JP2005195327A - ガス分析計の試料前処理装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】安全ポットにおいてドレンが飛沫として逆流する現象を防止し、以て、信頼性を高めたガス分析計の試料前処理装置を提供する。
【解決手段】安全ポット1の下部配管口13を横向きに設け、これに接続されるドレン排出流路が下部配管口13の直近において横向きから下向きに屈曲し、または、下部配管口13自体が横向きから下向きに屈曲するように構成した。これにより、水封が破られて空気が吸入される際に屈曲する流路で空気の勢いが弱められて安全ポットに進入することになり、気泡によるドレン飛沫の跳ね上げ量が減少し、しかも跳ね上げ方向も上部配管口12からそれるので、上部配管口12から飛び出す飛沫の量が減少し、逆流防止効果が向上する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、煙道ガス等を分析するためのガス分析計の試料前処理装置に関する。
煙道等から採取される燃焼排ガスは高温であり且つ多量の水分やダストを含むので、これを分析するには冷却、除塵、除湿等の試料前処理が必要となる。
図3は、そのような試料前処理のための装置構成の一例を示す流路図である。
同図において、試料ガスは図の左側から導入ライン5に沿って導入され、まずドレンセパレータ2においてミスト状水分とダストが分離され、次にクーラ3で冷却され、凝縮により発生したドレンは下方に落ち、常温となったクリーンなガス成分のみがポンプ7によってガス分析計8に送られ分析される。ドレンセパレータ2およびクーラ3で分離された水分はドレン排出流路6a、6b、6cを通って流下し、下方のドレンポット4に溜まる。ドレンポット4内のドレン水位が上昇して排出口4aを越えるとオーバフローして流出するので、ドレンポット4内には常に一定量のドレンが溜まっている。ドレン排出流路6b、6cの下端はこのドレンに浸され水封されているので、導入ライン5をはじめこの試料前処理装置の内部は大気から遮断された状態が保たれる。
クーラ3よりも上流側で何らかの原因で流路が閉塞された場合にポンプ7が作動し続けると、この試料前処理装置の内部は負圧となり、ドレンポット4内のドレンが吸い上げられ、ポンプ7を通ってその下流側のガス分析計8にまで水が流入する恐れがある。このような事態を防止するために安全ポット1が設けられている。安全ポット1の容量はドレンポット4に溜まるドレン量よりも大きく設定されているので、たとえドレンポット4内のドレンの全量が吸い上げられても安全ポット1が満杯になることはなく、水封が破られた後は排出口4aから大気が吸い込まれるので、ドレン水位が安全ポット1を越えて上昇することはない。即ち、安全ポット1はドレンの逆流防止の役割を担うものである。
図4は、従来の安全ポット1の構造の一例を縦断面図で示したものである。
同図に示すように、従来の安全ポット1は、所定の内容積を持つ胴部11の頂部に突出する上部配管口12と底部に突出する下部配管口13とを有し、これらが一直線上に位置するように軸対称形に構成されていた。
なお、ここでは配管口とは先端の開口部のみでなく、胴部11から突出する管部を含めた呼称とする。
上述したように、従来の安全ポット1は構造、原理共に極めて簡単なものであるが、実際の試料処理における複雑なプロセスにおいては種々の問題が発生する。その一つは、図3の構成において、上流側の流路が不完全に閉塞されたため装置内の負圧が徐々に上昇する場合に発生する問題である。即ち、負圧が徐々に上昇し水封が未だ破られない状態が長く続くと、クーラ3で発生したドレンが、下から上昇して来るドレンと拮抗して安全ポット1から下へ落ちることができず、安全ポット1内に多量のドレンが溜まり、さらに負圧が上昇したとき水封が破られるより先にドレンがクーラ3に逆流し、さらに後段のガス分析計8に流入することがある。
このような事態を防ぐために、安全ポット1からドレンを下方のドレンポット4に流下させるドレン排出流路6bとは別に、ドレンポット4からドレンを吸い上げ水封を破るための流路をもう1本設けるように工夫した例もある(例えば、特許文献1参照)。
特開平10−43501号公報
従来の安全ポット1に関しては上記の他にも問題が起こり得る。即ち、負圧が発生して水封が破られたとき、ドレン排出流路6bを通して空気が安全ポット1内に吸入され、それより先に安全ポット1内に吸い上げられていたドレンの中を気泡となって上昇し、ドレン水面で激しく飛沫を跳ね上げる。空気が進入するドレン排出流路6b、下部配管口13および上部配管口12が鉛直方向に一直線上にあるので、気泡は上昇する勢いを弱めることなく水面を跳ね上げ、これにより発生する飛沫は直線的に上部配管口12から飛び出しクーラ3に進入する確率が高い。進入した飛沫はクーラ3の性能低下を引き起こし、またポンプ7、その他の部品、および後段のガス分析計8に流入し、分析に支障をきたす結果となる。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、上記のような安全ポットにおいてドレンが飛沫として逆流する現象を防止し、以て、信頼性を高めたガス分析計の試料前処理装置を提供することを目的とする。
本発明は、上記課題を解決するために、安全ポットの下部配管口を横向きに設け、これに接続されるドレン排出流路が下部配管口の直近において横向きから下向きに屈曲し、または、下部配管口自体が横向きから下向きに屈曲するように構成した。
このように構成したことにより、水封が破られて空気が吸入される際に、屈曲する流路で空気の勢いが弱められて安全ポットに進入することになり、また、屈曲する部分で気泡がつぶれて細分化されるという効果も加わって、気泡によるドレン飛沫の跳ね上げ量が減少し、しかも跳ね上げ方向も上部配管口からそれるので、上部配管口から飛び出す飛沫の量が減少する。
本発明によれば、負圧により水封が破られたときに吸入される空気流に伴ってドレン飛沫がクーラに逆流し、さらにガス分析計にまで流入して分析に支障をきたすような事態が防止できるので、信頼性の高いガス分析計の試料前処理装置を提供することができる。
図1は、本発明になる試料前処理装置で用いられる安全ポット1の形状を示す縦断面図である。本品を用いる試料前処理装置の全体構成は図3と同様である。
本品は、図1に示すように、所定の内容積を持つ胴部11の頂部に上部配管口12、底部に下部配管口13を備えており、通常はプラスチックを用いて構成される。上向きに突出する上部配管口12は、これに軟質チューブを差し込んで配管し、図3に示すクーラ3に接続される。底部側面から横向きに突出し下向きに屈曲する下部配管口13は、同様に軟質チューブにより図3に示すドレンポット4に接続される。また、この安全ポット1の底面14は下部配管口13に向けて下方に傾斜するように構成される。
上記のように構成された安全ポット1を用いた本発明になる試料前処理装置の動作を、図1、図3を併せて参照しながら以下に説明する。
正常に試料前処理が行われている状態では、クーラ3で凝縮発生するドレンが上部配管口12から流入し、底面14の傾斜を流下して下部配管口13から流出し、ドレンポット4に流れ落ちる。底面14が傾斜しているために、この状態では安全ポット1内にドレンが溜まることはない。
異常事態として負圧が発生すると、ドレンポット4内のドレンが安全ポット1に吸い上げられるが、胴部11の内容積は従来と同じくドレンポット4に溜まるドレン量よりも大きく設定されているので、ドレン水位が上部配管口12まで達してクーラ3に逆流することはない。
さらに負圧が上昇して水封が破られると、空気が吸入される。吸入された空気は屈曲した下部配管口13を通って胴部11に進入する際に、屈曲部で勢力を弱められるとともに、横方向から進入することにより、ドレン飛沫の跳ね上げ方向が上部配管口12からそれて斜めに傾くので、上部配管口12から飛び出す飛沫の量が減少する。
なお、本文中の上向き、下向き、横向き、或いは上方、下方などの方向を示す用語は、全て本発明に関わる試料前処理装置または安全ポットを正常に使用できるように設置した状態での方向を表すものとする。
図2は本発明の他の実施例における安全ポット1の形状を示す縦断面図を示す。同図においては、図1と同一機能のものには同符号を付してあるので、再度の説明を省く。
図2に示す安全ポット1を図1のものと比較すると、下部配管口13は屈曲せずに横方向に突出しており、これに差し込まれた軟質チューブから成るドレン排出流路6bが下部配管口13の直近において下向きに屈曲している。
このように構成すると、作用効果は図1のものと同等でありながら、下部配管口13の形状が簡単であるから製作コストが安くなるという利点が生じる。
なお、これ以外にも特許請求範囲に記載する範囲内で多様な変形が可能である。
本発明の一実施形態を示す図である。 本発明の他の実施形態を示す図である。 従来のガス分析計の試料前処理装置の構成例を示す図である。 従来の安全ポットの形状を示す図である。
符号の説明
1 安全ポット
2 ドレンセパレータ
3 クーラ
4 ドレンポット
4a 排出口
5 導入ライン
6a、6b、6c ドレン排出流路
7 ポンプ
8 ガス分析計
11 胴部
12 上部配管口
13 下部配管口
14 底面

Claims (2)

  1. 測定ガスを分析計に導く導入ラインに設けられたクーラで分離されたドレンを該クーラから下方に向かうドレン排出流路を通してドレンポットに排出するように構成されたガス分析計の試料前処理装置であって、前記ドレン排出流路の中間にドレンの逆流を防ぐ安全ポットを配置したものにおいて、該安全ポットは頂部に前記クーラに接続される上向きの上部配管口と底部に前記ドレンポットに接続される横向きの下部配管口とを有すると共に、前記下部配管口またはその直近の前記ドレン排出流路が横向きから下向きに屈曲するように構成されていることを特徴とするガス分析計の試料前処理装置。
  2. 前記安全ポットの底部が前記下部配管口に向けて下方に傾斜するように構成されていることを特徴とする請求項1に記載するガス分析計の試料前処理装置。
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