JP2005194373A - 酸素吸収性樹脂組成物ならびにこれを用いた酸素吸収性容器キャップおよび酸素吸収性容器栓部 - Google Patents

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Abstract

【課題】 酸素吸収性に優れ、密封後の容器内に残存する酸素を吸収し、内容物の保存性が良好であるとともに、酸素吸収性は高いがベース樹脂との相溶性が低い酸素吸収剤の場合に問題となる、酸素吸収剤含有樹脂の成形性、酸素吸収剤の分散性、酸素吸収性能の安定性、ベース樹脂からの酸素吸収剤の剥離や分離、シール部の剛性低下などを改良した酸素吸収性樹脂組成物ならびにこれを用いた酸素吸収性容器キャップおよび酸素吸収性容器栓部を提供する。
【解決手段】 容器内部側に酸素吸収剤含有樹脂層6を有する容器キャップであって、該酸素吸収剤含有樹脂層6が、1000ミクロン以下の粒度分を20%以上含む酸素吸収剤をベース樹脂に対して20%以下の割合で分散配合してなる。
【選択図】 図1

Description

この発明は、酸素吸収性樹脂組成物ならびにこれを用いた酸素吸収性容器キャップおよび酸素吸収性容器栓部に関するものである。
ペットボトル、ガラスびん、パウチなどの包装容器は、密封後の容器内に、内容物の充填されていない空間、いわゆるヘッドスペースがあり、このヘッドスペース内の酸素が内容物を酸化劣化するため、長期保存性が不充分であった。この欠点を補うものとして、下記特許文献1、特許文献2および特許文献3に示すような容器キャップが提案されている。
下記特許文献1には、酸素吸収剤を含有させた容器クロージャーが記載されている。また、下記特許文献2には、酸素吸収剤ではないが、エチレン−ビニルアルコール重合体を含有させ、酸素透過率を低下させた容器キャップが記載されている。また、下記特許文献3には、酸素吸収剤とエチレン−ビニルアルコールポリマーなどを含有させ、さらに、酸素吸収剤含有樹脂層の表面に微小凹凸を形成した容器キャップが記載されている。
特開平1−315438号公報 特開平2−225568号公報 特開平4−327149号公報
しかしながら、これら従来の容器キャップは、酸素吸収性がまだ満足のいくものではなかった。
一方、本発明者らは、酸素吸収性は高いがベース樹脂との相溶性が低い酸素吸収剤の適用について検討したが、そのような酸素吸収剤を含有させた樹脂は、樹脂の流れが悪く成形が困難であり、また、酸素吸収剤の分散が悪く、製品によってばらつきがあり、安定した酸素吸収性能が得られなかった。また、酸素吸収剤の性能から予想される高い酸素吸収性能も得られなかった。また、容器キャップのキャップシェルの内側に設けられ、容器口部に当接して密閉するシール部である、例えば、ライナーやパッキンには、シールによる物理的ストレスや熱的ストレスがかかるが、ベース樹脂との相溶性が低い酸素吸収剤の場合、これらのストレスによりベース樹脂からの酸素吸収剤の剥離や分離が起こりやすい。また、容器キャップのシール性はライナーやパッキンの密着によって保たれているが、酸素吸収剤によっては多量に含有させると、ライナーやパッキンの剛性が上がって、シール性が低下した。
この発明は、上記従来の問題を解決し、酸素吸収性に優れ、密封後の容器内に残存する酸素を吸収し、内容物の保存性が良好であるとともに、酸素吸収性は高いがベース樹脂との相溶性が低い酸素吸収剤の場合に問題となる、酸素吸収剤含有樹脂の成形性、酸素吸収剤の分散性、酸素吸収性能の安定性、ベース樹脂からの酸素吸収剤の剥離や分離、シール部の剛性低下などを改良した酸素吸収性樹脂組成物ならびにこれを用いた酸素吸収性容器キャップおよび酸素吸収性容器栓部を提供するものである。
この発明では、酸素吸収剤の粒度を特定のものとし、そのような酸素吸収剤の特定量を分散して成形することにより、酸素吸収剤含有樹脂の成形性、酸素吸収剤の分散性、酸素吸収性能の安定性、酸素吸収剤の剥離、容器口部に当接して密閉するシール部の剛性低下などの問題が解決できる。
かくして、この発明は、1000μm以下の粒度分を20%以上含む酸素吸収剤をベース樹脂に対して20%以下の割合で分散配合してなることを特徴とする酸素吸収性樹脂組成物を提供する(請求項1)。この発明の酸素吸収性樹脂組成物は、包装容器の構成部材全般の材料として使用できる。
また、この発明は別の観点から、容器内部側に酸素吸収剤含有樹脂層を有する容器キャップであって、該酸素吸収剤含有樹脂層が、1000ミクロン以下の粒度分を20%以上含む酸素吸収剤をベース樹脂に対して20%以下の割合で分散配合してなることを特徴とする酸素吸収性容器キャップを提供する(請求項2)。
この場合例えば、前記酸素吸収剤含有樹脂層がキャップシェルと一体に形成されたもの(請求項3)とすることができる。すなわち、前記酸素吸収剤含有樹脂層は、インシェルモールド成形や多層成形等により、キャップシェルの内側の全面またはその一部にキャップシェルと一体に形成されたものとすることができる。
また、キャップシェルの内側の容器口部に当接して密閉するシール部が酸素吸収剤含有樹脂層を有する酸素吸収性容器キャップ(請求項4)とすることができる。
また、前記シール部がキャップシェルと一体に構成されていてもよく(請求項5)、前記シール部がキャップシェルと別体の中栓として構成されていてもよい(請求項6)。
すなわち、前記シール部は、インシェルモールド成形や多層成形等により、キャップシェルと一体に成形されて構成されているライナーやパッキン等とすることができ、また、射出成形や圧縮成形等により別に成形したパッキン等のシール部をキャップシェルに融着や接着により密着して一体に構成されているものとすることができる。また、前記シール部は、射出成形や圧縮成形等により別に成形したパッキン等の中栓をキャップシェルに密着はしないが分離しないように組み合わせて構成されているものとすることができる。
また、キャップ全体が酸素吸収剤含有樹脂からなる酸素吸収性容器キャップ(請求項7)とすることができる。
また、前記酸素吸収剤含有樹脂層が、酸素吸収剤含有樹脂フィルムから形成されているか、または、酸素吸収剤含有樹脂フィルムと基材フィルムとからなる多層フィルムを貼り合わせて形成されている酸素吸収性容器キャップ(請求項8)とすることができる。
また、この発明はさらに別の観点から、容器内部側に酸素吸収剤含有樹脂層を有する酸素吸収性容器栓部であって、該酸素吸収剤含有樹脂層が、1000ミクロン以下の粒度分を20%以上含む酸素吸収剤をベース樹脂に対して20%以下の割合で分散配合してなることを特徴とする酸素吸収性容器栓部を提供する(請求項9)。
この発明の酸素吸収性樹脂組成物は、1000μm以下の粒度分を20%以上含む酸素吸収剤をベース樹脂に対して20%以下の割合で分散配合してなる。また、この発明の容器内部側に酸素吸収剤含有樹脂層を有する容器キャップや、容器内部側に酸素吸収剤含有樹脂層を有する酸素吸収性容器栓部は、酸素吸収剤含有樹脂層が、1000ミクロン以下の粒度分を20%以上含む酸素吸収剤をベース樹脂に対して20%以下の割合で分散配合してなる。このように、酸素吸収剤の粒度を特定のものとし、そのような酸素吸収剤の特定量を分散して成形することにより、酸素吸収剤含有樹脂の成形性が良好であり、また、酸素吸収剤の分散性が良く、製品によってばらつきがでることなく、安定した酸素吸収性能が得られ、また、ベース樹脂からの酸素吸収剤の剥離や分離が起こりにくい。そのため、この発明では、酸素吸収性能に優れ、密封後の容器内に残存する酸素をすみやかに吸収し、内容物の保存性が良好である酸素吸収性樹脂組成物ならびにこれを用いた酸素吸収性容器キャップおよび酸素吸収性容器栓部を得ることができる。
この発明においては、前記シール部は、その全体が酸素吸収剤含有樹脂からなっていてもよいし、酸素吸収剤含有樹脂層以外の部分は酸素吸収剤含有樹脂層を構成する素材とは異なる素材からなっていてもよい。
また、前記シール部は、キャップシェルに樹脂を圧縮成形や射出成形により一体に成形することにより設けることができる。また、前記シール部をキャップシェルとは独立に圧縮成形や射出成形により成形したのち、前記シール部とキャップシェルを一体化して組み立てることができる。この場合、前記シール部はキャップシェルに密着したものにでき、また、密着してはいないが組み合わされて分離しないものにできる。
この発明において、キャップシェルを構成する素材としては、従来キャップに用いられている素材を使用することができる。例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−ポリプロピレン共重合体、ポリブテン−1、エチレン−ブテン−1共重合体、プロピレン−ブテン−1共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体等のオレフィン系樹脂や、ポリスチレン、スチレン−ブタジエン共重合体、ABS樹脂、PC樹脂等の合成樹脂や、アルミニウム等の軽金属、リン酸処理あるいはクロム酸処理等の表面処理鋼板等のシート状、あるいは箔状の金属素材を挙げることができる。
この発明におけるキャップシェルの形状としては、王冠、ピルファープルーフキャップ、タブ付きスコア破断型イージーオープンキャップ、プレスクリューキャップ、ラグキャップ等、任意の容器蓋形状のものを、従来公知の製法により作成し、使用することができる。
この発明において、酸素吸収剤含有樹脂層は、1000ミクロン以下の粒度分を20%以上含む酸素吸収剤をベース樹脂に対して20%以下の割合で分散配合してなる。前記酸素吸収剤は、好ましくは、1000ミクロン以下の粒度分を30%以上、さらに好ましくは50%以上含む。1000ミクロン以下の粒度分が20%を下回ると、つまり、酸素吸収剤の粒度が小さいものの割合が少なくなり、酸素吸収剤の粒度が大きいものの割合が多くなると、すなわち、1000ミクロンより大きな粒度分を持つ酸素吸収剤の割合が多くなると、酸素吸収剤含有樹脂の成形性が悪化し、また、酸素吸収剤の分散性が悪く、製品によってばらつきがでて、安定した酸素吸収性能が得られにくくなり、また、酸素吸収剤の全体の表面積が小さくなることから酸素吸収性能が高くならず、また、ベース樹脂からの酸素吸収剤の剥離や分離が起こりやすくなり、好ましくない。
また、酸素吸収剤の含有量がベース樹脂に対して20%を越えると、シール部の剛性が上がって、シール性が低下し、好ましくない。
この発明において、酸素吸収剤含有樹脂層に含有させる酸素吸収剤としては、従来この種の用途に使用されている酸素吸収剤を使用できる。還元性を有する化合物としては、例えば、塩類として、亜硫酸ナトリウム、亜硫酸カリウム、アスコルビン酸塩、例えばL−アスコルビン酸ナトリウム等が挙げられる。酸として、アスコルビン酸、L−アスコルビン酸、エルソルビン酸、ヒドロキシルカルボン酸等が挙げられる。金属系としては、還元性を有する金属粉として、還元性鉄、還元性錫粉、還元性亜鉛、酸化物として、酸化第一鉄、四三酸化鉄等、金属化合物として、炭化鉄、ケイ素鉄、カルボニル鉄、水酸化鉄等が挙げられる。また、多価のフェノールを有する高分子化合物も用いることができる。
そして、前記酸素吸収剤含有樹脂層には、前記酸素吸収剤に加え、吸水性材料を含有させることができる。この吸水性材料としては、シリカゲル;また、炭酸カルシウム、塩化カルシウム、硫酸ナトリウムなどの無機塩;また、グリセリン系脂肪酸エステル、ポリグリセリン系脂肪酸エステル、ソルビタン系脂肪酸エステル、プロピレングリコール系脂肪酸エステル、高級アルコール系脂肪酸エステルなどの脂肪酸エステルが挙げられ、また、水酸基、アミノ基、カルボン酸基、エステル基などの親水性基を有する親水性重合体が挙げられる。また、吸水性剤の含有量は、ベース樹脂に対して20%以下が好ましい。吸水性剤の含有量がベース樹脂に対して20%を越えると、成形性が悪化し、成形品の機械特性が低下して好ましくない。
この発明において、酸素吸収剤を含有する酸素吸収剤含有樹脂層を形成するベース樹脂としては、射出成形、圧縮成形またはインシェルモールド成形が可能で、軟質性、クッション性を有する軟質樹脂であれば、従来公知の熱可塑性樹脂を使用することができる。例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、プロピレン−エチレン共重合体、ポリブテン−1、エチレン−ブテン−1共重合体、プロピレン−ブテン−1共重合体、エチレン−ビニルアルコール共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、イオン架橋オレフィン系共重合体(アイオノマー)などのオレフィン系樹脂;また、エチレン−プロピレン−ジエン共重合体、水素化エチレン−プロピレン−ジエン共重合体等のオレフィン系エラストマー;また、SBSエラストマー、SBRなどが挙げられ、これらの一種または二種類以上を組み合わせて使用することができる。
以下、この発明の実施形態を、図を参照しながら説明する。なお、それによってこの発明は限定されるものではない。
図1は、この発明の一実施形態を示す。
図1において、酸素吸収性容器キャップ(以下、キャップという)1は、ピルファープルーフキャップであり、図1に示すように、合成樹脂製のキャップシェル2と、このキャップシェル2の内側に設けられ、容器3の口部4に当接してこれを密閉する、キャップシェル2とは独立に成形された中栓であるシール部5とを備えている。キャップシェル2は、平面視円形状のシェル天板2aと、このシェル天板2aの周縁から垂下されたスカート壁2bと、このスカート壁2bの下端に複数のブリッジ2cを介して連結されたタンパーエビデンスバンド(以下、TEバンドという)2dと、このTEバンド2dの下端から内方上向きに連設された係止部材2eとを備え、スカート壁2bの内面部には、容器3の口部4の外周面に形成された容器ねじ部4aに螺着されるキャップねじ部2fが形成されている。前記ブリッジ2cは、例えば次のようにして形成されている。すなわち、射出成形等によってキャップシェル2を成形する際に、スカート壁2bとTEバンド2dとの間にわたって内面部側に、複数の連結片(図示していない)を周方向に所定間隔おきに形成しておき、この連結片に対応する部位の外面部に、連結片の一部を残して全周にわたるスリットaをカッター等により形成し、この一部を残した連結片によってブリッジ2cを形成している。前記係止部材2eは、開栓時において、容器3の口部4の容器ねじ部4aよりも下部側に形成された環状突起(ビード)4bにその上端が係止するもので、上端側が拡径方向に弾性変形可能となっており、閉栓時には拡径方向に弾性変形して環状突起4bを乗り越え、その後、環状突起4bの下方に係止可能な姿勢に弾性復帰するように構成されている。
前記シール部5は、キャップシェル2と別体に形成された中栓として構成されたパッキンよりなり、このシール部5は、容器3の口部4の上端面に外周縁が当接する天板5aと、この天板5aの周縁部に垂下連設され、閉栓時に容器3の口部4内に密封可能に嵌入される中足5bとからなる。そして、前記天板5aの外周端部には、下方へ湾曲し、容器3の口部4の外周面に密接可能なトップサイドシール部分5cが形成され、天板5aの上面における中足5bの付け根の外周部に相当する位置には、天板5aの外周縁に沿った環状凹入部5dが形成されている。また、中足5bの上下方向における中間部の外周には、外方に膨出した膨出部分5eが形成されている。さらに、天板5aの下面側(容器口部4側)における中足5bよりも内側の部分には、底面視ほぼ円形状の酸素吸収剤含有樹脂層6が設けられている。この酸素吸収剤含有樹脂層6は、格子状に凸部および/または凹部が設けられた形状をしており、この実施例では、図2に示すように、格子状に凸部6aが設けられているとともに、凸部6aの間に複数の凹部6bが設けられている。また、各凹部6bは底面視矩形状または正方形状となっている。但し、酸素吸収剤含有樹脂層6における周縁部分に形成された各凹部6bは、底面視がほぼ台形状または三角形状となっている。なお、前記凹部6bの形状を、例えば、図3に示すように、底面視菱形形状または平行四辺形形状などとしてもよい。酸素吸収剤含有樹脂層6の形状は上記以外の任意の形状を適宜採用できる。また、中足5bが酸素吸収剤含有樹脂層を有していてもよい。
前記酸素吸収剤含有樹脂層6は、例えばポリエチレンなどのベース樹脂100部に対して20%以下の割合で酸素吸収剤として1000μm以下の粒度分が20%の亜硫酸ナトリウム(例えば2.5部)と、吸水性材料としてグリセリンエステル(例えば5.0部)とを分散配合してある。好ましくは、前記酸素吸収剤含有樹脂層6は、ベース樹脂100部に対して20%以下の割合で酸素吸収剤として1000μm以下の粒度分が50%の亜硫酸ナトリウム(例えば5.0部)と、吸水性材料としてグリセリンエステル(例えば2.5部)とを分散配合してある。
上記の構成からなるキャップ1では、容器口部4に密嵌されるシール部5は、開栓に伴って、天板5aのトップサイドシール部分5cがキャップシェル2のキャップねじ部2fの上端によって持ち上げられて、中足5bが容器口部4から抜け出すのであって、中足5bを有するシール部5の持ち上げの開始がブリッジ2cの切断後になされるように、係止部材2eおよび/またはキャップねじ部2fの上端の位置を設定している。
すなわち、開栓に際して、キャップ1を開栓方向に回転させると、まず、係止部材2eが容器口部4の環状突起4bに当接して、ブリッジ2cが切断され、その切断後に、シール部5の天板5aのトップサイドシール部分5cひいてはシール部5全体がキャップねじ部2fによって持ち上げられ、さらなるシール部5の持ち上げに伴って、シール部5の中足5bの膨出部分5eが容器口部4から抜けて、ここで初めてシール部5による容器3の気密が解除されるように構成されている。従って、ブリッジ2cが切断された後にシール部5が持ち上がっても、中足5bの膨出部分5eによる容器3の気密が解除される長さ分の距離だけシール部5が持ち上がらない限りは、容器3の気密漏れが生じない。
また、シール部5の中足5bの摩擦効果に基づくシール部5およびキャップシェル2の共回り防止の効果により、ブリッジ2cの切断(破断)前後における容器3の気密漏れを防止することができる。
上記の構成により、ブリッジ2cが切断されない限りは容器3の気密が確実に保持されるので、ブリッジ2cの切断を伴わない例えば悪戯や不注意によるキャップ1の僅かな開栓(所謂ちょい回し)を原因とするガス漏れや外気の吸い込みあるいは内容物の漏れ出しは、確実に防止される。
また、上記の構成からなるキャップ1では、シール部5の天板5aに環状凹入部5dを形成したことによって、トップサイドシール部分5cが容器口部4の中心に向けて弾性変形し易くなり、この結果、容器口部4の外周コーナー部に対するトップサイドシール部分5cの気密機能が高くなっている。
なお、この発明は、上記実施形態に限られず、種々変形して実施することができる。例えば、前記シール部5をキャップシェル2とは別体の中栓であるパッキンまたはライナーとするのではなく、図4に示すように、キャップシェル2に樹脂を圧縮成形や射出成形により一体成形して設けたパッキンまたはライナーとしてもよい。この場合、酸素吸収剤含有樹脂層6は、例えば、天板5aの下面側における中足5bよりも内側の部分に設けることができる。さらに、キャップシェル2に、キャップシェル2とは別に成形したパッキンまたはライナーを接着または融着し一体化してもよい。
また、キャップ1全体、あるいは、シール部5以外のキャップシェル内側の一部が、酸素吸収性樹脂組成物(酸素吸収剤含有樹脂)からなっていてもよい。この場合、前記酸素吸収剤含有樹脂層は、ベース樹脂(ポリエチレン)100部に対して酸素吸収剤として1000μm以下の粒度分が20%の亜硫酸ナトリウム5.0部と、吸水性材料としてグリセリンエステル2.5部とを含有している。
さらに、前記酸素吸収剤含有樹脂層6を、酸素吸収性樹脂組成物をフィルム状にしてなる酸素吸収剤含有樹脂フィルムから形成してもよいし、前記酸素吸収剤含有樹脂フィルムとこの酸素吸収剤含有樹脂フィルムを補強・保護するための基材フィルムを貼り合わせた多層フィルムから形成してもよい。
また、キャップ1のみならず、例えば、パウチ等の軟包装容器に設けられるスパウトなどの酸素吸収性容器栓部の容器内部側に酸素吸収剤含有樹脂層6を設けてもよい。この場合、酸素吸収性容器栓部の酸素吸収剤含有樹脂層6が、1000ミクロン以下の粒度分を20%以上含む酸素吸収剤をベース樹脂に対して20%以下の割合で分散配合してなる。詳しくは、容器栓部は、例えば、軟包装容器の側壁に対して、軟包装容器の内部と外部とを連通させる状態で固定され、外周面に雄ねじ部を有する筒状部材(図示していない)と、この筒状部材の雄ねじ部に螺合する雌ねじ部を有し、筒状部材の先端の開口を開閉自在に閉塞するキャップ(図示していない)とからなり、酸素吸収剤含有樹脂層6は、筒状部材の容器内部側および/またはキャップの容器内部側に設けることができる。なお、容器栓部のキャップは前記キャップ1とほぼ同様の構成をしているので、容器栓部のキャップに設ける酸素吸収剤含有樹脂層6を、前記キャップ1に設けた酸素吸収剤含有樹脂層6と同様の構成とすることができ、また、筒状部材に酸素吸収剤含有樹脂層6を設ける場合には、例えば、筒状部材の内壁部分に酸素吸収剤含有樹脂層6を設ければよい。
この発明の一実施例に係る酸素吸収性容器キャップの構成を概略的に示す説明図である。 上記実施例におけるシール部の構成を概略的に示す底面図である。 前記シール部の変形例の構成を概略的に示す底面図である。 前記酸素吸収性容器キャップの変形例の構成を概略的に示す説明図である。
符号の説明
2 キャップシェル
4 容器口部
5 シール部(中栓)
6 酸素吸収剤含有樹脂層

Claims (9)

  1. 1000μm以下の粒度分を20%以上含む酸素吸収剤をベース樹脂に対して20%以下の割合で分散配合してなることを特徴とする酸素吸収性樹脂組成物。
  2. 容器内部側に酸素吸収剤含有樹脂層を有する容器キャップであって、該酸素吸収剤含有樹脂層が、1000μm以下の粒度分を20%以上含む酸素吸収剤をベース樹脂に対して20%以下の割合で分散配合してなることを特徴とする酸素吸収性容器キャップ。
  3. 前記酸素吸収剤含有樹脂層がキャップシェルと一体に形成されてなる請求項2に記載の酸素吸収性容器キャップ。
  4. キャップシェルの内側の容器口部に当接して密閉するシール部が酸素吸収剤含有樹脂層を有する請求項2または請求項3に記載の酸素吸収性容器キャップ。
  5. シール部がキャップシェルと一体に構成されている請求項4に記載の酸素吸収性容器キャップ。
  6. シール部がキャップシェルと別体の中栓として構成されている請求項4に記載の酸素吸収性容器キャップ。
  7. キャップ全体が酸素吸収剤含有樹脂からなる請求項2に記載の酸素吸収性容器キャップ。
  8. 前記酸素吸収剤含有樹脂層が、酸素吸収剤含有樹脂フィルムから形成されているか、または、酸素吸収剤含有樹脂フィルムと基材フィルムとからなる多層フィルムを貼り合わせて形成されている請求項2ないし請求項6のいずれかに記載の酸素吸収性容器キャップ。
  9. 容器内部側に酸素吸収剤含有樹脂層を有する酸素吸収性容器栓部であって、該酸素吸収剤含有樹脂層が、1000ミクロン以下の粒度分を20%以上含む酸素吸収剤をベース樹脂に対して20%以下の割合で分散配合してなることを特徴とする酸素吸収性容器栓部。

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