JP2003071427A - 自走式汚染土壌処理機械及び汚染土壌処理システム - Google Patents

自走式汚染土壌処理機械及び汚染土壌処理システム

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JP2003071427A
JP2003071427A JP2001268737A JP2001268737A JP2003071427A JP 2003071427 A JP2003071427 A JP 2003071427A JP 2001268737 A JP2001268737 A JP 2001268737A JP 2001268737 A JP2001268737 A JP 2001268737A JP 2003071427 A JP2003071427 A JP 2003071427A
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conveyor
sand
earth
carry
soil treatment
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JP2001268737A
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Hisanori Hashimoto
久儀 橋本
Fujio Sato
藤男 佐藤
Kazuo Kase
和夫 加瀬
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Hitachi Construction Machinery Co Ltd
Original Assignee
Hitachi Construction Machinery Co Ltd
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  • Processing Of Solid Wastes (AREA)
  • Crushing And Pulverization Processes (AREA)
  • Disintegrating Or Milling (AREA)
  • Mixers Of The Rotary Stirring Type (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】処理作業の円滑な連続性を確保し稼動率を向上
する。 【解決手段】揮発性有機化合物に汚染された土砂を受け
入れる土砂ホッパ2と、この土砂ホッパ2からの土砂を
本体フレーム9の長手方向他方側に搬送する搬入コンベ
ア4と、この搬入コンベア4によって搬送される土砂
に、水分と反応し発熱する添加材を供給する添加材供給
装置5と、土砂と添加材とを混合し発熱反応を促進させ
る混合装置3と、無限軌道履帯10及び混合装置3を駆
動するパワーユニット61と、混合装置3の下方位置か
ら本体フレーム9の長手方向他方側外方位置まで延在す
る搬出コンベア8と、この搬出コンベア8の上部を覆う
搬出コンベアカバー76と、触媒を用いて揮発性有機化
合物を分解する触媒分解装置8と、一端側が搬出コンベ
アカバー76内部に開口するとともに、他端側が触媒分
解装置8へ接続された吸込配管88とを備える。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、有害な物質に汚染
された土壌の浄化処理に関し、さらに詳しくは、処理作
業の円滑な連続性を確保し稼動率を向上できる自走式汚
染土壌処理機械及びこれを用いた汚染土壌処理システム
に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年の環境保全の機運の高まりの下、例
えば、クリーニング用の洗浄液、半導体製造工程におけ
る洗浄液、その他工場等における油の洗浄液等から発生
する揮発性有機化合物(例えばトリクロロエチレン、テ
トラクロロエチレン等のいわゆるVOC)による環境汚
染の問題が提起されつつある。これらの物質は、何らか
の事情により漏出されて直接土壌中へ混入し土壌を汚染
したものと考えられる。これらは、そのまま放置される
と自然浸透や雨水等により土壌深くにさらに侵入し、地
下水を汚染する可能性が懸念される。
【0003】そこで、このような汚染された土壌を浄化
処理する汚染土壌処理システムとして、例えば特開20
00−334437号公報に記載のように、揮発性有機
化合物に汚染された土砂を受け入れる土砂ホッパ(原料
土ホッパ)、この土砂ホッパからの土砂を搬送する搬入
コンベア(ベルトコンベア型フィーダ)、この搬入コン
ベアによって搬送される土砂に水分と反応し発熱する添
加材(例えば生石灰等の反応剤)を供給する添加材供給
手段(薬剤連続供給装置)、前記土砂と前記添加材とを
混合し発熱反応を促進させる混合装置(連続混合装
置)、前記走行手段及び前記混合装置を駆動する動力
源、及び上部を覆う搬出コンベアカバーを有し前記混合
装置からの混合土砂を搬出する密閉式の搬出コンベア
(連続排出装置)を備えた自走式汚染土壌処理機械(自
走式土質改良機)と、2つの小部屋(反応槽)に区分さ
れ前記搬出コンベアの先端部及びこの搬出コンベアから
搬出された前記混合土砂の山を覆う包囲手段(フード)
と、揮発性有機化合物を吸着処理して回収する吸着処理
施設と、前記包囲手段内において前記混合土砂の山から
発生した前記揮発性有機化合物のガスを捕集し、前記吸
着処理施設へ導く排気管とを備える汚染土壌処理システ
ムが提唱されている。
【0004】この従来技術においては、密閉構造となっ
ている搬出コンベアの先端部を包囲手段内に挿入配置
し、この状態で汚染された土砂をバックホー等を用いて
自走式汚染土壌処理機械の土砂ホッパに投入すると、搬
入コンベアで搬送中の土砂に対し添加材供給手段から生
石灰等の添加材が添加された後、混合装置において土塊
を細かく粉砕しつつ添加材と混合される。それら汚染さ
れた土砂と添加材との混合土砂は、搬出コンベアにより
搬出されて包囲手段内に堆積され、混合により生じる化
学反応の反応熱によってその内部の揮発性有機化合物が
包囲手段内の空間(反応槽)内に揮発される。揮発した
有機化合物は、包囲手段に設けた排気口から排気管へ導
入されてさらに吸着処理施設へと導かれ、この吸着処理
施設で吸着されて、最終的には清浄な空気が周辺環境に
放出される。上記従来技術は、以上のようにして、いわ
ゆるホットソイル工法と称される手法を用いることによ
り汚染された土砂内の有害物質の揮発除去を行うもので
ある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来技術では、以下の課題が存在する。
【0006】すなわち、処理時には、密閉構造となって
いる搬出コンベアの先端部を包囲手段内に挿入配置し、
混合土砂を一旦包囲手段内に落下させ堆積させた状態で
揮発性有機化合物を揮発させ、これを捕集するようにな
っている。このとき、包囲手段内に一旦堆積した混合土
砂はほぼ静止状態となる結果、反応があまり進まなくな
り、有機化合物が十分に揮発するまでには長時間を要す
る。このため、揮発が完了するより前に搬出コンベアの
下方が堆積した混合土砂で満杯となってしまい、自走式
汚染土壌処理機械の処理作業を中断し、待機させなけれ
ばならなくなる。
【0007】但し、この従来技術では、包囲手段内に小
部屋を2つ設けているため、一方側の小部屋に対し混合
土砂を搬出できなくなっても、他方側の小部屋を用いて
処理作業を継続することは可能である。しかしながらこ
の場合でも、一方側の小部屋の揮発が完了する前に、他
方側の小部屋においても堆積した混合土砂が搬出コンベ
アの下方に満杯となってしまう可能性もあり、この場合
は結局一旦処理作業を中断せざるを得ない。このため、
処理作業の円滑な連続性が阻害されるとともに、自走式
汚染土壌処理機械の稼動率が低下する。
【0008】本発明は、上記の事柄に鑑みてなされたも
のであり、その目的は、処理作業の円滑な連続性を確保
し稼動率を向上できる自走式汚染土壌処理機械及び汚染
土壌処理システムを提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】(1)上記目的を達成す
るために、本発明の自走式汚染土壌処理機械は、走行手
段を備えた本体フレームと、前記本体フレームの長手方
向一方側に設けられ、揮発性有機化合物に汚染された土
砂を受け入れる土砂ホッパと、この土砂ホッパからの土
砂を前記本体フレームの長手方向他方側に搬送する搬入
コンベアと、この搬入コンベアによって搬送される土砂
に、水分と反応し発熱する添加材を供給する添加材供給
手段と、前記本体フレームの長手方向中間部に設けら
れ、前記土砂と前記添加材とを混合し発熱反応を促進さ
せる混合装置と、前記本体フレーム長手方向他方側に設
けられ、前記走行手段及び前記混合装置を駆動する動力
源と、前記混合装置の下方位置から前記本体フレームの
長手方向他方側外方位置まで延在する搬出コンベアと、
この搬出コンベアの上部を覆う搬出コンベアカバーと、
触媒を用いて揮発性有機化合物を分解する揮発性有機化
合物分解装置と、一端側が前記搬出コンベアカバー内部
に開口するとともに、他端側が前記揮発性有機化合物分
解装置へ接続されたガス吸引配管とを備える。
【0010】本発明においては、汚染された土砂を例え
ば油圧ショベル等により土砂ホッパに投入すると、搬入
コンベアで搬送中の土砂に対し添加材供給手段から水分
と反応し発熱する例えば生石灰等の添加材が添加された
後、混合装置において添加材と混合され混合土砂が生成
される。このとき、搬出コンベアによる搬送中におい
て、混合時における化学反応の反応熱によって、混合土
砂から土砂に含まれる有害な有機化合物の揮発が開始さ
れる。そこで、本発明においては、搬出コンベアの上部
を搬出コンベアカバーで覆うと共に、このコンベアカバ
ー内部に一端側が開口したガス吸引配管を介しその揮発
する有機化合物を揮発性有機化合物分解装置へ導入し、
触媒を用いて分解する。有機化合物が揮発された混合土
砂は、最終的に搬出コンベアにより搬出され、所定の位
置に堆積される。
【0011】以上のようにして、本発明においては、混
合土砂が搬出コンベアより搬出され堆積されるより前
の、搬出コンベア上を搬送中という動的な状態にあるう
ちに、揮発する有機化合物を吸引回収し分解処理する。
このようにすることで、自走式汚染土壌処理機械から一
旦搬出させた後に揮発させ回収する従来構造と異なり、
土砂が自走式汚染土壌処理機械内にあるうちに有機化合
物の揮発回収を完了することができ、言い換えれば、自
走式汚染土壌処理機械単体で揮発回収処理の全工程を行
うことができる。したがって、上記従来構造のように処
理作業の中断が生じることがなくなるので、円滑な連続
性を確保し、自走式汚染土壌処理機械の稼動率を向上す
ることができる。
【0012】(2)上記(1)において、好ましくは、
前記搬出コンベア上を搬送中の前記混合土砂を微解砕す
るカッタを備える。
【0013】これにより、混合土砂の解砕を促進し有機
化合物の揮発をさらに促進することができるので、土砂
が自走式汚染土壌処理機械内にあるうちにさらに確実に
有機化合物の揮発回収を完了することができる。
【0014】(3)上記(2)において、さらに好まし
くは、前記カッタは、略水平方向に配設された回転軸
と、この回転軸に略直角に取り付けられた取付部と、こ
の取付部の先端に位置し前記回転軸の回転方向と反対側
に反った形状の先端部とを備える。
【0015】(4)上記(1)又は(2)において、ま
た好ましくは、前記土砂ホッパ内に、前記土砂の解砕促
進手段を備える。
【0016】これによっても、上記(2)同様、汚染さ
れた土砂の解砕を促進し、土砂が自走式汚染土壌処理機
械内にあるうちに確実に有機化合物の揮発回収を完了す
ることができる。
【0017】(5)上記(1)乃至(4)において、ま
た好ましくは、前記搬出コンベアの駆動速度を制御する
制御手段を備える。
【0018】これにより、例えば制御手段で搬出コンベ
アの駆動速度を低めに設定することで搬出コンベア上に
おける有機化合物の揮発時間を稼ぐことができるので、
土砂が自走式汚染土壌処理機械内にあるうちに確実に有
機化合物の揮発回収を完了することができる。
【0019】(6)上記目的を達成するために、本発明
の汚染土壌処理システムは、揮発性有機化合物に汚染さ
れた土砂を受け入れる土砂ホッパ、この土砂ホッパから
の土砂を搬送する搬入コンベア、この搬入コンベアによ
って搬送される土砂に水分と反応し発熱する添加材を供
給する添加材供給手段、前記土砂と前記添加材とを混合
し発熱反応を促進させる混合装置、前記走行手段及び前
記混合装置を駆動する動力源、及び前記混合装置からの
混合土砂を搬出する搬出コンベア、この搬出コンベアの
上部を覆う搬出コンベアカバー、触媒を用いて揮発性有
機化合物を分解する揮発性有機化合物分解装置、及び前
記搬出コンベアカバー内部において前記混合土砂から発
生した揮発性有機化合物を捕集して前記揮発性有機化合
物分解装置へ吸引する第1ガス吸引配管を備えた自走式
汚染土壌処理機械と、前記搬出コンベアから搬出された
混合土砂を搬送する搬送コンベア、前記搬送コンベアの
上部を覆う搬送コンベアカバー、及び前記搬送コンベア
カバー内部において前記混合土砂から発生した揮発性有
機化合物を捕集して前記自走式汚染土壌処理機械の前記
揮発性有機化合物分解装置へ吸引する第2ガス吸引配管
を備えたコンベア装置とを備える。
【0020】(7)上記(6)において、好ましくは、
前記自走式汚染土壌処理機械は、前記搬出コンベア上を
搬送中の前記混合土砂を微解砕するカッタをさらに備え
る。
【0021】(8)上記(6)又は(7)において、ま
た好ましくは、前記コンベア装置は、前記搬送コンベア
上を搬送中の前記混合土砂を微解砕するカッタをさらに
備える。
【0022】
【発明の実施の形態】以下、本発明の自走式汚染土壌処
理機械の一実施の形態を図面を用いて説明する。図1は
本発明の自走式汚染土壌処理機械の全体構造を表す側面
図であり、図2は本発明の自走式汚染土壌処理機械の全
体構造を表す上面図(但し後述のコンベアカバーは図示
省略)である。
【0023】これら図1及び図2に示す自走式汚染土壌
処理機械において、1は例えば油圧ショベルのバケット
等の作業具により浄化処理対象となる土砂(揮発性有機
化合物、例えばトリクロロエチレン、テトラクロロエチ
レン等のVOCに汚染された土砂)が投入され、その投
入土砂を解砕しつつその粒度に応じて分級(選別)する
解砕分級手段としての篩ユニット、2はこの篩ユニット
1で選別された土砂を受け入れるホッパ、3はこの土砂
ホッパ2から導入された土砂を所定の添加材(水分と反
応し発熱するもの、代表的には例えば生石灰等)と混合
して下方へ排出する混合装置(処理槽)、4は土砂ホッ
パ2に受け入れた土砂を前記混合装置3へと搬送して導
入する搬入コンベア、5は前記添加材を供給するための
添加材供給装置、6はそれら篩ユニット1、土砂ホッパ
2、混合装置3、搬入コンベア4、及び添加材供給装置
5等からなる汚染土壌処理機械本体、7はこの汚染土壌
処理機械本体6の下方に設けられた走行体、8は前記混
合装置3で混合され下方へ排出された混合物を受け入れ
て自走式汚染土壌処理機械後方側(図1中右側、以下適
宜、単に後方側という)に搬送し排出する搬出コンベア
である。
【0024】前記の走行体7は、本体フレーム9と、走
行手段としての左・右無限軌道履帯10とを備えてい
る。本体フレーム9は、例えば略長方形の枠体によって
形成され、前記篩ユニット1、土砂ホッパ2、混合装置
3、添加材供給装置5、及び後述のパワーユニット(機
械室)61等を載置する車台を構成する汚染土壌処理機
械取付け部9Aと、この汚染土壌処理機械取付け部9A
と前記の左・右無限軌道履帯10とを接続するトラック
フレーム部9Bとから構成される。また無限軌道履帯1
0は、前記トラックフレーム部9Bに回転自在に支持さ
れた駆動輪11及び従動輪12の間に掛け渡されてお
り、駆動輪11側に設けられた左・右走行用油圧モータ
13によって駆動力が与えられることにより自走式汚染
土壌処理機械を走行させるようになっている。
【0025】図3は、前記篩ユニット1及び前記土砂ホ
ッパ2近傍の詳細構造を表す図1中部分抽出拡大図であ
る。
【0026】図3において、前記の篩ユニット1は、上
下方向に振動可能ないわゆる振動篩であり、前記土砂ホ
ッパ2とともに、前記汚染土壌処理機械取付け部9Aの
自走式汚染土壌処理機械前方側(図1中左側、以下適
宜、単に前方側という)端部の上方に搭載されている。
詳細には、篩ユニット1は、前記汚染土壌処理機械取付
け部9Aに立設した支持ポスト14の上に設けられた支
持部材15に、ばね16を介して弾性的に支持された支
持枠体17と、この支持枠体17に装着された格子部材
18と、この格子部材18の振動軸(図示せず)を内部
に挿通した回転ドラム19と、この回転ドラム19を回
転駆動させるための駆動力を発生する加振用油圧モータ
20(図2参照)とを有している。そして、加振用油圧
モータ20の駆動力をベルト(図示せず)を介して回転
ドラム19に伝達し回転させることにより、回転ドラム
19の内部に挿通された格子部材18の振動軸(図示せ
ず)が振動する。
【0027】これによって、格子部材18及び支持枠体
17が上下方向に振動し、投入土砂中の固まりがほぐさ
れて解砕されるようになっている。このとき、支持枠体
17は前方側(図3中左側)の方が後方側(図3中右
側)よりも低くなるように傾斜して配置されているた
め、上記の振動により、篩ユニット1に投入された土砂
に含まれる種々の大きさの成分のうち、格子部材18の
格子サイズより大きなものを格子部材18より前方側へ
と流下させて排出し、格子部材18の格子サイズ以下の
もののみを選別して下方の土砂ホッパ2へと導入するよ
うになっている。このようにして、投入土砂を解砕して
その嵩密度を低下させ土砂の内部に十分な空気が含まれ
るようにするとともに、土砂中に含まれる岩石、コンク
リート、金属塊等の固形異物を排除する機能をも果た
す。
【0028】なお、支持枠体17の上部には土砂投入枠
(あおり)21が設けられている。この土砂投入枠21
は、その上端部が広く開口した略拡開形状となってお
り、油圧ショベル等を用いた土砂の投入の容易化が図ら
れている。詳細には、土砂投入枠21は、それぞれ外向
きに傾斜する左右の傾斜側板21a,21aと、搬送コ
ンベア4の搬送方向の下流側に位置する傾斜端板21b
とから構成される。このとき、搬送コンベア4の搬送方
向上流側の位置には端板を設けないのは、格子部材18
上に分離されて残存している固形異物をこの格子部材1
8の傾斜に沿って下方に落下するように排除するためで
ある。
【0029】前記の土砂ホッパ2は、上端部が前記支持
部材15に固定して設けられており、その下端部は前記
搬入コンベア4の傾斜角に応じた角度傾斜している。ま
たこの土砂ホッパ2は、篩ユニット1からの円滑な土砂
投入時の便宜のため、上方へ向かって拡径となる無底の
箱型形状(言い換えれば略角筒形状あるいは枠体形状)
となっており、その上下は開口している。土砂ホッパ2
の上部開口部の寸法は、その長手方向、幅方向ともに前
記篩ユニット1の支持枠体17よりもわずかに大きく、
また、下端の幅は、後述の搬入コンベア4の搬送ベルト
29の幅よりもわずかに小さくなっている。これによ
り、前記篩ユニット1より導入された土砂を搬入コンベ
ア4の搬送ベルト29(後述)上に確実に導くようにな
っている。
【0030】また土砂ホッパ2内には、図3に示すよう
に、受け入れた土砂を攪拌し解砕促進する解砕促進手段
としてのアーチブレーカ22が備えられている。このア
ーチブレーカ22は、土砂ホッパ2に対してその回転軸
23が土砂ホッパ2の前方側(図3中左側)の壁面2A
及び後方側(図3中右側)の壁面2Bの略中央を貫通す
るように設けられている。この回転軸23には、互いに
略直角に配置され、回転軸23の軸方向と直交する方向
に対して所定の角度を持った多数の攪拌棒(羽根)24
が設けられている。また、回転軸23は、その両端付近
が前記壁面2A,2Bに設けられた軸受(図示せず)に
より壁面2A,2bに対し回転自在に取付けられてお
り、その後方側(図3中右側)端部は、前記壁面2Bの
外側に設けられたアーチブレーカ用油圧モータ25に直
結している。すなわち、アーチブレーカ用油圧モータ2
5の駆動力が直接伝達されて回転軸23が回転駆動する
ことにより、土砂ホッパ2に導入された土砂を攪拌棒2
4によって攪拌する。これにより、土砂ホッパ2内の下
部における架橋発生を防止するとともに土砂解砕を促進
するようになっている。
【0031】図1に戻り、前記の搬入コンベア4は、前
記汚染土壌処理機械取付け部9Aの前方側端部に搭載さ
れており、前記土砂ホッパ2及び前記篩ユニット1の略
直下に位置している。この搬入コンベア4は、上流側
(図1中左側)が低く下流側(図1中右側)が高くなっ
ており、詳細には、前記汚染土壌処理機械取付け部9A
の前方から後方(図1中左から右)へ向かって所定角度
だけ斜めに立ち上がるように傾斜して設けられている。
【0032】この搬入コンベア4は、コンベアフレーム
26と、このコンベアフレーム26に支持され搬入コン
ベア用油圧モータ(図示せず)で駆動される駆動輪27
と従動輪28との間に巻回して設けられた搬送ベルト2
9と、この搬送ベルト29における搬送面を支持するた
めのガイドローラ30とを備えている。搬送ベルト29
は、その搬送面上に凸部(ラグ)を設けたものとしても
良い。ガイドローラ30は、前記コンベアフレーム26
により支持され、搬送ベルト29の搬送面の裏面と当接
してその送りにより転動する固定ローラであり、所定の
ピッチ間隔をもって複数個が配置されている。なお、搬
入コンベア4は、従動輪27側に周知の調整機構31を
備えており、適宜搬送ベルト29の張り調整を行えるよ
うになっている。
【0033】またこのとき、前記土砂ホッパ2の前記後
方側の壁面2Bには、高さが後述のトンネル部材32の
高さとほぼ同じでありかつ幅方向寸法が前記搬入コンベ
ア4の前記搬送ベルト29の幅より若干小さい土砂供給
用開口部(流出口)2Ba(後述の図4参照)が形成さ
れている。このような構造により、土砂ホッパ2は、前
記篩ユニット1より上方開口部を介し投入された土砂を
搬入コンベア4の搬送ベルト29上に落下させて下流側
へと搬送し、このときその搬送ベルト29上を搬送され
ていく投入土砂のうち前記供給用開口部2Baを通り抜
けたものだけを土砂ホッパ2外へ導出し(切り出し)、
混合装置3へと導くようになっている。
【0034】図4は、上記土砂ホッパ2の供給用開口部
2Ba及びそれより搬入コンベア4の搬送方向下流側付
近の詳細構造を表す図1の一部透視拡大側面図である。
この図4及び図1において、32は、土砂ホッパ2の前
記後方側の壁面2Bから混合装置3の混合装置本体導入
部48(後述)に至るまでの間に設けたトンネル部材で
あり、これによって搬入コンベア4から混合装置3に至
るまでの土砂及び添加材の搬送経路をほぼ完全に密閉す
る。このトンネル部材32は、左右の側面カバー33,
33と、これら両側面カバー33,33間を掛け渡すよ
うに設けた天井カバー34とから構成される。上記側面
カバー33及び天井カバー34の一端側にはフランジ部
35が形成されており、このフランジ部35が前記ホッ
パ後方側壁面2Bに当接固定されている。
【0035】再び図1に戻り、前記の添加材供給装置5
は、前記篩ユニット1よりも後方側(図1中右側)に位
置しており、前記汚染土壌処理機械取付け部9Aの長手
方向ほぼ中間部上に搭載されている。詳細には、汚染土
壌処理機械取付け部9A上に立設した複数本(例えば4
本)の支柱36上に設けた略長方形の台板37に支持さ
れている。この添加材供給装置5は、所定量の添加材を
貯留する貯留タンク38と、この貯留タンク38の下部
に連設され、所定量ずつ添加材を供給するフィーダ39
とを備えている。
【0036】前記の貯留タンク38は、全体が概略円筒
形状で内部に添加材を貯留する空間を有するものであ
り、下部側が前記台板37上に設置された有底筒形の下
部タンク部40と、略円形の天板部41と、下部タンク
部40と天板部41との間に設けられた上部側の容積が
可変な上部タンク部としての蛇腹部42とから構成され
る。
【0037】前記天板部41の中央部には概略円形の開
口(図示せず)が形成されており、この開口の上部には
両開き可能な開閉蓋43が設けられている。貯留タンク
38に添加材を充填するときには、開閉蓋43を開き、
フレキシブルコンテナを例えば別途用意したクレーン等
で吊り上げ、前記開口から貯留タンク38の内部に挿入
し内部の添加材を貯留タンク38内へ供給する。
【0038】前記下部タンク部40は、所定の開口径の
添加材供給開口(前述の図4参照)44aを有する底板
44を備えており、前記添加材供給開口44aから添加
材をフィーダ39へ導入するようになっている。
【0039】前記のフィーダ39は、前述の図4に示す
ように、貯留タンク38の前記底板44のうち前記添加
材供給開口44aの下面部分に固着したケーシング45
を有している。このケーシング45は添加材供給開口4
4aに通じる流入口45aと下方に開口した供給口45
bとを有し、その中間部の壁面は円弧状の定量供給部4
5cとなっている。
【0040】このとき、フィーダ39の前記供給口45
bには接続用筒体46が接続されており、この接続用筒
体46が前記トンネル部材32の天井カバー34に形成
した導入用開口34aを貫通して前記搬入コンベア4の
搬送ベルト29の上部に臨んでいる。そして、前記定量
供給部45cの内部にはロータ(図示せず)が設けられ
ており、このロータを例えば可変速電動モータ等からな
るフィーダ用モータ(図示せず)によって回転駆動する
ことにより、その回転速度に応じた量の添加材を、前記
供給口45b及び前記接続用筒体46を介し、土砂ホッ
パ2から供給された土砂に対し搬入コンベア4上で添加
するようになっている。
【0041】図5は、前記の混合装置3の詳細構造を表
す側断面図である。この図5及び前述の図1において、
混合装置3は汚染土壌処理機械取付け部9Aの長手方向
中間部に設けられており、略水平方向に配置された長方
形状容器からなる混合装置本体(混合容器)47と、こ
の混合装置本体47の前方側(図5中左側)上部に設け
られ、前記搬入コンベア4の前記搬送ベルト29で搬送
されてきた土砂及び添加材を導入する導入部(導入口)
48と、前記混合装置本体47の後方側(図5中右側)
下部に設けられた排出部49と、混合装置本体47内に
互いに平行に設けられた偶数本(例えば2本)のパドル
ミキサ50とを有している。
【0042】混合装置本体47は前記導入部48及び排
出部49を除いて密閉形状となっているが、混合装置本
体47の内部点検・修理用に、混合装置本体47の上面
に開閉扉51が設けられる。また、下面や側面にこの開
閉扉を設けてもよい。また前記混合装置本体導入部48
には、金属等からなる硬質部材を円弧状に形成した方向
転換部カバー52(図5では図示省略、図4及び図1参
照)が混合装置本体導入部47から張り出すようにして
設けられており、前述のトンネル部材32の前記側面カ
バー33及び天井カバー34の他端側(図4中右側)が
接続されている。
【0043】前記のパドルミキサ50は、回転軸53
と、この回転軸53に攪拌・移送部材として間欠的に多
数設けられた羽根(攪拌翼、パドル)54と、前記回転
軸53の両端をそれぞれ回転自在に支持する軸受55,
55を備えている。
【0044】このとき、前記回転軸53の後端部は、混
合装置本体47の後端部に設けた駆動部56内に延在さ
れている。各回転軸53の後端には伝達ギア57が連結
されており、各パドルミキサ50の伝達ギア57は相互
に噛合している。そして、一方の伝達ギア57には混合
装置用油圧モータ58の出力軸に連結されており、この
混合装置用油圧モータ58を回転駆動することによっ
て、各パドルミキサ50の回転軸53を同時にかつ相互
に反対方向に回転駆動するようになっている。
【0045】またこのとき、各回転軸53の外周面には
前記パドル54が図5に示すように周方向所定の角度ご
とに多数設置されており、上記のように回転軸53を回
転させることによってパドル54が回転駆動され、混合
装置本体47内に導かれた土砂及び添加材が攪拌され均
一に混合されながら排出部49側に向けて移送されるよ
うになっている。
【0046】以上のようにして、混合装置本体47の導
入部48から導入された土砂と添加材とがパドルミキサ
50の作用で均一に攪拌・混合されると共に、排出部4
9に向けて移送され、その移送の間に改良土が製造され
る。そして、このようにして製造された改良土は排出部
49から自重の作用で前記搬出コンベア8上に排出され
るようになっている。
【0047】なお、図4、図5、及び前述の図1に示す
86a,86bはガス吸い込み配管、87はガス吹きつ
け配管であり、これらの詳細については後述する。
【0048】図1に戻り、前記の搬出コンベア8は、排
出側(図1中右側)端部近傍の部分が、前記混合装置3
より後方側(図1中右側)に位置し前記汚染土壌処理機
械取付け部9A上にパワーユニット積載部材60を介し
て搭載されたパワーユニット61に支持部材62(図1
では図示省略、図2参照)を介し吊り下げ支持されてい
る。また、排出側と反対側(図1中左側)端部近傍の部
分及び搬送方向中間部は、前記汚染土壌処理機械取付け
部9Aよりも下方に位置している。それらのうち、前記
搬送方向中間部は中間部材(図示せず)を介して汚染土
壌処理機械取付け部9Aから吊り下げられるように支持
されており、排出側と反対側端部近傍の部分は、支持部
材63を介し汚染土壌処理機械取付け部9Aから吊り下
げられるように支持されている。以上のような支持構造
により、搬出コンベア8は、図1に示すように、混合装
置3の下方位置において排出方向に小距離だけ水平に延
在した後、パワーユニット61の外縁部(後端部)の下
方空間で、排出方向(図1中右方)に斜め上方に立ち上
がるように延在配置されている。
【0049】図6は、図1中VI−VI断面による断面図で
ある。この図6及び前述の図1において、搬出コンベア
8は、前記搬入コンベア4と同様、コンベアフレーム6
4と、このコンベアフレーム64に支持され搬出コンベ
ア用油圧モータ(図1は図示省略、図2参照)65で駆
動される駆動輪66と従動輪(図示せず)との間に巻回
して設けられた搬送ベルト67と、この搬送ベルト66
における搬送面を支持するためのガイドローラ68とを
備えている。ガイドローラ68は、前記コンベアフレー
ム64により支持され、搬送ベルト67の搬送面の裏面
と当接してその送りにより転動する固定ローラであり、
所定のピッチ間隔をもって複数個が配置されている。な
お、搬出コンベア8も、前記搬入コンベア4と同様、従
動輪側に周知の調整機構を備えており、適宜搬送ベルト
67の張り調整を行えるようになっている。
【0050】前記コンベアフレーム64の上部には、そ
の長手方向(図1中左右方向)に所定のピッチでボルト
69、ナット70により固定されてブラケット71が立
設されており、さらにこのブラケット71を介してコン
ベアフレーム64上方にその長手方向全長に渡ってサイ
ドスカート72が配設されている。サイドスカート72
は、各ブラケット71の上端部に対し後述の鉛直壁面部
76Aとともにボルト73及びナット74を介し、前記
サイドスカート72の上部に、サイドスカート72の長
手方向(図1中左右方向)ほぼ全長に渡って略鉛直に延
在するように取付けられている。
【0051】また、サイドスカート72の斜め下方方向
先端には、前記搬送ベルト67の搬送面(送り面)67
aに摺接し、サイドスカート72とともに搬送される破
砕物が搬送面67aからこぼれ落ちるのを防止するスカ
ートゴム75が取付けられている。
【0052】さらにサイドスカート72の上部には、前
記搬出コンベア8の上方を覆うように搬出コンベアカバ
ー76が設けられている。この搬出コンベアカバー76
は、幅方向両側に位置する鉛直壁面部76A,76A
と、それら鉛直壁面部76A,76Aの上部に設けた水
平壁面部76Bとから構成されている。前記鉛直壁面部
76Aは、断面が略「コ」の字状の鋼鈑からなり、前記
ボルト73及びナット774によって前記サイドスカー
ト72の上部に、サイドスカート72の長手方向(図1
中左右方向)ほぼ全長に渡って略鉛直に延在するように
取付けられている。前記水平壁面部76Bは、それら鉛
直壁面部76A,76Aの上端部を連結するように、サ
イドスカート72の長手方向(図1中左右方向)ほぼ全
長に渡って略水平に延在するように取付けられている。
【0053】以上のような構造により、搬出コンベア8
は、前記搬出コンベア用油圧モータ65によって前記搬
送ベルト67を駆動し、これによって前記混合装置3か
ら搬送ベルト67上に落下してきた混合物(浄化済みの
土砂)を搬送するようになっている。
【0054】なお、図6及び図1に示す88は吸込配
管、89は吹きつけ配管であり、詳細については後述す
る。
【0055】ここで、前記篩ユニット1、混合装置3、
搬入コンベア4、及び搬出コンベア8、左・右無限軌道
履帯10は、この自走式汚染土壌処理機械に備えられる
動力源、すなわち原動機としてのエンジン(図示せず)
及びこのエンジンによって駆動される少なくとも1つの
油圧ポンプ(図示せず)からの動力によって駆動され
る。前記油圧ポンプからの圧油は、当該圧油の方向及び
流量を制御するコントロールバルブを備えた制御弁装置
(図示せず)を介し、前記篩ユニット1、混合装置3、
搬入コンベア4、搬出コンベア8、及び左・右無限軌道
履帯10にそれぞれ対応する前記加振用油圧モータ2
0、混合装置用油圧モータ58、搬入コンベア用油圧モ
ータ、搬出コンベア用油圧モータ65、及び左・右走行
用油圧モータ13へと供給され、これによって対応する
油圧モータが回転駆動する。そして、上記エンジン、油
圧ポンプ、及び制御弁装置は、いずれも、前記パワーユ
ニット61内に設けられている。
【0056】このパワーユニット61の前方側(図1中
左側)の領域には、操作者が搭乗する区画である運転席
78(図1では図示省略、図2参照)が設けられてい
る。この運転席には、前記制御弁装置に備えられた左・
右走行用コントロールバルブ(図示せず)を切り換え操
作して前記左・右走行用油圧モータ13の駆動速度を制
御するための操作手段としての左・右操作レバー79が
設けられている。
【0057】さらに、前記パワーユニット61上には、
触媒分解装置80が設けられている。この触媒分解装置
80は、詳細構造の図示は省略するが、この種のものと
して公知のものであり、その機能的構成を図7に示す。
なお、触媒分解装置80はパワーユニット61上に設け
るのが最適であるが、場合によっては処理機械外に設置
することも可能である。
【0058】図7において、触媒分解装置80は、助燃
バーナ81、燃焼炉82、熱交換器83、押込ブロア8
4、及びガス排出塔85等を備えている。押込ブロア8
4の吸い込み側には、前述の吸込配管86a,86b,
88が接続されており、ガス排出塔85の吹き出し側に
は、前述の吹きつけ配管87,89が接続されている。
これらの詳細機能及び動作については後述する。
【0059】上記構成において、自走式汚染土壌処理機
械の前方側が、各請求項記載の本体フレームの長手方向
一方側に相当し、後方側が、本体フレームの長手方向他
方側に相当する。
【0060】また、添加材供給装置5が、搬入コンベア
によって搬送される土砂に、水分と反応し発熱する添加
材を供給する添加材供給手段を構成し、触媒分解装置8
0が、触媒を用いて揮発性有機化合物を分解する揮発性
有機化合物分解装置を構成し、ガス吸い込み配管88
が、一端側が搬出コンベア内部に開口するとともに他端
側が揮発性有機化合物分解装置へ接続されたガス吸引配
管を構成する。
【0061】次に、本実施の形態の動作及び作用を以下
に説明する。
【0062】揮発性有機化合物に汚染された土砂を例え
ば油圧ショベル等で掘削し、自走式汚染土壌処理機械の
篩ユニット1上に投入すると、大きなレキなどが格子部
材18で除去され、格子部材18を通過した土砂成分が
下方の土砂ホッパ2へと導入される。この分級により、
土砂の粒度分布の均一化を図って添加材と混合しやすい
大きさとすることができる。またこのとき、前記加振モ
ータ20による格子部材の円運動により、投入土砂は一
旦持ち上げられた後、再び格子部材18に落とされる。
この衝撃および格子部材18の網(またはブレードでも
よい)のエッジ効果により、投入土砂の解砕が促進され
る。特に、投入土砂が粘性土の場合には、粘度鉱物に土
中の陽イオンが吸着し、有機物片、鉱物粒子などが集ま
り、団粒化していることが多い。この団粒化した構造で
は、毛細間隙に水分および汚染物を取り込んでいること
が多く、毛細間隙は水分保持能力が高いため、容易に水
分を吐き出さない。このため、粘性土の場合は、汚染物
を分離するのが非常に難しい。本実施形態では、上記の
篩ユニット1による解砕促進作用によって団粒構造を崩
すことができるので、特に粘性土の場合に効果的であ
る。
【0063】土砂ホッパ2で受け入れられた土砂は、土
砂ホッパ2内に設けられたアーチブレーカ22にとり付
けられた攪拌棒24の攪拌によって大き目の土塊が解砕
された後、その下方の搬入コンベア4の搬送ベルト29
上に載置され、後方側へ向かって搬送される。この搬送
時において上記攪拌棒24で再び接触されることによ
り、残った土塊についても解砕が促進される。このよう
にアーチブレーカ22による攪拌促進作用によっても上
記同様団粒構造をより崩すことができる。
【0064】そして、搬入コンベア4の搬送方向下流側
端部近傍にて、その搬送土砂の表面に貯留タンク38か
らフィーダ39を介して所定量の添加材が加えられ、こ
れらの混合土砂が混合装置3へと導入される。
【0065】混合装置3へ導入された土砂及び添加材
は、混合装置本体47内のパドルミキサ50で均一に攪
拌混合され、下記の式で表される添加材である生石灰と
土砂中に含まれる水分との反応が開始され、反応熱を発
生する。
【0066】 CaO+HO→Ca(OH)+反応熱 ・・・(1) 一般に、例えばトリクロレチレン、テトラクロロエチレ
ン等の揮発性有機化合物は、揮発温度が比較的低い(例
えばトリクロレチレンの場合は86℃)ため、この反応
熱によって、汚染された土砂中に含まれる揮発性有機化
合物の揮発分離が開始される。
【0067】混合された土砂は、搬出コンベア8の搬送
ベルト67上に排出され、さらに反応が進みつつ運搬さ
れ、最終的に自走式汚染土壌処理機械の後部(搬出コン
ベア8の端部)から地上に落下し山積みにされる。
【0068】このとき、上記反応熱によって揮発してい
く有機化合物は、混合装置3の前記開閉蓋51付近に一
端を開口させたガス吸込配管86a及び搬出コンベア8
のコンベアカバー76に設けたガス吸込配管88を介し
て触媒分解装置80へ導入される。なお厳密には、上記
(1)式の反応は、混合装置3へ投入される前の搬送コ
ンベア4上から少しずつ始まっていることから、図1及
び図4に示すように、混合装置3への投入前、例えば方
向転換部カバー52にもガス吸込配管86bを接続し、
ここからも揮発性有機化合物の吸引を行ってもよい。
【0069】図7に示す触媒分解装置80において、ガ
ス吸込配管86a,86bを介し吸引された揮発性有機
化合物は、押込ブロア84を経て熱交換器83で予加熱
された後、燃焼炉82内の燃焼室内に導入される。この
とき、燃焼炉82内には、燃焼触媒として例えば白金、
パラジウムなどの貴金属を表面に配置した担体を配置さ
れている。そして、燃焼室内は、助熱バーナ81によっ
て燃焼室内は触媒による反応に好適な約250℃〜30
0℃程度に維持され、この状態で、上記熱交換器83で
予加熱された揮発性有機化合物を通し、分解する。例え
ばトリクロロエチレンの場合には、分解されて、二酸化
炭素、水、及び塩酸(HCl)が生成する。これら3つ
の混合ガス(浄化ガス)は、前述の熱交換器83におい
て予加熱前の揮発性有機化合物と熱交換してやや冷却さ
れた後、ガス排出塔85に導かれ、ここから触媒分解装
置80外へ排出される。
【0070】ガス排出塔85の吹き出し側には、混合装
置3の前記排出部49付近に一端を開口させた前述の吹
きつけ配管87及び搬出コンベア8のコンベアカバー7
6の長手方向中間部(パワーユニット61の直下付近)
に一端を開口させた吹きつけ配管89が接続されてお
り、触媒分解装置80外へ排出された二酸化炭素、水、
及び塩酸(HCl)の混合ガスは、吹きつけ配管87,
89を介し混合装置排出部49付近及び搬出コンベア8
内へ導入され、混合装置3内の混合土砂及び搬出コンベ
ア8で搬送されている混合土砂に吹き付けられる。
【0071】ガス排出塔85から排出される上記混合ガ
スは、前述のように熱交換器83で若干冷却されるが、
依然としてかなりの温度を持っており、これを混合土砂
に吹き付けることにより混合土砂の温度を上昇させ、混
合土砂中に含まれる揮発性有機化合物の揮発を促進す
る。
【0072】また、上記のように混合ガスを混合土砂に
導入することにより、混合ガス中に含まれる前記のHC
lが上記(1)式において生成したCa(OH)と、
以下のように反応する。
【0073】 Ca(OH)+2HC1→CaC1+2HO ・・・(2) すなわち、前述の(1)式の反応でできた強アルカリC
a(OH)を含む土砂に上記混合ガスを吹き付けるこ
とにより、HClを含む強酸性のガスが中和される。さ
らにこのとき、混合ガス中に含まれる前記の二酸化炭素
が上記(1)式において生成したCa(OH)と、以
下のように反応する。
【0074】 Ca(OH)+CO→CaCO+HO ・・・(3) この反応は通常、Ca(OH)と空気中の二酸化炭素
との反応によって長期間かかって起こり中性化していく
が、上記混合ガスを吹き付けることにより、それに含ま
れる二酸化炭素によって上記反応が加速され、中性化の
反応を促進する。以上の2つの反応により、強アルカリ
性の混合土砂を中性に戻す方向に作用することとなる。
【0075】以上説明したように、本実施の形態によれ
ば、混合土砂が搬出コンベア8より搬出され堆積される
より前の、搬出コンベア8上を搬送中という動的な状態
にあるうちに、揮発する有機化合物を吸引回収し分解処
理する。このようにすることで、自走式汚染土壌処理機
械から一旦搬出させた後に揮発させ回収する従来構造と
異なり、土砂が自走式汚染土壌処理機械内にあるうちに
有機化合物の揮発回収を完了することができ、言い換え
れば、自走式汚染土壌処理機械単体で揮発回収処理の全
工程を行うことができる。したがって、上記従来構造の
ように処理作業の中断が生じることがなくなるので、円
滑な連続性を確保し、自走式汚染土壌処理機械の稼動率
を向上することができる。
【0076】またこのとき、搬出コンベア8を駆動する
前記搬出コンベア用油圧モータ65の駆動速度を制御す
る制御手段(例えば、前記油圧ポンプから前記搬出コン
ベア用油圧モータ65への圧油の方向及び流量を制御す
る搬出コンベア用コントロールバルブの切り換え動作を
制御するコントローラ等)を設ければ、この制御手段に
よって搬出コンベア8の駆動速度を低めに設定すること
で搬出コンベア8上における有機化合物の揮発時間を稼
ぐことができるので、土砂が自走式汚染土壌処理機械内
にあるうちに確実に有機化合物の揮発回収を完了するこ
とができる。
【0077】なお、本発明は上記一実施の形態に限られ
るものではなく、その趣旨及び技術的思想を逸脱しない
範囲内において、種々の変形が可能である。以下、その
ような変形例を順を追って説明する。
【0078】(1)チョッパを設ける場合 図8は、上記本発明の一実施の形態において、搬出コン
ベア8上にさらに解砕促進手段としてのカッタ(チョッ
パ)を設けた変形例の全体構成を表す側面図である。こ
の図8に示すように、搬出コンベア8には、前記搬送ベ
ルト67上を搬送される混合土砂を微解砕する2つのチ
ョッパ104が設けられている。
【0079】図9は、この変形例を構成する前記チョッ
パ104の全体構造を表す側面図であり、図10は図9
中E方向から見た図である。なお、これら図9及び図1
0においては、構造明確化のために、ベルトカバー10
6(後述、図8参照)を取外した状態を図示している。
【0080】これら図9及び図10において、107は
チョッパ104の本体としてのチョッパ本体である。こ
のチョッパ本体107は、板状の2つの側板部107A
と、この側板部107Aの上部に位置する天板部107
Bと、側板部107Aの下端に例えば溶接等により取付
けられ、例えばアングル材等により構成された取付部1
07Cとからなる。
【0081】また、108はチョッパ取付部であり、搬
出コンベア8の前記コンベアフレーム64の長手方向
(図10中紙面に向かって垂直方向)端部以外の位置
(言い換えれば中間部)の下部に、コンベアフレーム6
4の外側に向かって張り出しすように例えば溶接等によ
り固定的に設けられている。このチョッパ取付部108
と前記チョッパ本体107の取付部107Cの下面には
互いに相対する図示しない貫通孔が複数設けられてお
り、互いの貫通孔の位置を合わせてボルト109を差し
込みこのボルト109にナット110を締め込むことに
より、前記チョッパ本体107は、搬出コンベア8の前
記コンベアフレーム64に固定されている。なお、前記
チョッパ取付部108と前記チョッパ本体取付部107
Cとの間には、チョッパ104の幅方向(図10中左右
方向)に掛け渡されるように設けられ、この固定構造の
強度を補強する例えばバー材等で構成された補強板11
1が介在されている。
【0082】ここで、前記チョッパ本体107の側板部
107Aの外側には、軸受機構112,112がボルト
113により設けられ、側板部107Aに設けられた貫
通孔(図示せず)に挿通されることにより前記搬出コン
ベア8の搬送ベルト67の上方にて略水平に配設された
回転軸114の両端を回転自在に支持している。この回
転軸114の一端(図10中左端)には、プーリ115
が取付けられており、前記チョッパ本体107の天板部
107B上のチョッパ駆動用モータ116の出力軸11
6a端部に取付けられたプーリ117との間に掛け渡さ
れたベルト118により、チョッパ駆動用モータ116
の駆動力が回転軸114に伝達するようになっている。
【0083】なお、図10中左側の側板部107Aに
は、長穴119a(図9参照)を有するプーリ取付板1
19が設けられており、また、この長穴119aには、
先端に前記ベルト118に対して転動するプーリ120
を有する回転軸121(図10参照)が図9中左右方向
にスライド可能に挿通されている。すなわち、プーリ1
20を図9中左右方向にスライドさせ、ベルト118に
適度な張力を持たせつつ転動させることにより、ベルト
118の張り調整機能を果たすようになっている。前記
チョッパ駆動用モータ116は、前記チョッパ本体10
7の天板部107B上部に台板122を介してボルト1
23により固定されている。
【0084】なお、前記ベルト118は、図9に示すよ
うに、前記プーリ115、前記プーリ117、及び前記
プーリ120の外周側を囲むように略三角形に巻き回さ
れているが、これらプーリ115,117,120、ベ
ルト118、前記回転軸114,121及びチョッパ駆
動用モータ出力軸116aの各軸端部を覆うように前記
ベルトカバー106が設けられている(図8参照)。
【0085】前記回転軸114には、その軸方向に所定
のピッチで前記搬出コンベア搬送ベルト67上を搬送さ
れる混合土砂を微解砕するカッタ124が取付けられる
ブラケット125が複数枚(この例では10枚)設けら
れている。
【0086】図11(a)はこのカッタ124の概略取
付構造を表す図であり、図11(b)は図11(a)中
F方向から見た図である。これら図11(a)及び図1
1(b)において、ブラケット125は、中央に回転軸
114の直径よりわずかに径が大きい貫通孔125aを
有する略正方形状の板材であり、前記のように回転軸1
14に対して、その軸方向に所定のピッチを持って溶接
等により設けられている。各ブラケット125はその外
周に図示しないボルト穴を複数有しており、また、相隣
接するブラケット125,125はその位相が回転軸1
14の周方向に45°ずらされて配設固定されている。
【0087】前記カッタ124は、回転軸114の径方
向に対してその軸線方向が略直角となるように取付けら
れボルト挿通用の図示しない複数(この例では2つ)の
貫通孔が設けられた取付部124aと、この取付部12
4aの先端に位置し回転軸114の回転方向(図11
(b)中矢印G方向)と反対側に反った形状の先端部1
24bとからなる。また、この先端部124bは、さら
に、回転軸114の軸方向中央側に向かってひねり曲が
っている(図11(a)参照)。すなわち、各先端部1
24bは、回転軸114の回転方向と反対方向に折れ曲
がるとともに、回転軸114の軸方向中央よりも図11
(a)中左側に配設されたカッタ124は図11(a)
中右方向に、回転軸114の軸方向中央よりも図11
(a)中右側に配設されたカッタ124は図11(a)
中左方向に曲成されている。そして、前記したブラケッ
ト125及びカッタ124に互いに複数設けられた貫通
孔の位置を合わせてボルト126を締め込むことによ
り、カッタ124は、ブラケット125の4辺に固定さ
れている。なお、各ブラケット125において、隣接す
るカッタ124,124はそれぞれブラケット125の
異なる面に取り付けられており(つまり、一方は表面に
他方は裏面に取り付けられており)、対向するカッタ1
24,124は同一面に取付けられている(つまり、共
に表面あるいは裏面に取り付けられている)。
【0088】なお、図10及び図11(a)において
は、繁雑防止のため回転軸114の軸方向に配置された
10枚のブラケット125のうち4枚のブラケット12
5にのみカッタ124を取付けた状態を図示したが、実
際には全てのブラケット125にカッタ124が各4枚
ずつ取付けられている。また、このカッタ124の取付
け枚数を適宜調節してチョッパ104の解砕能力を調整
してもよい。
【0089】図12は、上記2つのチョッパ104,1
04におけるカッタ124の概略取付構造を表す、一部
破断して示す側断面図である。この図12において、2
つのチョッパ104のそれぞれの複数のカッタ124は
ともに搬出コンベア8の前記搬送ベルト67の搬送方向
(矢印G方向)に回転し、2つのチョッパ104は互い
のカッタ124の回転軌跡Hが重なり合わないように配
置されている。また、前記回転軌跡Hは搬出コンベア8
の前記搬送ベルト67にほぼ摺接しており、搬送ベルト
67上の混合土砂を介して作用するカッタ124の衝撃
により搬送ベルト67が撓み振動することを防止するた
めに、搬出コンベア8のコンベアフレーム64における
チョッパ104のカッタ124の取付位置には、支持部
材127(図10参照)を介して前記搬送ベルト67の
搬送面を裏側から受けるように支持板128が設けられ
ている。
【0090】また、前記チョッパ本体107の天板部1
07Bには取付板129を介して前記チョッパ124の
回転軌跡Hに沿って略円弧状のカバー130が設けられ
ており、混合土砂の周囲への飛散を防止するようになっ
ている。
【0091】なお、チョッパ本体107の概略構造につ
いては前述したが、図10に示すように、詳細には、そ
の側板部107A,107Aのうち一方(図10中右
方)の側板部107Aはその上部の天板部107Bに対
して、例えば、溶接等により固定されているのに対し、
他方(図10中左方)の側板部107Aは天板部107
Bに対して、例えば、溶接等により天板部107B下部
に固定された取付板134を介してボルト135により
取外し可能に固定されている。このように、片方の側板
部107Aを取外し可能とすることにより、前記回転軸
114等のチョッパ本体107内の部材を容易に組込み
・解体することができ、メンテナンスを容易にするとと
もに、チョッパ104自体を搬出コンベア8のコンベア
フレーム64に対して容易に取付け・取外しができるよ
うになっている。
【0092】以上説明したように、本変形例において
は、搬出コンベア8上に、カッタ124を備えたチョッ
パ104を設けるので、混合土砂の解砕をさらに促進し
有機化合物の揮発をさらに促進することができる。した
がって、土砂が自走式汚染土壌処理機械内にあるうちに
さらに確実に有機化合物の揮発回収を完了することがで
きる。
【0093】(2)搬送コンベア装置を設ける場合 すなわち、上記(1)の変形例のように、自走式汚染土
壌処理機械自体にチョッパ104を設けるのではなく、
同様のチョッパを備えた搬送コンベア装置(解砕コンベ
ア装置)を自走式汚染土壌処理機械とは別に設けるもの
である。
【0094】図13は、この変形例による汚染土壌処理
システムの全体構成を表す側面図である。この図13に
おいて、200は搬送コンベア装置であり、この搬送コ
ンベア装置200は、フレーム201、このフレーム2
01に支持されコンベア用油圧モータ(図示せず)で駆
動される駆動輪(図示せず)と従動輪(図示せず)との
間に巻回して設けられた搬送ベルト(図示せず)を備え
た搬送コンベアと、自走式汚染土壌処理機械の搬出コン
ベア8から搬出された混合土砂を受け入れるホッパ(混
合土砂受入れ部)202と、前記搬送コンベアのフレー
ム201に設けられ搬送ベルト上を搬送される混合土砂
を微解砕する2つのチョッパ203とを備えている。
【0095】前記のフレーム201は、排出側と反対側
(図13中左側)が接地するとともに、排出側(図13
中右側)が支持部材204に支持されており、排出側に
向かって立ち上がるように傾斜している。またフレーム
201の上部には、搬送コンベアカバー205が設けら
れている。この搬送コンベアカバー205は、前述した
自走式汚染土壌処理機械の搬出コンベア8の搬出コンベ
アカバー76とほぼ同様の構造のものであり、搬送コン
ベア装置200の長手方向(図13中略左右方向)ほぼ
全長に渡って延在するように取付けられている。
【0096】前記のチョッパ203は、前述した自走式
汚染土壌処理機械の搬出コンベア8に設けたチョッパ1
04とほぼ同様の構造及び機能を備えた(すなわち搬送
ベルト上を搬送中の混合土砂を微解砕するカッタを備え
ている)ものであり、フレーム201への取付構造もほ
ぼ同様となっている。したがって詳細な説明を省略す
る。
【0097】前記のホッパ202は、前述した自走式汚
染土壌処理機械の土砂ホッパ2とほぼ同様の構造のもの
で、上方へ向かって拡径となる無底の箱型形状となって
おり、ホッパ202内にアーチブレーカ206を備えて
いる。このアーチブレーカ206は、前記アーチブレー
カ22と同様のものであり、アーチブレーカ用油圧モー
タ207の駆動力を回転軸208に伝達して回転駆動さ
せることにより、ホッパ202内に導入された混合土砂
を攪拌棒209によって攪拌し、これによってホッパ2
02内の下部における架橋発生を防止するとともに土砂
解砕を促進するようになっている。そして、ホッパ20
2の後方側の壁面202aには土砂供給用開口部(図示
せず)が形成されており、搬送コンベア装置200は、
ホッパ202内に投入された混合土砂を搬送ベルト上に
落下させて下流側へと搬送し、このときその搬送ベルト
上を搬送されていく土砂のうち前記供給用開口部を通り
抜けたものだけをホッパ202外へ導出し(切り出
し)、さらにその切り出され搬送されていく混合土砂を
2つのチョッパ203,203によって微解砕(解砕促
進)するようになっている。
【0098】210は、ホッパ202の拡開形状の上部
開口部のうち土砂投入のために必要な最小限の部分を残
して残りを覆うように設けたホッパカバーである。この
とき、前述の搬送コンベアカバー205は、ホッパ20
2の前記後方側の壁面202aから搬送コンベア装置2
00の排出側端部まで設けられており、これらホッパカ
バー210及び前記搬送コンベアカバー205によっ
て、ホッパ202から搬送コンベア装置排出側端部に至
るまでの混合土砂の搬送経路をほぼ完全に密閉するよう
になっている。
【0099】そして、前記ホッパカバー210及び前記
搬送コンベアカバー205には、ガス吸い込み配管21
1a,211bの一端側がそれぞれ接続されており、こ
れらガス吸い込み配管211a,211bの他端側は、
自走式汚染土壌処理機械の前記触媒分解装置8に接続さ
れている。その他の構造は、上記本発明の一実施の形態
と同様である。
【0100】以上のように構成した本変形例において
は、上記本発明の一実施の形態と同様、自走式汚染土壌
処理機械において、土砂と添加材との混合による反応熱
によって揮発する揮発性有機化合物を、方向転換部カバ
ー52に一端を開口させたガス吸込配管86b、混合装
置3の前記開閉蓋51付近に一端を開口させたガス吸込
配管86a、搬出コンベア8のコンベアカバー76に設
けたガス吸込配管88を介して触媒分解装置80へ導入
して分解する。したがって、土砂が自走式汚染土壌処理
機械内にあるうちに有機化合物の揮発回収をほぼ完了す
ることができる。
【0101】また、このようにして揮発性有機化合物が
ほぼ揮発した混合土砂は、さらに搬出コンベア8の端部
から搬送コンベア装置200のホッパ202に落下導入
され、アーチブレーカ206の攪拌によって攪拌解砕さ
れた後、その下方の搬送ベルト上に載置されて後方側へ
向かって搬送され、その搬送途中でさらにチョッパ20
3によって解砕される。これにより、仮に有機化合物が
わずかに残存していた場合であっても、その有機化合物
の揮発を確実かつ十分に行わせることができる。揮発し
た有機化合物は、ホッパカバー210に設けた前記ガス
吸い込み配管211a及び搬送コンベアカバー205に
設けた前記ガス吸い込み配管211bを介し触媒分解装
置80へ導入して分解される。したがって、有機化合物
の揮発回収をさらに確実に行い万全を期すことができ
る。
【0102】以上においては、自走式汚染土壌処理機械
のガス吸い込み配管88が、搬出コンベア内部において
混合土砂から発生した揮発性有機化合物を捕集して揮発
性有機化合物分解装置へ吸引する第1ガス吸引配管を構
成し、ガス吸い込み配管211a,211bが、搬送コ
ンベアカバー内部において混合土砂から発生した揮発性
有機化合物を捕集して自走式汚染土壌処理機械の揮発性
有機化合物分解装置へ吸引する第2ガス吸引配管を構成
する。
【0103】なお、上記では、自走式汚染土壌処理機械
とは別に搬送コンベア装置200を1つのみ設けた場合
を例にとって説明したが、これに限られず、例えば図1
4に示すように、コンベア装置200を複数段(図示の
例では4段)設けて、各段においてアーチブレーカ20
6及びチョッパ203の解砕促進による揮発促進を行
い、さらに有機化合物の揮発回収に万全を期しても良
い。
【0104】
【発明の効果】本発明によれば、混合土砂が搬出コンベ
アより搬出され堆積されるより前の、搬出コンベア上を
搬送中という動的な状態にあるうちに、揮発する有機化
合物を吸引回収し分解処理するので、自走式汚染土壌処
理機械から一旦搬出させた後に揮発させ回収する従来構
造と異なり、土砂が自走式汚染土壌処理機械内にあるう
ちに有機化合物の揮発回収を完了することができる。し
たがって、上記従来構造のように処理作業の中断が生じ
ることがなくなるので、円滑な連続性を確保し、自走式
汚染土壌処理機械の稼動率を向上することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の自走式汚染土壌処理機械の一実施の形
態の全体構造を表す側面図である。
【図2】本発明の自走式汚染土壌処理機械の一実施の形
態の全体構造を表す上面図である。
【図3】本発明の自走式汚染土壌処理機械の一実施の形
態を構成する篩ユニット及び土砂ホッパ近傍の詳細構造
を表す図1中部分抽出拡大図である。
【図4】本発明の自走式汚染土壌処理機械の一実施の形
態を構成する土砂ホッパの供給用開口部及びそれより搬
入コンベアの搬送方向下流側付近の詳細構造を表す図1
の一部透視拡大側面図である。
【図5】本発明の自走式汚染土壌処理機械の一実施の形
態を構成する混合装置の詳細構造を表す側断面図であ
る。
【図6】図1中VI−VI断面による断面図である。
【図7】本発明の自走式汚染土壌処理機械の一実施の形
態を構成する触媒分解装置の機能的構成図である。
【図8】本発明の自走式汚染土壌処理機械の一実施の形
態における搬出コンベア上にさらにカッタを設けた変形
例の全体構成を表す側面図である。
【図9】本発明の自走式汚染土壌処理機械の一実施の形
態における搬出コンベア上にさらにカッタを設けた変形
例を構成するチョッパの全体構造を表す側面図である。
【図10】図9中E方向から見た矢視図である。
【図11】本発明の自走式汚染土壌処理機械の一実施の
形態の搬出コンベア上にさらにカッタを設けた変形例を
構成するカッタの概略取付構造を表す図、及び図11
(a)中F方向から見た矢視図である。
【図12】本発明の自走式汚染土壌処理機械の一実施の
形態の搬出コンベア上にさらにカッタを設けた変形例を
構成する2つのチョッパにおけるカッタの概略取付構造
を表す、一部破断して示す側断面図である。
【図13】本発明の自走式汚染土壌処理機械に搬送コン
ベア装置を設けた変形例による汚染土壌処理システムの
全体構成を表す側面図である。
【図14】本発明の自走式汚染土壌処理機械に搬送コン
ベア装置を多段に設けた変形例による汚染土壌処理シス
テムの全体構成を表す側面図である。
【符号の説明】
2 土砂ホッパ 3 混合装置 4 搬入コンベア 5 添加材供給装置(添加材供給手段) 8 搬出コンベア 9 本体フレーム 10 無限軌道履帯(走行手段) 22 アーチブレーカ(解砕促進手段) 38 貯留タンク(添加材供給手段) 39 フィーダ(添加材供給手段) 80 触媒分解装置(揮発性有機化合物分解
装置) 61 パワーユニット(動力源) 76 搬出コンベアカバー 80 触媒分解装置(揮発性有機化合物分解
装置) 88 ガス吸い込み配管(ガス吸引配管;第
1ガス吸引配管) 114 回転軸 124 カッタ 124a 取付部 124b 先端部 200 コンベア装置 203 チョッパ 205 搬送コンベアカバー 211a ガス吸い込み配管(第2ガス吸引配
管) 211b ガス吸い込み配管(第2ガス吸引配
管)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 加瀬 和夫 茨城県土浦市神立町650番地 日立建機株 式会社土浦工場内 Fターム(参考) 4D004 AA41 AB06 AC07 CA22 CA34 CB08 CB13 CB41 CB46 CC09 CC20 4D065 CA06 CB03 CC01 DD11 EB03 4D067 CG07 GA03 4G078 AA10 AB20 BA01 DA01

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】走行手段を備えた本体フレームと、 前記本体フレームの長手方向一方側に設けられ、揮発性
    有機化合物に汚染された土砂を受け入れる土砂ホッパ
    と、 この土砂ホッパからの土砂を前記本体フレームの長手方
    向他方側に搬送する搬入コンベアと、 この搬入コンベアによって搬送される土砂に、水分と反
    応し発熱する添加材を供給する添加材供給手段と、 前記本体フレームの長手方向中間部に設けられ、前記土
    砂と前記添加材とを混合し発熱反応を促進させる混合装
    置と、 前記本体フレーム長手方向他方側に設けられ、前記走行
    手段及び前記混合装置を駆動する動力源と、 前記混合装置の下方位置から前記本体フレームの長手方
    向他方側外方位置まで延在する搬出コンベアと、 この搬出コンベアの上部を覆う搬出コンベアカバーと、 触媒を用いて揮発性有機化合物を分解する揮発性有機化
    合物分解装置と、 一端側が前記搬出コンベアカバー内部に開口するととも
    に、他端側が前記揮発性有機化合物分解装置へ接続され
    たガス吸引配管とを備えたことを特徴とする自走式汚染
    土壌処理機械。
  2. 【請求項2】請求項1記載の自走式汚染土壌処理機械に
    おいて、前記搬出コンベア上を搬送中の前記混合土砂を
    微解砕するカッタを備えていることを特徴とする自走式
    汚染土壌処理機械。
  3. 【請求項3】請求項2記載の自走式汚染土壌処理機械に
    おいて、前記カッタは、略水平方向に配設された回転軸
    と、この回転軸に略直角に取り付けられた取付部と、こ
    の取付部の先端に位置し前記回転軸の回転方向と反対側
    に反った形状の先端部とを備えていることを特徴とする
    自走式汚染土壌処理機械。
  4. 【請求項4】請求項1又は2記載の自走式汚染土壌処理
    機械において、前記土砂ホッパ内に、前記土砂の解砕促
    進手段を備えることを特徴とする自走式汚染土壌処理機
    械。
  5. 【請求項5】請求項1乃至4記載の自走式汚染土壌処理
    機械において、前記搬出コンベアの駆動速度を制御する
    制御手段を備えることを特徴とする自走式汚染土壌処理
    機械。
  6. 【請求項6】揮発性有機化合物に汚染された土砂を受け
    入れる土砂ホッパ、この土砂ホッパからの土砂を搬送す
    る搬入コンベア、この搬入コンベアによって搬送される
    土砂に水分と反応し発熱する添加材を供給する添加材供
    給手段、前記土砂と前記添加材とを混合し発熱反応を促
    進させる混合装置、前記走行手段及び前記混合装置を駆
    動する動力源、及び前記混合装置からの混合土砂を搬出
    する搬出コンベア、この搬出コンベアの上部を覆う搬出
    コンベアカバー、触媒を用いて揮発性有機化合物を分解
    する揮発性有機化合物分解装置、及び前記搬出コンベア
    カバー内部において前記混合土砂から発生した揮発性有
    機化合物を捕集して前記揮発性有機化合物分解装置へ吸
    引する第1ガス吸引配管を備えた自走式汚染土壌処理機
    械と、 前記搬出コンベアから搬出された混合土砂を搬送する搬
    送コンベア、前記搬送コンベアの上部を覆う搬送コンベ
    アカバー、及び前記搬送コンベアカバー内部において前
    記混合土砂から発生した揮発性有機化合物を捕集して前
    記自走式汚染土壌処理機械の前記揮発性有機化合物分解
    装置へ吸引する第2ガス吸引配管を備えたコンベア装置
    とを備えることを特徴とする汚染土壌処理システム。
  7. 【請求項7】請求項6記載の汚染土壌処理システムにお
    いて、前記自走式汚染土壌処理機械は、前記搬出コンベ
    ア上を搬送中の前記混合土砂を微解砕するカッタをさら
    に備えることを特徴とする汚染土壌処理システム。
  8. 【請求項8】請求項6又は7記載の汚染土壌処理システ
    ムにおいて、前記コンベア装置は、前記搬送コンベア上
    を搬送中の前記混合土砂を微解砕するカッタをさらに備
    えることを特徴とする汚染土壌処理システム。
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