JP2003340424A - 汚染土壌処理システム及び汚染土壌処理方法 - Google Patents

汚染土壌処理システム及び汚染土壌処理方法

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JP2003340424A JP2002151837A JP2002151837A JP2003340424A JP 2003340424 A JP2003340424 A JP 2003340424A JP 2002151837 A JP2002151837 A JP 2002151837A JP 2002151837 A JP2002151837 A JP 2002151837A JP 2003340424 A JP2003340424 A JP 2003340424A
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Yoshihiro Hoshino
吉弘 星野
Taisuke Ota
泰典 太田
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Hitachi Construction Machinery Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】処理対象土砂中の揮発性有機化合物の揮発促進
により処理効率を向上させ、かつ処理済の混合土砂を所
望の位置に供給することができる汚染土壌処理システム
及び汚染土壌処理方法を提供する。 【解決手段】揮発性有機化合物に汚染された土砂を、水
分と反応し発熱する添加材と共に混合する自走式汚染土
壌処理機械136と、この自走式汚染土壌処理機械13
6からの混合土砂を受け入れ揮発性有機化合物の揮発促
進処理を施す処理装置201及び走行手段202を有す
る揮発促進手段200と、自走式汚染土壌処理機械13
6の搬出コンベア8先端部及び揮発促進手段200を覆
うテント94と、テント94内で揮発した性有機化合物
を分解する揮発性有機化合物分解装置80とを備える。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、有害な物質に汚染
された土壌の浄化処理に関し、更に詳しくは、汚染され
た土砂と添加材とを十分に混合し、有害な有機化合物を
十分に揮発除去しつつも、処理済の混合土砂を所望の位
置に集積することができる汚染土壌処理システム及び汚
染土壌処理方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、例えば、クリーニング用の洗浄
液、半導体製造工程における洗浄液、その他工場等にお
ける油の洗浄液等から発生する揮発性有機化合物(例え
ばトリクロロエチレン、テトラクロロエチレン等のいわ
ゆるVOC)による環境汚染の問題が提起されつつあ
る。例えば、こうした揮発性有機化合物が、何らかの事
情により漏出して土壌中へ混入された場合、その土壌が
揮発性有機化合物により汚染され、更にこの汚染土壌が
そのまま放置されてしまうと、自然浸透や雨水等により
土壌深くに更に浸透し、いずれ地下水を汚染してしまう
場合がある。
【0003】こうした揮発性有機化合物に汚染された土
壌を浄化処理するものとしては、例えば特開2000−
334437号公報に記載の汚染土壌処理システム(土
壌浄化工法)等が既に提唱されている。この汚染土壌処
理システムは、揮発性有機化合物を、例えば石灰等の添
加材(反応剤)と共に混合して混合土砂とする自走式汚
染土壌処理機械と、この自走式汚染土壌処理機械から搬
出された混合土砂を取り囲む包囲手段(フード)と、揮
発性有機化合物を吸着処理して回収する吸着処理施設と
を備えている。
【0004】即ち、この従来技術では、まず、自走式汚
染土壌処理機械において、汚染された土砂がバックホー
等により投入されると、この土砂に添加材を供給し混合
装置に導入する。この混合装置は、いわゆる解砕方式の
もので、導入された土砂は、ここで細かく解砕されつつ
添加材と混合される。この混合土砂は、搬出コンベアに
より、自走式汚染土壌処理機械から搬出されて包囲手段
内に堆積され、添加材の反応熱により含有する揮発性有
機化合物が揮発される。また、ここで揮発した有機化合
物は、包囲手段から吸着処理施設へと導かれ、この吸着
処理施設で吸着されて、最終的には清浄な空気が周辺環
境に放出される。このように、上記従来技術は、いわゆ
るホットソイル工法と称される手法を用いることによ
り、汚染された土砂内の有害物質の揮発除去を行うもの
である。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来技術においては、以下のような課題が存在する。即
ち、従来技術においては、自走式汚染土壌処理機械にて
生成した混合土砂を包囲手段内に堆積し、この状態で混
合土砂中の揮発性有機化合物の揮発除去を行うようにな
っている。つまり、自走式汚染土壌処理機械にて生成さ
れた混合土砂は、単に包囲手段内に堆積され静的な状態
で放置されている状態にあり、この状態では、その後の
反応も進み難く、有機化合物が十分に揮発するまでに
は、実質的に長時間を要する。このように、上記従来技
術では、有機化合物の揮発除去について非効率的であ
り、結果的に、自走式汚染土壌処理機械に土砂が投入さ
れてから、有機化合物の揮発除去が完了し、包囲手段外
に搬出されるまでの一連の処理効率が十分に確保された
ものとは言えない。
【0006】一方、通常、浄化処理された土砂は、必ず
しも汚染土壌処理システムの周辺で使用されるとは限ら
ず、例えばそのまま埋め戻し土として用いられる場合に
は、汚染土壌処理システムから離れた掘削位置に埋め戻
されたり、その後、更に何らかの改質処理を施す場合に
は、他の処理システムのところまで搬送される場合もあ
る。従って、処理済の混合土砂が、汚染土壌処理システ
ムから所望の位置に供給されるものであれば、非常に有
利な点となる。
【0007】本発明は、上記の事柄に鑑みてなされたも
のであり、その目的は、処理対象土砂中の揮発性有機化
合物の揮発促進により処理効率を向上させ、かつ処理済
の混合土砂を所望の位置に供給することができる汚染土
壌処理システム及び汚染土壌処理方法を提供することに
ある。
【0008】
【課題を解決するための手段】(1)上記目的を達成す
るために、本発明の汚染土壌処理システムは、揮発性有
機化合物に汚染された土砂を受け入れる土砂ホッパ、こ
の土砂ホッパからの土砂を搬送する搬入コンベア、この
搬入コンベアによって搬送される土砂に水分と反応し発
熱する添加材を供給する添加材供給手段、前記土砂及び
添加材を混合し発熱反応を促進させる混合装置、自力走
行を可能とする走行装置、この走行装置及び前記混合装
置を駆動する動力装置、及び前記混合装置からの混合土
砂を搬出する搬出コンベアを有する自走式汚染土壌処理
機械と、この自走式汚染土壌処理機械からの前記混合土
砂を受け入れ揮発性有機化合物の揮発促進処理を施す処
理装置、及び少なくとも一方向への移動を可能とする走
行手段を有する少なくとも1つの揮発促進手段と、前記
自走式汚染土壌処理機械の搬出コンベア先端部、及び前
記揮発促進手段を覆う包囲手段と、触媒を用いて前記揮
発性有機化合物を分解する揮発性有機化合物分解装置
と、前記包囲手段内において前記揮発促進手段により処
理中の混合土砂から揮発した前記揮発性有機化合物を捕
集し、前記揮発性有機化合物分解装置へ吸引するガス吸
引配管とを備える。
【0009】本発明においては、自走式汚染土壌処理機
械により生成された混合土砂は、包囲手段内に設けられ
た揮発促進手段に供給される。揮発促進手段に供給され
た土砂は、その処理装置により、含有する有機化合物の
揮発を促進するための所定の処理を施される。そして、
受け入れた混合土砂の揮発性有機化合物の揮発を終えた
揮発促進手段は、包囲手段外に移動し、所望の位置に処
理済の混合土砂を排出する。また、包囲手段内で揮発し
た有機化合物は、吸引配管を介して揮発性有機化合物分
解装置に回収され、そこで触媒により分解される。
【0010】本発明では、上記のように、従来、包囲手
段内に堆積され静的な状態で放置されていた混合土砂を
揮発促進手段に受け入れ、処理装置により積極的に揮発
促進処理を施すことで、有機化合物の揮発を促し短時間
で浄化処理が完了するよう働きかける。これにより、短
時間で有機化合物が揮発除去され、処理効率向上に寄与
する。また、揮発促進手段が移動可能に構成されている
ため、特別な搬送手段等を用いずとも、適宜包囲手段外
に移動してそのまま必要箇所に処理済の(揮発促進処理
を終えた)混合土砂を供給することができ、システムと
しての利便性の向上を図ることができる。
【0011】(2)上記(1)において、好ましくは、
前記処理装置は、略箱型の処理槽と、この処理層内に設
けた少なくとも一本の回転軸と、この回転軸に設けた複
数の攪拌翼とを備える。
【0012】このように、攪拌翼で混合処理することに
より、処理槽内全体において、回転軸周りに混合土砂の
旋回流を形成させることができ、土砂と添加材とが十分
且つ均一に混合される。更に、混合土砂は、混合中、攪
拌翼により掻き上げられるため、内部に空気が取り込ま
れる。これにより、含有する有機化合物が効果的に揮発
させられる。
【0013】(3)上記(1)又は(2)において、好
ましくは、前記揮発促進手段は、前記処理装置を傾倒駆
動させる駆動装置を備える。
【0014】(4)上記(1)乃至(3)のいずれか1
つにおいて、また好ましくは、前記揮発促進手段は、前
記包囲手段の外部から遠隔操作可能である。
【0015】(5)上記(1)乃至(3)のいずれか1
つにおいて、また好ましくは、前記揮発促進手段は、気
密性の確保された運転席を備える。
【0016】(6)上記(1)乃至(5)のいずれか1
つにおいて、更に好ましくは、前記包囲手段は、少なく
とも外部から前記揮発促進手段が目視可能な位置に、略
透明な透視部を備える。
【0017】(7)上記(1)乃至(6)のいずれか1
つにおいて、好ましくは、前記混合装置は、少なくとも
1本の回転軸と、この回転軸に設けた複数の攪拌翼とを
備える。
【0018】(8)上記(1)乃至(7)のいずれか1
つにおいて、また好ましくは、前記自走式汚染土壌処理
機械は、前記土砂ホッパ上方位置に、投入された土砂を
解砕しつつ分級する解砕分級手段を有する。
【0019】これにより、汚染された土砂の解砕を促進
すると共に、分級によって土砂の粒度分布の均一化を図
って添加材と混合し易い大きさとすることができるの
で、更に混合装置における十分な混合を図り、反応の進
行を促進させることができ、処理効率向上に寄与する。
【0020】(9)上記(1)乃至(8)のいずれか1
つにおいて、更に好ましくは、前記自走式汚染土壌処理
機械は、前記土砂ホッパ内に、受け入れた土砂の解砕促
進手段を備える。
【0021】これにより、上記(8)同様、汚染された
土砂の解砕を促進して混合装置における十分な混合を図
ることができ、処理効率向上に寄与する。特に粘性土に
対して有効である。
【0022】(10)上記(1)乃至(9)のいずれか
1つにおいて、また好ましくは、前記土砂又は混合土砂
を加熱する加熱手段を更に備える。
【0023】(11)上記(1)乃至(10)のいずれ
か1つにおいて、更に好ましくは、前記自走式汚染土壌
処理機械は、前記搬出コンベア上を搬送中の前記混合土
砂を解砕する解砕装置を更に有する。
【0024】(12)上記目的を達成するために、本発
明の汚染土壌処理方法は、気密性を維持した状態で、揮
発性有機化合物に汚染された土砂を、水分と反応するこ
とで発熱する添加材と共に混合して前記揮発性有機化合
物の揮発を促進させ、前記揮発性有機化合物が促進しつ
つある前記土砂及び添加材の混合土砂を包囲手段により
覆われた空間内に導き、前記包囲手段内にて、移動可能
な揮発促進手段により、揮発促進処理を施し前記混合土
砂中の揮発性有機化合物の揮発を更に促進させると共
に、揮発した揮発性有機化合物を捕集して分解しつつ、
前記揮発性有機化合物の揮発完了後、前記揮発促進手段
を前記包囲手段外の所望の位置へ移動させ、処理済の前
記混合土砂を排出した後、再び前記揮発促進手段を前記
包囲手段内における混合土砂の受入れ位置に移動させ
る。
【0025】(13)上記(12)において、好ましく
は、前記包囲手段内に前記揮発促進手段を複数配置し、
各揮発促進手段に対し順番に前記混合土砂を供給し、前
記揮発促進処理が完了したものから、順次移動させる。
【0026】
【発明の実施の形態】以下、本発明の汚染土壌処理シス
テムの実施の形態を図面を用いて説明する。図1は、本
発明の汚染土壌処理システムの全体配置を表す側面図で
ある。但しこの図1において、後述のテント94は、内
部の様子を図示するために断面で図示してある。図1に
示すように、本実施の形態の汚染土壌処理システムは、
揮発性有機化合物(例えば、トリクロロエチレンやテト
ラクロロエチレン等、いわゆるVOC)に汚染された土
砂を掘削する油圧ショベル90と、この油圧ショベル9
0により投入された土砂を添加材と共に混合して混合土
砂を生成する自走式汚染土壌処理機械136と、この自
走式汚染土壌処理機械136から受け入れた混合土砂中
の揮発性有機化合物の揮発を促進させる揮発促進手段2
00と、自走式汚染土壌処理機械136の搬出コンベア
8先端部及び揮発促進手段200を覆う包囲手段として
のテント94と、触媒を用いて揮発性有機化合物を分解
する揮発性有機化合物分解装置80とで構成されてい
る。
【0027】油圧ショベル90は、自走式投入機械とし
ての役割を果たすものであり、ブーム91a、アーム9
1b、バケット91cからなる多関節型のフロント装置
91を伏仰動可能に設けた旋回体92と、無限軌道履帯
93aを備え上記旋回体92を旋回可能に設けた走行体
93とから構成されている。このような構成により、バ
ケット91cに掘削土砂を掘削してすくい込み、自走式
汚染土壌処理機械136に投入するようになっている。
【0028】図2は自走式汚染土壌処理機械136の全
体構造を表す側面図であり、図3はその上面図である。
但し、これら図2及び図3において、後述の搬出コンベ
アカバー76は図示省略してある。これら図2及び図3
に示す自走式汚染土壌処理機械136において、1は例
えば油圧ショベルのバケット等の作業具により浄化処理
対象となる土砂(揮発性有機化合物、例えばトリクロロ
エチレン、テトラクロロエチレン等のVOCに汚染され
た土砂)が投入され、その投入土砂を解砕しつつその粒
度に応じて分級(選別)する解砕分級手段としての篩装
置である。2はこの篩装置1で選別された土砂を受け入
れる土砂ホッパ、3はこの土砂ホッパ2から導入された
土砂を所定の添加材(水分と反応し発熱するもの、代表
的には例えば生石灰等)と混合して下方へ排出する混合
装置(処理槽)である。また、4は土砂ホッパ2に受け
入れた土砂を上記混合装置3へと搬送して導入する搬入
コンベア、5は上記添加材を供給するための添加材供給
装置である。6はそれら篩装置1、土砂ホッパ2、混合
装置3、搬入コンベア4、及び添加材供給装置5等から
なる汚染土壌処理機械本体、7はこの汚染土壌処理機械
本体6の下方に設けられた走行装置である。8は上記混
合装置3で混合され下方へ排出された混合物を受け入れ
て自走式汚染土壌処理機械後方側(図2中右側、以下適
宜、単に後方側という)に搬送し排出する搬出コンベア
である。
【0029】上記の走行装置7は、本体フレーム9と、
走行手段となる左・右無限軌道履帯10とを備えてい
る。本体フレーム9は、例えば略長方形の枠体によって
形成され、上記篩装置1、土砂ホッパ2、混合装置3、
添加材供給装置5、及び後述の動力装置(機械室)61
等を載置する車台を構成する汚染土壌処理機械取付け部
9Aと、この汚染土壌処理機械取付け部9Aと上記の左
・右無限軌道履帯10とを接続するトラックフレーム部
9Bとから構成されている。また無限軌道履帯10は、
上記トラックフレーム部9Bに回転自在に支持された駆
動輪11及び従動輪12の間に巻回されており、駆動輪
11側に設けられた左・右走行用油圧モータ13によっ
て駆動力が与えられることにより、自走式汚染土壌処理
機械136を走行させるようになっている。
【0030】図4は、上記篩装置1及び上記土砂ホッパ
2近傍の詳細構造を表す図2中部分抽出拡大図である。
図4に示すように、篩装置1は、上下方向に振動可能な
いわゆる振動篩であり、上記土砂ホッパ2と共に、上記
汚染土壌処理機械取付け部9Aの自走式汚染土壌処理機
械前方側(図2中左側、以下適宜、単に前方側という)
端部の上方に搭載されている。詳細には、篩装置1は、
上記汚染土壌処理機械取付け部9Aに立設した支持ポス
ト14の上に設けられた支持部材15に、ばね16を介
して弾性的に支持された支持枠体17と、この支持枠体
17に装着された格子部材18と、この格子部材18の
振動軸(図示せず)を内部に挿通した回転ドラム19
と、この回転ドラム19を回転駆動させるための駆動力
を発生する加振用油圧モータ20(図3参照)とを有し
ている。そして、加振用油圧モータ20の駆動力をベル
ト(図示せず)を介して回転ドラム19に伝達し回転さ
せることにより、回転ドラム19の内部に挿通された格
子部材18の振動軸(図示せず)が振動するようになっ
ている。
【0031】これによって、格子部材18及び支持枠体
17が上下方向に振動し、投入土砂中の固まりがほぐさ
れて解砕されるようになっている。このとき、支持枠体
17は前方側(図4中左側)の方が後方側(図4中右
側)よりも低くなるように傾斜して配置されているた
め、上記の振動により、篩装置1に投入された土砂に含
まれる種々の大きさの成分のうち、格子部材18の格子
の目より大きなものを格子部材18より前方側へと流下
させて排出し、格子部材18の格子サイズの目以下のも
ののみを選別して下方の土砂ホッパ2へと導入するよう
になっている。このようにして、投入土砂を解砕してそ
の嵩密度を低下させ土砂の内部に十分な空気が含まれる
ようにすると共に、土砂中に含まれる岩石、コンクリー
ト、金属塊等の固形異物を排除する機能をも果たす。
【0032】なお、支持枠体17の上部には土砂投入枠
(あおり)21が設けられている。この土砂投入枠21
は、その上端部が広く開口した略拡開形状となってお
り、油圧ショベル等を用いた土砂の投入の容易化が図ら
れている。詳細には、土砂投入枠21は、図3に示すよ
うに、それぞれ外向きに傾斜する左右の傾斜側板21
a,21aと、搬入コンベア4の搬送方向の下流側に位
置する傾斜端板21bとから構成される。格子部材18
により分離除去された固形異物は、この格子部材18を
傾斜に沿って下方に移動し、土砂投入枠21のない前方
側から落下するようになっている。
【0033】上記土砂ホッパ2は、上端部が支持部材1
5に固定して設けられており、その下端部は搬入コンベ
ア4の傾斜角に応じた角度傾斜している。またこの土砂
ホッパ2は、篩装置1からの円滑な土砂投入時の便宜の
ため、上方へ向かって拡径となる無底の箱型形状(言い
換えれば略角筒形状あるいは枠体形状)となっており、
その上下は開口している。土砂ホッパ2の上部開口部の
寸法は、その長手方向、幅方向共に上記篩装置1の支持
枠体17よりも僅かに大きく、また、下端の幅は、後述
の搬入コンベア4の搬送ベルト29の幅よりも僅かに小
さくなっている。これにより、上記篩装置1より導入さ
れた土砂を搬入コンベア4の搬送ベルト29(後述)上
に確実に導くようになっている。
【0034】また、土砂ホッパ2内には、図4に示すよ
うに、受け入れた土砂を攪拌し解砕促進する解砕促進手
段としてのアーチブレーカ22が備えられている。この
アーチブレーカ22は、土砂ホッパ2に対し、その回転
軸23が土砂ホッパ2の前方側(図4中左側)の壁面2
A及び後方側(図4中右側)の壁面2Bの略中央を貫通
するように設けられている。この回転軸23には、互い
に略直角に配置され、回転軸23の軸方向と直交する方
向に対して所定の角度を持った多数の攪拌棒(羽根)2
4が設けられている。また、回転軸23は、その両端付
近が上記壁面2A,2Bに設けられた軸受(図示せず)
により壁面2A,2Bに対し回転自在に取付けられてお
り、その後方側(図4中右側)端部は、上記壁面2Bの
外側に設けられたアーチブレーカ用油圧モータ25に直
結している。即ち、アーチブレーカ用油圧モータ25の
駆動力が直接伝達されて回転軸23が回転駆動すること
により、土砂ホッパ2に導入された土砂を攪拌棒24に
よって攪拌する。これにより、土砂ホッパ2内の下部に
おける架橋発生を防止すると共に土砂解砕を促進するよ
うになっている。
【0035】図2に戻り、上記搬入コンベア4は、上記
汚染土壌処理機械取付け部9Aの前方側端部に搭載され
ており、土砂ホッパ2及び篩装置1の略直下に位置して
いる。この搬入コンベア4は、上流側(図2中左側)が
低く下流側(図2中右側)が高くなっており、詳細に
は、汚染土壌処理機械取付け部9Aの前方から後方(図
2中左から右)へ向かって所定角度だけ斜めに立ち上が
るように傾斜して設けられている。
【0036】この搬入コンベア4は、コンベアフレーム
26と、このコンベアフレーム26に支持され搬入コン
ベア用油圧モータ(図示せず)で駆動される駆動輪27
と従動輪28との間に巻回して設けられた搬送ベルト2
9と、この搬送ベルト29における搬送面を支持するた
めのガイドローラ30とを備えている。搬送ベルト29
は、その搬送面上に凸部(ラグ)を設けたものとしても
良い。ガイドローラ30は、上記コンベアフレーム26
により支持され、搬送ベルト29の搬送面の裏面と当接
してその送りにより転動する固定ローラであり、所定の
ピッチ間隔をもって複数個が配置されている。なお、搬
入コンベア4は、従動輪27側に周知の調整機構31を
備えており、適宜搬送ベルト29の張り調整を行えるよ
うになっている。
【0037】またこのとき、上記土砂ホッパ2の上記後
方側の壁面2Bには、高さが後述のトンネル部材32の
高さとほぼ同程度であり、かつ幅方向寸法が搬入コンベ
ア4の搬送ベルト29の幅より若干小さい土砂供給用開
口部(流出口)2Ba(後述の図5参照)が形成されて
いる。このような構造により、土砂ホッパ2は、篩装置
1より上方開口部を介し投入された土砂を、搬入コンベ
ア4の搬送ベルト29上に落下させて下流側へと搬送
し、その搬送ベルト29上を搬送されていく投入土砂の
うち、先の供給用開口部2Baを通り抜けたものだけを
土砂ホッパ2外へ導出し(切り出し)、混合装置3へと
導くようになっている。
【0038】図5は、上記土砂ホッパ2の供給用開口部
2Ba及びそれより搬入コンベア4の搬送方向下流側付
近の詳細構造を表す図2の一部透視拡大側面図である。
この図5及び図2において、32は先に触れたトンネル
部材で、このトンネル部材32は、土砂ホッパ2の上記
後方側の壁面2Bから混合装置3の入口48(後述)に
かけて設けられており、これによって搬入コンベア4か
ら混合装置3に至るまでの土砂及び添加材の搬送経路を
ほぼ完全に密閉している。このトンネル部材32は、左
右の側面カバー33,33と、これら両側面カバー3
3,33間を掛け渡すように設けた天井カバー34とか
ら構成される。上記側面カバー33及び天井カバー34
の一端側にはフランジ部35が形成されており、このフ
ランジ部35が上記ホッパ後方側壁面2Bに当接固定さ
れている。
【0039】再び図2に戻り、上記の添加材供給装置5
は、上記篩装置1よりも後方側(図2中右側)に位置し
ており、上記汚染土壌処理機械取付け部9Aの長手方向
ほぼ中間部上に搭載されている。詳細には、汚染土壌処
理機械取付け部9A上に立設した複数本(例えば4本)
の支柱36上に設けた略長方形の台板37に支持されて
いる。この添加材供給装置5は、所定量の添加材を貯留
する貯留タンク38と、この貯留タンク38の下部に連
設され、所定量づつ添加材を供給するフィーダ39とを
備えている。
【0040】上記の貯留タンク38は、全体が概略円筒
形状で内部に添加材を貯留する空間を有するものであ
り、下部側が上記台板37上に設置された有底筒形の下
部タンク部40と、略円形の天板部41と、下部タンク
部40と天板部41との間に設けられた上部側の容積が
可変な上部タンク部としての蛇腹部42とから構成され
る。
【0041】上記天板部41の中央部には概略円形の開
口(図示せず)が形成されており、この開口の上部には
両開き可能(片開きでも良い)な開閉蓋43が設けられ
ている。貯留タンク38に添加材を充填するときには、
開閉蓋43を開き、添加材を収容したフレキシブルコン
テナ(図示せず)を、例えば別途用意したクレーン等で
吊り上げ、上記開口から貯留タンク38の内部に挿入し
内部の添加材を貯留タンク38内へ供給する。
【0042】上記下部タンク部40は、所定の開口径の
添加材供給開口(前述の図5参照)44aを有する底板
44を備えており、上記添加材供給開口44aから添加
材をフィーダ39へ導入するようになっている。
【0043】上記のフィーダ39は、先の図5に示すよ
うに、貯留タンク38の上記底板44のうち、上記添加
材供給開口44aの下面部分に固着したケーシング45
を有している。このケーシング45は添加材供給開口4
4aに通じる流入口45aと下方に開口した供給口45
bとを有し、その中間部の壁面は円弧状の定量供給部4
5cとなっている。
【0044】このとき、フィーダ39の上記供給口45
bには接続用筒体46が接続されており、この接続用筒
体46が上記トンネル部材32の天井カバー34に形成
した導入用開口34aを貫通して上記搬入コンベア4の
搬送ベルト29の上部に臨んでいる。そして、上記定量
供給部45cの内部にはロータ(図示せず)が設けられ
ており、このロータを例えば可変速電動モータ等からな
るフィーダ用モータ(図示せず)によって回転駆動する
ことにより、その回転速度に応じた量の添加材を、上記
供給口45b及び上記接続用筒体46を介し、土砂ホッ
パ2から供給された土砂に対し搬入コンベア4上で添加
するようになっている。このように、フィーダ39は、
いわゆるロータリフィーダであるが、別にスクリューフ
ィーダに代えても良い。
【0045】図6は、上記の混合装置3の詳細構造を表
す側断面図である。この図6及び前述の図2において、
混合装置3は汚染土壌処理機械取付け部9Aの長手方向
ほぼ中央に設けられており、略水平方向に配置された長
方形状容器からなる混合装置本体(混合容器、ハウジン
グ)47と、この混合装置本体47の前方側(図6中左
側)上部に設けられ、上記搬入コンベア4の上記搬送ベ
ルト29で搬送されてきた土砂及び添加材の入口48
と、上記混合装置本体47の後方側(図6中右側)下部
に設けた混合土砂の出口49と、混合装置本体47内に
互いに平行に設けられた偶数本(例えば2本)のパドル
ミキサ50とを有している。
【0046】混合装置本体47は上記導入部48及び出
口49を除いて密閉形状となっているが、混合装置本体
47の内部点検・修理用に、混合装置本体47の上面に
開閉扉51が設けられる。また、下面や側面にこの開閉
扉を設けても良い。また上記入口48には、金属等から
なる硬質部材を円弧状に形成した方向転換部カバー52
(図6では図示省略、図5及び図2参照)が入口48か
ら張り出すようにして設けられており、トンネル部材3
2の上記側面カバー33及び天井カバー34の他端側
(図5中右側)が接続されている。
【0047】上記のパドルミキサ50は、2本(少なく
とも1本されば良い)の回転軸53と、この回転軸53
に攪拌・移送部材として間欠的に多数設けられた攪拌翼
(パドル)54と、上記回転軸53の両端をそれぞれ回
転自在に支持する軸受55,55を備えている。
【0048】上記回転軸53の後端部は、混合装置本体
47の後端部に設けた駆動部56内に延在されている。
各回転軸53の後端には伝達ギア57が連結されてお
り、各パドルミキサ50の伝達ギア57は相互に噛合し
ている。そして、一方の伝達ギア57には混合装置用油
圧モータ58の出力軸に連結されており、この混合装置
用油圧モータ58を回転駆動することによって、各パド
ルミキサ50の回転軸53を同時にかつ相互に反対方向
に回転駆動するようになっている。
【0049】各回転軸53の外周面には、上記攪拌翼5
4が図6に示すように周方向所定の角度ごとに多数放射
状に設置されており、上記のように回転軸53を回転さ
せることによって攪拌翼54が回転駆動され、混合装置
本体47内に導かれた土砂及び添加材が攪拌され均一に
混合されながら出口49側に向けて移送されるようにな
っている。
【0050】以上のようにして、混合装置本体47の導
入部48から導入された土砂と添加材とがパドルミキサ
50の作用で均一に攪拌・混合されると共に、出口49
に向けて移送され、その移送の間に混合土砂が製造され
る。そして、このようにして製造された混合土砂は出口
49から自重の作用で上記搬出コンベア8上に排出され
るようになっている。
【0051】なお、図5、図6、及び前述の図2におい
て、86a,86bはガス吸い込み配管、87はガス吹
き付け配管であり、これらの詳細については後述する。
【0052】図2に戻り、上記の搬出コンベア8は、排
出側(図2中右側)端部近傍の部分が、上記混合装置3
より後方側(図2中右側)に位置し、上記汚染土壌処理
機械取付け部9A上に動力装置積載部材60を介して搭
載された動力装置61に対して、支持部材62(図2で
は図示省略、図3参照)を介し吊り下げ支持されてい
る。また、排出側と反対側(図2中左側)端部近傍の部
分及び搬送方向中間部は、上記汚染土壌処理機械取付け
部9Aよりも下方に位置している。それらのうち、上記
搬送方向中間部は中間部材(図示せず)を介して汚染土
壌処理機械取付け部9Aから吊り下げられるように支持
されており、排出側と反対側端部近傍の部分は、支持部
材63を介し汚染土壌処理機械取付け部9Aから吊り下
げられるように支持されている。以上のような支持構造
により、搬出コンベア8は、図2に示すように、混合装
置3の下方位置において排出方向に小距離だけ水平に延
在した後、動力装置61の外縁部(後端部)の下方空間
で、排出方向(図2中右方)に斜め上方に立ち上がるよ
うに延在配置されている。
【0053】図7は、図2中VI−VI断面による断面図で
ある。この図7及び先の図2に示すように、搬出コンベ
ア8は、上記搬入コンベア4と同様、コンベアフレーム
64と、このコンベアフレーム64に支持され搬出コン
ベア用油圧モータ(図2は図示省略、図3参照)65で
駆動される駆動輪66と従動輪(図示せず)との間に巻
回して設けられた搬送ベルト67と、この搬送ベルト6
6における搬送面を支持するためのガイドローラ68と
を備えている。ガイドローラ68は、上記コンベアフレ
ーム64により支持され、搬送ベルト67の搬送面の裏
面と当接してその送りにより転動する固定ローラであ
り、所定のピッチ間隔をもって複数個が配置されてい
る。なお、搬出コンベア8も、上記搬入コンベア4と同
様、従動輪側に周知の調整機構を備えており、適宜搬送
ベルト67の張り調整を行えるようになっている。
【0054】上記コンベアフレーム64の上部には、そ
の長手方向(図2中左右方向)に所定のピッチでボルト
69、ナット70により固定されてブラケット71が立
設されており、更にこのブラケット71を介してコンベ
アフレーム64上方にその長手方向全長に渡ってサイド
スカート72が配設されている。サイドスカート72
は、各ブラケット71の上端部に対して、鉛直壁面部7
6A(後述)と共にボルト73及びナット74を介し、
上記サイドスカート72の上部に、サイドスカート72
の長手方向(図2中左右方向)ほぼ全長に渡って略鉛直
に延在するように取付けられている。
【0055】また、サイドスカート72の斜め下方方向
先端には、上記搬送ベルト67の搬送面(送り面)67
aに摺接し、サイドスカート72と共に搬送される破砕
物が搬送面67aからこぼれ落ちるのを防止するスカー
トゴム75が取付けられている。
【0056】更にサイドスカート72の上部には、上記
搬出コンベア8の上方を覆うように搬出コンベアカバー
76が設けられている。この搬出コンベアカバー76
は、幅方向両側に位置する鉛直壁面部76A,76A
と、それら鉛直壁面部76A,76Aの上部に設けた水
平壁面部76Bとから構成されている。上記鉛直壁面部
76Aは、断面が略「コ」の字状の鋼鈑からなり、上記
ボルト73及びナット774によって上記サイドスカー
ト72の上部に、サイドスカート72の長手方向(図2
中左右方向)ほぼ全長に渡って略鉛直に延在するように
取付けられている。上記水平壁面部76Bは、それら鉛
直壁面部76A,76Aの上端部を連結するように、サ
イドスカート72の長手方向(図2中左右方向)ほぼ全
長に渡って略水平に延在するように取付けられている。
【0057】以上のような構造により、搬出コンベア8
は、上記搬出コンベア用油圧モータ65によって上記搬
送ベルト67を駆動し、これによって上記混合装置3か
ら搬送ベルト67上に落下してきた混合土砂(浄化済み
の土砂)を搬送するようになっている。
【0058】なお、図7及び図2において、88は吸込
配管、89は吹き付け配管であり、詳細については後述
する。
【0059】ここで、上記篩装置1、混合装置3、搬入
コンベア4、及び搬出コンベア8、左・右無限軌道履帯
10は、この自走式汚染土壌処理機械に備えられる動力
装置、即ち原動機としてのエンジン(図示せず)及びこ
のエンジンによって駆動される少なくとも1つの油圧ポ
ンプ(図示せず)からの動力によって駆動される。上記
油圧ポンプからの圧油は、当該圧油の方向及び流量を制
御するコントロールバルブを備えた制御弁装置(図示せ
ず)を介し、上記篩装置1、混合装置3、搬入コンベア
4、搬出コンベア8、及び左・右無限軌道履帯10にそ
れぞれ対応する上記加振用油圧モータ20、混合装置用
油圧モータ58、搬入コンベア用油圧モータ、搬出コン
ベア用油圧モータ65、及び左・右走行用油圧モータ1
3へと供給され、これによって対応する油圧モータが回
転駆動する。そして、上記エンジン、油圧ポンプ、及び
制御弁装置は、いずれも、上記動力装置61内に設けら
れている。
【0060】この動力装置61の前方側(図2中左側)
の領域には、操作者が搭乗する区画である運転席78
(図2では図示省略、図3参照)が設けられている。こ
の運転席には、上記制御弁装置に備えられた左・右走行
用コントロールバルブ(図示せず)を切り換え操作して
上記左・右走行用油圧モータ13の駆動速度を制御する
ための操作手段としての左・右操作レバー79が設けら
れている。
【0061】更に、上記動力装置61上には、揮発性有
機化合物分解装置80が設けられている。但し、図1で
は、この揮発性有機化合物分解装置80を自走式汚染土
壌処理機械136とは別に独立した構成とした状態を図
示したが、図2に示すように自走式汚染土壌処理機械1
36に搭載しても良い。この揮発性有機化合物分解装置
80は、詳細構造の図示は省略するが、この種のものと
して公知のものであり、その機能的構成を図8に示す。
【0062】図8において、揮発性有機化合物分解装置
80は、助燃バーナ81、燃焼炉82、熱交換器83、
押込ブロア84、及びガス排出筒85等を備えている。
押込ブロア84の吸い込み側には、前述の吸込配管86
a,86b,88,96(吸引配管96は後述)が接続
されており、ガス排出筒85の吹き出し側には、前述の
吹き付け配管87,89及び後述の分解ガス導入配管9
7が接続されている。これにより、各吸引配管86a,
86b,88,96から吸引された有機化合物が燃焼炉
82に導かれ、助燃バーナ81により加熱された触媒を
通過して浄化され、排出筒85を介し、吹き付け配管8
7,89及び分解ガス導入配管97に供給されるように
なっている。吹き付け配管87,89及び分解ガス導入
配管97には、有機化合物の分解により生じた比較的高
温の混合ガスが導かれ、吹き付け配管87,89及び分
解ガス導入配管97は、こうした混合ガスを土砂又は混
合土砂に吹き付け加熱することにより、土砂又は混合土
砂の加熱手段としての役割を果たすようになっている。
【0063】ところで、前述の構成の自走式汚染土壌処
理機械136からの土砂及び添加材の混合土砂は、上記
搬出コンベア8により搬送され上記テント94内に導か
れる。このテント94は、先の図2に示すように、搬出
コンベア8の先端部(図1中右端部)及び揮発促進手段
200を覆う包囲手段としての役割を果たし、内部に気
密性の確保された空間を形成している。また、詳細は後
述するが、テント94内の揮発促進手段200は、走行
可能な構成であり、適宜テント94外に移動するように
なっている。このとき、テント94内の雰囲気には揮発
した有機化合物が含まれるため、作業者が、テント94
外から揮発促進手段200の走行状態を目視確認できる
よう、テント94の少なくとも一部(揮発促進手段20
0を外部から目視確認可能な位置)は、透明な透視部
(例えばビニルやアクリル等)により構成する必要があ
る。また、テント94自体を略透明な素材で形成するこ
とも考えられる。
【0064】このテント94内に配置した揮発促進手段
200は、混合土砂に有機化合物の揮発促進処理を施す
処理装置201(詳細は後述)と、移動のための走行手
段202とで構成されている。
【0065】図9(a)はこの揮発促進手段200の概
略構造を表す側面図、図9(b)はその上面図、図9
(c)は図9(a)中IXC−IXC断面による断面図であ
る。但し、繁雑防止のため、図9(c)においては、後
述のパドルミキサ204を図示省略している。これら図
9(a)乃至図9(c)において、203は略箱型の処
理槽で、この処理層203は、ほぼ上部全面が開口した
ものであり(これに限られず、入口のみ開放された形状
であっても良い)、自走式汚染土壌処理機械136の搬
出コンベア8から放出された混合土砂を、この上部開口
から受け入れるようになっている。204は混合土砂の
攪拌手段としてのパドルミキサで、このパドルミキサ2
04は、処理槽203内に複数(この例では2本、但
し、少なくとも1本あれば良い)の回転軸205と、こ
の回転軸205に所定のピッチで設けられた攪拌翼20
6とを有している。
【0066】207はパドルミキサ205の駆動装置
で、この駆動装置207は、処理槽203の一端側(図
9(a)中左側)の側壁に固定され、この側壁を貫通す
る回転軸204の先端部(図示せず)に直結している。
即ち、この駆動装置207の駆動力により、パドルミキ
サ204が回転駆動し、処理槽203内に受け入れられ
た混合土砂を混合するようになっている。このように、
パドルミキサ204の攪拌翼206で混合処理すること
により、処理槽203内全体において、回転軸205周
りに混合土砂の旋回流を形成させることができ、土砂と
添加材とが十分且つ均一に混合されるようになってい
る。更に、混合土砂は、混合中、攪拌翼206により掻
き上げられるため、内部に空気が取り込まれる。これに
より、含有する有機化合物が効果的に揮発させられるよ
う作用する。
【0067】上記走行手段202は、処理槽203の下
部に設けた4つのキャスタ208a〜208dと、キャ
スタ208a,208dを駆動する駆動装置209とで
構成されている。このとき、キャスタ208a,208
dは、共用の支軸210を回転軸とし、一体に回転する
ようになっている。駆動装置209は、支持部材211
を介して処理槽203の側壁(図9(b)中下側の側
壁)に固定されている。212,213は、それぞれ上
記支軸210及び駆動装置209の出力軸209aに設
けたスプロケットで、これらスプロケット212,21
3には、チェーン214が巻回されている。
【0068】即ち、駆動装置209の駆動力を、チェー
ン214を介して支軸210に伝達し、キャスタ208
a,208dを回転させ、図9(a)中左右方向に、揮
発促進手段200を走行させるようになっている。但
し、このキャスタ208a,208dへの駆動伝達構造
としては、チェーン214を介したものに限らず、例え
ばスプロケット212,213をプーリに代え、ベルト
により伝達するものでも良いし、支軸210にカップリ
ング等を介して駆動装置208を直結する構成としても
良い。駆動装置207,209の動力は、別途設けた
(搭載しても良い)図示しない発電装置により供給され
る。
【0069】なお、先に述べたが、この揮発促進手段2
00は、テント94内にて混合土砂の揮発促進処理(混
合処理)を行うものであって、揮発促進処理完了後に
は、テント94外の所望の集積位置(例えば図1中の集
積位置S)付近に移動するようになっている。そのた
め、作業者は、テント94内の揮発促進手段200の混
合土砂の受け入れ状態や、処理状態、または走行状態等
を、テント94外から前述の透視部(図示せず)を介し
て目視確認しつつ操作する必要がある。従って、有線、
又は無線により遠隔操作可能な構成となっている。但
し、作業者が、テント94内に漂う有機化合物を吸込ま
ないよう、防護した上でテント94内で作業する場合、
操作装置を揮発促進手段200に設けても良い。
【0070】また、図1に示すように、目的の集積位置
Sが、汚染土壌処理システムに対しリニアな位置にある
場合には、揮発促進手段200は一方向にのみ移動可能
な構成としても良いし、この限りでない場合には、例え
ばキャスタ208b,208cを揺動可能な構成とし、
任意の方向に移動可能としても良い。この場合、キャス
タ208b,208cは、リモートコントローラやハン
ドル(共に図示せず)等により操作可能な構成とする。
また、単に一方向に移動すれば足りる場合等は、別途レ
ールを所定の経路で設け、このレールにガイドされて揮
発促進手段200が走行する構成としても良い。更に、
上記のように防護した上であれば、動力を用いずに、作
業者が人力により揮発促進手段200を移動させる構成
も考えられる。この場合、勿論、駆動装置209は省略
可能である。
【0071】またなお、本実施の形態においては、揮発
促進手段200の有する機能は、攪拌機能及び走行機能
のみであり、混合土砂を自力で排出するものではない。
従って、例えば図1において、集積位置Sに処理済の混
合土砂を排出する場合には、クレーン等を用いても良い
し、人手で掻き出す方法としても良い。但し、こうした
排出性を考慮した例は、他の実施の形態として図10を
用いて後述する。
【0072】以上のように、揮発促進手段200の処理
により揮発完了した混合土砂は、最終的に揮発促進手段
200自体が移動して所望の位置に搬送されるが、テン
ト94内には、処理中に混合土砂から揮発した有機化合
物が存在する。図1に示す96は、こうしたテント94
内の有機化合物を吸引し前述の揮発性有機化合物分解装
置80に導入するガス吸引配管で、このガス吸引配管9
6から吸引された有機化合物は、他のガス吸引配管86
a,86b,88からの有機化合物と同様、揮発性有機
化合物80により分解処理され、前述のガス吹き付け配
管87,89等から放出される。
【0073】また、揮発性有機化合物分解装置80から
の混合ガスは、図1に示すように、分解ガス導入配管9
7を介してテント94内に導く構成としても良い。この
場合、揮発促進手段200による有機化合物の揮発促進
作用が、より効果的に得られるようになる。なお、図1
では分解ガス導入配管97を、単にテント94内に臨む
ように設けた状態を図示したが、混合土砂の有機化合物
の揮発を促すためには、例えば、揮発処理中に処理槽2
03内に直接的に混合ガスが導かれるよう、揮発促進手
段200上部から、吹き付け部(先端部)が近接するよ
うに設けると望ましい。
【0074】次に、以上の構成の本実施の形態の汚染土
壌処理システムの動作を説明する。揮発性有機化合物に
汚染された土砂を、油圧ショベル100等で掘削し、自
走式汚染土壌処理機械136の篩装置1に投入すると、
大きなレキ等が格子部材18で除去され、格子部材18
を通過した土砂成分が下方の土砂ホッパ2へと導入され
る。この分級により、土砂の粒度分布の均一化を図って
添加材と混合し易い大きさとすることができる。またこ
のとき、上記加振モータ20による格子部材の円運動に
より、投入土砂は一旦持ち上げられた後、再び格子部材
18に落とされる。この衝撃及び格子部材18の網(ま
たはブレードでも良い)のエッジ効果により、投入土砂
の解砕が促進される。特に、投入土砂が粘性土の場合に
は、粘度鉱物に土中の陽イオンが吸着し、有機物片、鉱
物粒子等が集まり、団粒化していることが多い。この団
粒化した構造では、毛細間隙に水分や汚染物を取り込ん
でいることが多く、毛細間隙は水分保持能力が高いた
め、容易に水分を吐き出さない。このため、粘性土の場
合は、汚染物を分離するのが非常に難しい。本実施形態
では、上記の篩装置1による解砕促進作用によって団粒
構造を崩すことができるので、特に粘性土の場合に効果
的である。
【0075】土砂ホッパ2で受け入れられた土砂は、土
砂ホッパ2内に設けたアーチブレーカ22によって大き
目の土塊が解砕された後、その下方の搬入コンベア4の
搬送ベルト29上に載置され、後方側へ向かって搬送さ
れる。この搬送時において上記攪拌棒24で再び接触さ
れることにより、残った土塊についても解砕が促進され
る。このようにアーチブレーカ22による攪拌促進作用
によっても上記同様団粒構造をより崩すことができる。
【0076】そして、搬入コンベア4の搬送方向下流側
端部近傍にて、その搬送土砂の表面に貯留タンク38か
らフィーダ39を介して所定量の添加材が加えられ、こ
れらの土砂及び添加材が混合装置3へと導入される。
【0077】混合装置3へ導入された土砂及び添加材
は、混合装置本体47内のパドルミキサ50で均一に攪
拌混合される。添加材として、例えば生石灰を供給した
場合、下記の式(1)で表されるような添加材と土砂中
に含まれる水分との反応が開始され、反応熱を発生す
る。 CaO+H2O→Ca(OH)2+反応熱・・・(1) 一般に、例えばトリクロレチレン、テトラクロロエチレ
ン等の揮発性有機化合物は、揮発温度が比較的低い(例
えばトリクロレチレンの場合は86℃)ため、この反応
熱によって、汚染された土砂中に含まれる揮発性有機化
合物の揮発分離が開始される。
【0078】混合された土砂は、搬出コンベア8の搬送
ベルト67上に排出され、更に反応が進みつつテント9
4内に運搬され、後段の揮発促進手段200に供給され
る。
【0079】このとき、上記反応熱によって揮発してい
く有機化合物は、混合装置3の上記開閉蓋51付近に一
端を開口させたガス吸込配管86a及び搬出コンベア8
のコンベアカバー76に設けたガス吸込配管88を介し
て揮発性有機化合物分解装置80へ導入される。なお厳
密には、上式(1)の反応は、混合装置3へ投入される
前に、搬入コンベア4にて添加材を供給された時点から
少しづつ始まっていることから、図2及び図5に示すよ
うに、混合装置3への投入前、例えば方向転換部カバー
52にもガス吸込配管86bを接続し、ここからも揮発
性有機化合物の吸引を行っても良い。
【0080】揮発促進手段200に供給された混合土砂
は、パドルミキサ204により、添加材と共に更に混合
され、かつ周囲の空気と十分に接触することにより、含
有する有機化合物の揮発を促進させるための処理を施さ
れる。また、仮に土塊が残存していたとしても、ここで
の混合により解砕され細粒化されるため、混合及び通気
性確保の効果を効率的に得ることができる。このとき、
テント94内で発生した有機化合物は、ガス吸引配管9
6を介して揮発性有機化合物分解装置80に導入され
る。
【0081】そして、揮発促進処理が完了したら、揮発
促進手段200はテント94外の所望の位置に走行移動
し、処理済の混合土砂は、最終的に所望の集積位置に排
出される。処理済の混合土砂を排出した揮発促進手段2
00は、再び走行してテント94内の混合土砂受入れ位
置に戻り、自走式汚染土壌処理機械136からの混合土
砂を受け入れる。
【0082】一方、図8に示すように、揮発性有機化合
物分解装置80において、ガス吸込配管86a,86
b,88,96を介し吸引された揮発性有機化合物は、
押込ブロア84を経て熱交換器83で予加熱された後、
燃焼炉82内の燃焼室内に導入される。このとき、燃焼
炉82内には、燃焼触媒として、例えば白金、パラジウ
ム等の貴金属を表面に配置した担体が配置されている。
そして、燃焼炉82内は、助熱バーナ81によって、触
媒による反応に好適な約250℃〜300℃程度に維持
され、この状態で、上記熱交換器83で予加熱された揮
発性有機化合物を通し、分解する。例えばトリクロロエ
チレンの場合には、二酸化炭素、水、及び塩酸(HC
l)に分解される。これら3つの混合ガス(浄化ガス)
は、前述の熱交換器83において、予加熱前の揮発性有
機化合物と熱交換してやや冷却された後、ガス排出筒8
5に導かれ、ここから揮発性有機化合物分解装置80外
へ排出される。
【0083】ガス排出筒85の吹き出し側には、混合装
置3の上記出口49付近に一端を開口させた前述の吹き
付け配管87、搬出コンベア8のコンベアカバー76の
長手方向中間部(動力装置61の直下付近)に一端を開
口させた吹き付け配管89、及びテント94内に導かれ
た分解ガス導入配管97が接続されており、揮発性有機
化合物分解装置80外へ排出された二酸化炭素、水、及
び塩酸(HCl)の混合ガスは、吹き付け配管87,8
9、分解ガス導入配管97を介し、混合装置出口49付
近、搬出コンベア8内、及びテント94内へ導入され、
混合装置3内の混合土砂、搬出コンベア8で搬送されて
いる混合土砂、及び揮発促進手段200に供給された混
合土砂に吹き付けられる。なお、図1では、単にテント
94内に分解ガスを導く状態を図示しているが、揮発促
進手段200に供給された混合土砂に分解ガスを直接吹
き付ける場合には、分解ガス導入配管97のガス吹き付
け部(先端部)を、揮発促進手段200上方から近接さ
せれば足りる。
【0084】ガス排出筒85から排出される上記混合ガ
スは、前述のように熱交換器83で若干冷却されるが、
依然としてかなりの温度を持っており、これを混合土砂
に吹き付けることにより混合土砂の温度を上昇させ、混
合土砂中に含まれる揮発性有機化合物の揮発を促進す
る。
【0085】また、上記のように混合ガスを混合土砂に
導入することにより、混合ガス中に含まれる上記のHC
lが上式(1)において生成したCa(OH)2と、以
下のように反応する。 Ca(OH)2+2HC1→CaC12+2H2O・・・(2) 即ち、前述の式(1)の反応でできた強アルカリCa
(OH)2を含む土砂に混合ガスを吹き付けることによ
り、HClを含む強酸性のガスが中和される。
【0086】更にこのとき、混合ガス中に含まれる上記
の二酸化炭素が上式(1)において生成したCa(O
H)2と、以下のように反応する。 Ca(OH)2+CO2→CaCO3+H2O・・・(3) この反応は、通常、Ca(OH)2と空気中の二酸化炭
素との反応によって長期間かかって起こり中性化してい
くが、混合ガスを吹き付けることにより、それに含まれ
る二酸化炭素によって反応が加速され、中性化の反応を
促進する。以上の2つの反応により、強アルカリ性の混
合土砂を中性に戻す方向に作用することとなる。
【0087】以下に、本実施の形態にり得られる作用を
順次説明する。 [1]処理効率の向上 従来、自走式汚染土壌処理機械から放出された混合土砂
は、包囲手段(フード等)内に集積され、静的な状態で
放置されていたが、本実施の形態においては、上記のよ
うに、自走式汚染土壌処理機械136からテント94内
に放出する混合土砂を、そこに待機した揮発促進手段2
00に供給し、処理装置201により積極的に揮発促進
処理を施すことで、有機化合物の揮発を促し短時間で浄
化処理が完了するよう働きかける。これにより、短時間
で有機化合物が揮発除去され、自走式汚染土壌処理機械
136に土砂を投入してから、テント94外に処理済の
混合土砂が搬出されるまでの一連の工程の処理効率を大
きく向上させることができる。またこれにより、処理の
高速化が図られ、時間当りの処理量も向上させることが
できる。
【0088】[2]利便性向上 通常、浄化処理された土砂は、必ずしも汚染土壌処理シ
ステムの周辺で使用されるとは限らず、例えばそのまま
埋め戻し土として用いられる場合には、汚染土壌処理シ
ステムから離れた掘削位置に埋め戻されたり、その後、
更に何らかの改質処理を施す場合には、他の処理システ
ムのところまで搬送される場合もある。また、処理状態
や使用目的によって、混合土砂を更に他のテント内に一
時的に保管するような場合も起こり得る。従って、処理
済の混合土砂が、汚染土壌処理システムから、工程の一
環の中で所望の位置に供給されるものであれば、非常に
有利な点となる。
【0089】本実施の形態においては、揮発促進手段2
00が走行移動可能な構成であるため、揮発促進処理を
終えた揮発促進手段200は、移動することにより処理
済の混合土砂を所望の位置に供給することができる。こ
れにより、上記作用[1]に付随して、特別な搬送手段
等を用いずとも、汚染土壌処理システムの工程の一環と
して、処理済の混合土砂をダイレクトに必要箇所に供給
することができ、システムとしての利便性の向上を図る
ことができる。
【0090】[3]省スペース化 上記のように、本発明の汚染土壌処理システムでは、テ
ント94内に導かれた混合土砂は、静的状態で放置され
ることなく、積極的に揮発促進処理を施された上で、揮
発促進手段200によりそのままテント94外へ排出さ
れ、所望の位置に搬送される。このように、本実施の形
態においては、積極的に有機化合物の揮発除去を促進さ
せることにより、従来不可欠であった養生工程を省略す
ることができる。これにより、上記作用[1]に付随し
て、養生に要するスペースを省略することができ、省ス
ペース化することができるといったメリットを得ること
ができる。
【0091】[4]パドル式混合採用による作用 本実施の形態によれば、自走式汚染土壌処理機械136
の混合装置3や、揮発促進手段200の処理装置201
は、パドルミキサ50,201にて土砂と添加材とを混
合し発熱反応を促進させる方式であることにより、回転
軸53,205に取り付けた攪拌翼54,206の剪断
及び攪拌作用によって混合装置本体47又は処理槽20
3内のほぼ全域に及ぶ旋回流が形成され、混合装置本体
47又は処理槽203内全体をくまなく攪拌することが
できる。従って、例えば回転打撃子を備えた解砕式の混
合装置を用いた場合等に比べ、汚染された土砂と添加材
とを極めて良好に均一に混合することができる。従っ
て、上式(1)で表される多大な反応熱を生じさせるこ
とができ、汚染された土砂に含まれる有害な有機化合物
(VOC)を十分に揮発除去することが可能となる。
【0092】[5]篩装置及びアーチブレーカ採用によ
る作用 予め、篩装置1の格子部材18や土砂ホッパ2内のアー
チブレーカ22で、汚染された土砂の解砕を促進すると
共に、分級によって土砂の粒度分布の均一化を図り、添
加材と混合し易い大きさとすることができるので、更に
混合装置3における十分な混合を図ることができる。特
に、毛細間隙に水分や有害物質を取り込んだ団粒構造と
なっている場合の多い粘性土に対して有効である。
【0093】[6]触媒分解装置採用による作用 ここで、揮発させた有機化合物のガスを、仮に、例えば
活性炭等を備えた吸着手段に吸着させて除去した場合、
その有機化合物が吸着した吸着手段を更に適宜二次処理
(再処理)する必要があり、最終的には加熱または触媒
により分解することになるので、そのための手間やコス
トが増大する。特に加熱方式は、設備の大型化を招き易
い。
【0094】これに対して本実施の形態においては、揮
発させたガスを揮発性有機化合物分解装置80に導き、
触媒を用いて分解することにより、上記のような二次処
理の手間やコストを低減できる。特に、本実施の形態に
おいては、上述したように混合装置3における土砂と添
加材との混合性向上を図り、有機化合物の揮発を促進さ
せることから、揮発除去される有機化合物の量も増大す
る。このため、上記従来構造のような吸着方式では吸着
除去が不十分となるか、若しくは吸着手段の取替頻度が
増大し円滑な浄化処理を阻害する可能性があるが、本実
施の形態のように揮発性有機化合物分解装置80にて触
媒を用いて分解することにより、こうした弊害を防止で
きる。
【0095】[7]混合土砂を加熱することによる作用 更に、本実施の形態では、揮発性有機化合物分解装置8
0から排出された比較的高温の混合ガスを、再び混合土
砂に吹き付けることにより、そのガスの加熱によって更
に有機化合物の揮発促進を図り、有害物質を更に十分に
除去することができる。このとき、混合ガスを吹き付け
る場所は種々考えられるが、本実施形態では、特にガス
吹き付け配管87によって、混合装置3内部にて吹き付
る構成とした。これにより、混合装置3内は、土砂と添
加材とに対しパドルミキサ50によってせん断及び掻き
揚げが行われており、混合ガスが内部に侵入し易い状態
となっていることから、土砂中の揮発性有機化合物を効
率良く揮発させることができる。なお、これに加えて、
ガス吹き付け配管を、混合装置3に入口付近、例えばト
ンネル部材32末端部や方向転換部カバー52に設けて
も良い(ガス吹き付け配管86b)。また、搬出コンベ
ア8に設けても良い(ガス吹き付け配管88)。更に
は、揮発促進手段200の土砂搬送系路中に設けても良
い(分解ガス導入配管97)。これらの場合も、土砂が
ほぐれ易い状態のため、混合ガスの温度が生かし易く、
混合土砂内の揮発性有機化合物を揮発させ易いという効
果を得る。
【0096】[8]添加材に生石灰を採用した場合の作
用 混合ガスに含まれるHClは、そのままでは流せないた
め、通常、これを放流前に中和するための水処理装置が
必要になり、コストアップの要因となる。そこで本実施
の形態では、その混合ガスを、添加材としての生石灰の
添加で生成したCa(OH)2を含む強アルカリの土砂
にを加えることで、式(2)や式(3)のようにガスに
含まれる強酸のHClを中和し、上記水処理装置等を不
要とできると共に土砂自体も中和して浄化することがで
きる。
【0097】なお、添加材として生石灰を用いる場合、
従来、その粒径が1mmを超え5mm以下のものが使用
されることが多かった。しかしながら、本願発明者等
は、上記本発明の一実施の形態において、粒度分布の大
半が1mm以下の生石灰を添加材として使うことによ
り、土砂中における生石灰の分散度が特に良くなって、
土砂との反応が進み、汚染土砂内からVOCが揮発し易
くなることを知見した。これにより、反応時間が短くな
り、処理速度の高速化が可能となるという効果を得る。
【0098】なお、以上の本実施の形態において、上記
作用[8]を得るために、粒径ほぼ1mm以下の生石灰
を用いるとしたが、本発明の本質的効果[1]を得る限
りにおいては、これに限られず、特に生石灰の粒径を限
定する必要はない。また、必ずしも生石灰でなくとも、
他の石灰系の固化材を用いても良い。また、上記[7]
の作用を得るために、混合土砂に混合ガスを吹き付ける
構成としたが、必ずしもこうしたガス吹き付けの構成は
必要ない。更に、上記作用[6]を得るために、触媒方
式の揮発性有機化合物分解装置80を採用したが、これ
にも必ずしも限定する必要はなく、本質的作用[1]を
得る限りにおいては、前述の吸着式の分解装置を用いて
も構わない。
【0099】また、上記作用[5]を得るために、投入
土砂を処理前に予め小割り解砕し、粒径を均一な状態と
する構成としたが、これも本質的作用[1]を得る限り
においては、省略可能である。また、混合装置3や処理
装置201等、パドル式の混合装置を用いて上記作用
[4]を得たが、本質的作用[1]を得る限りにおいて
は、この限定も必ずしも必要なく、例えばスクリュー式
の混合装置や、回転打撃子を備えた解砕方式の混合装置
に代えても構わない。
【0100】本発明の汚染土壌処理システムの他の実施
の形態を図10を用いて説明する。図10は、本発明の
汚染土壌処理システムの他の実施の形態の全体配置を表
す側面図である。但し、先の各図と同様の部分、また同
様と見なすことができる部分には、同符号を付し説明を
省略する。また、図10において、テント94は、内部
の様子を図示するために断面で図示してある。図10に
示すように、本実施の形態は、ダンプ機能を有する揮発
促進手段200Aを設けた点を除き、他の構成は、前述
の本発明の一実施の形態と同様の構成である。
【0101】220はベースフレームで、本実施の形態
における揮発促進手段200Aにおいては、上記のキャ
スタ208a〜208d(図9(b)も参照)は、この
ベースフレーム220の下部に固定されている。また、
特に図示していないが、キャスタ208a,208dを
駆動する駆動装置209(図9(c)参照)は、揮発促
進手段200Aにおいては、ベースフレーム220に固
定される。駆動装置209からキャスタ208a,20
8dへの駆動伝達構造は、前述の揮発促進手段200と
同様である。
【0102】221はピンを介して処理装置201(処
理槽203)及びベースフレーム220を接続するブラ
ケットで、このブラケット221は、ベースフレーム2
10及び処理装置201(処理槽203)の他端(図1
0中右端)に設けられている。また、222はこのブラ
ケット221とほぼ同程度の高さ寸法の当接部材で、こ
の当接部材222は、ベースフレーム210の一端(図
10中左端)に設けられ、処理装置201(処理槽20
3)の一端(図10中左端)の荷重を支えている。22
3はシリンダで、このシリンダ223の両端は、ベース
フレーム220及び処理槽203の下部に対し回動可能
に連結されている。
【0103】つまり、処理装置201は、ブラケット2
21を介しベースフレーム210に対して傾倒可能な構
成となっており、シリンダ223の伸縮動作により、傾
倒駆動する構成となっている。これにより、処理槽20
3内の混合土砂を、容易に排出することができるように
なっている。なお、処理槽203の図10中右側の側壁
は、上端を支点として揺動するようにしておけば、処理
槽203を傾けた時には、自重及び混合土砂からの圧力
により開放され、この開放部からの排出により、更に混
合土砂の排出性が良くなる。この場合、処理槽203の
図10中右側側壁が開放された時でも、処理槽203の
駆動装置207側壁面による片持ち支持で耐えられるよ
う、パドルミキサ204の回転軸205の強度を考慮す
る必要がある。
【0104】このような揮発促進手段200Aを用いた
本実施の形態によれば、前述の一実施の形態と同様の効
果に加え、揮発促進手段200Aを所望の位置に走行移
動させた後、クレーン等の別途設けた設備や人手を費や
すことなく、ダンプ機能を用いて容易に処理済の混合土
砂を排出することができる。これにより、更に利便性を
向上させることができる。
【0105】本発明の汚染土壌処理システムの更に他の
実施の形態を図11を用いて説明する。図11は、本発
明の汚染土壌処理システムの更に他の実施の形態の全体
配置を表す側面図である。但し、先の各図と同様の部
分、また同様と見なすことができる部分には、同符号を
付し説明を省略する。また、図11において、テント9
4は、内部の様子を図示するために断面で図示してあ
る。
【0106】図11に示すように、本実施の形態におい
ては、先の揮発促進手段200(又は揮発促進手段20
0A)と同様の構成の複数(この例では2台)の揮発促
進手段200Ba,200Bbを、テント94内に配置
した点を除いて、前述の一実施の形態と同様の構成であ
る。但し、図11において、油圧ショベル90や揮発性
有機化合物分解装置80は、図示省略してある。
【0107】本実施の形態においては、まず、図11に
示す状態のとき、前述の一実施の形態と同じ要領で、自
走式汚染土壌処理機械136からの混合土砂を揮発促進
手段200Baに供給する。そして、揮発促進手段20
0Baの処理槽203内の混合土砂が一杯となったら、
自走式汚染土壌処理機械136を適宜操作して搬出コン
ベア8の先端部が揮発促進手段200Bb上に位置する
よう、移動させる。この間に、揮発促進手段200Ba
は、受け入れた混合土砂の有機化合物の揮発除去を終
え、所望の位置に移動して処理済の混合土砂を排出して
再び図11に示す位置に戻る。
【0108】揮発促進手段200Baが、所望の位置に
移動して処理済の混合土砂を排出して戻るまでの間、自
走式汚染土壌処理機械136は、揮発促進手段200B
bに対して混合土砂を供給する。そして、揮発促進手段
200Bbの処理槽203内の土砂が一杯となったら、
自走式汚染土壌処理機械136を再度適宜の操作により
図11に示す位置(即ち揮発促進手段200Baへの混
合土砂供給位置)に移動させ、再度揮発促進手段200
Baに混合土砂を供給する。そして、その間に、揮発促
進手段200Bbは、混合土砂の有機化合物の揮発除去
を終え、所望の位置に移動して処理済の混合土砂を排出
して図11に示す位置に戻る。
【0109】本実施の形態においては、以上の動作を繰
り返し行うことにより、前述の一実施の形態と同様の効
果に加え、処理作業を連続して行うことが可能となり、
より大量の土砂の浄化処理を迅速に行うことができる。
例えば、仮に処理槽203の容量が10m3程度で、揮
発促進処理により15分程度で有機化合物の揮発除去が
完了するとすれば、複数の揮発促進手段で、混合土砂の
受入れ→揮発処理→移動搬出→待機、といった作業を順
番に繰り返し行うことにより、自走式汚染土壌処理機械
136の作業を中断することなく、連続的な作業が行え
るようになる。
【0110】なお、本実施の形態においては、自走式汚
染土壌処理機械136が移動する方法である。そのた
め、作業者は、前述した運転席78に搭乗し、操作レバ
ー79を操作して自走式汚染土壌処理機械136を走行
させることになる。そのため、図11に示す揮発促進手
段200Ba,200Bbに対するそれぞれの混合土砂
供給位置に、自走式汚染土壌処理機械136を移動させ
るためには、揮発促進手段200Ba,200Bbの位
置を、作業者が把握できる必要がある。そのため、自走
式汚染土壌処理機械136に搭乗した作業者、又はそれ
を誘導する他の作業者等が、テント94内の揮発促進手
段200Ba,200Bbの様子を伺えるような位置
に、前述の透視部を設ける必要がある。また、テント9
4自体を略透明な素材で形成しても良い。
【0111】但し、上記のように、自走式汚染土壌処理
機械136と揮発促進手段200Ba,200Bbとの
位置合わせを行う限りにおいては、自走式汚染土壌処理
機械136の搬出コンベア8の差し込み口の位置を予め
設定しておくことも考えられる。即ち、揮発促進手段2
00Ba,200Bbの位置が所定の位置にあることを
前提とすれば、自走式汚染土壌処理機械136の位置決
めは、テント94に設けた搬出コンベア8の差し込み口
の位置と、この差し込み口に対する搬出コンベア8の差
し込み量とを設定することにより可能となる。また、揮
発促進手段200Ba,200Bbの位置決めとして
は、前述のようにテント94の透視部から目視確認しつ
つ、作業者が遠隔操作することによっても可能であり、
また例えば前述のレールを採用した構成であれば更に容
易に行うことができる。
【0112】また、本実施の形態においては、揮発促進
手段200Ba,200Bbの混合土砂受け入れ位置
(又は待機位置)が、テント94内にてほぼ所定の位置
に設定されているため、自走式汚染土壌処理機械136
自体が、それぞれ揮発促進手段200Ba,200Bb
の混合土砂受け入れ位置に応じて移動する方法をとった
が、必ずしもこれに限られない。例えば、自走式汚染土
壌処理機械136の搬出コンベア8を旋回可能な構成と
することにより、自走式汚染土壌処理機械136自体の
位置を変えなくても、搬出コンベア8からの混合土砂の
放出位置を、揮発促進手段200Ba,200Bbの各
位置に振り分けることができるようになる。また、この
限りにおいては、自走式汚染土壌処理機械136におい
て、汚染土壌処理機械本体6(図2参照)が、走行装置
7に対して旋回可能な構成であっても良い。
【0113】本発明の汚染土壌処理システムの更に他の
実施の形態を図12を用いて説明する。図12は、本発
明の汚染土壌処理システムの更に他の実施の形態の全体
配置を表す上面図である。但し、先の各図と同様の部
分、また同様と見なすことができる部分には、同符号を
付し説明を省略する。また、図12において、テント9
4は、内部の様子を図示するために断面で図示してあ
る。
【0114】図12に示すように、本実施の形態も、先
の図11の実施の形態と同様、複数の揮発促進手段20
0Ca,200Cbをテント94内に配置している。但
し、本実施の形態においては、自走式汚染土壌処理機械
136を位置を固定して稼動させる点で、先の図11の
実施の形態と運用方法が異なる。また、揮発促進手段2
00Ca,200Cbは、任意の方向に移動可能な点
で、先の揮発促進手段200,200A,200Ba,
200Bbと異なる。以下に、揮発促進手段200C
a,200Cbの構成及び動作を説明する。
【0115】図13(a)は揮発促進手段200Caの
概略構造を表す上面図、図13(b)はその側面図、図
13(c)は図13(a)中XIIIC−XIIIC断面による断
面図である。但し、繁雑防止のため、図13(c)にお
いては、パドルミキサ204を図示省略している。ま
た、図13(a)乃至図13(c)においては、揮発促
進手段200Caを図示してあるが、揮発促進手段20
0Cbについても同様である。
【0116】これら図13(a)乃至図13(c)にお
いて、210a,210bは互いに独立した支軸で、こ
れら支軸210a,210bは、それぞれキャスタ20
8a,208dの回転軸の役割を果たす。揮発促進手段
200Caにおいては、駆動装置209が2つ設けられ
ており、これら駆動装置209,209により、それぞ
れキャスタ208a,208dを独立して駆動するよう
になっている。キャスタ208b,208cは、揮発促
進手段200Ca,200Cbの方向転換が可能なよ
う、水平面内で回転可能に取付ける。駆動装置209,
209の取付構造、及び駆動装置209,209からキ
ャスタ208a,208dへの駆動伝達構造は、先に図
9(a)乃至図9(c)に示した例と同様である。他の
構成は、前述の揮発促進手段200と同様である。
【0117】上記構成により、揮発促進手段200Ca
は、キャスタ208a,208dのうち、一方のみ駆動
する(又は互いに逆回転駆動しても良いし、互いに異な
る回転速度で駆動しても良い)ことにより方向転換し、
共に同一方向に同速度で回転駆動することにより、前進
又は後退するようになっている。
【0118】なお、揮発促進手段200Ca,200C
bに、ダンプ機能を持たせても構わない。この場合、図
10に示した揮発促進手段200Aの走行手段202に
おける駆動伝達構造を、揮発促進手段200Ca,20
0Cbと同様に構成すれば足りる。
【0119】図14は、揮発促進手段200Caのテン
ト94内での移動状態を表す図である。この図14にお
いて、揮発促進手段200Caは、始め位置X(図12
の揮発促進手段200Cb位置に相当)で待機してい
る。前に自走式汚染土壌処理機械136から混合土砂を
受け入れている別の揮発促進手段が、受け入れ完了して
移動したら、揮発促進手段200Caは、混合土砂の受
け入れ位置である位置Y(図12の揮発促進手段200
Caの位置に相当)に移動する。このとき、揮発促進手
段200Caは、キャスタ208dのみを駆動させ、キ
ャスタ208aを支点とした状態で、矢印aに示すよう
に方向転換し、ほぼ90°方向転換した時点でキャスタ
208aも駆動させ、位置Yに向かって前進する(矢印
b)。
【0120】位置Yに移動した揮発促進手段200Ca
は、そこで混合動作を開始して、自走式汚染土壌処理機
械136から搬出コンベア8を介して放出される混合土
砂を受け入れる。この場合、揮発促進手段の台数が少な
ければ、この位置Yで混合土砂の混合を行っても良い
し、図12に示すよりも多数配置する場合には、混合土
砂の受け入れが完了したら、移動して次に待機した揮発
促進手段のために位置Yを空ける。
【0121】位置Yから移動する際、テント94の出入
口に向かって移動する。出入口が図14中において位置
Yの右方向にあるとすると、混合土砂の受け入れ(又は
揮発促進処理)が完了した揮発促進手段200Caは、
位置Zに向かって移動する。このとき、前述と逆の要領
で、キャスタ208aのみを駆動し、キャスタ208d
を支点として矢印cに示すように方向転換し、方向転換
が終了したらキャスタ208a,208dを共に駆動さ
せて位置Zに向かって走行する(矢印d)。
【0122】なお、位置Zは、例えばテント94内のス
ペースに余裕があれば、攪拌混合位置として利用しても
良い。また、更に多数の揮発促進手段を用いる場合、混
合土砂の受け入れ位置以外に、待機位置(例えば位置
X)や攪拌位置(例えば位置Z)を複数設けることも考
えられる。また、位置Zに移動した時点で混合土砂の有
機化合物の揮発除去が完了していれば、勿論、位置Zで
静止する必要はなく、そのまま通過してテント94外の
所望の位置に移動しても良い。
【0123】本実施の形態においても、図11に示した
実施の形態と同じく、前述の一実施の形態と同様の効果
が得られると共に、処理作業を連続して行うことが可能
となり、より大量の土砂の浄化処理を迅速に行うことが
できる。また、自走式汚染土壌処理機械136の位置を
固定して運用するため、図11の実施の形態に比べて、
システムの運用が簡便であり、より利便性を向上させる
ことができる。
【0124】また、自走式汚染土壌処理機械136の位
置を固定してシステムを運用する限りにおいては、例え
ば、先の図11において、並列配置してあった揮発促進
手段200Ba,200Bbを、走行方向が自走式汚染
土壌処理機械136の搬出コンベア8に対してほぼ直角
となるよう縦列配置すれば、自走式汚染土壌処理機械1
36を固定して揮発促進手段200Ba,200Bbの
みを移動させることで運用することができる。
【0125】本発明の汚染土壌処理システムの更に他の
実施の形態を図15を用いて説明する。図15は、本発
明の汚染土壌処理システムの更に他の実施の形態の全体
配置を表す側面図である。但し、先の各図と同様の部
分、また同様と見なすことができる部分には、同符号を
付し説明を省略する。また、図15において、テント9
4は、内部の様子を図示するために断面で図示してあ
る。
【0126】図15において、200Dは本実施の形態
で用いる揮発促進手段で、この揮発促進手段200D
は、公知の構成の自走式搬送機械の荷台を、処理装置2
01Dとしたものである。以下に、揮発促進手段200
Dの構成を説明する。
【0127】図16は本発明の汚染土壌処理システムの
更に他の実施の形態を構成する揮発促進手段200Dの
全体構造を表す側面図、図17はその上面図である。但
し、これら図16及び図17において、先の各図と同様
の部分、又は同様と見なすことができる部分には、同符
号を付し説明を省略する。これら図16及び図17にお
いて、230は揮発促進手段200Dの走行手段として
の走行装置で、この走行装置230は、本体フレーム2
31の下部に連設したトラックフレーム232と、この
トラックフレーム232の両端に設けた従動輪(アイド
ラ)233及び駆動輪234と、これら従動輪233及
び駆動輪234に掛け回した左右の無限軌道履帯235
と、駆動輪234に直結した駆動装置236とで構成さ
れている。これにより、揮発促進手段200Dは、任意
の方向に方向転換し、自力走行可能な構成となってい
る。
【0128】201Dはパドルミキサ204を備えた処
理装置で、この処理装置201Dは、前述の揮発促進手
段200の処理装置201とほぼ同様の構成であり、詳
細な説明は省略する。なお、揮発促進手段200Dにお
いては、パドルミキサ204が処理槽203の長手方向
(図17中左右方向)に対してほぼ直交する方向に設け
られているが、先の各揮発促進手段200,200A〜
200Cbと同様、処理槽203の長手方向に設けても
構わない。また、処理槽203の一端側(図16中左
側)の側壁203aは、上部を支点として外側に開放可
能な構成となっている。
【0129】237は処理槽203を本体フレーム23
1に対して回動可能に連結するブラケット、238は両
端が処理槽203と本体フレーム231とに回動可能に
連結されたシリンダである。これにより、処理槽203
は、前述の揮発促進手段200A(図10参照)と同
様、シリンダ238の伸長動作に伴って傾倒駆動するよ
うになっている。また、処理槽203の上記側壁203
aは、処理槽203のダンプ時には、その自重や混合土
砂の圧力により開放されるようになっている。
【0130】239は走行装置230の駆動装置234
や、パドルミキサ204の駆動装置207、シリンダ2
38等の動力源(エンジンやこのエンジンにより駆動さ
れる油圧ポンプ)等を内蔵した動力装置、240は作業
者の搭乗する運転席である。この運転席240は、内部
に各駆動装置207,234やシリンダ238等の操作
装置を備えており、また、図16及び図17に示すよう
に、カバー241により気密性の保たれた空間内が確保
されている。これにより、テント94内において、運転
席240内の空間をテント94内の雰囲気と区画するよ
うになっている。なお、作業者は、揮発促進手段200
Dに搭乗する際、また揮発促進手段200Dを操作する
際等には、有機化合物に対する防護をした上でテント9
4内に立ち入る必要がある。また、運転席240に換気
設備を設けることが望ましい。
【0131】以上のような構成により、揮発促進手段2
00Dは、現場内を自在に走行することができ、また、
クローラ式の走行装置230を備えることにより、軟弱
地盤等への立ち入りも可能となり、走行経路の自由度を
向上させることができる。そして、こうした高い機動性
と共に、処理槽203のダンプ機能を有するため、所望
の位置に容易に移動し処理済の混合土砂を排出すること
ができる。
【0132】本実施の形態においては、このような揮発
促進手段200Dをテント94内に配置することによ
り、前述の一実施の形態と同様の効果を得ることができ
ると共に、より高い自由度を獲得し高い利便性を得るこ
とができる。また、こうした揮発促進手段200Dを複
数台配置することにより、更に処理連続性も向上させる
ことができる。
【0133】ここで、本発明は以上の各実施の形態に限
られるものではなく、揮発促進手段の変形以外にも、そ
の趣旨及び技術的思想を逸脱しない範囲内において、種
々の変形が可能である。以下、そのような変形例を順を
追って説明する。
【0134】間接加熱を行う場合 上述したように、揮発性有機化合物分解装置80から排
出された混合ガスを直接混合土砂に吹き付けることによ
り、強酸性の混合ガス及び強アルカリ性の混合土砂を中
性化できると共に、混合土砂中に含まれる揮発性有機化
合物の揮発を促進することができるが、単に加熱による
揮発促進に着目した場合には、これに限られず、土砂ホ
ッパ2へ投入された土砂又は混合装置3にて混合された
混合土砂に接する部材を加熱することにより、間接的に
土砂を加熱し、揮発を促進するようにしても良い。
【0135】図18は、この間接加熱方式の一例とし
て、混合装置3のパドルミキサ50に揮発性有機化合物
分解装置80からの混合ガスを導く変形例における、混
合装置3の詳細構造を表す側断面図である。図18にお
いて、パドルミキサ50の回転軸53が中空構造となっ
ており、この中空部分に連通するように、回転軸53の
一端側(図18中右側)に、加熱手段としてのガス送り
込み配管98が接続され、加熱用の混合ガスを揮発性有
機化合物分解装置80より導入するようになっている。
これにより、回転軸53を内周側から加熱し、混合装置
本体47内において回転軸53に直接接触する混合土砂
の温度を上昇させ、揮発性有機化合物の揮発促進を図る
ことができる。回転軸53の他端側(図18中左側)に
はガス排出配管99が接続され、回転軸53内から導出
された混合ガスを、適宜の処理設備へと排出する。
【0136】なお、混合土砂の間接加熱のために、上記
は加熱用のガスをパドルミキサ回転軸53に送り込み土
砂を加熱したが、これに限られない。例えば、先の図4
に示したアーチブレーカ22の回転軸23を同様に中空
構造にしてガスを導入し土砂ホッパ2内で投入土砂を加
熱するようにしても良いし、別途加熱用の配管を土砂ホ
ッパ2内に追設しても良い。また、このように、間接的
に土砂や混合土砂を加熱する観点で言えば、分解ガス導
入配管97(図1参照)等は、先端の吹き付け部が揮発
促進手段200(他の揮発促進手段も同様)の上部から
近接するように配置して混合ガスを直接混合土砂に吹き
付ける構成としなくとも、単にテント94内に導いて間
接的に加熱するようにすることも考えられる(図1はそ
の状態を図示している)。
【0137】排気ガスを利用して加熱を行う場合 以上は、揮発性有機化合物分解装置80から排出される
混合ガスを用いて、その熱により土砂又は混合土砂を加
熱して揮発促進、或いは含有する塩酸により混合土砂の
中性化を図るものであった。ここで、動力装置61に備
えられるエンジンからの排気ガスについても、上記混合
ガスと同様、高温であり、また二酸化炭素を含むことか
ら、土砂又は混合土砂に吹き付ける(又は間接加熱を行
う)ことにより、上述した混合ガスを用いる場合とほぼ
同様の効果を得られる。
【0138】図19は、このような変形例の一例とし
て、前述の図1に示した汚染土壌処理システムにおい
て、揮発性有機化合物分解装置80からの混合ガスに代
えてエンジンからの排気ガスを用いるようにした場合の
全体構成を表す側面図である。この図19において、揮
発性有機化合物分解装置80には、図1に示したシステ
ムと同様、ガス吸込配管86a,86b,88を介し、
混合装置3、搬入コンベア4、搬出コンベア8において
揮発した揮発性有機化合物が吸引導入されると共に、テ
ント94内に揮発して貯留した揮発性有機化合物もガス
吸引配管96を介して導入され、分解浄化される。
【0139】一方、エンジンの排気ガス管(尾管)13
7から排出された排気ガスが、排気ガス管137に接続
された排気ガス導入配管138,139を介し、それぞ
れガス吹き付け配管87,88に導かれ、混合装置3及
び搬出コンベア8において混合土砂へ吹き付けられると
共に、排気ガス導入配管140を介し分解ガス導入配管
97に導かれ、テント94内に導入される。これによ
り、前述の揮発性有機化合物分解装置80からの混合ガ
スの場合と同様にして、混合土砂中に含まれる揮発性有
機化合物の揮発を促進することができる。特にこのと
き、エンジンからの排気ガスにはCO2が多く含まれて
いるので、上式(3)で前述したCa(OH)2からC
aCO3を生成する中和反応を特に促進させることがで
きる。
【0140】解砕装置を設ける場合 図20は、本発明の汚染土壌処理システムにおいて、搬
出コンベア8上に混合土砂の解砕装置を設けた変形例を
構成する自走式汚染土壌処理機械の全体構成を表す側面
図である。この図20に示すように、搬出コンベア8に
は、上記搬送ベルト67上を搬送される混合土砂を微解
砕する2つの解砕装置104が設けられている。但し、
この例では、解砕装置104を2つ設ける場合を説明す
るが、勿論、3つ以上設けても良いし、単に1つ設ける
構成としても構わない。
【0141】図21は、この変形例を構成する上記解砕
装置104の全体構造を表す側面図であり、図22は図
21中E方向から見た図である。なお、これら図21及
び図22においては、構造明確化のために、ベルトカバ
ー106(後述、図20参照)を取外した状態を図示し
ている。
【0142】これら図21及び図22において、107
は解砕装置104の本体としての解砕装置本体である。
この解砕装置本体107は、板状の2つの側板部107
Aと、この側板部107Aの上部に位置する天板部10
7Bと、側板部107Aの下端に例えば溶接等により取
付けられ、例えばアングル材等により構成された取付部
107Cとからなる。
【0143】また、108は解砕装置取付部であり、搬
出コンベア8の上記コンベアフレーム64の長手方向
(図22中紙面に向かって垂直方向)端部以外の位置
(言い換えれば中間部)の下部に、コンベアフレーム6
4の外側に向かって張り出しすように例えば溶接等によ
り固定的に設けられている。この解砕装置取付部108
と上記解砕装置本体107の取付部107Cの下面には
互いに相対する図示しない貫通孔が複数設けられてお
り、互いの貫通孔の位置を合わせてボルト109を差し
込みこのボルト109にナット110を締め込むことに
より、上記解砕装置本体107は、搬出コンベア8の上
記コンベアフレーム64に固定されている。なお、上記
解砕装置取付部108と上記解砕装置本体取付部107
Cとの間には、解砕装置104の幅方向(図22中左右
方向)に掛け渡されるように設けられ、この固定構造の
強度を補強する例えばバー材等で構成された補強板11
1が介在されている。
【0144】ここで、上記解砕装置本体107の側板部
107Aの外側には、軸受機構112,112がボルト
113により設けられ、側板部107Aに設けられた貫
通孔(図示せず)に挿通されることにより上記搬出コン
ベア8の搬送ベルト67の上方にて略水平に配設された
回転軸114の両端を回転自在に支持している。この回
転軸114の一端(図22中左端)には、プーリ115
が取付けられており、上記解砕装置本体107の天板部
107B上の解砕装置駆動用モータ116の出力軸11
6a端部に取付けられたプーリ117との間に掛け渡さ
れたベルト118により、解砕装置駆動用モータ116
の駆動力が回転軸114に伝達するようになっている。
【0145】なお、図22中左側の側板部107Aに
は、長穴119a(図21参照)を有するプーリ取付板
119が設けられており、また、この長穴119aに
は、先端に上記ベルト118に対して転動するプーリ1
20を有する回転軸121(図22参照)が図21中左
右方向にスライド可能に挿通されている。即ち、プーリ
120を図21中左右方向にスライドさせ、ベルト11
8に適度な張力を持たせつつ転動させることにより、ベ
ルト118の張り調整機能を果たすようになっている。
上記解砕装置駆動用モータ116は、上記解砕装置本体
107の天板部107B上部に台板122を介してボル
ト123により固定されている。
【0146】なお、上記ベルト118は、図21に示す
ように、上記プーリ115、上記プーリ117、及び上
記プーリ120の外周側を囲むように略三角形に巻き回
されているが、これらプーリ115,117,120、
ベルト118、上記回転軸114,121及び解砕装置
駆動用モータ出力軸116aの各軸端部を覆うように上
記ベルトカバー106が設けられている(図20参
照)。
【0147】上記回転軸114には、その軸方向に所定
のピッチで上記搬出コンベア搬送ベルト67上を搬送さ
れる混合土砂を微解砕するカッタ124が取付けられる
ブラケット125が複数枚(この例では10枚)設けら
れている。
【0148】図23(a)はこのカッタ124の概略取
付構造を表す図であり、図23(b)は図23(a)中
F方向から見た図である。これら図23(a)及び図2
3(b)において、ブラケット125は、中央に回転軸
114の直径より僅かに径が大きい貫通孔125aを有
する略正方形状の板材であり、上記のように回転軸11
4に対して、その軸方向に所定のピッチを持って溶接等
により設けられている。各ブラケット125はその外周
に図示しないボルト穴を複数有しており、また、相隣接
するブラケット125,125はその位相が回転軸11
4の周方向に45°ずらされて配設固定されている。
【0149】上記カッタ124は、回転軸114の径方
向に対してその軸線方向が略直角となるように取付けら
れボルト挿通用の図示しない複数(この例では2つ)の
貫通孔が設けられた取付部124aと、この取付部12
4aの先端に位置し回転軸114の回転方向(図23
(b)中矢印G方向)と反対側に反った形状の先端部1
24bとからなる。また、この先端部124bは、更
に、回転軸114の軸方向中央側に向かって湾曲してい
る(図23(a)参照)。即ち、各先端部124bは、
回転軸114の回転方向と反対方向に折れ曲がると共
に、回転軸114の軸方向中央よりも図23(a)中左
側に配設されたカッタ124は図23(a)中右方向
に、回転軸114の軸方向中央よりも図23(a)中右
側に配設されたカッタ124は図23(a)中左方向に
曲成されている。そして、上記したブラケット125及
びカッタ124に互いに複数設けられた貫通孔の位置を
合わせてボルト126を締め込むことにより、カッタ1
24は、ブラケット125の4辺に固定されている。な
お、各ブラケット125において、隣接するカッタ12
4,124はそれぞれブラケット125の異なる面に取
り付けられており(つまり、一方は表面に他方は裏面に
取り付けられており)、対向するカッタ124,124
は同一面に取付けられている(つまり、共に表面あるい
は裏面に取り付けられている)。
【0150】なお、図22及び図23(a)において
は、繁雑防止のため回転軸114の軸方向に配置された
10枚のブラケット125のうち4枚のブラケット12
5にのみカッタ124を取付けた状態を図示したが、実
際には全てのブラケット125にカッタ124が各4枚
ずつ取付けられている。また、このカッタ124の取付
け枚数を適宜調節して解砕装置104の解砕能力を調整
しても良い。
【0151】図24は、上記2つの解砕装置104,1
04におけるカッタ124の概略取付構造を表す、一部
破断して示す側断面図である。この図24において、2
つの解砕装置104のそれぞれの複数のカッタ124は
共に搬出コンベア8の上記搬送ベルト67の搬送方向
(矢印G方向)に回転し、2つの解砕装置104は互い
のカッタ124の回転軌跡Hが重なり合わないように配
置されている。また、上記回転軌跡Hは搬出コンベア8
の上記搬送ベルト67にほぼ摺接しており、搬送ベルト
67上の混合土砂を介して作用するカッタ124の衝撃
により搬送ベルト67が撓み振動することを防止するた
めに、搬出コンベア8のコンベアフレーム64における
解砕装置104のカッタ124の取付位置には、支持部
材127(図22参照)を介して上記搬送ベルト67の
搬送面を裏側から受けるように支持板128が設けられ
ている。
【0152】また、上記解砕装置本体107の天板部1
07Bには取付板129を介して上記カッタ124の回
転軌跡Hに沿って略円弧状のカバー130が設けられて
おり、混合土砂の周囲への飛散を防止するようになって
いる。
【0153】なお、解砕装置本体107の概略構造につ
いては前述したが、図22に示すように、詳細には、そ
の側板部107A,107Aのうち一方(図22中右
方)の側板部107Aはその上部の天板部107Bに対
して、例えば、溶接等により固定されているのに対し、
他方(図22中左方)の側板部107Aは天板部107
Bに対して、例えば、溶接等により天板部107B下部
に固定された取付板134を介してボルト135により
取外し可能に固定されている。このように、片方の側板
部107Aを取外し可能とすることにより、上記回転軸
114等の解砕装置本体107内の部材を容易に組込み
・解体することができ、メンテナンスを容易にすると共
に、解砕装置104自体を搬出コンベア8のコンベアフ
レーム64に対して容易に取付け・取外しができるよう
になっている。
【0154】本変形例では、以上説明してきた自走式汚
染土壌処理機械を、先に説明した図1、図10、図1
1、図12、図15、図19のシステムにおいて、自走
式汚染土壌処理機械136の代わりに設ける。これによ
り、本変形例においては、搬出コンベア8上に、カッタ
124を備えた解砕装置104を設けるので、混合土砂
の解砕を更に促進し有機化合物の揮発を更に促進するこ
とができる。従って、土砂が自走式汚染土壌処理機械内
にあるうちに、更に確実に有機化合物の揮発回収を完了
することができる。
【0155】なお、以上説明してきた各実施の形態及び
変形例において、自走式汚染土壌処理機械136の走行
装置7、また油圧ショベル90の走行装置93、揮発促
進手段200Dの走行装置230は、無限軌道履帯1
0,93a,235を備えたいわゆるクローラ式のもの
としたが、これに限られる必要はなく、いわゆるホイー
ル式の走行装置としても良い。また、自走式汚染土壌処
理機械136は、装置1、あおり21を備えるものとし
たが、必ずしも必要ない。また、混合装置3や各処理装
置201,201A〜201Dは、パドルミキサを備え
る混合装置としたが、これに限らず、例えばスクリュー
により混合するものや、回転打撃子により混合するもの
等、他の構成の混合装置を適用しても良い。また、搬入
コンベア4、搬出コンベア8等を、ベルトコンベアによ
り構成したが、これにも限られず、例えばスクリューコ
ンベア等としても良い。これらの場合も同様の効果を得
る。
【0156】
【発明の効果】本発明によれば、従来、包囲手段内に堆
積され静的な状態で放置されていた混合土砂を揮発促進
手段に受け入れ、処理装置により積極的に揮発促進処理
を施すことで、有機化合物の揮発を促し短時間で浄化処
理が完了するよう働きかける。これにより、短時間で有
機化合物が揮発除去され、処理効率向上に寄与する。ま
た、揮発促進手段が移動可能であるため、混合土砂の有
機化合物の揮発除去は、揮発促進手段に受け入れられた
状態で完了し、処理済の混合土砂を、そのまま揮発促進
手段により所望の位置に搬送供給することができ、シス
テムとしての利便性の向上を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の汚染土壌処理システムの一実施の形態
の全体配置を表す側面図である。
【図2】本発明の汚染土壌処理システムの一実施の形態
を構成する自走式汚染土壌処理機械の全体構造を表す側
面図である。
【図3】本発明の汚染土壌処理システムの一実施の形態
を構成する自走式汚染土壌処理機械の全体構造を表す上
面図である。
【図4】本発明の汚染土壌処理システムの一実施の形態
を構成する自走式汚染土壌処理機械に備えられた篩装置
及び土砂ホッパ近傍の詳細構造を表す図2中部分抽出拡
大図である。
【図5】本発明の汚染土壌処理システムの一実施の形態
を構成する自走式汚染土壌処理機械に備えられた土砂ホ
ッパの供給用開口部及びそれより搬入コンベアの搬送方
向下流側付近の詳細構造を表す図2の一部透視拡大側面
図である。
【図6】本発明の汚染土壌処理システムの一実施の形態
を構成する自走式汚染土壌処理機械に備えられた混合装
置の詳細構造を表す側断面図である。
【図7】本発明の汚染土壌処理システムの一実施の形態
を構成する自走式汚染土壌処理機械に備えられた搬出コ
ンベアの詳細構造を表す図2中VI−VI断面による断面図
である。
【図8】本発明の汚染土壌処理システムの一実施の形態
を構成する揮発性有機化合物分解装置の機能的構成を表
す図である。
【図9】本発明の汚染土壌処理システムの一実施の形態
を構成する揮発促進手段の全体構造を表す側面図及び上
面図、また側面図におけるIXC−IXC断面による断面図で
ある。
【図10】本発明の汚染土壌処理システムの他の実施の
形態の全体配置を表す側面図である。
【図11】本発明の汚染土壌処理システムの更に他の実
施の形態の全体配置を表す上面図である。
【図12】本発明の汚染土壌処理システムの更に他の実
施の形態の全体配置を表す上面図である。
【図13】本発明の汚染土壌処理システムの更に他の実
施の形態を構成する揮発促進手段の全体構造を表す側面
図及び上面図、また上面図におけるXIIIC−XIIIC断面に
よる断面図である。
【図14】本発明の汚染土壌処理システムの更に他の実
施の形態を構成する揮発促進手段の包囲手段内での移動
状態を表す図である。
【図15】本発明の汚染土壌処理システムの更に他の実
施の形態の全体配置を表す上面図である。
【図16】本発明の汚染土壌処理システムの更に他の実
施の形態を構成する揮発促進手段の全体構造を表す側面
図である。
【図17】本発明の汚染土壌処理システムの更に他の実
施の形態を構成する揮発促進手段の全体構造を表す上面
図である。
【図18】本発明の汚染土壌処理システムの、自走式汚
染土壌処理機械の混合装置のパドルミキサに揮発性有機
化合物分解装置からの混合ガスを導く変形例における、
混合装置の詳細構造を表す側断面図である。
【図19】揮発性有機化合物分解装置からの混合ガスに
代えてエンジンからの排気ガスを用いるようにした場合
の、本発明の汚染土壌処理システムの一実施の形態の変
形例の全体配置を表す側面図である。
【図20】本発明の汚染土壌処理システムにおいて、自
走式汚染土壌処理機械の搬出コンベア上に混合土砂の解
砕装置を設けた変形例を構成する自走式汚染土壌処理機
械の全体構成を表す側面図である。
【図21】本発明の汚染土壌処理システムにおいて、自
走式汚染土壌処理機械の搬出コンベア上に混合土砂の解
砕装置を設けた変形例を構成する自走式汚染土壌処理機
械に備えられた解砕装置の全体構造を表す側面図であ
る。
【図22】本発明の汚染土壌処理システムにおいて、自
走式汚染土壌処理機械の搬出コンベア上に混合土砂の解
砕装置を設けた変形例を構成する自走式汚染土壌処理機
械に備えられた解砕装置の全体構造を表す図16中E方
向から見た図である。
【図23】本発明の汚染土壌処理システムにおいて、自
走式汚染土壌処理機械の搬出コンベア上に混合土砂の解
砕装置を設けた変形例を構成する自走式汚染土壌処理機
械に備えられた解砕装置のカッタの概略取付構造を表す
図、及びこの図中F方向から見た図である。
【図24】本発明の汚染土壌処理システムにおいて、自
走式汚染土壌処理機械の搬出コンベア上に混合土砂の解
砕装置を設けた変形例を構成する自走式汚染土壌処理機
械に備えられた2つの解砕装置におけるカッタの概略取
付構造を一部破断して示す側断面図である。
【符号の説明】
1 篩装置(解砕分級手段) 2 土砂ホッパ 3 混合装置 4 搬入コンベア 5 添加材供給手段 7 走行装置 8 搬出コンベア 22 アーチブレーカ(解砕促進手段) 53 回転軸 54 攪拌翼 61 動力装置 80 揮発性有機化合物分解装置 87,88 ガス吹き付け配管(加熱手段) 94 テント(包囲手段) 96 ガス吸引配管 97 分解ガス導入配管(加熱手段) 98 ガス送り込み配管(加熱手段) 104 解砕装置 136 自走式汚染土壌処理機械 200 揮発促進手段 200A 揮発促進手段 200Ba,b 揮発促進手段 200Ca,b 揮発促進手段 200D 揮発促進手段 201 処理装置 201D 処理装置 202 走行手段 203 処理槽 205 回転軸 206 攪拌翼 223 シリンダ(駆動装置) 230 走行装置(走行手段) 238 シリンダ(駆動装置) 240 運転席
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) B01F 13/00 B07B 1/28 Z 4G035 B02C 21/02 B09B 3/00 304K 4G036 B07B 1/28 Z 4G078 B09B 3/00 303P B09C 1/04 5/00 S 1/06 B01D 53/36 G 1/08 Fターム(参考) 2E191 BA15 BB01 BD11 4D004 AA41 AB05 AB06 AC07 CA04 CA07 CA15 CA22 CB04 CB13 CB28 CB36 CB50 CC11 CC20 4D021 AA01 AB02 CA07 EA10 4D048 AA11 AA17 AB03 CC38 CD10 4D067 DD04 DD06 GA03 GB05 4G035 AB48 AE13 AE15 4G036 AC70 4G078 AA30 AB01 BA01 BA07 BA09 CA01 CA05 CA12 CA17 DA01 EA08 EA10

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】揮発性有機化合物に汚染された土砂を受け
    入れる土砂ホッパ、この土砂ホッパからの土砂を搬送す
    る搬入コンベア、この搬入コンベアによって搬送される
    土砂に水分と反応し発熱する添加材を供給する添加材供
    給手段、前記土砂及び添加材を混合し発熱反応を促進さ
    せる混合装置、自力走行を可能とする走行装置、この走
    行装置及び前記混合装置を駆動する動力装置、及び前記
    混合装置からの混合土砂を搬出する搬出コンベアを有す
    る自走式汚染土壌処理機械と、 この自走式汚染土壌処理機械からの前記混合土砂を受け
    入れ揮発性有機化合物の揮発促進処理を施す処理装置、
    及び少なくとも一方向への移動を可能とする走行手段を
    有する少なくとも1つの揮発促進手段と、 前記自走式汚染土壌処理機械の搬出コンベア先端部、及
    び前記揮発促進手段を覆う包囲手段と、 触媒を用いて前記揮発性有機化合物を分解する揮発性有
    機化合物分解装置と、 前記包囲手段内において前記揮発促進手段により処理中
    の混合土砂から揮発した前記揮発性有機化合物を捕集
    し、前記揮発性有機化合物分解装置へ吸引するガス吸引
    配管とを備えることを特徴とする汚染土壌処理システ
    ム。
  2. 【請求項2】請求項1記載の汚染土壌処理システムにお
    いて、前記処理装置は、略箱型の処理槽と、この処理層
    内に設けた少なくとも一本の回転軸と、この回転軸に設
    けた複数の攪拌翼とを備えることを特徴とする汚染土壌
    処理システム。
  3. 【請求項3】請求項1又は2記載の汚染土壌処理システ
    ムにおいて、前記揮発促進手段は、前記処理装置を傾倒
    駆動させる駆動装置を備えることを特徴とする汚染土壌
    処理システム。
  4. 【請求項4】請求項1乃至3のいずれか1項記載の汚染
    土壌処理システムにおいて、前記揮発促進手段は、前記
    包囲手段の外部から遠隔操作可能であることを特徴とす
    る汚染土壌処理システム。
  5. 【請求項5】請求項1乃至3のいずれか1項記載の汚染
    土壌処理システムにおいて、前記揮発促進手段は、気密
    性の確保された運転席を備えることを特徴とする汚染土
    壌処理システム。
  6. 【請求項6】請求項1乃至5のいずれか1項記載の汚染
    土壌処理システムにおいて、前記包囲手段は、少なくと
    も外部から前記揮発促進手段が目視可能な位置に、略透
    明な透視部を備えたことを特徴とする汚染土壌処理シス
    テム。
  7. 【請求項7】請求項1乃至6のいずれか1項記載の汚染
    土壌処理システムにおいて、前記混合装置は、少なくと
    も1本の回転軸と、この回転軸に設けた複数の攪拌翼と
    を備えることを特徴とする汚染土壌処理システム。
  8. 【請求項8】請求項1乃至7のいずれか1項記載の汚染
    土壌処理システムにおいて、前記自走式汚染土壌処理機
    械は、前記土砂ホッパ上方位置に、投入された土砂を解
    砕しつつ分級する解砕分級手段を有することを特徴とす
    る汚染土壌処理システム。
  9. 【請求項9】請求項1乃至8のいずれか1項記載の汚染
    土壌処理システムにおいて、前記自走式汚染土壌処理機
    械は、前記土砂ホッパ内に、受け入れた土砂の解砕促進
    手段を備えることを特徴とする汚染土壌処理システム。
  10. 【請求項10】請求項1乃至9のいずれか1項記載の汚
    染土壌処理システムにおいて、前記土砂又は混合土砂を
    加熱する加熱手段を更に備えたことを特徴とする汚染土
    壌処理システム。
  11. 【請求項11】請求項1乃至10のいずれか1項記載の
    汚染土壌処理システムにおいて、前記自走式汚染土壌処
    理機械は、前記搬出コンベア上を搬送中の前記混合土砂
    を解砕する解砕装置を更に有することを特徴とする汚染
    土壌処理システム。
  12. 【請求項12】気密性を維持した状態で、揮発性有機化
    合物に汚染された土砂を、水分と反応することで発熱す
    る添加材と共に混合して前記揮発性有機化合物の揮発を
    促進させ、 前記揮発性有機化合物が促進しつつある前記土砂及び添
    加材の混合土砂を包囲手段により覆われた空間内に導
    き、 前記包囲手段内にて、移動可能な揮発促進手段により、
    揮発促進処理を施し前記混合土砂中の揮発性有機化合物
    の揮発を更に促進させると共に、揮発した揮発性有機化
    合物を捕集して分解しつつ、 前記揮発性有機化合物の揮発完了後、前記揮発促進手段
    を前記包囲手段外の所望の位置へ移動させ、処理済の前
    記混合土砂を排出した後、 再び前記揮発促進手段を前記包囲手段内における混合土
    砂の受入れ位置に移動させることを特徴とする汚染土壌
    処理方法。
  13. 【請求項13】請求項12記載の汚染土壌処理方法にお
    いて、前記包囲手段内に前記揮発促進手段を複数配置
    し、各揮発促進手段に対し順番に前記混合土砂を供給
    し、前記揮発促進処理が完了したものから、順次移動さ
    せることを特徴とする汚染土壌処理方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005270685A (ja) * 2004-03-22 2005-10-06 Kentaro Asakura 有害物質の浄化剤
CN113695372A (zh) * 2021-09-02 2021-11-26 谢树清 一种高温喷浸式重金属土壤修复装置
WO2024011699A1 (zh) * 2022-07-09 2024-01-18 中交天航环保工程有限公司 一种污染土壤的修复系统

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