JP2005195357A - 光学式圧子接触面のその場定量に基づく力学特性計測法及びその試験装置 - Google Patents

光学式圧子接触面のその場定量に基づく力学特性計測法及びその試験装置 Download PDF

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Abstract

【課題】 光学式圧子接触面のその場定量に基づく力学特性計測法及びその試験装置を提供する。
【解決手段】 圧子を被検試料の表面に所定の荷重で押し当てることにより試料表面に生じる窪みを光学的にその場観察し、圧子と試料表面との接触面の直径、半径、又は面積を計測し、その計測値と圧子を試料表面に押し当てる荷重との関係から試料の物性値を計測することを特徴とする試料の力学特性計測方法、及びその試験装置。
【効果】 光学的なその場観察により、工業材料や食品材料の硬さ、ヤング率、降伏応力、加工硬化等の物性値を計測し、定量することが出来る新しい力学特性計測法及びその装置を提供することが出来る。
【選択図】なし

Description

本発明は、光学式圧子接触面のその場定量に基づく力学特性計測法及びその試験装置に関するものであり、更に詳しくは、圧子接触面を光学的にその場観察することにより、例えば、セラミックス、金属・鉄鋼、高分子、及びガラスなどの工業材料や食品工業で必要な材料の、硬さ、ヤング率、降伏応力、及び加工硬化等の物性値を、簡便な方法で、高精度に定量することを可能とする力学的特性計測方法及びその試験装置に関するものである。
本発明は、工業材料等の、硬さ、ヤング率、降状応力、及び加工硬化等の物性値を試験し、それを数値化し、評価する圧子圧入法による材料試験の技術分野において、従来法では、いずれの方法も、実験的な検証が不十分な仮定を含んでおり、そのため、例えば、圧子圧入過程での実接触面積を測定する評価手法が確立されていなかったことを踏まえ、従来法よりも高い普遍性及び測定精度で、上記物性値を計測し、定量することを可能とする光学的なその場観察による新しい力学特性計測方法及びその試験装置、より詳しくは、圧子接触面をその場でリアルタイムに検出する新規計測方法及びこれに用いる新しいタイプの計測装置を提供するものとして有用である。
本発明は、高精度な工業製品の製造技術の基盤技術として不可欠となる次世代の全く新しい概念に基づく工業材料等の物性値計測技術を提供するものであり、それによって、新しい高精度加工技術とそれに基づく新規製造業の創出を実現化することを可能にするものである。
一般に、工業材料等の試料の硬さ等の物性を評価する方法として、圧子を試料表面に押し込むこと(圧入)により形成させる圧痕の寸法に基づいて、その特性を評価する試験方法が知られている。これらの試験方法として、例えば、ビッカース(Vickers)硬さ試験、ヌープ(Knoop)硬さ試験、及びブリネル(Brinell)硬さ試験等の硬さ試験法が、セラミックスや金属などの工業材料の分野で広く用いられている(非特許文献1〜4参照)。これらの試験方法では、硬さが、最大の圧子圧入荷重を圧子圧入の操作で形成される圧痕面積で除した値として定義される。したがって、圧痕寸法に基づく試験方法は、最大負荷時の圧子接触面積と試料表面に出来る圧痕面積が同一であること、すなわち、試料が完全塑性変形する材料であること、が前提となり、弾性回復が生じる材料では、定量性に欠けることとなる。この試験方法では、試験機は、正確に計量されたおもりなどを圧子に載せる死荷重方式により負荷を行い、除荷後に、試料表面の圧痕寸法を光学的に計測することが一般的である。
一方、ダイナミックインデンテーション法、又は記録式(計装化)圧子圧入法と呼ばれる技術(非特許文献5参照)が開発され、それにより、試料の硬さのみを評価対象としていた圧子法が、物性評価法としても脚光を浴びることになり、現在、この試験方法が、急激に広まる傾向となっている。この試験方法は、圧子を試料表面に準静的に押し込み、そして、最大荷重を経て圧子を引き戻す一連の負荷除荷過程において、押し込み荷重(P)と押し込み深さ(h)を正確に記録すること、そして、得られたP−h曲線を解析することにより、未知試料の硬さやヤング率などを決定することを可能とするものである(非特許文献6〜8参照)。その解析方法としては、例えば、除荷曲線の初期勾配である除荷剛性を利用する方法(特許文献1〜3参照)や、P−h曲線で囲まれる圧子圧入仕事を用いる方法(特許文献3及び非特許文献9参照)など、数種類の方法が報告されているが、いずれの方法も、実験的検証が不十分な仮定を含んでいる。そのため、圧子圧入過程での実接触面積を測定する評価手法の確立が待望されていた。
すなわち、記録式(計装化)圧子圧入法のように、圧子への負荷荷重と同時に押し込み深さを計測・記録する方法では、圧子圧入試験後に圧痕寸法を光学的に計測するといった複数のステップにわたる操作が不要となり、それにより、時間と手間が省かれるばかりでなく、フィルムや薄膜などの非バルク材の、硬さ、あるいはヤング率などの物性値が定量できるため、この方法は、材料科学の点からも優れた方法であるとされている。しかしながら、この押し込み深さに基づく計測では、圧子圧入過程に関する応力とひずみの構成式が実測できないので、物性値評価のためには、圧子の押し込み深さから圧子の接触面積へ換算しなければならないという問題がある。更に、この変換には、仮定が必要となるが、測定試料の材質、圧子形状等の試験条件、あるいは負荷条件などに対して、その仮定が普遍的であるか否かを検証することは困難な課題である。そのため、圧子圧入過程での実接触面積を測定する評価手法の確立が待望されていた。更に、圧子圧入過程で圧痕や亀裂が形成されていく様子を、圧子接触面の裏側から試料を通して光学的にその場計測する方法や装置が提案され報告されている(非特許文献10〜13参照)。しかしながら、これらの方法では、測定原理上、試料は、充分な光透化性を示すものであることが必要とされるため、この方法を適用可能な物質が制限される、という問題があった。
特開平9−288050号公報 特開平11−271202号公報 特開2001−349815号公報 JIS R 1610、ファインセラミックスのビッカース硬さ試験方法 JIS Z 2244、ビッカース硬さ試験−試験方法 JIS Z 2251、ヌープ硬さ試験−試験方法 JIS Z 2243、ブリネル硬さ試験−試験方法 J.B. Pethica, R. Hutching, and W.C. Oliver, Philos.Mag. A 48,593 (1983) M.F.Doerner and W.D.Nix,J. Mater. Res., 1, 601 (1986) W.C. Oliver andG.M. Pharr, J. Mater. Res., 7, 2475 (1992) J.S. Field andM.V. Swain, J. Mater. Res., 8, 297 (1993) Y.T. Cheng andC.M. Cheng, Appl. Phys. Lett.,Vol. 73, No. 5, p. 614, (1998) R.F. Cook andG.M. Pharr, J. Am. Ceram. Soc., Vol. 73, No. 4, p.787(1990) R.F. Cook andE.G. Liniger, J. Am. Ceram.Soc., Vol. 76, No. 5, p.1096 (1993) 清水悟史「力学物性評価への圧子力学の構築と適用」豊橋技術科学大学大学院博士論文(2001) M. Sakai and Y.Nakano, J. Mater. Res., Vol. 17, No. 8, p.2161 (2002)
このような状況の中で、本発明者らは、上記従来技術に鑑みて、従来法よりも高い普遍性及び測定精度で、試料の硬さやヤング率などの物性値を定量することが可能な新しい試験方法を開発することを目標として鋭意研究を積み重ねた結果、光学式圧子接触面のその場定量を可能とする新しい力学特性計測法を開発することに成功し、本発明を完成するに至った。
本発明は、光学式圧子接触面のその場定量により圧子圧入過程での実接触面積を測定することを可能とする試料の物性値の新しい評価方法及びその試験装置を提供することを目的とするものである。
上記課題を解決するための本発明は、以下の技術的手段から構成される。
(1)圧子を被検試料の表面に所定の荷重で押し当てることにより試料表面に生じる窪みを光学的にその場観察し、圧子と試料表面との接触面の直径、半径、及び/又は面積を計測し、その計測値と圧子を試料表面に押し当てる荷重との関係から試料の物性値を計測することを特徴とする試料の力学特性計測方法。
(2)圧子を通して圧子表面を観察することが可能な光学的手段を使用し、圧子を被検試料の表面に所定の荷重で押し当てることにより試料表面に生じる窪みを圧子後方に配置した上記光学的手段により光学的にその場観察することを特徴とする前記(1)に記載の計測方法。
(3)試料表面に生じる窪みを圧子後方に配置した内視鏡により光学的にその場観察し、試料の硬さを計測することを特徴とする前記(1)に記載の計測方法。
(4)圧子圧入過程で試料表面に生じる窪みの光学的なその場観察を連続的に行うことを特徴とする前記(2)又は(3)に記載の計測方法。
(5)圧子を試料表面に押し当てる過程において、試料表面に生じる窪みの表面上での圧痕径を圧子後方に配置した内視鏡により光学的にその場観察し、計測される圧痕径と圧子圧入荷重との関係から試料の機械的特性を計測することを特徴とする前記(1)に記載の計測方法。
(6)圧子を試料表面に押し当てる荷重を連続的に増加させる過程において、試料表面に生じる窪みの表面上での圧痕径を圧子後方に配置した内視鏡により光学的にその場計測を連続的に行うことにより計測される圧痕径と圧子圧入荷重との関係から試料のヤング率、降伏応力、又は加工硬化則の機械的特性を計測することを特徴とする前記(5)に記載の方法。
(7)前記(1)から(6)のいずれかに記載の方法に使用するための装置であって、
被検試料の表面に押し当てるための圧子、該圧子の中心を通る機械的作用軸上で光を透化させることにより圧子を通して圧子表面を観察する光学的手段、圧子を試料表面と接触させるための駆動手段、試料表面における圧子の接触面の画像を撮影する画像撮影手段、画像を記録・解析する記録・解析手段を構成要素として含み、圧子が試料表面に圧入されていく過程で材料表面に形成される接触面を光学的にその場観察し、その画像を記録・解析する機能を有することを特徴とする力学特性計測試験装置。
(8)機械的接触圧子を通して圧子表面を連続的に観察する光学的機構を具備し、試料表面上の圧入すべき位置決めを画像観察によって可能とすると同時に、圧子が試料表面に圧入されていく過程で材料表面に生じる圧痕をその場観察するようにしたことを特徴とする前記(7)に記載の試験装置。
(9)圧子の接触前後で反射率を大きく変化させ、接触面を高精度に検知・計測することを可能にするための照明装置を有することを特徴とする前記(8)に記載の装置。
(10)圧子圧入の負荷荷重の変化と圧痕が形成される過程の動画像を同時に1つの画面で表示するための表示装置を有することを特徴とする前記(9)に記載の試験装置。
次に、本発明について更に詳細に説明する。
圧子を試料表面に押し込む際の負荷荷重と接触面の関係、すなわち、接触応力と圧入歪みの関係は、対象材料及び負荷条件、そして、圧子先端の幾何学的形状によって、一義的に定められる。したがって、圧子圧入の負荷荷重と共に、接触面の寸法を正確に計測することが可能であれば、硬さ、ヤング率、及び降伏応力等の対象材料の物性を定量することが可能となる。本発明は、これを実現することを可能としたものであり、圧子を試料表面に押し当てる荷重を連続的に増加させる過程において、試料表面に生じる窪みの表面上での寸法(接触径)を、圧子後方に配置した内視鏡により光学的にその場計測することをその特徴とするものである。本発明で、内視鏡として使用する装置としては、例えば、小型ビデオカメラやファイバースコープなどが好適なものとして例示されるが、これらと同効の機能を有するものであれば同様に使用することができる。本発明において、圧子としては、例えば、球状、ピラミッド型(四角錐、三角錐)のものが例示される。また、圧子に適当な材質としては、硬度が高く、かつ光透過性を有することが必要があり、例えば、ダイヤモンド、単結晶アルミニウム酸化物(サファイア、ルビー)や、透光性アルミナ多結晶体が、これらの条件に適合する好適な物質として例示される。しかし、本発明は、上記装置、圧子に制限されるものではなく、それらと同等もしくは類似のものであれば同様に使用することができる。
次に、本発明の方法における測定原理の詳細について説明する。
本発明では、圧子の押し込み荷重Pを、圧子と試料表面との接触面積Apro で除した値を、次式に示されるように、硬さH(Meyer硬度と同義)と定義する。
ここで、接触面積Apro は、試料表面への投影接触面積であり、ビッカース硬さなどで用いられている実接触面積Aとは異なる。例えば、圧子として、球面を用いる場合には、球の弾性変形を議論したヘルツ理論が適用でき、球圧子と平面との接触によって形成される接触円の直径と負荷荷重Pとの関係は、次式で表現される。
ここで、Rは球の半径、E* は球圧子と試料のヤング率を合成した相対ヤング率である。
ここで、vとEはそれぞれポアソン比とヤング率であり、添え字のiは圧子であることを意味する。上記(2)式では、E* を除く他のパラメータは全て既知であるため、上記(2)式を変形した次式により、荷重Pに対する接触円の直径dを実測した結果から、E* を直接算出することが出来る。
しかしながら、本発明では、効率良く、試料のヤング率、降伏応力を正確に測定する方法を提供するため、上記(2)式を、投影接触面積Apro で除した平均接触応力Pm を用いる。すなわち、材料の応力−ひずみ関係を表す構成式として、次式を用いる。
ここで用いた投影接触面積Apro は、実測される接触面の直径dから直接与えられるものである。
上記(5)式に従い、荷重Pと接触面直径dのデータ組を連続的に集録した結果を、平均接触応力Pm とd/Rとの関係でプロットし、その初期勾配から相対ヤング率E* を評価することが出来る。また、直線からの逸脱点から降伏応力σy をそれぞれ得ることが出来る。具体的には、平均接触応力Pm と圧痕径d/Rのプロットの初期勾配をkとすると、相対ヤング率E* は、次式により決定することが出来る。
更に、このようにして得られた相対ヤング率E* 、及び既知である圧子のヤングEi とポアソン比vi を、上記(3)式を変形した次式に代入することにより、最終的に未知試料のヤング率Eが定量される。ここで、ポアソン比は広範囲な材料において0.2〜0.4の範囲にあり、次式において、その値を2乗した値は1と比べて十分に小さいため、正確なポアソン比が与えられなくともヤング率Eの定量に及ぼす影響は小さい。
また、圧子と試料表面との弾性変形挙動を表現する上記(5)式からの逸脱は、降伏点を意味し、降伏応力σy は、直線からの逸脱点の応力値Pm 0 から、次式により決定することが出来る。
次に、本発明の装置の一例について説明する。
図1に、試験装置の概要を示す。装置は、圧子1、内視鏡(マイクロレンズ付きCCDカメラ)2、荷重伝達型鏡筒3、荷重検出器(ロードセル)4、試料台15、照明装置17、架台(フレーム)6、圧子部を保持し、駆動させる駆動装置5を含む機械部、駆動装置用アンプ7、荷重検出器用アンプ、CCDカメラ制御器9、そして、D/A変換器10、A/D変換器11、画像変換器12、データ信号を増幅・変換して記録及び解析するデータ記録・解析装置13、表示装置14を含むデータ処理部から構成される。本発明で使用される圧子の詳細は、以下の通りである。圧子は、従来の硬さ試験で用いられてきた先端形状のもの、例えば、球状、ピラミッド型(四角錐、三角錐)、円錐型等から選択し、使用することが出来る。ただし、市販されている通常の圧子は、金属製保持治具(シャンク)の先端に固定されており、圧子の機械的作用軸上で光を透化させることは出来ないため、そのままでは、本発明の装置に使用することは出来ない。本発明の装置では、圧子の中心を通る機械的作用軸上で光を透化させることにより光学的な観察が可能となる鏡筒型の保持治具により圧子を支える。また、圧子に適当な材質としては、硬度が高く、かつ光透過性を有することが必要があり、例えば、ダイヤモンド、単結晶アルミナ酸化物(サファイア、ルビー)や、透光性アルミナ多結晶体は、これらの条件に適合する物質として好適に用いられる。
本発明で使用される荷重伝達型鏡筒の詳細は、以下の通りである。従来の硬度試験機では、圧子が取り付けられた機械的駆動軸と光学的計測軸とは分離しているが、本発明の試験装置では、機械的及び光学的機能が一体化し、かつ一軸に配置していることが特徴である。その一例として、例えば、圧子背面から圧子表面を直接観察するために、鏡筒(外径:22mm、内径:12mm)の内部にマクロ撮影用の小型CCD(ビデオ)カメラ(撮像素子:1/4インチCCD、有効画素数:27万画素、カメラ部の外径:8mm)が内蔵されているものが例示される。もちろん、内視鏡装置と鏡筒との関係は、この限りではなく、CCDカメラを鏡筒の外部に置き、プリズムや反射鏡、あるいは光ファイバーなどを用いて画像を鏡筒の外部に取り出すことも適宜可能である。これらは、圧子荷重測定用のロードセル及び駆動装置(ピエゾアクチュエーター)を介して試験機フレームに固定される。CCDカメラの光学系には、焦点位置の前後にもピントが合う領域(被写界深度)があるため、凸レンズ圧子が、試料表面と接触し、接触面積が増大して行く様子が、CCDカメラを通して、その場観察することが可能である。
本発明では、照明装置を使用することにより、圧子の接触前後で反射率を大きく変化させ、接触面を高精度に検知・計測することが可能となる。このため、照明装置は、照射角度の調整機能を備えており、レンズ側面から照明を当てるように鏡筒外部に置かれる。照射角度は、接触の有無でレンズの界面反射率の差が大きく変化するように調整される。すなわち、試料表面との接触が無い場合には、球面が空気界面に対するフレネル反射のみで照明光がCCDカメラに届かないようにし、圧子と試料表面とが接触することによって、接触面からの反射光がCCDカメラに届き、その結果として、大きくコントラストが変化する位置に、照明装置を固定する。また、照明装置は、試料表面の微細組織を観察するために使用することができる。試料表面に対する照明装置からの光軸の入射角度を適当に調節することによって、試料表面を照らし、表面の微細組織を観察することが可能となる。これにより、圧子圧入位置を制御することができる。また、本発明では、試料表面を照らす位置に、更にもう一つ別の照明装置を用意し、試料表面の観察専用に用いることも可能である。
圧子部を保持し、駆動させる機械部は、種々の構成が選択可能であるが、一例としては、例えば、負荷荷重を連続的にその場計測することが可能な荷重計測器(ロードセル)(例えば、昭和測器株式会社製、DBU−50N、定格容量=50N、直線性=0.02%)と、圧子を試料表面に連続的に押し当てる機械的変位を生じさせる駆動装置(ピエゾアクチュエーター)を直列に連結させて構成することが例示される。荷重計測器(ロードセル)は、適当なアンプ、例えば、DC式動歪み測定器(例えば、NEC三栄株式会社製、AS2103)と接続させ、荷重値を電圧変化として出力させ、これをデータ処理部で記録することにより、連続的に荷重変化を捉えることが可能となる。
本発明において、データ処理部は、CCD(ビデオ)カメラからの動画像を記録・解析する動画像解析機能と、荷重計測器からのアナログ信号処理機能の2系統から成り、これらの処理信号は、時間軸において同期させる必要がある。CCD(ビデオ)カメラの出力信号は、例えば、メディアコンバータによりデジタル信号に変換してコンピュータに取り込まれる。荷重計測器からのアナログ信号(電圧変化)は、A/D変換器を通してコンピュータ等のデータ記録装置に記録される。これらの画像と負荷荷重信号の記録を一台のコンピュータ上のソフトウェアで同時に行うことにより、それらを時間軸で同期させることが可能となる。また、本発明では、二台の別々のコンピュータ等の記録装置を用い、連続データを取り込む各々の操作過程で取り込み時間をタイムスタンプで管理することにより、別々の二台のコンピュータで行われた各々のデータ収録を時間軸で同期させることも適宜可能である。
CCD(ビデオ)カメラで撮影される映像は、デジタルカメラであれば、直接デジタル処理装置に入力され、あるいは、NTSC形式のアナログ出力の方式であれば、一般のテープ式録画装置、もしくは、アナログ・デジタル変換器(メデイアコンバーター)を通した後に、デジタル映像として録画される。また、本発明では、適当な動画像処理ソフトウェアを使用することにより、動画像を記録しながら実時間(リアルタイム)でその場寸法計測をすることが可能である。CCD(ビデオ)カメラは、例えば、NTSC形式では、最高30コマ毎秒のフレームを撮影することが可能であり、各フレームについて画像処理を施すことにより、最高毎秒30回で圧痕径を計測することが可能である。もちろん、計測間隔は、これに限定されるものでは無く、より高速度撮影が可能なカメラを用いることにより、計測時間間隔を短縮することが可能であることは言うまでも無い。更に、本発明では、適当なサンプリング間隔を毎秒30回以下に定めることにより、計測間隔を間引くことも可能である。ビデオカメラで撮影される動画像の解像度は、レンズ拡大倍率、CC素子寸法及び表示装置に依存するが、一例として、例えば、1/4インチCCD素子を用いて、17インチディスプレイで1280*1024表示させた場合には、約3ミクロン/ピクセルである。
本発明により、(1)従来法よりも高い普遍性及び測定精度を伴って、硬さやヤング率などの物性値を定量することが可能となる、(2)すなわち、圧子に負荷した荷重値と計測された圧痕寸法とを用いて試料の硬さを求めることが出来る、(3)圧子に負荷する荷重がある程度低く、荷重値と計測された圧痕寸法の関係が弾性的変形領域にある場合、それらの関係を用いてヤング率を求めることが可能となる、(4)負荷を増大させ、荷重値と計測された圧痕寸法の関係が弾塑性領域に入る場合、弾性域の限界点としての降伏応力を求めることが出来る、(5)更に、弾塑性境域における変形挙動からは加工硬化則を決定することが可能となる、(6)圧子を圧入する機構と圧痕を観察する機構とが一体化されているため、圧子が試料表面に圧入される様子を連続的にその場観察して接触面の直径を計測することが出来る、(7)更に、本発明の装置は、圧子と内視鏡及び圧子を保持する鏡筒とで構成されるため、容易に小型化することが出来る、(8)本発明では、試料表面に形成される圧痕を圧子側から観察するので、技術的困難さを伴う押し込み深さの計測が必要無くなる、(9)これらのことは、装置全体の構成を簡略化すること及び低価格化することに結び付く、という格別の効果が奏される。
次に、本発明の実施例及びその測定例を具体的に説明するが、以下の実施例は、本発明の好適な例を示すものであり、本発明は、該実施例によって何ら限定されるものではない。
本実施例では、物性が既知である試料の一例として、工業用アルミニウム(密度:2.699g/cm3 、ヤング率:70.1GPa、試験片厚さ:5.2mm)を使用し、この試料に対して圧子圧入試験を行った。圧子としては、片面凸レンズ(材質:サファイア(単結晶アルミナ)、レンズ直径:25.0mm、焦点距離:50.0mm)を用いた。片面凸レンズの球面の公称曲率半径は、40mmである。その球面側を、試料と接触する圧子として作用させ、そして、もう一方の平面側を、CCDカメラの撮影用マクロレンズと直接向き合うように鏡筒の先端部に固定した。すなわち、この実施例では、片面凸レンズの光軸とCCDカメラの光軸が一致するように互いが配置されており、この光軸と試料表面とは、垂直の関係を保ちながら接触する。そのため、CCDカメラで撮影される映像画面の中央に、接触面である円が表示される。
図2に、圧子圧入過程を、CCDビデオカメラで撮影した動画像から、2秒ごとに切り出した静止画像(スナップショット)を連続的に並べた結果を示す。図中、各静止画像の中央で明るいコントラストとして見えている円が、圧子との接触面である。この静止画像から画像処理ソフトウエア(ImageJ、米国、NIH)を用いて、各時間における接触面の直径dを計測した。この様にして実測された接触面の直径を一例として挙げれば、負荷荷重が33.5Nのときに接触面の直径dは510ミクロンであった。また、この負荷荷重時の圧子押し込み深さは1.46ミクロンと計算された。
図3に、負荷荷重値Pと接触面の直径dとの関係をプロットした結果を示す。また、上記(1)式で定義した硬さの値も、図3の第二のY軸から読み取れる。データ点は、ヘルツ理論として知られたPとdの3乗の関係(ヘルツの3乗則、上記(2)式)を表す実線と良く一致しており、これは、本発明の方法及び装置が、妥当、かつ定量性に優れることを示すと同時に、負荷が弾性領域内で行われたことを意味している。この結果を基にして、圧子力学的先端曲率半径Rを決定した。すなわち、データ点を最小二乗法で最適フィッティングし、上記(2)式の係数を求め、更に、上記式(3)に標準的測定法(超音波パルスエコー法)で計測されたアルミニウム試料の弾性特性(ヤング率:70.1GPa、ポアソン比:0.314)と、サファイア圧子の弾性特性(ヤング率:410GPa、ポアソン比:0.201)ともに代入することにより、相対ヤング率E* を求め、最終的に球形圧子の半径Rを44.45mmと定めた。この値は、公称曲率半径よりも約11%だけ大きい値である。図4に、上記(5)式に従って、平均接触応力Pm と接触面の直径dの関係をプロットした結果を示す。また、第二のY軸には、上記(1)式に従って評価される硬さもプロットした。
本実施例では、固形ソーダ石けん(シャボン玉石けん(株)、脂肪酸ナトリウム99%)を試料として試験した例を示す。ここで用いた圧子は、上述の実施例1と同一のものである。圧子圧入過程を、ビデオカメラで撮影した動画像から、2秒ごとに切り出した静止画像(スナップショット)から、画像処理ソフトウエア(ImageJ、NIH)を用いて、各時間における接触面の直径dを計測した。この様にして実測された接触面の直径を一例として挙げれば、負荷荷重が2.9Nのときに、接触面の直径dは962ミクロンであった。また、この負荷荷重時の圧子押し込み深さは5.2ミクロンと計算された。図5に、圧子の負荷荷重値と接触面の直径との関係をプロットした結果を示す。初期のデータ点は、ヘルツの3乗則(上記(2)式)を表す実線との良い一致が見られているが、負荷が約3Nを越えると、実線から逸脱する挙動を示した。これは、弾性変形から弾塑性変形へ遷移したことを意味しており、この遷移する応力が、塑性開始点(降伏点)である。
図6に、上記(5)式に従って、平均接触応力Pm と接触面の直径dの関係をプロットした結果を示す。直線関係から逸脱する点の応力値Pm 0 (=4.0 MPa)から、上記(9)式を用いて、試料の降伏応力σyが3.6MPaと求められた。また、図5において、ヘルツの3乗則に従う初期のデータ点を、最小二乗法で最適フィッティングして得られる初期勾配は、0.184(GPa)であった。この値を、上記(7)式に代入したところ、相対ヤング率E* が0.87GPaと見積もられた。この値は、圧子として用いたサファイアのヤング率よりも3桁小さいことから、圧子の弾性変形は無視できる。したがって、このE* 値0.87GPaを固形ソーダ石けん試料のヤング率と見なすことが出来る。
本実施例では、硬度試験用標準硬さ基準片を試料として試験した例を示す。ここで用いた標準硬さ基準片(山本科学工具研究社、マイクロビッカース用標準硬さ基準片HMV700、φ25mm)は、日本工業規格(JIS B 7735)に準拠して作成された工具鋼(SK5)である。ここで用いた圧子は、上述の実施例1と同一のものである。圧子圧入過程を、ビデオカメラで撮影した動画像から、2秒ごとに切り出した静止画像(スナップショット)から、画像処理ソフトウエア(ImageJ、NIH)を用いて、各時間における接触面の直径dを計測した。この様にして実測された接触面の直径を一例として挙げれば、負荷荷重が15.2Nのときに、接触面の直径dは337ミクロンであった。また、この負荷荷重時の圧子押し込み深さは0.6ミクロンと計算された。図7に、圧子の負荷荷重値と接触面の直径との関係をプロットした結果を示す。データ点は、ヘルツ理論の上記(2)式を表す実線と良く一致しており、これは、負荷が弾性領域内で行われたことを意味している。図8に、上記(5)式に従って、図6の平均接触応力Pm と接触面の直径dの関係を再プロットした結果を示す。データ点を、最小二乗法で最適フィッティングして得られる初期勾配は、29.28(GPa)であった。この値を、上記(7)式に代入したところ、相対ヤング率E* が138GPaと見積もられた。圧子として用いたサファイアのポアソン比を0.20、試料のポアソン比を0.3とすると、上記(8)式から、ヤング率は185GPaと算出された。
本実施例では、石英ガラス(シグマ光機、光学実験用平行平面基板、φ30mm−t3mm)を試料として試験した例を示す。ここで用いた圧子は、上述の実施例1と同一のものである。圧子圧入過程を、ビデオカメラで撮影した動画像から、2秒ごとに切り出した静止画像(スナップショット)から、画像処理ソフトウエア(ImageJ、NIH)を用いて、各時間における接触面の直径dを計測した。この様にして実測された接触面の直径を一例として挙げれば、負荷荷重が11.8Nのときに、接触面の直径dは397ミクロンであった。また、この負荷荷重時の圧子押し込み深さは、0.9ミクロンと計算された。図9に、圧子の負荷荷重値と接触面の直径との関係をプロットした結果を示す。データ点は、ヘルツ理論の上記(2)式を表す実線と良く一致しており、これは、負荷が弾性領域内で行われたことを意味している。図10に、上記(5)式に従って、図6の平均接触応力Pmと接触面の直径dの関係を再プロットした結果を示す。データ点を、最小二乗法で最適フィッティングして得られる初期勾配は、14.74(GPa)であった。この値を、上記(7)式に代入したところ、相対ヤング率E* が69.5GPaと見積もられた。圧子として用いたサファイアのポアソン比を0.20、石英ガラス試料のポアソン比を0.17とすると、上記(8)式から、ヤング率は80.5GPaと算出された。
本実施例では、単結晶シリコン((株)ジェムコ、平行平面基板、ヤング率:105GPa)を試料として試験した例を示す。ここで用いた圧子は、上述の実施例1と同一のものである。圧子圧入過程を、ビデオカメラで撮影した動画像から、2秒ごとに切り出した静止画像(スナップショット)から、画像処理ソフトウエア(ImageJ、NIH)を用いて、各時間における接触面の直径dを計測した。この様にして実測された接触面の直径を一例として挙げれば、負荷荷重が8.5Nのときに、接触面の直径dは305ミクロンであった。また、この負荷荷重時の圧子押し込み深さは、0.5ミクロンと計算された。図11に、圧子の負荷荷重値と接触面の直径との関係をプロットした結果を示す。データ点は、ヘルツ理論の上記(2)式を表す実線と良く一致しており、これは、負荷が弾性領域内で行われたことを意味している。図12に、上記(5)式に従って、図6の平均接触応力Pm と接触面の直径dの関係を再プロットした結果を示す。データ点を、最小二乗法で最適フィッティングして得られる初期勾配は、19.50(GPa)であった。この値を、上記(7)式に代入したところ、相対ヤング率E* が91.9GPaと見積もられた。圧子として用いたサファイアのポアソン比を0.20、試料のポアソン比を0.30とすると、上記(8)式から、ヤング率は107GPaと算出された。
以上の5種類の材料に対して実施した測定結果を纏めて、図13に示す。図13は、縦軸を、本発明の方法によって計測されたヤング率、横軸を、他の標準的試験方法で求められたヤング率とし、上述した実施例の結果をプロットしたものである。不透明な金属から透明なガラスまで、そして、ヤング率を大きく異にする幅広い材質にわたり、各点は、傾きが1である実線上にあることから、本発明の計測方法は、汎用性が高いものであることが認められた。
本発明によれば、従来法よりも高い普遍性及び測定精度を伴って、硬さやヤング率などの物性値を定量することが可能となる。すなわち、圧子に負荷した荷重値と計測された圧痕寸法とを用いて試料の硬さを求めることが出来る。圧子に負荷する荷重がある程度低く、荷重値と計測された圧痕寸法の関係が弾性的変形領域にある場合、それらの関係を用いてヤング率を求めることが可能となる。負荷を増大させ、荷重値と計測された圧痕寸法の関係が弾塑性領域に入る場合、弾性域の限界点としての降伏応力を求めることが出来る。更に、弾塑性境域における変形挙動からは加工硬化則を決定することが可能となる。圧子を圧入する機構と圧痕を観察する機構とが一体化されているため、圧子が試料表面に圧入される様子を連続的にその場観察して接触面の直径を計測することが出来る。更に、本発明の装置は、圧子と内視鏡及び圧子を保持する鏡筒とで構成されるため、容易に小型化することが出来る。試料表面に形成される圧痕を圧子側から観察するので、技術的困難さを伴う押し込み深さの計測が必要無くなる。このことは、装置全体の構成を簡略化すること及び低価格化することを実現するものである。
装置の構成図の一例を示す。 球形圧子を試料のアルミニウムに圧入した際に観察される接触円を2秒間隔で撮影した画像を順に並べた図を示す。 アルミニウムの場合の接触円直径と負荷荷重との関係を示す。 アルミニウムの場合の相対接触円直径と平均接触圧力の関係及び相対接触円直径と硬さの関係を示す。 固形ソーダ石けんの場合の圧子の負荷荷重と接触円直径の関係を示す。 固形ソーダ石けんの場合の相対接触円直径と平均接触圧力の関係及び相対接触円直径と硬さの関係を示す。 工具鋼(標準硬さ基準片(HMV700))の場合の圧子の負荷荷重と接触円直径の関係を示す。 工具鋼(標準硬さ基準片(HMV700))の場合の相対接触円直径と平均接触圧力の関係及び相対接触円直径と硬さの関係を示す。 石英ガラスの場合の負荷荷重と接触円直径の関係を示す。 石英ガラスの場合の相対接触円直径と平均接触圧力の関係及び相対接触円直径と硬さの関係を示す。 金属シリコン単結晶の場合の圧子の負荷荷重と接触円直径の関係を示す。 金属シリコン単結晶の場合の相対接触円直径と平均接触圧力の関係及び相対接触円直径と硬さの関係を示す。 本発明の試験方法で評価されたヤング率と別の標準的試験方法で評価されたヤング率との比較を示す。
符号の説明
1 圧子
2 内視鏡装置(CCDカメラ)
3 荷重伝達型鏡筒(内部に内視鏡装置(CCDカメラ)を内蔵)
4 荷重検出器(ロードセル)
5 駆動装置(モーションデバイス(ピエゾアクチュエーター))
6 架台(フレーム)
7 駆動装置(ピエゾアクチュエーター)用アンプ
8 荷重検出器(ロードセル)用アンプ
9 CCDカメラ制御器
10 D/A変換器(デジタル・アナログ信号コンバーター)
11 A/D変換器(アナログ・デジタル信号コンバーター)
12 画像変換器(アナログ・デジタルビデオ信号コンバーター)
13 データ記録・解析装置(コンピューター)
14 表示装置(ディスプレイ)
15 XYZ−試料台
16 試料
17 照明装置

Claims (10)

  1. 圧子を被検試料の表面に所定の荷重で押し当てることにより試料表面に生じる窪みを光学的にその場観察し、圧子と試料表面との接触面の直径、半径、及び/又は面積を計測し、その計測値と圧子を試料表面に押し当てる荷重との関係から試料の物性値を計測することを特徴とする試料の力学特性計測方法。
  2. 圧子を通して圧子表面を観察することが可能な光学的手段を使用し、圧子を被検試料の表面に所定の荷重で押し当てることにより試料表面に生じる窪みを圧子後方に配置した上記光学的手段により光学的にその場観察することを特徴とする請求項1に記載の計測方法。
  3. 試料表面に生じる窪みを圧子後方に配置した内視鏡により光学的にその場観察し、試料の硬さを計測することを特徴とする請求項1に記載の計測方法。
  4. 圧子圧入過程で試料表面に生じる窪みの光学的なその場観察を連続的に行うことを特徴とする請求項2又は3に記載の計測方法。
  5. 圧子を試料表面に押し当てる過程において、試料表面に生じる窪みの表面上での圧痕径を圧子後方に配置した内視鏡により光学的にその場観察し、計測される圧痕径と圧子圧入荷重との関係から試料の機械的特性を計測することを特徴とする請求項1に記載の計測方法。
  6. 圧子を試料表面に押し当てる荷重を連続的に増加させる過程において、試料表面に生じる窪みの表面上での圧痕径を圧子後方に配置した内視鏡により光学的にその場計測を連続的に行うことにより計測される圧痕径と圧子圧入荷重との関係から試料のヤング率、降伏応力、又は加工硬化則の機械的特性を計測することを特徴とする請求項5に記載の方法。
  7. 請求項1から6のいずれかに記載の方法に使用するための装置であって、
    被検試料の表面に押し当てるための圧子、該圧子の中心を通る機械的作用軸上で光を透化させることにより圧子を通して圧子表面を観察する光学的手段、圧子を試料表面と接触させるための駆動手段、試料表面における圧子の接触面の画像を撮影する画像撮影手段、画像を記録・解析する記録・解析手段を構成要素として含み、圧子が試料表面に圧入されていく過程で材料表面に形成される接触面を光学的にその場観察し、その画像を記録・解析する機能を有することを特徴とする力学特性計測試験装置。
  8. 機械的接触圧子を通して圧子表面を連続的に観察する光学的機構を具備し、試料表面上の圧入すべき位置決めを画像観察によって可能とすると同時に、圧子が試料表面に圧入されていく過程で材料表面に生じる圧痕をその場観察するようにしたことを特徴とする請求項7に記載の試験装置。
  9. 圧子の接触前後で反射率を大きく変化させ、接触面を高精度に検知・計測することを可能にするための照明装置を有することを特徴とする請求項8に記載の装置。
  10. 圧子圧入の負荷荷重の変化と圧痕が形成される過程の動画像を同時に1つの画面で表示するための表示装置を有することを特徴とする請求項9に記載の試験装置。


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