JP3764454B2 - 揮発性有機化合物に汚染された土壌の浄化工法 - Google Patents

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Description

本発明は、揮発性有機化合物(以下、VOCと称する)に汚染された土壌の浄化工法に関する。
従来、VOCに汚染された土壌の浄化については、例えば、下記に示すように、種々の技術が知られている。
・生石灰などを100〜150kg混合し、VOCを揮発させるホットソイル工法(例えば、特許文献1参照)
・アルミニウム粉末とアルカリ剤とを土壌と混合し、VOCをガス吸引により浄化し、場内に埋め戻すアルミクリーン工法(例えば、特許文献2,3参照)
・電気ヒーターで土壌を加熱し、VOCを真空吸引する工法(電機加熱+真空吸引工法)
・真空ポンプで土壌ガスとしてVOCを抽出する工法(真空ガス吸引工法)
・機械撹拌によりVOCを揮発させる工法
・外熱式キルン等によりVOCを加熱する低温加熱工法(例えば、特許文献4参照)
・酸とアルカリを土壌に混合し、中和熱で発熱させる工法(例えば、特許文献5参照)
・VOCを蒸発により除去する土壌中のVOCを除去する方法および装置(例えば、特許文献6参照)
・VOCが混入した土壌と水とを混合して得られた泥水を曝気処理し、そのVOCを泥水から揮発させる土壌中のVOCの除去方法(例えば、特許文献7参照)
・オゾンや過マンガン酸カリウム、過酸化水素などの酸化剤を混合してVOCを分解処理する酸化剤混合による分解処理工法
・メタン資化性菌、トルエン・フェノール分解菌、嫌気性微生物などの微生物によりVOCを分解処理する工法(例えば、特許文献8参照)
・水素供与体を供給してVOCを微生物の作用で分解する工法(例えば、特許文献9参照)
特許第2589002号公報 特開2001−087410号公報 特開2002−079232号公報 特開2002−205050号公報 特許第3438004号公報 特開2000−107741号公報 特開2002−59151号公報 特開2001−347280号公報 特開2000−107743号公報 特開2001−219155号公報 特許第3324139号公報 特許第3269901号公報
しかし、ホットソイル工法は、短時間で所定濃度まで低減させるためには、生石灰の使用量が多くなるため、処理後の土壌が過剰に高アルカリとなり、埋め戻しには不適となり、処分費の高騰および場外搬出土量が多く、環境への負荷が高いという問題がある。
アルミクリーン工法は、加熱後の土壌ガス吸引に1日から数日を要する。小規模な土壌処理では施設費が高いという問題がある。
電機加熱+真空吸引工法は、現地に設置可能な設備では、処理速度が遅く、処理費用が高いという問題がある。
真空ガス吸引工法は、短期間での環境基準値までの浄化が困難である。原地盤の通気性のばらつきに左右され、均一な浄化が困難である。粘性土や吸着性の高い土質では、数年以上経過しても環境基準値以下とならない箇所があるなどの問題がある。
機械撹拌によりVOCを揮発させる工法は、単に機械(バックホーなど)で汚染土壌を撹拌するだけであるから、浄化速度が遅く、高濃度汚染には対応できないなどの問題がある。
低温加熱工法は、処理コストが高い上に、処理装置の設置費が高いため、大量の処理を必要とする現場でしか適用できないという問題がある。
中和熱でVOCを発熱させる工法は、土壌から極めて短時間にVOCを除去、分離することは困難である。
土壌中のVOCの除去方法は、土壌から極めて短時間にVOCを除去、分離することは困難である。
酸化剤混合による分解処理工法は、処理コストが高い上に、比較的低い濃度の汚染に対しては、除去効率が低い。使用する薬剤の危険性が高いため、不適切な使用により対象エリア外へ流出し、周辺環境へ酸化剤そのものの有害性による影響を及ぼす可能性があるなどの問題がある。
VOCを蒸発により除去する方法は、土壌と無機化合物とを水分の存在下にこれらが十分に接触する状態で均一に混合して発熱反応を起こさせ、次いで、発熱反応により加熱された混合物をVOCの大気中への揮散を防止した状態で粒状化させながらVOCを蒸発させるという処理を必要とし、通常のVOC除去には不向きである。
微生物による分解処理工法は、浄化に必要な期間が長い。微生物処理は、土質の影響を大きく受けるため、適用場所が限定されるなどの問題がある。
なお、ダイオキシンやPCBなどの揮発性の低い有害物質を対象とした汚染土壌前処理方法およびその装置ならびに汚染土壌無害化処理方法が知られている(例えば、特許文献10参照)。しかし、特許文献9では、土壌を乾燥させるだけであるため、土壌中に吸着されているダイオキシンやPCBなどを揮発分離させることができない。また、高濃度汚染には対応できない。大量の処理を必要とする現場では適用できないなどの問題がある。
また、ガス化したVOCの気相還元分解処理方法(例えば、特許文献11参照)や気体中に含有する有機塩素化合物を、熱酸化分解する方法(例えば、特許文献12参照)が知られているが、これらはVOCに汚染された土壌の浄化に関する発明ではない。
本発明は斯かる従来の問題点を解決するために為されたもので、その目的は、VOCに汚染された土壌の浄化ヤードにおいて高効率、短時間でローコストに処理することを可能としたVOCに汚染された土壌の浄化工法を提供することにある。
請求項1に係る発明は、外気の導入部と導出部とを備えるとともに複数のベルトコンベヤを設置した処理装置内に、通気を行いながら前記複数のベルトコンベヤによりVOCに汚染された土壌を通過させ、風乾を繰り返し、VOCに汚染された土壌を0.1cm〜4cm以下に微細化し、大量の空気と接触させ、VOCに汚染された土壌中に含まれるVOCのガス化を促進し、VOCの濃度を目標値以下に低減させることを特徴とする。
請求項2に係る発明は、請求項1記載のVOCに汚染された土壌の浄化工法において、
VOCに汚染された土壌の通過方向と向流で温風を接触させることを特徴とする。
請求項3に係る発明は、請求項1または請求項2記載のVOCに汚染された土壌の浄化工法において、VOCに汚染された土壌を複数のベルトコンベヤに搬入する前に、目開き0.1cm〜4cmの振動ふるいと送風機により構成された揮発促進域を通過させ、VOCに汚染された土壌を細分化しながら落下させることを特徴とする。
請求項4に係る発明は、請求項1ないし請求項3の何れか記載のVOCに汚染された土壌の浄化工法において、VOCに汚染された土壌を複数のベルトコンベヤに搬入する前に、含水比の低減処理または土壌を40℃〜100℃に加温する処理を行うことを特徴とする。
請求項5に係る発明は、請求項1ないし請求項4の何れか記載のVOCに汚染された土壌の浄化工法において、VOCが、常圧での沸点が150℃以下のVOCであることを特徴とする。
本発明によれば、下記のような効果を奏することが可能となる。
VOCの濃度を極めて短時間に目標値以下まで低減する浄化が実現できる。
土壌厚さを40mm以下とし、外気との接触効率を向上させることにより、加熱温度40℃〜100℃での浄化処理を可能とした。土を200℃〜800℃まで加熱する外熱式キルンなどを用いた加熱処理に比べ、システム構成がシンプルで、イニシャルおよびランニングコストが大幅に抑えられる。
対策エリアから掘削した土壌を処理土仮置きヤードへの移動と浄化を両立し、作業の大幅な省力化が図れるとともに、汚染土壌の連続処理が可能となる。
掘削箇所またはその付近で密閉された処理装置内で汚染土壌の処理を行うため、作業環境が良好であり、汚染物質の場内移動や処理に伴う外気放散が極限まで抑えられ、環境への負荷が小さい。
処理土は処理によりよく撹拌され均一化する。さらに仮置きヤードで浄化状況をチェックすることができ、確実な浄化が実現できる。
浄化システムは、浄化対象物および浄化目標値に応じたシンプルな構成となっており、装置費が低減し、処理コストが安い。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
(第一実施形態)
先ず、本実施形態に係るVOCに汚染された土壌(以下、汚染土壌と称する)の浄化工法に用いる処理装置1について説明する。
処理装置1は、内部に複数のベルトコンベヤ5を設置し、両端部に外気の導入部3と導出部4とを有するトンネル状の処理部2を備えている。処理部2は、両端部に設けた外気の導入部3および導出部4以外は、床部材の上に骨組みを介して壁部材によって囲われている。なお、トンネル状の処理部2は、対象処理土壌に応じて、多数のベルトコンベヤ5を配置するために、ベルトコンベヤ5を蛇行状に配置させることができるようにしても良い。
複数のベルトコンベヤ5は、処理部2の外気の導出部4側における最初のベルトコンベヤ5aだけが水平に配置され、残りのベルトコンベヤ5は、次のベルトコンベヤ5への受渡において、汚染土壌を落下させることができるように、所定の角度で傾斜して配置されている。また、必要に応じて、ベルトコンベヤ5の配置は、直線的な配置に限らず、蛇行状であっても良い。
最初のベルトコンベヤ5aが配置される部屋6の上部には、汚染土壌を取り込むためのホッパー7が設けてある。部屋6は、外気の導出部4を兼ねている。
また、部屋6の側部または下部には、ブロア9に連絡する通路8が設けてある。ブロア9は通路10を介して活性炭を入れた空気浄化室11に連絡している。
処理部2の最後のベルトコンベヤ5bの後段には、処理土を仮置きするヤード12に搬送するベルトコンベヤ13が配置されている。
次に、本実施形態に係る汚染土壌の浄化工法について説明する。
先ず、ブロア9を駆動して処理部2内に外気を導入する。
次に、汚染土壌が存在する対策エリア14を掘削し、その汚染土壌をホッパー7から処理装置1に投入する。
次に、投入された汚染土壌は、最初のベルトコンベヤ5aで受け取られた後、次段のベルトコンベヤ5に落下し、その後に連なる複数のベルトコンベヤ5に対して落下して乗り移るという受渡を繰り返し受ける。この各受渡における落下時に、汚染土壌の通過方向と向流で通気する外気と接触し、乾燥されるとともに、細分化される。この受渡において、汚染土壌は0.1cm〜4cm以下に微細化し、大量の空気と接触することにより、汚染土壌中および汚染土壌に吸着したVOCがガス化し、VOC濃度が目標値(土壌環境基準または最終処分場受入基準値)以下に低減する。ガス化したVOCは、ブロア9により吸引され、空気浄化室11において活性炭に吸着される。
次に、VOC濃度が目標値以下になった処理土は、処理装置1の最終のベルトコンベヤ5からベルトコンベヤ13によって処理土を仮置きするヤード12に搬送される。
次に、ヤード12に仮置きされた処理土は、浄化確認の後、埋め戻しや場外搬出などにより処分される。
以上のように、本実施形態によれば、複数のベルトコンベヤ5間での汚染土壌の受渡段階における落下時に汚染土壌が攪拌されるとともに細分化され、かつその落下時に処理装置1内の通気により汚染土壌が乾燥されて汚染土壌中および汚染土壌に吸着したVOCをガス化し易くなるため、短時間で汚染土壌のVOC濃度を目標値以下まで浄化することができる。
(第二実施形態)
本実施形態では、複数のベルトコンベヤ5により搬送される汚染土壌に対し熱風を吹きかけるようにした点で、第一実施形態に係るVOCの浄化工法とは相違する。
図2は、本実施形態に用いる処理装置1Aを示す。この処理装置1Aでは、複数のベルトコンベヤ5により搬送される汚染土壌に対し熱風を吹きかけるために熱風発生装置15を設けている。その他の構成は、図1に示す処理装置1と同じである。
熱風発生装置15は、化学反応の発熱による加熱、マイクロ波加熱、電気ヒータによる加熱、灯油、ガスなどの燃料による加熱などにより空気を暖め、熱風をファンにより吹き出し、汚染土壌を40℃〜100℃に加温することが可能な装置である。熱風発生装置15は処理装置1A内の空気を吸い込んでこれを加熱するので、処理装置1A内の雰囲気温度も高まり、汚染土壌を加熱し易い状態にすることができる。
従って、本実施形態によれば、複数のベルトコンベヤ5による汚染土壌の搬送時に、汚染土壌の通過方向と向流で外気とともに熱風が接触し、汚染土壌中および汚染土壌に吸着したVOCのガス化を促進することができる。
なお、本実施形態では、熱風発生装置15を2つのベルトコンベヤ5に対して1個という割合で設けたが、本発明は、これに限らず、個別に設けても良い。また、処理部2内の雰囲気温度を高めるために外気の導入部3側から導出部4に向かって熱風を吹き込むようにしても良い。
(第三実施形態)
本実施形態では、汚染土壌の投入部に振動ふるい16を設けて点で、第一実施形態に係るVOCの浄化工法とは相違する。
図3は、本実施形態に用いる処理装置1Bを示す。この処理装置1Bでは、最初のベルトコンベヤ5aが配置される部屋6に、振動ふるい16が設けてある。振動ふるい16は、ホッパー17と、例えば目開き0.1cm〜4cmの複数の網18とで構成されている。
振動ふるい16の下部側には、熱風を供給する取込口19が設けてある。この取込口19には、第二実施形態と同様の熱風発生装置が設けてある。また、汚染土壌の加熱に伴いVOCガスが部屋6内に立ち込めるので、この部屋6をシート20などで囲い、VOCガスをブロア9により吸引し、活性炭を入れた空気浄化室11において浄化された後、排気するようになっている。
本実施形態によれば、処理装置1C内の複数のベルトコンベヤ5による処理前に、汚染土壌を細分化して落下させるとともに熱風により汚染土壌中および汚染土壌に吸着したVCOをガス化することができるので、さらに汚染土壌中および汚染土壌に吸着したVCOがガス化し易い状態にすることができるので、浄化度の向上を図ることができる。
なお、本実施形態では、振動ふるい16の下部に熱風発生装置を設けた場合について説明したが、本発明はこれに限らず、振動ふるい16だけで処理することも可能である。
(第四実施形態)
本実施形態では、上記第一実施形態ないし第四実施形態において、汚染土壌を処理する前に、含水比を低減するために、例えば、セメント、生石灰、乾燥砂などを混合した。
表1に含水率調整の必要性の有無を示す。
本実施形態では、汚染土壌の含水比に応じて効率的にVOCの除去ができるように調整を行うため、短時間でVOCの除去が可能となる。
Figure 0003764454
表1において、含水率の高低の判断は、含水率22以上を含水率が高い(含水率調整必要)とし、それ以下は含水率が低い(含水率調整不要)とした。
(第五実施形態)
本実施形態では、上記第一実施形態ないし第四実施形態を適用する浄化対象物質毎の浄化工法の選定について表2に示す。
Figure 0003764454
表2において、”1”は、第一実施形態による処理方法を示す。”2”は、第二実施形態による処理方法を示す。”3”は第三実施形態に係る処理方法を示す。”4”は、第三実施形態による処理方法において第四実施形態による処理方法を適用した処理方法を示す。
(第六実施形態)
本実施形態では、振動ふるいの目開きを4cm以下にして汚染土壌を粉砕することが望ましいことを確認した。
本発明は、土壌中に含まれるVOCの揮発を促進する条件を整えることで短時間の浄化を実現している。VOCを揮発させるための外気と土壌との接触では、土壌の大きさを小さくすることが必要である。
砂層の上層を50℃の温風で加熱した場合の計算結果を示す。土壌を温風により加熱すると、土層の内部へ表面から熱が伝わる。浄化効果を促進させるためには、10℃以上上昇させる必要があるため、図5に示すグラフより土壌厚さ2cmまでは有効であると判断できる。
土壌を微細化し、ベルトコンベヤにより撹拌することにより、土壌の上下より熱が供給されることになるので、土壌の大きさとしては、2cmの2倍にあたる4cm以下が適当である。
図6,図7は、加温に有効な土壌厚さの検討結果を示す。
5cmの砂層の上層を50℃とした場合の土壌温度上昇割合の計算を行ったところ、土壌厚さは、2cm以下とすることが必要であることが判明した。
本実施例は、トリクロロエチレン、テトラクロロエチレンに汚染された砂質土の浄化処理を行った。
〈条件〉
・対象土質: 砂質土、含水率17%、処理土量各180L(300kg)
・汚染物質: トリクロロエチレン(TCE)、テトラクロロエチレン(PCE)
・浄化方法: 汚染土壌を方式(1)または(2)の方法で処理を行い、浄化効果を確 認した。
・土壌厚さ4cmとして、上記各実施形態において示したトンネル状の処理部内に配置 した複数のベルトコンベヤを通過させた。
実験条件は、表3に示す通りである。
実験結果は、表4、表5に示す通りである。
実験結果において、対照1は、20℃で放置60分(塊のまま土 1kg)の場合、対照2は、50℃で放置60分(塊のまま土 1kg)の場合を示す。
Figure 0003764454
Figure 0003764454
Figure 0003764454
〈考察〉
方式(1)について:
環境基準値の3倍程度の汚染土壌を20℃で換気したトンネル状の処理部内のベルトコンベヤを通過させることで、僅か2分程度で土壌よりTCEで73%、PCEで70%を分離し、環境基準値以下とした。
一方、対照として塊のまま1kgで20℃で、60分放置してもTCE、PCEともにほとんど濃度は低下しなかった。
以上より、方式(1)での除去率は70〜74%程度であり、目標値の3〜4倍の濃度を浄化することができた。
方式(2)について:
トンネル状の処理部内を熱風発生装置で50℃とすることで、環境基準値の6〜7倍程度の汚染土壌をトンネル状の処理部内のベルトコンベヤを通過させることで、僅か2分程度で土壌よりTCEで89%、PCEで87%を分離し、環境基準値以下とした。
一方、対照として塊のまま1kgで50℃で、60分放置してもTCEで23%、PCEでは17%の除去率に留まり、トンネル状の処理部内を通過させる効果は、歴然としている。
以上より、方式(2)での除去率は87〜89%程度であり、目標値の7〜8倍の濃度を浄化することができた。
本実施例は、トリクロロエチレン、テトラクロロエチレンに汚染された砂混じり粘土の浄化処理を行った。
〈条件〉
・対象土質: 砂混じり粘土、含水率19%、処理土量 2m3
・汚染物質: トリクロロエチレン(TCE)、テトラクロロエチレン(PCE)
・浄化方法: 汚染土壌を方式(3)方法で処理を行い、浄化効果を確認した。
・前処理として生石灰を75kg/m3で添加し、土壌の含水比低下させた後、土壌を加 温した。
・混合後2〜3時間、養生した後に、振動ふるいをかけ、トンネル状の処理部内のベル トコンベヤを通過させ、浄化を行った。振動ふるいの目開きを4cm以下とした。
実験条件は、表6に示す通りである。
実験結果は、表7に示す通りである。
〈考察〉
環境基準値の10〜30倍程度の汚染土壌に対し、事前に生石灰を混合し、含水率を低下させ微細化しやすくするとともに、60℃近くまで加熱し、その後、振動ふるいと煙道ベルコンを通過させることで、僅か2分程度で土壌よりTCE、PCEを分離し、環境基準値以下とした。
土壌の含水比調整を行う方式(3)では、前処理を行わなかった方式(1)、(2)に比べ、除去率が向上し、安定した処理が可能となる。
Figure 0003764454
Figure 0003764454
本実施例は、テトラクロロエチレン、トリクロロエチレンにより汚染された高含水率シルトの浄化処理を行った。
〈条件〉
・対象土質: 砂混じり粘土、含水率22〜27%、処理土量 1m3
・汚染物質: トリクロロエチレン(TCE)、テトラクロロエチレン(PCE)
・前処理として生石灰を30,50,75,100kg/m3を添加し、土壌の含水比低 下させ土壌を加温した。
・混合後2〜3時間養生した後に、送風機により外気と接触させ、揮発による土壌の分 離を促進しながら、振動ふるいを通過させ、その後の土壌を処理後土壌として含水率、 VOC溶出濃度を測定した。
通過時間 1分
〈結果〉
・表8に示す。
表8に示すように、初期濃度が基準値の10倍以下と10倍以上で層別し、比較した。上記の初期濃度の範囲では、前処理によるVOC除去率は処理後の含水率と加温時の温度で決定され、初期濃度の多少の影響は小さかった。
そこで、表8の結果をまとめ、処理後の含水率と加温時の温度に対するVOC除去率をプロットし、図7および図8に示した。
初期濃度が基準値の10倍以上の汚染土を環境基準値とするには、90%以上の除去率が必要である。初期濃度が高い場合には、前処理で十分に濃度を低減することで、次のベルトコンベヤ処理により合理的かつ確実に環境基準値以下まで完全に浄化することができる。
よって、高含水率シルト汚染土の前処理の目標値は、汚染初期濃度の高低で別々に設定することが合理的である。高含水率のシルト質汚染土に生石灰などを混合し含水率調整を行う場合目標値を表9に示す。
以上のように、高含水率なシルト質土壌を、短時間かつ確実に処理するため方法として、表8に示す生石灰などを混合する前処理を行うことで、浄化に適した含水率に調整し、その後、第三実施形態に示すように、振動ふるい→ベルトコンベヤ処理を行い、VOC成分をガス化分離することにより基準値以下まで処理できる。
Figure 0003764454
Figure 0003764454
本実施例は、トリクロロエチレン、テトラクロロエチレンにより汚染されたシルトの浄化処理を行った。
〈条件〉
・対象土質: 砂混じり粘土、含水率27%(1回目の実験)、22.5%(2回目の 実験)、処理土量 2m3
・汚染物質: トリクロロエチレン(TCE)、テトラクロロエチレン(PCE)
・浄化方法: 汚染土壌を方式(4)の方法で処理を行い、浄化効果を確認した。
・前処理として生石灰を75kg/m3で添加し、土壌の含水比を低下させた後、土壌を 加温した。
・混合後2〜3時間、養生した後に、振動ふるいをかけ、トンネル状の処理部内のベル トコンベヤを通過させ、浄化を行った。振動ふるいの目開きを4cm以下とした。
実験条件は、表10に示す通りである。
実験結果は、表11に示す通りである。
Figure 0003764454
Figure 0003764454
〈考察〉
環境基準値の10倍程度の汚染土壌に対し、事前に生石灰を混合し、含水率を低下させ微細化しやすくするとともに、約50℃まで加熱し、その後、振動ふるいとトンネル状の処理部内のベルトコンベヤを通過させることで、僅か2分程度で土壌よりTCE、PCEを分離し、環境基準値以下とした。
実施例2とは土質が異なるため、処理後土壌の含水率がやや高いが、ほぼ同等の除去率が期待できる。
本発明の第一実施形態に係るVOCの浄化工法を示す説明図である。 本発明の第二実施形態に係るVOCの浄化工法を示す説明図である。 本発明の第三実施形態に係るVOCの浄化工法を示す説明図である。 加熱に有効な土壌厚さの検討のための説明図である。 図4に基づく土壌温度上昇と接触時間との関係を示す図である。 図4に基づく土壌温度上昇と土壌厚さとの関係を示す図である。 実施例3における最終時含水率とVOC除去率との関係を示す図である。 実施例3における土壌加温温度とVOC除去率との関係を示す図である。
符号の説明
1,1A,1B,1C 処理装置
2 処理部
3 導入部
4 導出部
5,13 ベルトコンベヤ
6 部屋
7,17 ホッパー
8,10 通路
9 ブロア
11 空気浄化室
12 処理土を仮置きするヤード
14 対策エリア
15 熱風発生装置
16 振動ふるい
18 網
19 取込口
20 シート

Claims (5)

  1. 外気の導入部と導出部とを備えるとともに複数のベルトコンベヤを設置した処理装置内に、通気を行いながら前記複数のベルトコンベヤにより揮発性有機化合物に汚染された土壌を通過させ、風乾を繰り返し、前記土壌を0.1cm〜4cm以下に微細化し、大量の空気と接触させ、前記土壌中に含まれる前記揮発性有機化合物のガス化を促進し、前記揮発性有機化合物の濃度を目標値以下に低減させることを特徴とする揮発性有機化合物に汚染された土壌の浄化工法。
  2. 請求項1記載の揮発性有機化合物に汚染された土壌の浄化工法において、前記土壌の通過方向と向流で温風を接触させることを特徴とする揮発性有機化合物に汚染された土壌の浄化工法方法。
  3. 請求項1または請求項2記載の揮発性有機化合物に汚染された土壌の浄化工法において、前記土壌を前記複数のベルトコンベヤに搬入する前に、目開き0.1cm〜4cmの振動ふるいと送風機により構成された揮発促進域を通過させ、前記土壌を細分化しながら落下させることを特徴とする揮発性有機化合物に汚染された土壌の浄化工法方法。
  4. 請求項1ないし請求項3の何れか記載の揮発性有機化合物に汚染された土壌の浄化工法において、前記土壌を前記複数のベルトコンベヤに搬入する前に、含水比の低減処理または土壌を40℃〜100℃に加温する処理を行うことを特徴とする揮発性有機化合物に汚染された土壌の浄化工法方法。
  5. 請求項1ないし請求項4の何れか記載の揮発性有機化合物に汚染された土壌の浄化工法において、前記揮発性有機化合物は、常圧での沸点が150℃以下の揮発性有機物質であることを特徴とする揮発性有機化合物に汚染された土壌の浄化工法方法。
JP2003421370A 2003-12-18 2003-12-18 揮発性有機化合物に汚染された土壌の浄化工法 Expired - Fee Related JP3764454B2 (ja)

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