JP2005194122A - 反応遅延性生石灰とその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】飛散を抑えることができる反応遅延性生石灰とその製造方法を提供する。
【解決手段】反応遅延性生石灰1の粒状物に、メタノール2等の有機溶剤を添加して、前記粒状物を顆粒状物とした。また、反応遅延性生石灰1の粒状物に、メタノール2等の有機溶剤を添加して、このメタノール2の蒸発により生起する毛細管現象によって前記粒状物同士を結合して、顆粒状にした。反応遅延性生石灰の粒状物に添加する有機溶剤は、メタノール2に限らず、エタノールでも良い。
【選択図】 図1
【解決手段】反応遅延性生石灰1の粒状物に、メタノール2等の有機溶剤を添加して、前記粒状物を顆粒状物とした。また、反応遅延性生石灰1の粒状物に、メタノール2等の有機溶剤を添加して、このメタノール2の蒸発により生起する毛細管現象によって前記粒状物同士を結合して、顆粒状にした。反応遅延性生石灰の粒状物に添加する有機溶剤は、メタノール2に限らず、エタノールでも良い。
【選択図】 図1
Description
本発明は、汚染された土壌を良質にするために添加剤として使用される反応遅延性生石灰とその製造方法に関するものである。
使用済みの油を無害化するために、生石灰が用いられている。この生石灰は水との反応が早く進行しやすいので、その反応を遅延させるように工夫された反応遅延性の生石灰が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
近年、工場跡地の再開発等に伴い、重金属や揮発性有機化合物、さらには油類といった特定有害物質等による土壌汚染の問題が顕在化してきており、健康に対する影響の懸念から土壌汚染の対策措置を確立することが社会的に強く要請され、2003年2月、土壌汚染対策法が施行された。この土壌汚染対策法では、有害物質使用施設を廃止する際の土地調査が義務付けられ、その他、使用中の施設であっても、土壌汚染による健康被害の生じる恐れがある土地に対し、調査を命ずることができる。調査の結果、汚染が発覚した土地は汚染区域として指定区域台帳に記載され、土地所有者は必要な対策措置を講じなければならない。
一方で、油類による土壌汚染に関しては,上記対策法の対象には含まれていないが、油膜及び油臭が生活環境に影響を与え、土壌汚染として認識されることが多いため、今後特定有害物質として何らかの基準が指定される可能性は極めて高いと考えられる。このような汚染土壌中の油を処理するためには、その油処理剤として前述した反応遅延性生石灰を使用することが有効である。ところが、油等により汚染された場所は、その油の拡散性により、汚染の範囲が大きい場合が多く、処理すべき汚染土壌の量が増大することがある。このような場合、汚染土壌処理機械により、汚染土壌に前述した反応遅延性生石灰を添加混合し、生石灰と汚染土壌中の水との中和反応で生じる熱によって揮発性の油分を土壌から揮発させたり、また、生石灰に油分を吸着させる等の処理が行われるが、処置すべき汚染土壌の量に応じて反応遅延性生石灰の使用量も増加する。この反応遅延性生石灰は、微粒子であるため、例えば前述した汚染土壌処理機械への投入時、飛散しやすく、汚染土壌処理機械およびその周辺に飛散する。特に、風が強い等の気象条件の場合、反応遅延性生石灰の飛散を防止するために、汚染土壌処理作業を中断しなければならなくなることがある。
本発明は、上記の事柄に基づいてなされたもので、その目的は、飛散を抑えることができる反応遅延性生石灰とその製造方法を提供することにある。
本発明は上記の目的を達成するために、第1の発明は、反応遅延性生石灰の粒状物に有機溶剤を添加して、前記粒状物を顆粒状にしたことを特徴とする反応遅延性生石灰にある。
また、第2の発明は、反応遅延性生石灰の粒状物にメタノールを添加して、前記粒状物を顆粒状にしたことを特徴とする反応遅延性生石灰にある。
更に、第3の発明は、反応遅延性生石灰の粒状物にエタノールを添加して、前記粒状物を顆粒状にしたことを特徴とする反応遅延性生石灰にある。
また、第4の発明は、反応遅延性生石灰の粒状物に有機溶剤を添加して、この溶剤の蒸発により生起する毛細管現象によって前記粒状物同士を結合して、顆粒状にしたことを特徴とする反応遅延性生石灰にある。
更に、第5の発明は、反応遅延性生石灰の粒状物に有機溶剤を添加して高速攪拌する工程と、その後、低速攪拌する工程とにより、反応遅延性生石灰の粒状物を顆粒状物に形成したことを特徴とする反応遅延性生石灰の製造方法にある。
また、第6の発明は、反応遅延性生石灰の粒状物にメタノールを添加して高速攪拌する工程と、その後、低速攪拌する工程とにより、反応遅延性生石灰の粒状物を顆粒状物に形成したことを特徴とする反応遅延性生石灰の製造方法にある。
更に、第7の発明は、反応遅延性生石灰の粒状物にエタノールを添加して高速攪拌する工程と、その後、低速攪拌する工程とにより、反応遅延性生石灰の粒状物を顆粒状物に形成したことを特徴とする反応遅延性生石灰の製造方法にある。
また、第8の発明は、反応遅延性生石灰の粒状物に有機溶剤を添加して、前記有機溶剤を前記反応遅延性生石灰の粒状物に付着させる工程と、その後、有機溶剤の蒸発による毛細管現象で前記反応遅延性生石灰の粒状物同士を結合して顆粒状物に形成したことを特徴とする反応遅延性生石灰の製造方法にある。
更に、第9の発明は、第1乃至第4の発明における反応遅延性生石灰を用いて油汚染土壌を処理する処理システムにある。
また、第10の発明は、第1乃至第4の発明における反応遅延性生石灰を用いて土砂を改質処理する処理システムにある。
本発明の反応遅延性生石灰によれば、その飛散を極力抑えることができるので、気象条件に影響されずに、汚染現場においても、汚染土壌の処理作業を遂行することができる。その結果、その作業性を向上させることができる。また、飛散による周辺への汚れが防止され、環境性が良好である。
また、本発明の反応遅延性生石灰の製造方法によれば、既設の混合機を使用し得るので、製造設備費が安価である。
更に、本発明の処理システムによれば、生石灰による飛散汚れを抑えて、汚染現場周辺の住民に迷惑を掛けることなく汚染土壌を処理することができるので、周囲環境を改善することができる。
以下、本発明の反応遅延性生石灰およびその製造方法の一実施の形態を図面を用いて説明する。
図1は本発明の反応遅延性生石灰の製造方法の一実施の形態を示す工程図で、この図において、例えば粒径が150μmアンダで表面が例えばステアリン酸、オレイン酸等の炭素12から24の単体の脂肪酸、もしくは少なくともこれらの2種を含む脂肪酸で被覆された反応遅延性生石灰1を、混合機に投入する。次に、メタノール2を混合機に投入し、このメタノール2と反応遅延性生石灰1とを符号3で示す1次混合を行う。
この1次混合の機能は、前述した反応遅延性生石灰1の各粒子の外表面に、メタノールを付着させるもので、換言するならば、反応遅延性生石灰1の各粒子の外表面を、メタノールで濡らすものである。このため、この1次混合においては、混合機の回転数を、例えば3000rpm程度の高速回転数(周速に換算すると、25m/秒程度)に設定し、この回転数で1分程度攪拌を行うことが望ましい。
次に、符号4で示す2次混合を行う。この2次混合4は、反応遅延性生石灰1の各粒子を結合させて、顆粒化させる機能を有する。即ち、メタノールが付着した反応遅延性生石灰1の各粒子が接近すると、各粒子の間に、メタノール2が挟まれる。その後、メタノール2が蒸発するが、このとき、毛細管現象が働き、各粒子がより接近する。各粒子間の距離が、ある一定値より小さくなると、粒子の(原子)間にファンデルワールスの力が働き、粒子同士が結合する。このようにして、顆粒化のための核が形成され、この核を中心にして、メタノールが付着した反応遅延性生石灰1の各粒子が、同様なプロセスで次々に結合し、凝縮(顆粒化)する。
上記の2次混合は、その機能を達成するために、1次混合3の工程が終了した後、例えば、混合機の回転数を、例えば500rpmから700rpm程度の低速回転数(周速に換算すると、4m/秒から6m/秒程度)に設定し、この回転数で2分程度攪拌を行うことが望ましい。なお、1次混合及び2次混合は、攪拌容器内での羽根の回転の他に、攪拌容器自体を、例えば1m/秒程度で回転させる方策も使用することができる。これによれば、粒径の揃った顆粒を形成することができる。
上述した工程により、粉状の反応遅延性生石灰1は、適当な強度をもって結合して、顆粒状に形成される。即ち、本発明の反応遅延性生石灰における粒子間強度は、例えば、保管のために、袋内にいれても、顆粒状態が維持される程度の強度を有しており、汚染土壌との混合攪拌時には、顆粒状態が壊れるが、通常時は、顆粒の形状を保つことができる。また、本発明の反応遅延性生石灰は、顆粒の状態に形成されるので、粉状の反応遅延性生石灰1に比べて粒子を大きくすることができるので、例えば、油汚染土壌の処理剤として使用する場合にその飛散を少なくすることができる。
なお、上述の製造方法においては、メタノールの添加量、その蒸発速度、混合機による攪拌の強弱等により、粒子の凝縮(顆粒化)の大きさ、強度を調整することができる。例えば、メタノールの添加量が適量な場合には、顆粒の寸法が数ミリで、適度な硬さを有することになるが、これに対して、メタノールの添加量が多い場合には、顆粒の寸法が大きくなり、強度を脆くすることができる。また、メタノールの添加量が少ない場合には、顆粒の寸法が小さくなり、強度を強くすることができる。また、上述の製造方法においては、有機溶剤として、メタノールを使用したが、エタノール等の溶剤を使用することができる。
図2は本発明の反応遅延性生石灰を用いて油汚染土壌を処理する処理システムの一実施の形態の全体構成を示す正面図で、この図2において、100は汚染土壌を処理する第1の処理機で、この第1の処理機100は例えば油圧ショベルSのバケット等の作業具により投入される浄化処理対象となる土砂を受入れて、その投入された土砂に本発明の反応遅延性生石灰を添加し混合する。
200は第1の処理機100から搬出された混合土砂中の揮発性の油分を揮発処理する第2の処理機で、この第2の処理機は200は内部に略密閉空間を形成しているテント状の包囲手段201と、この包囲手段201内に設けたコンベア202と、包囲手段201に接続され、揮発した油分を処理する触媒分解装置203とで構成されている。300は処理された清浄土を示す。
前述した第1の処理機100の構成を図3および図4を用いて説明する。図3は第1の処理機100の正面図、図4は第1の処理機100における走行体(後述)、本体フレーム(後述)、土砂ホッパ(後述)、パワーユニット(後述)等を省略した形態を示す正面図である。図3において、101は投入された土砂を粒度に応じて選別する篩装置、102は篩装置101により選別された土砂を受け入れる土砂ホッパ、103は土砂ホッパ102から導入された土砂に添加剤としての反応遅延性生石灰を混合して後方側(図3中右側、以下適宜、単に後方側という)へ排出する混合装置、104は土砂ホッパ102に受入れた土砂を前記混合装置103へと搬送して導入する搬入コンベア、105は添加剤を供給するための添加剤供給装置、106は第1の処理機100における走行体、107は前記混合装置103で混合され後方側へ排出された混合処理土を受け入れて第1の処理機100の後方側に搬送し排出する搬出コンベアである。
前記走行体106は、本体フレーム108の両側に設けた無限軌道履帯109とを備えている。
上記の第1の処理機100は、油圧ショベル等によって汚染土壌が間欠的に投入される場合等を想定し、土砂投入時の衝撃荷重等により車体が不安定になることを防止するために、無限軌道履帯109を備えたいわゆるクローラ式の走行手段を例に挙げたが、例えば、コンベア等を用いて連続的に土砂が投入される場合等においては、いわゆるホイール式の走行手段に代えて使用することも可能である。また、自走式ではなく固定式の構成のものでも良い。
次に前述した各構成部分の詳細を説明する。前記篩装置101は、上下方向に振動可能な振動篩で、この振動篩101は前記土砂ホッパ102とともに、前記本体フレーム108の前方側(図2中左側、以下適宜、単に前方側という)端部の上方に搭載されている。詳細には、篩装置101は本体フレーム108上に設けられた支持部材110に、ばね111を介して弾性的に支持された支持枠体112と、この支持枠体112に装着された格子部材113と、この格子部材113の振動軸(図示せず)を内部に挿通した回転ドラム114と、この回転ドラム114を回転駆動させるための駆動力を発生する加振用油圧モータ115とを有している。
そして、加振用油圧モータ115の駆動力をベルト116を介して回転ドラム114に伝達し回転させることにより、回転ドラム114の内部に挿通された格子部材113の振動軸が振動する。これにより、例えば油圧ショベルS等によって篩装置101に投入された土砂は、振動による作用も加わり、この格子部材113の目よりも小さな土砂成分を下方へ導き、例えばコンクリート、岩石、或いは金属等といった格子部材113の目よりも大きな固形異物が除去されるようになっている。この選別によって格子部材113上に残存した固形異物は、格子部材113の傾斜に沿って前方に移動して落下する。
なお、作業現場の環境や土砂の性質等によっては、大きな固形異物が存在しない場合がある。その場合は、篩装置101を設ける必要はなく、土砂ホッパ102のみでもよい。
次に、搬入コンベア104の構成について説明する。前記搬入コンベア104は、前記本体フレーム108の前方側端部に搭載されており、前記土砂ホッパ102及び前記篩装置102の略直下に位置している。この搬入コンベア104は、上流側(図3中左側)が低く、下流側(図3中右側)が高くなっており、コンベアフレーム117と、このコンベアフレーム117に支持された搬入コンベア用油圧モータ(図示せず)で駆動される駆動輪と従動輪との間に巻回して設けられた搬送ベルト118とを備えている。
次に、添加剤供給装置105の構成について説明する。前記添加剤供給装置105は、前記篩装置101よりも後方側に位置しており、前記本体フレーム108の長手方向ほぼ中間部上に搭載されている。添加剤供給装置105は、詳細には前記本体フレーム108上に立設した複数本(例えば4本)の支柱119上に設けた略長方形の台板120に支持されている。この添加剤供給装置105は、所定量の添加剤を貯留する貯留タンク121と、この貯留タンク121の下部に連設され、所定量ずつ添加材を供給するフィーダ122とを備えている。
前記貯留タンク121は、全体が概略円筒形状で内部に添加剤を貯留する空間を有し、上下方向に伸縮するように構成されている。前記貯留タンク121の天板部123の中央部には概略円形の開口(図示せず)が形成されている。この開口の上部には両開き可能な開閉蓋124が設けられている。貯留タンク121内に添加剤を充填するときには、開閉蓋124を開き、添加剤を備えたフレキシブルコンテナを例えば別途用意したクレーン等で吊り上げ、前記開口から貯留タンク121の内部に挿入し、フレキシブルコンテナ内部の添加剤を貯留タンク121内に供給する。このとき、添加剤である反応遅延性生石灰は、顆粒状に形成されているので、その飛散が抑えられる。
前記フィーダ122は、定量供給部として作用するロータ(図示せず)を備えており、このロータを例えば可変速電動モータ等からなるフィーダ用モータ(図示せず)によって回転駆動することにより、その回転速度に応じた量の添加剤を、搬入コンベア104上の土砂に添加するようになっている。
次に、前述した混合装置103の構成を図8を用いて説明する。混合装置103は図3における本体フレーム108の長手方向中間部に設けられており、略水平方向に配置された長方形状容器からなる混合装置本体125と、この混合装置本体125の前方側(図3中左側)上部に設けられ、前記搬入コンベア104の前記搬送ベルト118で搬送されてきた土砂及び添加剤を導入する導入部126と、前記混合装置本体125の後方側下部に設けられた排出部127と、混合装置本体125内に互いに平行に設けられた回転軸とこの回転軸に設けた羽根(攪拌翼、パドル)とからパドルミキサ128とを備え、パドルミキサ128の回転駆動により、混合装置本体125内に導かれた土砂及び添加剤が撹拌され均一に混合されながら排出部127側に向けて移送されるようになっている。
以上のようにして、混合装置本体125の導入部126から導入された土砂と添加剤とがパドルミキサ128の作用で均一に撹拌・混合されると共に、排出部127に向けて移送され、排出部127から自重の作用で前記搬出コンベア107上に排出されるようになっている。
次に、前述した搬出コンベア107の構成を図3および図4を用いて説明する。前記搬出コンベア107は、排出側(図3中右側)端部近傍の部分が、前記混合装置103より後方側(図3中右側)に位置し前記本体フレーム108上にパワーユニット積載部材129を介して搭載されたパワーユニット130に支持部材(図示省略)を介し吊り下げ支持されている。また、排出側と反対側端部近傍の部分及び搬送方向中間部は、前記本体フレーム108よりも下方に位置しており、排出方向に小距離だけ水平に延在した後、パワーユニット130の外縁部(後端部)の下方空間で、排出方向(図3中右方)に斜め上方に立ち上がるように延在配置されている。搬出コンベア107は前記搬入コンベア104と同様、コンベアフレーム131と、このコンベアフレーム131に支持され、搬出コンベア用油圧モータで駆動される駆動輪と従動輪との間に巻回して設けられた搬送ベルト132を備えている。
以上のような構造により、搬出コンベア107は、前記混合装置103から搬送ベルト132上に落下してきた混合処理土を搬送するようになっている。
ここで、前記篩装置101、混合装置103、搬入コンベア104、及び搬出コンベア107、無限軌道履帯109は、この自走式汚染土壌混合処理機械に備えられる動力源、すなわち原動機としてのエンジン(図示せず)及びこのエンジンによって駆動される少なくとも1つの油圧ポンプ(図示せず)からの動力によって駆動される。前記油圧ポンプからの圧油は、当該圧油の方向及び流量を制御するコントロールバルブを備えた制御弁装置(図示せず)を介し、前記篩装置101、混合装置103、搬入コンベア104、搬出コンベア107、及び無限軌道履帯109にそれぞれ対応する前記加振用油圧モータ、混合装置用油圧モータ、搬入コンベア用油圧モータ、搬出コンベア用油圧モータ、及び走行用油圧モータへと供給され、これによって対応する油圧モータが回転駆動する。そして、上記エンジン、油圧ポンプ、及び制御弁装置は、いずれも、前記パワーユニット130内に設けられている。
このパワーユニット130の前方側(図3中左側)の領域には、操作者が搭乗する区画である運転席(図示せず)が設けられている。この運転席には、前記制御弁装置に備えられた左・右走行用コントロールバルブ(図示せず)を切り換え操作して前記左・右走行用油圧モータの駆動速度を制御するための操作手段としての左・右操作レバー(図示せず)が設けられている。
上述した第1の処理機100は、油によって汚染された土砂が生石灰と混合処理され、第2の処理機200に搬出される。第2の処理機200内に搬送された混合処理土は包囲手段201内のベルトコンベア202に投入される。このベルトコンベア202は、混合処理土を養生させ、揮発促進を行わせる機能を有しているとともに、処理土を第2の処理機200外に搬出する機能を有している。
第2の処理機200を構成する包囲手段201には、包囲手段201内で揮発した油分を処理するための触媒分解装置203が設置されており、この触媒分解装置203により揮発したガスの吸着分解処理が行われる。触媒分解装置203としては、活性炭が充填された油吸着装置を用いることができる。
次に、上述した本発明の添加剤を用いた油汚染土壌の処理システムの一実施の形態による処理方法を説明する。まず、例えば油圧ショベルS等により、油分によって汚染された土壌を掘削し、第1の処理機100における篩装置101に投入すると、大きなレキなどが格子部材113で除去され、格子部材113を通過した土砂が下方の土砂ホッパ102に導入される。
土砂ホッパ102で受け入れられた土壌は、その下方の搬入コンベア104の搬送ベルト118上に載置され、後方側へ向かって搬送される。そして、搬入コンベア104の搬送方向下流側端部近傍にて、その搬送土砂の表面に貯留タンク121からフィーダ122を介して所定量の添加剤が加えられ、これらの混合土砂が混合装置103へと導入される。
混合装置103へ導入された汚染土砂及び添加剤は、混合装置本体125内のパドルミキサ128で均一に撹拌混合される。このとき、添加剤、即ち油脂酸で被覆された反応遅延性生石灰は、その被覆層が破壊され、生石灰は土壌と接触する。それにより、下記の式で表される添加剤の主成分である生石灰と土砂中に含まれる水分との反応が開始され、水和反応熱を発生する。
CaO + H2O → Ca(OH)2 + 反応熱
この反応熱によって土壌全体が加熱されることによって、汚染された土砂中に含まれる油分の内、揮発性の高い成分については揮発・蒸散分離が行われ、土壌から除去される。また、生石灰は土砂中に含まれる水分と反応することにより消石灰となるが、消石灰は非常に微細な粒子であるため、その比表面積は非常に大きなものとなる。したがって、土砂中に残留したままである不揮発成分についてはパドルミキサ128による撹拌混合時の機械的作用を利用して消石灰に付着移行させる。
CaO + H2O → Ca(OH)2 + 反応熱
この反応熱によって土壌全体が加熱されることによって、汚染された土砂中に含まれる油分の内、揮発性の高い成分については揮発・蒸散分離が行われ、土壌から除去される。また、生石灰は土砂中に含まれる水分と反応することにより消石灰となるが、消石灰は非常に微細な粒子であるため、その比表面積は非常に大きなものとなる。したがって、土砂中に残留したままである不揮発成分についてはパドルミキサ128による撹拌混合時の機械的作用を利用して消石灰に付着移行させる。
以上のように処理された土砂が1次処理土として、排出コンベア107から排出され、第2の処理機200を構成する包囲手段201内のベルトコンベア202に搬入される。
ベルトコンベア202に投入された1次処理土は、ベルトコンベア202により、その外部に搬送される間、油分の揮発成分が前記反応熱により揮発除去される。その揮発した油分は触媒分解装置203において分解処理される。
なお、上述の実施の形態においては、第1の処理機100の後段に、油分の揮発促進および回収を行う第2に処理機200を設けたが、この第2の処理機2を第1の処理機100に搭載することも可能である。この実施の形態によれば、各処理機の設置空間が小さくなるので、狭隘地での処理も可能である。
上述の実施の形態では、油汚染土壌を無害化する例を示したが、土質改良にも使用することができる。
前述した反応遅延性石灰1としては、ステアリン酸で表面が被覆され、粒径が150μmアンダのものを重量比100(本実施例では、3kgを使用した)に対して、メタノールの重量比を21、22、23の3種類を添加し、図1に示す1次混合での攪拌速度を、2750rpm、周速30m/秒で、1分攪拌し、その後、図1に示す2次混合での攪拌速度を、590rpm、周速6.4m/秒で2分、その後、400rpm、周速4.4m/秒で1分攪拌した。その結果、メタノールの重量比が21の場合には、1mm径の顆粒を、また、メタノールの重量比が22の場合には、3mm径の顆粒を、また、メタノールの重量比が23の場合には、10mm径の顆粒を得ることができた。
1 反応遅延性生石灰
2 メタノール
3 1次混合
4 2次混合
2 メタノール
3 1次混合
4 2次混合
Claims (10)
- 反応遅延性生石灰の粒状物に有機溶剤を添加して、前記粒状物を顆粒状にしたことを特徴とする反応遅延性生石灰。
- 反応遅延性生石灰の粒状物にメタノールを添加して、前記粒状物を顆粒状にしたことを特徴とする反応遅延性生石灰。
- 反応遅延性生石灰の粒状物にエタノールを添加して、前記粒状物を顆粒状にしたことを特徴とする反応遅延性生石灰。
- 反応遅延性生石灰の粒状物に、有機溶剤を添加して、この有機溶剤の蒸発により生起する毛細管現象によって前記粒状物同士を結合して、顆粒状にしたことを特徴とする反応遅延性生石灰。
- 反応遅延性生石灰の粒状物に有機溶剤を添加して高速攪拌する工程と、その後、低速攪拌する工程とにより、反応遅延性生石灰の粒状物を顆粒状物に形成したことを特徴とする反応遅延性生石灰の製造方法。
- 反応遅延性生石灰の粒状物にメタノールを添加して高速攪拌する工程と、その後、低速攪拌する工程とにより、反応遅延性生石灰の粒状物を顆粒状物に形成したことを特徴とする反応遅延性生石灰の製造方法。
- 反応遅延性生石灰の粒状物にエタノールを添加して高速攪拌する工程と、その後、低速攪拌する工程とにより、反応遅延性生石灰の粒状物を顆粒状物に形成したことを特徴とする反応遅延性生石灰の製造方法。
- 反応遅延性生石灰の粒状物に有機溶剤を添加して、前記有機溶剤を前記反応遅延性生石灰の粒状物に付着させる工程と、その後、有機溶剤の蒸発による毛細管現象で前記反応遅延性生石灰の粒状物同士を接合して顆粒状物に形成する工程とを備えたことを特徴とする反応遅延性生石灰の製造方法。
- 請求項1乃至請求項4のいずれかに記載の反応遅延性生石灰を用いて油汚染土壌を処理する処理システム。
- 請求項1乃至請求項4のいずれかに記載の反応遅延性生石灰を用いて土砂を改質処理する処理システム。
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JP2004000844A JP2005194122A (ja) | 2004-01-06 | 2004-01-06 | 反応遅延性生石灰とその製造方法 |
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JP2009256144A (ja) * | 2008-04-18 | 2009-11-05 | Ehime Univ | 有機炭素含有酸化カルシウム、その製造方法、pcb分解処理剤およびpcb分解処理方法 |
CN102642241A (zh) * | 2012-05-07 | 2012-08-22 | 王梅农 | 多废物土壤的综合治理 |
-
2004
- 2004-01-06 JP JP2004000844A patent/JP2005194122A/ja not_active Withdrawn
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