上の表面電気抵抗値が一定の範囲に、しかも
均一であることが必要であることがわかった。また、特
定の画像受容層を形成した場合には、所謂地汚れも防止
することができることがわかった。
【0040】
【発明の効果】以上の説明からも明らかなように、本発
明の直描型平版印刷用版材は、プラスチックフィルムと
画像受容層の間に導電層を設けたため、更に好適には、
導電層に針状結晶の導電剤を含有することにより、導電
層の被膜性を向上させることができ、画像受容層表面の
表面電気抵抗値を均一に保持できるため、製版時におけ
るトナー画像廻りの滲みの発生を著しく軽減することが
でき、品質の良好な印刷物を得ることができる。また、
特定の画像受容層を形成した場合には、所謂地汚れも防
止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例を示す断面図。
【図2】本発明の一実施例を示す断面図。
【符号の説明】
1‥‥直描型平版印刷用版材 2‥‥プラスチックフィルム 3‥‥導電層 4‥‥画像受容層 5‥‥針状結晶

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】プラスチックフィルムの片面に、導電層、
    画像受容層を順次積層してなることを特徴とする直描型
    平版印刷用版材。
  2. 【請求項2】前記導電層は金属塩の針状結晶を含有する
    ことを特徴とする請求項1記載の直描型平版印刷用版
    材。
  3. 【請求項3】前記針状結晶は分子量30万以上の超高分
    子ポリマーに分散されることを特徴とする請求項2記載
    の直描型平版印刷用版材。
  4. 【請求項4】前記画像受容層は表面に凹凸を付与するた
    めに異なる範囲の平均粒径を有する2種類の体質顔料を
    含むことを特徴とする請求項1乃至3の何れか1項記載
    の直描型平版印刷用版材。
  5. 【請求項5】前記画像受容層は酸化亜鉛及び体質顔料を
    含み、前記体質顔料は異なる範囲のの粒径を有し、一方
    の粒径が3〜5μmの範囲であり、且つ他方の粒径が7
    〜10μmの範囲であることを特徴とする請求項1乃至
    4記載の直描型平版印刷用版材。
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