JP2004097913A - 汚染土壌の処理システム - Google Patents
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Abstract
【課題】汚染土壌の本処理の前段階に土壌中の含水率を下げる前処理を行って効率良く汚染物質を除去し、この前処理で飛散する汚染物質が大気中に放出されるのを確実に防止することができる汚染土壌の処理システムを提供する。
【解決手段】汚染土壌Eに脱塩素化を促進する薬剤を添加・攪拌するとともに加熱し、土壌E中の汚染物質を分解する本処理装置30と、本処理装置30によって発生した排気を利用して汚染物質を除去する排気処理装置40とを備え、本処理装置30に投入する汚染土壌Eに、水と発熱反応する無機化合物等の含有水分調整剤Lを混合して汚染土壌E中の水分を調整する前処理装置20を設けて、本処理装置30での脱塩素化を促進するとともに、前処理装置20を大気圧よりも減圧した負圧条件下で稼働させる負圧生成手段50を設けて、前処理装置20の処理過程で飛散する汚染物質を負圧生成手段50に封じ込める。
【選択図】 図1
【解決手段】汚染土壌Eに脱塩素化を促進する薬剤を添加・攪拌するとともに加熱し、土壌E中の汚染物質を分解する本処理装置30と、本処理装置30によって発生した排気を利用して汚染物質を除去する排気処理装置40とを備え、本処理装置30に投入する汚染土壌Eに、水と発熱反応する無機化合物等の含有水分調整剤Lを混合して汚染土壌E中の水分を調整する前処理装置20を設けて、本処理装置30での脱塩素化を促進するとともに、前処理装置20を大気圧よりも減圧した負圧条件下で稼働させる負圧生成手段50を設けて、前処理装置20の処理過程で飛散する汚染物質を負圧生成手段50に封じ込める。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、汚染土壌の処理システムに関し、とりわけ、土壌浄化に薬剤を添加して脱塩素化を促進するようにした汚染土壌の処理システムに関する。
【0002】
【従来の技術】
ダイオキシや揮発性塩素化炭化水素系物質等の汚染物質を含む土壌の浄化処理に関する技術は各種提案されており、例えば特許第2589002号公報に開示されるように、汚染土壌に生石灰等の無機化合物を混合して土壌中の揮発性の汚染物質を揮発除去する方法がある。
【0003】
【特許文献1】
特開平5−168727号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、汚染土壌から揮発した汚染物質を吸着剤に吸着させるにしても、揮発した汚染物質は大気中に放出されることになり、これが二次公害の原因になってしまう。
【0005】
また、汚染土壌の浄化部分をカーテン等で閉塞した場合にも、カーテン内は揮発物質が充満した状態となり、その充満した汚染物質はカーテンの隙間から大気中に簡単に漏れ出てしまい、二次公害の原因になってしまう。
【0006】
ところで、汚染土壌の処理は、一般にはキルンと称される処理装置を用いて加熱処理する手法が採られるが、このとき、処理装置に汚染土壌を直接投入して浄化処理した場合には、土壌に多くの水分が含有されているため、処理装置による汚染物質の除去効率が悪化してしまう。
【0007】
そこで、本発明はかかる従来の課題に鑑みて、汚染土壌の本処理の前段階に土壌中の含水率を下げる前処理を行って効率良く汚染物質を除去するとともに、この前処理で飛散する汚染物質が大気中に放出されるのを確実に防止することができる汚染土壌の処理システムを提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
かかる目的を達成するために請求項1の発明にあっては、汚染土壌に脱塩素化を促進する薬剤を添加・攪拌するとともに加熱し、土壌中の汚染物質を分解する本処理装置と、前記本処理装置によって発生した排気を利用して汚染物質を除去する排気処理装置と、を備えた汚染土壌の処理システムであって、前記本処理装置に投入する汚染土壌に、水と発熱反応する無機化合物等の含有水分調整剤を混合して汚染土壌中の水分を調整する前処理装置を設けるとともに、この前処理装置を大気圧よりも減圧した負圧条件下で稼働させる負圧生成手段を設けたことを特徴としている。
【0009】
これにより、本処理装置によって土壌中の汚染物質を分解し、この分解した汚染物質を排気処理装置によって除去するにあたって、本処理装置に投入する汚染土壌の水分を前処理装置によって調整できるため、本処理装置で添加した薬剤の効果を高めて脱塩素化の促進効率を高めることができる。
【0010】
このとき、前処理装置では混合した無機化合物により汚染土壌が発熱して汚染物質が飛散するが、この飛散した汚染物質を負圧生成手段の負圧条件下に封じ込めることができる。
【0011】
請求項2の発明にあっては、請求項1に記載の汚染土壌の処理システムにおいて、前処理装置によって土壌の含水率を略10〜15%とし、本処理装置の予加熱部によって土壌の含水率を略5%以下としたことを特徴としている。
【0012】
これにより、本処理装置の予加熱部での含水率が略5%以下となることにより、本処理装置での薬剤による脱塩素化が最も効率良く実行され、予加熱部での理想的な含水率は前処理装置で略10〜15%としておくことにより容易に達成することができる。
【0013】
請求項3の発明にあっては、請求項1または2に記載の汚染土壌の処理システムにおいて、負圧生成手段は、前記前処理装置を覆って内部を負圧状態に保持する被覆構造体であることを特徴としている。
【0014】
これにより、前処理装置で発生した汚染物質を被覆構造体によって封じ込めることができ、この被覆構造体に隙間が生ずる場合にも内部が負圧であるため、大気中に汚染物質が漏れ出るのを確実に阻止することができる。
【0015】
また、前処理装置は、汚染土壌に無機化合物を混合する混合手段と、無機化合物を混合した汚染土壌を本処理装置まで搬送する搬送手段とを備え、負圧生成手段は、混合手段の汚染土壌の投入口を投入時以外は閉塞して内部を負圧に設定する蓋体であり、また、搬送手段の土壌載置部分を覆って内部を負圧に設定する被覆体である。
【0016】
これにより、混合手段に投入した汚染土壌および搬送手段で搬送される汚染土壌からそれぞれ発生する汚染物質を、混合手段の投入口を閉塞する蓋体および搬送手段の土壌載置部分を覆う被覆体によって封じ込めることができるため、この封じ込めのための構造を大掛かりにすることなく汚染物質が大気中に漏れ出るのを阻止することができる。
【0017】
更に、負圧生成手段は、これの内部を前記排気処理装置に連通し、この排気処理装置による排気吸引で内部を負圧に設定してある。
【0018】
これにより、負圧生成手段の負圧生成を排気処理装置によって達成することができるため、全体構成の簡略化を達成できるとともに、負圧生成手段の内部から吸引した排気中の汚染物質をこの排気処理装置によって除去することができる。
更にまた、本処理装置は、攪拌加熱部の前段階に予加熱部を設けてある。
【0019】
これにより、本処理装置で汚染土壌に薬剤を添加・攪拌して加熱する際に、予加熱部で汚染土壌の温度を予め上昇させておくことができるため、攪拌加熱部で行われる汚染土壌の脱塩素化をより促進させることができ、ひいては汚染物質の揮発量を増大して処理効果を高めることができる。
【0020】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態を図面と共に詳述する。
【0021】
図1は本発明にかかる汚染土壌の処理システムの一実施形態を示す全体構成図である。
【0022】
図1に示すように、本実施形態の汚染土壌の処理システム10は、掘削した汚染土壌Eの含水率を調整する前処理装置20を設けて、この前処理装置20によって汚染土壌Eを水分調整した後に汚染土壌E中の汚染物質を分解する本処理装置30と、この本処理装置30で発生する排気中の汚染物質を除去する排気処理装置40と、を備えている。
【0023】
ここで、汚染土壌Eとはダイオキシンで代表される揮発性塩素化炭化水素系物質等の汚染物質を含有した土壌であり、この汚染物質を除去する前記一連の装置20,30,40は掘削場所の移動に伴って移動自在となっている。
【0024】
汚染土壌Eの掘削は、バックホウ、クラムシェル等の掘削機械や人力などにより行われ、掘削した汚染土壌Eを前処理装置20に供給するようになっている。勿論、この掘削工程では作業員に防護処理を行って汚染物質から保護するようになっている。尚、図1では掘削機械にバックホウBHを用いた場合を示す。
【0025】
前記前処理装置20に供給される汚染土壌Eは、処理システム10を設置した現場で掘削する場合以外にも、他の現場で掘削した汚染土壌Eを運搬して処理システム10に搬入することもできるとともに、この処理システム10は現場での掘削場所の移動に伴って全体的に移動可能となっている。
【0026】
前処理装置20は、掘削した汚染土壌Eに生石灰L等の無機化合物を含有水分調整剤として混合し、汚染土壌Eの含水率を調整するようになっており、本実施形態では、汚染土壌Eに生石灰Lを混合する混合手段としてのホッパ21と、生石灰Lを混合した汚染土壌Eを前記本処理装置30まで搬送する搬送手段としてのコンベア22とを備えている。
【0027】
前記ホッパ21は、汚染土壌Eを搬入する原料土ホッパ21aと、生石灰Lを汚染土壌Eに供給する含有水分調整剤ホッパ21bとを備え、原料土ホッパ21aから送給される汚染土壌Eに生石灰Lを適宜割合で混合して、これら汚染土壌Eと生石灰Lをソイルカッター21cおよびロータリハンマ21dで破砕・混練して粒度調整しつつ、コンベア22に落とし込むようになっている。
【0028】
原料土ホッパ21aは、汚染土壌Eの投入口をネオプレンゴムで形成した蓋体21eによって投入時以外は閉塞し、また、前記ソイルカッター21cおよびロータリハンマ21dは、コンベア22への落とし口まで密閉するハウジングで覆うようになっている。
【0029】
コンベア22は、1基若しくは複数基(本実施形態では2基)のベルトコンベア22a,22bを備えて構成し、これらベルトコンベア22a,22bを介して汚染浄土Eを前記本処理装置30のフィーダ31に搬送するようになっている。
【0030】
前処理装置20では、汚染土壌Eに生石灰Lを混合することにより汚染土壌Eの含水率を低下するようになっており、前記フィーダ31に搬入する最終段階で含水率を10〜15%の範囲に調整するようになっている。
【0031】
また、前記生石灰Lは水分と反応して発熱する性質を有しており、汚染土壌Eに生石灰Lを混合した後、コンベア22によって移送する間に、汚染土壌Eに含まれる水分と反応して発熱し、汚染土壌E中のダイオキシン等の汚染物質の一部が発生する水蒸気に混じって飛散されることになる。
【0032】
本処理装置30は一般にキルンと称され、予加熱部32および攪拌加熱部33を備えて汚染土壌E中の汚染物質を分解する機能を有し、水分調整した汚染土壌Eに脱塩素化を促進する薬剤を添加するようになっている。
【0033】
薬剤としては、脱塩素化を促進する還元性ガスである例えばホスフィン(PH3)ガスまたは活性水素を含む粉体が使用される。
【0034】
予加熱部32は、フィーダ31から供給された汚染土壌Eを図外のヒータで加熱して、攪拌加熱部33に供給する汚染土壌Eの含有水分を予め調節しておく機能を有し、この実施形態では含水率を5%以下に調整するようになっている。
【0035】
攪拌加熱部33は、前記予加熱部32によって含水率を調整した汚染土壌Eを前記ホスフィンガスとともに更に加熱しつつ攪拌することで、汚染土壌E中の汚染物質の脱塩素化を促進させる。また、水分を予め減らすことにより、実際に攪拌加熱部33で処理する時のエネルギー効率が非常に良くなる。
【0036】
勿論、予加熱部32および攪拌加熱部33は気密構造となっており、飛散した汚染物質が大気中に漏れるのを阻止し、この飛散した汚染物質をフレキシブル伸縮配管34を介して前記排気処理装置40に排気するようになっている。
【0037】
排気処理装置40は、導入した排気をバグフィルター41およびHEPAフィルター42を介して活性炭を収納したチャコールフィルター43に通し、このチャコールフィルター43で汚染物質を吸着するとともに、更にダイオキシン分解装置44に通して汚染物質を除去した後に大気中に放出するようになっている。
【0038】
ここで、前記前処理装置20には、この前処理装置20を大気圧よりも減圧した負圧条件下で稼働させる負圧生成手段としての被覆構造体50を設けてある。
【0039】
本実施形態の被覆構造体50は、図1に示すように、汚染土壌Eの掘削場所を含めた前処理装置20の全体を覆うテント51によって構成し、支柱52を図外の壁幕で囲むとともに、支柱52の頂部間に天井幕53を被せてテント51内外を隔成するようになっている。
【0040】
壁幕には本処理装置30のフィーダ31を差込む開口部を設けてあり、また、テント51内の排気(空気)を前記排気処理装置40に連通するフレキシブル伸縮配管54を設けてある。
【0041】
そして、排気処理装置40に設けた図外のブロアによってテント51内の排気を吸引することにより、このテント51内を負圧状態に保持するようになっている。
【0042】
ところで、前記本処理装置30によって汚染物質を除去処理した処理済み土壌は、掘削場所に搬送して埋め戻すようになっている。
【0043】
以上の構成により本実施形態の汚染土壌の処理システム10は、前処理装置20で汚染土壌Eに生石灰Lを混合することにより、この汚染土壌Eの含水率を10〜15%程度まで調整し、これを本処理装置30に送給して攪拌加熱するため、汚染土壌Eに添加したホスフィンガスの還元効果を高めて脱塩素化を促進することができる。
【0044】
このとき、本処理装置30の攪拌加熱部33の前段階に予加熱部32を設けて、汚染土壌Eの含水率を5%以下に低減するため、攪拌加熱部33での脱塩素化が最も効率良く実行される。
【0045】
また、前記予加熱部32での理想的な含水率(5%)は、前処理装置20で略10〜15%としておくことにより容易に達成することができ、ひいては汚染土壌Eの処理能力を高めることができる。
【0046】
そして、本処理装置30で発生する排気中の汚染物質は、これを排気処理装置40に供給して除去するため、汚染物質が大気中に放出されるのを防止することができる。
【0047】
また、前処理装置20を全体的にテント51で覆って、このテント51の内部を負圧状態に保持するようにしてあるため、汚染土壌Eを本処理装置30まで搬送する過程で飛散する汚染物質を、テント51内に封じ込めて外方に放出するのを阻止することができ、前処理装置20での二次公害化を防止することができる。
【0048】
また、前記テント51内の負圧生成を排気処理装置40の吸引によって達成できるため、余分に負圧生成装置を設ける必要が無く、全体構成の簡略化を達成できるとともに、テント51の内部から吸引した排気中の汚染物質をこの排気処理装置40によって除去することができる。
【0049】
このとき、前記テント51には本処理装置30のフィーダ31を差込む開口部等によって隙間が生じているが、このテント51の内部が負圧状態に保持されるため、隙間から汚染物質が大気中(外方)に漏れ出るのを確実に阻止することができる。
【0050】
このため、テント51等の被覆構造体50に高い気密性が要求されないことから、この被覆構造体50の構造を簡単化してコスト低減を図ることができる。
【0051】
更に、本実施形態では、本処理装置30で汚染土壌Eにホスフィンガスを添加して攪拌加熱する際に、予加熱部32で汚染土壌Eの温度を予め上昇させておくことができるため、攪拌加熱部33で行われる汚染土壌の脱塩素化をより促進させることができ、ひいては汚染物質の揮発量を増大して処理効果を高めることができる。
【0052】
ところで、本実施形態では、前処理装置20を全体的にテント51で覆って内部を負圧に保持するようにしたが、これに限ることなくホッパ21およびコンベア22を個々にテントで覆って、それぞれの内部を負圧状態に保持することもできる。
【0053】
また、本実施形態では、前記ホッパ21の原料土ホッパ21aの投入口を、可撓性幕等で形成した蓋体21aで閉塞してあり、この蓋体21aを負圧生成手段として用いて原料土ホッパ21aの内部を負圧状態に保持する一方、ベルトコンベア22a,22bの土壌載置部分となるベルト22c,22dを、負圧生成手段としての被覆体22e,22fで覆って内部を負圧に設定するようにしてもよい。
【0054】
このように、前処理装置20のホッパ21やコンベア22を蓋体21aや被覆体22e,22fで覆うことにより、前記テント51等の被覆構造体50を構築する必要が無くなるため、コスト低減を図ることができるとともに、簡便な処理システム10を提供することができる。
【0055】
ところで、本発明の汚染土壌の処理システムを前記実施形態に例を取って説明したが、この実施形態に限ることなく本発明の要旨を逸脱しない範囲内において各種実施形態を採用することができ、例えば、負圧生成手段は構造体50および蓋体21eや被覆体22e,22fに限ることなく、図外のエアカーテンを用いても良く、また、バキュームで吸引する図外の口部を汚染土壌E近傍に配置して、飛散した汚染物質を強制的に吸引するようにしてもよい。
【0056】
【発明の効果】
以上説明したように、請求項1に記載の発明によれば、汚染土壌中の水分を前処理装置で調整することにより、本処理装置で添加した薬剤の効果を高めて脱塩素化の促進効率を増大することができ、これにより汚染土壌の浄化効率をより高めることができる。
【0057】
このとき、前処理装置で発熱した汚染土壌から飛散した汚染物質を、負圧生成手段の負圧条件下に封じ込めて大気中に放出するのを阻止できるため、前処理装置での二次公害化を確実に防止することができる。
【0058】
請求項2に記載の発明によれば、請求項1の発明の効果に加えて、本処理装置の予加熱部での含水率が略5%以下となることにより、本処理装置での薬剤による脱塩素化が最も効率良く実行され、予加熱部での理想的な含水率は前処理装置で略10〜15%としておくことにより容易に達成することができるため、結果的に本処理装置での汚染土壌の処理能力を高めることができる。
【0059】
請求項3の発明にあっては、請求項1,2の発明の効果に加えて、前処理装置で発生した汚染物質を被覆構造体によって封じ込めることができ、この被覆構造体に隙間が生ずる場合にも内部が負圧であるため、大気中に汚染物質が漏れ出るのを確実に阻止することができ、ひいては被覆構造体に高い気密性が要求されないことから、この被覆構造体の構造を簡単化してコスト低減を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態を示す汚染土壌の処理システムの全体構成図である。
【符号の説明】
10 処理システム
20 前処理装置
21 ホッパ(混合手段)
21e 蓋体(負圧生成手段)
22 コンベア(搬送手段)
22a,22b ベルトコンベア
22c,22d ベルト(土壌載置部分)
22e,22f 被覆体(負圧生成手段)
30 本処理装置
32 予加熱部
33 攪拌加熱部
40 排気処理装置
50 被覆構造体(負圧生成手段)
51 テント(被覆構造体)
E 汚染土壌
L 生石灰(無機化合物)
【発明の属する技術分野】
本発明は、汚染土壌の処理システムに関し、とりわけ、土壌浄化に薬剤を添加して脱塩素化を促進するようにした汚染土壌の処理システムに関する。
【0002】
【従来の技術】
ダイオキシや揮発性塩素化炭化水素系物質等の汚染物質を含む土壌の浄化処理に関する技術は各種提案されており、例えば特許第2589002号公報に開示されるように、汚染土壌に生石灰等の無機化合物を混合して土壌中の揮発性の汚染物質を揮発除去する方法がある。
【0003】
【特許文献1】
特開平5−168727号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、汚染土壌から揮発した汚染物質を吸着剤に吸着させるにしても、揮発した汚染物質は大気中に放出されることになり、これが二次公害の原因になってしまう。
【0005】
また、汚染土壌の浄化部分をカーテン等で閉塞した場合にも、カーテン内は揮発物質が充満した状態となり、その充満した汚染物質はカーテンの隙間から大気中に簡単に漏れ出てしまい、二次公害の原因になってしまう。
【0006】
ところで、汚染土壌の処理は、一般にはキルンと称される処理装置を用いて加熱処理する手法が採られるが、このとき、処理装置に汚染土壌を直接投入して浄化処理した場合には、土壌に多くの水分が含有されているため、処理装置による汚染物質の除去効率が悪化してしまう。
【0007】
そこで、本発明はかかる従来の課題に鑑みて、汚染土壌の本処理の前段階に土壌中の含水率を下げる前処理を行って効率良く汚染物質を除去するとともに、この前処理で飛散する汚染物質が大気中に放出されるのを確実に防止することができる汚染土壌の処理システムを提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
かかる目的を達成するために請求項1の発明にあっては、汚染土壌に脱塩素化を促進する薬剤を添加・攪拌するとともに加熱し、土壌中の汚染物質を分解する本処理装置と、前記本処理装置によって発生した排気を利用して汚染物質を除去する排気処理装置と、を備えた汚染土壌の処理システムであって、前記本処理装置に投入する汚染土壌に、水と発熱反応する無機化合物等の含有水分調整剤を混合して汚染土壌中の水分を調整する前処理装置を設けるとともに、この前処理装置を大気圧よりも減圧した負圧条件下で稼働させる負圧生成手段を設けたことを特徴としている。
【0009】
これにより、本処理装置によって土壌中の汚染物質を分解し、この分解した汚染物質を排気処理装置によって除去するにあたって、本処理装置に投入する汚染土壌の水分を前処理装置によって調整できるため、本処理装置で添加した薬剤の効果を高めて脱塩素化の促進効率を高めることができる。
【0010】
このとき、前処理装置では混合した無機化合物により汚染土壌が発熱して汚染物質が飛散するが、この飛散した汚染物質を負圧生成手段の負圧条件下に封じ込めることができる。
【0011】
請求項2の発明にあっては、請求項1に記載の汚染土壌の処理システムにおいて、前処理装置によって土壌の含水率を略10〜15%とし、本処理装置の予加熱部によって土壌の含水率を略5%以下としたことを特徴としている。
【0012】
これにより、本処理装置の予加熱部での含水率が略5%以下となることにより、本処理装置での薬剤による脱塩素化が最も効率良く実行され、予加熱部での理想的な含水率は前処理装置で略10〜15%としておくことにより容易に達成することができる。
【0013】
請求項3の発明にあっては、請求項1または2に記載の汚染土壌の処理システムにおいて、負圧生成手段は、前記前処理装置を覆って内部を負圧状態に保持する被覆構造体であることを特徴としている。
【0014】
これにより、前処理装置で発生した汚染物質を被覆構造体によって封じ込めることができ、この被覆構造体に隙間が生ずる場合にも内部が負圧であるため、大気中に汚染物質が漏れ出るのを確実に阻止することができる。
【0015】
また、前処理装置は、汚染土壌に無機化合物を混合する混合手段と、無機化合物を混合した汚染土壌を本処理装置まで搬送する搬送手段とを備え、負圧生成手段は、混合手段の汚染土壌の投入口を投入時以外は閉塞して内部を負圧に設定する蓋体であり、また、搬送手段の土壌載置部分を覆って内部を負圧に設定する被覆体である。
【0016】
これにより、混合手段に投入した汚染土壌および搬送手段で搬送される汚染土壌からそれぞれ発生する汚染物質を、混合手段の投入口を閉塞する蓋体および搬送手段の土壌載置部分を覆う被覆体によって封じ込めることができるため、この封じ込めのための構造を大掛かりにすることなく汚染物質が大気中に漏れ出るのを阻止することができる。
【0017】
更に、負圧生成手段は、これの内部を前記排気処理装置に連通し、この排気処理装置による排気吸引で内部を負圧に設定してある。
【0018】
これにより、負圧生成手段の負圧生成を排気処理装置によって達成することができるため、全体構成の簡略化を達成できるとともに、負圧生成手段の内部から吸引した排気中の汚染物質をこの排気処理装置によって除去することができる。
更にまた、本処理装置は、攪拌加熱部の前段階に予加熱部を設けてある。
【0019】
これにより、本処理装置で汚染土壌に薬剤を添加・攪拌して加熱する際に、予加熱部で汚染土壌の温度を予め上昇させておくことができるため、攪拌加熱部で行われる汚染土壌の脱塩素化をより促進させることができ、ひいては汚染物質の揮発量を増大して処理効果を高めることができる。
【0020】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態を図面と共に詳述する。
【0021】
図1は本発明にかかる汚染土壌の処理システムの一実施形態を示す全体構成図である。
【0022】
図1に示すように、本実施形態の汚染土壌の処理システム10は、掘削した汚染土壌Eの含水率を調整する前処理装置20を設けて、この前処理装置20によって汚染土壌Eを水分調整した後に汚染土壌E中の汚染物質を分解する本処理装置30と、この本処理装置30で発生する排気中の汚染物質を除去する排気処理装置40と、を備えている。
【0023】
ここで、汚染土壌Eとはダイオキシンで代表される揮発性塩素化炭化水素系物質等の汚染物質を含有した土壌であり、この汚染物質を除去する前記一連の装置20,30,40は掘削場所の移動に伴って移動自在となっている。
【0024】
汚染土壌Eの掘削は、バックホウ、クラムシェル等の掘削機械や人力などにより行われ、掘削した汚染土壌Eを前処理装置20に供給するようになっている。勿論、この掘削工程では作業員に防護処理を行って汚染物質から保護するようになっている。尚、図1では掘削機械にバックホウBHを用いた場合を示す。
【0025】
前記前処理装置20に供給される汚染土壌Eは、処理システム10を設置した現場で掘削する場合以外にも、他の現場で掘削した汚染土壌Eを運搬して処理システム10に搬入することもできるとともに、この処理システム10は現場での掘削場所の移動に伴って全体的に移動可能となっている。
【0026】
前処理装置20は、掘削した汚染土壌Eに生石灰L等の無機化合物を含有水分調整剤として混合し、汚染土壌Eの含水率を調整するようになっており、本実施形態では、汚染土壌Eに生石灰Lを混合する混合手段としてのホッパ21と、生石灰Lを混合した汚染土壌Eを前記本処理装置30まで搬送する搬送手段としてのコンベア22とを備えている。
【0027】
前記ホッパ21は、汚染土壌Eを搬入する原料土ホッパ21aと、生石灰Lを汚染土壌Eに供給する含有水分調整剤ホッパ21bとを備え、原料土ホッパ21aから送給される汚染土壌Eに生石灰Lを適宜割合で混合して、これら汚染土壌Eと生石灰Lをソイルカッター21cおよびロータリハンマ21dで破砕・混練して粒度調整しつつ、コンベア22に落とし込むようになっている。
【0028】
原料土ホッパ21aは、汚染土壌Eの投入口をネオプレンゴムで形成した蓋体21eによって投入時以外は閉塞し、また、前記ソイルカッター21cおよびロータリハンマ21dは、コンベア22への落とし口まで密閉するハウジングで覆うようになっている。
【0029】
コンベア22は、1基若しくは複数基(本実施形態では2基)のベルトコンベア22a,22bを備えて構成し、これらベルトコンベア22a,22bを介して汚染浄土Eを前記本処理装置30のフィーダ31に搬送するようになっている。
【0030】
前処理装置20では、汚染土壌Eに生石灰Lを混合することにより汚染土壌Eの含水率を低下するようになっており、前記フィーダ31に搬入する最終段階で含水率を10〜15%の範囲に調整するようになっている。
【0031】
また、前記生石灰Lは水分と反応して発熱する性質を有しており、汚染土壌Eに生石灰Lを混合した後、コンベア22によって移送する間に、汚染土壌Eに含まれる水分と反応して発熱し、汚染土壌E中のダイオキシン等の汚染物質の一部が発生する水蒸気に混じって飛散されることになる。
【0032】
本処理装置30は一般にキルンと称され、予加熱部32および攪拌加熱部33を備えて汚染土壌E中の汚染物質を分解する機能を有し、水分調整した汚染土壌Eに脱塩素化を促進する薬剤を添加するようになっている。
【0033】
薬剤としては、脱塩素化を促進する還元性ガスである例えばホスフィン(PH3)ガスまたは活性水素を含む粉体が使用される。
【0034】
予加熱部32は、フィーダ31から供給された汚染土壌Eを図外のヒータで加熱して、攪拌加熱部33に供給する汚染土壌Eの含有水分を予め調節しておく機能を有し、この実施形態では含水率を5%以下に調整するようになっている。
【0035】
攪拌加熱部33は、前記予加熱部32によって含水率を調整した汚染土壌Eを前記ホスフィンガスとともに更に加熱しつつ攪拌することで、汚染土壌E中の汚染物質の脱塩素化を促進させる。また、水分を予め減らすことにより、実際に攪拌加熱部33で処理する時のエネルギー効率が非常に良くなる。
【0036】
勿論、予加熱部32および攪拌加熱部33は気密構造となっており、飛散した汚染物質が大気中に漏れるのを阻止し、この飛散した汚染物質をフレキシブル伸縮配管34を介して前記排気処理装置40に排気するようになっている。
【0037】
排気処理装置40は、導入した排気をバグフィルター41およびHEPAフィルター42を介して活性炭を収納したチャコールフィルター43に通し、このチャコールフィルター43で汚染物質を吸着するとともに、更にダイオキシン分解装置44に通して汚染物質を除去した後に大気中に放出するようになっている。
【0038】
ここで、前記前処理装置20には、この前処理装置20を大気圧よりも減圧した負圧条件下で稼働させる負圧生成手段としての被覆構造体50を設けてある。
【0039】
本実施形態の被覆構造体50は、図1に示すように、汚染土壌Eの掘削場所を含めた前処理装置20の全体を覆うテント51によって構成し、支柱52を図外の壁幕で囲むとともに、支柱52の頂部間に天井幕53を被せてテント51内外を隔成するようになっている。
【0040】
壁幕には本処理装置30のフィーダ31を差込む開口部を設けてあり、また、テント51内の排気(空気)を前記排気処理装置40に連通するフレキシブル伸縮配管54を設けてある。
【0041】
そして、排気処理装置40に設けた図外のブロアによってテント51内の排気を吸引することにより、このテント51内を負圧状態に保持するようになっている。
【0042】
ところで、前記本処理装置30によって汚染物質を除去処理した処理済み土壌は、掘削場所に搬送して埋め戻すようになっている。
【0043】
以上の構成により本実施形態の汚染土壌の処理システム10は、前処理装置20で汚染土壌Eに生石灰Lを混合することにより、この汚染土壌Eの含水率を10〜15%程度まで調整し、これを本処理装置30に送給して攪拌加熱するため、汚染土壌Eに添加したホスフィンガスの還元効果を高めて脱塩素化を促進することができる。
【0044】
このとき、本処理装置30の攪拌加熱部33の前段階に予加熱部32を設けて、汚染土壌Eの含水率を5%以下に低減するため、攪拌加熱部33での脱塩素化が最も効率良く実行される。
【0045】
また、前記予加熱部32での理想的な含水率(5%)は、前処理装置20で略10〜15%としておくことにより容易に達成することができ、ひいては汚染土壌Eの処理能力を高めることができる。
【0046】
そして、本処理装置30で発生する排気中の汚染物質は、これを排気処理装置40に供給して除去するため、汚染物質が大気中に放出されるのを防止することができる。
【0047】
また、前処理装置20を全体的にテント51で覆って、このテント51の内部を負圧状態に保持するようにしてあるため、汚染土壌Eを本処理装置30まで搬送する過程で飛散する汚染物質を、テント51内に封じ込めて外方に放出するのを阻止することができ、前処理装置20での二次公害化を防止することができる。
【0048】
また、前記テント51内の負圧生成を排気処理装置40の吸引によって達成できるため、余分に負圧生成装置を設ける必要が無く、全体構成の簡略化を達成できるとともに、テント51の内部から吸引した排気中の汚染物質をこの排気処理装置40によって除去することができる。
【0049】
このとき、前記テント51には本処理装置30のフィーダ31を差込む開口部等によって隙間が生じているが、このテント51の内部が負圧状態に保持されるため、隙間から汚染物質が大気中(外方)に漏れ出るのを確実に阻止することができる。
【0050】
このため、テント51等の被覆構造体50に高い気密性が要求されないことから、この被覆構造体50の構造を簡単化してコスト低減を図ることができる。
【0051】
更に、本実施形態では、本処理装置30で汚染土壌Eにホスフィンガスを添加して攪拌加熱する際に、予加熱部32で汚染土壌Eの温度を予め上昇させておくことができるため、攪拌加熱部33で行われる汚染土壌の脱塩素化をより促進させることができ、ひいては汚染物質の揮発量を増大して処理効果を高めることができる。
【0052】
ところで、本実施形態では、前処理装置20を全体的にテント51で覆って内部を負圧に保持するようにしたが、これに限ることなくホッパ21およびコンベア22を個々にテントで覆って、それぞれの内部を負圧状態に保持することもできる。
【0053】
また、本実施形態では、前記ホッパ21の原料土ホッパ21aの投入口を、可撓性幕等で形成した蓋体21aで閉塞してあり、この蓋体21aを負圧生成手段として用いて原料土ホッパ21aの内部を負圧状態に保持する一方、ベルトコンベア22a,22bの土壌載置部分となるベルト22c,22dを、負圧生成手段としての被覆体22e,22fで覆って内部を負圧に設定するようにしてもよい。
【0054】
このように、前処理装置20のホッパ21やコンベア22を蓋体21aや被覆体22e,22fで覆うことにより、前記テント51等の被覆構造体50を構築する必要が無くなるため、コスト低減を図ることができるとともに、簡便な処理システム10を提供することができる。
【0055】
ところで、本発明の汚染土壌の処理システムを前記実施形態に例を取って説明したが、この実施形態に限ることなく本発明の要旨を逸脱しない範囲内において各種実施形態を採用することができ、例えば、負圧生成手段は構造体50および蓋体21eや被覆体22e,22fに限ることなく、図外のエアカーテンを用いても良く、また、バキュームで吸引する図外の口部を汚染土壌E近傍に配置して、飛散した汚染物質を強制的に吸引するようにしてもよい。
【0056】
【発明の効果】
以上説明したように、請求項1に記載の発明によれば、汚染土壌中の水分を前処理装置で調整することにより、本処理装置で添加した薬剤の効果を高めて脱塩素化の促進効率を増大することができ、これにより汚染土壌の浄化効率をより高めることができる。
【0057】
このとき、前処理装置で発熱した汚染土壌から飛散した汚染物質を、負圧生成手段の負圧条件下に封じ込めて大気中に放出するのを阻止できるため、前処理装置での二次公害化を確実に防止することができる。
【0058】
請求項2に記載の発明によれば、請求項1の発明の効果に加えて、本処理装置の予加熱部での含水率が略5%以下となることにより、本処理装置での薬剤による脱塩素化が最も効率良く実行され、予加熱部での理想的な含水率は前処理装置で略10〜15%としておくことにより容易に達成することができるため、結果的に本処理装置での汚染土壌の処理能力を高めることができる。
【0059】
請求項3の発明にあっては、請求項1,2の発明の効果に加えて、前処理装置で発生した汚染物質を被覆構造体によって封じ込めることができ、この被覆構造体に隙間が生ずる場合にも内部が負圧であるため、大気中に汚染物質が漏れ出るのを確実に阻止することができ、ひいては被覆構造体に高い気密性が要求されないことから、この被覆構造体の構造を簡単化してコスト低減を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態を示す汚染土壌の処理システムの全体構成図である。
【符号の説明】
10 処理システム
20 前処理装置
21 ホッパ(混合手段)
21e 蓋体(負圧生成手段)
22 コンベア(搬送手段)
22a,22b ベルトコンベア
22c,22d ベルト(土壌載置部分)
22e,22f 被覆体(負圧生成手段)
30 本処理装置
32 予加熱部
33 攪拌加熱部
40 排気処理装置
50 被覆構造体(負圧生成手段)
51 テント(被覆構造体)
E 汚染土壌
L 生石灰(無機化合物)
Claims (3)
- 汚染土壌に脱塩素化を促進する薬剤を添加・攪拌するとともに加熱し、土壌中の汚染物質を分解する本処理装置と、
前記本処理装置によって発生した排気を利用して汚染物質を除去する排気処理装置と、を備えた汚染土壌の処理システムであって、
前記本処理装置に投入する汚染土壌に、水と発熱反応する無機化合物等の含有水分調整剤を混合して汚染土壌中の水分を調整する前処理装置を設けるとともに、この前処理装置を大気圧よりも減圧した負圧条件下で稼働させる負圧生成手段を設けたことを特徴とする汚染土壌の処理システム。 - 前処理装置によって土壌の含水率を略10〜15%とし、本処理装置の予加熱部によって土壌の含水率を略5%以下としたことを特徴とする請求項1に記載の汚染土壌の処理システム。
- 負圧生成手段は、前記前処理装置を覆って内部を負圧状態に保持する被覆構造体であることを特徴とする請求項1または2に記載の汚染土壌の処理システム。
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Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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CN105013806A (zh) * | 2014-04-30 | 2015-11-04 | 宋昕 | 一种一体化综合土壤原地异位联合修复装备 |
CN108723079A (zh) * | 2018-06-08 | 2018-11-02 | 江苏金环环保设备有限公司 | 一种土壤中有机污染物的快速去除工艺 |
CN112642847A (zh) * | 2020-12-25 | 2021-04-13 | 上海勘察设计研究院(集团)有限公司 | 一种基于氯代烃污染土结构演化的修复方法 |
-
2002
- 2002-09-06 JP JP2002262004A patent/JP2004097913A/ja active Pending
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